JP2904245B2 - 車両用タイヤ構造 - Google Patents

車両用タイヤ構造

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JP2904245B2
JP2904245B2 JP4290191A JP29019192A JP2904245B2 JP 2904245 B2 JP2904245 B2 JP 2904245B2 JP 4290191 A JP4290191 A JP 4290191A JP 29019192 A JP29019192 A JP 29019192A JP 2904245 B2 JP2904245 B2 JP 2904245B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C19/00Tyre parts or constructions not otherwise provided for
    • B60C19/002Noise damping elements provided in the tyre structure or attached thereto, e.g. in the tyre interior

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は走行時における騒音低
減が可能な車両用タイヤ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】走行する車の騒音原因としては、エンジ
ン音の他にタイヤ自体が発生する音も大きな要因となっ
ている。このタイヤ騒音を低減させる手段の一例とし
て、例えば図24に示されるようなものがある(実開平
2−41803号公報参照)。
【0003】タイヤ1は、トレッド溝2による所定のト
レッドパターンが形成されたトレッド部3と、該トレッ
ド部3をホイール4に対して支持するサイドウォール部
5と、から成っている。また、サイドウォール部5は、
トレッド部3に近いショルダ部分6、中間のサイド部分
7、ホイール4に近いビード部分8、に分かれている。
そして、このタイヤ1の内部には、発泡材料によるラン
ダムな突起9が形成されており、この発泡材の突起9に
よりタイヤ1の内部に発生する気柱共鳴音を全体的にわ
たって減衰させる構造となっている。外騒音の低減性能
には十分な効果が得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、ランダムな突起9を形成
し、この突起9によりタイヤ1の内部の気柱共鳴音を減
衰させる構造となっているため、タイヤ1の内部で発生
する音はある程度吸収することができるものの、タイヤ
1自体の膜振動を抑制することができないため、最近特
に注目されてきた車外騒音の低減性能には十分な効果が
得られない。
【0005】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、タイヤ騒音の低減をより一層図
ることができるタイヤ構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、トレッド溝によりトレッドパターン
が形成されたトレッド部と、ショルダ部分、サイド部
分、ビード部分を有するサイドウォール部と、から成る
車両用タイヤ構造において、前記サイドウォール部の少
なくとも一部分に、トレッド溝によってタイヤの周方向
に区切られた複数のトレッドブロックと同数の剛性変化
部を、トレッドブロックからの変位振動入力の位相変化
に対応する角度分(角度が0の場合も含む)だけ、タイ
ヤの回転方向とは反対側にずらして設けたものである。
【0007】「剛性変化部」とは、サイドウォール部の
各部分におけるタイヤ半径方向或いはタイヤ幅方向の曲
げ剛性を変化させることが可能なもので、例えばサイド
ウォール部の一部の肉厚を変化させたり、硬度を変化さ
せたりするものである。尚、硬度変化は、補強材を付加
する場合も含む。また、「トレッドブロックと同数の剛
性変化部」とは、剛性変化部自体が複数に分割されてい
る場合もあるので、1つの剛性変化部として捉えられる
ものが、トレッドブロックと同数であることを意味して
いる。
【0008】
