JP2897475B2 - マグネシウム−亜鉛系フェライト材料 - Google Patents

マグネシウム−亜鉛系フェライト材料

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JP2897475B2 JP3213659A JP21365991A JP2897475B2 JP 2897475 B2 JP2897475 B2 JP 2897475B2 JP 3213659 A JP3213659 A JP 3213659A JP 21365991 A JP21365991 A JP 21365991A JP 2897475 B2 JP2897475 B2 JP 2897475B2
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啓一郎 小林
洋次 森永
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高飽和磁束密度特性
および低磁気損失特性を有するマグネシウム−亜鉛系フ
ェライト材料に関するものである。さらに詳しく言え
ば、高速走査陰極線管(以下CRTと略す)用偏向ヨー
クコア等としての使用に適するフェライト材料に関する
ものであり、特に室温域のみならず、偏向ヨークコアと
しての実働温度域においても上記高飽和磁束密度特性お
よび低磁気損失特性を有するマグネシウム−亜鉛系フェ
ライト材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CRT用偏向ヨークコアには、従来から
主としてマグネシウム−亜鉛系フェライトが使用され、
近年大口径かつ高解像度をもつCRTへの需要が増大し
つつあり、偏向ヨーク用フェライト材料には高飽和磁束
密度特性および高周波における低損失特性が要求されて
いる。図1はこの発明と従来例を比較する飽和磁束密度
(Bm)および磁気損失の温度特性図であり、図中、D
は上記従来のCRT用偏向ヨークコアに使用されるマグ
ネシウム−亜鉛系フェライトの特性であり、この発明の
特許請求の範囲以外の組成のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】CRTの大口径化かつ
高解像度化に伴って、偏向ヨークに使用されるフェライ
ト材料には一層の高飽和磁束密度特性と低損失特性が要
求されている。
【0004】一方、偏向ヨークコアは実働状態において
自己の発熱によって温度上昇し、80℃以上となる部分
も存在する。しかしながら、従来の偏向ヨーク用フェラ
イト材料の開発においては、磁気損失の温度特性は考慮
されているが(特開昭63−319253号公報)、飽
和磁束密度の温度特性は考慮されていなかった。図1中
Dに示した従来材では、材料のキュリー温度が比較的低
いために、比較的低い温度で飽和磁束密度が減少してお
り、80℃以上の実働温度域において高い飽和磁束密度
が得られなかった。
【0005】それゆえ、大口径・高解像度なCRTを得
るためには、偏向ヨークコア用材料として、80℃以上
の実働温度域において高い飽和磁束密度が得られるフェ
ライト材料の開発が課題であった。同時に、発熱量を低
減するために、磁気損失が一層低減された材料であるこ
とも要求されていた。
【0006】この発明はかかる課題を解決するためにな
されたものであり、実働温度域である80℃以上におい
て高飽和磁束密度かつ低損失な偏向ヨーク用マグネシウ
ム−亜鉛系フエライトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のマグネシウム
−亜鉛系フエライトは、Fe23を42〜46.0モル
%,MgOを24〜30モル%,ZnOを15〜19モ
ル%,CuOを1.5〜4.5モル%およびMnOを8
〜11モル%含有する主成分100重量部に対し、Bi
23を0.2〜0.8重量部添加したものである。
【0008】
【作用】この発明において、主成分および添加物を上記
の組成範囲にすることにより、偏向ヨークコアの実働温
度である80℃以上において高飽和磁束密度かつ低損失
な特性を有するマグネシウム−亜鉛系フェライトを得る
ことができる。
【0009】
【実施例】実施例および比較例として、表1に示した種
々の組成となるように、
【0010】
【表1】
【0011】各原料を秤量・混合した後仮焼きし、ボー
ルミル粉砕する。この粉体にポリビニルアルコール水溶
液を混合して環状試料を成形し、1260〜1270℃
にて3時間空気中にて焼成した。この環状試料の飽和磁
束密度(Bm:Hm=10Oe,t=20℃にて測
定)、コアロス(f=32kHz,t=100℃,Bm
=100mTにて測定)およびキュリー温度(Tc)の
値を表1に合わせて示した。なお、表1中試料8,9,
14,15は比較例である。
【0012】試料1,2,3では、表1に記した範囲で
CuOの組成を増加させると飽和磁束密度およびキュリ
ー温度が著しく高くなる。一方これに伴って磁気損失も
増加する。それゆえCuO組成が1.5モル%未満では
飽和磁束密度が低く、また4.5モル%を越えるとコア
ロスが大きく、いずれも実用上問題がある。
【0013】試料4,5,6ではMnOの組成を増やす
と磁気損失に改善効果が見られるが、飽和磁束密度およ
びキュリー温度共に低下する。それ故、MnOの組成が
8モル%未満では磁気損失が大きく、また11モル%を
越えると飽和磁束密度が低く、実用に供し難い。
【0014】試料7,8において、Fe23の組成を増
加させることによって、飽和磁束密度およびキュリー温
度共に著しく高くなるが、同時に磁気損失も増大する。
試料7は固有抵抗率ρが約4×106Ωmであるが、試
料8(比較例)ではρ<1×106Ωmに低下する。こ
