JP2899117B2 - 静電荷像現像用磁性トナー - Google Patents

静電荷像現像用磁性トナー

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JP2899117B2
JP2899117B2 JP3020970A JP2097091A JP2899117B2 JP 2899117 B2 JP2899117 B2 JP 2899117B2 JP 3020970 A JP3020970 A JP 3020970A JP 2097091 A JP2097091 A JP 2097091A JP 2899117 B2 JP2899117 B2 JP 2899117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法などに用いられるトナーに関し、特に静電荷像を現像
するための絶縁性の磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真法としては米国特許第2,
297,691号明細書、特公昭42−23910号公
報(米国特許第3,666,363号明細書)及び特公
昭43−24748号公報(米国特許第4,071,3
61号明細書)等に記載されている如く、多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該
潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じ
て、紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧
力等により定着し、複写物を得るものである。
【0003】静電潜像をトナーを用いて可視像化する現
像方法も種々知られている。例えば米国特許第2874
063号明細書に記載されている磁気ブラシ法、同第2
618552号明細書に記載されているカスケード現像
法及び同第2221776号明細書に記載されているパ
ウダークラウド法、ファーブラシ現像法、液体現像法
等、多数の現像法が知られている。これらの現像法にお
いて、特にトナー及びキャリヤーを主体とする現像剤を
用いる磁気ブラシ法、カスケード法、液体現像法などが
広く実用化されている。これらの方法はいずれも比較的
安定に良画像の得られる優れた方法であるが反面キャリ
ヤーの劣化、トナーとキャリヤーの混合比の変動という
二成分系現像剤にまつわる共通の欠点を有する。
【0004】かかる欠点を回避するため、トナーのみよ
りなる一成分系現像剤を用いる現像方法が各種提案され
ているが、中でも、磁性を有するトナー粒子より成る現
像剤を用いる方法に優れたものが多い。米国特許第3,
909,258号明細書には電気的に導電性を有する磁
性トナーを用いて現像する方法が提案されている。これ
は内部に磁性を有する円筒状の導電性スリーブ上に導電
性磁性トナーを支持し、これを静電像に接触せしめ現像
するものである。この際、現像部において、記録体表面
とスリーブ表面の間にトナー粒子により導電路が形成さ
れ、この導電路を経てスリーブよりトナー粒子に電荷が
導かれ、静電像の画像部との間のクローン力によりトナ
ー粒子が画像部に付着して現像される。この導電性磁性
トナーを用いる現像方法は従来の二成分系現像方法にま
つわる問題点を回避した優れた方法であるが、反面トナ
ーが導電性であるため、現像した画像を、記録体から普
通紙等の最終的な支持部材へ静電的に転写する事が困難
であるという欠点を有している。
【0005】静電的に転写をする事が可能な高抵抗の磁
性トナーを用いる現像方法として、トナー粒子の誘電分
極を利用した現像方法がある。しかし、かかる方法は本
質的に現像速度がおそい、現像画像の濃度が十分に得ら
れない等の欠点を有しており、実用上困難である。
【0006】高抵抗の磁性トナーを用いるその他の現像
方法として、トナー粒子相互の摩擦、トナー粒子とスリ
ーブ等との摩擦等によりトナー粒子を摩擦帯電し、これ
を静電像保持部材に接触して現像する方法が知られてい
る。しかしこれらの方法は、トナー粒子と摩擦部材との
接触回数が少なく摩擦帯電が不十分となり易い、帯電し
たトナー粒子はスリーブとの間のクーロン力が強まりス
リーブ上で凝集し易い、等の欠点を有しており、実用上
困難であった。
【0007】ところが、特開昭55−18656号公報
等において、上述の欠点を除去した新規な現像方法が提
案された。これはスリーブ上に磁性トナーをきわめて薄
く塗布し、これを摩擦帯電し、次いでこれを静電像にき
わめて近接して現像するものである。この方法は、磁性
トナーをスリーブ上にきわめて薄く塗布する事によりス
リーブとトナーの接触する機会を増し、十分な摩擦帯電
を可能にした事、磁力によってトナーを支持し、かつ磁
石とトナーを相対的に移動させる事によりトナー粒子相
互の凝集をとくとともにスリーブと十分に摩擦せしめて
いる事、トナーを磁力よって支持し又これを静電像に接
する事なく対向させて現像する事により地カブリを防止
している事等によって優れた画像が得られるものであ
る。
【0008】また、このような現像方法において用いら
れる現像器は簡単な構成で非常に小さくできることが特
徴である。そのため例えば高速機では感光体のまわりに
余裕ができるため、他の色の現像器をいくつか配置しワ
ンタッチで色の変更をしたり、アナログ光と同時にレー
ザー光を用いページや文字の書き込みを複写と同時に行
うなどが容易になるというような利点がでてくる。
【0009】しかしながら、この現像方式はシンプルで
軽く小さい現像器という特徴のため逆に、この方式に使
われるトナーは従来トナー以上により帯電状態が環境安
定性に優れてないと、全体として優れた画像性、耐久性
及び安定性が得られない。すなわちかかるトナーの性能
がシステムの性能にそのまま反映される場合が多いとい
うことである。さらに複写機はより高速化の方向に進ん
でいるため、トナーは高解像と高速現像、高耐久などを
高度に満足しなければならなくなってきている。
【0010】これらのきびしい要求にこたえるためトナ
ーの研究開発が鋭意行われてきている。磁性トナーに使
われる材料の中で特に磁性体はトナー全体に対して20
