JP2898414B2 - 抽苔抑制剤および抽苔抑制方法 - Google Patents
抽苔抑制剤および抽苔抑制方法Info
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Description
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は植物の抽苔抑制剤として
有用である天然型アブシジン酸に関するものである。更
に詳しくは麦・野菜・球根類などの低温による抽苔を抑
制する、抽苔抑制剤および抽苔抑制方法に関するもので
ある。
有用である天然型アブシジン酸に関するものである。更
に詳しくは麦・野菜・球根類などの低温による抽苔を抑
制する、抽苔抑制剤および抽苔抑制方法に関するもので
ある。
【0003】
【従来の技術】低温は植物の抽苔を制御する主要な環境
要因の1つであり、低温に晒されることによって、その
後の高温により抽苔が促進される植物が数多く知られて
いる。この様な低温による抽苔の促進は春化と呼ばれて
いる。例えばコムギ・オオムギ・ライムギなどのムギ
類、エンドウなどの豆類、ダイコン・ホウレンソウ・ニ
ンジン・カブなどの野菜類、ユリ・フリージア・アイリ
スなどの花卉類など多くの植物にこの現象が見られる。
要因の1つであり、低温に晒されることによって、その
後の高温により抽苔が促進される植物が数多く知られて
いる。この様な低温による抽苔の促進は春化と呼ばれて
いる。例えばコムギ・オオムギ・ライムギなどのムギ
類、エンドウなどの豆類、ダイコン・ホウレンソウ・ニ
ンジン・カブなどの野菜類、ユリ・フリージア・アイリ
スなどの花卉類など多くの植物にこの現象が見られる。
【0004】抽苔の抑制が有用となるのは、例えば、根
菜類、葉菜類などの野菜が挙げられる。ダイコン・カブ
などの根菜類、ホウレンソウ・ハクサイなどの葉菜類で
は、根あるいは葉などの栄養器官を食用とするので、抽
苔などの生殖生長は、一般にこれらの野菜の品質を著し
く劣化させる。例えば、ダイコンは生育初期に低温にあ
うと抽苔が促進される。したがって低温期に種子をまく
春まきダイコンの栽培では、しばしば収穫前に抽苔を起
こし、品質劣化のために収穫ができないことがある。ダ
イコンのほかに、ハクサイ・カブなど多くのアブラナ科
の野菜やホウレンソウなどにも同様の現象がみられる。
また、サトウダイコンでは抽苔により糖含量が減少す
る。
菜類、葉菜類などの野菜が挙げられる。ダイコン・カブ
などの根菜類、ホウレンソウ・ハクサイなどの葉菜類で
は、根あるいは葉などの栄養器官を食用とするので、抽
苔などの生殖生長は、一般にこれらの野菜の品質を著し
く劣化させる。例えば、ダイコンは生育初期に低温にあ
うと抽苔が促進される。したがって低温期に種子をまく
春まきダイコンの栽培では、しばしば収穫前に抽苔を起
こし、品質劣化のために収穫ができないことがある。ダ
イコンのほかに、ハクサイ・カブなど多くのアブラナ科
の野菜やホウレンソウなどにも同様の現象がみられる。
また、サトウダイコンでは抽苔により糖含量が減少す
る。
【0005】この様な作物の栽培において、抽苔を回避
する方法として、従来から抽苔の遅い品種を選んだり、
トンネル、マルチなどを利用して低温を防ぐ処理をする
などの方法が用いられている。又、薬剤による抽苔抑制
に関しても多くの研究がなされ、マレイン酸ヒドラジド
による抽苔抑制が検討されたが、現在実用的に用いられ
ている薬剤はほとんどない。
する方法として、従来から抽苔の遅い品種を選んだり、
トンネル、マルチなどを利用して低温を防ぐ処理をする
などの方法が用いられている。又、薬剤による抽苔抑制
に関しても多くの研究がなされ、マレイン酸ヒドラジド
による抽苔抑制が検討されたが、現在実用的に用いられ
ている薬剤はほとんどない。
【0006】一方、アブシジン酸は、バラ切花保存剤と
して用いることが知られている(特開平2−10860
1号公報)が、抽苔抑制作用を有していることについて
は知られていない。
して用いることが知られている(特開平2−10860
1号公報)が、抽苔抑制作用を有していることについて
は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】抽苔を抑制する従来の
方法では様々な問題がありいずれも満足すべきものとは
言えず、新たな抑制方法の開発が切望されている。
方法では様々な問題がありいずれも満足すべきものとは
