JP2900482B2 - オキシメチレン結合を有する化合物 - Google Patents

オキシメチレン結合を有する化合物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気光学的表示材料として有用な新規な光
学活性化合物、及び、該化合物を含有する液晶組成物に
関し、更に詳しくは、強誘電性を有する液晶表示用材料
に関するものであり、従来の液晶材料と比較して、特に
応答性、メモリー性に優れた液晶デバイスへの利用可能
性を有する液晶材料に関するものである。
〔従来技術〕
現在、広く用いられている液晶表示素子は、主にネマ
チック液晶を利用したTN型と呼ばれるものであって、多
くの長所、利点を有しているものの、その応答性に於い
ては、CRTなどの発光型表示方式と比較すると格段に遅
いという大きな欠点があった。TN型以外の液晶表示方式
も多く検討されているが、その応答性における改善はな
かなかなされていないのが現状である。
ところが、強誘電性スメクチック液晶を利用した液晶
デバイスでは、従来の液晶表示素子の100〜1000倍とい
う高速応答が可能で、かつ、双安定性を有するため、印
加電場を切った場合でも、表示の記憶(メモリー効果)
が得られることが、最近明らかになった。このため、光
シャター、プリンターヘッド、薄型大画面のテレビ、コ
ンピュータ用ディスプレイへの利用可能性がきわめて大
きく、現在各方面で実用化に向けて開発研究がなされて
いる。
強誘電性液晶の液晶相は、チルト系のキラルスメクチ
ック相に属するものであるが、実用的には、その中で最
も低粘性であるキラルスメクチックC(以下、Sc*と省
略する。)相が最も望ましい。
Sc*相を示す液晶化合物(以下、Sc*化合物と省略す
る。)は、これまでにも検討されてきており、既に数多
くの化合物が合成されている。しかしながら、強誘電性
表示素子として用いるための以下の条件、即ち、 (イ)室温を含む広い温度範囲でSc*相を示すこと (ロ)Sc*相の高温側に適当な相系列を有し、かつ、そ
の螺旋ピッチが大きいこと (ハ)適当なチルト角を有すること (ニ)粘性が小さいこと (ホ)自発分極がある程度大きいこと (ヘ)(ロ)の結果として、良好な配向を示すこと (ト)(ニ)及び(ホ)の結果として、高速の応答性を
示すこと を単独で満足するような化合物は知られていなかった。
このため、現在ではSc*相を示す液晶組成物(以下、S
c*液晶組成物という。)が検討されている。
Sc*液晶組成物の調製方法としては、スメクチックC
(以下、Scと省略する。)相を示す液晶化合物又は組成
物(以下、Sc母体液晶という。)に、キラルな化合物
(以下、キラルドーパントという。)を添加する方法が
一般的である。しかしながら、この方法では、キラルド
ーパントとして、よほど大きな自発分極を誘起するもの
でないと、Sc*液晶組成物の自発分極が小さくなりすぎ
て、高速応答性を示さなくなる。キラルドーパントとし
ては、必ずしも液晶相を示す必要がないが、母体液晶に
加えた場合に、その温度範囲を余り狭くしないことが望
ましい。
さらに、螺旋の出現するSc*相、N*相において、その
螺旋ピッチが短くなると、その配向性に悪影響を与え
る。そのため、強い自発分極を示しうるような液晶性化
合物をキラルドーパントとして用いるためには、捩れの
方向の逆のキラル化合物を加えてSc*液晶組成物の螺旋
ピッチを調整する必要があった。この場合、捩れ方向の
逆のキラル化合物の自発分極の方向も逆向きであるなら
ば、組成物の自発分極は相殺されて小さくなってしまう
など、その螺旋ピッチの調整には面倒な問題が多かっ
た。そのため、キラルドーパントの主成分として用いる
化合物では、強い自発分極に加えて、その螺旋ピッチが
充分長い化合物が望まれていた。
一方、逆に螺旋ピッチ調整の目的には、螺旋ピッチが
非常に短い化合物を用いるとその使用量が少量ですむた
め有利である。また、強誘電性液晶を用いるDHF方式と
呼ばれる表示方式に於いても、この様に螺旋ピッチが短
い化合物が好都合である。また、この様な化合物は、ネ
マチック液晶に対する添加剤として、STN液晶等に好適
に用いることもできる。