れはFe23の増加に伴って、Feの一部がFe3+から
Fe2+として存在するようになるためと考えられる。高
偏向走査周波数をもつCRTでは、偏向ヨークコアの固
有抵抗率が著しく低下すると画面に特有の乱れ(リンギ
ング現象)が発生しやすくなる。それ故、Fe23の組
成が40モル%未満では飽和磁束密度が小さく、46.
0%を越えると固有抵抗率が低下し実用に適さない。
【0015】試料1,9,10,11,12において、
Bi23の添加量を増やすことによって磁気損失が著し
く改善される。Bi23が、0.2〜0.8重量%の範
囲で飽和磁束密度が極大値をとり、かつ磁気損失も極小
値をとる。キュリー温度は、Bi23の添加に伴って増
加する。従って、Bi23の添加量は0.2〜0.8重
量%であることが必要である。
【0016】15〜19モル%の範囲内においてZnO
の組成を増やすことによって磁気損失が改善されるが、
19モル%を越えるとキュリー温度が低下し、80℃以
上における磁気特性の向上が困難となる。また15モル
%未満では磁気損失が増大し、低損失特性が得られなく
なる。
【0017】Fe23,ZnO,CuOおよびMnOを
含有する主成分の組成、ならびにBi23の添加量を上
記範囲内とした時、MgO組成は24〜30モル%の範
囲内であることが必要であり、以上のように、特許請求
の範囲に示した、この発明の組成範囲において高飽和磁
束密度かつ低損失な特性を有するマグネシウム−亜鉛系
フェライトが得られる。
【0018】室温付近における磁気特性に限定すれば、
この発明の実施例の範囲外の組成においても実用可能な
材料は得られる。図1中、A、BおよびCは各々試料1
3,14および15の80℃以上における磁気特性であ
り、試料13はこの発明の実施例のものであり、試料1
4,15はこの発明の範囲外の組成の比較例のものであ
る。20℃における磁気損失のみに着目すると、試料1
3(実施例)より、試料14(比較例)の方が低損失で
あり、また試料13(実施例)および15(比較例)は
同等である。しかし偏向ヨークとしての実働温度である
80℃以上では逆転し、試料13(実施例)が最も低損
失特性を示している。また試料13(実施例)の磁気損
失は、20℃〜120℃の範囲に亘って負の温度係数を
持っており、実働状態におけるコアの熱暴走を防止する
特性を有しているのに対して、試料14,15(比較
例)は100℃以上において正の温度係数を有してお
り、実働状態にて熱暴走を起こす可能性がより高い。
【0019】次に飽和磁束密度を比較する。20℃から
140℃の温度域に亘って試料13(実施例)が最も高
い飽和磁束密度を有している。20℃において試料1
4,15(比較例)は同等な飽和磁束密度を有するが、
20℃において最も低損失である試料14(比較例)の
飽和磁束密度は、キュリー温度が低いため、80℃以上
において急減する。即ち、室温付近において、高飽和磁
束密度特性を持ち、かつキュリー温度が高い材料が実働
温度域において高飽和磁束密度を与える。
【0020】以上のように、実働温度域における磁気評
価を行うことにより、この発明の範囲内の組成を有する
材料が優れていることが判明した。
【0021】上記実施例では、原料および添加物には各
金属元素の酸化物を用いているが、炭酸塩、水酸化物塩
等であっても、焼成温度以下において酸化物になりうる
ものであれば同等の結果が得られる。
【0022】この発明の実施例のマグネシウム−亜鉛系
フェライトは、その用途は偏向ヨークに限定されること
はなく、高磁束密度で作動し、発熱を伴う他の用途にお
いても使用可能である。
【0023】
【発明の効果】この発明は、以上説明した通り、Fe2
3を42〜46.0モル%,MgOを24〜30モル
%,ZnOを15〜19モル%,CuOを1.5〜4.
5モル%およびMnOを8〜11モル%含有する主成分
100重量部に対し、Bi23を0.2〜0.8重量部
添加した物を用いることにより、実働温度域である80
℃以上において高飽和磁束密度かつ低損失な偏向ヨーク
用マグネシウム−亜鉛系フエライトを得ることができ、
このため偏向ヨークコア等の発熱を抑制することが可能
となり、信頼性の向上、小型・軽量化を実現することが
でき、例えば大口径CRTへの適用も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明と従来例を比較する飽和磁束密度(B
m)および磁気損失の温度特性図である。
【符号の説明】
A この発明の実施例の特性 B 比較例の特性 C 比較例の特性 D 従来例の特性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 俊次 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−242931(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/26 - 35/40 C01G 49/00 H01F 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe23を42〜46.0モル%,Mg
    Oを24〜30モル%,ZnOを15〜19モル%,C
    uOを1.5〜4.5モル%およびMnOを8〜11モ
    ル%含有する主成分100重量部に対し、Bi23
    0.2〜0.8重量部添加したマグネシウム−亜鉛系フ
    ェライト材料。
JP3213659A 1991-08-26 1991-08-26 マグネシウム−亜鉛系フェライト材料 Expired - Lifetime JP2897475B2 (ja)

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