言えず、新たな抑制方法の開発が切望されている。
【0008】育種による改良は、作物によっては改良が
困難な場合があり、また、野菜などで作出された晩抽性
品種においても、完全に抽苔が抑制されることはなく、
やはり低温によって抽苔が促進される場合がほとんどで
ある。
困難な場合があり、また、野菜などで作出された晩抽性
品種においても、完全に抽苔が抑制されることはなく、
やはり低温によって抽苔が促進される場合がほとんどで
ある。
【0009】栽培環境を物理的に制御する方法は、施設
や温度管理に要する経済的な負担が大きい。野菜栽培で
は、トンネル、マルチのような簡便な施設により抽苔の
抑制が図られる場合もあるが、天候に左右されやすく抽
苔抑制が不完全な場合もしばしばみられる。
や温度管理に要する経済的な負担が大きい。野菜栽培で
は、トンネル、マルチのような簡便な施設により抽苔の
抑制が図られる場合もあるが、天候に左右されやすく抽
苔抑制が不完全な場合もしばしばみられる。
【0010】これらの課題に対し抽苔をより効果的に抑
制するためには、薬剤の使用あるいは従来の方法と薬剤
使用とを併用することが望まれる。例えば、低温時に薬
剤を処理することによって抽苔を抑制、遅延させること
ができれば、野菜では品質の向上・安定ならびに作期・
作域の拡大が可能となり、サトウダイコンでは増収(増
糖)が期待できる。
制するためには、薬剤の使用あるいは従来の方法と薬剤
使用とを併用することが望まれる。例えば、低温時に薬
剤を処理することによって抽苔を抑制、遅延させること
ができれば、野菜では品質の向上・安定ならびに作期・
作域の拡大が可能となり、サトウダイコンでは増収(増
糖)が期待できる。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は天然型アブ
シジン酸[(+)ー2ーシスー4ートランスーアブシジン酸]を種子又は
球根に処理することによって、あるいは植物体に散布す
ることによって、抽苔を抑制もしくは著しく遅延するこ
とを見出し、本発明を完成するにいたった。
シジン酸[(+)ー2ーシスー4ートランスーアブシジン酸]を種子又は
球根に処理することによって、あるいは植物体に散布す
ることによって、抽苔を抑制もしくは著しく遅延するこ
とを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0013】本発明は、天然型アブシジン酸を有効成分
として含有することを特徴とする植物の抽苔抑制剤、お
よび植物の春化処理時もしくは春化処理による花芽形成
時に天然型アブシジン酸を作用させることを特徴とする
植物の抽苔抑制方法である。
として含有することを特徴とする植物の抽苔抑制剤、お
よび植物の春化処理時もしくは春化処理による花芽形成
時に天然型アブシジン酸を作用させることを特徴とする
植物の抽苔抑制方法である。
【0014】本発明で使用する天然型アブシジン酸は、
任意の方法で製造可能であり、たとえば特開昭63−2
96697号公報、特開昭63−296696号公報記
載の方法により、工業的に製造することができる。
任意の方法で製造可能であり、たとえば特開昭63−2
96697号公報、特開昭63−296696号公報記
載の方法により、工業的に製造することができる。
【0015】本発明の抽苔抑制剤を製剤化するには慣用
される各種担体および各種の補助剤を有効成分に添加す
ることができ、液剤、水和剤、フロアブル剤などの形態
で使用することができる。本発明の抽苔抑制剤に使用さ
れる担体としてはクレー、タルク、ベントナイト、カオ
リン、珪藻土、シリカなどの固体担体あるいはベンゼ
ン、キシレン、トルエン、ケロシン、アルコール類(メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコールな
ど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン)、N−メチルピロリドンなどの液体担体
が使用される。これらに適当な界面活性剤やその他の補
助剤、たとえば安定剤、展着剤などを適量配合して製剤
化して使用できる。また、効果の安定化また助長のた
め、展着剤、湿展剤、分散剤、固着剤、崩壊剤などの農
薬補助剤類を併用することができる。
される各種担体および各種の補助剤を有効成分に添加す
ることができ、液剤、水和剤、フロアブル剤などの形態
で使用することができる。本発明の抽苔抑制剤に使用さ
