JP2902217B2 - 原子力発電プラントの出力制御方法及び装置 - Google Patents

原子力発電プラントの出力制御方法及び装置

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JP2902217B2
JP2902217B2 JP4185075A JP18507592A JP2902217B2 JP 2902217 B2 JP2902217 B2 JP 2902217B2 JP 4185075 A JP4185075 A JP 4185075A JP 18507592 A JP18507592 A JP 18507592A JP 2902217 B2 JP2902217 B2 JP 2902217B2
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control rod
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尚司 谷川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子力発電プラントの出
力制御方法及び装置に係わり、特に再循環流量制御と制
御棒駆動制御を必要とする大幅負荷追従運転や、出力を
一定に維持しながら炉心流量を変更する流量動作点シフ
ト運転に好適な原子力発電プラントの出力制御方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大幅負荷追従運転に係わる原子力発電プ
ラントの出力制御方法及び装置としては、従来、特開昭
57−108694号公報に記載のように、出力変更パターンや
変化率を決定する装置と、変更パターン等から炉心予測
を行う炉心予測装置と、再循環流量及び制御棒の操作量
を決定する操作量指示制御装置と、制御棒操作指令に基
づき制御棒操作量を出力する制御棒シーケンス記憶装置
と、プラント状態を監視し、プラント異常時には制御阻
止指令を出力するプラント状態監視装置とからなるもの
が知られている。
【0003】また、特開昭51−10293号公報に記載のよ
うに、大幅な負荷変更を行った時のXe(ゼノン)の影
響による出力変動を抑えるため、再循環流量制御系と制
御棒操作を切換えて制御するものが知られている。
【0004】また、特開昭50−108493号公報に記載のよ
うに、再循環流量制御と制御棒操作の配分を自動決定
し、負荷変更要求に応じて出力変更を制御棒操作で行う
ときは、種々のプロセス量を監視しながら出力制御を自
動的に行うものが知られている。
【0005】さらに、特開平2−242198号公報に記載の
ように、再循環流量制御と制御棒操作により大幅負荷追
従運転を行う場合に、出力を一定に維持し炉心流量のみ
変更する流量動作点シフトモードと、再循環流量制御の
みで出力変更を行うモードと、制御棒操作のみで出力変
更を行うモードの3つのモードを自動的に選択し出力制
御を行うものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のうち特開昭57−108694号公報,特開昭51−1029
3号公報及び特開昭50−108493号公報に記載の技術は、
負荷変更に追従して原子炉出力を制御するための再循環
流量制御と制御棒操作との具体的手順について配慮され
ておらず、実際の出力制御にあたっては自動制御が困難
であるという問題点があった。
【0007】また特開平2−242198号公報に記載の技術
では、再循環流量制御のみ,制御棒操作のみ、及び上記
2つの制御の併用による制御の具体的手順が記載されて
いるが、この再循環流量制御と制御棒操作の併用による
制御が行われるのは、出力を一定に維持し、炉心流量運
動点を変更する流量動作点シフトモードに限られてい
る。更に前記流量動作点シフトモードは、目標流量と検
出された炉心流量から得られる目標流量偏差から制御棒
引抜または挿入指令信号を作成し、この指令信号による
制御棒操作で変更した出力を再循環流量により補償する
ことで、流量動作点をシフトさせている。
【0008】しかし、この方法は、再循環流量制御と制
御棒操作とが独立して行われており、目標流量応じて
制御棒操作により先ず出力を変更した後、その出力偏差
に応じた再循環流量操作指令が出力されて再循環流量制
御が行われるため、目標流量と検出された炉心流量に偏
差が生じていれば、出力変動の有無に係わりなく制御棒
の引抜又は挿入指令が出力され、このため、出力変動の
大きさは制御棒の持つ反応度特性により左右されること
になる。即ち、出力をフィードバックせずに制御棒を操
作するために、制御棒の操作による出力の制御が厳密に
はできないという問題があった。
【0009】また大幅出力変更時、即ち大幅負荷追従運
転を行う時には、再循環流量制御と制御棒操作とは同時
には行わない為、炉心流量運動点は必ずそのときの流量
速度で決まるある決った制御棒パターン曲線またはその
ときの制御棒パターンで決まるある決まった流量パター
ン上を移動することとなり、プラント運用上一つの制約
を与えることとなる問題点があった。
【0010】本発明の目的は、大幅負荷変更に伴う出力
変更運転の場合、再循環流量制御と制御棒操作とを同
時に行うことにより、安定な制御を行える原子力発電プ
ラントの出力制御方法及び装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、上記に加え、要求に
より再循環流量制御のみ、または制御棒操作のみにより
出力変更を行うことも可能な原子力発電プラントの出力
制御方法及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による原子力発電プラントの出力制御方法
は、再循環流量を制御する再循環流量制御装置と、制御
棒の位置を制御する制御棒駆動制御装置とによって原子
力発電プラントの出力を制御する原子力発電プラントの
出力制御方法において、再循環流量の制御のみにより出