乃至70重量%含有されているためトナーの性能を大き
く左右する。
【0011】ここで、特開昭58−189646号公報
にみられるように、FeO含有量16乃至25重量%の
磁性粉を含有する磁性トナーでは、確かに高い静電荷像
の現像効率と良好な転写効率が得られ、安定した充分な
画像が得られることが示されている。だが、近年のよう
に転写機が高速化の方向に進んでいるため、FeO含有
量を16乃至25重量%の磁性粉を含有する上記磁性ト
ナーでは、高解像と高速現像、高耐久などを充分に満足
させることはできない。
【0012】また、上記磁性トナーを高速機へ適用させ
ようとすると、低温低湿環境下では、トナー帯電量の適
度なコントロールがしにくくなり、トナー帯電量の過度
の上昇による画像濃度低下やバックグラウンドの汚れが
発生することが多い。また、帯電量の過度の上昇を抑え
る方法の1つとして、磁性体を増加させる方法がある
が、この方法では、定着性が悪化する方向であり、今後
さらなる高速機への対応を考慮した場合、対症療法的手
段にすぎない。
【0013】さらに、高解像性、細線再現性、ベタ黒高
解像濃度などを満足させるために、トナー粒径を小粒径
化することが試みられている。
【0014】しかし、トナーを小粒径化することによ
り、トナー自体がチャージアップしやすくなり、特に低
湿環境下での耐久中、画像濃度低下が発生するなどの弊
害が発生するが、従来の磁性体では、トナーのチャージ
アップに対して充分な対処ができない。
【0015】トナーを小粒径化することにより、トナー
の凝集度が上昇する弊害あり、耐久中に現像器内やクリ
ーナー中でトナーのブロッキングが発生することが多く
なる。また、トナーホッパーから現像器内へ現像器内の
トナー残量に応じて、トナーが補給される機構を有する
複写機では、トナーの凝集度が上昇すると、現像器のス
リーブ周辺の帯電量が上昇したトナー中にホッパーから
新たにトナーが補給されてくると、現像器内でトナーの
充分な撹拌が行われなくなるため、トナー帯電量が不均
一になり、一時的な画像濃度低下の発生が多くなる。
【0016】このように、従来の磁性体では、トナーの
小粒径化にともなうトナーの凝集上昇に対処することは
できないため、今後の高速現像に適したトナーの開発に
際して大きな妨げとなっていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決することのできる静電荷像現像用磁性トナーを
提供することを目的とする。
【0018】本発明は、トナー粒子間、トナーとスリー
ブの如きトナー坦持体との間等の摩擦帯電量が安定で且
つ摩擦帯電量分布がシャープで均一であり、使用する現
像システムに適した帯電量にコントロールできる静電荷
像現像用磁性トナーを提供することを目的とする。
【0019】本発明は、デジタルな潜像に忠実な現像を
行わしめるドット間の濃度差を大きくすることが可能で
あり、ドットの縁部がシャープに再現される静電荷像現
像用磁性トナーを提供することを目的とする。
【0020】本発明は、トナーを長期にわたり連続使用
した際にも初期の特性を維持することのできる静電荷像
現像用磁性トナーを提供することを目的とする。
【0021】本発明は、ポスト帯電を含む画像形成プロ
セスにおいてもカブリ、反転カブリの少ない静電荷像現
像用磁性トナーを提供することを目的とする。
【0022】本発明は、温度、湿度の変化に影響を受け
ない安定した画像を再現する静電荷像現像用磁性トナー
を提供することを目的とする。
【0023】本発明は、長期間の保存でも初期の特性を
維持する保存安定性の優れた静電荷像現像用磁性トナー
を提供することを目的とする。
【0024】本発明は、トナーを小粒径化した際の弊害
であるトナーのチャージアップを防止し、最適な流動性
の得られる静電荷像現像用磁性トナーを提供することを
目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の静電荷
像現像用磁性トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性酸
化鉄を含有する静電荷像現像用磁性トナーにおいて、該
磁性酸化鉄のFeO含有量が25乃至30重量%であ
り、該磁性トナーの体積平均粒径が7乃至10μmであ
り、かつ該磁性トナーの流動性指数が下記一般式 0.16A+1.2≦G≦0.09A+16.65 (式中、Aは、個数分布の変動係数(S/D1×10
0)であり、25乃至45の正数を示し、Sは、磁性ト
ナーの個数分布の標準偏差を示し、D1は、個数平均粒
径(μm)を示し;Gは、磁性トナーの流動性指数を示
す。)を満たすことを特徴とすることにより、前記目的
を達成する。
【0026】本発明の磁性トナーにおいては、体積平均
粒径が7乃至10μmの範囲であり、個数分布の変動係
数が25乃至45という特定の粒度分布を有するため
に、画像濃度が高く、細線再現性、及び階調性に優れた
画像を提供することができる。
【0027】体積平均粒径が7乃至10μmの範囲内で
個数分布の変動係数が25未満である場合には、理由は
明確ではないが、スリーブ上の重量/面積(M/S)が
増大し、スリーブコートムラが発生しやすくなる。
【0028】個数分布の変動係数は、その数値が小さく
なればなるほど粒度分布はシャープになることを意味
し、粒度分布がシャープであることは、粒径のばらつき
が小さいことを意味する。
【0029】従ってスリーブ上で、トナー粒子が帯電付
与された際に、トナー粒子個々の帯電は均質化するた
め、スリーブ上でのトナー粒子間には静電気的な反発力
が増大することが考えられることから、スリーブ上のM
/Sが増大し、スリーブコートムラが発生しやすくなる
原因について、我々は、帯電付与されたトナー粒子間に
働く静電気的な反発力の増大にあると考えている。
【0030】体積平均粒径が7乃至10μmの範囲内で
個数分布の変動係数が45より大きくなる場合には、理
由は明確ではないが濃度低下をひきおこしやすくなり、
スリーブ上の穂立ち状態が乱れ、ガサツキや解像度の低
下を生じる。
【0031】個数分布の変動係数が大きくなればなるほ
ど、粒度分布はブロードになることを意味し、粒度分布
がブロードであることは、粒径のばらつきが大きいこと
