JP2732410B2 - 光学活性乳酸誘導体 - Google Patents

光学活性乳酸誘導体

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JP2732410B2 JP8490989A JP8490989A JP2732410B2 JP 2732410 B2 JP2732410 B2 JP 2732410B2 JP 8490989 A JP8490989 A JP 8490989A JP 8490989 A JP8490989 A JP 8490989A JP 2732410 B2 JP2732410 B2 JP 2732410B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気光学的表示材料として有用な新規光学活
性化合物及びそれを含有する液晶組成物に関するもの
で、特に強誘電性を有する液晶材料を提供するものであ
り、従来の液晶材料と比較して、特に応答性、メモリー
性にすぐれた液晶デバイスへの利用可能性を有する液晶
材料を提供するものである。
〔従来の技術〕
現在、広く用いられている液晶表示素子は主にネマチ
ック液晶を利用したTN型と呼ばれるものであって、多く
の長所・利点を有しているもののその応答性において
は、CRTなどの発光型の表示方式と比較すると、格段に
遅いという大きな欠点があった。TN型以外の液晶表示方
式も多く検討されているが、その応答性における改善は
なかなかなされていない。
ところが、強誘電性スメクチック液晶を利用した液晶
デバイスでは、従来の100〜1000倍の高速応答が可能
で、かつ多安定性を有するため、電源を切っても表示の
記憶が得られる。(メモリー効果)ことが、最近明らか
になった。このため、光シャッターやプリンターヘッ
ド、薄型テレビ等への利用可能性が極めて大きく、現
在、各方面で実用化に向けて開発研究がなされている。
強誘電性液晶は、液晶相としてはチルト系のキラルス
メクチック相に属するものであるが、その中でも、実用
的に望ましいものとは、最も粘度の低いキラルスメクチ
ックC(以下SC*と省略する)相と呼ばれるものであ
る。
SC*相を示す液晶化合物(以下SC*化合物という。)は
これまでにも検討されてきており、既に数多くの化合物
が合成されている。しかしながら、これらのSC*化合物
には単独では強誘電性液晶表示用光スイッチング素子と
して用いるための以下の条件、即ち、 (イ)室温を含む広い温度範囲で強誘電性を示すこと (ロ)高温域において適当な相系列を有すること (ハ)特にキラルネマチック(以下、N*と省略する。)
相において長いら旋ピッチを示すこと (ニ)適当なチルト角を持つこと (ホ)粘性が小さいこと (ヘ)自発分極がある程度以上大きな値であること さらに (ト)(ロ)及び(ハ)の結果として良好な配向を示す
こと (チ)(ホ)及び(ヘ)の結果として、高速の応答性を
示すこと をすべて満足するようなものは知られていなかった。
そのため、現在では、SC*相を示す液晶組成物(以下S
C*液晶組成物という。)が検討用等に用いられているの
が、実情である。
SC*液晶組成物の調製方法としては、強誘電性を示さ
ず、キラルでないスメクチックC(以下、SCと省略す
る。)相を示す液晶化合物又は組成物(以下、母体液晶
という。)に、キラルな化合物(以下、キラルドーパン
トという。)を添加するのが一般的である。しかし、こ
の方法では、キラルドーパントとしてよほど大きな自発
分極を示すものでないと、SC*組成物の自発分極が小さ
くなりすぎて、高速応答を示さなくなる。キラルドーパ
ントとしては、液晶相を示すことは必ずしも必要ではな
いが、母体液晶に加えた場合にその温度域(特にSC
*相)をあまり低くしないことが望ましい。さらに、強
い自発分極を示しうるような液晶性化合物では、その液
晶相に対する捩り力が強いものが多く、ら旋の出現する
SC*相、N*相において、そのら旋ピッチが短くなるた
め、その配向性に悪影響を与える。そのため、強い自発
分極を示しうるような液晶性化合物をキラルドーパント
として用いるためには、その添加量を制限するか、ある
いは捩れの方向の逆のキラル化合物を加えてSC*液晶組
成物のら旋ピッチを調整する必要があった。この場合、
捩れ方向の逆のキラル化合物の自発分極の方向も逆向き
であるならば組成物の自発分極が相殺されて小さくなる
など、そのら旋ピッチ調整には面倒な問題が多かった。
そのためキラルドーパントの主成分として用いる化合物