力変更を行う再循環流量制御モードと、制御棒操作のみ
により出力変更を行う制御棒制御モードと、少なくとも
再循環流量制御と制御棒操作との両方が必要な大負荷追
従運転時において、原子炉出力が目標出力に一致するよ
うに制御棒操作を行うと同時に、目標出力と原子炉出力
の偏差と目標炉心流量指令信号とから目標炉心流量を求
め、炉心流量がこの目標炉心流量に一致するように再循
環流量を制御することにより、前記再循環流量制御と制
御棒操作とを同時並行かつ互いに関連づけて実施する協
調制御を用い、出力を増加又は減少する出力変更を行う
協調制御モードの3つの制御モードを設定し、前記3つ
の制御モードのうちいずれか1つを選択し、前記選択さ
れた制御モードに従って再循環流量制御装置及び/又は
制御棒駆動制御装置を駆動する。
【0013】
【0014】また、好ましくは、前記協調制御モード
は、前記目標出力と原子炉出力の偏差に応じた目標炉心
流量補正値を求め、前記目標炉心流量指令信号にこの補
正値を加算して前記目標炉心流量を求める。
【0015】また、上記目的を達成するため、本発明に
よる原子力発電プラントの出力制御装置は、再循環流量
を制御する再循環流量制御装置と、制御棒の位置を制御
する制御棒駆動制御装置とを有する原子力発電プラント
の出力制御装置において、目標原子炉出力信号と検出さ
れた原子炉出力信号との偏差をとり出力偏差信号を作成
する第1の手段と、前記出力偏差信号からその偏差に応
じた目標炉心流量信号を作成し前記再循環流量制御装置
を動作させる第2の手段と、前記出力偏差信号からその
偏差に応じた制御棒引抜指令信号又は挿入指令信号を作
成し前記制御棒駆動制御装置を動作させる第3の手段
と、目標炉心流量指令信号と前記出力偏差信号とから目
標炉心流量信号を作成し前記再循環流量制御装置を動作
させる第4の手段と、再循環流量の制御のみにより出力
変更を行う再循環流量制御モードが選択された時は前記
第2の手段を動作させ、制御棒操作のみにより出力変更
を行う制御棒制御モードが選択された時は前記第3の手
段を動作させ、少なくとも再循環流量制御と制御棒操作
との両方が必要な大負荷追従運転時において、それら再
循環流量制御と制御棒操作とを同時並行かつ互いに関連
づけて実施する協調制御を用い、出力を増加又は減少す
る出力変更を行う協調制御モードが選択された時は前記
第3及び第4の手段を動作させる第5の手段とを有す
る。
【0016】ここで好ましくは、前記第4の手段は、前
記出力偏差信号からその偏差に応じた目標炉心流量補正
信号を作成する補正信号作成手段と、前記目標炉心流量
指令信号に前記目標炉心流量補正信号を加算し補正目標
炉心流量信号を作成する第1の加算手段とを有する。
【0017】また、好ましくは、前記補正信号作成手段
は、前記出力偏差信号にゲインを乗じて前記出力偏差信
号に応じた前記目標炉心流量補正信号に変更する乗算手
段を有する。
【0018】また、好ましくは、前記乗算手段は、前記
出力偏差信号の大きさに応じて前記ゲインを可変とする
可変ゲイン機能を有する。
【0019】また、好ましくは、前記第4の手段は、さ
らに、前記補正目標炉心流量信号の変化率が所定の変化
率を超えないよう制限する変化率制限手段を有する。
【0020】また、好ましくは、前記第4の手段は、さ
らに、前記補正目標炉心流量信号と実際の炉心流量信号
との偏差をとり再循環流量操作指令信号を作成し、前記
再循環流量制御装置を動作させる第2の加算手段を有す
る。
【0021】また、好ましくは、前記第3の手段は、不
感帯を有し前記出力偏差信号がこの不感帯を越えるとそ
の大きさに応じた制御棒引抜指令信号又は挿入指令信号
を作成する指令信号作成手段を備える。
【0022】また、好ましくは、前記不感帯にヒステリ
シス特性を持たせる。
【0023】
【作用】上記のように構成した本発明による原子力発電
プラントの出力制御方法においては、上記のような協調
制御モードを含む3つの制御モードを設定し、この協調
制御モードを選択して再循環流量制御と制御棒操作とを
同時並行かつ互いに関連づけて実施する協調制御を行
い、再循環流量制御装置及び/又は制御棒駆動制御装置
を駆動する。これにより、再循環流量制御と制御棒操作
との両方が必要な大負荷追従運転時において、目標負荷
変化に応じて再循環流量制御装置及び制御棒駆動制御装
置に対し適切な動作指令を与え、大幅な負荷変更に伴う
出力変更を安定な制御によって行うことが可能となる。
【0024】また、上記3つの制御モードのうち再循環
流量制御モードまたは制御棒制御モードを選択し、再循
環流量制御装置または制御棒駆動制御装置をそれぞれ駆
動することにより、再循環流量制御のみ、または制御棒
操作のみにより出力変更を行うことも可能となる。
【0025】また、協調制御モードにおいて、原子炉出
力が目標出力に一致するように制御棒操作を行うと同時
に、目標出力と原子炉出力の偏差と目標炉心流量指令信
号とから目標炉心流量を求め、炉心流量がこの目標炉心
流量に一致するように再循環流量を制御することによ
り、制御棒制御の応答遅れにより目標出力と原子炉出力
に出力偏差が生じた場合は、その出力偏差に応じて目標
炉心流量を増減し、制御棒操作と再循環流量制御の両方
で原子炉出力が目標出力に一致するよう制御し、併せて
炉心流量も目標流量に一致するよう制御する。これによ
り、大幅負荷変更に伴う出力変更運転を安定な制御によ
って行うことが可能となる。
【0026】また、上記のように構成した本発明による
原子力発電プラントの出力制御装置においては、第5の
手段において再循環流量の制御のみにより出力変更を行
う再循環流量制御モードが選択された場合、第2の手段
を動作させ再循環流量制御のみで出力変更を行わせ、第
5の手段において制御棒操作のみにより出力変更を行う
制御棒制御モードが選択された場合、第3の手段を動作
させ制御棒操作のみで出力変更を行わせ、これにより再
循環流量制御のみ、または制御棒操作のみにより出力変
更を行うことも可能となる。
【0027】また、第5の手段において、少なくとも再
