JP2898782B2 - フレキシブルプリント回路基板用樹脂組成物 - Google Patents

フレキシブルプリント回路基板用樹脂組成物

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JP2898782B2
JP2898782B2 JP12322191A JP12322191A JP2898782B2 JP 2898782 B2 JP2898782 B2 JP 2898782B2 JP 12322191 A JP12322191 A JP 12322191A JP 12322191 A JP12322191 A JP 12322191A JP 2898782 B2 JP2898782 B2 JP 2898782B2
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卓哉 栃本
俊夫 中尾
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレキシブルプリント
回路基板用樹脂組成物に関するものであり、さらに詳し
くは、接着剤層を有しない耐熱性に優れた、特に両面フ
レキシブルプリント回路基板用に有効なポリイミド系樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子・電気工業の発展に伴い、通
信用、民生用機器の実装方式の簡略化、小型化、高信頼
性が要求され、プリント回路基板の使用が望まれてい
る。特に軽量で立体的に実装できるフレキシブルプリン
ト回路板の使用が有利であり、注目されている。
【0003】さらに、最近では多層構造を有するフレキ
シブルプリント回路基板の使用が強く望まれている。従
来、ポリイミド樹脂を用いた2層フレキシブルプリント
回路基板を製造するには、銅箔上にポリアミック酸のワ
ニスを塗布し、これを乾燥、硬化させる方法が一般的に
用いられている。しかしながら、これらのポリアミック
酸を両面フレキシブルプリント回路基板に用いた場合、
乾燥条件が穏やかな場合、銅箔を貼り合わせたときに、
イミド化の際に生成する縮合水などにより、銅箔上に、
膨れ、しわなどを生じ、反対に、乾燥条件が強すぎると
十分な接着力が得られないという欠点があった。また、
熱可塑性のポリイミドを用いた例もいくつか報告されて
いるが、接着力、耐熱性の面でまだ十分とは言えなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、しかも銅箔との接着力に優れたポリイミド樹脂組成
物からなるフレキシブルプリント回路基板、特に両面銅
張基板を得ようとして研究した結果得られたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物(以下BPDAと略す)とベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下BTDAと
略す)とのモル比(BPDA:BTDA)が80:20
〜60:40である芳香族カルボン酸二無水物成分と、
p−フェニレンジアミン(以下PPDと略す)と1,3
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下APB
と略す)とのモル比(PPD:APB)が85:15〜
65:35である芳香族ジアミン成分との重合体からな
り、酸二無水物成分とジアミン成分との仕込み比が0.
90〜1.10であるフレキシブルプリント回路基板用
樹脂組成物に関するものである。
【0006】さらに、本発明は、酸成分の10モル%以
内が無水フタル酸及び/またはアミン成分の10モル%
以内がアニリンのような一官能性の酸無水物及び/また
はアミンである樹脂組成物に関するものである。
【0007】
【作用】本発明において用いられるポリアミック酸は、
N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、
ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、クレゾール等の溶媒中で、BPDA、BTD
A、PPD、APBを室温で攪拌することにより得るこ
とができる。また、上記溶媒中に、エタノール、メチル
エチルケトン、メチルセロソルブ等の低沸点溶媒を20
〜30重量%添加して使用することも可能である。
【0008】本発明で用いられるポリアミック酸中のB
PDAとBTDAのモル比は、80:20〜60:40
が好ましく、特に好ましくは、75:25〜65:35
である。BTDAの量が40モル%を越えると生成する
ポリイミドフィルムの溶解性が低下し、同様に20モル
%以下では銅箔への密着性が低下する。また、PPDと
APBのモル比は、65:35〜85:15が好まし
く、特に好ましくは、70:30〜80:20である。
PPDの量が70モル%以下では生成するポリイミドフ
ィルムの熱膨張係数が大きく、同様に、80モル%以上
では接着力が低下する。硬い骨格(BPDAやPPD)
と軟らかい骨格(BTDAやAPB)とからなる共重合
体では分子の動き易さ、即ち易動度(鎖末端間長分散比
で表わされる)は、仕込み比により大きく変化し、上述
のようなモル比の範囲で易動度の最適値を取ることがで
き、接着性、寸法安定性に優れたポリイミドフィルムが
得られる。上記4成分は、本発明のフレキシブルプリン
ト回路基板用樹脂には不可欠なものであるが、他の芳香
族テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミンをそれぞ
れ5モル%以下の量であれば添加可能である。
【0009】本発明で用いられる一官能性の酸無水物で
ある無水フタル酸、または、一官能性のアミンであるア
ニリンの添加量は、10モル%以下が好ましい。これら
一官能性のモノマーを添加することにより生成するポリ
アミック酸の分子量がコントロールでき銅箔との密着性
が向上する。添加量が10モル%を越えると生成するポ
リアミック酸の分子量が小さくなりフィルムの機械的性
質が低下する。
【0010】本発明の樹脂組成物は、貼り合わせる銅箔
の一方あるいは両方へ塗布し、樹脂を塗布した面を合わ
せてこれらを貼り合わせることによって両面フレキシブ
ルプリント基板を得ることができる。
【0011】銅箔に塗布した樹脂組成物の乾燥温度は、
通常80〜250℃であり、溶剤を除去後、2枚の銅箔
を貼り合わせ、300〜380℃の範囲で3〜10分
間、加熱・加圧硬化させるか、上記温度以下で加圧、圧
着後、300〜380℃の範囲で3〜10分間加熱する
ことによって、両面フレキシブルプリント基板を得るこ
とができる。
【0012】
【実施例】(実施例1)攪拌機、温度計、窒素導入管、
水分定量器を備えた4ッ口フラスコへ、PPD81.1
g(0.75mol)、APB73.1g(0.25m
ol)を加え、N−メチル−2−ピロリドンを1000
g添加し、溶解した。さらに、BPDA205.9g
(0.70mol)、BTDA96.3g(0.30m
ol)、N−メチル−2−ピロリドン810g、エタノ
ール776gを添加し、窒素気流下、室温で4時間で反
応し、ポリアミック酸の溶液を得た。
【0013】(実施例2)攪拌機、温度計、窒素導入
管、水分定量器を備えた4ッ口フラスコへ、PPD8
6.5g(0.80mol)、APB58.5g
(0.20mol)を加え、N−メチル−2−ピロリド
ンを1000g添加し、溶解した。さらに、BPDA2
05.9g(0.70mol)、BTDA96.3g
(0.30mol)、無水フタル酸7.4g(0.05
mol)、N−メチル−2−ピロリドン803g、エタ
ノール773gを添加し、窒素気流下、室温で4時間で
反応し、ポリアミック酸の溶液を得た。
【0014】(比較例1)攪拌機、温度計、窒素導入
管、水分定量器を備えた4ッ口フラスコへ、PPD9
7.3g(0.90mol)、APB29.2g(0.
10mol)を加え、N−メチル−2−ピロリドンを9
00g添加し、溶解した。さらに、BPDA264.8
g(0.90mol)、BTDA32.2g(0.10
mol)、N−メチル−2−ピロリドン780g、エタ
ノール720gを添加、窒素気流下、室温で4時間で反
応し、ポリアミック酸の溶液を得た。
【0015】(比較例2)攪拌機、温度計、窒素導入
管、水分定量器を備えた4ッ口フラスコへ、PPD8
1.1g(0.75mol)、APB73.1g(0.
25mol)を加え、N−メチル−2−ピロリドンを1
000g添加し、溶解した。さらにBPDA147.1
g(0.50mol)、BTDA161.1g(0.5
0mol)、無水フタル酸22.2g(0.15mo
l)、N−メチル−2−ピロリドン922g、エタノー
ル824gを添加し、窒素気流下、室温で4時間で反応
し、ポリアミック酸の溶液を得た。
【0016】以上、実施例1、2および比較例1、2で
合成した樹脂溶液を乾燥後の厚みが、25μmになるよ
うに、厚さ35μmの銅箔上へ流延塗布した後、乾燥機
に入れて100℃で1時間、220℃で1時間乾燥させ
た。次に、樹脂を塗布した面に別の銅箔を重ね合わせ、
温度350℃、圧力50kg/cmで5分間プレス
し、両面フレキシブル基板を得た。比較例2で合成した
樹脂溶液は、銅箔へ塗布乾燥したがフィルムとすること
ができなかった。得られた両面フレキシブル基板を評価
した結果を第1表に示す。実施例1および2の樹脂組成
物を用いた両面フレキシブル基板は、比較例1と較べ、
ピール強度、熱膨張係数のバランスのとれた性能を示し
た。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明により、耐熱性に優れ、接着力と
熱膨張係数のバランスに優れた両面フレキシブルプリン
ト回路基板用樹脂組成物を得ることが可能となった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
    (以下BPDAと略す)とベンゾフェノンテトラカルボ
    ン酸二無水物(以下BTDAと略す)とのモル比(BP
    DA:BTDA)が80:20〜60:40である芳香
    族カルボン酸二無水物成分と、p−フェニレンジアミン
    (以下PPDと略す)と1,3−ビス(3−アミノフェ
    ノキシ)ベンゼン(以下APBと略す)とのモル比(P
    PD:APB)が85:15〜65:35である芳香族
    ジアミン成分との重合体からなり、酸二無水物成分とジ
    アミン成分との仕込み比が0.90〜1.10であるフ
    レキシブルプリント回路基板用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 酸成分の10モル%以内及び/またはア
    ミン成分の10モル%以内の割合で一官能性の酸無水物
    及び/またはアミンが添加された請求項1記載の樹脂組
    成物。
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