JP2550639B2 - 高抵抗率低損失酸化物磁性材料 - Google Patents
高抵抗率低損失酸化物磁性材料Info
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- JP2550639B2 JP2550639B2 JP63034320A JP3432088A JP2550639B2 JP 2550639 B2 JP2550639 B2 JP 2550639B2 JP 63034320 A JP63034320 A JP 63034320A JP 3432088 A JP3432088 A JP 3432088A JP 2550639 B2 JP2550639 B2 JP 2550639B2
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- ferrite
- magnetic material
- oxide magnetic
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、特に高低にて走査する陰極線管(以下CR
Tと略す)用偏向ヨークコアに好適な高抵抗率低損失の
酸化物磁性材料(以下、フェライトという)に関するも
のである。
Tと略す)用偏向ヨークコアに好適な高抵抗率低損失の
酸化物磁性材料(以下、フェライトという)に関するも
のである。
近年、電子機器の動作周波数の高周波化に伴って、そ
れに使用される磁性材料に対しても、低周波域において
は勿論のこと高周波においても優れた磁気特性を有する
ことが要求されるようになりつつある。
れに使用される磁性材料に対しても、低周波域において
は勿論のこと高周波においても優れた磁気特性を有する
ことが要求されるようになりつつある。
例えば、CRTの分野では、OAやCAD/CAM等の急速な普及
により、グラフィックディスプレイやモニタディスプレ
イなどのように高解像度が要求されるものの需要が拡大
している。このような高解像度CRTは高速で走査される
ので、それに使用される偏向ヨークコアは発熱を低く抑
えるために低磁気損失であることが必要である。
により、グラフィックディスプレイやモニタディスプレ
イなどのように高解像度が要求されるものの需要が拡大
している。このような高解像度CRTは高速で走査される
ので、それに使用される偏向ヨークコアは発熱を低く抑
えるために低磁気損失であることが必要である。
また、コアの固有抵抗が小さいと、CRT画面上にリン
ギング現像による縦縞が発生するので、固有抵抗は大き
くなければならず、少なくとも104Ω・m程度は必要で
あるとされている。また、励磁用巻線とコアの間の絶縁
を考慮する必要がないという点からも固有抵抗の大きい
ことは有利である。
ギング現像による縦縞が発生するので、固有抵抗は大き
くなければならず、少なくとも104Ω・m程度は必要で
あるとされている。また、励磁用巻線とコアの間の絶縁
を考慮する必要がないという点からも固有抵抗の大きい
ことは有利である。
このようなことから、発明者は、高速走査に使用され
る偏向ヨークコアに好適な材料として、先にFe2O3,NiO,
ZnO,CuO,MnOを主成分とする(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェ
ライトを提案した(特願昭62−165730号公報参照)。
る偏向ヨークコアに好適な材料として、先にFe2O3,NiO,
ZnO,CuO,MnOを主成分とする(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェ
ライトを提案した(特願昭62−165730号公報参照)。
このフェライトは、Fe2O3,NiO,ZnO,CuO,MnOがモル%
でそれぞれ48.5≦Fe2O3≦50.0%,10.5≦NiO≦14.0%,2
6.5≦ZnO<29.0%,6.0≦CuO≦11.0%,0≦MnO≦2.0%の
組成範囲からなる。このように、フェライトの組成分と
その範囲を適切に選んでやることによって、磁気損失を
小さく、かつ温度係数を100℃付近まで負に設定すると
ともに、固有抵抗も106Ω・m以上ときわめて大きな値
を実現したものである。
でそれぞれ48.5≦Fe2O3≦50.0%,10.5≦NiO≦14.0%,2
6.5≦ZnO<29.0%,6.0≦CuO≦11.0%,0≦MnO≦2.0%の
組成範囲からなる。このように、フェライトの組成分と
その範囲を適切に選んでやることによって、磁気損失を
小さく、かつ温度係数を100℃付近まで負に設定すると
ともに、固有抵抗も106Ω・m以上ときわめて大きな値
を実現したものである。
したがって、このフェライトをCRT用の偏向ヨークコ
アの材料として使用すれば、CRTの偏向周波数の高周波
化に伴うコアの自己発熱を低減させ、かつ画質低下をひ
きおこすリンギングの発生も防止できる。
アの材料として使用すれば、CRTの偏向周波数の高周波
化に伴うコアの自己発熱を低減させ、かつ画質低下をひ
きおこすリンギングの発生も防止できる。
上述のように、発明者が先に提案したフェライトは、
高速走査用偏向ヨークコアとして一応の水準を満足する
材料といえるが、今後さらにCRTの高速走査化が進んだ
場合を考えると、コアの自己発熱の問題はなお避けられ
ないので、高周波での磁気損失をさらに低減させたフェ
