JP2902769B2 - ロボットのシーケンス制御方式 - Google Patents

ロボットのシーケンス制御方式

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照秋 西岡
侃史 廣野
正直 高橋
昭 永山
英一 須永
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 ロボットの無人化運転において、エラーの自動回復を
行わせる場合等に好適なロボットのシーケンス制御方式
に関し、 ロボットのエラー時における再履行処理を容易に記述
でき、これを所期の通り確実に実行させることができる
ことを目的とし、 ロボットの作業手順を記述したシーケンス制御データ
部と、その制御データに基いて実際に作業を行う作業実
行部と、その作業の実行結果に応じて作業順序を管理す
るシーケンス管理部とを有し、前記シーケンス制御デー
タ部には、正常時にロボットが実行すべき正常時作業及
び前記正常時作業の途中で何等かのエラーが生じた場合
にロボットが実行すべきエラー時作業を含む一連のシー
ケンス制御プログラムを複数の単位作業に区分してなる
各単位作業が、その作業番号情報、作業種別情報、正常
終了時の次実行作業番号情報及びエラー種別毎の次実行
作業番号情報により記述されており、前記作業実行部
は、前記シーケンス管理部で指定された作業番号に該当
する単位作業を、その作業種別情報に基きインタプリタ
処理にて実行するとともに、その実行結果が正常である
かを、また異常である場合にはその異常種別を、前記シ
ーケンス管理部へ実行結果情報として通知し、前記シー
ケンス管理部では、前記作業実行部から通知される実行
結果情報に基き該当する次実行作業番号を当該実行完了
にかかる単位作業情報中より検索し、これを前記作業実
行部へ通知するように構成する。
〔産業上の利用分野〕
この発明は、ロボットの無人化運転において、エラー
の自動回復を行わせる場合等に好適なロボットのシーケ
ンス制御方式に関する。
近年、FA化の発展等に伴い、ロボットシステムの信頼
性向上が要請されており、作業実施中に何等かの異常が
発生した場合、これを直ちに自動回復させる機能が要求
されている。
このためには、エラー発生時の回復処理を、エラー原
因に応じて予め記述する必要があり、そのため簡易なロ
ボット言語を使用してこの様に複雑な記述が可能な新規
なロボット用のシーケンス制御方式が要望されている。
〔従来の技術〕
従来、この種のロボット用のシーケンス制御方式にお
いては、汎用のロボット言語が用いられており、エラー
の回復処理については、ひとつの作業を実行した後で発
生する可能性のある全ての事象について、『if〜then〜
else〜』と言った構文によるコンピュータと同様な記述
が必要であった。
そのため、複雑なシーケンスを記述するためには、言
語に関する専門的な知識が必要となり、プログラムも複
雑になるほか、シーケンスの変更への対処も困難である
などの問題点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように、従来のロボット用のシーケンス制御方
式にあっては、汎用のロボット言語、すなわち通常のコ
ンピュータと同様な言語が用いられていたため、複雑な
シーケンスを記述するためには、言語に関する専門的な
知識が必要になるほか、シーケンスの変更への対処も困
難であるなどの問題点があった。
この発明は、上述の問題点に鑑みて成されたものであ
り、その目的とするところは、ロボットのエラー時にお
ける再履行処理を容易に記述でき、これを所期の通り確
実に実行させることができるロボットのシーケンス制御
方式を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
第1図に、本発明の原理説明図を示す。同図に示され
るように、本発明にかかるシーケンス制御方式は、ロボ
ットの作業手順を記述したシーケンス制御データ部
(1)と、その制御データに基いて実際に作業を行う作
業実行部(2)と、その作業の実行結果に応じて作業順
序を管理するシーケンス管理部(3)とを有している。
そして、シーケンス制御データ部(1)には、正常時
にロボットが実行すべき正常時作業及び前記正常時作業
の途中で何等かのエラーが生じた場合にロボットが実行
すべきエラー時作業を含む一連のシーケンス制御プログ
ラムを複数の単位作業に区分してなる各単位作業が、第
2図に示されるように、その作業番号情報(7)、作業
種別情報(8)、正常終了時の次実行作業番号情報
(9)及びエラー種別毎の次実行作業番号情報(10a、1
0b)により記述されている。
