JP2896363B2 - 乳飲料のカルシウム強化用微粒子体、その製造方法、及び乳飲料 - Google Patents

乳飲料のカルシウム強化用微粒子体、その製造方法、及び乳飲料

Info

Publication number
JP2896363B2
JP2896363B2 JP10013308A JP1330898A JP2896363B2 JP 2896363 B2 JP2896363 B2 JP 2896363B2 JP 10013308 A JP10013308 A JP 10013308A JP 1330898 A JP1330898 A JP 1330898A JP 2896363 B2 JP2896363 B2 JP 2896363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium
fine particles
animal
milk
bones
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10013308A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10257850A (ja
Inventor
健 馬庭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOTSUKAIDO KYODO SETSUKAI KK
Original Assignee
HOTSUKAIDO KYODO SETSUKAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26349078&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2896363(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by HOTSUKAIDO KYODO SETSUKAI KK filed Critical HOTSUKAIDO KYODO SETSUKAI KK
Priority to JP10013308A priority Critical patent/JP2896363B2/ja
Publication of JPH10257850A publication Critical patent/JPH10257850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2896363B2 publication Critical patent/JP2896363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳飲料のカルシウ
ム強化用微粒子体に関し、更に詳述すれば、ホタテ貝、
かき、あこや貝等の貝殻、鶏等の卵殻、鮪、鰹等の魚
骨、並びに、牛骨、鶏骨、豚骨及び羊骨等の畜骨等の動
物性カルシウム化合物を原料とする乳飲料のカルシウム
強化用微粒子体、その製造方法、及び同微粒子体を添加
した乳飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】カルシウムは人間の骨や歯の主成分であ
るだけでなく、体内の各種の生体機能に重要な役割を果
たしていることが知られている。カルシウムはこのよう
に人間にとり重要なものであるが、従来から若者や老人
を初めとし、日本人全体のカルシウム不足が指摘されて
いる。この問題を解決するため、従来様々な食品のカル
シウム濃度の改善が行われており、牛乳においてもカル
シウム強化牛乳が供給されている。
【0003】カルシウム強化に用いられるカルシウム剤
としては、貝殻、卵殻、魚骨、牛骨、乳酸カルシウム、
グルコン酸カルシウム、その他一般的なカルシウム化合
物が知られている。しかし、牛乳等の乳飲料中にカルシ
ウム剤を安定に分散させることは一般に困難で、このた
め用いられるカルシウム剤は極めて限定されており、わ
ずかに乳酸カルシウム等の有機酸カルシウムや、一部の
合成系のカルシウム化合物が利用されているにすぎな
い。