を意味する。
【0032】従って、スリーブ上でトナー粒子が帯電付
与された際に、トナー粒子個々の帯電は不均一となりス
リーブ上でのトナー粒子間には、静電気的な凝集力の作
用が増大するものと考えられることから濃度低下をひき
おこしやすくなり、スリーブ上の穂立ち状態が乱れる原
因について、我々は帯電付与されたトナー粒子間に働く
静電気的な凝集力の増大にあると考えている。
【0033】本発明の磁性トナーに用いられるFeO含
有量が25乃至30重量%である磁性酸化鉄は、黒色顔
料としての黒色度が高く、適度な電気抵抗を保持するた
めトナー帯電量を安定化させる作用があり画像濃度を向
上させることができ、現像性の面では画像上のカブリの
ランクを向上させる働きがある。
【0034】ここで、先にも述べたようにFeO含有量
が25重量%未満の磁性酸化鉄をトナーに用いると、特
に高速機への適応を考えた場合低温低湿環境下では、ト
ナー帯電量を適度にコントロールしにくくなり、トナー
帯電量の適度の上昇による画像濃度低下やバックグラウ
ンドの汚れに充分対処しきれるものではない。
【0035】また、FeO含有量が30重量%を上まわ
る磁性酸化鉄をトナーに用いると、特に高湿環境下では
トナーの帯電量が低下し、画像濃度低下が発生する。
【0036】本発明者らは、本発明の磁性トナーにおい
てはFeO含有量が25乃至30重量%である磁性酸化
鉄を用い、磁性トナーの体積平均粒径を7乃至10μm
とし、且つ磁性トナーの個数分布の変動係数を25乃至
45とすることにより、磁性トナーの流動性指数が下記
式 0.16A+1.2≦G≦0.09A+16.65 (式中、Aは、個数分布の変動係数(S/D1×10
0)であり、25乃至45の正数を示し、Sは、磁性ト
ナーの個数分布の標準偏差を示し、D1は、個数平均粒
径(μm)を示し;Gは、磁性トナーの流動性指数を示
す。)を表示できることを見いだした。
【0037】磁性トナーの流動性指数が、上記式の範囲
内では、磁性トナーには最適な流動性が付与されてお
り、従来トナーを小粒径化させた際の弊害であった凝集
性上昇を防止することができる。
【0038】本発明者らは、FeO含有量が25乃至3
0重量%である磁性酸化鉄を用いることにより、磁性ト
ナーの個数分布の変動係数Aと磁性トナーの流動性指数
Gとの関連性を見いだすことができた。
【0039】磁性トナーの個数分布の変動係数Aが25
乃至45において、磁性酸化鉄中のFeO含有量が25
重量%未満の場合には、トナー流動性指数Gは、0.0
9A+16.65より大きい数値となり、トナー流動性
が悪化し、耐久中に現像器内やクリーナー中でトナーの
ブロッキングの発生や一時的な画像濃度低下の発生が多
くなる。
【0040】同様に磁性酸化鉄中のFeO含有量が30
重量%を上まわる場合には、トナー流動性指数Gは、
0.16A+1.2より小さい数値となりトナー流動性
が良好になりすぎ、耐久中にトナー機内飛散の発生が多
くなり、鮮明な画像が得られなくなる。
【0041】磁性酸化鉄中のFeO含有量が25乃至3
0重量%の場合、トナー帯電量の安定化、画像濃度の向
上及び画像上のカブリの減少等の効果があり、さらにト
ナー流動性指数Gは、0.16A+12以上であり、
0.09A+16.65以下の範囲になり、最適なトナ
ー流動性が付与され、耐久中に現像器内やクリーナー中
でトナーのブロッキングが未発生であり、現像器のトナ
ー残量に応じてトナーホッパーから現像器へトナーが補
給される機構をもつ複写機での耐久においても、一時的
な画像濃度低下が発生することはない。
【0042】また、体積平均粒径が7乃至10μmであ
り、個数分布の変動係数が25乃至45という特定の粒
度分布を有するために、画像濃度が高く、細線再現性、
階調性に優れた画像を提供することができる。
【0043】本発明者らは、本発明の磁性トナーにおい
て、磁性トナーの個数分布の変動係数Aと磁性トナーの
流動性指数Gとの関連性が、変動係数Aが25乃至45
の場合、下記式 0.16A+1.2≦G≦0.09A+16.65 で表示できる理由を明確に説明できる迄には至ってない
が、帯電量分布測定装置E−スパートアナライザ(ホソ
カワミクロン社製)により、本発明の磁性トナー(Fe
O含有量が25乃至30重量%である磁性酸化鉄を用
い、体積平均粒径が7乃至10μmであり、個数分布の
変動係数が25乃至45である磁性トナー)及び比較用
トナー(FeO含有量25重量%未満である他は、本発
明に係る磁性トナーを同一処方、同一粒度分布を有する
磁性トナー)の帯電分布を測定したところ、図1に示す
ように、本発明の磁性トナーは帯電量分布が非常にシャ
ープであることが明らかとなり、トナー粒子個々の帯電
状態が均質化している様子をうかがうことができた。
【0044】本発明の磁性トナーではFeO含有量が2
5乃至30重量%の磁性酸化鉄を用いることにより、い
わばトナー粒子表面上でのミクロな界面での電荷の放出
と蓄積のバランスが均衡化し、トナー粒子個々が均一に
帯電するような状況になり帯電量分布が非常にシャープ
になるものと本発明者らは考えている。
【0045】磁性トナーの流動性指数Gと磁性トナーの
帯電量分布の状態は必ずしも直結するものではないが本
発明の結果、両者には関連性があると考えられ磁性酸化
鉄中のFeO含有量により、磁性トナーの帯電量分布状
態が変化し、それに依存して磁性トナーの流動性指数G
が変化するという知見を得ることができた。
【0046】また、原因を明確に説明しつくせる迄には
至ってないが、体積平均粒径が7乃至10μm、個数分
布の変動係数が25乃至45という特定の粒度分布を有
する磁性トナーにおいて、FeO含有量が25乃至30
重量%である磁性酸化鉄を用いることにより、最適な流
動性が付与されるという効果の他に、スリーブ上のトナ
ーコート量が安定化し、トナーコート層が適度に厚くな
り、トナーコートムラが発生せず、長期にわたって均一
なトナーコート量を得ることができた。
【0047】このため長期にわたり安定して、より鮮明
な画像を提供できるトナーを得ることができた。我々
は、この原因もトナー粒子個々の均一な帯電によるもの
と考えている。
【0048】ここでトナー流動性指数Gが、0.09A
+16.65より大きい数値の場合、スリーブ上の穂立