これまでキラルドーパントとして用いられてきた化合
物における代表的な光学活性な基の一つとして、一般式 (式中、Rは炭素原子数2〜10のアルキル基を表わ
す。)で表わされる光学活性基を挙げることができる。
この光学活性基を有する化合物は、Sc*液晶化合物とし
ても多数知られている。この様な化合物では、自発分極
が比較的大きく、例えば、R=C6H13−のものでは、100
nC/cm2に近い値を示すものも知られている。(第11回液
晶検討会予稿集第172頁参照。) しかしながら、この程度の値の自発分極を有するキラ
ルドーパントでは、組成物中に用いる割合が多くなり、
応答性の面からみると充分とはいえなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が解決しようとする課題は、キラルドーパント
の全部またはキラルドーパントの構成成分として、母体
液晶に混合することにより、極めて大きな自発分極を誘
起し、室温を含む広い温度範囲でSc*相を示し、良好な
配向性を有し、低粘性でかつ高速応答性を示す液晶組成
物を提供できる化合物を提供し、また、そのような組成
物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決するために、一般式 で表わされる化合物を提供する。
上記式中、R4は炭素原子数2〜6のアルキル基を表わ
すが、特に直鎖状のアルキル基が好ましい。
kは1〜4の整数を表わす。R2は炭素原子数2〜10の
アルキル基を表わす。A環は1,4−フェニレン基又は2
−フルオロ−1,4−フェニレン基を表わす。m及びnは
各々独立的に0又は1を表わすが、m+n=0の場合
は、化合物の液晶性が悪くなる傾向にあり、また、m+
n=2の場合は、化合物の粘性が高くなる傾向にあるの
で、m+n=1の場合が好ましい。Yは−CH2O−又は−
OCH2−を表わす。
本発明に係わる一般式(I)で表わされる化合物は、
例えば、以下のようにして製造することができる。
(上記反応中、R4、R2、A環、m及びnは、一般式
(I)における場合と同様の意味を有する。) 即ち、対応する一般式(II)又は(III)で表わされ
る臭化物と一般式(IV)又は(V)で表わされるフェノ
ール誘導体とを塩基存在下に各々反応させればよい。一
般式(II)、(III)、(IV)又は(V)で表わされる
各化合物は既知であるか、あるいは通常の合成化学的手
法により容易に得ることができる。
上記のようにして本発明の一般式(I)で表わされる
化合物が得られるが、これらに属する個々の具体的な化
合物は、融点、相転移温度、赤外線吸収スペクトル(I
R)、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量分析(MS)等
の手段により確認することができる。
斯くして製造された一般式(I)で表わされる化合物
の代表的なものの相転移温度を第1表No.4に掲げる。
なお、液晶相及び相転移温度の測定は、温度調節ステ
ージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を
併用して行ったが、転移温度はその試料の純度あるいは
測定条件によって若干変動するものである。
なお、生成物の純度は薄層クロマトグラフィー、ガス
クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーによ
り確認した。
また、本発明は、液晶組成物を提供する。本発明の液
晶組成物は、一般式(I)で表わされる化合物を含有す
る液晶組成物であり、一般式(I)で表わされる化合物
は、母体液晶にキラルドーパントとして添加する光学活
性化合物の一部あるいは全部をなしているものである。
特に好ましくは、スメクチックC(以下、Scと省略す
る。)相を示す母体液晶中に、一般式(I)で表わされ
る化合物を含有するキラルドーパントと添加してなる強
誘電性キラルスメクチック液晶組成物であり、あるいは
ネマチック(以下、Nと省略する。)相を示す母体液晶
中に、一般式(I)で表わされる化合物を添加してなる
キラルネマチック(以下、N*と省略する。)液晶組成物
(以下、N*液晶組成という。)である。N*液晶組成物