【0004】しかし、有機酸カルシウムを用いる場合に
おいても、得られるカルシウム強化乳飲料は風味が損な
われたり、蛋白が存在すると凝集を起こしたりすること
が認められ、このため十分の量のカルシウム剤の添加が
困難である。又、合成系のカルシウム化合物を乳飲料に
添加する場合には、カルシウム剤の合成過程において残
留する不純物に起因すると考えられているが、乳飲料の
風味の変化があり、更にカルシウム化合物の分散性や再
分散性が悪く、このため時間の経過と共に沈殿物が多量
に析出する等の問題がある。従って、上記問題を解決し
た、カルシウム剤が従来求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
を解決するために種々検討した結果、ホタテ貝、かき、
あこや貝等の貝殻、鶏等の卵殻、鮪、鰹等の魚骨、並び
に、牛骨、鶏骨、豚骨及び羊骨等の畜骨等の動物性カル
シウム化合物を所定の粒径まで機械粉砕したものは、乳
飲料に添加した場合、その分散性や保存性に優れ、しか
も食感も良いことを知得し、本発明を完成するに至った
もので、その目的とするところは、上記問題を解決した
乳飲料のカルシウム強化用微粒子体、その製造方法、及
び前記微粒子体を添加した乳飲料を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、粉砕した動物性カルシウム化合物からな
る平均粒径が0.5〜5μmの乳飲料のカルシウム強化
用微粒子体を提案するもので、粉砕する動物性カルシウ
ム化合物が、水洗後100〜250℃で乾燥したもので
あることを含み、粉砕する動物性カルシウム化合物が、
貝殻、卵殻、魚骨及び畜骨から選んだ、単独の動物性カ
ルシウム化合物又は二種以上の動物性カルシウム化合物
の混合物であること、粉砕する動物性カルシウム化合物
が、貝殻であること、粉砕する動物性カルシウム化合物
が、卵殻であること、粉砕する動物性カルシウム化合物
が、魚骨であること、又は、粉砕する動物性カルシウム
化合物が、畜骨であることを含む。
【0007】また本発明は、動物性カルシウム化合物を
水洗し、次いで100〜250℃で乾燥した後、機械粉
砕を行うことにより、平均粒径を0.5〜5μmの微粒
子体とすることを特徴とする乳飲料のカルシウム強化用
微粒子体の製造方法で、機械粉砕を複数の段階で行うこ
と、機械破砕の最終段階を高速ジェットミルを用いて行
うことを含み、動物性カルシウム化合物が、貝殻、卵
殻、魚骨及び畜骨から選んだ、単独の動物性カルシウム
化合物又は二種以上の動物性カルシウム化合物の混合物
であること、動物性カルシウム化合物が、貝殻であるこ
と、動物性カルシウム化合物が、卵殻であること、動物
性カルシウム化合物が、魚骨であること、又は、動物性
カルシウム化合物が、畜骨であることを含む。
【0008】更に本発明は、粉砕した動物性カルシウム
化合物からなる平均粒径が0.5〜5μmの微粒子体を
添加したカルシウム強化乳飲料で、微粒子体の添加割合
が、乳飲料100gに対して0.02〜2gであること
を含み、粉砕する動物性カルシウム化合物が、貝殻、卵
殻、魚骨及び畜骨から選んだ、単独の動物性カルシウム
化合物又は二種以上の動物性カルシウム化合物の混合物
であること、粉砕する動物性カルシウム化合物が、貝殻
であること、粉砕する動物性カルシウム化合物が、卵殻
であること、粉砕する動物性カルシウム化合物が、魚骨
であること、又は、粉砕する動物性カルシウム化合物
が、畜骨であることを含む。
【0009】牛乳等の乳飲料には、従来合成系のカルシ
ウム化合物微粒子がカルシウム強化剤として用いられる
ことが多かったが、この強化剤は分散性が悪く沈降し
た。これに対し、本発明の微粒子体は乳飲料中における
分散性や再分散性が良く、沈降が起きにくい。この理由
については、現在のところ完全には解明されていない
が、粒子個々の形状的、構造的相違に基づくものと推定
している。光やレーザー光による粒度測定において、両
者が同等の値であっても、合成系のカルシウム化合物微
粒子は、構造的均一性が高く、球状に近いほぼ同じ様な
形状のものである。
【0010】これに対し、本発明の微粒子体は、ホタテ
