JP2898266B1 - 二重直管式コリオリ流量計 - Google Patents
二重直管式コリオリ流量計Info
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Abstract
ブを板部材によって結合することにより、その間に発生
するストレスを吸収し、またアウターチューブの温度の
均一化を図り、かつ製造コストを著しく下げることを目
的としている。 【解決手段】 二重直管式コリオリ流量計は、被測定流
体が流れる直管状のフローチューブ4と、カウンタバラ
ンサとして機能するように両端で固定された中空筒状の
アウターチューブ5と、駆動装置7と、一対のセンサ8
とから構成されて、フローチューブ4を駆動装置7によ
って振動させ、フローチューブ4に作用するコリオリの
力に比例した位相差を一対のセンサ8により検知するこ
とにより質量流量を測定する。本発明は、このような二
重直管式コリオリ流量計において、アウターチューブ5
の両端におけるフローチューブ4との固定を、板部材
(結合プレート6)を介して行い、かつ結合プレート6
はチューブアッセンブリー支持用板バネ14と一体化さ
れる。
Description
用のアウターチューブを備える二重直管式のコリオリ流
量計に関する。
端支持された測定管を振動させたとき、測定管に作用す
るコリオリの力が測定媒体の質量流量に比例することを
利用して質量流量の測定を行うものである。
り説明する。このコリオリ流量計は、二重直管式であっ
て、両端に接続フランジ2を有する中空円筒状の外筐1
を有し、外筐1内には、該外筐1と同軸に、フローチュ
ーブ4とアウターチューブ5とから成る二重直管が配設
されている。直管状のフローチューブ4には被測定流体
が流れ、中空直管状のアウターチューブ5の中央部に
は、バランスウエイト10が取り付けられている。そし
て、このフローチューブ4とアウターチューブ5は、そ
の両側で剛体である連結ブロック12により同軸に固着
されている。バランスウエイト10の重量は、両側の連
結ブロック12を支持部としたフローチューブ4の固有
振動数と、アウターチューブ5の固有振動数が等しくな
るよう調整されている。
ブ5の中央部には、フローチューブ4とアウターチュー
ブ5とを互いに反対位相で共振駆動するための駆動装置
7が取り付けられ、そして駆動装置7の両側の対称位置
に、コリオリの力によるフローチューブ4の位相差を検
知するための一対のセンサ8が設置されている。
は、シンプルで、コンパクトな構成にして、コリオリ力
による位相差に比例した質量流量を安定して検出するこ
とが可能となっている。
流量計は、測定流体の温度が変わり、フローチューブと
アウターチューブに非常に大きな温度差ができた場合に
は、長手方向にストレスが発生して、熱応力の発生によ
るバネ定数の変化によりチューブの固有振動数が変化す
る。これによって、エネルギーバランスが崩れ、共振駆
動することが困難となる。
量である真値と、計測した結果である測定値の間には器
差と呼ばれる誤差が存在するが、この器差は補正する必
要がある。二重直管式のコリオリ流量計は、一般的にア
ウターチューブのある一点の温度或いは応力を計測し、
これに基づき補正を行うことが効率的だが、アウターチ
ューブの温度分布が不均一になると、正確な補正ができ
ないことになる。従来の剛体から成る連結ブロック12
を用いた結合によると、長手方向全体の一様な伝熱では
なく、両端のみからの局部的な連結ブロック12による
熱伝導が大きくなり、その結果、アウターチューブの温
度分布が不均一となる。
り結合されるが、支持端とチューブの熱容量が大きく異
なると、ロー付け手順が複雑となり、コスト上昇の原因
となる。
点を解決し、フローチューブとアウターチューブを板部
材で結合することによりチューブ間に発生するストレス
を吸収し、また局部的な熱伝導を制限して、アウターチ
ューブの温度の均一化を図り、そして、薄板の厚さをチ
ューブ肉厚に近づけることにより、ロー付けを簡単かつ
良好なものとした二重直管式コリオリ流量計を提供する
ことを目的としている。
計は、被測定流体が流れる直管状のフローチューブ4
と、該フローチューブ4の外周側に同心に配置されてカ
ウンタバランサとして機能するように両端で固定された
中空筒状のアウターチューブ5と、駆動装置7と、一対
のセンサ8とから構成される。そして、このフローチュ
ーブ4は、駆動装置7によって振動させられ、該振動に
よりフローチューブ4の両側において該フローチューブ
4に作用するコリオリの力に比例した位相差が一対のセ
ンサ8により検知されて、質量流量を測定する。本発明
は、このような二重直管式コリオリ流量計において、ア
ウターチューブ5の両端におけるフローチューブ4との
固定を、弾性によりフローチューブとアウターチューブ
の伸びの差に基づく熱応力を吸収する板部材を介して行
うことを特徴としている(請求項1)。このように、板
部材を介して固定することにより、チューブ間に発生す
るストレスを吸収し、また板部材を介しての熱伝導を制
