JP2901370B2 - 高コントラスト薄膜el素子の製造方法 - Google Patents
高コントラスト薄膜el素子の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は交流電界の印加により
EL(エレクトロルミネッセンス)発光を呈する薄膜発
光素子の製造方法に係わり、特に、表示のコントラスト
が高められる薄膜発光素子の製造方法に関する。
EL(エレクトロルミネッセンス)発光を呈する薄膜発
光素子の製造方法に係わり、特に、表示のコントラスト
が高められる薄膜発光素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧を印加すると物質が蛍光を発する現
象すなわちエロクトロルミネッセンス(EL)を利用し
たディスプレイに用いられる薄膜FL素子が知られてい
る。従来の薄膜EL素子の構造を図12に示す。図に示
すように、ガラス基板1の上に透明電極2、第1絶縁体
層3、発光体層4、第2絶縁体層5、金属の背面電極6
が順次積層されており、透明電極2と背面電極6とに交
流電源7の電圧が印加され発光体層4が発光し、その光
がガラス基板1の前方に放射される。
象すなわちエロクトロルミネッセンス(EL)を利用し
たディスプレイに用いられる薄膜FL素子が知られてい
る。従来の薄膜EL素子の構造を図12に示す。図に示
すように、ガラス基板1の上に透明電極2、第1絶縁体
層3、発光体層4、第2絶縁体層5、金属の背面電極6
が順次積層されており、透明電極2と背面電極6とに交
流電源7の電圧が印加され発光体層4が発光し、その光
がガラス基板1の前方に放射される。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】上記した従来のもの
においては、背面電極6としてAl等の金属の電極を用
いているため外光の反射率が高く、ELパネル内に侵入
した外部光が背面電極6で反射され、コントラストおよ
び表示品位の低下を招くという欠点があった。
においては、背面電極6としてAl等の金属の電極を用
いているため外光の反射率が高く、ELパネル内に侵入
した外部光が背面電極6で反射され、コントラストおよ
び表示品位の低下を招くという欠点があった。
【0004】この発明は上記した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、外部からの光が
ELパネルで反射されることを防止することによりコン
トラストの高められた薄膜EL素子の製造方法を提供す
ることにある。
のであって、その目的とするところは、外部からの光が
ELパネルで反射されることを防止することによりコン
トラストの高められた薄膜EL素子の製造方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の高コントラス
ト薄膜EL素子の製造方法は、透明基板の上に透明電極
を積層し該透明電極と黒色膜からなる背面電極との間に
EL発光を呈する薄膜発光層を介在させ前記背面電極の
上に絶縁体を該絶縁体の上に背面電極と同一物質の背面
黒色膜を配置し、前記背面電極と薄膜発光層の間および
前記背面黒色膜と絶縁体との間に同一の物質からなる絶
縁物を配置した薄膜EL素子の製造方法において、CV
D法により、または、反応性雰囲気において金属あるい
は金属酸化物をターゲットに用いたリアクティブスパッ
タリングにより、背面黒色膜および背面電極を形成する
ものである。
ト薄膜EL素子の製造方法は、透明基板の上に透明電極
を積層し該透明電極と黒色膜からなる背面電極との間に
EL発光を呈する薄膜発光層を介在させ前記背面電極の
上に絶縁体を該絶縁体の上に背面電極と同一物質の背面
黒色膜を配置し、前記背面電極と薄膜発光層の間および
前記背面黒色膜と絶縁体との間に同一の物質からなる絶
縁物を配置した薄膜EL素子の製造方法において、CV
D法により、または、反応性雰囲気において金属あるい
は金属酸化物をターゲットに用いたリアクティブスパッ
タリングにより、背面黒色膜および背面電極を形成する
ものである。
【0006】また、前記高コントラスト薄膜EL素子の
製造方法において、反応性雰囲気においてTaをターゲ
ットに用いリアクティブスパッタリングにより前記背面
黒色膜と背面電極とをTaの不完全酸化黒色膜として形
成するものである。
製造方法において、反応性雰囲気においてTaをターゲ
ットに用いリアクティブスパッタリングにより前記背面
黒色膜と背面電極とをTaの不完全酸化黒色膜として形
成するものである。