【作用】この発明のタイヤ構造によれば、サイドウォー
ル部に複数のトレッドブロックと同数の剛性変化部を、
トレッドブロックからの変位振動入力の位相変化に対応
する角度分(角度が0の場合も含む)だけ、タイヤの回
転方向とは反対側にずらして設けたため、トレッドパタ
ーンに起因したサイドウォール部の膜振動が抑制され、
走行時におけるタイヤ騒音の低減を確実に図ることがで
きる。
【0009】
【実施例】以下この発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0010】図1〜図10はこの発明の第1実施例を示
す図である。まず最初に、図1〜図6を用いて、この第
1実施例の構成により騒音低減効果が得られる基本原理
を市販されているタイヤ構造と比較しながら説明する。
尚、図中、αがタイヤ周方向、βがタイヤ半径方向、γ
がタイヤ幅方向を各々示す。
【0011】図1〜図3に示すように、回転数ωで回転
するタイヤ10は、路面Gに対する接地時(踏み込み
時)と離脱時(蹴りだし時)において、荷重を支持する
のに必要な本来の静たわみ(静変形)と共に、トレッド
部11に形成された後述の各トレッドブロック13の段
差Dにより、微小変位εの繰り返したわみ(動変形)を
受ける。すなわち、タイヤ10のトレッド部11には、
図3(a)(b)(c)にて例示されているような、リ
ブ、ラグ、ブロック等、種々のトレッドパターンTPが
トレッド溝12により形成されている。このようなトレ
ッド部11の例えば直線L部分に着目してみると、トレ
ッド部11はタイヤ周方向αにおいて各々トレッド溝1
2で断続的に区切られ、島状のブロックが形成されるこ
ととなり、結果としてタイヤ周方向αに沿った複数のト
レッドブロック13が形成される。そして、このトレッ
ドブロック13が、仮にタイヤ周方向αに沿って等ピッ
チでN個配置されているとすると、トレッドブロック1
3はタイヤ10に対し、図4に示すようεsinNωt
の変位入力を与えることになる。ここで、εはトレッド
部11の段差による変位(振幅)、Nはトレッドブロッ
ク13の個数、ωはタイヤ10の回転数(rps)、t
は時間(s)を各々示す。
【0012】そして、図4に示すように、トレッド部1
1のεsinNωtの変位振動により、サイドウォール
部14にはε’sinNωtの変位振動が発生し、この
振幅ε’の変位振動により、サイドウォール部14をパ
ネルとする膜振動が起こって、特に離脱点gから若干回
転方向α1 側にずれた位置の騒音発生点Pにおいて騒音
が発生する。
【0013】さらに、車両で用いられている12インチ
のタイヤを用いた具体値で説明すると、例えば、タイヤ
半径R=0.3mであり、車速V=50km/h、トレ
ッドブロック数N=70、とすると、 タイヤの回転数ω≒V/(πR×7.2)=7.4rp
sで、 膜振動の周波数Nω=70×7.4=518Hzとな
る。
【0014】そして、図5に示されたサイドウォール部
14の膜振動モデル図において、モデル下端部から入力
された変位εの振動入力は、サイドウォール部14のマ
ス(mass)mを、タイヤ10のトレッド部11側に結合さ
れたサイドウォール部14の等価ばねk1 を介して加振
する。また、マスmは同時に、ホイール15側に結合さ
れたサイドウォール部14の等価ばねk2 にも結合され
ている。
【0015】膜振動の周波数である500Hz前後の周
波数領域では、ホイール15は完全に慣性項支配領域で
固定と考えて良い。この時、サイドウォール部14の等
価マスmについての運動方程式は以下となる。
【0016】 m(d2x/d2t)+k(x−εsinNωt)=F ─────(1) ここで、k=k1 +k2 で、Fは輪荷重(静的荷重)
で、xはマスmの変位を示す。この(1)式を整理し
て、 m(d2x/d2t)+kx=kεsinNωt+F ─────(2)
【0017】この右辺の加振力により、一般に市販され
ているタイヤでは、xの動的変位が発生し、ε’sin
Nωtのサイドウォール部14の膜振動により車外騒音
が発生している。
【0018】これに対し、本発明では、前記トレッドブ
ロック13による変位εの振動入力に起因したサイドウ
ォール部14における変位ε’の膜振動の発生を抑制す
るために、サイドウォール部14にトレッドブロック1
