JP2803803B2 - 薄膜el素子およびその製造方法 - Google Patents

薄膜el素子およびその製造方法

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慎一郎 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜EL素子およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜EL素子は自己発光素子であり、ま
た薄型の面状発光素子である等の優れた利点を有してお
り、近年の情報産業や映像産業の発展と共にディスプレ
イパネルの分野を中心に応用が進んでいる。
【0003】従来から用いられている薄膜EL素子の基
本的な構造を図5に示す。この構造は、透光絶縁性基板
1の表面に直流スパッタ装置を用いて製作した酸化イン
ジウム錫(Indium Tin Oxide:以下、ITOと記す。)
による透光性電極2と、高周波マグネトロンスパッタ装
置(以下、RFスパッタ装置と記す。)を用いて製作し
たSiO2およびSi34を順次積層してなる第1の誘
電体層3と、電子線蒸着装置(以下、EB蒸着装置と記
す。)を用いて製作したZnS:Mnによる発光層4
と、RFスパッタ装置を用いて製作したAl23による
第2の誘電体層5、および蒸着装置を用いて製作したア
ルミニウム(Al)による背面電極6が形成されたもの
である。このとき、透光性電極2と背面電極6とは互い
に交差するようにストライプ状にフォトリソグラフィー
を用いて形成される。
【0004】以上のように示された薄膜EL素子は、透
光性電極2と背面電極6との間に150V程度の交流電
圧を印加することにより、この2つの電極間に挟まれた
発光層4の領域(画素)が発光する構造のものである。
図6はその輝度−電圧特性を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の製造方法で製造された薄膜EL素子は、絶縁
耐圧を十分に有していなかった。すなわち、薄膜EL素
子の絶縁耐圧を主として担っている誘電体層3はRFス
パッタ装置で形成されるために、膜中にピンホールやク
ラスター等の欠陥を有しており、絶縁耐圧が低く、それ
を補うために、上記の従来例では誘電体層3を2層構造
としているが、それでも絶縁耐圧は十分ではなかった。
また、誘電体層の表面には突起等による凹凸が形成さ
れ、膜厚が不均一となり、絶縁耐圧をさらに低くしてい
た。その結果として、製造された薄膜EL素子は電圧を
十分に印加できないので、図6に示す輝度−電圧特性の
ように輝度が低いという欠点を有していた。
【0006】本発明は上記課題を解決するもので、誘電
体層の絶縁耐圧を向上させ、輝度の高い、信頼性の高い
薄膜EL素子とその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、誘電体層が酸化物と窒化物および酸化物が
順次積層された複合誘電体層であること、および同複合
誘電体層を構成する2つの酸化物層のうち、発光層と接
する側の酸化物層が化学的気相成長法で形成した堆積層
である構成による。
【0008】
【作用】この構成によって、3層構造による誘電体層の
絶縁耐圧の向上が実現されるとともに、誘電体層表面の
突起等による凹凸が除去されるので膜厚を均一にするこ
とができ、誘電体層に印加される電界強度が均一とな
り、絶縁耐圧がさらに向上される。そのため、絶縁耐圧
は従来の製造方法によるものと比べて飛躍的に向上し、
その結果、高輝度かつ信頼性の高い薄膜EL素子が実現
できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を用
いて説明する。図1は本発明中の第1の発明の一実施例
における薄膜EL素子を説明するための要部断面図、図
2は第2の発明の一実施例における薄膜EL素子を説明
するための要部断面図、図3は第3の発明の一実施例に
おける薄膜EL素子の製造方法を説明するための要部の
工程順断面図、図4は本発明の一実施例により得られた
薄膜EL素子の輝度−電圧特性を示す図である。
【0010】なお、これらの図1,図2,図3におい
て、従来例の図5に示された各部と同等の機能を有する
ものには、同一の符号を付して示している。
【0011】この実施例の説明では、概ね図3を用いて
第3の発明を説明するが、その中で要部において図1お
よび図2を参照して、第1の発明および第2の発明を説