貝、かき、あこや貝等の貝殻、鶏等の卵殻、鮪、鰹等の
魚骨、並びに、牛骨、鶏骨、豚骨及び羊骨等の畜骨等の
動物性カルシウム化合物を機械的に粉砕したもので、そ
の形状は多様な無定形であり、この形状の多様性が分散
安定性等に何らかの好ましい影響を与えているものと、
本発明者らは推定している。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の乳飲料のカルシウム強化
用微粒子体は、前述のように動物性カルシウム化合物を
粉砕して平均粒径を0.5〜5μmにしたもので、特に
1〜4μmのものが好ましい。平均粒径が0.5μm未
満のものは、後述するように機械的粉砕で製造すること
が困難になる。また、平均粒径が5μmを超えるもの
は、乳製品に添加した場合、分散が充分でなく、沈殿す
る傾向にある。
【0013】用いる動物性カルシウム化合物としては、
貝殻、卵殻、魚骨、畜骨等以外にも何れの動物性カルシ
ウム化合物でも用いることができるが、入手性及び粉砕
性等の容易さ並びに成分の面などから総合して、貝殻、
卵殻、魚骨、畜骨等の動物性カルシウム化合物が特に好
ましい。
【0014】貝殻、卵殻、魚骨及び畜骨等の各具体例に
ついて、それぞれ多種類のものを用いることができる。
【0015】例えば、貝殻としては、何れの貝殻でも用
いることができ、ホタテ貝、かき、あこや貝、あさり
貝、アオヤギ、蛤、赤貝等の貝殻が例示できる。これら
各種の貝殻間では成分上の差異は少ないものである。こ
れらの貝殻の構成成分としては、炭酸カルシウムの含有
比率が96〜98重量%で、カルシウムの含有比率とし
ては約39重量%になる。また、蛋白成分が0.5重量
%で、更にマグネシウム、ナトリウム等の微量成分の酸
化物が1〜3重量%である。
【0016】貝殻の入手の容易さからは、採取又は養殖
が大規模に行われているもので、更に採取又は養殖後の
加工が工場などで行われ、貝殻がまとまって入手できる
ものが好ましい。この観点からは、ホタテ貝、かき、あ
こや貝等が好ましいものである。
【0017】また、卵殻としては、何れの動物の卵殻で
も用いることができ、鶏、あひる、雉、鴨等の動物の卵
殻が例示できる。これら各種の卵殻間では成分上の差異
は少ないものである。これらの卵殻の構成成分につい
て、無機成分としては、炭酸カルシウムの含有比率が約
98重量%、炭酸マグネシウム及びリン酸カルシウムの
含有比率がそれぞれ約1重量%で、更に有機成分として
蛋白成分が無機成分100重量部に対して1〜3重量部
存在する。
【0018】卵殻の入手の容易さからは、飼育が大規模
に行われているもので、更に採卵後の加工が工場などで
行われ、卵殻がまとまって入手できるものが好ましい。
この観点からは、鶏の卵殻が好ましいものである。
【0019】更に、魚骨としては、何れの魚の骨でも用
いることができ、鮪、鰹、鯖、鱈、鰤等の魚の骨が例示
できる。
【0020】同様に、畜骨としては、何れの飼育鳥獣の
骨でも用いることができ、牛、鶏、豚、羊、馬、兎、あ
ひる、鴨、鵞鳥等の飼育鳥獣の骨が例示できる。
【0021】これら各種の魚骨又は畜骨間では成分上の
差異は少ないものである。これらの魚骨又は畜骨の構成
成分について、無機成分としては、リン酸カルシウムの
含有比率が約85重量%、炭酸カルシウムの含有比率が
約10重量%、その他フッ化カルシウムと塩化マグネシ
ウムの合計などの化合物を数重量パーセント含有してい
る。また、有機成分が無機成分100重量部に対して1
0〜300重量部存在する。
【0022】魚骨の入手の容易さからは、採取又は養殖
が大規模に行われているもので、更に採取又は養殖後の
加工が工場などで行われ、魚骨がまとまって入手できる
ものが好ましい。この観点からは、鮪、鰹等が好ましい
ものである。
【0023】同様に、畜骨の入手の容易さからは、飼育
及び加工が大規模に行われ、畜骨がまとまって入手でき
るものが好ましい。この観点からは、牛骨、鶏骨、豚
骨、羊骨等が好ましいものである。
【0024】上記入手した貝殻及び卵殻のように、その
組織中に含有される有機成分が少ない動物性カルシウム
化合物の場合は、そのまま粉砕しても良いが、まず大量