循環流量制御と制御棒操作との両方が必要な大負荷追従
運転時においてそれら再循環流量制御と制御棒操作とを
同時並行かつ互いに関連づけて実施する協調制御を用い
出力を増加又は減少する出力変更を行う協調制御モード
が選択された場合、第3の手段と第4の手段を動作さ
せ、上記方法発明の作用で説明したように、再循環流量
制御と制御棒操作とを同時行う協調制御を行わせ、大
幅負荷変更を伴う出力変更要求指令が出され、大幅負荷
変更運転の場合も安定な制御が行える。
【0028】また、第4の手段に、出力偏差信号からそ
の偏差に応じた目標炉心流量補正信号を作成する補正信
号作成手段と、この目標炉心流量補正信号を目標炉心流
量指令信号に加算し補正目標炉心流量信号を作成する第
1の加算手段を設けることにより、目標炉心流量指令信
号と出力偏差信号とから目標炉心流量信号を作成され
る。
【0029】また、第4の手段に第2の加算手段を設
け、この第2の加算手段において補正目標炉心流量信号
と実際の炉心流量信号との偏差をとり再循環流量操作指
令信号を作成し、前記再循環流量制御装置を動作させる
ことにより、目標出力と原子炉出力との偏差を反映させ
て炉心流量を制御することができる。
【0030】また、第4の手段の補正信号作成手段に、
可変ゲイン機能からの出力偏差信号の大きさに応じて可
変であるゲインを出力偏差信号に乗じて目標炉心流量補
正信号に変更する乗算手段を設けることにより、制御棒
制御の応答遅れにより出力偏差信号が大きくなると、ゲ
インをそれに従って大きくし再循環流量制御による効果
を大きくして出力偏差信号の拡大を抑制することができ
る。
【0031】さらに、第4の手段に目標炉心流量補正信
号に目標炉心流量信号を加算した補正目標炉心流量信号
の変化率が所定の変化率を超えないよう制限する変化率
制限手段を設けることにより、その変化率が過大になる
ことが回避されるので、ステップ状の目標炉心流量信号
を出力することがなくなり、再循環流量制御と制御棒操
作との協調制御及び再循環流量制御において、出力のオ
ーバーシュートが小さくなる。
【0032】また、第3の手段に、ヒステリシス特性を
持つ不感帯を有する指令信号作成手段を設け、この指令
信号作成手段において出力偏差信号がこの不感帯を越え
るとその大きさに応じた制御棒引抜指令信号又は挿入指
令信号を作成することにより、再循環流量制御と制御棒
操作との協調制御及び制御棒操作において、出力のオー
バーシュートが少なくなる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一実施例による原子力発電プ
ラントの出力制御方法及び装置について図1〜図10に
より説明する。
【0034】まず、本実施例の出力制御装置が係わる沸
騰水型原子力発電プラントの全体構成を図2により説明
する。図2において、1は沸騰水型の原子炉であり、原
子炉1の出力は制御棒駆動装置2により調整される制御
棒の位置と、インターナルポンプ3により調整される冷
却水の再循環流量により制御される。制御棒駆動装置2
は制御棒駆動制御装置4により制御され、インターナル
ポンプ3は再循環流量制御装置5によりインバータコン
トローラ6を介して制御される。原子炉1内で発生した
蒸気は主蒸気系7を通ってタービン装置8に送られ、こ
こで発電機9より電力を取り出した後、復水器10で復
水にされ、給水系統11及び給水ポンプ12を経て原子
炉1に戻される。主蒸気系7よりタービン装置8に供給
される蒸気量はタービン制御装置13により制御され
る。
【0035】14は本実施例の出力制御装置である。こ
の出力制御装置14は、直接運転員から手動で与えられ
る指令信号、マンマシン15からプロセス計算機16を
介して送られてくる指令信号、発電機出力を検出する検
出器17の出力信号、原子炉出力を検出する検出器18
の出力信号、炉心流量を検出する検出器19の出力信号
をそれぞれ入力し、制御棒駆動装置4、再循環流量制御
装置5及びタービン制御装置13にそれぞれ指令信号を
出力する。なお原子炉出力を検出する検出器18の出力
信号、即ち原子炉出力相当信号としては、中性子束信号
にフィルターを介して得られる熱流束相当信号や圧力調
整器出力である全蒸気流量要求信号など種々考えられる
が、ここでは前者の中性子束信号(APRM)に一次遅
れフィルターを介した出力信号を用いる。
【0036】また、出力制御装置14には中央指令所か
ら送られてくる負荷追従指令信号としてのAFC(自動
周波数制御)指令信号が入力される。このAFC指令信
号44(図1参照)は、後述するAFCモードが選択さ
れたときに使用される。このAFCモードは、昼夜の電
力負荷の変動など電力の需給バランスによって生じる電
気系統の変動を、プラントの出力を変えることによって
補償するものである。
【0037】次に、出力制御装置14の詳細を図1、及
び図3〜図6により説明する。出力制御装置14は、後
述する機能をそれぞれ有する発電機出力設定器21、炉
出力設定器22、炉心流量設定器23、発電機出力制御
器24、加算器25、選択器26、目標出力発生装置2
7、目標流量指令装置28、目標流量調整装置29、加
算器30、再循環流量指令装置31、加算器32,3
3、制御棒操作指令装置34、モード選択器35、及び
負荷設定操作指令装置36により構成される。尚、本実
施例では、発電機出力設定器21、炉出力設定器22、
炉心流量設定器23、及びモード選択器35の全て
力制御装置14に設けたものとして説明したが、それら
の一部または全てをマンマシン15に設け、上記のよう
にマンマシン15からプロセス計算機16を介して指令
信号を送ってもよい。
【0038】発電機出力設定器21は運転員の操作に応
じて目標発電機出力指令信号41を出力し、炉出力設定
器22は運転員の操作に応じて目標出力指令信号46を
出力し、炉心流量設定器23は運転員の操作に応じて目
標炉心流量指令信号51を出力する。
【0039】発電機出力制御器24は、発電機出力設定
器21からの目標発電機出力指令信号41と検出器17
