JP2898259B2 - 自動二輪車 - Google Patents
自動二輪車Info
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- JP2898259B2 JP2898259B2 JP9100843A JP10084397A JP2898259B2 JP 2898259 B2 JP2898259 B2 JP 2898259B2 JP 9100843 A JP9100843 A JP 9100843A JP 10084397 A JP10084397 A JP 10084397A JP 2898259 B2 JP2898259 B2 JP 2898259B2
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- 239000006200 vaporizer Substances 0.000 claims description 16
- 238000001816 cooling Methods 0.000 claims description 4
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 3
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- 238000012423 maintenance Methods 0.000 description 2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B61/00—Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
- F02B61/02—Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving cycles
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ軸線を前
傾させたエンジンを搭載する自動二輪車に関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】車両の低重心化を狙った自動二輪車とし
て、シリンダ軸線を前傾させたエンジンを搭載するよう
にしたものがある。このように前傾エンジンを搭載した
自動二輪車では、シリンダが前傾した分だけホイ―ルベ
―スが長くなるが、さらにエンジン前方にはエンジン冷
却水用のラジエタが置かれるため、このラジエタの設置
によってホイ―ルベ―スは一層長大化することになる。
しかし、ホイ―ルベ―スが長くなればなるほど、車両の
小回りがきき難くなる傾向があるので、車両の低重心化
の設計に当たっては、そのホイ―ルベ―スの長大化を極
力抑制するのがよいとされている。 【０００３】そこでホイ―ルベ―スの長大化を抑制する
対策として、エンジンの下部前方に設置されることが多
いラジエタを、エンジンのシリンダヘッド前方側に移設
すれば、そのラジエタ移設後に空いたスペ―スに前輪を
配置できるため、ホイ―ルベ―スの極端な長大化が抑制
できると考えられる。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように前傾エンジンを搭載した自動二輪車では、気化器
やエアクリ―ナをエンジンのシリンダヘッド上方に配置
して、吸気通路を吸気抵抗の小さいストレ―ト状にし、
高出力化をするようにしていることが多い。そのため、
上記のようにラジエタをシリンダヘッド側に移設する
と、そのラジエタから放出された熱風が、シリンダヘッ
ド上方に配置した気化器やエアクリ―ナを加熱し、正常
な混合ガスがエンジンに供給されなくなり、高出力化が
阻害されるようになる。 【０００５】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、前傾エンジンを搭載した自動二輪車の上述のよ
うな問題を解消し、ホイ―ルベ―スの長大化を抑制しな
がらエンジンの高出力化を維持可能にした自動二輪車を