3に同期した剛性変化部をタイヤ周方向αに沿って設け
ている。
【0019】この発明の原理を、前記図5と同等の図6
を用いて説明すると、この実施例では、サイドウォール
部14の一部に剛性変化部を設けることにより、振動モ
デル図のばねK1 のばね剛性を周期的に、Δk・sin
Nωt、だけ変動させるようにしたものである。
【0020】こうすることにより、(1)式で示した運
動方程式は、 m(d2x/d2t)+(k+Δk・sinNωt)×(x−εsinNωt)=F ─────(3)となる。 なお、Δk≪kとなる。
【0021】ここで、サイドウォール部14の最終的な
膜振動変位を、y=x−F/kとすると、(3)式は m(d2y/d2t)+(k+Δk・sinNωt)y ={kε−(Δk/k)・F}×sinNωt+Δkεsin2 Nωt ─────(4)となる。
【0022】さらに減衰を考慮し、且つ、Δk≪kであ
ることを考えると、左辺の不安定振動(自励振動)は発
生しないと考えられるため、微小項を無視し(4)式を
改めると、 m(d2y/d2t)+c(dy/dt)+ky ={kε−(Δk/k)・F}×sinNωt ───(5)となる。
【0023】ここで、k、ε、Fは既知であり、それぞ
れの値はトレッドブロック22の個所とトレッド溝21
の個所で異なっているため、これらの個所の個所ごと
に、 kε=(Δk/k)・F Δk=k2 ε/F ─────(6) となるようにΔkをチューニングすれば、(5)式にお
いて、右辺はゼロになり、サイドウォール14の膜振動
は発生しなくなり、車外騒音の発生を根絶することがで
きるのである。
【0024】次に、この作用を得るためにkの値を調整
するメカニズムを図面に基づき説明する。図4で示した
通り、タイヤ10は路面接地時に輪荷重Fにより静たわ
み(静変形)を起こし、さらに、トレッドパターンTP
の作用により、微小変位εの繰り返したわみ(動変形)
が強制的に発生する。この結果、トレッド部11の変位
加振入力によりサイドウォール部14の膜振動が発生す
る。この時、振動の伝達経路は、トレッド部11→ショ
ルダ部分16→サイド部分17→ビード部分18が主で
あり、補助的に並列に配置されるタイヤ10内部のエア
ばねが作用する。
【0025】ここで、この力の反力を支持する各部分1
6、17、18の剛性は、主にショルダ部分16のタイ
ヤ半径方向βの曲げ剛性と、サイド部分17のタイヤ幅
方向γの曲げ剛性と、ビード部18のタイヤ半径方向β
の曲げ剛性である。つまり、これらの部分の剛性が前記
図5及び図6のばね剛性kを意味する。従って、前記各
部分16、17、18のタイヤ半径方向β或いはタイヤ
幅方向γの曲げ剛性のを、タイヤ10の1回転にN回分
周期的に変位させ、且つ、その変化分の等価ばねを
(6)式のΔk相当値にチューニングすれば、サイドウ
ォール部14の膜振動は発生しないことになる。
【0026】図7〜図10はこの第1実施例を実際のタ
イヤTに適用した場合の具体例を示すものである。この
タイヤTは、先の基本原理でも説明したように、トレッ
ド部19とサイドウォール部20とから成り、トレッド
部19にはトレッド溝21によりトレッドパターンTP
が形成されており、該トレッド溝21によってタイヤ周
方向αで区切られた複数のトレッドブロック22を有し
ている。なお、このトレッドブロック22はタイヤ幅方
向γでもトレッド溝21により区切られており、タイヤ
幅方向γでは、センタ部分22a、ミディアム部分22
b、ショルダ寄り部分22cに区別される。また、トレ
ッド部19の下部にはブレーカ23が設けられている。
そして、サイドウォール部20は、ショルダ部分24、
サイド部分25、ビード部分26に分かれている。ま
た、15はホイールを示している。ビード部26内には
ビードフィラ26aが充填されており、その中には更に
ビードワイヤ26bが設けられている。そして、このタ
イヤTの内面にはインナライナ27が全面に設けてあ
る。更に、サイドウォール部20のサイド部分25に相
当するインナライナ27の一部には、タイヤ周方向αに
沿って「剛性変化部」としての複数の肉厚部28が、ト
レッドブロック22に略同期した状態で形成されてい
る。この肉厚部28はサイド部分25における前記kを
トレッドブロック22に同期して変化させるために設け
