JP2897262B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP2897262B2 JP1188073A JP18807389A JP2897262B2 JP 2897262 B2 JP2897262 B2 JP 2897262B2 JP 1188073 A JP1188073 A JP 1188073A JP 18807389 A JP18807389 A JP 18807389A JP 2897262 B2 JP2897262 B2 JP 2897262B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車輪のブレーキ時に車輪ロックを防止する
アンチスキッド制御装置に関し、特に左右輪で路面との
摩擦状態が異なる走行路(以下「スプリット路」とい
う。)において制動性と操縦安定性との両立を図るもの
に関する。
[従来の技術] 左右輪の路面との摩擦状態が異なるスプリット路走行
時や車体の旋回時では、運転者が制動操作を行った場合
に、通常の走行と異なり左右の制動力の不均衡から制動
性や操縦安定性が低下する。このような状況下で従来の
アンチスキッド装置が働いていると、低摩擦路面側の車
輪の回転速度が高摩擦路面側に比べて大きく低下してい
るため、その回転速度の低下を防止しようとしてブレー
キ力の制御に入りやすく、制動距離が延びるという問題
があった。
この対策として、アンチスキッド装置においては、ヨ
ーレートセンサ及びステアリングセンサを特別に設け、
これにより車体の走行状態(旋回有無・スピン有無等)
を検出し、その結果に応じて各車輪のブレーキ圧力を制
御できるもの(特開昭61−232952号公報等)が提案され
ている。しかし、それだけ高価な設備や複雑な制御が必
要でありコスト高となる。
このようなアンチスキッド制御装置に対し、上記セン
サ等を設けずに簡単化した装置にてアンチスキッド制御
を実現した装置も提案されている。
例えば、特開昭63−57359号公報は、最大回転速度輪
と各輪との回転速度の差を検出し、この差からスリップ
状態を判定するための基準値を算出している。このこと
によりスプリット路や旋回状態での左右輪の摩擦状態や
回転の違いをアンチスキッド制御に反映することが出来
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし前記装置では、当然にブレーキ力の制御に対し
て摩擦状態や旋回状態での左右輪の回転速度差がそのま
ま直接に影響して来る。
このように摩擦状態や旋回状態がそのままブレーキ力
に影響して来ると、左右輪の回転速度差が異なるたび
に、制動操作による車輪の回転の落込み量が異なった
り、ブレーキ制御の開始タイミングが異なったりして、
走行が不安定となり操縦安定性が低下するという問題が
あった。
従って、簡単な機構で制動性と操縦安定性とを両立で
きるアンチスキッド制御装置が得られていなかった。
そこで本発明の目的は、特別なセンサ等を用いないア
ンチスキッド制御装置において、前記の課題を解決し、
スプリット路の走行や旋回走行時に制動性と走行安定性
との両立を図ることにある。
[課題を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本発明は課題を解決するた
めの手段として次の構成を採用した。即ち、第1図に例
示する如く、請求項1の発明は、 左右の車輪のブレーキ力を制御するブレーキ力調整手
段と、 前記各車輪の車輪回転速度を検出する車輪回転速度検
出手段と、 前記ブレーキ力調整手段によるホイールシリンダ圧の
減圧出力状態である際のみに、前記車輪回転速度検出手
段により検出された2つの車輪回転速度に基づいて、前
記両車輪間の路面に対する摩擦状態の差を推定する摩擦
状態差推定手段と、 前記摩擦状態差推定手段の推定結果と前記車輪回転速
度とに基づいて制御信号を前記ブレーキ力調整手段に出
力するブレーキ制御手段と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置を
要旨とする。
また、請求項2の発明は、 前記ブレーキ制御手段は、 前記車輪回転速度検出手段により検出された少なくと
も2つの車輪回転速度を含む複数の車輪回転速度の内の
最大の車輪回転速度に基づいて、車輪のスリップ状態を
検出するためのスリップ基準速度を設定するスリップ基
準速度設定手段と、 前記摩擦状態差推定手段により推定された差の状態が
所定以上の場合に、前記スリップ基準速度を減少補正す
るスリップ基準速度減少手段と、 を備え、 前記ブレーキ制御手段は、 前記摩擦状態差推定手段により摩擦状態の差が基準値
以上存在すると推定された場合には、前記スリップ基準
速度減少手段によって補正されたスリップ基準速度に基
づいて前記スリップ状態を検出するとともに、前記摩擦
状態差推定手段より摩擦状態の差が前記基準値より小さ
いと推定された場合には、前記スリップ基準速度設定手
段によって設定されたスリップ基準速度に基づいて前記
スリップ状態を検出することを特徴とする前記請求項1
