JP2896331B2 - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム変性スチレン系
樹脂組成物に関し、特に優れた落球衝撃強度、高い引張
強度及び良好な光沢を備えて、無臭成形品を造り得るゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からスチレン系樹脂組成物として、
ゴム状グラフト共重合体をスチレン系共重合体のマトリ
ックス中に分散して形成される一群の耐衝撃性樹脂組成
物が知られている。実用的には、家電製品のハウジング
や車両成形品に使用されているこの種の樹脂材料は、耐
衝撃性及び高光沢性などの特性が良好であることが必要
であり、ABS樹脂がこの要求に適する典型的なスチレ
ン系樹脂組成物であり、長い間にわたり広範囲に使われ
ている。
【0003】しかしながら、通常、樹脂は耐衝撃性が高
いほど引張強度や光沢が低く、逆に引張強度及び光沢が
高いほど耐衝撃強度が低い。これは樹脂の耐衝撃性、引
張強度及び光沢が同時に樹脂中のゴム含有量又はゴム粒
径と関連しているに外ならない。従来からの研究で分か
るように、樹脂中のゴム含有量が高いほど或いはゴム粒
径がある程度大きいほど、その耐衝撃性が良く、また、
そのゴム含有量が低いほど或いはゴム粒径が小さいほ
ど、その引張強度、光沢が高い。したがって、異なるゴ
ム粒径分布の樹脂組成物がどのような耐衝撃強度、高引
張強度及び良好な光沢を有するかについて、長らく研究
されてきた。また、最近射出成形業界では生産性向上、
コストダウンと成形物の外観重視の立場から、成形温度
を著しく高くする傾向がある。
【0004】しかるに、従来のスチレン系樹脂は高温射
出成形或いは押出成形中において、またその成形品から
悪臭が生ずる。この悪臭は一般にスチレン系樹脂の重合
過程において分子量調整剤として添加されるメルカプタ
ン(mercaptan) に由来するものと思われている。メルカ
プタンは揮発性が低いため樹脂中に残留して、これが加
工時及び成形品の悪臭の原因になると考えられる。この
問題を改善するため、いろいろな研究が行われてきた。
例えば、米国特許第3951932号に、第三ブチルメ
ルカプタン(tertiary butyl mercaptan)を分子量調整剤
として使用し、且つ真空蒸気ストリッピングにより残留
メルカプタンを除去して、得られたスチレン系樹脂の加
工時及びその成形品の悪臭を軽減することが開示されて
いるが、その改善効果は著しくない。従って、スチレン
系樹脂の加工時及びその成形品が生ずる悪臭のすべてが
分子量調整剤として使われるメルカプタンに由来するも
のではないと思われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような、従来の熱
可塑性スチレン系樹脂を製造する際の、優れた落球衝撃
強度、高い引張強度、良好な光沢度を同時に得られない
こと及び成形時に成形品から発する悪臭を改善できない
ことに鑑み、本発明者が研究した結果、上記の諸問題を
解決できる新規な樹脂組成物を開発したのであり、即
ち、本発明は、優れた落球衝撃強度、高い引張強度及び
良好な光沢を備えて、無臭(臭気がないか或いは非常に
少ないことを意味する。以下同じ)成形品を造り得るゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明者は鋭意研究した結果、下記の如き優れた落
球衝撃強度、高い引張強度、良好な光沢を備えて、無臭
成形品を造り得るゴム変性スチレン系樹脂組成物を見出
した。即ち、該ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、アク
リロニトリル系単量体及び/又は(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体と、スチレン系単量体及び必要に応じて
添加されるその他の共重合可能な不飽和ビニル系単量体
を含む単量体混合物を共重合して得られたスチレン−ア
クリル系共重合体のマトリックスと該マトリックスに分
散するブタジエン系ゴム粒子とを含んでなる樹脂組成物
において、残留スチレン単量体が該樹脂組成物に対して
1500ppm 以下で、残留4−ビニルシクロヘキセンが150p
pm以下であり、且つ樹脂組成物内のゴム粒子の数平均粒
子径が0.08〜0.35μmであって、ゴム粒子の数粒径分布
が粒径 0.1μm未満のゴム粒子がゴム粒子全体の19.5〜
99%を占め、粒径0.1 〜0.25μmのゴム粒子がゴム粒子
全体の 0.5〜60%を占め、粒径0.25μmを超えるゴム粒
子がゴム粒子全体の0.5 〜80%を占めるように構成され
る。
【0007】本発明のスチレン系樹脂組成物のマトリッ
クスを形成するスチレン−アクリル系共重合体はスチレ
ン系単量体50〜90wt%と、アクリロニトリル系単量体及
び/又は(メタ)アクリル酸エステル系単量体10〜50wt
%と、その他の共重合可能な単量体0〜40wt%からな
る。その平均分子量は40,000〜300,000 であり、60,000
〜250,000 がより好ましい。そのうち;スチレン系単量
体として、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α
−クロロスチレン、p−第三ブチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレ
ン、2,5−ジクロロスチレン、3,4−ジクロロスチ
レン、2,4,6−トリブロモスチレン及び2,5−ジ
ブロモスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる
が、スチレン及びα−メチルスチレンがより好ましい。
【0008】アクリロニトリル系単量体としては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリルがあるが、アクリロ
ニトリルがより好ましい。また、(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ド
デシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸グリシジル、γ−(メタ)アクリル
オキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチルなどが挙げられるが、メタアク