【0007】さらに、この発明の高コントラスト薄膜E
L素子の製造方法は、透明基板の上に透明電極を積層し
該透明電極と黒色導体または黒色膜と金属膜の積層体か
らなる背面電極との間の透明電極側にEL発光を呈する
薄膜発光層をまた背面電極側に黒色絶縁膜を配置した薄
膜EL素子の製造方法において、前記背面電極の黒色導
体または黒色膜を反応性雰囲気においてTaをターゲッ
トに用いたリアクティブスパッタリングによりTaの不
完全酸化黒色膜として形成し、前記黒色絶縁膜として、
酸素分圧を大きくした反応性雰囲気においてリアクティ
ブスパッタリングにより前記Taの不完全酸化黒色膜よ
りさらに酸化した絶縁膜を形成するものである。
L素子の製造方法は、透明基板の上に透明電極を積層し
該透明電極と黒色導体または黒色膜と金属膜の積層体か
らなる背面電極との間の透明電極側にEL発光を呈する
薄膜発光層をまた背面電極側に黒色絶縁膜を配置した薄
膜EL素子の製造方法において、前記背面電極の黒色導
体または黒色膜を反応性雰囲気においてTaをターゲッ
トに用いたリアクティブスパッタリングによりTaの不
完全酸化黒色膜として形成し、前記黒色絶縁膜として、
酸素分圧を大きくした反応性雰囲気においてリアクティ
ブスパッタリングにより前記Taの不完全酸化黒色膜よ
りさらに酸化した絶縁膜を形成するものである。
【0008】
【作用】リアクティブスパッタリングは、容器内に配置
されたターゲットと電極の間に直流(DC)またはラデ
ィオフリークェンシィ(RF)の電圧を印加して放電
し、ターゲットを構成する金属または金属酸化物を気化
させて被接着物に積層する。ターゲットが金属であると
き、容器内の気体に酸素を含せるることにより被接着物
に金属酸化物を積層することができ、酸素の濃度により
金属酸化物の酸化度を制御することができる。ターゲッ
トが金属酸化物であるとき、容器内雰囲気を還元性とす
ることで被接着物である金属酸化物の酸化度を制御する
ことができる。
されたターゲットと電極の間に直流(DC)またはラデ
ィオフリークェンシィ(RF)の電圧を印加して放電
し、ターゲットを構成する金属または金属酸化物を気化
させて被接着物に積層する。ターゲットが金属であると
き、容器内の気体に酸素を含せるることにより被接着物
に金属酸化物を積層することができ、酸素の濃度により
金属酸化物の酸化度を制御することができる。ターゲッ
トが金属酸化物であるとき、容器内雰囲気を還元性とす
ることで被接着物である金属酸化物の酸化度を制御する
ことができる。
【0009】図9に純タンタルTaのターゲットを用い
てArガスとO2ガスの混合ガスの雰囲気でリアクティ
ブスパッタを行って形成した膜の抵抗率とO2分圧の関
係を示す。同様に、図10に光透過率、反射率とO2分
圧の関係を示し、また、図11に光吸収率とO2分圧の
関係を示す。なお、上記の光透過率、反射率、吸収率は
厚さ0.2μmの膜を波長500nmの光で測定した値
である。図9より、O2分圧を増加するに従い抵抗率が
変化し導体から絶縁体に変化することが分かる。また、
図10より、O2分圧が0%のときに形成される膜は波
長500nmの光を55%反射するがO2分圧が8%の
ときに形成される膜は反射率が約10%となり、このと
き吸収率は図11より約80%となっていることが分か
る。このように雰囲気中のO2分圧を変えることにより
リアクティブスパッタリングにより金属膜や黒色の絶縁
膜を形成することができ、このような黒色膜により背面
電極や背面電極の上下に配置される膜を構成することに
より、外部からの光がELパネルで反射することを防止
してコントラストを高めることができる。
てArガスとO2ガスの混合ガスの雰囲気でリアクティ
ブスパッタを行って形成した膜の抵抗率とO2分圧の関
係を示す。同様に、図10に光透過率、反射率とO2分
圧の関係を示し、また、図11に光吸収率とO2分圧の
関係を示す。なお、上記の光透過率、反射率、吸収率は
厚さ0.2μmの膜を波長500nmの光で測定した値
である。図9より、O2分圧を増加するに従い抵抗率が
変化し導体から絶縁体に変化することが分かる。また、
図10より、O2分圧が0%のときに形成される膜は波
長500nmの光を55%反射するがO2分圧が8%の
ときに形成される膜は反射率が約10%となり、このと
き吸収率は図11より約80%となっていることが分か
る。このように雰囲気中のO2分圧を変えることにより
リアクティブスパッタリングにより金属膜や黒色の絶縁
膜を形成することができ、このような黒色膜により背面
電極や背面電極の上下に配置される膜を構成することに