では、強い自発分極に加えてそのら旋ピッチが充分長い
化合物が望まれていた。
また、ら旋ピッチ調整の目的は、ら旋ピッチが非常に
短い化合物を用いると、その使用量は少量ですむため有
利である。このような化合物は、ネマチック液晶に対す
る添加剤として、STN液晶等に好適に用いることができ
る。
キラルドーパントとして用いられてきた化合物におけ
る代表的な光学活性な基の1つとして、 (R3は炭素原子数2〜10のアルキル基を表わす。)をあ
げることができる。この基を有する化合物はSC*液晶組
成物としても多数知られている。このような化合物では
自発分極が大きく、例えば、エステル結合と不斉炭素の
間に−CH2−の挿入された型である を有するSC*液晶化合物と比較すると1桁大きいことが
報告されており、R3=n-C6H13のものでは100nC/cm2に近
い値も知られている(第11回液晶討論会予稿集P172)。
また、本発明者らは、 (R4は炭素原子数1〜10のアルキル基を表わす。)であ
らわされる乳酸より導かれた光学活性な2−アルコキシ
−プロパノイルオキシ基を有する化合物においては、本
発明者らによる測定によると100nC/cm2以上の大きな自
発分極を示すことを確認している。(例えば、 は、以下に示すような相転移温度(℃)を示し、N*−SC
*転移点の10°低温部(121.8℃)における自発分極は、
78nC/cm2、49°低温部(82.8℃)において144nC/cm2
ある。
(Crは結晶相、N*はキラルネマチック相を各々表わ
す。) また、部分構造式 を有する化合物においても100nC/cm2を越える大きな自
発分極が得られている。しかしながら、この程度の値の
自発分極を有する液晶化合物は、組成物中に用いる割合
も多くなり、応答性の面からみると充分とは言えなかっ
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が解決しようとする課題は、キラルドーパント
の全部又はキラルドーパントの構成成分として母体液晶
に混合することにより、極めて大きな自発分極を誘起し
室温を含む広い温度範囲でSC*相を示し、良好な配向性
を有し、かつ高速応答を示す液晶組成物が得られるよう
な化合物を提供し、またそのような組成物を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記課題を解決するために、一般式(I) で表わされる化合物を提供する。
上式においてR1は炭素原子数2〜10のアルキル基を表
わし、 R2は炭素原子数1〜10のアルキル基を表わすが、好まし
くはR1及びR2各々独立的に炭素原子数3〜8の直鎖状ア
ルキル基を表わす。
m及びnは各々独立的に0又は1を表わすが、m=n
=0である場合には、母体液晶に添加した場合にSC*
の上限温度が低下する傾向にあり、m=n=1の場合に
は上式の化合物の粘度が高くなる傾向にあるので、m+
n=1の場合が好ましい。
Vは−COO−又は−OCO−を表わす。
C*及びC**は各々独立的に(R)又は(S)配置の不
斉炭素原子を表わすが、各々の絶対配置が同一の場合に
は、両側のキラル基 に由来する自発分極の向きが相反し、打ち消し合って小
さくなるの傾向にあるので、各々の絶対配置が(R)と
(S)又は(S)と(R)のように相異なることが好ま
しい。
本発明に係わる一般式(I)の化合物は、例えば以下
のようにして製造することができる。
(i)Vが−COO−の場合 (ii)Vが−OCO−の場合 (上記式中、m,n,R1,R2,C*及びC**は一般式(I)に
おけるものと各々同様の意味を有する。また、Xは塩
素、臭素、ヨウ素又はp−トルエンスルホニルオキシ基
等の脱離基を表わす。) 即ち、一般式(I)においてVが−COO−を表わす化
合物の場合には、一般式(II)で表わされる3−フルオ
ロ−4−ヒドロキシ安息香酸(m=0の場合)、又は
3′−フルオロ−4′−ヒドロキシ−4−ビフェニルカ
ルボン酸(m=1の場合、この化合物は本発明者らが、
特開昭62−178544号公報において示した合成法に基づい
て製造した。)を塩基存在下、一般式(III)の化合物
と反応させて一般式(IV)で表わされる光学活性カルボ
ン酸とし、さらに塩化チオニル等で処理することによ
り、一般式(V)で表わされる光学活性の酸塩化物が得
られる。
一方、一般式(VI)で表わされるヒドロキノン(n=
0の場合)又はビフェノール(n=1の場合)と一般式
(VII)で表わされる乳酸から導かれた光学活性の酸塩