明する。
【0012】まず、図3(a)に示すように、ガラス、
石英等からなる透光絶縁性基板1上に、直流スパッタ装
置により厚さ0.1μm程度のITO等の透明導電層を
形成した後、フォトレジストをマスクとしてエッチング
装置により、ストライプ状に透光性電極2を形成する。
【0013】次に、図3(b)に示すように、RFスパ
ッタ装置により厚さ0.2μm程度のTa25層3a、
厚さ0.1μm程度のSi34層3bおよび厚さ0.1
μm程度のSiO2層3cを順次積層して、図3(c)
に示す第1の誘電体層3を形成する。
【0014】この後、図3(d)に示すように、EB蒸
着装置により厚さ1.0μm程度のSrS:Ce,Sm
からなる発光層4を形成する。このときイオウ(S)の
再蒸発を補うためにイオウの蒸発を同時に別のるつぼ等
から行なったり、発光層4の結晶性を向上させるために
熱処理をするのが望ましい。
【0015】そして、図3(f),(g)に示すように
第2の誘電体層5および背面電極6を形成して、酸化物
と窒化物および酸化物が順次積層された複合誘電体層を
第1の誘電体層3とする第1の発明の薄膜EL素子が得
られる。その要部断面図を図1に示している。このよう
にして得られた第1の発明の薄膜EL素子は図4に一点
鎖線で示すような輝度−電圧特性を示した。参考のため
に従来の製造方法により製造された同様な薄膜EL素子
の特性を同図中に点線で示す。
【0016】ただ、第1の発明の薄膜EL素子は誘電体
層3が物理的気相成長法であるスパッタ法で形成された
堆積層であるので、急峻な段差上での被覆特性が劣って
おり、誘電体層の形状により膜厚分布が不均一になり特
性が変動することがあった。この点をさらに改善するの
が第2の発明である。
【0017】図3(a)〜(d)に示すように、透光絶
縁性基板1上に、透光性電極2、第1の誘電体層3、発
光層4を順次形成した後、図3(e)に示すように、減
圧CVD(Chemical Vapour Deposition)装置によりT
EOS(Tetraethyloxysilane)ガスを主原料とする化
学的気相成長法により厚さ0.1μm程度のSiO2
5a、RFスパッタ装置により厚さ0.2μm程度のS
34層5bおよび厚さ0.1μm程度のSiO2層5
cを順次積層して、図3(f)に示す第2の誘電体層5
を形成する。
【0018】最後に、図3(g)に示すように、直流ス
パッタ装置により厚さ0.1μm程度のAl−Si等か
らなる金属導電層を形成し、フォトリソグラフィーによ
り透光性電極2と互いに交差するようにエッチング装置
により、ストライプ状に背面電極6を形成する。
【0019】以上のようにして、誘電体層が酸化物層と
窒化物層および酸化物層が順次積層された複合誘電体層
からなるにあたり、誘電体層を構成する2つの酸化物層
のうち、発光層と接する側の酸化物層が化学的気相成長
法で形成した堆積層である方法を第2の誘電体層5に適
用して実施した第2の発明の薄膜EL素子が得られる。
その要部断面図を図2に示している。このようにして得
られた第2の発明の薄膜EL素子は図4に実線で示すよ
うな輝度−電圧特性を示した。
【0020】以上のようにこの実施例によれば、酸化物
と窒化物および酸化物が順次積層された複合誘電体層を
構成する2つの酸化物層のうち、発光層と接する側の酸
化物層が化学的気相成長法で形成した堆積層である構成
により、製造方法も簡単に誘電体層の絶縁耐圧を向上さ
せることができる。
【0021】なお、本発明中の第1,第2および第3の
発明の実施例では、発光層としてSrS:Ce,Smを
用いたが、発光層の発光母体がZnS、CaSおよびS
rSのうち少なくとも1種類を含むものであれば何でも
よい。また、付活材料にも限定されるものでもなく、C
aS:EuでもSrS:SmでもCaxSr1-xS:Pr
(0≦x≦1)でもよい。加えて、誘電体層を構成する
RFスパッタ装置により形成された酸化物層としてSi
2やTa25を用い、窒化物としてSi34を用いた
が、特別に限定されるものではなく、酸化物層としては
Al23、SrTiO3、BaTa26やPZT、窒化
物としてはAlN、SiONなどでもよいことは言うま
でもない。
【0022】また、第1の発明の実施例では、酸化物と
窒化物および酸化物が順次積層された複合誘電体層を第
1の誘電体層として実施したが、第2の誘電体層として
実施してもよい。加えて、第2の発明の実施例では、誘
電体層が酸化物層と窒化物層および酸化物層が順次積層