また、作業実行部(2)は、前記シーケンス管理部で
指定された作業番号に該当する単位作業を、その作業種
別情報に基きインタプリタ処理にて実行しコントローラ
4を介してロボット機構部5を制御するとともに、周辺
機器(各種のセンサ等)6を介してその実行結果を監視
し、その実行結果が正常であるかを、また異常である場
合にはその異常種別を、前記シーケンス管理部へ実行結
果情報として通知する。
また、シーケンス管理部(3)は、前記作業実行部か
ら通知される実行結果情報に基き該当する次実行作業番
号を当該実行完了にかかる単位作業情報中より検索し、
これを前記作業実行部へ通知する。
〔作用〕
以上の構成によれば、シーケンス制御データ部には、
正常時にロボットが実行すべき正常時作業及び前記正常
時作業の途中で何等かのエラーが生じた場合にロボット
が実行すべきエラー時作業を含む一連のシーケンス制御
プログラムを複数の単位作業に区分してなる各単位作業
が、その作業番号情報(7)、作業種別情報(8)、正
常終了時の次実行作業番号情報(9)及びエラー種別毎
の次実行作業番号情報(10a、10b)により記述されてい
るから、第3図に示されるように、これらの情報を適宜
に設定することにより、ロボットのエラー時における再
履行処理を容易に記述でき、これを所期の通り確実に実
行させることができるほか、作業の追加や変更にも容易
に対応することができる。
すなわち、第3図に示されるように、動作シーケンス
は例えば3つの流れから構成することができる。
通常処理…エラーなしのときの正常シーケンス。
再履行1…軽度のエラーの場合に1つ前のステップに
戻ってやり直す。
再履行2…重度のエラーの場合に最初からやり直す。
また、再履行1または2を実行するためには、補助的
な流れとして、 逆送り処理…再履行のために前の状態に戻す動作。
が必要となる。さらに、高度な作業を行うためには、 エラー原因究明処理…再履行しても同様のエラーが起
こる場合で、複数のエラー原因が考えられるときに、そ
の原因切分けを行う。
を追加して、作業が続行可能かどうか判断することもで
きる。
〔実施例〕
以下に、本発明の好適な実施例を添付図面を参照しな
がら詳述する。
第4図に、シーケンス制御データの一例を示す。同図
に示されるように、シーケンス制御データは複数の単位
作業データD1〜Dnから構成されており、前述のように、
これらの単位作業データD1〜Dnは、正常時にロボットが
実行すべき正常時作業及び前記正常時作業の途中で何等
かのエラーが生じた場合にロボットが実行すべきエラー
時作業を含む一連のシーケンス制御プログラムを複数の
単位作業に区分してなるものに相当する。
また、各単位作業データD1〜Dnは、当該単位作業デー
タを識別するための作業番号情報I1、当該作業内容を識
別するための作業種別情報I2、当該作業が正常に終了し
た場合の次実行作業を指定するための正常終了時のポイ
ンタI3、当該作業中に何等かのエラーが発生したことを
識別するためのエラー発生時のポインタI4、各エラー種
別ごとの次実行作業を示すポインタI5およびエラーコー
ドI6を含んでいる。
次に、シーケンス制御データに基づくシーケンス管理
部3及び作業実行部2(第1図参照)の動作フローチャ
ートを第5図に示す。
同図において、作業が開始されると、シーケンス管理
部3に内蔵するポインタPは初期設定され(ステップ50
1)、シーケンス制御データから最初の単位作業データD
1が取り出され(ステップ502)、この作業データはD1
作業実行部2へと手渡される。
次いで、作業実行部2では、当該単位作業データD1
含まれる作業種別情報I2で指定される作業をインタプリ
タ処理にて実行し、コントローラ4を介してロボット機
構部5を制御するとともに、周辺機器(各種のセンサ
等)6を介してその実行結果を監視し、その実行結果が
正常であるかを、また異常(エラー)である場合にはそ
のエラー種別を、前記シーケンス管理部3へ実行結果情
報として通知する(ステップ503)。
次いで、シーケンス管理部3では、前記作業実行部2
から通知される実行結果情報に基き該当する次実行作業
番号を当該実行完了にかかる単位作業情報中より検索
し、これを前記作業実行部2へ通知する。
すなわち、実行結果が正常である場合には、正常終了
ポインタI1で指定される作業番号を次実行作業番号とし
て作業実行部2へと通知する一方、実行結果がエラーで
ある場合には、そのエラー種別で指定されるポインタI5
で指定される作業番号を次実行作業番号として作業実行
部2へと通知する(ステップ504)。
以後、以上の処理(ステップ502〜504)が所定の終了
コードがシーケンス制御データから取り出されるまで繰