られているものであり、トレッドブロック22と同数
で、且つタイヤ周方向αでの長さが同一で、ピッチ位相
はタイヤ回転方向α1 の反対側(図中左側)にθだけず
らしてある。
【0027】このθは、トレッドブロック22からの変
位振動入力の位相変化に対応するためのものである。当
該変位振動入力の位相は、タイヤTの回転速度、駆動ト
ルク、内部エア圧等で微妙に変化する。また、トレッド
部19におけるトレッドブロック22はセンタ部分22
a、ミィデアム部分22b、ショルダ寄り部分22c
で、それぞれ位相がずれていると共に、タイヤTのキャ
ンバー角、スリップ角等の使用条件によっても、サイド
ウォール部20を加振する変位振動入力の位相は変化す
る。
【0028】このため、θの最適値は演算により一義的
に決めることは極めて難しく、本発明者の実験によれ
ば、図10に示すように、θの変化と共に、サイドウォ
ール部20の膜振動による騒音レベルは変化し、騒音レ
ベルが最小となるθOPが存在する。このため実験により
最適値θOPになるようにθを調整している。
【0029】従って、θはトレッドブロック22に対し
て常にずれるとは限らず、全くずれない場合もある。こ
こで、最も大事なことは、先の基本原理でも説明したよ
うに、肉厚部28の厚さや形状等をチューニングするこ
とにより、肉厚部28によるサイドウォール部20の曲
げ剛性変化分を、前記(6)式で示したΔk相当値にす
ることであり、このチューニングを正確に行うことによ
り、サイドウォール部20の膜振動が抑制され、騒音の
確実な低減が図れることとなる。
【0030】図11〜図13はこの発明の第2実施例を
示す図である。尚、先の第1実施例と同一部分には共通
の符号を付し、重複説明は省略する。この第2実施例
は、タイヤ周方向αのトレッドブロック22のピッチ配
列が、第1実施例の場合の等ピッチ配列と異なり、不等
ピッチ配列であった場合の実施例である。この不等ピッ
チは、タイヤTのトレッドブロック22に依存する騒音
の周波数分散を目的として通常用いられる手法であり、
例えば車速50km/hの場合、騒音の中心周波数を5
00Hzとすると、実際に発散される騒音の周波数が4
00〜600Hz程度に分散される。従って、この第2
実施例における「剛性変化部」としての肉厚部29も、
トレッドブロック22に相応した不等ピッチ配列になっ
ている。また、肉厚部29は位置がサイド部分25の若
干ビード部分26寄り部位になっている。更に、この場
合の肉厚部29も、第1実施例と同様にトレッドブロッ
ク22と同数で、タイヤ周方向αでの長さが同一で、ピ
ッチ位相はタイヤ回転方向後側(図中右側)に最適角度
θだけずらしてある。また、この肉厚部29によるサイ
ドウォール部20の曲げ剛性変化分が、前記(6)式で
示したΔkに相当するように、厚さ及び形状がチューニ
ングされているため、先の第1実施例同様に確実な騒音
低減効果が得られる。
【0031】すなわち、この第2実施例に係るタイヤT
の騒音レベルを、肉厚部29を設けない通常タイヤと比
較したところ、図13のような結果が得られた。図中実
線表示がこの第2実施例のタイヤTであり、点線表示が
通常タイヤである。試験データは車速50km/h時に
おける各周波数レベルの騒音レベルを示している。そし
て、図中矢示A部分が、騒音として最も耳障りな周波数
領域(400〜600Hz)であり、この領域において
この実施例のタイヤTに係る騒音レベルの方が、通常タ
イヤの騒音レベルよりも低いことが分かる。従って、こ
の第2実施例から、本願発明は均等ピッチのものだけで
なく、不等ピッチのトレッドブロック22にも適用でき
ることが分かる。
【0032】図14及び図15は、この発明の第3実施
例を示す図である。この第3実施例は、ビード部分26
のタイヤ半径方向γの曲げ剛性、即ちk2 を変化させる
ことにより、サイドウォール部20の膜振動を抑制し、
騒音発生の低減を図るようにしている。すなわち、ビー
ドフィラ26aの全体剛性を高めると共に該ビードフィ
ラ26aの周縁に断続的な切欠部30を設けることによ
り、トレッドブロック22と同数で且つトレッドブロッ
ク22と最適角度θだけピッチ位相がずれた「剛性変化
部」としてのビードフィラブロック部31を形成した。
従って、このビードフィラブロック部31によるサイド
