JPH03229199A - 原子力発電プラント制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、沸騰水型原子力発電プラントに係り、原子炉
水位制御装置から異常時切換指令を原子炉出力制御装置
に出力して原子炉水位を制御する原子力発電プラント制
御装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の原子力発電プラント制御装置の原子炉水位制御装
置においては、特開昭６２−５５５９８号公報のように
通常運転時、給水流量信号異常あるいは主蒸気流量信号
異常が発生すると、３要素制御から単要素制御に切り換
えて制御を継続するよう運転される。ところが、単要素
制御では３要素制御にくらべ制御系の応答が遅れるため
、プラントが安定に保持されていないと原子炉水位信号
が変動し、原子炉水位高でタービントリップ、また原子
炉水位低ではスクラムしてしまいプラント稼動率を下げ
る要因の一つとなっていた。

一般に沸騰水型原子力発電プラントには、原子炉圧力容
器内に冷却水を供給する原子炉給水ポンプの給水流量を
制御し、原子炉水位を設定値に保つ原子炉水位制御装置
と、原子炉圧力容器内のジェットポンプに冷却水を供給
する再循環ポンプの再循環流量を制御し、原子炉出力を
制御するとともに、タービンに蒸気流量を供給するター
ビン蒸気加減弁の開度を制御し、主蒸気圧力を設定値に
保つ原子炉出力制御装置とが設けられている。

第３図に、従来のこのような原子炉水位制御装置の一例
を示す。プラント低出力時、この原子炉水位制御装置は
単要素制御モードにより制御する。

単要素制御では、原子炉水位信号と設定水位との差信号
がＰＩ制御器２に入力され、給水流量要求信号として給
水ポンプ制御系に出力される。そして、タービン駆動及
びモータ駆動の給水ポンプが制御される。

この単要素制御では、フィードバック信号に原子炉水位
信号そのものを使用し、原子炉水位変動に対しては変動
発生後、その変動を抑制するように制御を行う。よって
、プラントに外乱が発生すると、水位変動が一時的に起
る。従って、定格出力運転ではプラントに外乱が発生し
ても、水位変動を最小に抑制するように先行制御するた
め、原子炉水位信号のほかに給水流量信号と主蒸気流量
信号とを使用した３信号で３要素制御を行う。

３要素制御モードでは、給水流量信号と主蒸気流量信号
との差信号にミスマツチ乗算器でゲインを乗算したミス
マツチ流量信号と原子炉水位信号との和信号を進み遅れ
補償器で補償し、これを設定水位から引いた差信号がＰ
Ｉ制御器２に入力され給水流量要求信号として給水ポン
プ制御系に出力される。

通常運転時は、３要素制御中に給水流量信号及び主蒸気
流量信号のうちいずれか一つの信号が異常値を示すと切
換器３で３要素制御から単要素制御に切り換えて制御を
継続するように運転される。

ところが、単要素制御では原子炉水位信号そのものを使
用して水位制御を行うため、原子炉出力と主蒸気圧力と
が一定に保たれないと原子炉水位信号が変動する頻度が
多く、その変動の程度が大きい場合は、運転員が対応操
作を行っても原子炉水位高でタービントリップ、または
原子炉水位低ではスクラムしまう場合が多く、プラント
稼動率を低下させる要因の一つになっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の原子力発電プラント制御装置にあっては、給水流
量信号及び主蒸気流量信号のいずれか一方の信号が異常
値を示した場合、原子炉水位の制御が３要素制御から単
要素制御に切換えられるが、原子炉出力は独立にかつ安
全側に制御されるため、原子炉水位変動に対する制御系
の応答が遅れてタービントリップ又はスクラムの要因に
なっており、プラント稼動率を低下させる問題点があっ
た。

本発明の目的は、原子炉水位制御装置に入力する給水流
量信号及び主蒸気流量信号のうちいずれか一つの信号が
異常値を示した場合でも、異常時切換指令により原子炉
出力を制御して単要素制御で定格出力運転を安定して継
続できる原子力発電プラント制御装置を提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本発明に係る原子力発電プラ
ント制御装置は、原子炉水位信号と給水流量信号と主蒸
気流量信号とを入力し給水流量信号及び主蒸気流量信号
の少くともいずれか一つの異常信号を検出した際に切換
手段を介して原子炉水位の制御を３要素制御から単要素
制御に切換える原子炉水位制御装置と、主蒸気圧力信号
とタービン速度信号とを入力し原子炉出力及び主蒸気圧
力を制御する原子炉出力制御装置とを備えた原子力発電
プラント制御装置において、切換手段に異常時切換指令
の出力機構を設けるとともに、原子炉出力制御装置に、
異常時の切換指令を入力しかつ負荷要求偏差信号とター
ビン蒸気加減弁開度指令とを変化率を制限して出力する
少くとも一つの切換回路を設けた構成とする。