ライトの開発が必要になる。
高速走査用偏向ヨークコアとして一応の水準を満足する
材料といえるが、今後さらにCRTの高速走査化が進んだ
場合を考えると、コアの自己発熱の問題はなお避けられ
ないので、高周波での磁気損失をさらに低減させたフェ
ライトの開発が必要になる。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、
先に発明者が提案した上記(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェラ
イトにおける高抵抗特性を損なうことなく、高周波での
磁気損失を同フェライトよりさらに低減させた高抵抗率
低損失のフェライトを提供することを目的とする。
先に発明者が提案した上記(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェラ
イトにおける高抵抗特性を損なうことなく、高周波での
磁気損失を同フェライトよりさらに低減させた高抵抗率
低損失のフェライトを提供することを目的とする。
この発明に係るフェライトは、先に発明者が提案した
(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェライトをベースとし、その主
成分である鉄の一部を適当量のチタンおよびマグネシウ
ムで置換したものである。すなわち、モル%で、45.0≦
Fe2O3≦50.0%,10.5≦NiO≦14.0%,26.5≦ZnO<29.0%,
6.0≦CuO≦11.0%,O≦MnO≦2.0%,0≦TiO2≦3.0%、O
≦MgO≦3.0%(ただし、TiO2,MgOがともに0の場合は除
く)の組成範囲からなる材料である。
(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェライトをベースとし、その主
成分である鉄の一部を適当量のチタンおよびマグネシウ
ムで置換したものである。すなわち、モル%で、45.0≦
Fe2O3≦50.0%,10.5≦NiO≦14.0%,26.5≦ZnO<29.0%,
6.0≦CuO≦11.0%,O≦MnO≦2.0%,0≦TiO2≦3.0%、O
≦MgO≦3.0%(ただし、TiO2,MgOがともに0の場合は除
く)の組成範囲からなる材料である。
上記チタンおよびマグネシウムの置換量の限定理由は
後述する実施例において説明したとおりである。
後述する実施例において説明したとおりである。
この発明においては、先の(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェ
ライトの主成分である鉄の一部をチタンおよびマグネシ
ウムで置換したので同フェライトの高抵抗特性を維持し
たまま、高周波域における磁気損失を先のフェライトよ
りもさらに低減することができる。このことは、実施例
によって実験的に明らかにすることができた。
ライトの主成分である鉄の一部をチタンおよびマグネシ
ウムで置換したので同フェライトの高抵抗特性を維持し
たまま、高周波域における磁気損失を先のフェライトよ
りもさらに低減することができる。このことは、実施例
によって実験的に明らかにすることができた。
(実施例1) Fe2O3,NiO,ZnO,CuO,MnO,TiO2およびMgOをそれぞれ第
1表に示す割合で配合し、これらの粉末混合物を800℃
で1.5時間仮焼成し、そのあとボールミルで20時間の粉
砕をおこなった。これに有機バインダーを加えて造粒,
成形し1000℃で5時間焼成した。このときの固形抵抗
ρ,磁束密度B10,保磁力HC,キュリー温度TCおよび磁気
損失P.Lの値を第2表に示す。P.Lの値は温度100℃,周
波数120KHz,最大磁束密度1000Gで測定したものである。
1表に示す割合で配合し、これらの粉末混合物を800℃
で1.5時間仮焼成し、そのあとボールミルで20時間の粉
砕をおこなった。これに有機バインダーを加えて造粒,
成形し1000℃で5時間焼成した。このときの固形抵抗
ρ,磁束密度B10,保磁力HC,キュリー温度TCおよび磁気
損失P.Lの値を第2表に示す。P.Lの値は温度100℃,周
波数120KHz,最大磁束密度1000Gで測定したものである。
第1表,第2表から明らかなように、Fe2O3に対するM
gO置換量を0.5モル%一定とし、TiO2置換量を0モル%
から次第に増やしていくと、P.Lは減少して極小(No.2,
No.3)となったあと増加に転じる。そして、TiO2が3.1
モル%(No.7)になると、無置換(比較例)のときより
もP.Lは大きくなって置換の効果がなくなる。ρはいず
れの場合も106Ω・m以上と充分大きな値であるが、B10
とTCは置換量が多いほど低下する傾向がある。したがっ
て、TiO2置換量は0〜3.0モル%が適当であり、さらに
好ましくは0.5〜1.5モル%である。
gO置換量を0.5モル%一定とし、TiO2置換量を0モル%
から次第に増やしていくと、P.Lは減少して極小(No.2,
No.3)となったあと増加に転じる。そして、TiO2が3.1
モル%(No.7)になると、無置換(比較例)のときより
もP.Lは大きくなって置換の効果がなくなる。ρはいず
れの場合も106Ω・m以上と充分大きな値であるが、B10
とTCは置換量が多いほど低下する傾向がある。したがっ
て、TiO2置換量は0〜3.0モル%が適当であり、さらに
好ましくは0.5〜1.5モル%である。