ウォール部20全体の曲げ剛性変化分を、前記(6)式
で示したΔkに相当するようにチューニングすれば、該
サイドウォール部20の膜振動が抑制され、騒音の確実
な低減を図ることができる。
【0033】図16及び図17は、この発明の第4実施
例を示す図である。この第4実施例では、サイドウォー
ル部20のサイド部分25における外表面にトレッドブ
ロック22と同期した「剛性変化部」としての円形の突
起部32が複数形成されている。すなわち、この突起部
32はトレッドブロック22と同数で且つ最適角度θだ
けずらした状態とされている。従って、この突起部32
によるサイドウォール部20全体の曲げ剛性変化分を、
前記(6)式で示したΔkに相当するようにチューニン
グすれば、該サイドウォール部20の膜振動が抑制さ
れ、騒音の確実な低減を図ることができる。
【0034】図18及び図19は、この発明の第5実施
例を示す図である。この第5実施例では、全体剛性を高
めたサイドウォール部20のサイド部分25に一定間隔
ごとに形成したスリット33により、該スリット33間
にトレッドブロック22と同数の「剛性変化部」として
のサイドブロック部34を形成すると共に、該サイドブ
ロック部34をトレッドブロック22に対して最適角度
θだけずらしている。従って、このサイドブロック部3
4が先の実施例の肉厚部28、29等と略同様の機能を
果たすこととなり、サイドウォール部20の膜振動を抑
制して、騒音の確実な低減が図れる。
【0035】図20及び図21は、この発明の第6実施
例を示す図である。この第6実施例では、サイドウォー
ル部20のサイド部分25における外面にトレッドブロ
ック22と同期した波形状で細幅の「剛性変化部」とし
ての隆起部35を形成したものである。すなわち、この
隆起部35は、トレッドブロック22と同数の放射方向
湾曲部35aを有し、該放射方向湾曲部35aをトレッ
ドブロック22に対して最適角度θだけずらした状態と
なっている。従って、この隆起部35(特に、放射方向
湾曲部35a)の存在により、サイドウォール部20の
膜振動が抑制され、騒音の確実な低減が図れる。
【0036】図22及び図23は、この発明の第7実施
例を示す図である。この第7実施例では、トレッドブロ
ック22に同期した配列で、左右のサイドウォール部2
0のサイド部分25同士を連結する「剛性変化部」を形
成する弾性体36を設けたものである。すなわち、この
弾性体36はトレッドブロック22の倍数あり、2つで
1つの「剛性変化部」を形成し、トレッドブロック22
と同数になっている。この「剛性変化部」はトレッドブ
ロック22に同期しており、レッドブロック22に対し
て最適角度θだけずれている。従って、この「剛性変化
部」で左右のサイドウォール部20を連結して、各サイ
ドウォール部20の曲げ剛性を変化させることにより、
先の実施例同様にサイドウォール部20の膜振動が抑制
され、騒音の確実な低減を図ることができる。
【0037】なお、以上の説明では、各種の剛性変化部
28、29、31等をサイドウォール部20のサイド部
分25やビード部分26に設けた例を示したが、ショル
ダ部分24に設けて、該ショルダ部分24のタイヤ半径
方向の曲げ剛性を変化させるようにしてもよい。
【0038】また、これら剛性変化部28、29、31
等を設ける部位は、サイドウォール部20のショルダ部
分24、サイド部分25、ビード部分26のいずれか1
つだけに限定されるものでなく、この3つの部分24、
25、26のうちの任意の2つに設けても良いし、3つ
全部に設けても良い。要は、サイドウォール部20の膜
振動が抑制されれば良い。
【0039】更に、剛性変化部28、29、31等は、
肉厚変化によるものだけに限定されず、サイドウォール
部20の一部を部分的に硬度変化させたりしても良い。
尚、硬度変化は、補強材(充填材を含む)を挿入した
り、材質を変更することにより行われる。
【0040】加えて、サイドウォール部20が、例えば
図示せぬインナチューブやカーカス等により幾層にもな
っている場合は、どの層に剛性変化部28、29、31
等を設けても良い。要は、サイドウォール部20の剛性
が変化して膜振動が抑制されれば良い。
【0041】また、以上の説明では、剛性を高める方の
剛性変化部28、29、31を設けが例を示したが、剛