提供しようとするものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、シリンダ軸線を前傾させてエンジンを車体フレー
ムに搭載し、該エンジンのシリンダヘッド後壁に取付け
られた吸気通路により該シリンダヘッドの上方に気化器
を配置し、さらに該気化器上方に、気化器との接続部を
その下面に有する後半部分と該後半部分からラジエタ上
方空間に向けて前方に延びる前半部分とで容積部を形成
するエアクリーナを配置した自動二輪車において、エン
ジン冷却用のラジエタをその上端が側面視にて前記シリ
ンダヘッド高さよりも上方へ延びるように該シリンダヘ
ッドの前方側に配置し、該ラジエタの後方に、このラジ
エタと、シリンダヘッドの上面と、気化器と、エアクリ
ーナ前半部分とによって囲まれた空間を形成し、該空間
でラジエタの上端近傍から前記エアクリーナ前半部分の
下方空間及び気化器の前方空間を前記シリンダヘッドの
上面後部へ延びる遮熱板を設け、この遮熱板を側面視に
て略直線状に形成すると共に、垂直方向に対する傾斜を
前記ラジエタよりも大きくして車体後方側を低くした後
下がりとなるように配置したことを特徴とするものであ
る。 【０００７】 【発明の実施の態様】図１及び図２に示す自動二輪車に
おいて、１は車体フレ―ム、２は車体フレ―ムに搭載さ
れた並列４気筒の水冷エンジン、２１，２２はそれぞれ
前輪と後輪である。 【０００８】エンジン２は各気筒のシリンダ軸線を前傾
させ、それによって車両を低重心化させている。各気筒
毎のシリンダヘッド２ｈの上方には、それぞれ気化器３
がストレ―ト状の吸気通路３ｐを介して接続され、さら
にこれら気化器３の上方に１個のエアクリ―ナ４が接続
されている。また、該エアクリ―ナ４は図１から明らか
なように、気化器３との接続部をその下面に有する後半
部分と該後半部分からラジエタ５上方空間に向けて前方
に延びる前半部分とで容積部を形成するようになされて
いる。そして、このように気化器３やエアクリ―ナ４を
ストレ―ト状の吸気通路３ｐを介して接続することによ
り吸気抵抗を小さくし、エンジン２を高出力化すること
ができる。 【０００９】５はエンジン冷却水用のラジエタである。
ラジエタ５はシリンダヘッド２ｈの前方に、側面視にて
上端がシリンダヘッド２ｈの高さよりも上方へ延長する
ように配置されている。前傾エンジンを搭載した自動二
輪車の場合には、直立エンジンを搭載したものよりもホ
イ―ルベ―スが長くなるが、上記のようにラジエタ５を
エンジン上方のシリンダヘッド２ｈの前方に配置するよ
うにすれば、エンジン下部側に前輪２１を移動配置する
スペ―スを形成するため、それによってホイ―ルベ―ス
の極端な長大化を抑制することができる。 【００１０】したがって、ラジエタ５の後方に、このラ
ジエタ５と、シリンダヘッド２ｈの上面と、気化器３
と、エアクリーナ４前半部分とによって囲まれた空間が
形成されることになる。また、ラジエタ５をシリンダヘ
ッド２ｈの前方に上端がシリンダヘッド２ｈの高さより
も上方へ延長するように配置したため、ラジエタ５の前
方投影面積を増大させて冷却効率を上げることができ
る。 【００１１】６は遮熱板である。遮熱板６はラジエタ５
後方に、前記空間で該ラジエタ５の上端近傍からエアク
リーナ４前半部分の下方空間及び前記気化器３の前方空
間を遮蔽するように下降し、シリンダヘッド２ｈの上面
後部近くへ延びるようになっている。そして、側面視形
状は略直線状に形成され、垂直方向に対する傾斜をラジ
エタ５よりも大きくして車体後方側を低くした後下がり
となるように配置されている。遮熱板６の前端はラジエ
タ５上端より上方の位置で車体フレーム１に固定されて
いる。この遮熱板６は、シリンダヘッド２ｈの前方上方
のラジエタ５から放出される熱風から気化器３やエアク
リーナ４を保護する作用を行い、吸入空気や混合ガスが
熱風によって不正常な状態にならないようにしている。 【００１２】すなわち、この遮熱板６は、気化器３等を
シリンダヘッド２ｈの上方に配置すると共に、吸気通路
３ｐをストレ―ト状にしたことによって得られる高出力
を低下させないようにする役目をしているのである。ま