れる担体としてはクレー、タルク、ベントナイト、カオ
リン、珪藻土、シリカなどの固体担体あるいはベンゼ
ン、キシレン、トルエン、ケロシン、アルコール類(メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコールな
ど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン)、N−メチルピロリドンなどの液体担体
が使用される。これらに適当な界面活性剤やその他の補
助剤、たとえば安定剤、展着剤などを適量配合して製剤
化して使用できる。また、効果の安定化また助長のた
め、展着剤、湿展剤、分散剤、固着剤、崩壊剤などの農
薬補助剤類を併用することができる。
【0016】これらを用いたいずれの製剤も、そのまま
単独で使用できることはもちろん、その他の活性成分す
なわち、殺虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤などと混和し
て使用することもできる。
単独で使用できることはもちろん、その他の活性成分す
なわち、殺虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤などと混和し
て使用することもできる。
【0017】本発明において天然型アブシジン酸を種子
に処理する場合の適用量は、その剤型、適用すべき植物
の種類、適用期間等に応じて適宜に決定できるものであ
り制限はないが、目安としては通常、アブシジン酸の濃
度として10〜1000ppm、好ましくは15〜25
0ppmになるよう水に希釈したものの中に種子や球根
等を浸漬処理するとともに低温処理を行う。このように
して浸漬処理した発芽種子や球根等を、開花に適した温
度と日長条件下で栽培した場合、抽苔が抑制され栄養生
長を続ける。また、種子や球根等をアブシジン酸の溶液
で処理しておけば、冬期間中の低温による自然な不可避
的な春化作用の進行を防ぐことができる。
に処理する場合の適用量は、その剤型、適用すべき植物
の種類、適用期間等に応じて適宜に決定できるものであ
り制限はないが、目安としては通常、アブシジン酸の濃
度として10〜1000ppm、好ましくは15〜25
0ppmになるよう水に希釈したものの中に種子や球根
等を浸漬処理するとともに低温処理を行う。このように
して浸漬処理した発芽種子や球根等を、開花に適した温
度と日長条件下で栽培した場合、抽苔が抑制され栄養生
長を続ける。また、種子や球根等をアブシジン酸の溶液
で処理しておけば、冬期間中の低温による自然な不可避
的な春化作用の進行を防ぐことができる。
【0018】次に、アブシジン酸を植物体に散布する場
合の使用濃度は、植物の種類や使用する時期により必ず
しも一定ではないが、50〜1000ppm、好ましく
は100〜500ppm液を、数回、植物体が低温にさ
らされている期間に適宜、好ましくは週1回散布する。
このような処理によって抽苔は著しく遅延される。
合の使用濃度は、植物の種類や使用する時期により必ず
しも一定ではないが、50〜1000ppm、好ましく
は100〜500ppm液を、数回、植物体が低温にさ
らされている期間に適宜、好ましくは週1回散布する。
このような処理によって抽苔は著しく遅延される。
【0019】本発明の抽苔抑制剤の適用作物は、特に限
定はないが、例えば、ダイコン、カブ、キャベツ、ホウ
レンソウなどの野菜類やサトウダイコンなどが挙げられ
る。
定はないが、例えば、ダイコン、カブ、キャベツ、ホウ
レンソウなどの野菜類やサトウダイコンなどが挙げられ
る。
【0020】以下に本発明を製剤例、実施例を挙げてさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではなく、ダイコン、ハツカダイコンで得られたアブ
シジン酸の効果は、これらの野菜だけではなく、ムギ類
・豆類・花卉類においても同様の効果を期待することが
できる。
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではなく、ダイコン、ハツカダイコンで得られたアブ
シジン酸の効果は、これらの野菜だけではなく、ムギ類
・豆類・花卉類においても同様の効果を期待することが
できる。
【0021】 (製剤例) (製剤例1) (液剤) 天然型アブシジン酸100mgを1mlのエチルアルコ
ールに溶かし、水を加えて100mlとし、1000p
pm液剤を得た。これに展着剤として新グラミンを0.