限することによりアウターチューブの温度の均一化を図
って、器差の正確な補正を可能にしている。
は、前記板部材を、同心に配置されたフローチューブ4
とアウターチューブ5の間を塞ぐようなディスク形状に
して、フローチューブ4の外周側及びアウターチューブ
5の内周側とロー付けしたことを特徴としている(請求
項2)。このように、板部材をディスク形状にすること
により、板部材を介しての熱伝導を困難にする薄さを維
持しつつ、十分な機械的強度及び強固なロー付けを可能
にしている。
計は、前記板部材をアウターチューブ5の半径方向外側
にまで対称的に延長して板バネ14とし、その端部を外
筐1に固定したことを特徴としている(請求項3)。こ
れによって、構成簡単にして、安定した振動を得るため
の板バネ14の機能を併せ持つことができる。
に基づき、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本
発明を適用する二重直管式コリオリ流量計の一例を示し
ている。この二重直管式コリオリ流量計は、両端に接続
フランジ2を有する中空円筒状の外筐1を有し、外筐1
内には、該外筐1と同軸に、被測定流体が流れる直管状
の、例えばステンレス、ハステロイ、チタン合金等のフ
ローチューブ4が配設されている。このフローチューブ
4の外側には、その長さ方向両端部を除き同心二重管を
構成するように、詳細は後述するように、板部材(結合
プレート6)を介して、中空筒状アウターチューブ5が
その両側において同心に固定されている。そして、この
位置が振動支点となる。アウターチューブ5は、弾性を
有する、例えばステンレス、ハステロイ、チタン合金等
によって構成すると共に、その中央部にバランスウエイ
ト10を取り付けていて、全体としてカウンタバランサ
として機能する。
くコリオリ力による位相差の検出は、通常に行われる。
即ち、駆動装置7がアウターチューブ5に取り付けられ
て、フローチューブ4をその固有振動の一次モードで振
動させる。そして、流体が流れたとき、振動のスピード
が最大となる中央部を境に、流入側と流出側ではコリオ
リ力が反対方向となりフローチューブはうねるようにた
わむことになる。これを二次モード成分と称している
が、フローチューブは、駆動装置による加振に基づく一
次モードの振動と、コリオリ力に基づく二次モードの振
動が重畳される形で変位する。一対のセンサ8が、駆動
装置7の両側で二次モード成分が最大となる位置で、ア
ウターチューブ5に設置されて、コリオリの力によるフ
ローチューブ4の位相差を検知し、これによって質量流
量を知ることができる。
した円形内の、フローチューブ4とアウターチューブ5
の振動支点となる結合部を、拡大して示す詳細図であ
る。本発明は、フローチューブ4とアウターチューブ5
を結合するに際して、結合プレート6として例示したよ
うな板部材を用いるものである。この板部材としては、
後述のような伝熱の観点からは薄いほど有利であるが、
アウターチューブを支えるのに必要な機械的強度の観点
から、また強固にロー付けするために、両チューブと同
程度の厚さにすることが望ましい。同様に、機械的強度
及び強固なロー付けの観点から、結合プレート6は、同
心に配置されたフローチューブ4とアウターチューブ5
の間を塞ぐようなディスク形状にすることが望ましい。
ローチューブ4とアウターチューブ5の振動支点となる
結合部を、拡大して示す詳細図である。結合プレート6
のフローチューブ4との結合部は、安定したロー付け強
度を得るため、図示したように、プレス圧出しすること
ができる。
ス、ハステロイ、チタン合金等によって構成することが
できる。図示のように、結合プレート6を、フローチュ
ーブ4外周と、そして、アウターチューブ5内周とそれ
ぞれロー付けすることにより、フローチューブ4とアウ
ターチューブ5はその両端側において、結合プレート6
を介して一体に固定されて、振動支点となる。
ナジウム等が用いられる。なお、アウターチューブ5内
周と結合プレート6外周をロー付けする例を図示した
が、アウターチューブ5の両端の端部側面に、結合プレ
ート6外周部を側面から当接させてロー付けすることも
可能である。また、ロー付けに代えて、溶接、接着等の
適宜の固着手段を用いて固着することができる。
ューブ5を、板部材を用いて結合したことにより、熱応
力を吸収することができる。仮に、流体温度に変化が生
じたとすると、内部を流体が流れるフローチューブ4
は、直ちにその温度変化に追随する一方、その外側にあ
るアウターチューブ5の温度応答には遅れが生じる。即
ち、フローチューブ4とアウターチューブ5の間に、温
度差が生じることになるが、この温度差によるフローチ
ューブ4とアウターチューブ5の伸びの差に基づく熱応
力が生じることになる。本発明によれば、この熱応力
は、前述の結合プレート6の弾性により吸収される。こ
れによって、熱応力の発生によりバネ定数が変化するこ
とも、チューブの固有振動数が変化することもなく、共
振駆動は安定に維持される。
結合したことにより、アウターチューブ5の温度分布が