の水で十分洗浄し、次いで乾燥、殺菌をすることが好ま
しい。
【0025】一方、魚骨及び畜骨のように、その組織中
に含有される有機成分が多い動物性カルシウム化合物の
場合、煮沸処理及び/又はアルカリ処理等を行い、次い
で大量の水で十分洗浄した後、乾燥、殺菌させる。特に
前記有機成分を30重量%以上含有する動物性カルシウ
ム化合物の場合、更に望ましくは前記有機成分を20重
量%以上含有する動物性カルシウム化合物の場合は、煮
沸処理、アルカリ処理及び水洗浄等の乾燥、殺菌前の前
処理段階で、前記有機成分を30重量%更に望ましくは
20重量%未満までに減少させておくことが好ましい。
【0026】乾燥、殺菌処理は加熱による方法が好まし
い。加熱による乾燥、殺菌処理は、前記前処理段階で動
物性カルシウム化合物の組織中に残存している有機成分
に応じて設定するが、貝殻及び卵殻のように前記残存有
機成分が少ない動物性カルシウム化合物の場合には、前
処理後の動物性カルシウム化合物を100〜250℃で
1〜24時間保つ方法が好ましく、特に前記動物性カル
シウム化合物を150〜200℃で1〜8時間保つ方法
が好ましい。この加熱条件により、前記動物性カルシウ
ム化合物の乾燥、殺菌が充分おこなえる。加熱温度が2
50℃を超えると、貝殻に含まれる蛋白の熱分解が起こ
り、製品に焦げ臭さを生じる。100℃未満の場合は、
乾燥に長時間を要すると共に、殺菌が不十分になる傾向
にある。
【0027】一方、魚骨及び畜骨のように前記残存有機
成分が多い動物性カルシウム化合物の場合には、前記加
熱温度を200℃以下に抑えておくのが好ましい。
【0028】上記動物性カルシウム化合物は、次いで機
械粉砕する。用いる粉砕機械としては、ハンマーミル、
ピンミル、スクリーンミル、ジェットミル等が好まし
い。特に、上記粉砕機械を適宜組み合わせて、2〜3段
階(2〜3工程)で最終製品を得るように粉砕すること
が好ましい。
【0029】以下、3段階による粉砕を例示して説明す
る。原料の動物性カルシウム化合物に貝殻を用いる場
合、貝殻は通常数cm〜15cmの径のものであるの
で、第1段階はハンマーミルや、ピンミル等を用いて粗
砕することが好ましい。上記第1段階により、貝殻は通
常1mm以下の粗砕貝殻になる。更に、第2段階の粉砕
により、200μm以下の粒子とすることが好ましい。
この粉砕段階に用いる粉砕機械としては、スクリーンミ
ル、ローラーミル等が好ましい。最後の第3段階は、高
速ジェットミルを用いて粉砕することが好ましい。
【0030】ジェットミルを最終段階で使用すると、充
分微細な微粒子体が得られること、更に得られる微粒子
体の粒度分布が狭く、粗粒子含有率の小さい微粒子体が
得られること等の特徴がある。これらの特徴を持った微
粒子体は、乳飲料に添加した場合、分散性が良く、沈澱
物が少ない等の好ましい性質を発揮するものである。
【0031】最終段階は、ボールミル等を用いる湿式粉
砕方法により行うこともできる。しかし、この場合は乾
燥等の後工程の追加が必要になる。また、0.5μm未
満の微粒子を機械粉砕によって得ることは一般に困難
で、この場合は得られる微粒子が二次凝集を起こしやす
い。
【0032】以上3段階による粉砕を例示したが、2段
階による破砕もほぼ同様のことがいえる。この場合は、
第1段階でピンミル、スクリーンミル、ハンマーミル等
の粉砕機械を用いて、動物性カルシウム化合物を400
μm以下に粉砕した後、最終段階(第2段階)に高速ジ
ェットミルを用いることが好ましい。
【0033】なお、動物性カルシウム化合物の種類によ
り、更に付加的粉砕段階を設けて粉砕段階を4段階以上
に構成しても良い。
【0034】乳飲料への分散 本発明のカルシウム強化用微粒子体を添加する乳飲料
は、特に制限がないが、牛乳、羊乳、山羊乳等の獣乳、
ヨーグルト等の加工乳製品、コーヒー、ココア等の他の
飲料を混合した乳飲料、更にはビタミン等の他の添加物
を添加した乳飲料、またこれらを濃縮又は希釈したもの
等が例示できる。
【0035】カルシウム強化用微粒子体の添加割合は、
乳飲料100gに対し、0.02〜2gが好ましい。人
のカルシウム摂取量の基準として、1日当たり600m