性を下げる方の剛性変化部であっても良く、要は剛性変
化部により、サイドウォール部20の膜振動が抑制され
れば良い。従って、剛性変化部の種類によっては、トレ
ッドブロック13、22に同期させるために、トレッド
溝12、21の方に同期させる場合もある。
【0042】そして、本願発明が適用できるタイヤは種
類を問わず、バイアスタイヤ、ラジアルタイヤ、ベルテ
ッドバイアスタイヤ等、どのような種類のものであって
も良い。
【0043】
【発明の効果】この発明に係るタイヤ構造は、以上説明
してきた如き内容のものであって、サイドウォール部に
複数のトレッドブロックと同数の剛性変化部を、トレッ
ドブロックからの変位振動入力の位相変化に対応する角
度分だけ、タイヤの回転方向とは反対側にずらして設け
たため、サイドウォール部の膜振動が抑制され、走行時
におけるタイヤ騒音の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイヤの騒音発生点を示す図である。
【図2】図1中矢示DA部分を示す拡大図である。
【図3】(a)(b)(c)は各々トレッド部の種類を
示す図である。
【図4】図1中矢示SA−SA線に沿うタイヤの変形状
態を示す図である。
【図5】通常タイヤの振動モデル図である。
【図6】本発明に係るタイヤの振動モデル図である。
【図7】本発明の第1実施例に係るタイヤを示す一部断
面の側面図である。
【図8】図7のタイヤの断面図である。
【図9】図7中矢示SB−SB線に沿う断面図である。
【図10】剛性変化部のトレッドブロックに対するずれ
角θと騒音レベルとの関係を示すグラフである。
【図11】本発明の第2実施例に係るタイヤを示す一部
断面の側面図である。
【図12】図11のタイヤの断面図である。
【図13】第2実施例のタイヤと通常タイヤとの騒音レ
ベルを比較したグラフである。
【図14】本発明の第3実施例に係るタイヤを示す一部
断面の側面図である。
【図15】図14のタイヤの断面図である。
【図16】本発明の第4実施例に係るタイヤを示す一部
断面の側面図である。
【図17】図16のタイヤの断面図である。
【図18】本発明の第5実施例に係るタイヤを示す一部
断面の側面図である。
【図19】図18のタイヤの断面図である。
【図20】本発明の第6実施例に係るタイヤを示す一部
断面の側面図である。
【図21】図20のタイヤの断面図である。
【図22】本発明の第7実施例に係るタイヤを示す一部
断面の側面図である。
【図23】図22のタイヤの断面図である。
【図24】従来のタイヤの断面図である。
【符号の説明】
10、T ─ タイヤ 11、19 ─ トレッド部 12、21 ─ トレッド溝 13、22 ─ トレッドブロック 14、20 ─ サイドウォール部 16、24 ─ ショルダ部分 17、25 ─ サイド部分 18、26 ─ ビード部分 28、29 ─ 肉厚部(剛性変化部) 31 ─ ビードフィラブロック部(剛性変化部) 32 ─ 突起部(剛性変化部) 34 ─ サイドブロック部(剛性変化部) 35 ─ 隆起部(剛性変化部) 36 ─ 弾性体(剛性変化部) TP ─ トレッドパターン α ─ タイヤ周方向 β ─ タイヤ半径方向 γ ─ タイヤ幅方向

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド溝によりトレッドパターンが形
    成されたトレッド部と、ショルダ部分、サイド部分、ビ
    ード部分を有するサイドウォール部と、から成る車両用
    タイヤ構造において、 前記サイドウォール部の少なくとも一部分に、トレッド
    溝によってタイヤの周方向に区切られた複数のトレッド
    ブロックと同数の剛性変化部を、トレッドブロックから
    の変位振動入力の位相変化に対応する角度分(角度が0
    の場合も含む)だけ、タイヤの回転方向とは反対側にず
    らして設けたことを特徴とする車両用タイヤ構造。
  2. 【請求項2】 剛性変化部が肉厚変化部である請求項1
    記載の車両用タイヤ構造。
  3. 【請求項3】 剛性変化部が硬度変化部である請求項1
    記載の車両用タイヤ構造。
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