ち状態が乱れ、ガサツキや解像度の低下を生じ、またト
ナー流動性指数Gが、0.16A+1.2より小さい数
値の場合、トナーコート層が過剰に厚くなりトナーコー
トムラが発生しやすい。
【0049】トナー流動性指数Gの測定には下記に説明
する細川鉄工所製パウダーテスターPT−D型を用いて
測定する。図2におけるパウダーテスタ−振動台4の上
に60meshふるい1、100meshふるい2及び
200meshふるい3をセットしトナー5.0gを静
かに60meshふるい1にのせ、振幅0.2mm周波
数50Hzの振動する状態で15秒間振動する。
【0050】各ふるい上のトナー重量を測定し以下の式
でトナー流動性指数Gを計算する。
【0051】
【外1】
【0052】本発明においてトナー坦持体上の単位面積
当りのトナー層の電荷量及びトナー層の重量はいわゆる
吸引式ファラデーゲージ法を使用して求めた。この吸引
式ファラデーゲージ法は、その外筒をトナー坦持体に押
しつけて坦持体上の一定面積上のすべてのトナーを吸引
し、内筒のフィルターに採集してフィルターの重量増加
分よりトナー坦持体上の単位面積当りのトナー層の重量
を計算することができる。それと同時に外部から静電的
にシールドされた内筒に蓄積された電荷量を測定するこ
とによってトナー坦持体上の単位面積当りの電荷量を求
めることができる方法である。
【0053】トナー粒度分布は種々の方法によって測定
できるが本発明においては以下の方法を用いて行った。
【0054】すなわち、測定装置としてはコールターカ
ウンターTA−2型(コールター社製)を用い、個数分
布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)
及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を
接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%Na
Cl水溶液を調整する。測定法としては前記電解水溶液
100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ま
しくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml
加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸
濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を
行い、前記コールターカウンターTA−II型により、
アパチャーとして100μアパチャーを用いて、個数を
基準として2〜40μの粒度分布を測定して、それから
本発明に係るところの値を求めた。
【0055】本発明において、細線再現性は次に示すよ
うな方法によって測定を行った。すなわち、正確に幅1
00μmとした細線のオリジナル原稿を、適正なる複写
条件でコピーした画像を測定用サンプルとし、測定装置
として、ルーゼックス450粒子アナライザーを用い
て、拡大したモニター画像からインジケーターによって
線幅の測定を行う。このとき、線幅の測定位置はトナー
の細線画像の幅方向に凹凸があるため、凹凸の平均的線
幅をもって測定点とする。これにより、細線再現性の値
(%)は、下記式によって算出する。
【0056】
【外2】
【0057】本発明において、解像力の測定は次の方法
によって行った。すなわち、線幅および間隔の等しい5
本の細線よりなるパターンで、1mmの間に2.8,
3.2,3.6,4.0,4.5,5.0,5.6,
6.3,7.1,8.0,9.0,10.0本あるよう
に描かれているオリジナル画像をつくる。この12種類
の線画像を有するオリジナル原稿を適正なる複写条件で
コピーした画像を拡大鏡にて観察し、細線間が明確に分
離している画像の本数(本/mm)をもって解像力の値
とする。
【0058】この数字が大きいほど、解像力が高いこと
を示す。
【0059】本発明に用いる磁性酸化鉄は、硫酸鉄(F
eSO4)を苛性ソーダ(NaOH)で中和しFe(O
H)2を得、アルカリ調整によりPH12〜13にした
後蒸気と空気により酸化しマグネタイトのスラリーを得
る。次の乾燥工程を温風乾燥器を用い乾燥温度、乾燥時
間をコントロールすることにより磁性酸化鉄中のFeO
をコントロールすることができる。乾燥終了後解砕しマ
グネタイト粉体を得る。
【0060】ここで磁性酸化鉄中のFeOの測定は下記
の手順による。
【0061】磁性酸化鉄1.0gを500mlのビーカ
ーに入れ脱イオン水50mlを加え、さらに特級硫酸2
0mlを添加し磁性酸化鉄を完全に溶解させる。
【0062】次に脱イオン水100ml加え、さらにM
nSo4、H2So4およびH3Po(モル比0.3:
2.0:2.0)から成るMnSo混液10mlを加
えて合計180mlとした後10mlを採取し0.1N
のKMnO4溶液にて滴定する。そして、次式により磁
性酸化鉄1.0g中に含まれるFeO(%)を求める
【0063】
【外3】
【0064】本発明の磁性トナーの結着樹脂としては、
スチレン及びその置換体の共重合体;スチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重
合体、スチレン−アクリル酸nーブチル共重合体等のス
チレンとアクリル酸エステルとの共重合体;スチレン−
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクルリ酸
エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸n−ブチル共
重合体等のスチレンとメタクリル酸エステルとの共重合
体;スチレンとアクリル酸エステル及びメタクリル酸エ
ステルとの多元共重合体;その他スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ビニ
ルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル
−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共