に記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
請求項3の発明は、前記摩擦状態差推定手段は、左右
の車輪回転速度の一方が、低摩擦路面判定用基準速度よ
り小さく、一方が高摩擦路面判定用基準速度より大きい
場合に、左右輪で路面との摩擦係数が異なるスプリット
路走行と判断することを特徴とする前記請求項1又は2
に記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
請求項4の発明は、 前記摩擦状態差推定手段は、左右の車輪回転速度差の
積算値が所定値より大きい場合に、左右輪で路面との摩
擦係数が異なるスプリット路走行と判断することを特徴
とする前記請求項1又は2に記載のアンチスキッド制御
装置を要旨とする。
[作用] 請求項1のアンチスキッド制御装置は、摩擦状態差推
定手段が、車輪回転速度検出手段からの検出値に基づい
て、ブレーキ力調整手段によるホイールシリンダ圧の減
圧出力状態である際のみに、車体の左右に配置された2
つの車輪の路面に対する摩擦状態の差を推定し、この摩
擦状態の推定結果に基づいてブレーキ力調節手段を制御
する。例えば、その車輪回転速度の差やその車輪回転速
度の差の累積値が、所定値よりも大きくなれば、摩擦状
態差は左右輪間で大きいと推定できる。ここで摩擦状態
とは各車輪の路面との間の単なる摩擦係数の程度差も含
まれるが、それのみでなく左右での荷重の差による摩擦
状態の差異、あるいは車体旋回を起因とする左右輪の摩
擦状態の差異も含まれる。
請求項2のアンチスキッド制御装置では、スリップ基
準速度設定手段は、少なくとも上記2つの車輪回転速度
を含む複数の車輪回転速度の内の最大の車輪回転速度に
基づいて車輪2のスリップ状態を検出するためのスリッ
プ基準速度を設定する。また、スリップ基準速度減少手
段は、摩擦状態の差が所定値以上の場合には、スリップ
基準速度を減少補正する。即ちスリップと判断されにく
くする。
このように減少補正の補正量は、摩擦状態の差の程度
には影響されない。従って、摩擦状態差の大小によって
操縦性が不安定化することもなく、かつスリップ基準速
度は減少されるので制動性の低下も防止でき、車体の操
縦安定性及び制動性の両立が達成できる。
請求項3のアンチスキッド制御装置では、摩擦状態差
推定手段は、左右の車輪回転速度の一方が、低摩擦路面
判定用基準速度より小さく、一方が高摩擦路面判定用基
準速度より大きい場合に、左右輪で路面との摩擦係数が
異なるスプリット路走行と判断することができる。
請求項4のアンチスキッド制御装置では、摩擦状態差
推定手段は、左右の車輪回転速度差の積算値が所定値よ
り大きい場合に、左右輪で路面との摩擦係数が異なるス
プリット路走行と判断することができる。
[実施例] 以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第2図は本発明の一実施例の構成を示す。本実施例は
フロントエンジン・リアドライブの四輪車に本発明を適
用した例である。
右前輪1、左前輪2、右後輪3及び左後輪4の各々に
電磁式、磁気抵抗式等の回転速度センサ5,6,7,8が配置
され、各車輪1〜4の回転に応じてパルス信号を出力し
ている。更に各車輪1〜4には各々油圧ブレーキ装置
(ホイールシリンダ)11,12,13,14が配設され、マスタ
ーシリンダ16からの油圧はアクチュエータ21,22,23,2
4、及び各油圧管路を介して、各油圧ブレーキ装置11〜1
4に送られる。ブレーキペダル25の踏み込み状態は、ス
トップスイッチ26によって検出され、制動時はオン信号
が出力され、非制動時にはオフ信号が出力される。
通常時、ブレーキペダル25の踏み込みによりマスター
シリンダ16に油圧が発生し、各車輪1〜4を制動するこ
とが出来るが、別にスリップ制御用の油圧源として、電
動モータの駆動によって油圧を発生する油圧ポンプ27a,
27bも設けられている。電子制御回路40がこれらアクチ
ュエータ21〜24を制御することにより、油圧ブレーキ装
置11〜14のブレーキ油圧を調整し、各車輪1〜4毎に制
動力を調整する。各アクチュエータ21〜24は、増圧モー
ド、減圧モード、保持モードを持つ電磁式三位置弁で、
アクチュエータ21に図示したA位置でブレーキ油圧を増
圧し、B位置でブレーキ油圧を保持し、C位置でブレー
キ油圧をリザーバ28a,28bへ逃し、減圧を行う。また、
この三位置弁は非通電時に増圧モードとなり、通電時に
その電流レベルにより保持または減圧モードとなる。
電子制御回路40は、イグニッションスイッチ41がオン
されることにより電力を供給され、速度センサ5〜8及
びストップスイッチ26からの信号を受け、ブレーキ力制
御のための演算処理などを行い、アクチュエータ21〜24
を切換制御する出力信号を発生する。
電子制御回路40はCPU、ROM、RAM、I/Oインターフェー
ス等からなるマイクロコンピュータから構成されてい
る。
次に電子制御回路40が実行するアンチスキッド制御を説
明する。第3図はアンチスキッド制御のメインルーチン
の処理内容を表している。
イグニッションスイッチ41がオンされると、まずメモ