リル酸メチルが特に好ましい。
【0009】アクリロニトリル系単量体と(メタ)アク
リル酸エステル系単量体との使用割合は特に限定はない
が、衝撃強度や耐油性を重視するときはアクリロニトリ
ル系単量体を多く用い、表面硬度や光透過性を重視する
ときは(メタ)アクリル酸エステル系単量体、特にメタ
アクリル酸メチルを多く用いるなど物性の要求に応じて
適宜使いわければよい。
【0010】適当な他の共重合可能な単量体としては、
マレイミド系単量体、例えば、マレイミド、N−メチル
マレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチル
マレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマ
レイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−2,3−
ジメチルフェニルマレイミド、N−2,4−ジメチルフ
ェニルマレイミド、N−2,3−ジエチルフェニルマレ
イミド、N−2,4−ジエチルフェニルマレイミド、N
−2,3−ジブチルフェニルマレイミド、N−2,4−
ジブチルフェニルマレイミド、N−2,6−ジメチルフ
ェニルマレイミド、N−2,3−ジクロロフェニルマレ
イミド、N−2,4−ジクロロフェニルマレイミド、N
−2,3−ジブロモフェニルマレイミド、N−2,4,
6−トリブロモフェニルマレイミドなどが挙げられる。
【0011】その他の共重合可能な単量体としては、例
えば、(メタ)アクリル酸単量体、マレイン酸無水物、
メチレンコハク酸無水物、メチルマレイン酸無水物、フ
マール酸などの不飽和カルボン酸系化合物及びそのエス
テル系単量体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、塩化エチレ
ン、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロ
トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ブ
タジエン、プロペニルアミン、イソブチレニルアミン、
酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、メチルビニルケト
ンなどがある。
【0012】スチレン−アクリル系共重合体のマトリッ
クス中に分散されるブタジエン系ゴム粒子はゴム状グラ
フト共重合体であり、該ブタジエン系ゴムは1,3−ブ
タジエン100〜50wt%と、 CH2=C<基を有する共重合可
能な単量体0〜50wt%とからなり、例えば、ポリブタジ
エン;又はブタジエン−スチレン、ブタジエン−ビニル
トルエン共重合体などのブタジエン−ビニル芳香族共重
合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジ
エン−メタクリロニトリル共重合体などのブタジエン−
不飽和ニトリル系化合物共重合体;ブタジエン−アクリ
ル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチル共
重合体、ブタジエン−アクリル酸ブチル共重合体、ブタ
ジエン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体などの
ブタジエン−アルキルアクリレート共重合体、ブタジエ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−メタク
リル酸エチル共重合体等のブタジエン−アルキルメタク
リレート共重合体、及びブタジエン50wt%以上の三元以
上の共重合体がある。
【0013】上記ブタジエンゴムは乳化重合法で製造さ
れる。製造する時は単量体を直接乳化重合法により粒子
径0.05〜0.35μmのゴムラテックスに重合する。ここで
0.35μmより大きい粒子径にすると悪臭除去が難しくな
るという問題が生ずる。また、単量体を乳化重合法によ
り0.05〜0.20μmの小粒径のゴムラテックスに形成し
て、さらに冷凍法又はホモジナイザー処理法或いは添加
剤凝集法により、上記小粒径ゴムラテックスを0.22〜0.
35μmのゴムラテックスに凝集肥大化させて製造する方
法が挙げられる。上記添加剤凝集法に用いられる添加剤
として、酢酸無水物、塩化水素、硫酸などの酸性物質、
又は塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの塩類、及び
メタクリル酸−アクリレート系共重合体(例えば、メタ
クリル酸−アクリル酸ブチル共重合体)などのカルボキ
シル基を有する高分子凝集剤が望ましい。
【0014】本発明に用いるブタジエン系ゴムラテック
スの製造は、乳化剤添加方式や反応温度、反応速度及び
単量体の転化率を適宜に制御することにより所要粒径分
布のゴムラテックスを造ることができ、別に肥大化法に
よらなくてもよい。
【0015】ブタジエン系ゴムラテックスに含まれる4
−ビニルシクロヘキセンを減少する方法として、蒸気ス
トリッピング(steam stripping) 等の操作があるが、肥
大化されたゴムラテックスは肥大化されていないゴムラ
テックスに比べ、これらの操作によって残存4−ビニル
シクロヘキセン量の少ないゴムラテックスをつくり易
い。
【0016】ブタジエン系ゴムを重合するのに使用され
るブタジエン及び共重合可能な単量体は、一時に、又は
多数回に分割して添加する方法、もしくは連続的に添加
する方法など、何れの方法で添加しても良いが、連続的
に添加する方式が、より良好な4−ビニルシクロヘキセ
ンの低減効果が得られる。
【0017】上記ゴム状重合体は部分架橋しても良い。
また、架橋剤を使用する必要はないが、使用してもよ
い。架橋剤の量はゴム状重合体に対して0〜2wt%が好
ましい。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、マレイン
酸ジアリル、フマル酸ジアリル、酢酸ジアリル、アクリ
ル酸アリル、テトラエチレングリコールジメタクリレー
トなどが挙げられる。上記ブタジエン系ゴムラテックス
のゲル含有量は、特に限定されず、通常30〜90%が好ま
しいが、ベンゼンを溶媒とする場合の膨潤度は20〜60%
が好ましい。
【0018】また、前記ゴム状グラフト共重合体は、ブ
タジエン系ゴムと、スチレン系単量体50〜90wt%、アク
