JP3867555B2 - 蛍光表示管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カドミウムを使用しない寿命特性の良好な蛍光体を用いた蛍光表示管に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は一般的な蛍光表示管の構造を概略的に示す断面図である。絶縁性の陽極基板1の上面には陽極導体2と蛍光体層3からなる陽極4が所定のパターンで形成されている。陽極4の上方には制御電極5が設けられ、制御電極5の上方には電子源となるフィラメント状の陰極6が設けられている。陽極基板1の上面側には、下面が開放された箱型の容器部7が制御電極5や陰極6を覆って封着され、全体として箱型の外囲器10を構成している。この外囲器10の内部は高真空状態に保持されている。
【0003】
陰極6に通電し、この陰極6に対して所定の正電位となるように制御電極5及び陽極導体2に正電圧を加えると、陰極6から放出された電子は制御電極5により加速・制御されて陽極4の蛍光体層3に射突し、その蛍光体を発光させる。ここで、通常、1kV以下(通常は100V以下)の低電圧で加速された低速電子線は蛍光体の表面のごく浅い部分にしか侵入しえず、蛍光体は表面近傍のみで発光することが周知である。
【0004】
このような低速電子線を使用する蛍光表示管では、低速電子線用の蛍光体として例えばZnO:Zn蛍光体が広く使用されている。しかし、このZnO:Zn蛍光体は発光色が青緑色であり、赤や黄色等、表示色の多様化の要望には答え得ないため、近年では黄色や赤色の表示用にZnCdS:Ag,Al蛍光体やZnCdS:Au,Al蛍光体も用いられるようになっている。これらのZnCdS系の蛍光体では成分中のCdの量を変えることにより発光色を青から赤まで多様に設定することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記ZnCdS:Ag,Al蛍光体等のZnCdS系蛍光体では、成分中に微量ながらCdが含まれている。蛍光表示管用の蛍光体として使用される以上、蛍光体のCdは外囲器の内部に密封されているので、蛍光表示管として供用中に環境中に流出することはない。しかし、蛍光表示管の素子としての寿命が尽きた後は、使用者の廃棄方法等によっては外囲器内に封じ込められている蛍光体が外部環境に流出し、蛍光体中に含まれるCdが環境に負荷を与える結果になる場合がありうるという問題があった。
【0006】
Cdを含まず、赤から赤橙で発光する蛍光体としては、Ln2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体が知られている。この蛍光体はTV用等に数10kV程度の高電圧で用いられる。この蛍光体は高抵抗なので、そのままでは駆動電圧が100V程度の前述したような蛍光表示管等には使用できない。そこで、低電圧の蛍光表示管に用いる場合には、WO3 、SnO2 、ZnO、In2 3 等の導電剤をこの蛍光体に混合し、蛍光体粒子の表面を低抵抗化することが考えられる。しかし、このように導電剤を蛍光体に混合して使用すると、寿命特性が劣化し、1000時間程度の点灯で輝度が半減してしまう。これは、輝度の半減期が10000時間以上であるZnO:Zn蛍光体に比べて著しく低く、実用上の障害となる。
【0007】
そこで、本発明は、Cdを成分として含まず、例えば赤系の発光色を持ち、寿命特性にも優れた低速電子線用の蛍光体を有する蛍光表示管を提供することを目的とし、特にCdを含まない蛍光体のうち、低抵抗化のために導電剤を混合するLn2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体において寿命特性の改善を達成することをさらに具体的な目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された蛍光表示管は、Ln2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体に、その全体における添加量が0.001wt%〜15.0wt%となるようにBe,Mg,Ca,Sr,Baの少なくとも一種の元素を添加して再焼成することにより、添加されたBe,Mg,Ca,Sr,Baの少なくとも一種の元素が、Ln 2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体の結晶表面から400オングストロームよりも短い拡散距離で分布している蛍光体を有することを特徴とする
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1及び図2によって説明する。
Cdを含まず、赤から赤橙で発光する蛍光体であるLn2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体に導電剤を混合して低速電子線用蛍光体として使用した場合、その寿命特性が劣化するが、本発明者等はその原因を次のように分析した。
【0011】
蛍光表示管の外囲器の内部は、前述したように高真空状態に保持されているが、完全な真空ではなく、微量の残留ガスがある。そして、特に酸化性残留ガス、例えば水分が蛍光体粒子の表面に吸着して内部に拡散し、蛍光体の表面組成を変化させ、これが輝度特性を劣化させていたと考えられる。
【0012】
本発明者等は、かかる原因の認識に基づいて、酸化性残留ガスを吸着するゲッター作用を備えたアルカリ土類金属を蛍光体に混合する発想を得た。そして、この新たに加える物質が酸化性残留ガスを効率的に吸着し、蛍光表示管の寿命特性の改善に最良の効果をもたらすための諸条件について鋭意研究した結果、「課題を解決するための手段」に記載した条件を得た。
以下にこの条件を裏付ける実施例について比較例と比較して説明する。まず、比較例及び実施例1〜7の製造方法・工程について説明し、その後に効果を説明する。
【0013】
〈比較例〉
La2 3 :Eu原料にイオウ及びフラックスとしての炭酸ナトリウムを加えて1100℃で焼成する。原料の硫化によってLa2 2 S:Eu蛍光体が得られる。この時のEu濃度は2mol%である。このようにして得た蛍光体に導電剤として酸化インジウムを添加し、有機バインダーを用いた溶剤に分散してペースト状とした。これを用いて蛍光表示管の陽極導体の上に印刷法で塗布し、焼成して陽極基板を形成し、この陽極基板を用いて蛍光表示管を作製した。蛍光表示管の構造と基本的な発光原理は図3を参照して説明した従来の技術と同様である。
同様にGd2 3 :Eu原料を用いてGd2 2 S:Eu蛍光体(Eu=2.5%)を作製し、これを蛍光体として用いた蛍光表示管も作製した。
【0014】
〈実施例1〉
比較例のLa2 2 S:Eu蛍光体200gに、Ca(OH)2 を0.11g混合し、1000〜1200℃で大気中にて2時間焼成する。その後、ふるいにかけて分級し、粒度1〜3μmにそろえる。
【0015】
〈実施例2〉
比較例のLa2 2 S:Eu蛍光体200gに、MgCO3 を6.94g混合し、800〜1000℃で大気中にて2時間焼成する。その後、ふるいにかけて分級し、粒度1〜3μmにそろえる。
【0016】
〈実施例3〉
比較例のLa2 2 S:Eu蛍光体200gに、Sr(OH)2 を0.28g混合し、1000〜1200℃で大気中にて3時間焼成する。その後、ふるいにかけて分級し、粒度1〜3μmにそろえる。
【0017】
〈実施例4〉
比較例のLa2 2 S:Eu蛍光体200gに、BaOを0.18g混合し、1000〜1200℃で2時間焼成する。その後、ふるいにかけて分級し、粒度1〜3μmにそろえる。
【0018】
〈実施例5〉
比較例のGd2 2 S:Eu蛍光体200gに、BeOを0.18g混合し、1000〜1200℃で2時間焼成する。その後、ふるいにかけて分級し、粒度1〜3μmにそろえる。
【0019】
〈実施例6〉
比較例のGd2 2 S:Eu蛍光体200gに、Ca(OH)2 を0.004g混合し、1000〜1200℃で2時間焼成する。その後、ふるいにかけて分級し、粒度1〜3μmにそろえる。
【0020】
〈実施例7〉
比較例のGd2 2 S:Eu蛍光体200gに、Ca(OH)2 を60g混合し、1000〜1200℃で2時間焼成する。その後、ふるいにかけて分級し、粒度1〜3μmにそろえる。
【0021】
各実施例の蛍光体も比較例と同様にペースト状にして蛍光表示管の陽極導体の上に印刷法で塗布し、焼成して陽極基板を形成し、この陽極基板を用いて蛍光表示管を作製した。
【0022】
図1において、「低速電子線輝度(%)」は、各実施例の蛍光表示管の初期輝度の相対値を比較例を100として示したものである。「500hr後輝度維持率(%)」は、点灯時間500時間経過後の輝度残存率を示す。化学分析結果(wt%)は、蛍光体中に添加したゲッター作用を示すアルカリ土類金属の量である。「蛍光体表面からの拡散距離」は、スパッタリング後のAES分析結果により得たもので、蛍光体結晶の表面から各アルカリ土類金属の拡散距離を示したものである。
【0023】
この図1に示す表から分かるように、初期輝度は実施例1,3,4が比較例よりも15%以上高い他は概ね比較例と同程度である。また、500時間点灯後の輝度残存率は、比較例の25%に対し、実施例6が35%、実施例5が55%である他は、いずれも70%以上と高い維持率を示し寿命が長い。かかる効果が得られるアルカリ土類金属の含有量は、0.001(wt%)から15(wt%)の範囲である。なお、その効果が得られた実施例1〜7では、アルカリ土類金属の蛍光体表面からの拡散距離は最大で350オングストローム以下であり、この程度の数値範囲で示される表面近傍の領域にアルカリ土類金属があれば、低速電子線の射突によって有効に発光しうることがわかる。
【0024】
図2は、実施例4の場合において、Baの添加量を変化させた場合の初期輝度と輝度維持率を示したものである。初期輝度の相対値が100以上となるBa添加量の範囲は、図1で説明したのと同様に0.001(wt%)から15(wt%)の範囲である。また、この範囲では、輝度維持率も50%以上と良好である
【0025】
蛍光体に特殊な機能を与えるために特定の物質を添加する場合、従来は、蛍光体の原料物質と当該物質の原料物質を混合して長時間焼成し(例えば5時間程度)、当該物質添加の蛍光体を一時に製造する方法がとられていた。しかし、このような製造方法では得られる蛍光体の結晶性が良好とはいえず、輝度や輝度残存率に問題があった。
【0026】
これに対し、本発明では、蛍光体は別途製造しておき、これに添加物質の原料物質を加えて短時間で焼成し(例えば2時間程度)、すでに形成されている蛍光体の結晶性に悪影響を与えることなく、当該物質を蛍光体の適度な深さまで拡散させて低速電子線による発光に適した状態としている。
【0027】
従って本例によれば、低電圧駆動の蛍光表示管において、Cdを含まず、低抵抗化のために導電剤を混合するLn2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体において、寿命特性の改善が達成された。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、Ln2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体においてアルカリ土類金属元素を結晶表面から適当な距離範囲内に拡散させたので、Cdを含まず寿命特性に優れた低電圧駆動の蛍光表示管を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例と比較例とを蛍光体の主要な性能等について比較する表図である。
【図2】本発明の実施例4におけるBa添加量と輝度及び輝度維持率との関係を示すグラフである。
【図3】一般的な蛍光表示管の断面図である。
【符号の説明】
1…陽極基板
2…陽極導体
3…蛍光体層
4…陽極

Claims (1)

  1. Ln2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体に、その全体における添加量が0.001wt%〜15.0wt%となるようにBe,Mg,Ca,Sr,Baの少なくとも一種の元素を添加して再焼成することにより、添加されたBe,Mg,Ca,Sr,Baの少なくとも一種の元素が、Ln 2 2 S:Eu(Ln=Y,La,Gd)蛍光体の結晶表面から400オングストロームよりも短い拡散距離で分布している蛍光体を有することを特徴とする蛍光表示管。
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