リクリア、フラグリセット等の初期化処理が実行される
(ステップ100)。次に前述した各センサ及びスイッチ
の検出信号を読み込む処理が行われる(ステップ20
0)。この読み込んだ車輪回転速度信号に基づき、各車
輪の車輪回転速度VWFR,VWFL,VWRR,VWRL及び車輪回転
加速度DVWFR,DVWFL,DVWRR,DVWRLを演算する処理が行
われる(ステップ300)。次にステップ370では、各車輪
の車輪回転速度VWFR〜VWRLに基づき異径タイヤ装着、セ
ンサ断線、ノイズ等により発生するセンサ信号の異常を
判定し、異常の有無によりセンサ異常フラグをセット、
リセットする(ステップ370)。次に、路面状態判定処
理が行われる(ステップ400)。この処理では、スプリ
ット路走行・急旋回走行状態にあるか否かの判定、前輪
1,2が共に低摩擦路面走行状態にあるか否かの判定、及
び左右後輪4,3が低摩擦路面走行状態にあるか否かの判
定が行われる。次に推定車体速度V0を演算する(ステッ
プ500)。この推定車体速度V0は車輪回転速度VWFR〜V
WRLを基に算出した車体速度の推定値である。次にブレ
ーキ圧力を調整するアクチュエータ21〜24の動作モード
を決めるためのスリップ基準速度VSを設定する(ステッ
プ600)。尚、本実施例では前輪1,2側のスリップ基準速
度VSFを後輪3,4側のスリップ基準速度VSRよりも低く設
定してある。次にこの基準値VSによりアクチュエータ21
〜24の動作モードを設定する処理が行われる(ステップ
700)。この設定された動作モードとなるようアクチュ
エータ21〜24の電磁ソレノイドに切換制御信号を出力し
た後(ステップ800)、ステップ200の処理に戻る。以
後、本アンチスキッド制御処理は前記ステップ200〜800
を繰り返して実行する。
ステップ300を第4図に基づいて詳細に説明する。
まず、各回転速度センサ5〜8からの信号により各車
輪回転速度VWFR,VWFL,VWRR,VWRLを演算する(ステッ
プ310)。次に、この求められた各車輪回転速度VWFR〜V
WRLを微分して各車輪回転加速度DVWFR,DVWFL,DVWRR
DVWRLを演算する(ステップ320)。そして左前輪回転速
度VWFL及び右前輪回転速度VWFRの大小を比較して、低速
側の車輪回転速度を低速車輪回転速度VWLO[VWLO←Min
(VWFL,VWFR)]として求める。また、その低速側の車
輪回転加速度を低速車輪回転加速度DVWLOとして求める
(ステップ340)。次に左後輪回転速度VWRL及び右後輪
回転速度VWRRの大小を比較して、高速側の車輪回転速度
を高速車輪回転速度VWHI[VWHI←Max(VWRL,VWRR)]
として求める。また、その高速側の車輪回転加速度を高
速車輪回転加速度DVWHIとして求める(ステップ350)。
次に第5図に示すフローチャートに基づいて、車輪1
〜4と路面との摩擦状態を判定する処理の詳細を説明す
る(ステップ400)。勿論、摩擦係数が異なる場合ばか
りでなく、旋回を行って、車輪1〜4の車輪速度が左右
で異なる場合も含まれる。この場合も、路面摩擦係数が
左右で異なる路面と同様の状態として検出される。従っ
て「スプリット路」の判定は結果的に「旋回走行状態」
も含めた判定処理をも行っていることになる。以下の説
明において「スプリット路」についての説明は、特に断
わらない限り「旋回走行状態」の説明を兼ねているもの
とする。この処理の概要は次のごとくである。
即ち、ステップ402〜452の処理にて後輪3,4の回転速
度をチェックして、スプリット路であるか否かを判定す
る処理を行い、スプリット路であればスプリットフラグ
FHIERに「1」を設定する。更にステップ460で両前輪1,
2共に低摩擦路面走行状態にあるか否かを判定し、ステ
ップ470で両後輪3,4共に低摩擦状態にあるか否かを判定
している。
まず後述する処理によりセットされるスプリットフラ
グFHIERが「1」であるか否かが判定される(ステップ4
02)。スプリットフラグFHIERが「1」ではないと判定
されると、減圧中フラグFRELMが「1」であるか否かが
判定される(ステップ404)。この減圧中フラグF
RELMは、図示しない処理により、アクチュエータ23,24
へ出力される共通の駆動信号が減圧出力状態となり、次
に増圧出力状態に切り換わるまでの間は「1」に、それ
以外のときには値0に設定されているフラグである。
減圧中フラグFRELMが「1」であると判定されると、
即ちブレーキ圧力が減圧出力状態であると、前記高速車
輪回転速度VWHIが高速基準速度KVWH以上であるか否かが
判定される(ステップ406)。第9図(a)に示すごと
く、この高速基準速度KVWHはステップ500で求められる
推定車体速度V0に所定のオフセット値を設定して求めら
れているものである。
高速車輪回転速度VWHIが高速基準速度KVWH未満であれ
ば、フラグFHDROPに「1」が設定され(ステップ40
8)、KVVH以上であるときには、このフラグFHDROP
「1」であるか否かを判定する(ステップ410)。フラ
グFHDROPが「1」でないときには、即ち高速車輪回転速