そして、切換手段は、異常信号を検出しかつ異常時切換
指令の出力機構を有する信号異常検出回路と、原子路水
位信号のゆらぎを補償する進み遅れ補償器と、進み遅れ
補償器と信号異常検出回路の出力により制御を切換える
切換器とよりなる構成である。

また切換回路は、負荷要求偏差信号切換回路とタービン
蒸気加減弁開度指令切換回路とよりなり、それぞれの切
換回路に変化率制御器を付設した構成である。

〔作用〕

本発明によれば、原子力発電プラント制御装置の原子力
水位制御装置に信号異常検出回路を設けたため、この信
号異常検出回路で給水流量信号及び主蒸気流量信号の少
くともいずれか一つの異常信号を検出した際、切換器に
より水位制御が３要素制御から単要素制御に切換わると
ともに、異常時切換指令が出力される。そして原子炉水
位信号は進み遅れ補償器により水位信号のゆらぎが補償
される。

一方、異常時切換指令は、原子炉出力制御装置に設けた
負荷要求偏差信号切換回路及びタービン蒸気加減弁開度
指令切換回路に入力され、それぞれの切換回路から出力
される負荷要求偏差信号とタービン蒸気加減弁開度指令
とは、それぞれの切換回路に付設された変化率制限器に
より急激な変化を抑制され、原子炉出力と主蒸気圧力の
急激な変化がなくなる。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図を参照しながら説明する。

第１図に示すように、原子炉水位信号りと給水流量信号
Ｗｆと主蒸気流量信号Ｗｓとを入力し給水流量信号Ｗｆ
及び主蒸気流量信号Ｗｓの少くともいずれか一つの異常
信号を検出した際に切換手段を介して原子炉水位の制御
を３要素制御から単要素制御に切換える原子炉水位制御
装置Ａと、主蒸気圧力信号Ｐとタービン速度信号Ｒとを
入力し原子炉出力及び主蒸気圧力を制御する原子炉出力
制御装置Ｂとを備えた原子力発電プラント制御装置にお
いて、切換手段に異常時切換指令Ｅの出力機構を設ける
とともに、原子炉出力制御装置Ｂに、異常時の切換指令
Ｅを入力しかつ負荷要求偏差信号Ｈとタービン蒸気加減
弁開度指令にとを変化率を制限して出力する少くとも一
つの切換回路を設けた構成とする。

そして切換手段は、異常信号を検出しかつ異常時切換指
令Ｅの出力機構を有する信号異常検出回路１６と、原子
路水位信号りのゆらぎを補償する進み遅れ補償器１３と
、進み遅れ補償器１３と信号異常検出回路１６の出力に
より制御を切換える切換器１４とよりなる構成である。

また切換回路は、負荷要求偏差信号切換回路２５とター
ビン蒸気加減弁開度指令切換回路２３とよりなり、それ
ぞれの切換回路２３．２５に変化率制御器２４．２６を
付設した構成である。

原子炉１で発生した蒸気は主蒸気管２を通ってタービン
蒸気加減弁３を経て主タービン４に入って機械エネルギ
ーを発生し、復水器５で凝縮されて水に戻る。この水は
給水ポンプ６によって給水配管７を経て再び原子炉１に
戻される。

このように構成された沸騰水型原子力発電プラントには
、原子炉１に冷却水を供給する給水ポンプ６の給水流量
を制御し、原子炉水位を設定水位に保つ原子炉水位制御
装置Ａと、主タービン４に蒸気流量を供給するタービン
蒸気加減弁３の開度を制御して主蒸気圧力を設定圧力に
保つ原子炉出力制御装置Ｂとが設けられている。

検出器８で検出した給水流量信号Ｗｆと、検出器９で検
出した主蒸気流量信号Ｗｓとの差信号にミスマツチ乗算
器１１でゲインを乗算したミスマツチ流量信号と、検出
器１０で検出した原子炉水位信号りとの和信号を進み遅
れ補償器１２で補償し、これを設定水位から引いた差信
号がＰＩ制御器１５に入力され、給水流量要求信号とし
て給水ポンプ制御系６に出力される。