は、TN型、あるいはSTN型等の液晶表示素子に用いられ
る組成物である。
本発明は、また、上記組成物を用いた液晶表示素子を
提供する。特に、強誘電性キラルスメクチック液晶表示
素子として用いた場合には、後述する実施例にも示すご
とく、僅かに5重量%の添加により約100μ秒の高速応
答が可能である 一般式(I)で表わされる化合物の優れた特徴の1つ
としては、自発分極(Ps)が十分に大きいことを挙げる
ことができる。
これは、液晶における不斉源としても最も普通に用い
られる(S)−2−メチルブタノール由来のSc*化合
物、例えば(S)−2−メチルブチルp−デシルオキシ
ベンジリデンアミノベンゾエート(DOBAMBC)などが単
独でも4nC/cm2程度であるのと比較すると、非常に大き
い値であることがわかる。これは、一般式(I)で表わ
される化合物における2個の光学活性基が、相加的、相
乗的に作用していることによると考えられ、このため非
キラルの化合物または組成物に1〜2重量%程度以上添
加すれば、高速応答に十分な程度の自発分極を誘起する
ことが可能となる。
また、一般式(I)で表わされる化合物の優れた特徴
の1つとして、比較的低粘性であることも挙げることが
できる。これは、中間連結基が低粘性のオキシメチレン
結合であることによる。
前述のように、本発明の一般式(I)で表わされる化
合物は、単独で用いるよりも、液晶組成物に添加するこ
とにより好適に用いられる。特に、キラルドーパントと
して、さらに粘性の小さいSc母体液晶と混合して、Sc*
液晶組成物として用いるのが効果的である。一般式
(I)で表わされる化合物は、液晶組成物に充分大きな
自発分極を誘起し得るものであるので、Sc母体液晶中に
約1重量%以上添加すれば、高速応答が可能となる。し
かも、この程度の少量の添加では、Sc*相の温度範囲を
ほとんど狭くすることがない。従って、単独では、Sc*
相が示さないけれども、充分用いることができる。
本発明の一般式(I)で表わされる光学活性基を有す
る化合物をドーピングするSc母体液晶として用いるべき
Sc化合物としては、例えば、下記一般式(A)で表わさ
れるようなフェニルベンゾエート系化合物や一般式
(B)で表わされるピリミジン系化合物を掲げることが
できる。
(式中、Ra及びRbは各々独立的に直鎖状又は分岐状の
アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル
基、アルカノイルオキシ基又はアルコキシカルボニルオ
キシ基を表わす。) (式中、Ra及びRbは、各々前記一般式(A)における
場合と同様の意味を有する。) また、一般式(A)及び(B)で表わされる化合物を
含め、一般式(C)で表わされる化合物も同様の目的に
使用することができる。
(式中、Ra及びRbは、各々前記一般式(A)における
場合と同様の意味を有し、L環及びM環は、各々独立的
に、1,4−フェニレン基、1、4−シクロヘキシレン
基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイ
ル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジ
イル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基あるいはこれ
らのハロゲン置換体を表わし、同一であっても異なって
いてもよい。Zaは−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2
−、−CH2CH2−、−C≡C−又は単結合を表わす。) また、Sc相の温度範囲を高温域に拡大する目的には、
一般式(D)で表わされる3環型化合物を用いることが
できる。
(式中、Ra及びRbは各々前記一般式(A)における場
合と同様の意味を有し、L環,M環及びN環は、各々独立
的に、前記一般式(C)のL環及びM環と同様の意味を
有し、Za及びZbは各々独立的に前記一般式(C)のZa
同様の意味を有する。) これらの化合物は、混合してSc母体液晶として用いる
のが効果的であるが、液晶組成物としてSc相を示せばよ
いのであって、個々の化合物については、必ずしもSc相