度VWHIが高速基準速度KVWH以上であるときには、高速車
輪回転速度VWHIと低速車輪回転速度VWLOとの速度差ΔVW
を求める。そして、その差ΔVWを本ルーチンを繰り返し
実行する毎に順次積算する処理を実行する(ステップ41
2)。更にカウンタCTDELの値をカウントアップする処理
を実行する(ステップ414)。
次に、低速車輪回転速度VWLOが低速基準速度KVWLより
小さいか否かを判定する(ステップ416)。この低速基
準速度KVWLは前記推定車体速度V0にオフセット値を設定
して求められる。この低速基準速度KVWLは第9図(a)
に示すごとく、前記高速基準速度KVWHよりは低くなるよ
うにオフセット値が定めてある。
低速車輪回転速度VWLOが低速基準速度KVWLより小さい
ときには、スプリットフラグFHIERに「1」をセットす
る(ステップ418)。
一方、低速車輪回転速度VWLOが低速基準速度KVWL以上
であるとき(ステップ416)には、カウンタCTDELの値が
所定の時間基準値KTDEL1(msec)より小さいか否かを判
定する(ステップ420)。カウンタCTDELの値が時間基準
値KTDEL1より小さいときには、即ち、時間基準値KTDEL1
に該当する時間が経過していないときには、前記ステッ
プ412の処理による速度差ΔVWの積算値が所定の積算基
準速度値KVWDEL以上か否かを判定する(ステップ42
2)。そして、速度差ΔVWの積算値が積算基準速度値KV
WDEL以上であるときには、前記ステップ418の処理を実
行して、スプリットフラグFHIERに「1」をセットす
る。また、速度差ΔVWの積算値が積算基準速度値KVWDEL
未満であるときには、スプリットフラグFHIERに「1」
をセットせずに次の処理(ステップ460)に移る。
ステップ418の処理でスプリットフラグFHIERに「1」
をセットすると、若しくは、ステップ410の処理でフラ
グFHDROPが「1」であると判定されると、若しくは所定
時間が経過し、ステップ420にてカウンタCTDELの値が時
間基準値KTDEL1以上であると判定されたときには、速度
差ΔVWの積算値をクリアする(ステップ426)。更にカ
ウンタCTDELの値もクリアして(ステップ428)次の処理
(ステップ460)に移る。
一方、前記ステップ404の処理により、減圧中フラグF
RELMが「1」でないと判定されると、フラグFHDROPをク
リアして(ステップ430)、ステップ412以下の前述した
処理を実行する。
前述した処理の実行により、第9図(a)に示すよう
に、アクチュエータ23,24の駆動信号が減圧出力状態に
なってから(ステップ404)、高速車輪回転速度VWHI
高速基準速度KVWH以上であり(ステップ406)、かつ、
低速車輪回転速度VWLOが低速基準速度KVWLより小さいと
き(ステップ416)に、スプリット路であることを表す
スプリットフラグFHIERに「1」をセットしている(ス
テップ418)。即ち、右後輪3及び左後輪4の車輪回転
速度VWRR,VWRLの落込み方の違いを、スレッシュホール
ドによる方法によって、2つの基準KVWH,KVWLを使って
判定し、落込みの差が大きい場合は、右後輪3及び左後
輪4のそれぞれの路面摩擦係数μの差が大きいと判断
し、スプリットフラグFHIERに「1」をセットしている
のである。
またこれとは別に、第9図(b)に示すように、積算
する方法によって、右後輪3及び左後輪4の速度差ΔVW
の積算値が、減圧出力状態から(ステップ404)、所定
時間経過するまでに(ステップ414,420)、基準速度値K
VWDEL以上となったときには(ステップ422)、同様にス
プリットフラグFHIERに「1」をセットする。これによ
り、前記スレッシュホールドによる方法では検出できな
いスプリット路で走行していると判断し、スプリットフ
ラグFHIERに「1」をセットする。
この様に、右後輪3及び左後輪4で路面状態が異なる
場合に、スプリットフラグFHIERに「1」がセットされ
ることになる。
一方、前記ステップ402の処理により、スプリットフ
ラグFHIERに「1」がセットされていると判定される
と、前記速度差ΔVWが所定の基準値KVDEL2以上か否かを
判定する(ステップ442)。速度差ΔVWが基準値KVDEL2
より小さいときには、前記カウンタCTDELの値が所定の
基準値KTDEL2(msec)以上であるか否かを判定する(ス
テップ444)。カウンタCTDELの値が基準値KTDEL2より小
さいときには、カウンタCTDELをカウントアップし(ス
テップ446)、次の処理(ステップ460)に移る。
メインルーチンを繰り返し実行して、所定時間が経過
すると、ステップ444の処理によりカウンタCTDELの値が
基準値KTDEL2以上であると判定されて、スプリットフラ
グFHIERの値をクリアする(ステップ448)。そして、次
にステップ442の処理により速度差ΔVWが基準値KVDEL2
以上であると判定された場合も含めて、カウンタCTDEL
の値をクリアする(ステップ452)。そして次の処理
(ステップ460)に移る。
即ち、メインルーチンを繰り返し実行して、第9図