た、上述のようにラジエタ上端を上方に延長し、前方投
影面積を拡大して冷却効率を増大させながら気化器３や
エアクリ―ナ４の上記性能を損なわないようにするので
ある。 【００１３】また、側面視にて略直線状に形成した遮熱
板６を気化器３の前方側及びエアクリ―ナ４前半部分の
下方空間を遮断するようにして、ラジエタ５よりも傾斜
を大きくしながら後下がりとなるように配置することに
より、ラジエタ５通過後遮熱板６に当たった熱風をラジ
エタ５よりも傾斜を大きくした遮熱板６により下方側に
向けて逃がすことができるため、ラジエタ５を通過した
熱風を遮熱板６の近傍に淀むことなく気化器３やエアク
リ―ナ４から遠ざけ、スム―ズに車体後方に逃がすこと
ができる。 【００１４】また、気化器３の前方側に配置する遮熱板
６が、その垂直方向に対する傾斜をラジエタ５の傾斜よ
りも大きくして後下がりとなることにより、上側に向か
う程遮熱板６が気化器３から遠ざかることとなると共に
該遮熱板６はエアクリーナ４前半部分の下方空間を遮断
する。そのため、ラジエタ５通過後の熱風によって加熱
された遮熱板６の輻射熱が気化器３やエアクリーナ４に
伝達する影響を、その熱風をスムーズに後方に逃がしな
がら低減することが可能となる。また、遮熱板６をラジ
エタ５の後方で、エアクリーナ４前半部分の下方空間及
び気化器３の前方空間を遮蔽するようにして前記シリン
ダヘッド２ｈの上面後部へ延びるように設けので、シリ
ンダヘッド２ｈの外壁の内，特に上面からの輻射熱によ
って暖められた熱気もエアクリーナ４に到達することが
ない。 【００１５】上記遮熱板６は、上記作用を行う一方で、
その存在が気化器３等の整備作業の邪魔になるという問
題がある。しかし、この問題は、遮熱板６を図３及び図
４に示すような構成にすることにより容易に解決するこ
とができる。 【００１６】図３及び図４に示す遮熱板６は、３枚に分
割された分割遮熱板７，８ａ，８ｂから組立てられてい
る。この実施例では、３枚の分割であるが、この分割数
は少なくとも２枚であれば十分である。 【００１７】上記分割遮熱板のうち、分割遮熱板７は上
部側に配設され、その上端部を車体フレ―ム１に固定さ
れた保持板９，９’に挟持させると共に、左右両端をそ
れぞれ車体フレ―ム１に固定されたブラケット１０，１
０に対し、ボルト１１，１１によって固定されている。 【００１８】左右２枚の分割遮熱板８ａ，８ｂは、上記
分割遮熱板７の下部に設けられている。各分割遮熱板８
ａ，８ｂは、それぞれ上端に鈎状部１２，１２を形成
し、その鈎状部１２，１２を、分割遮熱板７の下端に設
けた溝孔１３，１３に着脱自在に係合させている。ま
た、互いに対向する側縁を、互いにオ―バラップさせる
と共に、一方の分割遮熱板８ａ側に設けた凸部１４と、
他方の分割遮熱板８ｂ側に設けた凹部１５を着脱自在に
係合させている。 【００１９】分割遮熱板８ａ，８ｂは、上述のような係
合状態において、左右両端部を、それぞれ車体フレ―ム
１に固定したブラケット１６，１６に対しボルト１７，
１７によって着脱自在に固定されている。 【００２０】左右の分割遮熱板８ａ，８ｂを離脱すると
きは、まずボルト１７，１７を外し、次いで矢印で示す
ように両側に引っ張ると、鈎状部１２，１２は溝孔１
３，１３内をスライドし、また凸部１４と凹部１５と
は、その係合状態を離脱する。次いで、各分割遮熱板８
ａ，８ｂを下方へ引けば、鈎状部１２，１２が溝孔１
３，１３から離脱するので、車体側方へ簡単に取り出す
ことができる。いずれか一方だけの分割遮熱板８ａ又は
８ｂを離脱させるときは、その一方だけを上記操作に準
じて行えばよい。 【００２１】上述した遮熱板６は、少なくとも２枚に分
割され、その分割遮熱板８ａ，８ｂを車体の側方へ離脱
可能にしてあるため、気化器３の整備又は調整を行うと
き、この分割遮熱板８ａ，８ｂを離脱させれば邪魔にな
ることがなく、作業を簡単にすることができる。 【００２２】例えば、図１に示すように、気化器３のア
イドリング調整のためにパイロット調整スクリュ２０を
調整する場合は、ドライバを前方から差し込まねばなら
ないため、遮熱板６は作業の邪魔になる。このような場
合、その遮熱板６を構成する分割遮熱板８ａ，８ｂを車