を示す必要はない。
こうして得られたSc母体液晶に、本発明の一般式
(I)で表わされる化合物、及び、必要とあれば、他の
光学活性化合物をキラルドーパントとして加えることに
より、容易に室温を含む広い温度範囲でSc*相を示すよ
うな液晶組成物を得ることができる。
本発明の一般式(I)で表わされるの化合物を、他の
上記Sc化合物あるいはSc液晶組成物にドーピングして得
られた液晶組成物は、2枚の透明ガラス電極間に1〜20
μm程度の薄膜として封入することにより、表示用セル
として使用できる。
良好なコントラストを得るためには、均一に配向した
モノドメインとする必要がある。このために多くの方法
が試みられているが、液晶材料として、等方性液体相
(以下、I相と省略する。)→キラルネマチック相(以
下、N*相と省略する。)→スメクチックA相(以下、SA
相と省略する。)→キラルスメクチックC相(以下、Sc
*相と省略する。)という相系列を示し、かつ、N*相及
びSc*相、特にN*相における螺旋ピッチが大きなもの
が、良好な配向性を示すことが知られている。
螺旋ピッチを大きくするには、互いにねじれの向きが
逆のキラル化合物を適量混合すればよいわけであるが、
本発明によれば、螺旋ピッチの長い化合物と、逆にピッ
チ調整用として螺旋ピッチの短い化合物の両方が得られ
るので、極めて好都合である。即ち、一般式 で表わされる光学活性基が誘起する螺旋ピッチは比較的
小さいけれども、他方の光学活性基 が誘起する螺旋ピッチの向きを逆にすることによって化
合物が誘起する螺旋ピッチを大きくすることができ、向
きを同一にすることによって化合物が誘起する螺旋ピッ
チを非常に小さくすることもできる。これらの光学活性
基の各々がN*相に誘起する螺旋ピッチの向きは既によく
知られており、不斉炭素の絶対配置と、液晶分子の中心
骨格(コア)と不斉炭素の間の原子数によって決定され
る。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する
が、勿論、本発明の主旨、及び適用範囲はこれらの実施
例により制限される物ではない。
なお、化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NM
R)、赤外吸収スペクトル(IR)及び質量スペクトル(M
S)により確認した。相転移温度の測定は、温度調節ス
テージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)
を併用して行った。IRにおける(Nujol)は、流動パラ
フィン中の懸濁状態での測定を表わす。NMRにおける(C
DCl3)は溶媒を、Sは1重線を、dは2重線を、mは多
重線を各々表わす。また、温度は、℃を表わす。組成物
中における「%」は、すべて「重量%」を表わす。
参考例1 {4−[4−[4−((R)−1−メチルヘ
プチルオキシ)ベンジルオキシ]フェニル]安息香酸
(S)−1−メチルヘプチル(第1表のNo.1の化合物)
の合成} (1−a.)4−((R)−1−メチルヘプチルオキシ)
ベンジルアルコールの合成 水素化アルミニウムリチウム3.06gをテトラヒドロフ
ラン(以下、THFと省略する。)60mlに懸濁させた。
この懸濁液に、水冷下、4−((R)−1−メチルヘ
プチルオキシ)安息香酸エチル10.71gの80mlTHF溶液を
1.5時間かけて滴下した。4時間攪拌した後、水、次い
で塩酸を加えて過剰の水素化物を分解した。沈澱を傾瀉
で除き、酢酸エチルで洗滌してから有機層を合わせ、無
水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を溜去して得られた
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い
て精製して、4−((R)−2−メチルヘプチルオキ
シ)ベンジルアルコールの油状物4.99gを得た。
(1−b.) 臭化4−((R)−1−メチルヘプチルオ
キシ)ベンジルの合成 (1−a.)で得た4−((R)−1−メチルヘプチル
オキシ)ベンジルアルコール3.59gをジクロロメタン50m
lに溶解した。この溶液に水冷下、三臭化リン2.00gを0.