リロニトリル単量体及び/又は(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体10〜50wt%、及びその他の共重合可能な単
量体0〜40wt%をグラフト重合して形成される。そのグ
ラフト共重合体の製造は、ゴム状重合体と単量体混合物
とをグラフト重合反応を行わせる方法を用いる。即ち、
グラフト化反応によりゴム状重合体と少なくとも一種の
スチレン−アクリル系共重合体とを結合させる。普通、
単量体とゴム状重合体との比率、重合の条件、ゴム状重
合体の化学構造、ゴム粒径、単量体の仕込み速度、及び
連鎖移動剤などの諸因子の組み合わせ次第で所定のグラ
フト率を得ることができる。
【0019】本発明のゴム状グラフト共重合体の製造方
法としては、乳化重合法、乳化塊状重合法、乳化懸濁重
合法などがあるが、その内、乳化重合法がより好まし
い。
【0020】上記グラフト重合反応に用いられる開始剤
は、普通、単量体に対して0.01〜5.0 wt%が好ましく、
特に0.1 〜3.0 wt%が最も好ましい。その添加量は単量
体及び重合反応に応じて定まるが、グラフト重合反応を
より容易に進めるため適宜に増量しても良い。また、グ
ラフト重合体の分子量は、グラフト重合反応時の温度を
コントロールすることにより、及び/又は分子量調整剤
を少量添加することにより調整することができる。この
分子量調整剤としては、メルカプタン、ハロゲン化物、
テルペン系化合物その他があるが、具体例としてn−ド
デシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、四臭
化炭素、ターピノーレン及びα−メチルスチレンダイマ
ー(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン)
などが挙げられる。
【0021】このグラフト重合反応は、重合反応におい
て単量体混合物を連続的又は段階的に加えるのが普通で
あり、さらに開始剤をも同時に連続的又は段階的に添加
するのが望ましい。上記開始剤として、乳化ラジカル重
合に用いられる公知の開始剤、例えば、ペルオキシ及び
アゾ化合物を使用することができ、その添加方式は一度
に所定量を全部加えるか或いは連続的又は段階的に加え
てもよい。適当なペルオキシ開始剤としては、例えば、
アルカリ金属過酸化物、過硫酸塩、過ほう酸塩、過酢酸
塩、過炭酸塩、過酸化水素などが挙げられる。また、油
溶性開始剤を使用することもでき、例えば、ジ−第三ブ
チルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイ
ルペルオキシド、オレイルペルオキシド、クメンヒドロ
ペルオキシド、第三ブチルヒドロペルオキシドなどが挙
げられる。その他の開始剤としては、例えば光照射によ
るラジカル触媒を使用してもよい。
【0022】上記ゴムラテックスと単量体混合物のグラ
フト重合反応は、不活性ガス雰囲気中、20〜100 ℃の温
度下で攪拌して行われ、0〜100P.S.I.Gまでに加圧して
もよく、重合時間は通常2〜10時間を要するが、4〜9
時間がより好ましい。
【0023】ところで、本発明者の詳細な研究の結果か
ら、通常のゴム変性スチレン系樹脂は、比較的高い成形
温度や成形速度においてスチレン系単量体と4−ビニル
シクロヘキセンを遊離し、且つゴム変性スチレン系樹脂
に含まれるスチレン系単量体の残留物の気化速度の増加
は相乗効果的に4−ビニルシクロヘキセンの同時揮発を
促進し、これが射出成形及び成形品の悪臭の原因になる
と推測される。
【0024】本発明の樹脂組成物を得る好ましい製造方
法は、適当な温度及び真空中においてグラフト重合体ラ
テックスのストリッピングを行うか、又は高温水蒸気で
凝固を行うか、或いは高温水蒸気を用いて減圧状態でス
トリッピングを行うかによって、部分残留のスチレン系
単量体及び4−ビニルシクロヘキセンを除去し、また、
その凝固したグラフト重合体を高温の水で洗滌して更に
真空下において乾燥する方法であり、普通は乾燥物中の
水分の含有量を3%以下に規制するが、1%以下に規制
するのが好ましい。もう一つの好ましい方法としては、
真空乾燥処理を経ずに凝固したグラフト重合体を水で洗
滌し、遠心脱水機により水の含有量を40%以下になるま
で脱水して、さらに押出機で水分を搾り出し、同時にス
チレン−アクリル系共重合体を添加して溶融・混練・押
出しする方法がある。
【0025】本発明により無臭のゴム変性スチレン系樹
脂組成物を得るには、その残留スチレン系単量体が1500
ppm 以下で、且つ4−ビニルシクロヘキセンが150ppm以
下とすることが必要で、残留スチレン系単量体が850ppm
以下、4−ビニルシクロヘキセンが100ppm以下がより好
ましい。
【0026】重合体中のゴム粒子が小粒である場合、4
−ビニルシクロヘキセン量の低減が比較的容易で、その
ために本発明のマトリックス内に分布しているゴム粒子
は小粒のものが多く、ゴム粒子の数粒径分布が粒径0.1
μm以下のゴム粒子がゴム粒子全体の19.5〜99%を占
め、特に50〜98%を占める場合がより好ましい。また、
粒径 0.1〜0.25μmのゴム粒子はゴム粒子全体の0.5 〜
60%を占め、特に1〜40%の場合がより好ましい。そし
て、粒径0.25μm以上のゴム粒子はゴム粒子全体の0.5
〜80%を占め、特に1〜70%を占める場合が好ましい。
これら粒子の数粒径分布が上記範囲外の場合は、その落
球衝撃強度と光沢のバランスが良くない。本発明におい
て、ゴム粒子の数平均粒子径は0.08〜0.35μmの範囲に
あり、望ましくは0.09〜0.14μmの範囲である。このゴ
ム粒子の数平均粒子径が0.08μm未満の場合は落球衝撃
強度が劣り、逆に、0.35μmを超えると、成形品の光沢
が悪く且つ引張強度も低下する。
【0027】具体的には、本発明におけるゴム粒子の数
平均粒子径とは、樹脂組成物を四酸化オスミウム(Os
O4) により染色した薄膜を、透過型(TEM)電子顕微
鏡により拡大倍率50000 倍の電子顕微鏡写真に撮り、12
センチ×12センチの写真を用い、粒径diなる粒子の分率
fiを求め、(Σfidi) /Σfiとして求めた。ここで各ゴ
ム粒径diは粒子の(最大直径+最小直径)/2として示
される。
【0028】また、本発明における数粒径分布は次のよ
うに求める。即ち、測定する樹脂の薄膜から上記の方法
により撮影された倍率が25000 倍である透過型電子顕微