gの量が定められている。本発明微粒子体のカルシウム
含有率は約39重量%であるから、摂取量600mgは
本発明微粒子体約1.5gに相当する。従って本発明微
粒子体の乳飲料100gに対する添加割合は0.02〜
2g、特に0.1〜0.5gがカルシウム強化の目的か
らは適当である。しかしこれに限られるものではなく、
例えば1日当たりの摂取乳飲料の合計量等を考慮し、目
的に応じて上記範囲以外の任意の添加量とすることがで
きる。
【0036】乳飲料にカルシウム強化用微粒子体を添加
するに際しては、微粒子体をそのまま乳飲料に添加して
も良いが、予め適当量の水と、乳化剤と、微粒子体とを
充分混合したスラリーを作り、このスラリーを乳飲料に
混合することが好ましい。混合には、ホモミキサー等を
用いることが好ましい。
【0037】乳化剤としては、食品添加用として認めら
れている乳化剤のうち、親水性の高いHLB値が10以
上のものが好ましい。このようなものとして、脂肪酸多
価アルコールエステルが例示でき、特にショ糖ステアリ
ン酸エステルが好ましい。
【0038】乳化剤の使用量は、カルシウム強化用微粒
子体100重量部当たり、2〜50重量部が好ましい。
【0039】乳化剤を水に溶解し、次いで、カルシウム
強化用微粒子体を加えて混合してスラリー化し、このス
ラリーを乳飲料に添加混合する方法が好ましいものであ
る。なお、乳化剤は、水100gに対し、10〜50g
とすることが好ましい。
【0040】微粒子体又は上記スラリー等を乳飲料に添
加した後、ホモミキサー等を用いて乳飲料を強力撹拌す
ることが、得られる乳飲料の均一性、分散の安定化の見
地から好ましいものである。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】実施例1 (微粒子体Aの製造) ホタテ貝殻を水洗浄した後、熱風乾燥機に入れ、170
℃で6時間加熱した。この加熱処理したホタテ貝殻を、
ハンマーミル(三井鉱山(株)製)を用いて粗砕した
(第1段階)。次いで、上記粗砕したホタテ貝殻をアト
マイザー(東京アトマイザー製造(株)製)で粉砕した
(第2段階)。これにより、平均粒径が38μmの粒子
を得た。最後に、上記平均粒径38μmの粒子をジェッ
トミル(コンダックス 三井鉱山(株)製)を用いて粉
砕し、平均粒径1.6μmの本発明の微粒子体Aを得
た。
【0043】なお、平均粒径は、SKレーザーミクロン
サイザー7000S((株)セイシン企業社製)を用い
て測定した。
【0044】実施例2 (微粒子体Bの製造) かき殻を水洗浄した後、熱風乾燥機に入れ、180℃で
3時間加熱した。この加熱処理をしたかき殻をピンミル
(奈良機械製作所(株)製)を用いて粉砕し、平均粒径
58μmの粒子を得た。この粒子をジェットミル
((株)セイシン企業社製)を用いて更に粉砕し、平均
粒径2.1μmの本発明の微粒子体Bを得た。
【0045】実施例3 (微粒子体Cの製造) ホタテ貝殻を水洗浄した後、熱風乾燥機に入れ、180
℃で3時間加熱した。この加熱処理をしたホタテ貝殻を
ピンミル(奈良機械製作所(株)製)を用いて粉砕し、
平均粒径58μmの粒子を得た。この粒子をジェットミ
ル((株)セイシン企業社製)を用いて更に粉砕し、平
均粒径4.2μmの本発明の微粒子体Cを得た。
【0046】実施例4 (微粒子体Dの製造) 鶏の卵殻を水洗浄した後、熱風乾燥機に入れ、180℃
で3時間加熱した。この加熱処理をした鶏の卵殻をピン
ミル(奈良機械製作所(株)製)を用いて粉砕し、平均
粒径65μmの粒子を得た。この粒子をジェットミル
((株)セイシン企業社製)を用いて更に粉砕し、平均
粒径2.3μmの本発明の微粒子体Dを得た。
【0047】実施例5 (微粒子体Eの製造) 鮪の骨を煮沸処理し、次いで水洗浄した後、熱風乾燥機
に入れ、180℃で3時間加熱した。この加熱処理をし
た鮪の骨をピンミル(奈良機械製作所(株)製)を用い
て粉砕し、平均粒径52μmの粒子を得た。この粒子を
ジェットミル((株)セイシン企業社製)を用いて更に
粉砕し、平均粒径3.2μmの本発明の微粒子体Eを得
た。
