JP2904106B2 - 蛍光体 - Google Patents

蛍光体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光表示管や、電
界放出素子を電子源に用いた蛍光表示装置などにおい
て、発光部である陽極に被着されて陰極からの電子の射
突を受けて発光する蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】SrTiO3 :Pr,Al蛍光体はエネ
ルギーギャップが3.3eVで母体抵抗が低いので、電
子を射突させた場合、加速電圧が低電圧の段階から赤色
の発光が観察される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、この蛍
光体を蛍光表示管の陽極に用いて寿命評価を行った。前
記蛍光体は数十時間で輝度劣化を生じた。この時、蛍光
体の表面は黒色に着色した。表面分析すると、カーボン
の増加が認められた。同じ蛍光体を、超真空雰囲気内で
電子線を照射するデマンタブル装置内で寿命評価する
と、前述のようなカーボンの増加といった現象は生じに
くくなることが判明した。
【0004】また、前記蛍光体の作製時に、Sr/Ti
比、Al、Pr量を変更しても寿命特性改善にはほとん
ど効果がなかった。さらに、In 2 3 、WO3 等の導
電物質の粉体を混合しても基本的な寿命特性は改善され
なかった。
【0005】本願発明者等は、実験から得た以上の新規
な知見から、前記蛍光体の寿命劣化の原因について次の
ような考察を行った。まず、蛍光体が真空容器の中で電
子線の射突によって励起されて発光する時、この蛍光体
の表面では真空容器内の残留ガスとの間でさまざまな反
応が生じていると考えられる。一般的には、この時蛍光
体の表面はクリーニングされると考えられるが、一部の
蛍光体では逆の現象が生じることがわかった。
【0006】蛍光表示管等において電子を加速するため
にアノードに印加される電力は90%以上がロスエネル
ギーとして熱になるといわれているが、例えば、前記蛍
光体はエネルギーギャップが小さいので、このロスエネ
ルギーの強度が弱く、蛍光体の入力エネルギーに対する
発光効率が高く、熱の発生は相対的に少ない。従って、
蛍光体の表面に付着したガス成分をロスエネルギーによ
って除去することができず、付着したガス成分は蛍光体
の表面に蓄積されてしまう。
【0007】特に、電子線が照射されている部分は、表
面が活性になり付着するガスの蓄積量は多くなるものと
考えられる。また、カーボン系の結合エネルギーは4e
V以上の場合が多いので、この値以下のエネルギーギャ
ップの蛍光体では、ガスの吸着が起こりやすいと考えら
れる。
【0008】エネルギーギャップが小さい前述したよう
な蛍光体にカーボン系のガスが吸着する現象は、蛍光体
の材質によっても異なり、真空容器内の残留ガス成分の
中でもカーボン系のガス(CO、CO2 、CH4 )や水
分に対して活性な材料の場合には特に顕著に生じること
が判明した。
【0009】即ち、アルカリ土類金属を成分とする酸化
物蛍光体の場合は、その表面には例えばSr−O、Ba
−Oのような結合が存在する。例えばアルカリ土類金属
としてSrを考えると、例えば常温ではSrO+CO2
→SrCO3 のような反応が進むと推測される。このた
め、アルカリ土類金属を成分とする酸化物蛍光体は、特
にカーボン系のガスに関しては敏感であると考えられ
る。
【0010】このようにアルカリ土類金属を成分として
含有し、且つエネルギーギャップが4eV以下と小さい
蛍光体を用いる場合には、真空容器内のカーボン系のガ
ス分圧を1×10-6Pa以下に抑えることが必要である
が、例えば蛍光表示管の場合にはフィラメントカソード
は一般に炭酸塩を原料にしており、カーボン系のガス分
圧を下げることは困難であった。また、1×10-6Pa
以下の真空度はいわゆる超高真空の領域であり、デバイ
ス作製の上でコストアップにつながる。
【0011】本発明は、低電圧から発光し、寿命特性の
良好なSrTiO3 を母体とする蛍光体を提供すること
を目的としている。
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】 請求項1に記載された蛍
光体は、SrTiO3 を母体とする蛍光体に、PtO 2
とRuO 2 の中から選ばれた少なくとも一つの物質を添
加したことを特徴とする。
【0014】請求項に記載された蛍光体は、請求項
載の蛍光体において、前記物質が、膜状又は微粒子状
から選択された何れか一方の状態で前記蛍光体の表面を
覆っていることを特徴とする。
【0015】請求項に記載された蛍光体は、請求項1
又は2記載の蛍光体において、前記蛍光体のエネルギー
ギャップが5eV以下であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者等は、[発明が解決しよ
うとする課題]の項で説明した独自の知見に基づき、真
空容器内のカーボン系のガス分圧が1×10-6Pa以上
でもSrTiO3 を母体とする蛍光体を電子の射突によ
って安定して発光させる手段について鋭意研究した。そ
の結果、前記蛍光体の表面又は蛍光体層の表面を酸化作
用のある特定の物質で表面処理すれば、これら蛍光体の
表面等が前記ガスから保護されるとともに、電子線によ
る励起で十分な発光輝度と寿命も得られることがわかっ
た。このような効果が得られる物質としては、PtO 2
又はRuO 2 のような酸化物がある。
【0017】
【実施例】
(1) 実施例1 0.0025mol/molのPrで付活され、Alが
