JP2917751B2 - 柱体の建込み精度計測装置 - Google Patents

柱体の建込み精度計測装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地盤内に柱体を高精
度に建込むための建込み精度計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の柱体鉛直精度を計測して調整する
装置として、例えば特開平4−140315号公報に示
されたものは、杭孔内に構真柱を精度よく設置する方法
に関し、掘削用の筒状ケーシング内に構真柱を吊り下げ
配置した後、ケーシング内に水を注入して構真柱の中間
部にワイヤを介して連結された浮子を浮上させるもので
ある。そして、浮子の位置を確認しながらケーシングと
構真柱との間に設置された複数の油圧ジャッキを水平方
向に伸縮させることにより構真柱の鉛直精度を調整する
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな浮体を用いる方法にあっては、水の流れによって浮
子が揺動するため、構真柱の鉛直精度を正確に計測する
ことができないばかりか、長い構真柱の鉛直精度を計測
する場合には測定誤差が大きくなり、更に捩れを測定で
きないといった問題がある。また、計測値を定量的に把
握することができず、自動化に不向きであった。
【0004】これに対し、例えば特開平5−25824
号公報に記載された柱の建込み調整システムによれば、
ケーシング内に吊り下げられる基礎杭用柱に嵌め込まれ
た鉛直度測定用パイプの上部には鉛直方向に発光するレ
ーザー発信器を配設するとともに、測定用パイプの下部
には受光器を備え、発信器からのレーザー光を受光して
鉛直精度を正確且つ定量的に測定することができる。
【0005】しかしながら、このようなレーザー光を用
いる方法にあっては、受光器が測定用パイプの下部に設
置されているため、測定用パイプの先端に重量のある球
根状となって受光器を設置或いは撤去する際に測定用パ
イプが折損する惧れがあった。また、当該レーザー光を
用いた柱の建込み調整システムにあっても捩れを測定す
ることができない。
【0006】この発明は上記事情を考慮してなされたも
のであり、その目的とするところは、測定用パイプの先
端に重量のある機器を設けることなく、高精度で定量的
に柱体の傾きと捩れの建込み精度を計測することができ
る柱体の建込み精度計測装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、柱体の異なる位置に取付けられた複数
測定用パイプと、この測定用パイプの底面に配置され
光軸が該パイプの延長方向と沿うように設けられた光源
と、この光源に光を導くため前記測定用パイプの内側面
に沿って配置された光ファイバと、前記測定用パイプの
上方に固定的に水平配置され前記光源の光を撮像する撮
像装置と、この撮像装置の撮像面における前記光の座標
位置に基づき前記柱体の傾き及び捩れ精度を算出する演
算部と、前記柱体の傾き及び捩れを表示する表示部と
備えたことを要旨とする。
【0008】また、他の発明は、前記光源には、該光源
と前記測定用パイプの上部との間に配設された光ファイ
バを介して該測定用パイプの上部の光が導かれることを
要旨とする。
【0009】
【作用】この発明によれば、柱体の異なる位置に取り付
けられた複数の測定用パイプの上方に固定的に水平配置
された撮像装置により、測定用パイプの底面に配置さ
れた光源の光を撮像し、その座標位置を検出する。演算
部はこれら各光源の座標位置の検出結果に基づき柱体の
傾き及び捩れ精度を算出し、当該傾き及び捩れ精度誤差
は表示部に表示される。
【0010】また、他の発明によれば、光ファイバを介
して光が導かれる光源には、発光手段を設けることがな
いので、構成が簡易且つ軽量である。
【0011】
【実施例】図1は、この発明による柱体の建込み精度計
測装置の一実施例を示す構成図である。同図において
は、地盤1を掘削するケーシング5内に建て込まれた構
真柱6(柱体)に複数の測定用パイプ21、22が異な
位置に嵌め込まれ、地表面の支持台23、25に水平
に固定されたCCDカメラ24、26が測定用パイプ2
1、22の上方に配置されている。上記測定用パイプ2
1、22は、吊下げ装置(図示せず)によりその上部で
吊り下げられ、構真柱6が傾斜すると、これに伴って傾
斜する。
【0012】CCDカメラ24、26は測定用パイプ2
1、22の底面に固定された光源27、28(この実施
例では、通常の発光ランプが使用される)から出射され
た光29、30を受光し、光源27、28の座標位置信
号を演算部31へ出力する。演算部31はCCDカメラ
24、26からの座標位置信号を演算処理し、構真柱6
の傾き、捩れ等を表示部32の画面に表示する。傾き、
捩れは、例えば表示部32の画面に示すように、(x、
y)座標値、勾配として示すことができる。
【0013】各CCDカメラ24、26での光の撮像
は、構真柱6が真っ直ぐに捩れがなく建て込まれていて