1%になるように加えた。 (製剤例2) (水和剤) 天然型アブシジン酸1g、キャリアー9gを均一に混合
粉砕し、天然型アブシジン酸10%が含まれる水和剤を
得た。 (製剤例3) (水和剤) 天然型アブシジン酸25%、ドデシルベンゼンスルホン
酸塩2.5%、リグニンスルホン酸塩2.5%及び珪藻
土70%を混合粉砕して水和剤とした。 (製剤例4) (乳剤) 天然型アブシジン酸15%、シクロヘキサノン35%、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル11%、ド
デシルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナ
フタリン35%を均一に溶解し乳剤とした。 (製剤例5) (粒剤) 天然型アブシジン酸5%、ラウリルアルコール硫酸エス
テルのナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウ
ム5%、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩2
%及びクレー86%を均一に混合し粉砕する。この混合
物100重量部に水20重量部を加えて練合し、押出式
造粒機を用いて、14〜32メッシュの粒状に加工した
後、乾燥して粒剤とした。 (製剤例6) (粉剤) 天然型アブシジン酸2%、珪藻土5%及びクレー93%
を均一に混合粉砕して粉剤とした。
ールに溶かし、水を加えて100mlとし、1000p
pm液剤を得た。これに展着剤として新グラミンを0.
1%になるように加えた。 (製剤例2) (水和剤) 天然型アブシジン酸1g、キャリアー9gを均一に混合
粉砕し、天然型アブシジン酸10%が含まれる水和剤を
得た。 (製剤例3) (水和剤) 天然型アブシジン酸25%、ドデシルベンゼンスルホン
酸塩2.5%、リグニンスルホン酸塩2.5%及び珪藻
土70%を混合粉砕して水和剤とした。 (製剤例4) (乳剤) 天然型アブシジン酸15%、シクロヘキサノン35%、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル11%、ド
デシルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナ
フタリン35%を均一に溶解し乳剤とした。 (製剤例5) (粒剤) 天然型アブシジン酸5%、ラウリルアルコール硫酸エス
テルのナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウ
ム5%、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩2
%及びクレー86%を均一に混合し粉砕する。この混合
物100重量部に水20重量部を加えて練合し、押出式
造粒機を用いて、14〜32メッシュの粒状に加工した
後、乾燥して粒剤とした。 (製剤例6) (粉剤) 天然型アブシジン酸2%、珪藻土5%及びクレー93%
を均一に混合粉砕して粉剤とした。
【0022】
(実施例1) ダイコンの種子浸漬処理による抽苔抑制効果(1)品種
夏みの早生3号の種子を暗所25℃で吸水処理し、吸水
開始より26時間目の催芽種子を直径5cmシャーレに
置床し50〜100ppmの天然型アブシジン酸溶液3
mlを入れ、暗所4℃で17日間、浸漬処理および低温
処理を行った。処理後、人工培土をつめた6×6cmプ
ラスチックポットに2個体づつ播種し、5月14日より
温室、自然日長条件下で栽培した。調査は抽苔の有無を
低温処理終了後42日目に行った。結果を表1に示す。
50ppm以上のアブシジン酸種子浸漬処理により抽苔
の顕著な抑制がみられ、100ppmでは完全に抑制さ
れた。 表1.ダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシジン酸の
影響 (実施例2)ダイコンの幼植物散布処理による抽苔抑制
効果(1)品種夏みの早生3号の種子を暗所28℃で吸
水処理し、催芽種子を人工培土をつめた6×6cmプラ
スチックポットに2個体づつ播種し、12時間明条件
(12,000 lux,22 ℃)−12時間暗条件(20℃)で栽培
した。吸水処理から11日目、第一葉展開時より8時間
明条件(3,000lux,8℃)−16時間暗条件(8 ℃)で2
0日間低温処理を行った。低温処理終了後5月8日より
温室、自然日長条件下で栽培した。アブシジン酸は天然
型アブシジン酸を用い、展着剤として新グラミンを終濃
度0. 1%になるように添加した。処理濃度は100お
よび250ppmでポット当り5mlを低温処理開始1
および8日目の2回茎葉散布した。調査は低温処理終了
後31日目に行った。結果を表2に示す。ダイコンの抽
苔はアブシジン酸散布処理により抑制された。 表2.ダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシジン酸の
影響 (実施例3)ハツカダイコンの幼植物散布処理による抽
苔抑制効果品種赤丸二十日ダイコンの未春化種子を人工
培土をつめた6×6cmプラスチックポットに2粒づつ
播種し、12時間明条件(12,000lux,24℃)−12時間
暗条件(20℃)で栽培した。播種7日目、子葉展開時よ
り8時間明条件(3,000lux,8℃)−16時間暗条件(8
℃)で20日間低温処理を行った。低温処理終了後5月
8日より温室、自然日長条件下で栽培した。アブシジン
酸は天然型アブシジン酸を用い、展着剤として新グラミ
ンを終濃度0.1%になるように添加した。処理濃度
は、100および250ppmでポット当り5mlを低
温処理開始1および8日目の2回茎葉散布した。播種後