重合体等のスチレンと他のビニル系モノマーとのスチレ
ン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチル
メタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリ
アミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリア
クリル酸、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素
樹脂、石油樹脂、塩素化パラフィン、等が単独または混
合して使用出来る。
【0065】本発明においては、必要に応じて荷電制御
剤を使用することもでき、従来公知の負あるいは正の荷
電制御剤が用いられる。
【0066】今日、当該技術分野で知られている荷電制
御剤としては、以下のものがあげられる。
【0067】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0068】例えば有機金属錯体;キレート化合物が有
効で前述した様なモノアゾ金属錯体;アセチルアセトン
金属錯体;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイ
カルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイド
ロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカンボン酸及び
その金属塩、無水物、エステル類;ビスフエノール等の
フェノール誘導体類がある。
【0069】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0070】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1ーヒドロキシ
−4ーナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタン
グステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリ
ブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フエリ
シアン化物、フェロシアン化物など高級脂肪酸の金属
塩);ジブチルスズオキサイド、シオクチルスズオキサ
イド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガ
ノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチル
スズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジ
オルガノスズボレートがある。これらを単独であるいは
2種類以上組合せて用いることができる。これらの中で
も、ニグロシン系、四級アンモニウム塩の如き荷電制御
剤が特に好ましく用いられる。
【0071】本発明の磁性トナーに於いては、帯電安定
性、現像性、流動性、耐久性向上の為、シリカ微粉末を
添加することが好ましい。
【0072】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g
以上(特に50〜400m2/g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ
微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量
部使用するのが良い。
【0073】又本発明に用いられるシリカ微粉末は、必
要に応じ、疎水化、帯電性コントロールなどの目的でシ
リコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコー
ンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリ
ング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他
の有機ケイ素化合物等の処理剤で、あるいは種々の処理
剤で併用して処理されていることも好ましい。
【0074】他の添加剤としては、例えば酸化セリウ
ム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、
中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。あるいは例
えば酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、
中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止
剤、あるいは例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化
アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤、また逆極性の
白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用
いることもできる。
【0075】また、熱ロール定着時の離型性を良くする
目的で低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワック
ス状物質をバインダー樹脂100重量%に対し0.5乃
至10重量%程度をトナーに加えることも本発明の好ま
しい形態の1つである。
【0076】さらに本発明の磁性トナーは、二成分系現
像剤として用いる場合にはキャリヤー粉と混合して用い
られる。この場合には、トナーとキャリヤー粉との混合
比はトナー濃度として0.1乃至50重量%、好ましく
は0.5乃至10重量%、さらに好ましくは3乃至5重
量%が良い。
【0077】本発明に使用しうるキャリヤーとしては、
公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェ
ライト粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラス
ビーズ等及びこれらの表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹
脂あるいはシリコン系樹脂等で処理したものなどがあげ
られる。
【0078】本発明の磁性トナー中には、鉄、コバル
ト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミ
ニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステ
ン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物等
の磁性材料を併用してもよい。
【0079】これらの強磁性体は平均粒子が0.1乃至
2μm、好ましくは0.1乃至0.5μm程度のものが
好ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分1
00重量部に対し約20乃至200重量部、特に好まし
くは樹脂成分100重量部に対し40乃至150重量部
が良い。
【0080】また、10KOe印加での磁気特性は、抗
磁力20乃至150Oe、飽和磁化50乃至200em
u/g、残留磁化2乃至20emu/gのものが良い。
【0081】本発明の磁性トナーに使用し得る着色剤と
しては任意の適当な顔料または染料があげられる。トナ
ー着色剤は周知であって、例えば顔料としてカーボンブ
ラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフ
トールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、
アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、
インダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光
学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂1
00重量部に対し0.1乃至20重量部、好ましくは2
乃至10重量部の添加量が良い。
【0082】また同様の目的で、さらに染料が用いられ
る。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサン
テン系染料、メチン系染料等があり樹脂100重量部に
対し、0.1乃至20重量部、好ましくは0.3乃至3
重量部の添加量が良い。
【0083】本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製
するには結着樹脂、金属塩ないしは金属錯体、着色材と
しての顔料、又は染料、磁性体、必要に応じて荷電制御
剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミ
ル等の混合機により充分混合してから加熱ロール、ニー
ダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、
捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属
化合物顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却
固化後粉砕及び分級を行って本発明に係るところのトナ
ーを得ることが出来る。
【0084】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分混合し本発明に係る静
電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0085】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0086】まず、本発明に使用される磁性酸化鉄の製
造例を示す。
【0087】製造例1 4lの三口フラスコ中で、0.8mol/lのFeSO
4水溶液0.5lと、0.85mol/lの苛性ソーダ
水溶液1lとを混合した系に、蒸気と酸素とを吹き込み
ながら、およそ70℃にて酸化する。得られた黒色粉を
濾過、水洗して、乾燥温度130℃で10分間保持した
後(初期乾燥条件)さらに乾燥温度80℃で2時間乾燥
し(後期乾燥条件)FeOを26.1重量%含有する磁
性酸化鉄粉を得た。
【0088】製造例2 製造例1において初期乾燥条件130℃、10分間保持
を120℃、15分間保持とし、後期乾燥条件80℃、
2時間とすることを除いては製造例1と同様に行なった
ところ、FeOを25.4重量%含有する磁性酸化鉄粉
を得た。
【0089】製造例3 製造例1において乾燥条件を65℃、15時間とするこ
とを除いては製造例1と同様に行なったところ、FeO
を28.1重量%含有する磁性酸化鉄粉を得た。
【0090】製造例4 製造例1において乾燥条件を70℃、10時間とするこ
とを除いては製造例1と同様に行なったところ、FeO
を27.2重量%含有する磁性酸化鉄粉を得た。
【0091】比較製造例1 製造例1において乾燥条件を130℃、1.5時間とす
ることを除いては製造例1と同様に行なったところ、F
eOを23.0重量%含有する磁性酸化鉄粉を得た。
【0092】比較製造例2 製造例1において乾燥条件を75℃、18時間とし、更
に50℃、50時間放置後、更にH2雰囲気下に15時
間放置することを除いては製造例1と同様に行なったと
ころ、FeOを30.5重量%含有する磁性酸化鉄粉を
得た。
【0093】以上の各製造例の乾燥条件及びFeO含有
量を表1にまとめて示した。
【0094】
【表1】
【0095】(実施例1)スチレン−ブチルアクリレー
ト−マレイン酸モノブチル−ジビニルベンゼン 共重合体(Mw=30万) 100部 製造例1の磁性酸化鉄 80部 負荷電性帯電制御剤 2部 低分子量ポリプロピレン 3部
【0096】上記材料をブレンダーでよく混合した後、
150℃に設定した2軸混練押出機にて混練した。
【0097】得られた混練物を冷却しカッターミルにて
粗粉砕した後ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微