鉛直(傾き)及び捩れ誤差ゼロの場合には図2(a)に
示すようになり、構真柱6に鉛直(傾き)及び捩れ誤差
が生じている場合には図2(b)に示すようになる。図
2(b)では、構真柱6の左上方向への傾きがあるため
測定パイプ底面の光源27、28がCCDカメラ24、
26から見て右下に偏位していることを示している。
【0014】このようにして各CCDカメラ24、26
により構真柱6における異なる複数の点の座標位置を
値的に検出することができる。そして、これら各点の座
標位置から構真柱6の傾き及び捩れ等の建込み誤差を数
値として検出して、その傾きや捩れ等の建込み誤差を表
示部に表示することができるので、この建込み誤差に応
じてケーシング5と構真柱6との間に装備された油圧ジ
ャッキ33、34を伸縮操作して構真柱6の傾き等(具
体的には測定パイプ21、22の底面の位置ずれ)を修
正することができる。また、演算部31で検出された構
真柱6の鉛直誤差に基づき電動力等により油圧ジャッキ
33、34を自動的に補正動作させて構真柱6の傾き等
を修正することもできる。さらに、構真柱6の鉛直誤差
データを集積すれば、状況に応じた最適な制御を行うこ
ともできる。
【0015】なお、図1は測定用パイプ及びCCDカメ
ラを2組設置した場合を示しているが、この発明はこの
実施例に限定されず、これらの組数を増加させれば鉛直
及び捩れ誤差検出の精度を高めることができる。しか
も、光源27、28への電力供給は電線により行うこと
ができ、浮体による鉛直精度検出の場合におけるワイヤ
を不要とし、また、CCDカメラを使用することによ
り、レーザ発光器のようなビーム光を使用する必要もな
い。
【0016】図3は、この発明の他の実施例を示す構成
図である。この実施例においては、測定用パイプ21、
22の内側に光ファイバ35、36を配設し、これらの
光ファイバ35、36の上部を測定用パイプ21、22
の上端面より突出させるとともに、その下部を前記光源
27、28に接続するものである。これにより、地上の
光が光ファイバ35、36を介して光源27、28に導
かれるため、光源27、28は反射用の鏡を有していれ
ば足り、その構成を簡素化することができ軽量化も図れ
る。この場合、光ファイバ35、36の上部開口に向け
て地上から発光ランプの光を照射すれば、CCDカメラ
での光の撮像画像がより明確になって測定誤差を抑える
ことができる。
【0017】さらに、同図に示すように、構真柱6上部
の中央付近に傾斜計37を取り付けることにより、測定
精度を要しない場合には傾斜計37単独で迅速に構真柱
6の傾斜を検出することができ、本発明による精度測定
を補完することができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による柱
体の建込み精度計測装置では、測定用パイプの先端に重
量のある機器を設けることなく、高精度で且つ定量的に
柱体の傾きや捩れの建込み精度を計測して、その傾きや
捩れの状態を表示部にして目視確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による柱体の建込み精度計測装置の一
実施例の構成図である。
【図2】図1の装置における光源位置検出の説明図であ
る。
【図3】この発明の他の実施例の構成図である。
【符号の説明】
1 地盤 5 ケーシング 6 構真柱 21、22 測定用パイプ 23、25 支持台 24、26 CCDカメラ 27、28 光源 31 演算部 32 表示部 33、34 ジャッキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 15/00 - 15/14 E02D 13/04 E04G 21/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱体の異なる位置に取付けられた複数の
    測定用パイプと、この測定用パイプの底面に配置され光
    軸が該パイプの延長方向と沿うように設けられた光源
    と、前記測定用パイプの上方に固定的に水平配置され前
    記光源の光を撮像する撮像装置と、この撮像装置の撮像
    面における前記光の座標位置に基づき前記柱体の傾き及
    び捩れを算出する演算部、前記柱体の傾き及び捩れを表
    示する表示部とを備えたことを特徴とする柱体の建込み
    精度計測装置。
  2. 【請求項2】 前記光源には、該光源と前記測定用パイ
    プの上部との間に配設された光ファイバを介して該測定
    用パイプの上部の光が導かれることを特徴とする請求項
    1記載の柱体の建込み精度計測装置。
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JP5060894B2 (ja) * 2007-09-27 2012-10-31 株式会社大林組 建込み方法
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