(図2参照)の出力信号である発電機出力フィードバッ
ク信号42から目標発電機出力信号43を作成し出力す
る。加算器25は、後述のモード選択器35においてA
FC(自動周波数制御)モードが選択された時に負荷追
従指令であるAFC指令信号44が入力され、これを目
標発電機出力信号43に加算する。選択器26において
は、フィードバック選択指令信号45が手動で入力さ
れ、目標出力として炉出力を用いる場合には炉出力設定
器22からの目標出力指令信号46が選択され、目標出
力として発電機出力を用いる場合には発電機出力設定器
21及び発電機出力制御器24からの目標発電機出力信
号43が選択され、目標原子炉出力信号47として出力
される。また、目標出力発生装置27は、選択器26か
ら入力された目標原子炉出力信号47と検出器18から
入力された原子炉出力フィードバック信号48との偏差
をとり出力偏差信号49を作成する。この目標出力発生
装置27によって、目標原子炉出力信号と検出された原
子炉出力信号との偏差をとり出力偏差信号を作成する第
1の手段が構成される。
【0040】目標流量指令装置28は補正信号作成手段
であり、出力偏差信号49をその大きさに応じて目標炉
心流量補正信号50に変更し、加算器30はこの目標炉
心流量補正信号50に炉心流量設定器23からの目標炉
心流量指令信号51を加算し、目標流量調整装置29は
加算器30からの信号から補正目標炉心流量信号52を
作成する。この目標流量指令装置28及び目標流量調整
装置29機能については後ほど詳述する。
【0041】再循環流量指令装置31は出力偏差信号4
9からその大きさに応じて再循環流量を制御する目標炉
心流量信号53を作成し出力する。再循環流量指令装置
31の機能については後述する。この再循環流量指令装
置31からの出力信号である目標炉心流量信号53に
は、加算器32において目標流量調整装置29からの出
力信号である補正目標炉心流量信号52が加算され、こ
れを新たに目標炉心流量信号54としてさらに加算器3
3において検出器19からの実際の炉心流量信号55と
の偏差をとることにより再循環流量操作指令信号56が
作成され再循環流量制御装置5へ入力される。尚、加算
器32で目標炉心流量信号53と補正目標炉心流量信号
52とを加算する時に、目標流量調整装置29及び再循
環流量指令装置31のうちどちらか一方が動作しない制
御モードが選択された場合、即ちどちらか一方からの信
号が加算器32に入力されない場合、他方の信号のみが
目標炉心流量信号54として加算器33に入力されるこ
とになる。
【0042】制御棒操作指令装置34は、出力偏差信号
49からその大きさに応じて制御棒引抜指令信号57ま
たは挿入指令信号58を作成し出力する。
【0043】上記再循環流量指令装置31によって、出
力偏差信号からその偏差に応じた目標炉心流量信号を作
成し再循環流量制御装置を動作させる第2の手段が構成
され、上記制御棒操作指令装置34によって、出力偏差
信号からその偏差に応じた制御棒引抜指令信号又は挿入
指令信号を作成し制御棒駆動制御装置に出力する第3の
手段が構成され、上記目標流量指令装置28、目標流量
調整装置29、加算器30によって、目標炉心流量指令
信号と出力偏差信号とから目標炉心流量信号を作成し再
循環流量制御装置を動作させる第4の手段が構成され
る。
【0044】負荷設定操作指令装置36は、出力偏差信
号49からその大きさに応じて原子炉出力より常に10
%高目に保持されるタービン制御装置13の負荷設定値
を増減する指令信号59を作成し出力する。
【0045】モード選択器35は、制御モード選択スイ
ッチ35a及び論理和回路61,62,63よりなる。
制御モード選択スイッチ35aでは手動によって協調制
御、再循環流量、制御棒、制御棒パターン、AFCの各
制御モードが選択され、論理和回路61,62,63で
は選択された各制御モードに従ってそれぞれ制御信号6
1a,62a,63aを出力し、再循環流量指令装置3
1内にある切換スイッチ71(図5参照)、制御棒操作
指令装置34内にある切換スイッチ72(図5参照)、
目標流量調整装置29内にある切換スイッチ73(図3
参照)のいずれかをOFFとする切換指令を出力する構
成となっている。即ち、協調制御モードまたは制御棒操
作のみで出力変更を行う制御棒モードのいずれかが選択
された場合、切換スイッチ71をOFFにし、再循環制
御モード、制御棒モード、昼夜の電力負荷に追従するよ
う再循環流量を制御するAFCモード、及び出力を一定
に維持し制御棒パターンを変更する制御棒パターンモー
ドのいずれかが選択された場合、切換スイッチ73をO
FFにし、再循環制御モードまたはAFC運転モードが
選択された場合、切換スイッチ72をOFFとする。
【0046】このような論理和回路61,62,63か
らの切換信号により、協調制御モードが選択された時に
は、目標流量指令装置28、加算器30、目標流量調整
装置29、及び加算器32,33によって再循環流量制
御装置5が動作し、同時に制御棒操作指令装置34によ
って制御棒駆動制御装置4が動作し、再循環流量制御と
制御棒操作とが同時に行われて出力が制御される。ま
た、再循環制御モードが選択された時には、再循環流量
指令装置31及び加算器32,33によって再循環流量
制御装置5が動作し、再循環流量制御のみで出力が制御
される。また、制御棒モードが選択された時には、制御
棒操作指令装置34によって制御棒駆動制御装置が動作
し、制御棒操作のみで出力が制御される。
【0047】また、制御棒パターンモードが選択された
時には、再循環流量指令装置31及び加算器32,33
によって再循環流量制御装置5が動作し、さらに制御棒
操作指令装置34によって制御棒駆動制御装置4が動作
する。このモードは、プラント運転中、定期的に制御棒
パターンの交換を行い、その際に出力を一定に維持する
ため再循環流量制御によって制御棒による出力変動を補
償するものであるが、この運転では目標の制御棒パター
ンと目標出力とが予め与えられるので、上記のような再