体側方へ離脱してしまえば、４個の気化器３の全てを簡
単に調整することができる。これは整備作業を行うとき
も同様である。 【００２３】 【発明の効果】上述したように、本発明は前傾エンジン
を搭載した自動二輪車において、ラジエタをエンジン上
部のシリンダヘッド前方に配備したため、このラジエタ
の置かれなくなったスペースに前輪を移設可能にし、ホ
イールベースの極端な長大化を抑制するようにする。ま
た、遮熱板をラジエタ後方で、その上端近傍位置からエ
アクリーナ前半部分の下方空間及び気化器の前方空間を
遮蔽してシリンダヘッド上面後部へ延びるようにしたた
め、ラジエタの放出する熱風から気化器やエアクリーナ
を保護することができ、気化器等をシリンダヘッド上方
に配置したことにより得られるエンジンの高出力を維持
可能にすることができる。 【００２４】また、遮熱板を側面視にて略直線状に形成
し、それをエアクリーナ前半部分の下方空間及び気化器
の前方空間を遮断するようにして後下がりとなるように
配置したので、ラジエタ通過後遮熱板に当たった熱風を
ラジエタよりも傾斜を大きくした遮熱板により下方側に
向けて逃がすことができるため、ラジエタ通過後の熱風
を遮熱板近傍に淀むことなく気化器等から遠ざかる車体
後方に向けてスムーズに逃がすことができる。 【００２５】また、エアクリーナ前半部分の下方空間及
び気化器の前方空間にシリンダヘッドの上面後部へ延び
る遮熱板を、垂直方向に対する傾斜をラジエタの傾斜よ
りも大きく後下がりとするため、シリンダヘッドの上面
後部から上方に向けて鉛直に延在するようにした遮熱板
よりも、上方に向かう程遮熱板を気化器から遠ざけて離
間させることができると共に該遮熱板はエアクリーナ前
半部分の下方空間を遮断するので、それによって、ラジ
エタ通過後の熱風によって加熱された遮熱板から輻射的
に気化器に伝わる熱の影響を、ラジエタ通過後の熱風を
スムーズに後方に逃がしながら低減することができる。
また、遮熱板をラジエタの後方で、エアクリーナ前半部
分の下方空間及び気化器の前方空間を遮蔽するようにし
て前記シリンダヘッドの上面後部へ延びるように設けの
で、シリンダヘッドの外壁の内，特に上面からの輻射熱
によって暖められた熱気もエアクリーナに到達すること
がない。
傾させたエンジンを搭載する自動二輪車に関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】車両の低重心化を狙った自動二輪車とし
て、シリンダ軸線を前傾させたエンジンを搭載するよう
にしたものがある。このように前傾エンジンを搭載した
自動二輪車では、シリンダが前傾した分だけホイ―ルベ
―スが長くなるが、さらにエンジン前方にはエンジン冷
却水用のラジエタが置かれるため、このラジエタの設置
によってホイ―ルベ―スは一層長大化することになる。
しかし、ホイ―ルベ―スが長くなればなるほど、車両の
小回りがきき難くなる傾向があるので、車両の低重心化
の設計に当たっては、そのホイ―ルベ―スの長大化を極
力抑制するのがよいとされている。 【０００３】そこでホイ―ルベ―スの長大化を抑制する
対策として、エンジンの下部前方に設置されることが多
いラジエタを、エンジンのシリンダヘッド前方側に移設
すれば、そのラジエタ移設後に空いたスペ―スに前輪を
配置できるため、ホイ―ルベ―スの極端な長大化が抑制
できると考えられる。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように前傾エンジンを搭載した自動二輪車では、気化器
やエアクリ―ナをエンジンのシリンダヘッド上方に配置
して、吸気通路を吸気抵抗の小さいストレ―ト状にし、
高出力化をするようにしていることが多い。そのため、
上記のようにラジエタをシリンダヘッド側に移設する
と、そのラジエタから放出された熱風が、シリンダヘッ
ド上方に配置した気化器やエアクリ―ナを加熱し、正常
な混合ガスがエンジンに供給されなくなり、高出力化が
阻害されるようになる。 【０００５】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、前傾エンジンを搭載した自動二輪車の上述のよ