5時間かけて滴下した。さらに4時間25℃で攪拌した
後、無水炭酸カリウムをゆっくり加えた。不溶物を濾別
し、溶媒を溜去して得られた粗生成物をシカゲルカラム
クロマトグラフィーを用いて精製して、臭化4−
((R)−1−メチルヘプチルオキシ)ベンジルの油状
物4.06gを得た。
(1−c.) 表記化合物の合成 4−(4−ヒドロキシフェニル)安息香酸(S)−1
−メチルヘプチル339mgをジメチルホルムアミド(DMF)
10mlに溶解した。この溶液にt−ブトキシカリウム130m
gを加えて攪拌した。この混合溶液に、(1−b.)で得
た臭化4−((R)−1−メチルヘプチルオキシ)ベン
ジル344mgをDMF3mlに溶解した溶液を、室温で、2分間
かけて滴下した。室温で4時間攪拌した後、反応混合物
に稀塩酸及び酢酸エチルを加え、有機層を水で洗滌した
後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を溜去して得
られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を用いて精製して、表記化合物の白色結晶493mgを得
た。物性値を以下に示す。
(NMR)(CDCl3) 0.61〜1.99(m,32H),4.13〜4.48(m,1H),4.99(s,2
H),5.02〜5.30(m,1H),6.87(d,J=8.5Hz,2H),7.22
(d,J=8.5Hz,2H),7.52(d,J=8.5Hz,2H),7.58(d,J
=8.5Hz,2H),8.06(d,J=8.5Hz,2H) (IR)(Nujol) 2930,2860,1710,1605,1510,1290,1115,995,830(cm-1) 融点 56.5℃ 参考例2、3、実施例1 参考例1と同様にして、第1表に掲げたNo.2〜4の各
化合物を得た。
参考例4 {Sc*液晶組成物の調製} 次の組成から成るSc母体液晶を調製した。
このSc母体液晶の相転移温度(℃)は以下の通りであ
る。
(Nはネマチック相、Iは等方性液体相を各々表す。) このSc母体液晶95%及び参考例1で得たNo.1の化合物
5%から成るSc*液晶組成物を調製した。このSc*液晶組
成物は、68℃以下でSc*相を、72.5℃以下でSA相を、79
℃以下でN*相を各々示した。また、その融点は不明確で
あった。
参考例5 {表示素子の作成} 参考例4で得たSc*液晶組成物を加熱して等方性液体
とし、これを厚さ約2μmのポリイミド−ラビング配向
処理を施したセルに充填した。次いで室温まで徐冷する
ことにより、Sc*相を配向させた。このセルに電界強度1
0VP-P/μmの矩形波を印加して、その電気光学的応答
速度を測定したところ、25℃で110μ秒という高速応答
性が確認された。このときの自発分極は、3.8nC/cm2
大きく、また、チルト角は25°であった。
〔発明の効果〕
本発明の一般式(I)で表わされる化合物は、キラル
ドーパントとして、母体となるSc相を示す液晶組成物に
混合してSc*液晶組成物を調製した場合に於て、少量の
添加で大きい自発分極を誘起することができ、高速応答
を可能にすることができる。
また、N*相の螺旋ピッチの調整が容易となるような螺
旋ピッチの比較的大きい化合物、あるいは螺旋ピッチ調
整等に用いる螺旋ピッチの小さい化合物の両方を得るこ
とができる。
また、本発明の一般式(I)で表わされる光学活性化
合物は、工業的にも容易に製造でき、無色で水、光、熱
等に対する化学的安定性に優れており実用的である。
さらに、本発明における強誘電性液晶組成物からなる
液晶材料では、約100μ秒という高速応答を実現するこ
とも可能であり、表示用光スイッチング素子として極め
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−250348(JP,A) 特開 昭63−301839(JP,A) 特開 平2−258736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/92,69/94 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R4は炭素原子数2〜6のアルキル基を表わし、
    kは1〜4の整数を表わす。R2は炭素原子数2〜10のア
    ルキル基を表わし、A環は1,4−フェニレン基又は2−
    フルオロ−1,4−フェニレン基を表わし、m及びnは各
    々独立的に0又は1を表わし、Yは−CH2O−又は−OCH2
    −を表わし、 で表わされる基は(S)配置又は(R)配置の光学活性
    基を表わす。) で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】A環が、1,4−フェニレン基であり、Y
    が、−CH2O−である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の化合物を含有する液
    晶組成物。
  4. 【請求項4】強誘電性キラルスメクチック相を示す請求
    項3記載の液晶組成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載の液晶組成物を用いた液晶表
    示素子。
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