循環流量制御と制御棒操作とを同時に行う協調制御とは
本質的に異なる。
【0048】また、AFCモードが選択された時には、
上記再循環流量モードと同様に、再循環流量指令装置3
1及び加算器32,33によって再循環流量制御装置5
が動作し、再循環流量制御のみで出力が制御されるが、
前述のように目標発電機出力信号43において負荷追従
指令であるAFC指令信号44が加算される(図1参
照)。このモードは、前述したように、昼夜の電力負荷
の変動など電力の需給バランスによって生じる電力系統
の変動を、プラントの出力を変えることによって補償す
るものであって、出力変更幅±5%、周期1〜2分程度
の応答性が要求され、出力は再循環流量のみで制御され
るものである。上記モード選択器35によって、再循環
制御モードが選択された時は前記第2の手段を動作さ
せ、制御棒モードが選択された時は前記第3の手段を動
作させ、協調制御モードが選択された時は前記第3及び
第4の手段を動作させる第5の手段を構成する。
【0049】図3に示すように、目標流量指令装置28
は、可変ゲイン機能81及び乗算器82を備えており、
目標出力発生装置27の出力である出力偏差信号49を
入力し、その大きさに応じて可変なゲインを可変ゲイン
機能81から出力し、これを乗算器82において出力偏
差信号49に乗じることにより、目標炉心流量補正信号
50を出力する。目標炉心流量補正信号50には前述の
ように炉心流量設定器23の出力である目標炉心流量指
令信号51が加算され目標流量調整装置29の入力信号
となる。
【0050】この可変ゲイン機能81は、図4に示すよ
うに、入力される出力偏差信号49が+a1以上または
−a1以下の値になった時に出力偏差信号49に比例す
るゲイン(比例定数)を出力し、+a2以上または−a2
以下の値になった時に一定の値bのゲインを出力する特
性を有している。即ち、出力偏差信号49の絶対値がa
1以下の微小な範囲ではゲインが0であるので、目標出
力と実出力との差が微小なうちは目標炉心流量補正信号
50が0となって制御を安定させることができる。ま
た、再循環流量の出力偏差信号49の絶対値がa1から
a2の範囲ではゲインが目標炉心流量補正信号50に比
例するので、目標炉心流量補正信号50、従って再循環
流量制御による効果を大きくして制御棒制御の応答遅れ
によ目標出力と実出力との差の拡大を抑制することが
できる。さらに、出力偏差信号49の絶対値がa2以上
の大きい範囲ではゲインは一定値bとなるので、目標炉
心流量補正信号50が大きくなりすぎ流量の変動が大き
くなって制御が不安定になることが避けられる。以上の
ような可変ゲイン機能81の効果により、再循環流量の
安定な制御が可能となる。
【0051】また、図3に示すように、目標流量調整装
置29は、信号変化率制限機能83及び切換スイッチ7
3を備えており、信号変化率制限機能83において目標
流量指令装置28から入力される信号の変化率が所定の
変化率を越えないよう制限し、切換スイッチ73を介し
て補正目標炉心流量信号34を出力する。このように信
号変化率制限機能83を設けることによって、補正目標
炉心流量信号52の変化率が過大になることが回避さ
れ、ステップ状の目標炉心流量信号53の出力がなくな
るため、出力のオーバーシュートが小さくなり、安定な
制御が可能となる。
【0052】図5に示すように、再循環流量指令装置3
1は、切換スイッチ71及び比例積分演算機能84を備
え、目標出力発生装置27の出力である出力偏差信号4
9を入力し、比例積分演算機能63においてその大きさ
に応じた目標炉心流量信号53を作成し出力する。
【0053】また、制御棒操作指令装置34は、図5に
示すように、切換スイッチ72及び不感帯機能85を備
え、目標出力発生装置27の出力である出力偏差信号4
9を入力し、その大きさに応じた制御棒引抜指令信号又
は挿入指令信号を作成し出力する。不感帯機能85にお
ける不感帯は、図6に示すように、入力される出力偏差
信号49が正の値(目標出力>実出力)のときは、出力
偏差信号49が第1の値c1 以下では信号は出力せず、
第1の値c1 より大きくなると制御棒引抜指令信号57
を出力し、その後出力偏差信号49が第1のc1 よりも
小さい第2の値c2 になるまで制御棒引抜指令信号57
を出力し続け、第2の値c2以下では信号を出力しな
い。また、出力偏差信号49が負の値(目標出力<実出
力)のときは、出力偏差信号49が第3の値−c1以上
では信号は出力せず、第3の値−c1より小さくなると
制御棒挿入指令信号58を出力し、その後出力偏差信号
49が第3の値−c1 よりも大きい第4の値−c2 にな
るまで制御棒挿入指令信号58を出力し続け、第4の値
−c2以下では信号を出力しない。即ち、目標出力偏差
増大時の不感帯は±c1であり、目標出力偏差減少時の
不感帯は±c2であり、ヒステリシス幅はc1−c2であ
る。尚、図6において縦軸の目盛り1が制御棒引抜指令
信号57を出力することを、−1が制御棒挿入指令信号
58を出力することを表すものとする。このように不感
帯機能85を設けることによって、出力のオーバーシュ
ートが少なくなり、精度の良い安定した制御が可能とな
る。
【0054】上記のような構成を有する出力制御装置1
4に、協調制御モードで出力変更要求があった場合の動
作例及び協調制御モードで流量動作点シフト要求があっ
た場合の動作例について図7から図10により説明す
る。
【0055】 (1)協調制御モードで出力変更を行った場合の動作例 協調制御モードで出力変更を行った場合、動作する制御
系統のみを図7に示す。本動作例では、選択器26にお
いて炉出力設定器22からの目標出力指令信号63を目
標出力として用いるように選択し、原子炉出力を出力フ
ィードバックとしている。出力変更要求指令は炉出力設
定器22及び炉心流量設定器23のそれぞれに与えられ
る。すなわち炉出力設定器22には、現在の炉心流量運
動点からどの程度の出力をどの程度の変化率(時間)で変
更するかの条件が、一方、炉心流量設定器23には現在