うな問題を解消し、ホイ―ルベ―スの長大化を抑制しな
がらエンジンの高出力化を維持可能にした自動二輪車を
提供しようとするものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、シリンダ軸線を前傾させてエンジンを車体フレー
ムに搭載し、該エンジンのシリンダヘッド後壁に取付け
られた吸気通路により該シリンダヘッドの上方に気化器
を配置し、さらに該気化器上方に、気化器との接続部を
その下面に有する後半部分と該後半部分からラジエタ上
方空間に向けて前方に延びる前半部分とで容積部を形成
するエアクリーナを配置した自動二輪車において、エン
ジン冷却用のラジエタをその上端が側面視にて前記シリ
ンダヘッド高さよりも上方へ延びるように該シリンダヘ
ッドの前方側に配置し、該ラジエタの後方に、このラジ
エタと、シリンダヘッドの上面と、気化器と、エアクリ
ーナ前半部分とによって囲まれた空間を形成し、該空間
でラジエタの上端近傍から前記エアクリーナ前半部分の
下方空間及び気化器の前方空間を前記シリンダヘッドの
上面後部へ延びる遮熱板を設け、この遮熱板を側面視に
て略直線状に形成すると共に、垂直方向に対する傾斜を
前記ラジエタよりも大きくして車体後方側を低くした後
下がりとなるように配置したことを特徴とするものであ
る。 【０００７】 【発明の実施の態様】図１及び図２に示す自動二輪車に
おいて、１は車体フレ―ム、２は車体フレ―ムに搭載さ
れた並列４気筒の水冷エンジン、２１，２２はそれぞれ
前輪と後輪である。 【０００８】エンジン２は各気筒のシリンダ軸線を前傾
させ、それによって車両を低重心化させている。各気筒
毎のシリンダヘッド２ｈの上方には、それぞれ気化器３
がストレ―ト状の吸気通路３ｐを介して接続され、さら
にこれら気化器３の上方に１個のエアクリ―ナ４が接続
されている。また、該エアクリ―ナ４は図１から明らか
なように、気化器３との接続部をその下面に有する後半
部分と該後半部分からラジエタ５上方空間に向けて前方
に延びる前半部分とで容積部を形成するようになされて
いる。そして、このように気化器３やエアクリ―ナ４を
ストレ―ト状の吸気通路３ｐを介して接続することによ
り吸気抵抗を小さくし、エンジン２を高出力化すること
ができる。 【０００９】５はエンジン冷却水用のラジエタである。
ラジエタ５はシリンダヘッド２ｈの前方に、側面視にて
上端がシリンダヘッド２ｈの高さよりも上方へ延長する
ように配置されている。前傾エンジンを搭載した自動二
輪車の場合には、直立エンジンを搭載したものよりもホ
イ―ルベ―スが長くなるが、上記のようにラジエタ５を
エンジン上方のシリンダヘッド２ｈの前方に配置するよ
うにすれば、エンジン下部側に前輪２１を移動配置する
スペ―スを形成するため、それによってホイ―ルベ―ス
の極端な長大化を抑制することができる。 【００１０】したがって、ラジエタ５の後方に、このラ
ジエタ５と、シリンダヘッド２ｈの上面と、気化器３
と、エアクリーナ４前半部分とによって囲まれた空間が
形成されることになる。また、ラジエタ５をシリンダヘ
ッド２ｈの前方に上端がシリンダヘッド２ｈの高さより
も上方へ延長するように配置したため、ラジエタ５の前
方投影面積を増大させて冷却効率を上げることができ
る。 【００１１】６は遮熱板である。遮熱板６はラジエタ５
後方に、前記空間で該ラジエタ５の上端近傍からエアク
リーナ４前半部分の下方空間及び前記気化器３の前方空
間を遮蔽するように下降し、シリンダヘッド２ｈの上面
後部近くへ延びるようになっている。そして、側面視形
状は略直線状に形成され、垂直方向に対する傾斜をラジ
エタ５よりも大きくして車体後方側を低くした後下がり
となるように配置されている。遮熱板６の前端はラジエ
タ５上端より上方の位置で車体フレーム１に固定されて
いる。この遮熱板６は、シリンダヘッド２ｈの前方上方
のラジエタ５から放出される熱風から気化器３やエアク
リーナ４を保護する作用を行い、吸入空気や混合ガスが
熱風によって不正常な状態にならないようにしている。 【００１２】すなわち、この遮熱板６は、気化器３等を