検出器１７で検出した主蒸気圧力信号Ｐと設定圧力調整
回路１９からの信号とを加算し、設定圧力との差信号を
主蒸気圧力調整回路２０に入力する。そして検出器１８
で検出したタービン速度信号Ｒと速度／負荷設定とをタ
ービン速度負荷制御回路３０に入力する。主蒸気圧力調
整回路２０よりの信号とタービン速度負荷制御回路３０
よりの信号とを低値通過ゲート２１に入力し、低値信号
が加減弁サーボ２２を介してタービン蒸気加減弁３の開
度を変えて、主蒸気圧力を一定に保つとともにタービン
蒸気流量を調整する。また、速度／負荷設定が変化する
とタービン速度負荷制御回路３０を介して負荷要求偏差
信号Ｈを再循環流量制御系へ出力し、再循環流量を変化
させて原子炉出力を変える。

このような構成において通常運転時は、原子炉水位制御
装置Ａは、給水流量信号Ｗｆと主蒸気流量信号Ｗｓとの
差信号にミスマツチ乗算器１１で原子炉水位信号換算用
ゲインを乗算したミスマツチ流量信号と原子炉水位信号
りとの和信号を進み遅れが補償器２２で遅れをもたせ系
の安定を図るよう補償し、これを設定水位から引いた差
信号をＰＩ制御器１５に入力し給水流量要求信号として
給水ポンプ制御系６に出力し、原子炉１へ戻す給水流量
を制御する。給水流量信号Ｗｆが主蒸気流量信号Ｗｓよ
り大きい場合は、給水流量を減少させ、逆の場合は給水
流量を増加するように先行制御する。また、給水流量信
号Ｗｆ及び主蒸気流量信号Ｗｓのうちいずれか一つに異
常が発生すると切換器１４で３要素制御から単要素制御
に切換えて、原子炉水位信号りだけにより原子炉水位を
制御する。

原子炉出力制御装置Ｂは、設定圧力に対し主蒸気圧力信
号Ｐと設定圧力調整回路１９の出力信号の和信号との差
をとり主蒸気圧力調整回路２０に入力し、換算した弁開
度要求信号を低値通過ゲート２１に入力する。また、速
度／負荷設定とタービン速度信号とをタービン速度負荷
制御回路１９に入力し、換算した弁開度要求信号を低値
通過ゲートと２１に入力する。低値通過ゲート２１では
低値選択を行い、加減弁開度要求信号Ｋを加減弁サーボ
系２２に出力しタービン蒸気加減弁３の開度を調整する
ことにより、タービンへ送る蒸気流量を制御し主蒸気圧
力を設定圧力に保つ。

タービン速度負荷制御回路３０の出力信号は、バイアス
値と主蒸気圧力調整回路２ｏの出力信号とにより補正し
、負荷要求偏差信号Ｈとなって再循環流量制御系へ出力
し、再循環流量を制御して原子炉出力を調整する。負荷
遮断時は、タービン速度負荷制御回路３０の出力信号が
急減して低値通過ゲート２１を通り、タービン蒸気加減
弁３の開度をしぼるとともに、バイパス弁サーボ系２７
を介してタービンバイパス弁２８開は蒸気流量を復水器
５に送る。

そこで、原子炉水位制御装置Ａでは、信号異常検出回路
１６に対して給水流量信号Ｗｆと主蒸気流量信号Ｗｓお
よび原子炉水位信号りが人出される。そして、信号異常
検出回路１６が給水流量信号Ｗｆ及び主蒸気流量信号Ｗ
ｓのうちいずれか一つの異常を検出すると、単要素／３
要素制御の切換器１４によって３要素制御から単要素制
御に自動的に切り換えて水位制御を継続する。また、信
号異常による異常時切換指令Ｅを原子炉出力制御装置Ｂ
へ出力する。

原子炉出力制御装置Ｂでは、タービン蒸気加減弁開度指
令切換回路２３で異常時切換信号Ｅを入力し、変化率制
限器２４で変化率を制限した開度指令に自動的に切り換
えて主蒸気圧力を設定圧力に保つように制御する。また
、負荷要求偏差信号切換回路２５で異常時切換信号Ｅを
入力し、変化率制限器２６で変化率を制限した偏差信号
に自動的に切り換えて原子炉出力を設定負荷に保つよう
制御する。