均一なものとなる。前述のように、仮に流体温度が変化
したとすると、それに基づき変化したフローチューブ4
の温度が、アウターチューブ5に伝わるときには、同心
の両チューブ間の空間(そこに存在する空気及び放射)
を介して、そして結合プレート6の伝熱を介して、行わ
れることになる。両チューブ間の空間を介して行われる
伝熱は、その長手方向に一様なものであるのに対して、
結合プレート6を介して行われる伝熱は、両端側からの
み行われ、温度分布に不均一を生じる原因となるもので
ある。本発明は、結合プレート6を、従来技術のような
剛体ブロックではなく、板部材としたことにより、不均
一の原因となる結合プレート6を介して行われる伝熱
は、両チューブ間の空間を介して一様に行われるものに
比較して小さくなる。これによって、全体としてアウタ
ーチューブ5の温度分布が均一化され、器差の補正のた
めにアウターチューブの一点で測定した温度は、より正
確な温度を示すことになるから、器差の正確な補正が可
能となる。
の別の例であり、フローチューブとアウターチューブの
結合部を部分的に拡大して示している。図において、1
4は結合プレート6と一体形成の板バネである。
バネ14によって支持することにより、支持部の特性変
化の影響を受けにくく、安定した振動を得ることができ
ることが従来より知られているが、この図示した例にお
いては、結合プレート6をアウターチューブ5の半径方
向外側にまで左右対称に延長して両側に板バネ14を構
成したものである。言い換えると、板バネ14と結合プ
レート6を一体にして、一枚の板で共用するものであ
る。このような共用により、構成簡単にして、結合プレ
ート6の機能と、板バネ14の機能を併せ持たせること
が可能になる上に、ロー付けが容易となる。図示したよ
うに、ロー付けを容易にするための突出部13を上下に
残して、左右を切り欠き、ここに一体形成の結合プレー
ト6及び板バネ14をはめ込み、ロー付けをする。そし
て、板バネ14の他端側は、またロー付け等の適宜の手
段により、外筐1に対して固定される。
向に振動駆動することを想定して、それに対して直角の
横断方向に板バネ14を延長しているが、板バネ14の
延長方向は、図示した例とは直角の上下方向にして、振
動駆動の方向と同一にすること、或いは、半径方向四方
に延長させることもできる。
おいて、フローチューブとアウターチューブを板部材で
結合することによりチューブ間に発生するストレスを吸
収することができ、これによって、熱応力の発生により
バネ定数が変化することも、チューブの固有振動数が変
化することもなく、共振駆動は安定に維持される。
を通しての熱伝導が減少して、フローチューブとアウタ
ーチューブの間の空間を通しての長手方向に一様な伝熱
の割合が増大するから、アウターチューブの温度の均一
化を図ることができる。その結果、器差の補正のために
アウターチューブの一点で測定した温度が正確なものと
なることにより、器差の正確な補正が可能となる。
けることによりそれらの熱容量が同程度となり、ロー付
けを簡単かつ良好なものとすることができるという効果
がある。
とすることで、部品点数を減少させ、コストダウンでき
ると共に、フローチューブとアウターチューブの支点と
チューブアッセンブリーの支持点を完全に一致させ、安
定した振動が得られる結果、高い性能のコリオリ流量計
を低コストで作ることができる。
一例を示している。
チューブとアウターチューブの結合部を、拡大して示す
詳細図である。
り、フローチューブとアウターチューブの結合部を部分
的に拡大して示している。
ている。
Claims (3)
- 【請求項1】 被測定流体が流れる直管状のフローチュ
ーブと、該フローチューブの外周側に同心に配置されて
カウンタバランサとして機能するように両端がフローチ
ューブに固定された中空筒状のアウターチューブと、駆
動装置と、一対のセンサとから成り、前記フローチュー
ブを駆動装置によって振動させ、該振動により該フロー
チューブに作用するコリオリの力に比例した位相差を一
対のセンサにより検知することにより質量流量を測定す
る二重直管式コリオリ流量計において、 前記アウターチューブの両端におけるフローチューブと
の固定は板部材を介して行われ、かつ該板部材は、その
弾性によりフローチューブとアウターチューブの伸びの
差に基づく熱応力を吸収するものであることを特徴とす
る二重直管式コリオリ流量計。 - 【請求項2】 前記板部材は、同心に配置されたフロー
チューブとアウターチューブの間を塞ぐようなディスク
形状にして、フローチューブ外周側及びアウターチュー
ブ内周側と固着されたことを特徴とする請求項1に記載
の二重直管式コリオリ流量計。 - 【請求項3】 前記板部材をアウターチューブの半径方
向外側にまで対称的に延長して板バネとし、その端部を
外筐に固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載
の二重直管式コリオリ流量計。
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