14日目の抽苔率を調査した。結果を表3に示す。ハツ
カダイコンの抽苔は、アブシジン酸散布処理により抑制
された。 表3. ハツカダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシ
ジン酸の影響 (実施例4) ダイコンの種子浸漬処理による抽苔抑制効果(2) ダイコン4品種(冬どり大蔵、秋づまり大根、耐病宮
重、耐病総太り)の種子を暗所25℃で吸水処理し、吸
水開始より26時間目の催芽種子を直径5.5cmシャ
ーレに置床し、50ppmの天然型アブシジン酸溶液3
mlを入れ、暗所4℃で20日間浸漬処理および低温処
理を行った。処理後、人工培土をつめた6×6cmプラ
スチックポットに2個体ずつ播種し、14時間明条件
(12,000lux,22℃)−10時間暗条件(18℃)のファイ
トトロンで栽培した。低温処理終了後24日目の抽苔率
を表4に示す。供試した総ての品種において、顕著な抽
苔の抑制が見られた。 表4.ダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシジン酸の
影響 (実施例5) ダイコンの幼植物散布処理による抽苔抑制効果(2) ダイコン4品種(冬どり大蔵、秋づまり大根、和歌山、
耐病総太り)の種子を暗所25℃で吸水処理し、催芽種
子を人工培土をつめた6×6cmプラスチックポットに
2個体ずつ播種し、14時間明条件(12,000lux,22℃)
−10時間暗条件(18℃)で栽培した。吸水処理から9
日目、第一葉展開時より8時間明条件(3,000lux,8℃)
−16時間暗条件(8 ℃)で21日間低温処理を行っ
た。低温処理終了後、再び前記の条件下で栽培した。ア
ブシジン酸は天然型アブシジン酸を用い、展着剤として
新グラミンを終濃度0.1%になるように添加した。処
理濃度は250ppmでポット当り5mlを低温処理開
始日より週1回、計3回茎葉散布した。低温処理終了後
19日目の抽苔率を調査し、その結果を表5に示す。供
試した総ての品種において、抽苔の抑制が見られた。 表5.ダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシジン酸の
影響
夏みの早生3号の種子を暗所25℃で吸水処理し、吸水
開始より26時間目の催芽種子を直径5cmシャーレに
置床し50〜100ppmの天然型アブシジン酸溶液3
mlを入れ、暗所4℃で17日間、浸漬処理および低温
処理を行った。処理後、人工培土をつめた6×6cmプ
ラスチックポットに2個体づつ播種し、5月14日より
温室、自然日長条件下で栽培した。調査は抽苔の有無を
低温処理終了後42日目に行った。結果を表1に示す。
50ppm以上のアブシジン酸種子浸漬処理により抽苔
の顕著な抑制がみられ、100ppmでは完全に抑制さ
れた。 表1.ダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシジン酸の
影響 (実施例2)ダイコンの幼植物散布処理による抽苔抑制
効果(1)品種夏みの早生3号の種子を暗所28℃で吸
水処理し、催芽種子を人工培土をつめた6×6cmプラ
スチックポットに2個体づつ播種し、12時間明条件
(12,000 lux,22 ℃)−12時間暗条件(20℃)で栽培
した。吸水処理から11日目、第一葉展開時より8時間
明条件(3,000lux,8℃)−16時間暗条件(8 ℃)で2
0日間低温処理を行った。低温処理終了後5月8日より
温室、自然日長条件下で栽培した。アブシジン酸は天然
型アブシジン酸を用い、展着剤として新グラミンを終濃
度0. 1%になるように添加した。処理濃度は100お
よび250ppmでポット当り5mlを低温処理開始1
および8日目の2回茎葉散布した。調査は低温処理終了
後31日目に行った。結果を表2に示す。ダイコンの抽
苔はアブシジン酸散布処理により抑制された。 表2.ダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシジン酸の
影響 (実施例3)ハツカダイコンの幼植物散布処理による抽
苔抑制効果品種赤丸二十日ダイコンの未春化種子を人工
培土をつめた6×6cmプラスチックポットに2粒づつ
播種し、12時間明条件(12,000lux,24℃)−12時間
暗条件(20℃)で栽培した。播種7日目、子葉展開時よ
り8時間明条件(3,000lux,8℃)−16時間暗条件(8
℃)で20日間低温処理を行った。低温処理終了後5月
8日より温室、自然日長条件下で栽培した。アブシジン
酸は天然型アブシジン酸を用い、展着剤として新グラミ
ンを終濃度0.1%になるように添加した。処理濃度
は、100および250ppmでポット当り5mlを低
温処理開始1および8日目の2回茎葉散布した。播種後
14日目の抽苔率を調査した。結果を表3に示す。ハツ
カダイコンの抽苔は、アブシジン酸散布処理により抑制
された。 表3. ハツカダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシ
ジン酸の影響 (実施例4) ダイコンの種子浸漬処理による抽苔抑制効果(2) ダイコン4品種(冬どり大蔵、秋づまり大根、耐病宮
重、耐病総太り)の種子を暗所25℃で吸水処理し、吸
水開始より26時間目の催芽種子を直径5.5cmシャ
ーレに置床し、50ppmの天然型アブシジン酸溶液3
mlを入れ、暗所4℃で20日間浸漬処理および低温処
理を行った。処理後、人工培土をつめた6×6cmプラ
スチックポットに2個体ずつ播種し、14時間明条件
(12,000lux,22℃)−10時間暗条件(18℃)のファイ
トトロンで栽培した。低温処理終了後24日目の抽苔率