鏡写真(ゴム粒子2000ケ以上を含むもの)から、粒子径別
に粒子数を求め、粒子径0.1μm未満の粒子数をn1、粒
子径0.1 〜0.25μmの粒子数をn2、粒子径0.25μmを超
える粒子数をn3とし、N=n1+n2+n3とするとき、0.1
μm以下の粒子の数粒径分布(%表示、以下同様)は
(n1/N)×100 、0.1 〜0.25μmの粒子の数粒径分布
は(n2/N)×100 、0.25μm以上の粒子の数粒径分布
は(n3/N)×100 で算出される。
【0029】本発明に用いるゴム状グラフト共重合体に
占めるゴム成分の割合は15〜80wt%、好ましくは45〜75
wt%、且つゴムに対して化学結合しているスチレン−ア
クリル系共重合体の割合、即ちグラフト率はゴムの重量
を基準として、20〜150 %、特に25〜80%であるのが好
ましい。
【0030】そして、本発明の樹脂組成物中のゴム分を
調整するため必要に応じて別途スチレン−アクリル系共
重合体を適宜配合することもできる。この場合のゴム状
グラフト共重合体とスチレン−アクリル系共重合体の混
合比は混合物中のゴムの成分割合が2〜50wt%、好まし
くは7〜35wt%、更に好ましくは10〜25wt%になるよう
に決定される。ここでゴム成分の割合がこの範囲に入る
ならば、スチレン−アクリル系共重合体の混合比は0
%、即ち使用しなくてもよい。
【0031】尚、前記したマトリックスを形成するスチ
レン−アクリル系共重合体とは、ゴム状グラフト共重合
体に存在しているが、ゴムに結合しておらず、遊離して
くる末グラフトのスチレン−アクリル系共重合体と前記
の如くゴム分を調整するために配合するスチレン−アク
リル系共重合体とを合わせたものを意味する。
【0032】そして、これら重合体を混合する時に、同
時にスチレン系単量体及び4−ビニルシクロヘキセンの
残留量を低減するための具体的な手段として、多数個の
ベントポートを備えた押出機を使用し、そのベントポー
トにおいて真空減圧によって残留スチレン系単量体及び
4−ビニルシクロヘキセンを除去させる方法があり、好
ましくは2個以上のベントポートを備えた押出機を使っ
て、真空度を高めて揮発物の除去効果を向上させるので
ある。また、脱揮発助剤として水或いはn−ヘキサン、
n−オクタン等の揮発性有機溶剤を押出混合する際に添
加して、スチレン系単量体及び4−ビニルシクロヘキセ
ンの除去作用を強化することもできる。即ち、水或いは
揮発性有機溶剤を添加すると、その揮発特性から上記揮
発物の逸出を活発化させることができる。一般に、樹脂
組成物 100重量部に対して、使用される水或いは有機溶
剤は0.1 〜15重量部であるが、特に0.5 〜10重量部が好
ましい。
【0033】上記脱揮発助剤として水或いは有機溶剤等
の添加は、樹脂を押出機で混練している過程において、
押出機のフィーダバレル(barrel)端部(原料装入ホッパ
ー)とベントポートとの間の注入口、又は両ベントポー
トの間の注入口から圧入添加することができ、揮発物を
容易に排除できるような押出条件を選定することができ
る。
【0034】ここで本発明の樹脂組成物をつくる上で残
存スチレン系単量体と残留4−ビニルシクロヘキセンの
量を減少する手段について、以下まとめて記載する。こ
れらの手段については既に各項目についての記載で触れ
ているようにブタジエン系ゴム粒子の重合段階、その後
処理段階、グラフト重合時のブタジエン系ゴム粒子の肥
大化工程などを含めての粒径分布の選択、グラフト共重
合体の乾燥度、押出機での脱揮発助剤の添加や多くの真
空ベントポートの設置など多くの手段があり、実施に際
しては複数のこれらの手段を適宜組み合わせて用いるこ
とによって本発明を達成することが肝要である。
【0035】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、必要に応じてその他の物質、例えば酸化防止剤、可
塑剤、加工助剤、滑剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、
帯電防止剤、充填剤、強化剤、着色剤、難燃剤、難燃助
剤、熱安定剤、カップリング剤、及びその他の添加剤な
どを添加使用してもよく、上記添加剤は重合反応中、重
合反応後、凝固前或いは押出混練する時などのいずれに
おいて添加してもよい。
【0036】酸化防止剤としては、通常、フェノール系
酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、燐系酸化防止
剤、キレート剤などが使われ、そのうちフェノール系酸
化防止剤の添加量は0.005 〜2.0 wt%が好ましく、その
代表的なものにオクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレ
ングリコールビス〔3−(3−第三ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタ
エリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2−
第三ブチル−6−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−
5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレー
ト、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチ
ルフェノール)、2,2'−チオビス(4−メチル−6−
第三ブチルフェノール)、2,2'−チオ〔ジエチル−ビ
ス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)〕プロピオネート、2,2'−オキサミドビス−
〔エチル−3−(3,5−ジターシャリブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕等がある。チオエ
ーテル系酸化防止剤添加量は0.005 〜2.0 wt%が好まし
く、その代表的なものにジステアリルチオジプロピオネ
ート、ジパルミチルチオジプロピオネート、ペンタエリ
スリトール−テトラキス−(β−ドデシルメチル−チオ
プロピオネート)、ジオクタデシルチオエーテル等が挙
げられる。燐系酸化防止剤にはフォスファイト系或いは
フォスフォナイト系酸化防止剤があり、その添加量は0.