(実施例2) 実施例1では、TiO2置換量の影響を調べたが、次にTi
O2を一定にしてMgO量を変えて実験した。すなわち、実
施例1と同様にして、第3表の組成の試料を作製し、測
定をおこなった。ただし、仮焼温度と焼成温度は実施例
1よりも、ともに40℃高くした。
O2を一定にしてMgO量を変えて実験した。すなわち、実
施例1と同様にして、第3表の組成の試料を作製し、測
定をおこなった。ただし、仮焼温度と焼成温度は実施例
1よりも、ともに40℃高くした。
諸特性の測定結果は第4表のようになり、実施例1と
同様、P.Lは一旦低下したあと再び増加し、MgO置換量が
3.3モル%(No.15)では、無置換(比較例)のときと同
じ値に戻る。ρ,B10,TCも実施例1と同じような変化を
示し、置換量が多すぎるのはB10,TCにとって好ましくな
い。よって、望ましいMgO置換量は0〜3.0モル%、さら
に好ましくは0.5〜1.5モル%である。
同様、P.Lは一旦低下したあと再び増加し、MgO置換量が
3.3モル%(No.15)では、無置換(比較例)のときと同
じ値に戻る。ρ,B10,TCも実施例1と同じような変化を
示し、置換量が多すぎるのはB10,TCにとって好ましくな
い。よって、望ましいMgO置換量は0〜3.0モル%、さら
に好ましくは0.5〜1.5モル%である。
〔発明の効果〕 以上のように、この発明によれば、先に発明者が提案
した(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェライトの鉄の一部をチタ
ンおよびマグネシウムで置換したので、上記フェライト
における高抵抗特性を損なうことなく、高周波域での磁
気損失を同フェライトよりさらに低減できることが明ら
かとなった。
した(Ni−Cu−Mn−Zn)系フェライトの鉄の一部をチタ
ンおよびマグネシウムで置換したので、上記フェライト
における高抵抗特性を損なうことなく、高周波域での磁
気損失を同フェライトよりさらに低減できることが明ら
かとなった。
なお、この発明によるフェライトは、偏向ヨークコア
の材料としてのみならず、高磁束密度,高周波で使用す
るコアの材料としても有用であることは勿論である。
の材料としてのみならず、高磁束密度,高周波で使用す
るコアの材料としても有用であることは勿論である。
Claims (1)
- 【請求項1】モル%で、45.0≦Fe2O3≦50.0%,10.5≦Ni
O≦14.0%,26.5≦ZnO<29.0%,6.0≦CuO≦11.0%,O≦Mn
O≦2.0%,0≦TiO2≦3.0%,O≦MgO≦3.0%(ただし、TiO
2,MgOがともに0の場合は除く)の組成範囲からなるこ
とを特徴とする高抵抗率低損失酸化物磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63034320A JP2550639B2 (ja) | 1988-02-17 | 1988-02-17 | 高抵抗率低損失酸化物磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63034320A JP2550639B2 (ja) | 1988-02-17 | 1988-02-17 | 高抵抗率低損失酸化物磁性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01212234A JPH01212234A (ja) | 1989-08-25 |
JP2550639B2 true JP2550639B2 (ja) | 1996-11-06 |
Family
ID=12410869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63034320A Expired - Lifetime JP2550639B2 (ja) | 1988-02-17 | 1988-02-17 | 高抵抗率低損失酸化物磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2550639B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002198212A (ja) | 2000-12-27 | 2002-07-12 | Fdk Corp | 低損失酸化物磁性材料 |
JP2002246222A (ja) * | 2001-02-13 | 2002-08-30 | Tdk Corp | 酸化物磁性材料とそれを用いたコイル部品 |
JP5729658B2 (ja) * | 2011-09-02 | 2015-06-03 | 株式会社村田製作所 | セラミック電子部品、及びセラミック電子部品の製造方法 |
JP7238511B2 (ja) * | 2019-03-19 | 2023-03-14 | 株式会社プロテリアル | Ni系フェライトおよびそれを用いたコイル部品 |
-
1988
- 1988-02-17 JP JP63034320A patent/JP2550639B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01212234A (ja) | 1989-08-25 |
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