より、外部からの光がELパネルで反射することを防止
してコントラストを高めることができる。
【0010】CVD法は気化した金属塩蒸気を水素、ア
ルゴン、反応性ガスとともに加熱した被処理物に接触さ
せ高温気相反応によって金属または金属化合物を被処理
物に積層する方法であるが、この方法によっても雰囲気
ガスの分圧を制御することにより金属膜や黒色の絶縁膜
を形成することがでる。なお、金属塩蒸気を用いるとき
は、CO2+H2等の夫々のガス分圧を制御することに
より金属酸化物の酸化度を制御することができる。CV
D法をリアクティブスパッタリングと同様にこの発明に
用いることが可能である。
ルゴン、反応性ガスとともに加熱した被処理物に接触さ
せ高温気相反応によって金属または金属化合物を被処理
物に積層する方法であるが、この方法によっても雰囲気
ガスの分圧を制御することにより金属膜や黒色の絶縁膜
を形成することがでる。なお、金属塩蒸気を用いるとき
は、CO2+H2等の夫々のガス分圧を制御することに
より金属酸化物の酸化度を制御することができる。CV
D法をリアクティブスパッタリングと同様にこの発明に
用いることが可能である。
【0011】
【実施例】この発明の実施例である高コントラスト薄膜
EL素子の製造方法を図面に基づいて説明する。図1は
この発明の第1の参考例を示している。図において、1
は透明基板を構成するガラス基板であり、ガラス基板1
の上に酸化錫の透明電極2、アルミナ、五酸化タンタ
ル、窒化シリコン等の第1絶縁体層3、交流電界により
EL発光を呈する発光体層4、窒化シリコン等の第2絶
縁体層5が従来周知の方法で積層されている。第2絶縁
体層5の上に酸化Ta黒色導体8が積層され、透明電極
2と酸化Ta黒色導体8とに交流電源7の電圧が印加さ
れ発光体層4が発光し、その光がガラス基板1の前方に
放射される。
EL素子の製造方法を図面に基づいて説明する。図1は
この発明の第1の参考例を示している。図において、1
は透明基板を構成するガラス基板であり、ガラス基板1
の上に酸化錫の透明電極2、アルミナ、五酸化タンタ
ル、窒化シリコン等の第1絶縁体層3、交流電界により
EL発光を呈する発光体層4、窒化シリコン等の第2絶
縁体層5が従来周知の方法で積層されている。第2絶縁
体層5の上に酸化Ta黒色導体8が積層され、透明電極
2と酸化Ta黒色導体8とに交流電源7の電圧が印加さ
れ発光体層4が発光し、その光がガラス基板1の前方に
放射される。
【0012】酸化Ta黒色導体8は次の条件でリアクテ
ィブスパッタリングにより形成される。 条件 基板
温度…常温、ターゲット…Ta金属、RFパワー…25
0w、O2分圧…8%、ガス圧…2.0×10−3To
rr、時間…20〜25分このように形成された酸化T
a黒色導体8は黒色の導体であり、背面電極となるが非
発光部での外光の反射が抑制され、コントラストが向上
する。なお、黒色導体8をCVD法により形成すれば請
求項1の発明が実現される。
ィブスパッタリングにより形成される。 条件 基板
温度…常温、ターゲット…Ta金属、RFパワー…25
0w、O2分圧…8%、ガス圧…2.0×10−3To
rr、時間…20〜25分このように形成された酸化T
a黒色導体8は黒色の導体であり、背面電極となるが非
発光部での外光の反射が抑制され、コントラストが向上
する。なお、黒色導体8をCVD法により形成すれば請
求項1の発明が実現される。
【0013】図2はこの発明の第2の参考例を示してい
る。この参考例では背面電極以外の部分は第1の参考例
と同様に形成されるが、背面電極は第1の参考例の条件
で形成された酸化Ta黒色導体8の上に次の条件でス
パッタリングによりAlの金属背面電極6が積層され
る。
る。この参考例では背面電極以外の部分は第1の参考例
と同様に形成されるが、背面電極は第1の参考例の条件
で形成された酸化Ta黒色導体8の上に次の条件でス
パッタリングによりAlの金属背面電極6が積層され
る。
【0014】条件 基板温度…常温、ターゲット…A
l金属、DCパワー…400w、ガス圧…2.0×10
−3Torr、時間…8分 このように形成された背面電極は第1の参考例と同様に
コントラスト向上の効果があり、酸化Ta黒色導体8の
電気伝導度の不足が補われる。なお、金属背面電極6は
Arガスのみの雰囲気で次の条件においてスパッタリン
グによりTaの金属膜として得ることもできる。
条件 基板温度…常温、ターゲット…Ta金属、RF
パワー…300w、ガス圧…2.0×10−3Tor
r、時間…20分 このように、Taの金属膜を積層する場合は、酸化Ta