015 〜2.0 wt%が好ましく、代表的なものにトリス(ノ
ニルフェニル)フォスファイト、トリデシルフォスファ
イト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オク
タデシルフォスファイト)、4,4'−ブチリデンビス
(3−メチル−6−第三ブチルフェニル−ジトリデシル
フォスファイト)、トリス(2,4−第三ブチルフェニ
ル)フォスファイト、或いはテトラキス(2,4−第三
ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジフォスフォ
ナイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスフ
ァフェナンスレン−10−オキシド等がある。
【0037】キレート剤の添加量は0.001 〜2.0 wt%が
好ましく、代表的なものにビスベンゾイルメタル、エチ
レンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩等がある。上記酸
化防止剤の総添加量は本発明のゴム変性スチレン系樹脂
組成物に対して通常0.03〜2.0 wt%である。
【0038】滑剤として代表的なものにはカルシウムス
テアレート、マグネシウムステアレート、リチウムステ
アレート等の金属石鹸、エチレンビスステアリルアミ
ド、メチレンビスステアリルアミド、パルミチン酸アミ
ド、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸セチル、ポリプ
ロピレングリコールモノステアレート、ベヘン酸、ステ
アリン酸等の化合物、シリコーンオイル、ポリエチレン
ワックス、エチレン、酢酸ビニル系ワックス等が挙げら
れ、その総添加量は本発明のゴム変性スチレン系樹脂組
成物に対して通常0.03〜5.0 wt%である。また、押出成
形性、熱成形性を改善するためのメチルメタクリレート
系加工助剤も使用できる。
【0039】なお、紫外線吸収剤の代表的なものにベン
ゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物があ
り、紫外線安定剤の代表的なものにはヒンダードアミン
系化合物があって、これらの総添加量は本発明のゴム変
性スチレン系樹脂組成物に対して通常0.02〜2.0 wt%で
ある。
【0040】静電防止剤として代表的なものに、第三ア
ミン系化合物、第四アンモニウム塩系化合物等の低分子
系化合物、或いはポリアミドポリエーテルや3−クロロ
−1,2−プロピレンオキサイドポリマーの永久静電防
止性高分子系物質が挙げられる。
【0041】充填剤として代表的なものに炭酸カルシウ
ム、シリカ、マイカ等がある。強化剤として代表的なも
のにガラス繊維、カーボン繊維、各種ウイスカー(whisk
er) 類がある。着色剤として代表的なものに酸化チタ
ン、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー
が挙げられる。
【0042】難燃剤或いは難燃助剤として代表的なもの
にデカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフ
ェノールA、臭素化ポリスチレンオリゴマー、臭素化エ
ポキシ樹脂、ヘキサブロモシクロドデカン、塩素化ポリ
エチレン、トリフェニルフォスフェート、赤りん、酸化
アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、ほう酸亜鉛、メラミン、メラミンイソシアヌレー
ト、シリコーン粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉
末、膨脹性黒鉛等がある。
【0043】熱安定剤として代表的なものにマレイン酸
ジブチル錫、塩基性マグネシウム・アルミニウムハイド
ロキシカーボネート等がある。また、熱変色防止剤とし
て低分子量のスチレン−無水マレイン酸共重合体があ
り、その添加量は本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成
物の通常0.1 〜1.0 重量%である。
【0044】また、カップリング剤として代表的なもの
にシラン系、チタネート系、ジリコネート系化合物が挙
げられる。
【0045】本発明のスチレン系樹脂組成物は変性させ
るために、分子量の高い重合体系添加剤を使用してもよ
く、この重合体系添加剤としては、例えば塊状重合法
は、溶液重合法、塊状懸濁重合法など、即ち、乳化重合
法以外の方法で製造されたブタジエン系ゴムを使用する
重合法でつくられるゴム変性スチレン系樹脂例えばアク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ブタジエン
ゴム以外のゴム例えばEPDMやブチルアクリレートゴ
ムを用いてつくられるAES樹脂やAAS樹脂などのゴ
ム変性スチレン系樹脂、無水マレイン酸−スチレン共重
合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル−フェニルマレイミド共重合体、
スチレン−アクリロニトリル−無水マレイン酸共重合体
をアニリンでイミド化した共重合体、グラフト操作を行
わない架橋ゴム例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムや塩化ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート、スチレン系熱可塑性弾性体、各種
相溶化剤などである。これらの重合体の配合量は本発明
のゴム変性スチレン系樹脂組成物 100重量に対して通常
3〜200 重量である。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて詳細に本発