り返される結果(ステップ505YES)、ロボット作業の実
施中に何等かの異常が発生した場合においても自動回復
機能が担保され、ロボットの無人化システムが達成され
ることとなる。
次に、本シーケンス制御方式を用いてロボットにより
ピンを穴に挿入する作業を実施する場合のシーケンス制
御プログラムの一例を第6A図及び第6B図に示す。
同図からも明らかなように、各単位作業が正常に終了
するか、あるいはエラー終了かにより、単位作業間の移
行が適正に行われ、エラー時の自動回復機能が担保され
るとともに、異常が復旧しない場合にはその原因究明が
行われ、最終的にその原因が『差点穴異常ずれ』、『ピ
ン有り』、『ハンドオフセット異常』、『過大応力検
出』、『ハンド応力センサ異常』、『ピン挿入動作不
良』、『オフセット異常』の如くに報知される(ステッ
プ601〜623)。
以上の実施例によれば、シーケンス制御データは一連
の単位作業データD1〜Dnにより構成され、しかも各単位
作業データは作業番号情報I1、作業種別情報I2、正常終
了時のポインタI3、各エラー種別ごとのポインタI5によ
り構成されたものであるから、汎用のロボット言語に比
べてその取扱いが極めて簡単であり、また作業の追加や
変更に容易に対応すること可能である。
〔発明の効果〕
以上の説明で明らかなように、この発明によれば、エ
ラー発生時の再履行、原因切分け処理を含むロボットの
複雑な作業シーケンスを簡単に記述することができ、ま
た作業の追加や変更に容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理説明図、 第2図は単位作業データの構成図、 第3図はシーケンス制御プログラムの構成図、 第4図はシーケンス制御データの構成図、 第5図はシーケンス制御データに基く、シーケンス管理
部及び作業実行部の動作フローチャート、 第6図はシーケンス制御実施例の構成図である。 1……シーケンス制御データ部 2……作業実行部 3……シーケンス管理部
フロントページの続き (72)発明者 西岡 照秋 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 廣野 侃史 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 高橋 正直 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 永山 昭 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 須永 英一 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−165102(JP,A) 特開 昭64−7201(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 19/04 - 19/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロボットの作業手順を記述したシーケンス
    制御データ部(1)と、その制御データに基いて実際に
    作業を行う作業実行部(2)と、その作業の実行結果に
    応じて作業順序を管理するシーケンス管理部(3)とを
    有し、 前記シーケンス制御データ部には、正常時にロボットが
    実行すべき正常時作業及び前記正常時作業の途中で何等
    かのエラーが生じた場合にロボットが実行すべきエラー
    時作業を含む一連のシーケンス制御プログラムを複数の
    単位作業に区分してなる各単位作業(D1〜Dn)が、その
    作業番号情報(7)、作業種別情報(8)、正常終了時
    の次実行作業番号情報(9)及びエラー種別毎の次実行
    作業番号情報(10a、10b)により記述されており、 前記作業実行部は(2)、前記シーケンス管理部(3)
    で指定された作業番号に該当する単位作業を、その作業
    種別情報に基きインタプリタ処理にて実行するととも
    に、その実行結果が正常であるかを、また異常である場
    合にはその異常種別を、前記シーケンス管理部(3)へ
    実行結果情報として通知し、 前記シーケンス管理部(3)では、前記作業実行部
    (2)から通知される実行結果情報に基き該当する次実
    行作業番号を当該実行完了にかかる単位作業情報中より
    検索し、これを前記作業実行部へ通知すること、 を特徴とするロボットのシーケンス制御方式。
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