0.2mol/mol添加されたSrTiO3 :Pr,
Al蛍光体を用意する。塩化Ptを所定量のエタノール
に溶解し、前記蛍光体にコートする。これを400℃〜
700℃で焼成し、蛍光体にコートした物質を酸化物
tO 2 とした。コート量は、PtO2 に換算して10μ
g/g〜80000μg/gの間で変化させた。
【0018】前記物質でコートされた前記蛍光体を蛍光
表示管の陽極に実装した蛍光表示管を作製し、発光させ
て評価を行った。点灯条件は、アノード電圧が400
V、アノード電流が平均値で75mA/cm2 とした。
表面処理を行わない蛍光体についても同様の条件で評価
を行い、これを各図中に比較のためにSTDで表示し
た。図1はコート量と輝度の関係を示す。図2は所定時
間経過後の輝度残存率とコート量との関係を示す。図3
はコート量とカーボンの付着量の関係を示す。図4は、
輝度残存率と点灯時間の関係をコート量をパラメータと
して示したものである。
【0019】図1に示すように、初期輝度はコート量が
増すに従い低下する。コートが0のSTDは最も輝度が
高いが、コート量が5000μg/g程度の本発明品の
相対輝度はSTDを100%とした場合に50%程度と
なり、後述する寿命の良さを考慮すると十分に実用に耐
える。
【0020】図2に示すように、寿命を示す輝度残存率
はコート量が増すに従い増加する。コートが0のSTD
は輝度残存率が相対値で20%である。コート量が50
0μg/g程度の本発明品の相対輝度は70%以上にな
り、STDの3倍以上となる。
【0021】各試料を寿命試験後に表面分析した。その
結果を表す図3に示すように、カーボンの付着量はコー
ト量が増すに従い低下する。コートが0のSTDは付着
カーボン量が相対値で約3である。コート量が500μ
g/g程度の本発明品の付着カーボン量は相対値で約
1.5程度であり、コート量が5000μg/g程度の
本発明品の付着カーボン量は相対値で約1程度とSTD
の3分の1程度となる。
【0022】図4に示すように、輝度残存率は点灯時間
が長くなるにつれて低下するが、コート量が増えるに従
って点灯時間の増加に対する輝度残存率の低下率が小さ
くなる。要するにコート量が増えるに従って輝度が低下
しにくくなる。コートが0のSTDでは、点灯時間が1
000時間を越えると輝度残存率が初期輝度の25%程
度に落ちてしまうが、コート量が800μg/g程度の
本発明品の場合、初期輝度の80%程度を保持してい
る。
【0023】以上のデータが示すように、コート量は5
00μg/g〜5000μg/gの範囲であれば実用上
問題ない。また、800μg/g〜2000μg/g
の範囲であれば最も好ましい効果が得られる。
【0024】 (2) 実施例2 0.0025mol/molのPrで付活され、Alが
0.2mol/mol添加されたSrTiO3 :Pr,
Al蛍光体を用意する。RuO 2 を前記蛍光体に400
0μg/gコートする。この蛍光体を蛍光表示管に実装
して実施例1と同一の条件で初期輝度、寿命試験等の試
験を行った。比較のためにSTDについても同様の試験
を行った。
【0025】本例の試料の蛍光体は、STDに比べて初
期輝度は80%であった。寿命特性については、STD
が輝度残存率20%であるのに対し、本例の試料の蛍光
体は約90%と良好な値を示した。
【0026】以上説明した各実施例ではSrTiO3
Pr,Al蛍光体をPtO 2 RuO 2 でコートした。
蛍光体については、SrTiO3 :Pr,Al蛍光体だ
けでなく、SrTiO3 :Pr蛍光体にAl以外の物
質、例えばGaやIn等を添加したものでも、前記物質
のコートにより前記実施例と同様の効果が得られる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、Cdを含まず、低電圧
から発光し、寿命特性の良好なSrTiO3 を母体とす
る蛍光体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化作用のある物質のコート量と蛍光体の輝度
の関係を示すグラフである。
【図2】蛍光体の所定時間経過後の輝度残存率と酸化作
用のある物質のコート量との関係を示すグラフである。
【図3】酸化作用のある物質のコート量と蛍光体に対す
るカーボンの付着量の関係を示すグラフである。
【図4】蛍光体の輝度残存率と点灯時間の関係を、酸化
作用のある物質のコート量をパラメータとして示したグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 義孝 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 平8−85788(JP,A) 特開 平9−87618(JP,A) 特公 昭41−16162(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 11/00 - 11/89 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SrTiO3 を母体とする蛍光体に、P
    tO 2 とRuO 2 の中から選ばれた少なくとも一つの
    質を添加したことを特徴とする蛍光体。
  2. 【請求項2】 前記物質が、膜状又は微粒子状から選択
    された何れか一方の状態で前記蛍光体の表面を覆ってい
    る請求項1記載の蛍光体。
  3. 【請求項3】 前記蛍光体のエネルギーギャップが5e
    V以下である請求項1又は2記載の蛍光体。
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