明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
【0047】<製造例> (I-1) ブタジエン系ゴムラテックス(A1)の製造;下記の
原料を攪拌装置、加熱装置及び原料供給パイプを備えた
反応槽内に仕込んで、45℃で反応を始め、且つ転化率の
増加に伴い次第に反応温度を上昇させて、50時間反応さ
せ、冷却する。それによって得られたゴムラテックス
(以下、A1と称する)の転化率は90%以上で、ラテック
スの固形分含有量は41%であり、且つラテックスのゴム
の数平均粒子径は0.14μmである。また、未反応のブタ
ジエンは重合終了後に水蒸気蒸留法で除去する。
【0048】(I-2) ブタジエン系ゴムラテックス(A2)の
製造;下記の原料を攪拌装置、加熱装置及び原料供給パ
イプを備えた反応槽内に仕込んで、70℃で12時間反応を
行い、冷却する。それにより得られたゴムラテックス
(以下、A2と称する)の転化率は92%以上で、ラテック
スの固形分含有量は40%であり、且つラテックスのゴム
の数平均粒子径は0.06μmである。また、未反応のブタ
ジエンは重合終了後に水蒸気蒸留法で除去する。
【0049】(I-3) ブタジエン系ゴムラテックス(A3)の
製造;上記(I-2) のような配合で、そのうち、単量体総
量の20%とオレイン酸カリウム及び過硫酸カリウムの総
量の20%を含む水溶液を一時に添加する方式により反応
させ、残り80%の単量体と、残り80%のオレイン酸カリ
ウム及び過硫酸カリウムを含む水溶液は、5時間連続的
に添加して、65℃の温度で全部9時間反応させた後、冷
却する。それにより得られたゴムラテックス(以下、A3
と称する)の転化率は85%以上で、ラテックスの固形分
含有量は39%であり、且つラテックスのゴム数平均粒子
径は0.07μmであり、また、未反応のブタジエンは重量
終了後に水蒸気蒸留法で除去する。
【0050】(II)肥大化作用を有するカルボキシル基含
有の共重合体ラテックスの合成;その成分は下記の通り
である。: 上記成分を重合反応装置に仕込んで、70℃の温度で4時
間重合反応させる。転化率が98%以上で、pHが6.1
で、平均粒径が0.07μmであるラテックスを得た。
【0051】(III-1) 肥大化ゴムラテックス(C1)の製
造;上記ブタジエン系ゴムラテックス(A2) 100重量部
(固形分)に対して、上記肥大化作用を有するカルボキ
シル基含有の共重合体ラテックス(II) 1.5重量部(固形
分)及び無機電解質として硫酸ナトリウムを5秒間で添
加しながら攪拌し、引き続いて30分攪拌して数平均粒子
径0.38μmの肥大化ゴムラテックス(以下、C1と称す
る)を得た。
【0052】(III-2) 肥大化ゴムラテックス(C2)の製
造;上記ブタジエン系ゴムラテックス(A2) 100重量部
(固形分)に対して、上記肥大化作用を有するカルボキ
シル基含有の共重合体ラテックス(II) 1.8重量部(固形
分)及び無機電解質として硫酸ナトリウムを5秒間で添
加しながら攪拌し、引き続いて30分攪拌して数平均粒子
径0.45μmの肥大化ゴムラテックス(以下、C2と称す
る)を得た。
【0053】(III-3) 肥大化ゴムラテックス(C3)の製
造;上記ブタジエン系ゴムラテックス(A3) 100重量部
(固形分)に対して、上記(III-2) と同様な肥大化処理
を施すと、数平均粒子径0.43μmの肥大化ゴムラテック
ス(以下、C3と称する) が得られる。
【0054】実施例1 (1) グラフト共重合体の製造;窒素雰囲気で、表1に示
したブタジエン系ゴムラテックス(A1) 100重量部(固形
分)、同じく表1に示した連鎖移動剤としてt−ドデシ
ルメルカプタン(TDM)0.2 重量部、及びクメンヒド
ロペルオキシド0.32重量部、ロンガライト0.2重量部、
オレイン酸カリウム2重量部、水 200重量部を反応器に
仕込んだ後、スチレン70重量部とアクリロニトリル30重
量部を混合して連続添加し、更に60℃の温度下で 8.5時
間のグラフト重合反応を行い、転化率94%のグラフト重
合体G1が得られ、そのゴム粒子の数粒径分布及び数平均
粒子径は表2に示す通りである。
【0055】また、同様の方法によりグラフト共重合体
G2〜G8を得た。
【0056】
【表1】
【0057】(2) 樹脂組成物の製造;5%濃度の硫酸水
溶液を上記グラフト共重合体ラテックスG1に添加して、
90℃で10分間攪拌し、かつその凝固した析出物を 112
℃、4kg/cm2 の水蒸気によりストリッピングした後、
脱水及び80℃の熱水洗滌を行い、さらに80℃、120Torr
のもとで1時間乾燥してグラフト共重合体粉末を得る。
このグラフト共重合体粉末とスチレン−アクリロニトリ
ル共重合体(その組成重量比;アクリロニトリル/スチ
レン=30/70、分子量12,000) を混合してゴム総含有量
19wt%の混合物をつくり、この混合物 100wt%に対し、
2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール 0.1wt
%、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト 0.1wt
%、エチレンビスステアリルアミド2wt%等を添加し
て、更にドイツ Werner & Pfleiderer社のZSK-35 型
二軸押出機により 240℃のもとで押出して、該押出機の
第1のベントポート(V1)及び第2のベントポート(V2)の
真空度をそれぞれ150Torr 及び60Torrに規制し、並びに
原料装入ホッパと第1のベントポート(V1)との間の注入
口及び第1と第2のベントポート(V1, V2)との間の注入
口に、表3に記載されているような脱揮発助剤としてn
−ヘキサンを添加する。その添加量は樹脂組成物100 重
量部に対してそれぞれ 2.5重量部及び1.8 重量部であ
る。