シリンダヘッド２ｈの上方に配置すると共に、吸気通路
３ｐをストレ―ト状にしたことによって得られる高出力
を低下させないようにする役目をしているのである。ま
た、上述のようにラジエタ上端を上方に延長し、前方投
影面積を拡大して冷却効率を増大させながら気化器３や
エアクリ―ナ４の上記性能を損なわないようにするので
ある。 【００１３】また、側面視にて略直線状に形成した遮熱
板６を気化器３の前方側及びエアクリ―ナ４前半部分の
下方空間を遮断するようにして、ラジエタ５よりも傾斜
を大きくしながら後下がりとなるように配置することに
より、ラジエタ５通過後遮熱板６に当たった熱風をラジ
エタ５よりも傾斜を大きくした遮熱板６により下方側に
向けて逃がすことができるため、ラジエタ５を通過した
熱風を遮熱板６の近傍に淀むことなく気化器３やエアク
リ―ナ４から遠ざけ、スム―ズに車体後方に逃がすこと
ができる。 【００１４】また、気化器３の前方側に配置する遮熱板
６が、その垂直方向に対する傾斜をラジエタ５の傾斜よ
りも大きくして後下がりとなることにより、上側に向か
う程遮熱板６が気化器３から遠ざかることとなると共に
該遮熱板６はエアクリーナ４前半部分の下方空間を遮断
する。そのため、ラジエタ５通過後の熱風によって加熱
された遮熱板６の輻射熱が気化器３やエアクリーナ４に
伝達する影響を、その熱風をスムーズに後方に逃がしな
がら低減することが可能となる。また、遮熱板６をラジ
エタ５の後方で、エアクリーナ４前半部分の下方空間及
び気化器３の前方空間を遮蔽するようにして前記シリン
ダヘッド２ｈの上面後部へ延びるように設けので、シリ
ンダヘッド２ｈの外壁の内，特に上面からの輻射熱によ
って暖められた熱気もエアクリーナ４に到達することが
ない。 【００１５】上記遮熱板６は、上記作用を行う一方で、
その存在が気化器３等の整備作業の邪魔になるという問
題がある。しかし、この問題は、遮熱板６を図３及び図
４に示すような構成にすることにより容易に解決するこ
とができる。 【００１６】図３及び図４に示す遮熱板６は、３枚に分
割された分割遮熱板７，８ａ，８ｂから組立てられてい
る。この実施例では、３枚の分割であるが、この分割数
は少なくとも２枚であれば十分である。 【００１７】上記分割遮熱板のうち、分割遮熱板７は上
部側に配設され、その上端部を車体フレ―ム１に固定さ
れた保持板９，９’に挟持させると共に、左右両端をそ
れぞれ車体フレ―ム１に固定されたブラケット１０，１
０に対し、ボルト１１，１１によって固定されている。 【００１８】左右２枚の分割遮熱板８ａ，８ｂは、上記
分割遮熱板７の下部に設けられている。各分割遮熱板８
ａ，８ｂは、それぞれ上端に鈎状部１２，１２を形成
し、その鈎状部１２，１２を、分割遮熱板７の下端に設
けた溝孔１３，１３に着脱自在に係合させている。ま
た、互いに対向する側縁を、互いにオ―バラップさせる
と共に、一方の分割遮熱板８ａ側に設けた凸部１４と、
他方の分割遮熱板８ｂ側に設けた凹部１５を着脱自在に
係合させている。 【００１９】分割遮熱板８ａ，８ｂは、上述のような係
合状態において、左右両端部を、それぞれ車体フレ―ム
１に固定したブラケット１６，１６に対しボルト１７，
１７によって着脱自在に固定されている。 【００２０】左右の分割遮熱板８ａ，８ｂを離脱すると
きは、まずボルト１７，１７を外し、次いで矢印で示す
ように両側に引っ張ると、鈎状部１２，１２は溝孔１
３，１３内をスライドし、また凸部１４と凹部１５と
は、その係合状態を離脱する。次いで、各分割遮熱板８
ａ，８ｂを下方へ引けば、鈎状部１２，１２が溝孔１
３，１３から離脱するので、車体側方へ簡単に取り出す
ことができる。いずれか一方だけの分割遮熱板８ａ又は
８ｂを離脱させるときは、その一方だけを上記操作に準
じて行えばよい。 【００２１】上述した遮熱板６は、少なくとも２枚に分
割され、その分割遮熱板８ａ，８ｂを車体の側方へ離脱
可能にしてあるため、気化器３の整備又は調整を行うと
き、この分割遮熱板８ａ，８ｂを離脱させれば邪魔にな
ることがなく、作業を簡単にすることができる。 【００２２】例えば、図１に示すように、気化器３のア