の炉心流量運動点からいくらの流量をどの程度の変化率
(時間)で変更するかの条件が与えられ、各々の設定器
からは時々刻々の目標値を出力する。
【0056】目標出力発生装置27は、炉出力設定器2
2からの目標出力指令信号46と検出器18からの原子
炉出力48との偏差をとり、これを出力偏差信号49と
して制御棒操作指令装置34と目標流量指令装置28へ
出力する。制御棒操作指令装置34では、出力偏差信号
49に応じた制御棒引抜指令信号57または挿入指令信
号58を作成し制御棒駆動装置4へ出力し制御棒を動作
させる。一方、目標流量指令装置28において出力偏差
信号49をその大きさに応じて目標炉心流量補正信号5
0に変更し、加算器30において炉心流量設定器23か
らの時々刻々の目標炉心流量指令信号51に目標炉心流
量補正信号50を加算して補正し補正目標炉心流量信号
52を作成する。従って、仮に制御棒操作による出力の
応答が目標出力を超えていれば、再循環流量制御による
出力変更を小さくするように炉心流量の変化が小さくな
り(遅らせ)、逆に制御棒操作による出力の応答が目標
出力に達していなければ、再循環流量制御による出力変
更を大きくするように炉心流量の変化が大きくなる。さ
らに、上記補正効果により原子炉出力が目標出力に追従
すると出力偏差信号49が小さくなり、補正目標炉心流
量信号52としては炉心流量設定器23からの目標炉心
流量指令信号51がほぼそのまま使用され炉心流量設定
器23からの出力指令に戻ることとなるが、目標流量調
整装置29に変化率制限機能を設けているので、補正目
標炉心流量信号52が急激に変化しない。
【0057】ここで、再循環流量指令装置31は動作し
ないので、加算器32では目標流量調整装置29からの
補正目標炉心流量信号52がそのまま加算器33に入力
され、加算器33において検出器19からの実際の炉心
流量信号55との偏差がとられ再循環流量操作指令信号
56が作成され、これが再循環流量制御装置5へ入力さ
れる。
【0058】本動作例による応答例を図8に示す。本応
答例は、出力を100%から80%まで3分で(変化率
−6.7%/分)変更し、図8(a)中破線で示すよう
に炉心流量を100%から85%まで3分で(変化率−
5%/分)変更しており、また信号変化率制限機能83
では変化率を±7.5%/分 に制限している。沸騰水型
原子力発電プラントにおいて制御棒操作のみで出力変更
を行った場合、その変化率は高々1.5%/分 〜2%/
分程度が限界であったが(図示せず)、図8(b)中破
線で示す本実施例では、再循環流量制御と制御棒操作と
を同時に行う協調制御により−6.7%/分 の出力変更
要求に中性子束が精度良く追従している。また、再循環
流量を手動操作にて図8(a)中一点鎖線で示すように
−5%/分の変化率で低下させ、その時の出力変化の過
不足を同じく手動で制御棒を操作して補償する従来の手
動操作による応答例を図8(b)中一点鎖線で示すが、
この従来例では出力の応答を見てから制御棒操作を行う
ため補償動作が遅くなり安定な出力制御とはならない。
【0059】また、特開平2−242198号公報に記
載の従来技術においては、出力変更の場合、再循環流量
と制御棒操作は本実施例にように同時には行われず、さ
らに目標出力のみを設定するため、炉心流量の変化率及
び出力変更先の設定はできない。この時の炉心流量運動
点の軌道を図9中一点鎖線で示すが、再循環流量制御に
よる出力変更の場合は、その時の制御棒パターンによる
ロッドライン上を移動し、制御棒操作による出力変更の
場合は、その時の再循環ポンプ速度曲線上を移動する。
これに対し、本実施例では、再循環流量制御のみまたは
制御棒操作のみで出力変更を行うことも可能であるが、
再循環流制御と制御棒操作とを同時に行う協調制御モ
ードを選択することにより、図9中破線で示すように任
意の炉心流量運動点に高速で出力を変更することが可能
となって、大幅で高速な出力変更要求にも対応できる (2)協調制御モードで流量動作点シフト運転を行った
場合の動作例 本動作例では、前記(1)の動作例同様、原子炉出力を
出力フィードバックとし、炉出力設定器22には出力一
定要求指令が、炉心流量設定器22には炉心流量変更指
令が与えられる。これ以外の動作は前記(1)の動作例
と同様である。
【0060】本動作例による応答例を図10に示す。本
応答例は、炉心流量を110%から100%まで2分で
低下させており、これによる出力変動を同時に制御棒操
作により補償するものである。本動作例では、図10
(a)中破線で示すように目標流量に従って炉心流量が
低下し炉出力が低下すると、それを補正し出力を一定に
するため制御棒を引抜くこととなるが、出力上昇側の偏
差が大きくなると、不感帯機能85の機能によって目標
流量設定の変更を遅らせるよう動作するため、図10
(b)中破線で示すように中性子束は100%定格出力を
超えることなく、安定に制御される。
【0061】一方、特開平2−242198号公報に記載の従
来技術による応答例は、図10(b)中一点鎖線で示す
ように、目標流量と検出流量の偏差により制御棒操作指
令信号を作成するため、図10(b)中一点鎖線で示す
ように、先ず中性子束が上昇し、それを抑えるよう炉心
流量が低下することになる。従って、必ず出力は初期値
を超えて変動することとなる。このように本従来例で
は、出力を抑制する手段を設けていないため、炉心流量
の応答は良いが、出力の変動は大きくなる。
【0062】以上説明したように、本実施例によれば、
制御モード選択スイッチ35aにおいて協調制御モード
が選択された場合、制御棒操作指令装置34を作動させ
て原子炉出力が目標出力に一致するように制御棒操作を
行うと同時に、目標流量指令装置28で出力偏差信号4
9からその偏差に応じた目標炉心流量補正信号50を作
成し、これを加算器30で目標炉心流量指令信号51に
加算し補正目標炉心流量信号52を作成し、加算器33
でこれと実際の炉心流量信号55との偏差をとって再循
環流量操作指令信号56を作成し、再循環流量制御装置