(c)に示すように、前記速度差ΔVWが、所定時間以上
継続しても(ステップ442,444,446)、いまだに基準値K
VDEL2より小さいとき、スプリット路の制御が必要ない
通常の路面である(あるいは通常の直進走行)としてス
プリットフラグFHIERの値を0とする(ステップ448)の
である。
一方、第10図に示すように、減圧中フラグFRELM
「1」となった後、即ちアクチュエータ駆動信号が減圧
出力状態となった後、増圧出力状態となって減圧中フラ
グFRELMが「0」となったときに(ステップ404)、フラ
グFHDROPの値を「0」とする(ステップ430)。
尚、以上のスプリットフラグFHIER設定処理(ステッ
プ402〜452)が繰り返えされるたびに両前輪低摩擦状態
判定処理(ステップ460)及び両後輪低摩擦状態判定処
理(ステップ470)も繰り返される。この処理は、例え
ば、両輪(1,2または3,4)共に高速基準速度KVWHあるい
は低速基準速度KVWLを下回った場合に両輪(1,2または
3,4)が低摩擦路面走行状態であると判定する処理であ
る。
次に、第6図にステップ500の推定車体速度V0演算処
理の詳細を説明する。この推定車体速度V0は車輪回転速
度VWFR〜VWRLを基に算出した車体速度の推定値である。
まず左右前輪2,1の車輪回転速度VWFR,VWFLの最大値
として前輪参照速度VFSEL(1)式のように演算する
(ステップ510)。
VFSEL=Max(VWFR,VWFL) ……(1) ここで、Maxは最大値を選びだす演算子である。
次に、ステップ520〜560により、路面状態に応じて後
輪参照速度VRSELを算出する。ステップ400の判定結果が
左右前輪2,1ともに低摩擦状態にあると判定している
場合、またはスプリットフラグFHIERに「1」が設定し
てあると判定した場合(ステップ520)、後輪参照速度V
RSELを左右後輪4,3の車輪回転速度VWRR,VWRLの最大値
として(2)式のように演算する(ステップ530)。
VRSEL=Max(VWRR,VWRL) ……(2) ステップ520で、ステップ400の判定結果が前記以外
の場合は、各回転速度センサ7,8に異常がないかチェッ
クし(ステップ540)、異常がなければ、後輪参照速度
を左右後輪4,3の車輪回転速度VWRR,VWRLの平均値V
RMEANとして(3)式のように演算する(ステップ55
0)。
VRSEL=(VWRR,VWRL)/2 ……(3) ステップ540で、センサ異常があった場合、次のよう
な異常処理を行う(ステップ560)。
例えば、後輪3,4のいずれかに小径の異径タイヤ装着
されると、一方の小径輪速度(VWRLまたはVWRR)が大き
いため、左右後輪4,3の平均値を後輪参照速度VRSELとす
ると、後輪参照速度VRSELが標準タイヤの場合より持ち
上がってしまう。このため、異常処理としては、小径輪
は除外し後輪参照速度VRSELには左右後輪4,3の平均値で
なく、異常フラグのセットされていない側の後輪(3ま
たは4)の速度(VWRLまたはVWRR)を用いる処理がなさ
れる。
また、例えば、右後輪3の回転速度センサ7の断線時
は、断線した右後輪3の速度VWRRが零となるため、左右
後輪4,3の平均値を参照速度VRSELとしたのでは適正値よ
り下がってしまう。このため異常処理としては、断線し
た回転速度センサ7の出力値は除外し、後輪参照速度V
RSELにはセンサ異常フラグのセットされていない左後輪
4の回転速度VWRLを用いる処理がなされる。
また、センサノイズ発生時にも同様に、異常処理とし
ては、異常フラグのセットされていない車輪回転速度を
後輪参照速度とする処理がなされる。
このように、各種センサ異常時には、左右後輪4,3の
平均速度の代わりにセンサ異常フラグのセットされてい
ない車輪の速度を後輪参照速度とするので、制御に対す
る信頼性が向上する。
次に、参照速度VSELを前輪参照速度VFSELと後輪参照
速度VRSELの最大値として(4)式のように設定する
(ステップ570)。
VSEL=Max(VFSEL,VRSEL) ……(4) 次に、このVSELに対して、前回求めた推定車体速度V
0(n-1)と車体走行状態でとり得る車体加減速度(K1・t,
K2・t)とから求められた上・下限値にて、制限を加
え、推定車体速度V0(n)を設定する。例えば(5)式の
ようにして設定する(ステップ580)。
V0(n)=Med(VSEL,V0(n-1)+K1・t, V0(n-1)−K2・t) ……(5) ここで、Med(メジアン)は、中間の値を設定する演
算子、V0(n-1)は前回演算した推定車体速度、tは演算
周期、K1,K2は所定の加減速度を示す一定値で、例えば
K1=0.5G,K2=1.0Gに設定される。
これで、ステップ500の処理を終了し、スリップ基準
値設定(ステップ600)へ進む。
ステップ600ではブレーキ圧力を調整するアクチュエ
ータ21〜24の動作モードを決めるための基準値Vsを設定
する。第7図に示すごとくこの基準値Vsはスプリットフ
ラグFHIERの状態を判断して(ステップ610)設定されて