【0048】実施例6 (微粒子体Fの製造) 牛骨を煮沸処理し、次いで水洗浄した後、熱風乾燥機に
入れ、180℃で3時間加熱した。この加熱処理をした
牛骨をピンミル(奈良機械製作所(株)製)を用いて粉
砕し、平均粒径75μmの粒子を得た。この粒子をジェ
ットミル((株)セイシン企業社製)を用いて更に粉砕
し、平均粒径3.8μmの本発明の微粒子体Fを得た。
【0049】試験例1 1.0部(重量基準、以下同様)の微粒子体Aに、0.
1部のショ糖ステアリン酸エステル(商品名 DKエス
テルSS 第一工業製薬社製)と、2.0部の水とを加
え、ホモジナイザーで混合してスラリーを得た。このス
ラリーの全量を牛乳100部に添加し、ホモジナイザー
で10分間撹拌した。その後、微粒子体Aを添加した牛
乳をメスシリンダーに移し、静置した。1日、7日経過
後にメスシリンダー底部に堆積する沈殿物の層の厚みを
測定した。
【0050】更に、再分散試験を行った。即ち、上記7
日間静置した後の、メスシリンダーの内容物全部を再度
ホモジナイザーで5分間撹拌した後、メスシリンダーに
移し、その状態で1日間静置して生じる沈殿物の層の厚
みを測定した。なお、用いたホモジナイザーはオムニミ
キサーGHL型で、回転数は10000rpmであっ
た。
【0051】試験例2 1.0部の微粒子体Bに、0.2部のショ糖ステアリン
酸エステル(商品名DKエステルSS)と、1.0部の
水とを加え、ホモジナイザーで混合してスラリーを得
た。このスラリーの全量をコーヒー牛乳100部に添加
し、ホモジナイザーで10分間撹拌した。その後、微粒
子体Bを添加したコーヒー牛乳をメスシリンダーに移
し、静置した。1日、7日経過後にメスシリンダー底部
に堆積する沈殿物の層の厚みを測定した。
【0052】更に、試験例1と同様にして、再分散試験
を行った。
【0053】試験例3 微粒子体Bを用いる以外は、試験例1と同様にしてスラ
リーを調製し、同様にして分散性、再分散性試験を行っ
た。
【0054】試験例4 微粒子体Cを用いる以外は、試験例1と同様にしてスラ
リーを調製し、同様にして分散性、再分散性試験を行っ
た。
【0055】試験例5 微粒子体Dを用いる以外は、試験例1と同様にしてスラ
リーを調製し、同様にして分散性、再分散性試験を行っ
た。
【0056】試験例6 微粒子体Eを用いる以外は、試験例1と同様にしてスラ
リーを調製し、同様にして分散性、再分散性試験を行っ
た。
【0057】試験例7 微粒子体Fを用いる以外は、試験例1と同様にしてスラ
リーを調製し、同様にして分散性、再分散性試験を行っ
た。
【0058】比較試験例1 平均粒径6.5μmのホタテ貝殻微粒子を用いて、試験
例1と同様にしてスラリーを調製し、同様にして分散
性、再分散性試験を行った。
【0059】比較試験例2 平均粒径1.8μmの合成系軽質炭酸カルシウムを用い
て、試験例1と同様にしてスラリーを調製し、同様にし
て分散性、再分散性試験を行った。
【0060】試験例1〜7、及び比較試験例1、2にお
いて得られた評価結果を表1〜3に示す。
【0061】
【表1】 * 乳飲料100重量部当たりの添加重量部
【0062】
【表2】 * 乳飲料100重量部当たりの添加重量部
【0063】
【表3】 * 乳飲料100重量部当たりの添加重量部 ** 軽質炭酸カルシウム 表1〜3の各データの比較から明らかなように、本発明
微粒子体と同様にしてホタテ貝殻を粉砕したものでも、
平均粒径が5μmを超える比較試験例1の微粒子体は、
牛乳中における分散、再分散試験で多量の沈殿が認めら
れ、分散安定性が悪い。また、比較試験例2の合成系微
粒子は、本発明微粒子体と同様の平均粒径を持つにもか
かわらず、牛乳中における分散安定性が悪い。
【0064】
【発明の効果】本発明の乳飲料のカルシウム強化用微粒
子体は原料の動物性カルシウム化合物を破砕すると共
に、その平均粒径を0.5〜5μmに制御しているの
で、乳飲料中で安定に分散する。又、原料の動物性カル
シウム化合物は容易に入手できるものである。更に、本
発明微粒子体の製造方法において、動物性カルシウム化
合物を最終破砕する段階で高速ジェットミルを用いる場
合は、簡単に微粒子体の平均粒径を0.5〜5μmにす