粉砕し得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級し
て分級粉を生成した。さらに、生成した分級粉をコアン
ダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボ
ジェット分級機)で超微粉及び粗粉を同時に分級除去し
て体積平均粒径8.21μmの黒色微粉体A(磁性トナ
ーA)を得た。
【0098】この磁性トナーAの個数分布の変動係数は
27.7であった。
【0099】変動係数とは、平均値からのばらつき具合
を示した値であり、本発明の磁性トナーの特徴とすると
ころであるので、本発明においては、以下の通り分級条
件等を調節しより厳密に分級することで、所望とすると
ころの粒度分布を有する磁性トナーを得ることができ
た。すなわち、変動係数は、ばらつきを示す尺度で、小
さければシャープ、大きければブロードという意味では
あるが、粒径に応じたばらつき具合までをも含む尺度で
ある。従って単に微粉、粗粉を分級除去すればよいとい
うものではなく、微粉砕品の粒度分布を求め、そのピー
ク値、超微粉〜微粉、ピーク値〜粗粉の含有量を参考に
し、分級条件(エルボジェットではエッジ距離、差圧等
の設定)を調整し、慎重に分級することにより、トナー
を得る。
【0100】得られた磁性トナーAを100μのアパー
チャーを具備するコールターカウンターTA−II型を
用いて測定した粒度分布のデータを表2に示す。
【0101】該磁性トナーA100部に負荷電性疎水性
乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部
を加えヘンシェルミキサーで混合した。
【0102】この磁性トナーを市販の複写機キヤノン社
製NP−8580に適用して低温、低湿(15℃、10
%RH)の環境条件下にて、画出しを行なった。画出し
試験結果を表3に示す。
【0103】表3から明らかなように、初期画像100
00枚耐久画像共に、画像濃度が高く、鮮明で再線再現
性、解像性に優れた高品質なものであった。
【0104】また、磁性トナーの流動性指数も良好な状
況であり、スリーブ上帯電量、スリーブ上トナーコート
量も初期及び10000枚耐久後も安定していた。
【0105】(実施例2)分級条件を変えた以外は、実
施例1と同様の材料を実施例1と同様にして表2に示す
粒度分布を有する黒色微粉体B(磁性トナーB)を得
た。
【0106】得られた磁性トナーB100部に負荷電性
疎水性乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)
0.6部を加えヘンシェルミキサーで混合し実施例1と
同様な評価を行なった。
【0107】その結果は、表3から明らかなように、初
期画像10000枚耐久画像共に、画像濃度が高く鮮明
で、再線再現性、解像性に優れた高品質なものであっ
た。
【0108】また、磁性トナーの流動性指数も良好な状
況であり、スリーブ上帯電量、スリーブ上トナーコート
量も初期及び10000枚耐久後も安定していた。
【0109】(実施例3)分級条件を変えた以外は、実
施例1と同様の材料を実施例1と同様にして表2に示す
粒度分布を有する黒色徴粉体C(磁性トナーC)を得
た。
【0110】該磁性トナーC100部に負荷電性疎水性
乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1と同様
な評価を行なった。
【0111】その結果は表3から明らかなように、初期
画像10000枚耐久画像共に、画像濃度が高く鮮明
で、再線再現性、解像性に優れた高品質なものであっ
た。
【0112】また、磁性トナーの流動性指数も良好な状
況であり、スリーブ上帯電量、スリーブ上トナーコート
量も初期及び10000枚耐久後も安定していた。
【0113】(実施例4)スチレン−ブチルアクリレー
ト−ジビニルベンゼン共重合体(Mw=35万)100
部 製造例2の磁性酸化鉄 80部 負荷電性帯電制御剤 2部 低分子量ポリプロピレン 3部
【0114】上記材料を実施例1と同様にして表2に示
す粒度分布を有する黒色微粉体D(磁性トナーD)を得
た。
【0115】該磁性トナーD100部に負荷電性疎水性
乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1と同様
な評価を行なった。
【0116】その結果は表3から明らかなように、初期
画像10000枚耐久画像共に、画像濃度が高く鮮明
で、再線再現性、解像性に優れた高品質なものであっ
た。
【0117】また、磁性トナーの流動性指数も良好な状
況であり、スリーブ上帯電量、スリーブ上トナーコート
量も初期及び10000枚耐久後も安定していた。
【0118】(実施例5) ポリエステル系樹脂(Mw=6万) 100部 製造例3の磁性酸化鉄 80部 負荷電性帯電制御剤 2部 低分子量ポリプロピレン 3部
【0119】上記材料を実施例1と同様にして表2に示
す粒度分布を有する黒色微粉体E(磁性トナーE)を得
た。
【0120】該磁性トナーE100部に負荷電性疎水性
乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1と同様
な評価を行なった。
【0121】その結果は表3から明らかなように、初期
画像10000枚耐久画像共に、画像濃度が高く鮮明
で、再線再現性、解像性に優れた高品質なものであっ
た。
【0122】また、磁性トナーの流動性指数も良好な状
況であり、スリーブ上帯電量、スリーブ上トナーコート
量も初期及び10000枚耐久後も安定していた。
【0123】(実施例6)スチレン−ブチルアクリレー
ト−マレイン酸モノブチル−ジビニルベンゼン共重合体
(Mw=30万) 80部 ポリエステル系樹脂(Mw=6万) 20部 製造例4の磁性酸化鉄 80部 負荷電性帯電制御剤 2部 低分子量ポリプロピレン 3部
【0124】上記材料を実施例1と同様にして表2に示
す粒度分布を有する黒色微粉体F(磁性トナーF)を得
た。
【0125】該磁性トナーF100部に負荷電性疎水性
乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1と同様