5を動作させ、目標出力と原子炉出力との偏差を反映さ
せて炉心流量の制御を行うので、大幅負荷変更に伴う出
力変更及び流量動作点シフトのいずれの運転の場合も、
安定な制御が行える。
【0063】また、制御モード選択スイッチ35aにお
いて再循環制御モードが選択された場合、再循環流量指
令装置31及び加算器33を作動させ、再循環流量制御
のみで出力変更を行うことができる。
【0064】また、制御モード選択スイッチ35aにお
いて制御棒モードが選択された場合、制御棒操作指令装
置34を作動させ、制御棒操作のみで出力変更を行わせ
ることができる。
【0065】また、乗算器82において、可変ゲイン機
能81からの出力偏差信号49にその大きさに応じて可
変であるゲインを乗じて目標炉心流量補正信号50に変
更するので、出力偏差信号49が微小な範囲では制御を
安定させることができ、制御棒制御の応答遅れにより出
力偏差信号49が大きくなると再循環流量制御による効
果を大きくして出力偏差の拡大を抑制することができ、
出力偏差信号49がさらに大きくなると流量の変動が大
きくなって制御が不安定になることが避けられる。従っ
て再循環流量の安定な制御が可能となる。
【0066】また、目標炉心流量指令信号51を加算し
た補正目標炉心流量信号52の変化率が所定の変化率を
超えないよう信号変化率制限機能83で制限するので、
出力のオーバーシュートが小さくなり、安定な制御が可
能となる。
【0067】また、ヒステリシス特性を持つ不感帯を有
する不感帯機能85において、出力偏差信号49がこの
不感帯を越えるとその大きさに応じた制御棒引抜指令信
号57又は挿入指令信号58を作成し出力するので、出
力のオーバーシュートが少なく、精度の良い安定した制
御が可能となる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、再循環流量制御と制御
棒操作とを同時に行う協調制御を行うので、大幅負荷変
更に伴う出力変更の場合に安定な制御が行える。
【0069】また、必要に応じて、再循環流量制御のみ
や制御棒操作のみで出力変更を行わせることができる。
【0070】また、再循環流量がステップ状に変化した
り、その変化率が過大になることが回避され、出力のオ
ーバーシュートが小さくなり、精度の良い安定した制御
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による原子力発電プラントの
出力制御装置の出力制御装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による原子力発電プラントの
出力制御装置が適用される原子力発電プラントの全体構
成図である。
【図3】図2に示した目標流量指令装置及び目標流量調
整装置の構成を示す詳細図である。
【図4】可変ゲイン機能を説明する図である。
【図5】再循環流量指令装置及び制御棒操作指令装置の
構成を示す詳細図である。
【図6】ヒステリシスを持つ不感帯機能を説明する図で
ある。
【図7】図1のうち協調制御モードで動作する制御系統
のみを示す構成ブロック図である。
【図8】図1の協調制御モードによる出力変更を行った
場合、及び従来の手動操作を行った場合応答例を示す図
であって、(a)は炉心流量の変化を、(b)は中性子
束即ち出力の変化を示す図である。
【図9】図1の協調制御モード及び従来技術による炉心
流量運転点の軌道を示す図である。
【図10】図1の協調制御モードによる流量動作シフト
運転を行った場合、及び特開平2−242198号公報に記載
の従来技術による流量動作シフト運転を行った場合の応
答例を示す図であって、(a)は炉心流量の変化を、
(b)は中性子束即ち出力の変化を示す図である。
【符号の説明】
4 制御棒駆動制御装置 5 再循環流量制御装置 14 出力制御装置 27 目標出力発生装置 28 目標流量指令装置(補正信号作成手段) 29 目標流量調整装置 30 加算器 31 再循環流量指令装置 32 加算器 33 加算器 34 制御棒操作指令装置 35 モード選択器 35a 制御モード選択スイッチ 49 出力偏差信号 50 目標炉心流量補正信号 51 目標炉心流量指令信号 52 補正目標炉心流量信号 53,54 目標炉心流量信号 55 実際の炉心流量信号 56 再循環流量操作指令信号 57 制御棒引抜指令信号 58 制御棒挿入指令信号 61,62,63 論理和回路 71,72,73 切換スイッチ 81 可変ゲイン機能 82 乗算器 83 信号変化率制限機能 85 不感帯機能
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−242198(JP,A) 特開 平3−220495(JP,A) 特開 昭56−120990(JP,A) 特開 昭54−36481(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 7/00 G21D 3/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再循環流量を制御する再循環流量制御装置
    と、制御棒の位置を制御する制御棒駆動制御装置とによ
    って原子力発電プラントの出力を制御する原子力発電プ
    ラントの出力制御方法において、 再循環流量の制御のみにより出力変更を行う再循環流量
    制御モードと、制御棒操作のみにより出力変更を行う制
    御棒制御モードと、少なくとも再循環流量制御と制御棒
    操作との両方が必要な大負荷追従運転時において、原子
    炉出力が目標出力に一致するように制御棒操作を行うと
    同時に、目標出力と原子炉出力の偏差と目標炉心流量指
    令信号とから目標炉心流量を求め、炉心流量がこの目標
    炉心流量に一致するように再循環流量を制御することに
    より、前記再循環流量制御と制御棒操作とを同時並行か
    つ互いに関連づけて実施する協調制御を用い、出力を増