ることができ、製造効率が高い。また更に、本発明微粒
子体を添加した乳飲料は分散安定性の高いものである等
の特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23C 1/00 - 23/00 A23L 1/304 A23L 2/38 A23L 2/52

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物性カルシウム化合物を水洗し、次い
    で100〜250℃で乾燥した後、機械粉砕を行うこと
    により、平均粒径を0.5〜5μmの微粒子体とするこ
    とを特徴とする乳飲料のカルシウム強化用微粒子体の製
    造方法
  2. 【請求項2】 機械粉砕を複数の段階で行う請求項1に
    記載の微粒子体の製造方法。
  3. 【請求項3】 機械の最終段階高速ジェットミル
    を用いて行う請求項2に記載の微粒子体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの製造方法に
    より製造した乳飲料のカルシウム強化用微粒子体。
  5. 【請求項5】 請求項4の微粒子体を添加したカルシウ
    ム強化乳飲料。
  6. 【請求項6】 微粒子体の添加割合が、乳飲料100g
    に対して0.02〜2gである請求項5に記載の乳飲
    料。
JP10013308A 1997-01-14 1998-01-08 乳飲料のカルシウム強化用微粒子体、その製造方法、及び乳飲料 Expired - Lifetime JP2896363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10013308A JP2896363B2 (ja) 1997-01-14 1998-01-08 乳飲料のカルシウム強化用微粒子体、その製造方法、及び乳飲料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-17607 1997-01-14
JP1760797 1997-01-14
JP10013308A JP2896363B2 (ja) 1997-01-14 1998-01-08 乳飲料のカルシウム強化用微粒子体、その製造方法、及び乳飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10257850A JPH10257850A (ja) 1998-09-29
JP2896363B2 true JP2896363B2 (ja) 1999-05-31

Family

ID=26349078

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10013308A Expired - Lifetime JP2896363B2 (ja) 1997-01-14 1998-01-08 乳飲料のカルシウム強化用微粒子体、その製造方法、及び乳飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2896363B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3352640B2 (ja) * 1998-11-19 2002-12-03 北海道共同石灰株式会社 微粒子体を添加したカルシウム強化乳飲料、及び乳飲料中のドロマイト微粒子体の安定化方法
JP2004049212A (ja) * 2002-05-27 2004-02-19 Ics Kk 易吸収性ミネラル含有健康食品並びに其の製造方法
JP3690747B2 (ja) * 2003-04-25 2005-08-31 株式会社夢海馬 高濃縮果実酢
JP5305044B2 (ja) * 2010-11-19 2013-10-02 株式会社ビジネスサポートOjt 二枚貝の再資源化方法
KR101510445B1 (ko) * 2013-07-19 2015-04-10 세종대학교산학협력단 나노칼슘을 함유하는 요구르트 및 그의 제조방법