以上のように構成された原子力発電プラント制御装置は
、給水流量信号異常または主蒸気流量信号異常時におい
ても単要素制御によって水位制御を継続できる。

すなわち、信号異常検出回路１６は、給水流量信号Ｗｆ
及び主蒸気流量信号Ｗｓおよび原子炉水位信号りをそれ
ぞれ基準値と比較して異常を診断する。また、単要素制
御用の進み遅れ補償器１３により単要素制御でのＰＩ制
御器１５への入力信号である原子炉水位信号りに補償機
能を設け、原子炉水位信号りのゆらぎを除去し制御系の
安定を図る。進み時定数および遅れ時定数は前記ゆらぎ
に対するゲインより設定する。

本発明を適用した場合、各種の信号に対応し得る場合と
、対応し得ない場合とを第２図に示す。

第２図においてＯ印はプロセス信号が正常であることを
意味し、ｘ印がプロセス信号が異常であることを表わし
ている６また、２点鎖線で囲んだ部分は本発明の効果と
制御を継続し得る場合を示している。

第２図の左端の欄はケース魔を示しており、ケースＨａ
　１は、３種類の信号Ｗｆ、Ｗｓ、Ｌがそれぞれ正常な
場合で、この状態では右方に矢印で対応を示したように
３要素制御が行われる。

ケース＆２のように給水流量信号Ｗｆが異常を示したと
き、又はケースＮα３のように蒸気流量信号Ｗｓが異常
を示したときは、右方に矢印で対応を示したように単要
素制御に切り換えて制御が継続される。

ケース＆４のように、給水流量信号Ｗｆと蒸気流量信号
Ｗｓとが異常を示したときは、単要素制御に切換えて制
御が継続される。

ケースＮα５，６，７，８の場合は制御信号ロックとな
る。

第２図に示されたように、ケースＮｎ２，３．４の場合
はプロセス信号に異常が発生しても、自動的に制御モー
ドを切り換えて制御を継続できるため、プラント稼動率
向上に貢献するところ多大である。また、電力系統の安
定運転に寄与するところも大である。

本発明によれば、定格出力運転時の３要素制御を、給水
流量信号、主蒸気流量信号のうちいずれか一つの信号が
異常値を示した場合に単要素制御に切換えることによっ
て、多少の水位変動に対しても定格出力運転を安定して
行えるようにし、その間に異常箇所の修理を行ない、修
理後に再び３要素制御に切換えて定格出力運転を継続し
て行うことができる原子力発電プラント制御装置を提供
できる。

〔発明の効果〕

本発明の原子力発電プラント制御装置によれば、給水流
量信号及び主蒸気流量信号のうちいずれか一つの信号が
異常値を示したとしても３要素制御から単要素制御に切
り換えて水位制御を継続することにより、原子炉水位高
でタービントリップや原子炉水位低でスクラムを回避で
き、プラント稼動率を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の制御系統を示す構成図、第
２図は本実施例の制御方式を示す図、第３図は従来の技
術の制御系統を示す図である。 １３・・・進み遅れ補償器 １４・・・切換器 １６・・・信号異常検出回路 ２３・・・タービン蒸気加減弁開度指令切換回路２４．
２６・・・変化率制限器 ２５・・・負荷要求偏差信号切換回路

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、原子炉水位信号と給水流量信号と主蒸気流量信号と
   を入力し給水流量信号及び主蒸気流量信号の少くともい
   ずれか一つの異常信号を検出した際に切換手段を介して
   原子炉水位の制御を３要素制御から単要素制御に切換え
   る原子炉水位制御装置と、主蒸気圧力信号とタービン速
   度信号とを入力し原子炉出力及び主蒸気圧力を制御する
   原子炉出力制御装置とを備えた原子力発電プラント制御
   装置において、前記切換手段に異常時切換指令の出力機
   構を設けるとともに、前記原子炉出力制御装置に、前記
   異常時切換指令を入力しかつ負荷要求偏差信号とタービ
   ン蒸気加減弁開度指令とを変化率を制限して出力する少
   くとも一つの切換回路を設けたことを特徴とする原子力
   発電プラント制御装置。 ２、切換手段は、異常信号を検出しかつ異常時切換指令
   の出力機構を有する信号異常検出回路と、原子炉水位信
   号のゆらぎを補償する進み遅れ補償器と、該進み遅れ補
   償器と前記信号異常検出回路の出力により制御を切換え
   る切換器とよりなることを特徴とする請求項１記載の原
   子力発電プラント制御装置。 ３、切換回路は、負荷要求偏差信号切換回路とタービン
   蒸気加減弁開度指令切換回路とよりなり、それぞれの切
   換回路に変化率制御器を付設したことを特徴とする請求
   項１又は２記載の原子力発電プラント制御装置。