いる。即ちFHIER=0の場合、基準値Vsは推定車体速度V
0(n)に所定の係数K3を乗じオフセット量K0Vを持たせる
ことにより(6)式のように求められる(ステップ62
0)。
Vs=K3・V0(n)−K0V ……(6) またFHIER=1の場合、基準値Vsは推定車体速度V0(n)
に所定の係数K4を乗じオフセット量K1Vを持たせること
により(6)式と同一の式で求められる(ステップ63
0)。
ただし、K4≦K3,K1V>K0Vである。
次にステップ700の動作モード設定処理を、第8図の
フローチャートに基づいて説明する。
まず、前輪1,2の処理について説明する。両前車輪1,2
の車輪回転速度VWFR,VWFLの少なくとも1つが前記
(6)式で求められた基準値Vs未満であるか否かを判定
する(ステップ705)。車輪回転速度VWFR,VWFLの少な
くとも1つが基準値Vs未満であると、アンチスキッド制
御中を示すフラグFBを「1」とする(ステップ710)。
次に車輪回転速度が基準値Vs未満である前車輪(1また
は2)の車輪回転速度(DVWFRまたはDVWFL)が所定の加
速度基準Gs未満か否かを判定する(ステップ715)。車
輪回転速度(DVWFRまたはDVWFL)が加速度基準Gs未満で
あると、加速度基準値GsにヒステリシスPをセット(Gs
←Gs+P)する(ステップ720)。次に減圧モード設定
を行う(ステップ725)。
一方、ステップ715の処理により、車輪回転加速度(D
VWFRまたはDVWFL)が加速度基準Gs未満でないと判定さ
れると、加速度基準値GsからヒステリシスPをリセット
して(ステップ730)保持モード設定を行う(ステップ7
35)。
また、ステップ705の処理において、両車輪1,2の車輪
回転速度VWFR,VWFLが基準値Vs未満でないと判定される
と、アンチスキッド制御中フラグFBが「1」か否かを判
定する。フラグFBが「1」であると、アンチスキッド制
御中であるとして、加速度基準値GsからヒステリシスP
をリセット(ステップ760)した後、所定時間以上緩増
モード中であるか否かを判定する(ステップ765)。所
定時間以上緩増モード中でないと判定されると、緩増モ
ード設定を行う(ステップ775)。この緩増モードは、
微小時間の増圧と、それに続く保持からなる動作パター
ンで、所定回数nだけ繰り返すものである。
一方、ステップ755でアンチスキッド制御中フラグFB
が「1」でないと判定されると、増圧モード設定を行う
(ステップ780)。またステップ765の処理で所定時間以
上緩増モード中であると判定されると、アンチスキッド
制御中フラグFBを「0」にリセットして(ステップ77
0)から、増圧モード設定を行う(ステップ780)。ステ
ップ725,735,775,780のいずれかの処理を終了すると、
次に後輪3,4側の動作モード設定処理(ステップ790)が
同様にして実行される。後輪3,4側が終了すれば、この
ルーチンを終了する。
次に、ステップ800の処理では、前輪1,2側と後輪3,4
側との2種の制御弁切換信号を、上述の減圧モード設
定、保持モード設定、緩増モード設定、あるいは増圧モ
ード設定の処理に応じて各駆動回路を介してアクチュエ
ータ21,22及び23,24に出力し、前輪1,2と後輪3,4とのブ
レーキ圧力を制御する。本実施例では前輪1,2及び後輪
3,4はそれぞれ左右で同一のブレーキ圧制御がなされ
る。
上記の処理において、推定車体速度V0(n)を求める
際、ステップ570では特殊な条件下でのみ前輪参照速度V
FSELが選択され、通常は前輪1,2の方がブレーキ力が強
く、後輪3,4の回転速度VWRR,VWRLが高く、後輪参照速
度VRSELが参照速度VSELとして設定される。
本実施例は上述のごとく構成されていることにより、 左右前輪2,1が共に低摩擦係数の路面上にあると判定
された場合(ステップ520)、後輪3,4の車輪回転速度が
第11図(a)のVRMAX,VRMINに示すように変化すると、
左右後輪4,3の最大値であるVRMAXを後輪参照速度VRSEL
として設定(ステップ530)した後、推定車体速度V0(n)
を設定(ステップ580)することにより、低摩擦路にお
ける推定車体速度の真値(真の車体速度)からの誤差
(落ち込み量)を最小限に抑える。その結果、低摩擦路
で従来発生しやすかった基準値Vsの適正値からのズレ
(落ち込み)が少なくなり、車輪が大きなスリップ率で
制御されることがなくなり、低摩擦路での車体の操縦安
定性が向上する。
左右後輪4,3がスプリット路上(または、急旋回中)
であると判定された場合(ステップ520)、と同様に
前記VRMAXを後輪参照速度として設定(ステップ530)す
ることで推定車体速度V0(n)の誤差を抑える。
更に(6)式にて前記基準値Vsのオフセット量を大き
めに(場合によって係数を小さめに)して、基準値Vsを
低くなる方向に補正する。従来、リアセレクトロ−制御
(後輪3,4のうちスリップ傾向の大きい後輪[3または
4]を制御対象として他の後輪[4または3]を同様に
制御)するため前記VRMAXから求められるV0(n)は、他の
路面(走行)状態に比べて基準値Vsを算出するためには