JP6660089B2 (ja) * 2015-03-09 2020-03-04 サントリーホールディングス株式会社 不溶性カルシウムを含有する高エネルギー飲料
JP2021166501A (ja) * 2020-04-08 2021-10-21 竹内酒造株式会社 サプリメント

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05236915A (ja) * 1992-02-25 1993-09-17 Yoshio Endo 帆立の貝殻から摂取したカルシューム粉末の健康飲用剤と製造方法
JPH0823880A (ja) * 1994-07-13 1996-01-30 Meiji Milk Prod Co Ltd ミルクカルシウム分散体の製造方法及びそれを添加した食品
JPH08107772A (ja) * 1994-10-13 1996-04-30 Meiji Milk Prod Co Ltd カルシウム分散体の製造方法およびそれを含む食品
JPH104877A (ja) * 1996-06-21 1998-01-13 Ajinomoto General Foods Inc カルシウム強化コーヒー又は紅茶ホワイトナー

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10257850A (ja) 1998-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3874966B1 (en) Zero-starch no-binder shrimp fry starter compound feed and preparation method therefor
CN108294302A (zh) 一种全营养配方粉、其制备方法以及其制品
CN100521964C (zh) 鳝鱼用饲料
JP2896363B2 (ja) 乳飲料のカルシウム強化用微粒子体、その製造方法、及び乳飲料
JP2008017846A (ja) 股関節弛緩の低減方法
CN108782964A (zh) 一种用于黑猪生长的饲料配方以及其制备方法
JP4833176B2 (ja) 鉄強化飲食品用組成物
JP2008245622A (ja) 亜鉛強化飲食品
JP3352640B2 (ja) 微粒子体を添加したカルシウム強化乳飲料、及び乳飲料中のドロマイト微粒子体の安定化方法
JP2003325112A (ja) 飼料添加物及びその製造方法
JPH09191855A (ja) カルシウム強化剤
JP3032970B2 (ja) ペット用喫食性向上剤
JP4081560B2 (ja) 鳩の豆乳による人工飼育法
CN111406853A (zh) 一种罗非鱼去腥味配方饲料及其制备方法
JP4040919B2 (ja) 炭酸カルシウムスラリー組成物及びそれを配合したカルシウム強化飲料
JP2849844B2 (ja) 動物用健康飲料
RU2192756C2 (ru) Способ приготовления корма
JP2009065918A (ja) 天然のカルシウム素材の水性懸濁液及びその製造方法
TWI359639B (en) Gel based livestock feed, method of manufacture an
JP7101324B1 (ja) 酸化亜鉛含有組成物および飲食品
JPS6140766A (ja) 栄養補助食品
Shrivastava et al. Effect of black cumin supplementation on egg yolk lipid profile of birds
JP2008019236A (ja) 飼料添加剤
Orobets et al. Obtaining of ecologically safe poultry products based on the use of adaptogenic complexes
JPH07255387A (ja) 食用家禽用飼料及び該飼料を用いる食用家禽の飼養方 法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990223