された複合誘電体層からなるにあたり、誘電体層を構成
する2つの酸化物層のうち、発光層と接する側の酸化物
層が化学的気相成長法で形成した堆積層である方法を第
2の誘電体層に適用して実施したが、これも限定された
ものではなく、第1の誘電体層として実施してもよいこ
とは言うまでもない。
【0023】さらに、第3の発明の実施例では、発光層
の下もしくは上に酸化物層と窒化物層および酸化物層が
順次積層された複合誘電体層を形成するにあたり、発光
層と接する側の酸化物層を化学的気相成長法で形成する
工程を第2の誘電体層に適用することにより実施した
が、第1の誘電体層に適用したり、第1および第2の誘
電体層の両方に適用してもよい。加えて、化学的気相成
長法として、減圧CVD装置によるTEOSガスを主原
料とするSiO2層を用いたが、装置としては常圧CV
D装置でもよいし、ガスとしてはモノシラン(Si
4)やジシラン(Si26)を用いたSiO2層、ある
いは数モル%のホスフィン(PH3)やジボラン(B2
6)をさらに添加したPSG(Phosphosilicate Glass)
層、BSG(Borosilicate Glass)層やBPSG(Boro
phosphosilicate Glass)層などでもよい。すなわち、
化学的気相成長法による堆積層であれば何でもよい。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明は、誘電体層が酸化
物と窒化物および酸化物が順次積層された複合誘電体層
であること、および複合誘電体層を構成する2つの酸化
物層のうち、発光層と接する側の酸化物層が化学的気相
成長法で形成した堆積層である構成により、3層構造に
よる誘電体層の絶縁耐圧の向上が実現されるとともに、
誘電体層表面の突起等による凹凸が除去されるので膜厚
を均一とすることができ、誘電体層に印加される電界強
度が均一となり、絶縁耐圧がさらに向上する。そのた
め、絶縁耐圧は従来の製造方法によるものと比べて飛躍
的に向上する。その結果、高輝度かつ信頼性の高い薄膜
EL素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における薄膜EL素子の要部
断面図
【図2】同薄膜EL素子の他の例の要部断面図
【図3】同薄膜EL素子の製造方法を説明するための要
部の工程順断面図
【図4】同薄膜EL素子の輝度−電圧特性を示す図
【図5】従来の薄膜EL素子の一部断面図
【図6】同薄膜EL素子の輝度−電圧特性を示す図
【符号の説明】
1 透光絶縁性基板 2 透光性電極(第1の電極) 3 第1の誘電体層 4 発光層 5 第2の誘電体層 6 背面電極(第2の電極)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光絶縁性基板上に少なくとも一方が透光
    性電極である二つの電極が配置され、その二つの電極間
    に第1の誘電体層、発光層および第2の誘電体層を順次
    積層してなる薄膜EL素子において、前記第1および第
    2の誘電体層のうち少なくとも一つが酸化物層、窒化物
    層および酸化物層が順次積層された複合誘電体層であ
    て、前記酸化物層のどちらかが前記発光層に接してい
    ことを特徴とする薄膜EL素子。
  2. 【請求項2】複合誘電体層を構成する二つの酸化物層の
    うち発光層と接する側の酸化物層が化学的気相成長法で
    形成した堆積層であることを特徴とする請求項1記載の
    薄膜EL素子。
  3. 【請求項3】透光絶縁性基板上に透光性または不透光性
    の第1の電極を形成する工程と、その第1の電極上に第
    1の誘電体層を形成する工程と、その第1の誘電体層上
    に発光層を形成する工程と、その発光層上に第2の誘電
    体層を形成する工程と、その第2の誘電体層上に背面電
    極となる透光性または不透光性の第2の電極を形成する
    薄膜EL素子の製造方法において、前記第1および第2
    の誘電体層を形成する工程のうち少なくとも一つが、酸
    化物層、窒化物層および酸化物層を順次積層し、前記二
    つの酸化物層のうち前記発光層に接する側の酸化物層を
    化学的気相成長法で形成する工程であることを特徴とす
    る薄膜EL素子の製造方法。
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