を表4に示す。供試した総ての品種において、顕著な抽
苔の抑制が見られた。 表4.ダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシジン酸の
影響 (実施例5) ダイコンの幼植物散布処理による抽苔抑制効果(2) ダイコン4品種(冬どり大蔵、秋づまり大根、和歌山、
耐病総太り)の種子を暗所25℃で吸水処理し、催芽種
子を人工培土をつめた6×6cmプラスチックポットに
2個体ずつ播種し、14時間明条件(12,000lux,22℃)
−10時間暗条件(18℃)で栽培した。吸水処理から9
日目、第一葉展開時より8時間明条件(3,000lux,8℃)
−16時間暗条件(8 ℃)で21日間低温処理を行っ
た。低温処理終了後、再び前記の条件下で栽培した。ア
ブシジン酸は天然型アブシジン酸を用い、展着剤として
新グラミンを終濃度0.1%になるように添加した。処
理濃度は250ppmでポット当り5mlを低温処理開
始日より週1回、計3回茎葉散布した。低温処理終了後
19日目の抽苔率を調査し、その結果を表5に示す。供
試した総ての品種において、抽苔の抑制が見られた。 表5.ダイコンの抽苔におよぼす天然型アブシジン酸の
影響
【0023】
【発明の効果】本発明により、植物の抽苔を抑制あるい
は遅延させることが可能である。
は遅延させることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 禿 泰雄 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東レ株式会社 名古屋事業場内 (72)発明者 米原 徹 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東レ株式会社 名古屋事業場内 (56)参考文献 Biol.Plant.,1985,27 (4−5)p.408−412 Agronomy Journal, 1977,69,p.110−114 J.Amer.Soc.Hort.S ci.,1975,100(1),p.9−16 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 37/42 CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】天然型アブシジン酸を有効成分として含有
することを特徴とする、植物の抽苔抑制剤。 - 【請求項2】植物の春化時もしくは春化による花芽形成
時に、天然型アブシジン酸を作用させることを特徴とす
る、植物の抽苔抑制方法。
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---|---|---|---|
JP40352590A JP2898414B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 抽苔抑制剤および抽苔抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40352590A JP2898414B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 抽苔抑制剤および抽苔抑制方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04217603A JPH04217603A (ja) | 1992-08-07 |
JP2898414B2 true JP2898414B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=18513255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP40352590A Expired - Fee Related JP2898414B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 抽苔抑制剤および抽苔抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2898414B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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JP5244772B2 (ja) * | 2009-12-09 | 2013-07-24 | コスモ石油株式会社 | 植物の抽苔抑制剤 |
CN106718001A (zh) * | 2017-02-17 | 2017-05-31 | 黄振忠 | 一种控制当归苗抽薹的方法 |
CN108576012B (zh) * | 2017-12-27 | 2020-07-17 | 北京林业大学 | 一种植物生长延缓剂、其制备方法及应用 |
-
1990
- 1990-12-19 JP JP40352590A patent/JP2898414B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (3)
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Agronomy Journal,1977,69,p.110−114 |
Biol.Plant.,1985,27(4−5)p.408−412 |
J.Amer.Soc.Hort.Sci.,1975,100(1),p.9−16 |
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