な評価を行なった。
【0126】その結果は表3から明らかなように、初期
画像10000枚耐久画像共に、画像濃度が高く鮮明
で、再線再現性、解像性に優れた高品質なものであっ
た。
【0127】また、磁性トナーの流動性指数も良好な状
況であり、スリーブ上帯電量、スリーブ上トナーコート
量も初期及び10000枚耐久後も安定していた。
【0128】比較例1 スチレン−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル
−ジビニルベンゼン共重合体(Mw30万) 100部 製造例1の磁性酸化鉄 80部 負荷電性帯電制御剤 2部 低分子量ポリプロピレン 3部
【0129】上記材料を実施例1と同様にして表2に示
す粒度分布を有する黒色微粉体G(磁性トナーG)を得
た。
【0130】該磁性トナー100部に負荷電性疎水性乾
式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部を
加え、ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1と同様な
評価を行なった。
【0131】その結果は表3から明らかなように、初期
画像は良好であったが耐久中にトナーの機内飛散によっ
て細線再現性、解像性が低下し、画質が劣化し、またス
リーブコートムラが発生した。
【0132】比較例2 スチレン−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル
−ジビニルベンゼン共重合体(Mw=30万) 100
部 製造例1の磁性酸化鉄 80部 負荷電性帯電制御剤 2部 低分子量ポリプロピレン 3部
【0133】上記材料を実施例1と同様にして表1に示
す粒度分布を有する黒色微粉体H(磁性トナーH)を得
た。
【0134】該磁性トナーH100部に負荷電性疎水性
乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1と同様
な評価を行なった。
【0135】その結果は表3から明らかなように、初期
画像は良好であったが耐久中に濃度低下が発生し、スリ
ーブ上の穂立ち状態が乱れ、細線再現性解像性が低下し
た。
【0136】比較例3 スチレン−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル
−ジビニルベンゼン共重合体(Mw=30万) 100
部 比較製造例1の磁性酸化鉄 80部 負荷電性帯電制御剤 2部 低分子量ポリプロピレン 3部
【0137】上記材料を実施例1と同様にして表2に示
す粒度分布を有する黒色微粉体I(磁性トナーI)を得
た。
【0138】該磁性トナーI100部に負荷電性疎水性
乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1と同様
な評価を行なった。
【0139】その結果は表3から明らかなように、初期
画像は良好であったが耐久中にスリーブ上帯電量の過剰
な上昇が発生し、画像濃度が低下し、細線再現性解像性
も低下した。
【0140】比較例4 スチレンーブチルアクリレートーマレイン酸モノブチル
ージビニルベンゼン共重合体(Mw=30万)100部 比較製造例2の磁性酸化鉄 80部 負荷電性帯電制御剤 2部 低分子量ポリプロピレン 3部 上記材料を実施例1と同様にして表2に示す粒度分布を
有する黒色微粉体J(磁性トナーJ)を得た。
【0141】該磁性トナーJ100部に負荷電性疎水性
乾式シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、実施例1と同様
な評価を行なった。
【0142】その結果は表3から明らかなように、初期
画像は良好であったが流動性指数が3.3と低いため耐
久中にトナー機内飛散によって、細線再現性、解像性が
低下した。
【0143】図3に、実施例1乃至6及び比較例1乃至
4の磁性トナーの変動係数と流動性指数との関係を示
す。
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用磁性トナーによ
れば、トナーを小粒径化させた際の弊害であるトナーの
チャージアップや凝集性の上昇を防止し特に高速機への
適用に際して良好なトナー凝集性を保持し画像濃度が高
く、細線再現性、階調性に優れ帯電量の安定した磁性ト
ナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性トナーと比較用磁性トナーの帯電
量分布を示す図である。
【図2】トナー流動性測定に用いる測定装置を示す概略
図を示す。
【図3】本発明の磁性トナーと比較用磁性トナーの変動
係数と流動性指数の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城 嘉宣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 明石 恭尚 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 内山 正喜 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/083

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を含
    有する静電荷像現像用磁性トナーにおいて、該磁性酸化
    鉄のFeO含有量が25乃至30重量%であり、該磁性
    トナーの体積平均粒径が7乃至10μmであり、かつ該
    磁性トナーの流動性指数が下記一般式 0.16A+1.2≦G≦0.09A+16.65 (式中、Aは、個数分布の変動係数(S/D1×10
    0)であり、25乃至45の正数を示し、Sは、磁性ト
    ナーの個数分布の標準偏差を示し、D1は、個数平均粒
    径(μm)を示し;Gは、磁性トナーの流動性指数を示
    す。)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用磁性ト
    ナー。
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