    加又は減少する出力変更を行う協調制御モードの3つの
    制御モードを設定し、 前記3つの制御モードのうちいずれか1つを選択し、 前記選択された制御モードに従って再循環流量制御装置
    及び/又は制御棒駆動制御装置を駆動することを特徴と
    する原子力発電プラントの出力制御方法。
  2. 【請求項2】前記協調制御モードは、前記目標出力と原
    子炉出力の偏差に応じた目標炉心流量補正値を求め、前
    記目標炉心流量指令信号にこの補正値を加算して前記目
    標炉心流量を求めることを特徴とする請求項記載の原
    子力原子力発電プラントの出力制御方法。
  3. 【請求項3】再循環流量を制御する再循環流量制御装置
    と、制御棒の位置を制御する制御棒駆動制御装置とを有
    する原子力発電プラントの出力制御装置において、 目標原子炉出力信号と検出された原子炉出力信号との偏
    差をとり出力偏差信号を作成する第1の手段と、前記出
    力偏差信号からその偏差に応じた目標炉心流量信号を作
    成し前記再循環流量制御装置を動作させる第2の手段
    と、前記出力偏差信号からその偏差に応じた制御棒引抜
    指令信号又は挿入指令信号を作成し前記制御棒駆動制御
    装置を動作させる第3の手段と、目標炉心流量指令信号
    と前記出力偏差信号とから目標炉心流量信号を作成し前
    記再循環流量制御装置を動作させる第4の手段と、再循
    環流量の制御のみにより出力変更を行う再循環流量制御
    モードが選択された時は前記第2の手段を動作させ、制
    御棒操作のみにより出力変更を行う制御棒制御モードが
    選択された時は前記第3の手段を動作させ、少なくとも
    再循環流量制御と制御棒操作との両方が必要な大負荷追
    従運転時において、それら再循環流量制御と制御棒操作
    とを同時並行かつ互いに関連づけて実施する協調制御を
    用い、出力を増加又は減少する出力変更を行う協調制御
    モードが選択された時は前記第3及び第4の手段を動作
    させる第5の手段とを有することを特徴とする原子力発
    電プラントの出力制御装置。
  4. 【請求項4】前記第4の手段は、前記出力偏差信号から
    その偏差に応じた目標炉心流量補正信号を作成する補正
    信号作成手段と、前記目標炉心流量指令信号に前記目標
    炉心流量補正信号を加算し補正目標炉心流量信号を作成
    する第1の加算手段とを有することを特徴とする請求項
    記載の原子力発電プラントの出力制御装置。
  5. 【請求項5】前記補正信号作成手段は、前記出力偏差信
    号にゲインを乗じて前記出力偏差信号に応じた前記目標
    炉心流量補正信号に変更する乗算手段を有することを特
    徴とする請求項記載の原子力発電プラントの出力制御
    装置。
  6. 【請求項6】前記乗算手段は、前記出力偏差信号の大き
    さに応じて前記ゲインを可変とする可変ゲイン機能を有
    することを特徴とする請求項記載の原子力発電プラン
    トの出力制御装置。
  7. 【請求項7】前記第4の手段は、さらに、前記補正目標
    炉心流量信号の変化率が所定の変化率を超えないよう制
    限する変化率制限手段を有することを特徴とする請求項
    記載の原子力発電プラントの出力制御装置。
  8. 【請求項8】前記第4の手段は、さらに、前記補正目標
    炉心流量信号と実際の炉心流量信号との偏差をとり再循
    環流量操作指令信号を作成し、前記再循環流量制御装置
    を動作させる第2の加算手段を有することを特徴とする
    請求項記載の原子力発電プラントの出力制御装置。
  9. 【請求項9】前記第3の手段は、不感帯を有し前記出力
    偏差信号がこの不感帯を越えるとその大きさに応じた制
    御棒引抜指令信号又は挿入指令信号を作成する指令信号
    作成手段を備えることを特徴とする請求項記載の原子
    力発電プラントの出力制御装置。
  10. 【請求項10】前記不感帯にヒステリシス特性を持たせ
    たことを特徴とする請求項記載の原子力発電プラント
    の出力制御装置。
  11. 【請求項11】再循環流量を制御する再循環流量制御装
    置と、制御棒の位置を制御する制御棒駆動制御装置とを
    有する原子力発電プラントの出力制御装置において、 目標原子炉出力信号と検出された原子炉出力信号との偏
    差をとり出力偏差信号を作成する第1の手段と、前記出
    力偏差信号からその偏差に応じた目標炉心流量信号を作
    成し前記再循環流量制御装置を動作させる第2の手段
    と、前記出力偏差信号からその偏差に応じた制御棒引抜
    指令信号又は挿入指令信号を作成し前記制御棒駆動制御
    装置に出力する第3の手段と、目標炉心流量指令信号と
    前記出力偏差信号とから目標炉心流量信号を作成し前記
    再循環流量制御装置を動作させる第4の手段と、前記第
    2の手段から前記第4の手段のうち少なくとも1つを選
    択して動作させる選択手段とを有し、前記第2の手段
    は、可変ゲイン機能により前記出力偏差信号の大きさに
    応じて可変であるゲインを前記出力偏差信号に乗じて前
    記目標炉心流量補正信号に変更する乗算手段と、前記補
    正目標炉心流量信号の変化率が所定の変化率を超えない
    よう制限する変化率制限手段とを備えることを特徴とす
    る原子力発電プラントの出力制御装置。
  12. 【請求項12】前記第3の手段は、ヒステリシス特性を
    持つ不感帯と、前記出力偏差信号がこの不感帯を越える
    とその大きさに応じた制御棒引抜指令信号又は挿入指令
    信号を作成する指令信号作成手段とを備えることを特徴
    とする請求項11記載の原子力発電プラントの出力制御
    装置。
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