高すぎる傾向があった。このため前述のごとくに基準値
Vsを低下方向に補正して適正化することとした。このこ
とにより、アンチスキッド制御により早期にブレーキ力
が減少されることがなく、制動性と操縦安定性のバラン
スが図られる。しかも基準値Vsの補正は、スプリット路
のスリップ率や低摩擦側の車輪の回転速度に応じて変化
して行くことはないので、その点での操縦安定性も確保
できる。
その他(,以外)の場合は、異常がなければ(ス
テップ540)、左右後輪4,3の平均値VRMEAN(第11図
(a)中破線で示す)を後輪参照速度VRSELとして設定
した後、推定車体速度V0(n)を設定している。
このように、通常の走行では、左右後輪4,3の車輪回
転速度VWRR,VWRLの平均値を、後輪参照速度VRSELとし
て用いることにより、車体旋回時に左右の車輪(2,1ま
たは4,3)の速度差に比例して自動的に適正な推定車体
速度V0が得られ、従来のように外側車輪の高い車輪回転
速度に基づく推定車体速度V0が設定されることがなく、
より低い値の推定車体速度V0となる。これにより、内側
輪のアンチスキッド制御開始時期が早い傾向となるのが
防止され、制動力が十分に発揮でき、制動性が向上す
る。
なお、低摩擦路面で平均値を参照速度として用いる
と、参照速度が適正値より低下しすぎ、アンチスキッド
制御開始が遅れすぎてしまうが、上述したようにこの低
摩擦路面の場合はの場合に相当し、平均値とはならな
いので不具合は生じない。
なお、上記実施例では、推定車体速度V0(n)を求める
際、その他の場合にては、単に左右後輪4,3の平均値V
RMEANを用いたが、(7)式で示すように所定の制限を
つけた平均値VRMEAN2を用いてもよい。
VRMEAN2=Max((VWRR+VWRL)/2,Max(VWRR,VWRL)−
VLIM) ……(7) これにより、単純平均値VRMEANの方は第11図(b)中
一点鎖線で示すように変化するのに対し、(7)式で求
めた制限付平均値VRMEAN2は第11図(b)の破線で示す
ように変化する。したがって、前記の場合であると判
定できないような、車体旋回時やスプリット路において
片側車輪の回転速度低下が生じても、その影響による平
均値VRMEAN2の必要以上の低下を防止できる。
すなわち、平均値を用いることの理由は、それにより
左右後輪4,3の中間位置での車体速度を推定することに
あるが、前記状況のもとでは誤差が大きくなってしま
う。
そこで、車体の運動特性、幾何学的関係から、旋回時
の左右輪速度差ΔV(但し、車輪スリップ率は左右輪と
も零と仮定)を考えると、車体が定常状態で、車体重心
の横すべり角も無視できると仮定すると、旋回半径rに
ついて次の2つの式が成立する。
1/r=ΔV/(w・VB) ……(8) 1/r=α/VB 2) ……(9) ここで、wはトレッド、VBは車体速度、αは車体重心
の横方向加速度である。(8),(9)式からΔVは
(10)式で示される。
ΔV=w・α/VB ……(10) (10)式のαに所定値α0を、wに車体諸元値w0を代
入し、かつ、ΔVの半分の値をVLIMとすると、VLIMは次
式のようになる。
VLIM=w0・α0/(2・VB) ……(11) VLIMと走行車速VBの関係は、第12図のようになる。第
12図で、VB≦10km/hではVLIMを一定値としたが、これは
車速VBが10km/hの時のVLIMが相当大きな値であり、ま
た、制動中に10km/h以下の車速でこれ以上の値をとるこ
とは極めて稀であるためである。
そこで、左右後輪の最大値からVLIMを引いたものは、
その車体走行状態(V,α0と推定)での左右後輪の中間
位置での車体速度の推定値であり、車輪スリップ率の影
響を少なくしたものである。
そして、α0として、やや大きめの値(ドライアスフ
ァルト等の高摩擦係数μの路面での値)を設定して電子
制御回路40でVLIMを算出(前記演算式に基づき演算、ま
たは第12図に相当するマップ値をROM領域に記憶してお
いて導出)し、制限付平均値を求めて後輪参照速度V
RSELとして用いることにより、幅広い走行領域において
良好な推定車体速度、及びスリップ基準値が得られ、種
々の路面、走行状態に応じて好適な制動性と操縦安定性
を両立できる。
また、上記実施例ではアクチュエータを4個備える4
チャンネル式アンチスキッド制御装置に適用したが、3
チャンネル式等、他の形式の装置にも応用できる。
上記実施例において、アクチュエータ21〜24がブレー
キ力調整手段M3に該当し、回転速度センサ5〜8が車輪
回転速度検出手段M4に該当する。
電子制御回路40が実施する処理の内、ステップ400の
路面状態判定処理が摩擦状態差推定手段M5としての処理
に該当し、ステップ500の推定車体速度V0演算処理及び
ステップ600のスリップ基準速度VS設定処理がスリップ
基準速度設定手段M6としての処理に該当し、ステップ61
0,630がスリップ基準速度減少手段M7としての処理に該
当し、ステップ700の動作モード設定処理及びステップ8
00の電磁弁切換制御信号出力処理がブレーキ制御手段M8