イドリング調整のためにパイロット調整スクリュ２０を
調整する場合は、ドライバを前方から差し込まねばなら
ないため、遮熱板６は作業の邪魔になる。このような場
合、その遮熱板６を構成する分割遮熱板８ａ，８ｂを車
体側方へ離脱してしまえば、４個の気化器３の全てを簡
単に調整することができる。これは整備作業を行うとき
も同様である。 【００２３】 【発明の効果】上述したように、本発明は前傾エンジン
を搭載した自動二輪車において、ラジエタをエンジン上
部のシリンダヘッド前方に配備したため、このラジエタ
の置かれなくなったスペースに前輪を移設可能にし、ホ
イールベースの極端な長大化を抑制するようにする。ま
た、遮熱板をラジエタ後方で、その上端近傍位置からエ
アクリーナ前半部分の下方空間及び気化器の前方空間を
遮蔽してシリンダヘッド上面後部へ延びるようにしたた
め、ラジエタの放出する熱風から気化器やエアクリーナ
を保護することができ、気化器等をシリンダヘッド上方
に配置したことにより得られるエンジンの高出力を維持
可能にすることができる。 【００２４】また、遮熱板を側面視にて略直線状に形成
し、それをエアクリーナ前半部分の下方空間及び気化器
の前方空間を遮断するようにして後下がりとなるように
配置したので、ラジエタ通過後遮熱板に当たった熱風を
ラジエタよりも傾斜を大きくした遮熱板により下方側に
向けて逃がすことができるため、ラジエタ通過後の熱風
を遮熱板近傍に淀むことなく気化器等から遠ざかる車体
後方に向けてスムーズに逃がすことができる。 【００２５】また、エアクリーナ前半部分の下方空間及
び気化器の前方空間にシリンダヘッドの上面後部へ延び
る遮熱板を、垂直方向に対する傾斜をラジエタの傾斜よ
りも大きく後下がりとするため、シリンダヘッドの上面
後部から上方に向けて鉛直に延在するようにした遮熱板
よりも、上方に向かう程遮熱板を気化器から遠ざけて離
間させることができると共に該遮熱板はエアクリーナ前
半部分の下方空間を遮断するので、それによって、ラジ
エタ通過後の熱風によって加熱された遮熱板から輻射的
に気化器に伝わる熱の影響を、ラジエタ通過後の熱風を
スムーズに後方に逃がしながら低減することができる。
また、遮熱板をラジエタの後方で、エアクリーナ前半部
分の下方空間及び気化器の前方空間を遮蔽するようにし
て前記シリンダヘッドの上面後部へ延びるように設けの
で、シリンダヘッドの外壁の内，特に上面からの輻射熱
によって暖められた熱気もエアクリーナに到達すること
がない。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の自動二輪車の要部を一部断面に
して示す側面図である。 【図２】図２は同自動二輪車の側面図である。 【図３】図３は同自動二輪車に設けた遮熱板を図１のＩ
ＩＩ矢視で見た図である。 【図４】図４は同じく図１のＩＶ矢視で見た図である。 【符号の説明】 １ 車体フレ―ム ２ エンジン ２ｈ シリンダヘッド ３ 気化器 ４ エアクリ―ナ ５ ラジエタ ６ 遮熱板
して示す側面図である。 【図２】図２は同自動二輪車の側面図である。 【図３】図３は同自動二輪車に設けた遮熱板を図１のＩ
ＩＩ矢視で見た図である。 【図４】図４は同じく図１のＩＶ矢視で見た図である。 【符号の説明】 １ 車体フレ―ム ２ エンジン ２ｈ シリンダヘッド ３ 気化器 ４ エアクリ―ナ ５ ラジエタ ６ 遮熱板
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(58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名)
B62M 7/02
B62J 39/00
F02B 77/11
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １．シリンダ軸線を前傾させてエンジンを車体フレーム
に搭載し、該エンジンのシリンダヘッド後壁に取付けら
れた吸気通路により該シリンダヘッドの上方に気化器を
配置し、さらに該気化器上方に、気化器との接続部をそ
の下面に有する後半部分と該後半部分からラジエタ上方