黒色導体8を形成した後にO2ガスを停止するか流量を
徐々に減らして背面黒色電極が形成される。この場合連
続してスパッタリングが行え、製造時間を短縮すること
ができる。
l金属、DCパワー…400w、ガス圧…2.0×10
−3Torr、時間…8分 このように形成された背面電極は第1の参考例と同様に
コントラスト向上の効果があり、酸化Ta黒色導体8の
電気伝導度の不足が補われる。なお、金属背面電極6は
Arガスのみの雰囲気で次の条件においてスパッタリン
グによりTaの金属膜として得ることもできる。
条件 基板温度…常温、ターゲット…Ta金属、RF
パワー…300w、ガス圧…2.0×10−3Tor
r、時間…20分 このように、Taの金属膜を積層する場合は、酸化Ta
黒色導体8を形成した後にO2ガスを停止するか流量を
徐々に減らして背面黒色電極が形成される。この場合連
続してスパッタリングが行え、製造時間を短縮すること
ができる。
【0015】図3はこの発明の第3の参考例を示してい
る。この参考例では酸化Ta黒色導体8までの部分は第
1の参考例と同様に形成されるが、酸化Ta黒色導体8
の上に絶縁体膜9としてSiO2が積層され、絶縁体膜
9の上に背面黒色膜10が積層される。絶縁体膜9の形
成条件は次の通りである。
る。この参考例では酸化Ta黒色導体8までの部分は第
1の参考例と同様に形成されるが、酸化Ta黒色導体8
の上に絶縁体膜9としてSiO2が積層され、絶縁体膜
9の上に背面黒色膜10が積層される。絶縁体膜9の形
成条件は次の通りである。
【0016】条件 基板温度…常温、ターゲット…S
iO2、RFパワー…300w、ガス圧…2.0×10
−3Torr、膜厚…1μm また、背面黒色膜10は第1の参考例で示した条件で
リアクティブスパッタリングにより形成され、このよう
な黒色膜により背面電極の浮き上がりが防止されコント
ラストが一層向上する。なお、背面黒色膜10はMnO
2や有機黒色物質でもよい。
iO2、RFパワー…300w、ガス圧…2.0×10
−3Torr、膜厚…1μm また、背面黒色膜10は第1の参考例で示した条件で
リアクティブスパッタリングにより形成され、このよう
な黒色膜により背面電極の浮き上がりが防止されコント
ラストが一層向上する。なお、背面黒色膜10はMnO
2や有機黒色物質でもよい。
【0017】図4はこの発明の第4の参考例を示してい
る。この参考例では金属背面電極6までの部分は第2の
参考例と同様に形成されるが、酸化Ta黒色導体8と金
属背面電極6の積層体である背面電極の上に絶縁体膜9
としてSiO2が積層され、絶縁体膜9の上に背面黒色
膜10が積層される。絶縁体膜9と背面黒色膜10の形
成条件は第3の参考例と同様である。このような背面黒
色膜10により背面電極の浮き上がりが防止されコント
ラストが一層向上する。図8に図4に示す参考例の薄膜
EL素子のコントラストを示すグラフ(イ)と従来の薄
膜EL素子のコントラストを示すグラフ(ロ)とを比較
して示す。図における横軸は薄膜EL素子表面の外光に
よる照度(ルックス)であり、縦軸はコントラスト比で
ある。また、双方の薄膜EL素子には同一の交流電圧が
印加された。図から明らかなように、参考例ではコント
ラスト比が著しく向上している。
る。この参考例では金属背面電極6までの部分は第2の
参考例と同様に形成されるが、酸化Ta黒色導体8と金
属背面電極6の積層体である背面電極の上に絶縁体膜9
としてSiO2が積層され、絶縁体膜9の上に背面黒色
膜10が積層される。絶縁体膜9と背面黒色膜10の形
成条件は第3の参考例と同様である。このような背面黒
色膜10により背面電極の浮き上がりが防止されコント
ラストが一層向上する。図8に図4に示す参考例の薄膜
EL素子のコントラストを示すグラフ(イ)と従来の薄
膜EL素子のコントラストを示すグラフ(ロ)とを比較
して示す。図における横軸は薄膜EL素子表面の外光に
よる照度(ルックス)であり、縦軸はコントラスト比で
ある。また、双方の薄膜EL素子には同一の交流電圧が
印加された。図から明らかなように、参考例ではコント
ラスト比が著しく向上している。
【0018】図5はこの発明の第1の実施例を示し、請
求項1および2の発明に関する。この実施例では絶縁体
膜9までの部分は第3の参考例と同様に形成されるが、
絶縁体膜9の上に絶縁体層11が積層され、絶縁体層1
1の上に背面黒色膜10が積層される。なお、絶縁体層
11は第2絶縁体層5と同一の物質であり、EL素子の
駆動電圧を低くするために、アルミナ、五酸化タンタ
ル、窒化シリコン等のSiO2よりも誘電率の高いもの
が用いられている。そこで、背面電極である酸化Ta黒
色導体8と背面黒色膜10との反射率を等しくするよう
に夫々の前面に配置された第2絶縁体層5と絶縁体層1
1との屈折率を等しくして背面電極の浮き上がりが防止
されている。
求項1および2の発明に関する。この実施例では絶縁体
膜9までの部分は第3の参考例と同様に形成されるが、
絶縁体膜9の上に絶縁体層11が積層され、絶縁体層1
1の上に背面黒色膜10が積層される。なお、絶縁体層
11は第2絶縁体層5と同一の物質であり、EL素子の
駆動電圧を低くするために、アルミナ、五酸化タンタ
ル、窒化シリコン等のSiO2よりも誘電率の高いもの
が用いられている。そこで、背面電極である酸化Ta黒
色導体8と背面黒色膜10との反射率を等しくするよう
に夫々の前面に配置された第2絶縁体層5と絶縁体層1
1との屈折率を等しくして背面電極の浮き上がりが防止
されている。
【0019】図6はこの発明の第2の実施例を示し、請
求項3の発明に関する。この実施例では発光体層4まで
の部分は第3の参考例と同様に形成されるが、発光体層
4の上に黒色絶縁膜12が積層され、黒色絶縁膜12の
上に第2の参考例と同様の酸化Ta黒色導体8と金属背
面電極6との積層体が形成される。黒色絶縁膜12の形
成条件は次の通りである。
求項3の発明に関する。この実施例では発光体層4まで
の部分は第3の参考例と同様に形成されるが、発光体層
4の上に黒色絶縁膜12が積層され、黒色絶縁膜12の
上に第2の参考例と同様の酸化Ta黒色導体8と金属背
面電極6との積層体が形成される。黒色絶縁膜12の形
成条件は次の通りである。
【0020】条件 基板温度…常温、ターゲット…
Ta金属、RFパワー…250w、O2分圧…10.4
%、膜厚…0.5μm このような黒色絶縁膜12により背面電極の浮き上がり
が防止されコントラストが一層向上する。なお、黒色絶
縁膜12として、Pr−MnO等を用いることもでき
る。
Ta金属、RFパワー…250w、O2分圧…10.4
%、膜厚…0.5μm このような黒色絶縁膜12により背面電極の浮き上がり
が防止されコントラストが一層向上する。なお、黒色絶
縁膜12として、Pr−MnO等を用いることもでき
る。
【0021】図7はこの発明の第3の実施例を示す。こ
の実施例では第2の実施例において、黒色絶縁膜12と
酸化Ta黒色導体8の間に絶縁体層5を介在させてい
る。絶縁体層5はアルミナ、五酸化タンタル、窒化シリ
コン等で形成され発光体層4と酸化Ta黒色導体8との
間の黒色絶縁膜12の絶縁不足を補う。
の実施例では第2の実施例において、黒色絶縁膜12と
酸化Ta黒色導体8の間に絶縁体層5を介在させてい
る。絶縁体層5はアルミナ、五酸化タンタル、窒化シリ
コン等で形成され発光体層4と酸化Ta黒色導体8との
間の黒色絶縁膜12の絶縁不足を補う。
【0022】
【発明の効果】この発明によれば、外部からの光がEL
パネルで反射されることを防止することによりコントラ
ストの高められる薄膜発光素子を容易に製造することが
できる。
パネルで反射されることを防止することによりコントラ
ストの高められる薄膜発光素子を容易に製造することが
できる。
【0023】特に、リアクティブスパッタリングの雰囲
気ガスの酸素ガス濃度を変えるだけで金属膜や黒色導体
膜や黒色絶縁体膜を積層するようにすればスパッタリン
グの回数が少なく製造工程が短縮される。
気ガスの酸素ガス濃度を変えるだけで金属膜や黒色導体
膜や黒色絶縁体膜を積層するようにすればスパッタリン
グの回数が少なく製造工程が短縮される。
【図1】この発明の第1の参考例である高コントラスト
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
【図2】この発明の第2の参考例である高コントラスト
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
【図3】この発明の第3の参考例である高コントラスト
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
【図4】この発明の第4の参考例である高コントラスト
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
【図5】この発明の第1の実施例である高コントラスト
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
【図6】この発明の第2の実施例である高コントラスト
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
【図7】この発明の第3の実施例である高コントラスト
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
薄膜EL素子の製造方法を示す断面図である。
【図8】この発明の参考例の薄膜EL素子のコントラス
トと従来の薄膜EL素子のコントラストとを比較して示
すグラフである。
トと従来の薄膜EL素子のコントラストとを比較して示
すグラフである。
【図9】リアクティブスパッタリングにおける雰囲気の
O2分圧と形成膜の抵抗率の関係を示すグラフである。
O2分圧と形成膜の抵抗率の関係を示すグラフである。
【図10】リアクティブスパッタリングにおける雰囲気
のO2分圧と形成膜の光透過率および反射率の関係を示
すグラフである。
のO2分圧と形成膜の光透過率および反射率の関係を示
すグラフである。
【図11】リアクティブスパッタリングにおける雰囲気
のO2分圧と形成膜の光吸収率の関係を示すグラフであ
る。
のO2分圧と形成膜の光吸収率の関係を示すグラフであ
る。
【図12】従来の薄膜EL素子の構造を示す断面図であ
る。
る。
1 ガラス基板 2 透明電極 3 第1絶縁体層 4 発光体層 5 第2絶縁体層 6 金属背面電極 7 交流電源 8 酸化Ta黒色導体 9 絶縁体膜 10 背面黒色膜 11 絶縁体層 12 黒色絶縁膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 33/00 - 33/28
Claims (3)
- 【請求項1】 透明基板の上に透明電極を積層し該透明
電極と黒色膜からなる背面電極との間にEL発光を呈す
る薄膜発光層を介在させ前記背面電極の上に絶縁体を該
絶縁体の上に背面電極と同一物質の背面黒色膜を配置
し、前記背面電極と薄膜発光層の間および前記背面黒色
膜と絶縁体との間に同一の物質からなる絶縁物を配置し
た薄膜EL素子の製造方法において、CVD法により、
または、反応性雰囲気において金属あるいは金属酸化物
をターゲットに用いたリアクティブスパッタリングによ
り、背面黒色膜および背面電極を形成することを特徴と
する高コントラスト薄膜EL素子の製造方法。 - 【請求項2】 反応性雰囲気においてTaをターゲット
に用いリアクティブスパッタリングにより前記背面黒色
膜と背面電極とをTaの不完全酸化黒色膜として形成す
ることを特徴とする請求項1の高コントラスト薄膜EL
素子の製造方法。 - 【請求項3】 透明基板の上に透明電極を積層し該透明
電極と黒色導体または黒色膜と金属膜の積層体からなる
背面電極との間の透明電極側にEL発光を呈する薄膜発
光層をまた背面電極側に黒色絶縁膜を配置した薄膜EL
素子の製造方法において、前記背面電極の黒色導体また
は黒色膜を反応性雰囲気においてTaをターゲットに用
いたリアクティブスパッタリングによりTaの不完全酸
化黒色膜として形成し、前記黒色絶縁膜として、酸素分
圧を大きくした反応性雰囲気においてリアクティブスパ
ッタリングにより前記Taの不完全酸化黒色膜よりさら
に酸化した絶縁膜を形成することを特徴とする高コント
ラスト薄膜EL素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3103842A JP2901370B2 (ja) | 1991-04-09 | 1991-04-09 | 高コントラスト薄膜el素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3103842A JP2901370B2 (ja) | 1991-04-09 | 1991-04-09 | 高コントラスト薄膜el素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04312791A JPH04312791A (ja) | 1992-11-04 |
JP2901370B2 true JP2901370B2 (ja) | 1999-06-07 |
Family
ID=14364688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3103842A Expired - Fee Related JP2901370B2 (ja) | 1991-04-09 | 1991-04-09 | 高コントラスト薄膜el素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2901370B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7116045B2 (en) | 2002-10-03 | 2006-10-03 | Seiko Epson Corporation | Display panel, electronic apparatus with the same, and method of manufacturing the same |
US7355337B2 (en) | 2002-12-27 | 2008-04-08 | Seiko Epson Corporation | Display panel, electronic apparatus with the same, and method of manufacturing the same |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7164228B2 (en) | 2002-12-27 | 2007-01-16 | Seiko Epson Corporation | Display panel and electronic apparatus with the same |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57123687A (en) * | 1981-01-23 | 1982-08-02 | Sumitomo Electric Industries | Thin film light emitting element |
JPS59154795A (ja) * | 1983-02-22 | 1984-09-03 | 日本電気株式会社 | 薄膜el素子 |
JPS6074289A (ja) * | 1983-09-16 | 1985-04-26 | ホ−ヤ株式会社 | 薄膜el素子 |
JPS61165995A (ja) * | 1985-01-16 | 1986-07-26 | 松下電器産業株式会社 | Elパネル |
JPS62232894A (ja) * | 1986-04-01 | 1987-10-13 | 株式会社小松製作所 | 絶縁膜 |
JPS631440U (ja) * | 1986-06-19 | 1988-01-07 | ||
JPS63299093A (ja) * | 1987-05-29 | 1988-12-06 | Ricoh Co Ltd | エレクトロルミネッセンス素子 |
JPS6443998A (en) * | 1987-08-11 | 1989-02-16 | Alps Electric Co Ltd | Membranous el display element |
JPH0214711A (ja) * | 1988-06-30 | 1990-01-18 | Ibiden Co Ltd | 排ガス浄化装置 |
JP2614098B2 (ja) * | 1988-12-27 | 1997-05-28 | キヤノン株式会社 | 電界発光素子 |
-
1991
- 1991-04-09 JP JP3103842A patent/JP2901370B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7116045B2 (en) | 2002-10-03 | 2006-10-03 | Seiko Epson Corporation | Display panel, electronic apparatus with the same, and method of manufacturing the same |
US7355337B2 (en) | 2002-12-27 | 2008-04-08 | Seiko Epson Corporation | Display panel, electronic apparatus with the same, and method of manufacturing the same |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04312791A (ja) | 1992-11-04 |
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---|---|---|---|
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