【0058】実施例2〜7 実施例1と同様な処理方式を採用して樹脂組成物を得
た。実施例1と違う所は、表2に示すような異なるグラ
フト共重合体の混合物を使用した点であり(それぞれの
グラフト共重合体は表1参照)、グラフト共重合体の凝
固した析出物の後続処理は、表3に示すように、それぞ
れストリッピング、乾燥、押出条件を調整して所望の最
終的樹脂組成物を得る。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】実施例8 (1) グラフト共重合体の製造;窒素雰囲気で、ブタジエ
ン系ゴムラテックス(A1) 200重量部(固形分)、連鎖移
動剤としてα−メチルスチレンダイマー0.2 重量部、第
三ブチルヒドロペルオキシド0.32重量部、ロンガライト
0.2 重量部、オレイン酸カリウム2重量部、水200重量
部を反応器に仕込んだ後、スチレン70重量部とアクリロ
ニトリル30重量部を混合して連続添加し、更に60℃で
8.5時間のグラフト重合反応を行うと、転化率93.6%の
グラフト重合体が得られ、そのゴム粒子の数粒径分布
は、粒径0.1μm未満の粒子が62.4%を占め、粒径0.1
〜0.25μmの粒子が32.4%を占め、粒径0.25μmを超え
る粒子5.2 %を占め、数平均粒子径が0.14μmである。
【0062】(2) 樹脂組成物の製造;5%濃度の硫酸水
溶液を上記グラフト共重合体ラテックスに添加して、90
℃で10分間攪拌し、且つその凝固した析出物を脱水及び
40℃の熱水洗滌を行って、水分含有率31.2%のグラフト
重合体粉末を得た。このグラフト共重合体粉末とスチレ
ン−アクリロニトリル−フェニルマレイミド共重合体
(その組成重量比;アクリロニトリル/スチレン/フェ
ニルマレイミド=22/70/8 、分子量108,000)を混合し
てゴム含有量19wt%の混合物をつくり、この際混合物 1
00wt%に対し、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフ
ェノール 0.1wt%、トリス(ノニルフェニル)フォスフ
ァイト 0.1wt%、エチレンビスステアリルアミド2wt%
等を添加して、更に東芝機械 (株) 製のTEM-35 型二
軸押出機により 240℃のもとで押出して、該押出機の第
1のベントポート(V1)及び第2のベントポート(V2)の真
空度をそれぞれ90Torr及び20Torrに規制する。
【0063】実施例9 (1) グラフト共重合体の製造;窒素雰囲気で、ブタジエ
ン系ゴムラテックス(A1) 200重量部(固形分)、同じく表
1で示した連鎖移動剤としてTDM 0.2重量部、第三ブ
チルヒドロペルオキシド0.32重量部、ロンガライト0.2
重量部、オレイン酸カリウム2重量部、水200重量部を
反応器に仕込んだ後、スチレン70重量部とアクリロニト
リル30重量部を混合して連続添加し、更に40℃の温度下
で 8.5時間のグラフト重合反応を行うと、転化率94.2%
のグラフト重合体が得られ、そのゴム粒子の数平均粒子
径は0.14μmであって、数粒径分布は粒径0.1 μm未満
の粒子が62.3%を占め、粒径0.1〜0.25μmの粒子が32.
4%を占め、粒径0.25μmを超える粒子が5.3 %を占め
る。
【0064】(2) 樹脂組成物の製造;5%濃度の硫酸水
溶液を上記グラフト共重合体ラテックスに添加して、90
℃で10分間攪拌し、且つその凝固した析出物を 112℃、
4kg/cm2 の水蒸気により90分間ストリッピングした
後、脱水及び80℃の熱水洗滌を行って、水分含有率29.8
%のグラフト共重合体粉末を得る。このグラフト共重合
体粉末とスチレン−アクリロニトリル共重合体(その組
成重量比;アクリロニトリル/スチレン=30/70、分子
量120,000)を混合してゴム総含有量19wt%の混合物をつ
くり、この際混合物 100wt%に対し、2,6−ジ−第三
ブチル−4−メチルフェノール 0.1wt%、トリス(ノニ
ルフェニル)フォスファイト 0.1wt%、エチレンビスス
テアリルアミド2wt%等を添加して、更に日本東芝機械
社のTEM-35 型二軸押出機により240℃のもとで押出
して、該押出機の第1のベントポート(V1)及び第2のベ
ントポート(V2)の真空度をそれぞれ150Torr 及び60Torr
に規制し、並びに原料装入ホッパと第1のベントポート
(V1)及び第2のベントポート(V1, V2)との間のそれぞれ
注入口に、樹脂組成物100 重量部に対してn−ヘキサン
2.5重量部及び1.8 重量部を圧入する。
【0065】実施例10 (1) グラフト共重合体の製造;窒素雰囲気で、ブタジエ
ン系ゴムラテックス(A1) 300重量部(固形分)、連鎖移
動剤としてα−メチルスチレンダイマー 0.2重量部、ク
メンヒドロペルオキシド0.32重量部、ロンガライト0.2
重量部、オレイン酸カリウム2重量部、水 200重量部を
反応器に仕込んだ後、スチレン60重量部、α−メチルス
チレン10重量部、メタクリル酸メチル2重量部及びアク
リロニトリル28重量部を混合して連続添加し、更に60℃
で 8.5時間のグラフト重合反応を行うと、転化率93.6%
のグラフト重合体が得られ、そのゴム粒子の数平均粒子
径は0.14μmで、数粒径分布は0.1 μm以下が62.0%を
占め、0.1 〜0.25μmが33.6%を占めて、0.25μm以上
が4.4 %を占める。
【0066】(2) 樹脂組成物の製造;5%濃度の硫酸水
溶液を上記グラフト共重合体ラテックスに添加して、90
℃で10分間攪拌し、且つその凝固した析出物を 112℃、
4kg/cm2 の水蒸気により60分間ストリッピングした
後、更に脱水及び80℃の熱水洗滌を行って、水分含有率
29.2%のグラフト重合体粉末を得た。このグラフト共重
合体粉末とスチレン−α−メチルスチレン−アクリロニ
トリル−メタクリル酸メチル共重合体(その組成重量