としての処理に該当する。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、摩擦状態差推定
手段が、車輪回転速度検出手段からの検出値に基づい
て、ブレーキ力調整手段によるホイールシリンダ圧の減
圧出力状態である際のみに、車体の左右に配置された2
つの車輪の路面に対する摩擦状態の差を推定し、この摩
擦状態の推定結果に基づいてブレーキ力調節手段を制御
するので、例えばスプリット路において好適なアンチス
キッド制御を行なうことができる。
特に、スリップ基準速度減少手段が、スプリット路や
急旋回等の走行時に摩擦状態の差が所定値以上の場合に
なると、スリップ基準速度を減少補正する場合には、ア
ンチスキッド制御によるブレーキ力調整が早過ぎも遅過
ぎもしない好適なタイミングに設定できる。このため制
動性と操縦安定性との両立が実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を例示するブロック図、第2図は
本発明の一実施例の構成説明図、第3図はその電子制御
回路が実施するメインルーチンのフローチャート、第4
図は車輪速度・加速度演算処理のフローチャート、第5
図は路面状態判定処理のフローチャート、第6図は推定
車体速度演算処理のフローチャート、第7図はスリップ
基準値設定処理のフローチャート、第8図は動作モード
設定処理のフローチャート、第9図(a),(b),
(c),第10図は車体回転速度と基準速度,フラグ,カ
ウンタ等との関係を示すタイミングチャート、第11図
(a),(b)は後輪の車輪回転速度から得られる平均
値のタイミングチャート、第12図は左右輪速度差の半分
の値と車速との関係図である。 1,2,3,4……車輪 5〜8……回転速度センサ 21〜24……アクチュエータ 40……電子制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−57359(JP,A) 特開 昭64−67461(JP,A) 特開 昭60−35647(JP,A) 特開 昭60−252058(JP,A) 特開 昭50−60692(JP,A) 実開 昭62−195571(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右の車輪のブレーキ力を制御するブレー
    キ力調整手段と、 前記各車輪の車輪回転速度を検出する車輪回転速度検出
    手段と、 前記ブレーキ力調整手段によるホイールシリンダ圧の減
    圧出力状態である際のみに、前記車輪回転速度検出手段
    により検出された2つの車輪回転速度に基づいて、前記
    両車輪間の路面に対する摩擦状態の差を推定する摩擦状
    態差推定手段と、 前記摩擦状態差推定手段の推定結果と前記車輪回転速度
    とに基づいて制御信号を前記ブレーキ力調整手段に出力
    するブレーキ制御手段と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】前記ブレーキ制御手段は、 前記車輪回転速度検出手段により検出された少なくとも
    2つの車輪回転速度を含む複数の車輪回転速度の内の最
    大の車輪回転速度に基づいて、車輪のスリップ状態を検
    出するためのスリップ基準速度を設定するスリップ基準
    速度設定手段と、 前記摩擦状態差推定手段により推定された差の状態が所
    定以上の場合に、前記スリップ基準速度を減少補正する
    スリップ基準速度減少手段と、 を備え、 前記ブレーキ制御手段は、 前記摩擦状態差推定手段により摩擦状態の差が基準値以
    上存在すると推定された場合には、前記スリップ基準速
    度減少手段によって補正されたスリップ基準速度に基づ
    いて前記スリップ状態を検出するとともに、前記摩擦状
    態差推定手段により摩擦状態の差が前記基準値より小さ
    いと推定された場合には、前記スリップ基準速度設定手
    段によって設定されたスリップ基準速度に基づいて前記
    スリップ状態を検出することを特徴とする前記請求項1
    に記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】前記摩擦状態差推定手段は、左右の車輪回
    転速度の一方が、低摩擦路面判定用基準速度より小さ
    く、一方が高摩擦路面判定用基準速度より大きい場合
    に、左右輪で路面との摩擦係数が異なるスプリット路走
    行と判断することを特徴とする前記請求項1又は2に記
    載のアンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】前記摩擦状態差推定手段は、左右の車輪回
    転速度差の積算値が所定値より大きい場合に、左右輪で
    路面との摩擦係数が異なるスプリット路走行と判断する
    ことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のアンチス
    キッド制御装置。
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