化物とから本発明者らが、特開昭63−115848号公報にお
いて示した方法により、一般式(VIII)で表わされる光
学活性のフェノール誘導体が得られる。式(V)の化合
物と式(VIII)の化合物とをピリジン等の存在下、反応
させて、Vが−COO−の場合の一般式(I−a)の化合
物を得ることができる。あるいは式(IV)の化合物と式
(VIII)の化合物とを脱水縮合剤直接反応させても得る
ことができる。
Vが−OCO−を表わす場合には、一般式(V)′で表
わされる乳酸から導かれた光学活性な酸塩化物と、一般
式(VIII)′で表わされるフッ素置換の光学活性なフェ
ノール誘導体とから、(i)の場合と同様にして製造す
ることができる。
式(VIII)′の化合物は、例えば一般式(VI)′で表
わされる2−フルオロフェノール(m=0の場合)、又
は2−フルオロ−4−フェニルフェノール(m=1の場
合)をアセチル化して一般式(IX)で表わされる化合物
とし、さらに式(III)の化合物と反応させて、一般式
(X)で表わされる光学活性なフッ素置換アセトフェノ
ン誘導体とし、次に、ギ酸中、過酸化水素で酸化し、次
いでアルカリ加水分解することにより得ることができ
る。
式(V)′の化合物は、一般式(II)′で表わされる
4−ヒドロキシ安息香酸(n=0の場合)、又は4′−
ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸(n=1の場
合)と、式(VII)の化合物から本発明者らが特開昭63
−230656号公報において示した方法により得ることがで
きる。
斯くして製造された一般式(I)の化合物の代表的な
ものの転移温度を第1表に掲げる。
尚、液晶相及び相転移温度の測定は、温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を併
用して行ったが、転移温度は、その試料の純度あるいは
測定条件によって若干変動するものである。
第1表においてCrは結晶相、SC*はキラルスメクチッ
クC相、SAはスメクチックA相、Iは等方性液体相を各
々表わす。
なお、生成物の純度は薄相クロマトグラフィー、ガス
クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーによ
り確認した。構造の確認は核磁気共鳴スペクトル(NM
R)、赤外吸収スペクトル(IR)により行なった。
本発明は、また、液晶組成物を提供する。
本発明の液晶組成物は、一般式(I)の化合物を含有
する液晶組成物であり、一般式(I)の化合物は、キラ
ルでない母体液晶に、キラルドーパントとして添加する
光学活性化合物の一部又は全部をなしているものであ
る。特に好ましいのは、スメクチックC相を示す母体液
晶中に一般式(I)の化合物を含むキラルドーパントを
添加してなる、強誘電性キラルスメクチック液晶組成物
であり、あるいはネマチック相を示す母体液晶中に一般
式(I)の化合物を添加してなるキラルネマチック液晶
組成物であ。キラルネマチック液晶組成物は、TN型ある
いはSBE型、STN型の液晶表示に用いられる組成物であ
る。
本発明は、また上記組成物を用いた液晶表示素子を提
供する。特に強誘電性キラルスメクチック液晶表示素子
として用いた場合には、後述する実施例にも示すごとく
わずか5%の添加により135μ秒の高速応答が可能であ
る。
一般式(I)の化合物の構造的に大きな特徴は、分子
の両側鎖として互いに異なったキラル基を含有してお
り、これらのキラル基がともに大きな自発分極を誘起し
うるものであることにある。
一方のキラル基である式 で表わされる光学活性基に由来する自発分極は前述のよ
うに大きな自発分極を誘起するが、その方向は、よく知
られた強誘電性液晶であるp−デシルオキシベンジリデ
ンアミノケイ皮酸(S)−2−メチルブチル(DOBAMB
C)のそれをと定義するとき、C**の絶対配置が(S)
の場合であり、(R)の場合であることも本発明者
らの検討によりわかっている。一方、こうした光学活性
基を含有する化合物は、液晶に対し、螺旋を生じさせる
力を有しているが、 が誘起する螺旋の向きは、液晶の配向上最も重要である
N*相においてC**の絶対配置が(S)の場合右向きであ
ることが既にわかっている。
他方のキラル基である式 で表わされる光学活性基が誘起する自発分極の方向は、
C*の絶対配置が(S)の場合、(R)の場合であ
り、その螺旋の向きは、(S)の場合右、(R)の場合
左である。
分子の両端に互いに異なる光学活性基を有する化合物
において、各光学活性基がそれぞれ大きい自発分極を誘
起しうる場合には、その方向を同一とすることにより、
化合物として誘起しうる自発分極を非常に大きくするこ
とが可能であることは、本発明者らが、既に、特開昭63
−230656号公報等により、報告している事実であるが、
片側にだけ本化合物(I)と同様のキラル基を有する化
合物においてはC*,C**の絶対配置とその自発分極及びN
*相における螺旋ピッチの関係は下記第2表の通りであ
るので本化合物ではC*,C**の絶対配置が異なる場合
に、その方向を同一とすることが可能である。
C*とC**の絶対配置が異なる場合には、その誘起する
螺旋ピッチの向きも相異なる。このため、螺旋ピッチを
長くするため、螺旋ピッチが逆向きの化合物を添加する
のと同じ効果を示し、本発明の式(I)の化合物が誘起
する螺旋ピッチをN*相において充分長くすることが可能
である。これは配向上、極めて好都合なことである。
さて、前述のように本発明の式(I)の化合物は非常
に大きい自発分極を誘起することが可能である。例え
ば、第1表に掲げたNo.1の化合物は単独でもSC*相を示
すが、これをSC相に示す2環ピリジンからなる組成物
(組成を以下に示す。以下、母体液晶(A)を略す
る。)に5重量%添加して得られるSC*液晶組成物の25
℃における自発分極は4.05nC/cm2である。これは前述の
DOBAMBCが単独でもその程度の値しか示さない事を考え
ると非常に大きい値であることがわかる。
本発明の一般式(I)の化合物はキラルドーパントと
して、あるいはキラルドーパントの成分として1重量%
以上添加して、母体液晶と混合してSC*液晶組成物とし
て用いるが、高速応答性を得るにはSC*液晶組成物中に
5〜40重量%用いるのが望ましい。第1表に示したよう
に、一般式(I)の化合物は、単独でもSC*相を示すも
のが多く、液晶組成物に用いた場合、あまり転移点を低
くしないものが多いので好都合である。
本発明の一般式(I)で示される化合物をドーピング
するSC液晶組成物として用いるべきSC化合物としては、
例えば、下記一般式(A)で表わされるようなフェニル
ベンゾエート系化合物や一般式(B)で表わされるピリ
ジン系化合物をあげることができる。
(式中、Ra及びRbは直鎖または分枝のアルキル基、アル
コキシル基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオ
キシ基、またはアルコキシカルボニルオキシ基を表わ
し、同一であっても異なっていても良い。) (式中、Ra,Rbは前記一般式Aと同じ) また、一般式(A),(B)を含め、一般式(C)で
表わされる化合物も同様の目的に使用することができ
る。
(式中、Ra、Rbは一般式Aと同じであり、 あるいはこれらのハロゲン置換体を表わし、同一であっ
ても異なっていてもよい。Zaは−COO−,−OCO−,−CH
2O−,OCH2−,−CH2CH2−,−C≡C−,または単結合
を表す。) また、SC相の温度範囲を高温域に拡大する目的には、
一般式(D)で表わされる3環型化合物を用いることが
できる。
(式中、Ra,Rbは一般式Aと同様であり、 と同様であって同一であっても異なっていてもよく、
Za,Zbは前記一般式(C)のZaと同様であって、同一で
あっても異なっていてもよい。) これらは単独で用いることができるが、2成分以上の
組成物として用いる方がより広い温度範囲が得られるた
め好都合である。また(A)〜(D)以外であっても、
SC相を示す化合物であれば同様に用いることもでき、ま
た、SC相を示さない化合物であっても粘性の低い液晶性
の化合物であれば組成物の粘度低下のために加えること
も、応答の高速化には有効な方法であり、この目的のた
めには、両側側鎖がn−アルキル基であるような化合物
が特に有効である。
さて、得られたSC*液晶組成物は、2枚の透明ガラス
電極間に均一な厚さ(1μm〜20μm程度)で封入する
ことにより、液晶デバイスとして使用することができ
る。良好なコントラストを得るためには、均一に配向し
たモノドメインとす必要があり、このために多くの方法
が試みられている。特に最近では、等方性液体相(I)
→カイラルネマチック相(N*)→スメクチックA相(S
A)→カイラルスメクチックC相(SC*)という相系列を
示す液晶を配向処理を施したセルで、特にN*相のら旋ピ
ッチを大きくして、配向させる方法が一般的によく用い
られており、本発明の一般式(I)化合物は、まさにこ
の目的にかなうものであるといえる。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、
勿論、本発明の主旨および適用範囲には、これらの実施
例により、制限されるものではない。
実施例1 (R)−3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチルオキ
シ)安息香酸4′−{(S)−2−プロポキシプロパノ
イルオキシ}−4−ビフェニルの合成(第1表のNo.1の
化合物) (R)−3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチルオ
キシ)安息香酸クロリド、(この化合物は3−フルオロ
−4−ヒドロキシ安息香酸とp−トルエンスルホン酸
(S)−1−メチルヘプチルとをジメチルホルムアミド
(以下、DMFという。)中、t−ブトキシカリウム存在
下に、反応させ、酸性にして得られた(R)−3−フル
オロ−4−(1−メチルヘプチルオキシ)安息香酸を塩
化チオニルと反応させることにより得られた。)382mg
及び(S)−2−プロポキシプロピオン酸4′−ヒドロ
キシ−4−ビフェニル(この化合物は、4,4′−ビフェ
ノールと(S)−2−プロポキシプロピオン酸クロリド
とをピリジン中で反応させることにより得られた。)40
0mgとを塩化メチレン6mlに溶解し、ピリジン2mlを加え4
0℃で6時間攪拌した。
放冷後、エーテルを加え、10%塩酸水、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗滌し、無水
硫酸ナトリウムで脱水した。
溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(留出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル
混合系)を用いて精製し、さらにエタノールから再結晶
させて表記化合物360mgを得た。(収率50%) 化合物の構造は核磁気共鳴スペクトル(NMR)及び赤
外吸収スペクトルで確認した。
NMR:δ 7.9〜8.0(m,2H),7.6(m,4H),7.25(d,2H),
7.18(d,2H),7.02(m,1H)以上芳香族水素、4.52(m,1
H),4.21(m,1H)以上−OCH−、3.68(m,1H),3,47(m,
1H)以上−O−CH2−、1.59(d,3H),1.37(d,3H),0.9
8(t,3H),0.89(t,3H)以上CH3、1.25〜1.85(m,12H)
その他のCH2 IR:1770,1735,1615,1520,1500,1325,1300,1210,1170,10
25,1070,1010,870,830,800,760(cm-1) 本化合物はSC*相を示した。その相転移点は第1表に
まとめて示した。
実施例2 (R)−3′−フルオロ−4′−(1−メチルヘプチル
オキシ)−4−ビフェニルカルボン酸(S)−4−(2
−プロポキシプロパノイルオキシ)フェニル(第1表の
No.2の化合物)の合成 実施例1において、3−フルオロ−4−ヒドロキシ安
息香酸に代えて、3′−フルオロ−4′−ヒドロキシ−
4−ビフェニルカルボン酸を用い、4,4′−ビフェノー
ルに代えてヒドロキシを用いた以外は実施例1と同様に
して、表記化合物を得た。
化合物構造はNMR、IRで確認したが、ともに、実施例
1の化合物を近似したパターンを示した。
実施例3 (S)−4−(2−プロポキシプロパノイルオキシ)ビ
フェニル−4−カルボン酸(R)−3−フルオロ−4−
(1メチルヘプチルオキシ)フェニル(第1表のNo.3の
化合物の合成) (S)−4−(2−プロポキシプロパノイルオキシ)
ビフェニル−4−カルボン酸クロリド(この化合物は、
特願昭62−204833号公報記載の方法により合成した。)
と(R)−3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチルオ
キシ)フェノール(この化合物は、3−フルオロ−4−
ヒドロキシアセトフェノンをDMF中、t−ブトキシカリ
ウム存在下、p−トルエンスルホン酸(S)−1−メチ
ルヘプチルと反応させて、(R)−3−フルオロ−4−
(1−メチルヘプチル)アセトフェノンとし、これを蟻
酸中過酸化水素と反応させさらにアルカリ加水分解する
ことにより得られた。)とを実施例1と同様に反応させ
て、表記化合物の白色結晶を得た。
化合物構造はNMR、IRで確認したが、ともに、実施例
1の化合物と近似したパターンを示した。
実施例4 SC*液晶組成物の調製 前記母体液晶(A)95%及び、実施例1の化合物5%
から成るSC*液晶組成物を調製した。
(以下、SC*液晶組成物(A)と略す。) このSC*液晶組成物(A)は68.5℃以下でSC*相を69.5
℃以下でSA相を79.5℃以下でN*相を各々示し、それ以上
の温度で等方性液体(I)相となった。また、その融点
は不明確であった。
次に以下の組成からなる母体液晶(B)を調製した。
この母体液晶(B)は、76.5℃以下でN相、65℃以下
でSA相、43℃以下でSC相を各々示し、その融点は−3℃
であった。
この母体液晶(B)95%と実施例1の化合物5%から
成るSC*液晶組成物(B)は50.5℃以下でSC*相を、62.5
℃以下でSA相を、74.5℃以下でN*相を各々示した。
また、この母体液晶(B)95%と実施例2の化合物5
%から成るSC*液晶組成物(C)は47.5℃以下でSC*
を、65.5℃以下でSA相を、74.5℃以下でN*相を各々示し
た。
実施例5 表示用素子の作成 実施例4で得たSC*液晶組成物(B)を加熱して等方
性液体とし、これを厚さ2.3μmのポリイミド−片側ラ
ビング処理を施したセルに充填し、徐冷することによ
り、SC*相を配向させた。このセルに電界強度10Vp−p/
μmの矩形波を印加してその電気光学系応答速度を測定
したところ、25℃で135μ秒、30℃で123秒という高速応
答性が確認された。このときの自発分極は2.55nC/cm
2(25℃)、2.41nC/cm2(30℃)でありチルト角は20.9
°(25℃)、15.7°(30℃)であった。
次にSC*液晶組成物(B)に代えて、SC*液晶組成物
(A)を用いた以外は同様にしてセルを作成し、その電
気光学応答速度を測定したところ、25℃で151μ秒であ
った。このときの自発分極は4.05nC/cm2であり、チルト
確は28.4°であった。
〔発明の効果〕
本発明の一般式(I)の化合物は、キラルドーパント
として母体となるSC液晶化合物又は組成物に混合してSC
*液晶組成物とした場合において、少量の添加で大きい
自発分極を誘起することができる。また、ら旋ピッチに
おいても特にN*相においてピッチ調整が容易となるら旋
ピッチの比較的大きい化合物、あるいはら旋ピッチ調整
等に用いるら旋ピッチの小さい化合物の両方を得ること
ができる。
また、本発明の化合物は、実施例にも示したように、
工業的にも容易に製造でき、それ自体無色であって、
光、水分、熱等に対する化学的安定性に優れるものであ
り、非常に実用的である。
更に、本発明における強誘電性液晶化合物又は本発明
の化合物を含有する組成物は、配向性が良好であり、応
答速度が従来のマネチック液晶の100倍以上と極めて大
きく、液晶デバイスの材料として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 毅 千葉県佐倉市六崎1549―1―301 (72)発明者 中村 佳代子 千葉県鎌ケ谷市鎌ケ谷1―7―18―507

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1は炭素原子数2〜10のアルキル基を表わし、
    R2は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、Vは−COO
    −又は−OCO−を表わし、m及びnは各々独立的に0又
    は1を表わし、C*及びC**は各々独立的に絶対配置が
    (R)又は(S)配置の不斉炭素原子を表わす。)で表
    わされる光学活性化合物。
  2. 【請求項2】C*及びC**のうち、一方が(S)配置の不
    斉炭素原子であり、他方が(R)配置の不斉炭素原子で
    ある請求項1記載の光学活性化合物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の光学活性化合物を含
    有する液晶組成物。
  4. 【請求項4】強誘電性キラルスメクチック相を示す請求
    項3記載の液晶組成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載の液晶組成物を用いた液晶表
    示素子。
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