比;アクリロニトリル/スチレン/α−メチルスチレン
/メタクリル酸メチル=28/50/18/4 、分子量132,00
0)を混合してゴム含有量19wt%の混合物をつくり、この
際混合物 100wt%に対し、2,6−ジ−第三ブチル−4
−メチルフェノール 0.1wt%、トリス(ノニルフェニ
ル)フォスファイト 0.1wt%、エチレンビスステアリル
アミド2wt%等を添加して、更に東芝機械 (株) 製のT
EM−35型二軸押出機により 240℃のもとで押出し、該
押出機の第1のベントポート(V1)及び第2のベントポー
ト(V2)の真空度をそれぞれ120Torr 及び40Torrに規制す
る。
【0067】比較例1〜4 実施例1と同様な処理方式を採用する。実施例1と違う
所は、表2に示した各種異なるグラフト共重合体を使用
して、そのグラフト共重合体が凝固した析出物の後続処
理を表3に示すように、それぞれストリッピング、乾燥
及び押出条件に設定して所望の最終樹脂組成物を得る点
である。
【0068】<性能評価>上記各実施例及び比較例によ
って得られた樹脂組成物から試験片を造って、落球衝撃
強度、表面光沢、引張強度及び残留単量体や臭気等の物
理性質についてテストを行った。その結果を表4に示
す。なお、各テストは下記の方法に基づいて行われた。 1. 落球衝撃強度;射出成形機により半径50mm、厚さ3
mmの円板試験片を射出し、23℃の温度で5kgの鋼球を円
板の中心に墜落させて衝突させることにより、円板が破
壊されない最大エネルギーを求めた(単位;kg・cm)。 2. 表面の光沢;射出成形機により成形温度 230℃及び
280 ℃のもとで、それぞれ50mm(幅)×90mm(長さ)×
3mm(厚さ)の円板試験片を射出する。五つの円板試験
片を光沢計を用いて60度の入射光で測定し、その平均値
を求めた(単位;%)。 3. 引張強度;ASTM D-638により測定した(単位;kg/c
m2) 。 4. スチレン系単量体及び4−ビニルシクロヘキセンの
残留量;スチレン系単量体及び4−ビニルシクロヘキセ
ンの残留量は、樹脂組成物をジメチルホルムアミド(D
MFと略称する)に溶かして、その樹脂組成物溶液を更
にヒューレット・パッカード(Hewlettpackard)社製、
番号5890Aのフレームイオン化検出器(FID)付
き気相色譜儀(GC)により分析した。 5. 成形品の臭気試験;樹脂組成物の臭気試験として
は、当該樹脂組成物を押出機によりペレットを造り、そ
のペレット150 gをガラス瓶の中に密封して冷却させた
後、10名の臭覚鋭敏な者によりガラス瓶を開けてその臭
気の程度を嗅がせ、且つ臭気があると認めた者の人数の
多寡により等級を決め、下記の符号で標示した。 臭気あると認めた人数 標 示 2人以下 ◎ 2〜4人 ○ 4〜8人 △ 8人以上 ×
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】上記の説明及び表4から分かるように、
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、残留スチレ
ン系単量体を1500ppm 以下、及び4−ビニルシクロヘキ
センを150ppm以下にそれぞれ抑えていると共に、ゴム粒
子の数平均粒子径及びその数粒径分布を最適の状態に保
持しているので、優れた落球衝撃強度、高い引張強度及
び好ましい光沢を備え、成形時の悪臭を大幅に低減させ
て無臭成形品を造ることができ、従って、本発明に係る
組成物は新規性と進歩性があるものと言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 51/04 C08F 6/00 - 6/28 C08F 279/02 - 279/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル系単量体及び/又は
    (メタ)アクリル酸エステル系単量体と、スチレン系単
    量体及び必要に応じて添加されるその他の共重合可能な
    不飽和ビニル系単量体を含む単量体混合物を共重合して
    得られたスチレン−アクリル系共重合体のマトリックス
    と該マトリックスに分散するブタジエン系ゴム粒子とを
    含んでなる樹脂組成物において、 残留スチレン系単量体が該樹脂組成物に対して1500ppm
    以下、残留4−ビニルシクロヘキセンが 150ppm 以下で
    あり、且つ前記樹脂組成物中のゴム粒子の数平均粒子径
    が0.08〜0.35μmであって、ゴム粒子の数粒径分布が粒
    径 0.1μm未満のゴム粒子がゴム粒子全体の19.5〜99%
    を占め、粒径 0.1〜0.25μmのゴム粒子がゴム粒子全体
    の 0.5〜60%を占め、粒径0.25μmを超えるゴム粒子が
    ゴム粒子全体の0.5 〜80%を占めることを特徴とするゴ
    ム変性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記ゴム粒子の数平均粒子径が0.09〜0.
    14μmの間にあることを特徴とする請求項1記載のゴム
    変性スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記残留スチレン系単量体が該樹脂組成
    物に対して850ppm以下であることを特徴とする請求項1
    記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記残留4−ビニルシクロヘキセンが該
    樹脂組成物に対して100ppm以下であることを特徴とする
    請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
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