空間に向けて前方に延びる前半部分とで容積部を形成す
るエアクリーナを配置した自動二輪車において、エンジ
ン冷却用のラジエタをその上端が側面視にて前記シリン
ダヘッド高さよりも上方へ延びるように該シリンダヘッ
ドの前方側に配置し、該ラジエタの後方に、このラジエ
タと、シリンダヘッドの上面と、気化器と、エアクリー
ナ前半部分とによって囲まれた空間を形成し、該空間で
ラジエタの上端近傍から前記エアクリーナ前半部分の下
方空間及び気化器の前方空間を遮蔽して前記シリンダヘ
ッドの上面後部へ延びる遮熱板を設け、この遮熱板を側
面視にて略直線状に形成すると共に、垂直方向に対する
傾斜を前記ラジエタよりも大きくして車体後方側を低く
した後下がりとなるように配置した自動二輪車。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9100843A JP2898259B2 (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | 自動二輪車 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9100843A JP2898259B2 (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | 自動二輪車 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59193885A Division JPH0662104B2 (ja) | 1984-09-18 | 1984-09-18 | 自動二輪車 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1045084A JPH1045084A (ja) | 1998-02-17 |
| JP2898259B2 true JP2898259B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=14284610
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9100843A Expired - Fee Related JP2898259B2 (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | 自動二輪車 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2898259B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005104313A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Honda Motor Co Ltd | 自動二輪車におけるサイドカバー構造 |
| JP5271200B2 (ja) * | 2009-08-28 | 2013-08-21 | 本田技研工業株式会社 | 自動二輪車 |
| JP6803167B2 (ja) | 2016-07-28 | 2020-12-23 | 川崎重工業株式会社 | 鞍乗型車両 |
| JP6706304B2 (ja) * | 2018-10-02 | 2020-06-03 | 本田技研工業株式会社 | エンジンのヘッドカバー構造 |
-
1997
- 1997-04-04 JP JP9100843A patent/JP2898259B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1045084A (ja) | 1998-02-17 |
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Legal Events
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| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |