JP2899823B2 - パイプ等の変形量測定方法とその装置 - Google Patents

パイプ等の変形量測定方法とその装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は土冠りが浅く、しかもその上に鉄道や道路
その他地上構造物がある場合や、埋設物などの地中構造
物に近接して掘削工事を行うような場合、それら構造物
等を保護するためにとられるパイプルーフ工法等におけ
るパイプの変形量を測定する方法とその装置に関するも
のである。
(従来の技術) 例えば地上の構造物があるような場合、その周辺で掘
削工事を行うと、その掘削工事にともなって地盤が緩み
構造物に影響を与える。
そこで、その影響を防止するために複数本の鋼製パイ
プを水平に挿入し、その挿入したパイプの列によって上
部の荷重を支えて掘削による前記地盤の緩みを防止する
いわゆるパイプルーフ工法は公知である。
ところで、このパイプルーフ工法の施工に際し、前記
水平に挿入したパイプの変形量を計測管理することは施
工の安全上きわめて重要な管理項目である。
ところで従来は、この計測管理を第4図で例示するよ
うな方法によって行っている。すなわち水平に挿入した
パイプ20の内部にピアノ線21を張っておく。そして計測
員がそのパイプ20の中にもぐり込み、計測用のスケール
22を用いて前記ピアノ線21とパイプ20の内周面までの高
さHを計測するようにしている。すなわち負荷重にとも
なう撓み等を変位を計測することによってパイプの変形
量を測定するようにしている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、パイプルーフ工法等に用いられるパイプの
口径は、前記例示したように計測員がもぐり込んで計測
作業ができるようなものばかりではない。ちなみに計測
作業の可能なパイプの口径はせいぜい600mm位が限度で
ある。
このような理由から、従来の計測方法には次のような
大きな問題点があった。
(1) 測定可能なパイプ口径に限界がある。
(2) 測定場所が狭隘な場所であるため計測作業に
苦渋が伴う。
(3) 連続測定ができない。
(4) 計測姿勢に無理があり、読み取り誤差が生じ
やすい。
以上のような問題点があり、安全な施工管理を維持し
ていく上で不都合があり、より精度の高い、しかも連続
的かつ経時的な計測が簡単にできる測定方法とその測定
装置の開発が要請されていた。
この発明は、このような要請に応えるため、下記のよ
うな新しい測定方法と装置を提供することを目的とする
ものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成する手段として、この発明は、直進性
に優れたレーザビームを応用した測定方法をとったこと
を特徴とするものである。
すなわち被測定対象であるパイプの内部に、鉛直度を
維持するための鉛直保持機構と揺れを防止するための防
振装置とを介してレーザ発振器を装備した移動自在な台
車を配備し、他方このレーザ発振器を装備した台車の対
応するパイプの軸線方向の外側に、前記レーザ発振器よ
りのビームを受光する受光位置計測機を対設し、前記台
車を移動させながらレーザを発振し、そのレーザビーム
の変位を受光位置計測機により検出し、もって前記パイ
プの変形量を測定するようにしたことにある。
また前記測定方法を実施するための装置としてパイプ
内を移動する台車に装備するレーザ発振器は、レーザ発
振器自体の鉛直度を維持するための鉛直保持機構と、揺
れを防止するための防振装置とを介して装備した構成と
したことにある。
さらに前記レーザ発振器よりのビームを検出する受光
位置計測機は、レーザビームの垂直方向の変位を即時に
検出するスタッフタイプの受光位置計測機をもって構成
したことにある。
(作用) この発明によるパイプ等の変形量測定方法とその装置
は、以上説明したように構成しているため、適時レーザ
発振器よりレーザビームを発振させながら台車を移動さ
せ、受光位置計測機に投射されるビーム位置を検出すれ
ば、自動的かつ即時にパイプ自体の変位を計測すること
ができる。すなわちパイプ自体に撓み等があれば、パイ
プ内を移動する台車は、その分降下する。台車が降下す
れば、その分台車上に装備したレーザ発振器の発振位置
がズレることになる。発振位置がズレると、そのズレは
自動的に、かつ即時に受光位置計測機により検出され
る。ちなみに受光位置計測機によって検出したビーム位
置が、当初に設定した受光位置計測機の受光位置、すな
わちX,Y軸の交点位置よりずれない場合はパイプ自体に
変形がないことを意味する。パイプ自体に変形がないこ
とは掘削工事による影響がないことであり、工事の安全
が確保されていることを示す。
(実施例) 次に本発明の実施例を図面に基づいて、さらに具体的
に説明する。
まず第1図は被測定対象であるパイプ1の内部に、鉛
直保持機構と防振装置とを介してレーザ発振器2を装備
させた台車3を配置し、この台車3の対応する前記パイ
プ1の外側に受光位置計測機4を対応させてレーザビー
ムを受光し、測定作業を行っている状態を示す。
第2図は、前記パイプ1内の台車3上に装備したレー
ザ発振器2の概略構造を示す側面図である。実施例で
は、半導体レーザ素子を内蔵した通称レーザレベルと呼
ばれる発振器を使用している。第3図は前記レーザ発振
器2よりレーザビームを受光し、そのレーザビームの受
光位置を検出する受光位置計測機4の正面図である。す
なわちレーザビームの位置検出機能をもった受光器を示
す。実施例においては受光素子を内蔵したスタッフタイ
プの通称電子スタッフと呼ばれている受光位置計測機を
使用している。
次に台車3に対し前記レーザ発振器2を鉛直に、しか
も揺れのないようにして装備させる、いわゆる鉛直保持
機構および防振装置の構成を第2図に基づいて説明す
る。
まず、鉛直保持機構としては台車3上に図示のような
梯形状の架枠5を設け、この架枠5に吊り下げワイヤ6
をもってレーザ発振器2自体を吊下装備した構成として
いる。なお7および7は、その吊下したレーザ発振器2
の設置レベルを調整するための調整ねじである。
台車3の移動操作にともなうレーザ発振器2の揺れを
防止するための防振装置としては、同じく第2図で示す
ように、台車3上にオイル等からなるダイバー液8を貯
溜するダンバー液溜め9を設ける。そしてこのダンバー
液溜め9に、前記レーザ発振器2の受支台10の下面に取
り付けたフロート形式の浮きブロック11を浮かべた構成
としている。すなわちダンパー方式による防振装置によ
り揺れを防止する仕組みとしている。
なお実施例においては台車3自体の移動操作手段につ
いては、なにも表示していないが、台車2にワイヤを連
結して、そのワイヤを巻き取り装置を介して牽引方式に
移動をさせるか、走行用駆動モータを台車3に装備し、
この駆動モータを遠隔制御方式で駆動し、移動操作を行
うように構成している。
また前記レーザ発振器2より発振されたレーザビーム
12を受光する受光位置計測機4は、すでに説明したよう
に受光素子を内蔵したスタッフタイプの受光器を使用し
ている。すなわち第3図で示すように長方形の本体の正
面に、受光窓4aを有し、その受光窓4aの内側に、いわゆ
る受光素子を内蔵させて構成したものを使用している。
実施例では垂直方向(Y−Y)のみの検出ができる受
光位置計測機4を使用している。もちろんX方向および
Y方向の検出ができる受光位置計測機を用いてもよい。
(発明の効果) 本発明によるパイプ等の変形量測定方法およびその装
置は、以上説明したように構成しているため、従来の計
測方法、手段に比較し次のような作用効果をもたらすこ
とができる。
(1) パイプ内部に計測員がもぐり込むことなく口径
が小さいパイプの変形量も計測することができる。
(2) パイプの全長にわたって連続的に計測すること
ができる。
(3) 経時変化の計測ができる。
(4) しかも直進性に優れたレーザビームを利用した
計測であるため測定精度が高く、バラッキがない。
(5) 受光位置計測機すなわちレーザビームの受光器
による検出データを、コンピュータに入力できるように
接続しておくことによって、より精度の高い、しかも迅
速な測定処理を行うことができる。
以上の作用効果により、パイプの変形を適確に、しか
も即時に把握することができるため、すなわちパイプル
ーフ工法等におけるパイプの変形を簡単に知ることがで
きるため、工事の安全管理が徹底し、安心した施工が可
能である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の方法およびその装置を示す実施例で、第
1図は測定方法を示す概念図である。第2図は測定装置
を構成るすレーザ発振器を装備した台車であり、第3図
は同じくレーザ発振器よりのレーザビームを受光する受
光位置計測機(電子スタッフ)の正面図である。なお第
4図は従来の計測方法を例示する概念図である。 1…パイプ(被計測対象物) 2…レーザ発振器(レーザレベル) 3…台車 4…受光位置計測機(電子スタッフ) 5…架枠、6…吊り下げワイヤ 7…レベル調整ねじ、8…ダンパー液 9…ダンパー液溜、10…受支台 11…浮きブロック

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定対象であるパイプの内部に、鉛直度
    を維持するための鉛直保持機構と揺れを防止するための
    防振装置とを介してレーザ発振器を装備した移動自在な
    台車を配備し、 他方のこのレーザ発振器を装備した台車の対応するパイ
    プの軸線方向の外側に前記レーザ発振器よりビームを受
    光する受光位置計測機を対設し、 前記台車を移動させながらレーザビームを発振し、その
    ビームの変位を前記受光位置計測機により検出し、前記
    パイプの変形量を測定することを特徴とするパイプ等の
    変形量測定方法。
  2. 【請求項2】パイプ内を移動する台車と、レーザ発振器
    と、このレーザ発振器からのレーザビームを受光する受
    光位置計測機とを有し、 前記レーザ発振器は、台車上に鉛直度を維持するための
    鉛直保持機構と、揺れを防止するための防振装置とを介
    して装備され、 前記受光位置計測機は、レーザビームの垂直方向の変位
    を検出するスタッフタイプの受光位置計測機であること
    を特徴とするパイプ等の変形量測定装置。
JP12265790A 1990-05-11 1990-05-11 パイプ等の変形量測定方法とその装置 Expired - Lifetime JP2899823B2 (ja)

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