JP2896307B2 - 1−アシル−2−置換ヒドラジン類の製造方法 - Google Patents

1−アシル−2−置換ヒドラジン類の製造方法

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JP2896307B2
JP2896307B2 JP16172294A JP16172294A JP2896307B2 JP 2896307 B2 JP2896307 B2 JP 2896307B2 JP 16172294 A JP16172294 A JP 16172294A JP 16172294 A JP16172294 A JP 16172294A JP 2896307 B2 JP2896307 B2 JP 2896307B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殺虫活性を有すること
が知られている1−アルキル−1,2−ジアシルヒドラ
ジン類を製造する工程における有用な中間体である1−
アシル−2−アルキルヒドラジン類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】モノアシルモノアルキルヒドラジン類の
合成法としてはアシルクロライドとアルキルヒドラジン
を塩基存在下で縮合するのが一般的な方法である。
【0003】このアシルクロライドによるヒドラジド化
反応においては、1位と2位の窒素に対する位置選択性
は低く、目的の1−アシル−2−アルキルヒドラジンと
副生成物の1−アシル−1−アルキルヒドラジンの混合
物しか得られない。
【0004】1−アシル−2−アルキルヒドラジンの選
択的な製造法としては、アシルヒドラジンをヒドラゾン
に誘導した後還元する方法が、ヨーロッパ特許2366
18、232075号および286746号に記載され
ている。
【0005】またアシルクロライドの代わりに、ArC
OCCl3 を用いて縮合し、1−アシル−1−アルキル
ヒドラジンの生成を減少させる方法が特開平4−290
856号に記載されている。
【0006】1−アシル−1−アルキルヒドラジンの選
択的な製造法としては、アルキルヒドラジンをヒドラゾ
ンに誘導して、アシル化を行った後に、ヒドラゾンを加
水分解する方法がヨーロッパ特許228564号および
米国特許4814349号に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ヒドラジンは2官能性
分子であることからヒドラジンをアシル化するときに位
置選択性が問題となる。
【0008】アシルクロライドとモノアルキルヒドラジ
ンからモノアシルモノアルキルヒドラジンを製造する場
合、1−アシル−2−アルキルヒドラジンと1−アシル
−1−アルキルヒドラジンの混合物になり、1−アシル
−2−アルキルヒドラジンを高純度で得ることは困難で
あった。
【0009】また、特に1−アシル−2−第三級アルキ
ルヒドラジンを合成する場合は上記ヨーロッパ特許に記
載されているヒドラゾンに誘導した後還元する方法では
合成することができない。
【0010】本発明は副生する1−アシル−1−アルキ
ルヒドラジンを選択的に加水分解またはアルコリシスす
ることにより、高純度の1−アシル−2−アルキルヒド
ラジンを製造する方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意研究した結果、下記に示すように一般
式(2)の1−アシル−1−アルキルヒドラジンは酸触
媒の存在下で加熱することにより、容易に一般式(3)
のカルボン酸誘導体に誘導できるが、一方、一般式
(1)の1−アシル−2−アルキルヒドラジンは酸性条
件下で比較的安定であり加水分解、もしくはアルコリシ
スを受けにくいことを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0012】
【化4】
【0013】[式中、Arは水素、ハロゲン、(C1
6 )アルキル、(C1 〜C6 )アルコキシ、ハロ(C
1 〜C6 )アルキルおよびハロ(C1 〜C6 )アルコキ
シから独立に選ばれる1から5個の置換基で置換された
フェニル環又はナフチル環であり、また、フェニル環上
の2つの置換基が隣接する位置に存在するときは、−O
CH2 CH2 O−、または−OCH2 CH2 CH2 −で
表す環を形成することができ、R1 は(C1 〜C8 )ア
ルキル基を示し、R2 は水素あるいは(C1 〜C6 )ア
ルキル基を示す。]本発明の製造方法のプロセスは以下
に示される[式中Ar、R1 、R2 は前記と同じ意味を
表わす]。
【0014】
【化5】
【0015】すなわち一般式(4)
【0016】
【化6】
【0017】[式中Ar、R1 は前記と同じ意味を表わ
す]で示されるモノ置換ヒドラジンと一般式(5)
【0018】
【化7】
【0019】[式中Arは前記と同じ意味を表わす]で
表わされるアシルクロライド誘導体を塩基存在下で縮合
することにより得られる一般式(1)
【0020】
【化8】
【0021】[式中Ar、R1 は前記と同じ意味を表わ
す]で表わされる1−アシル−2−置換ヒドラジン化合
物と一般式(2)
【0022】
【化9】
【0023】[式中Ar、R1 は前記と同じ意味を表わ
す]で表わされる1−アシル−1−置換ヒドラジンとの
混合物の中から、酸触媒の存在下で一般式(2)の1−
アシル−1−置換ヒドラジンのみを選択的に加水分解、
あるいはアルコリシスし一般式(3)
【0024】
【化10】
【0025】[式中、Ar及びR2 は前記と同じ意味を
表わす。]で表わされる化合物に誘導することにより分
離精製し、一般式(1)の1−アシル−2−置換ヒドラ
ジンを製造する方法を見いだしたものである。
【0026】本発明は以下の方法によって実施すること
ができる。
【0027】一般式(4)のモノ置換ヒドラジンと一般
式(5)のアシルクロライド誘導体を不活性あるいは実
質上不活性な溶媒中、塩基の存在下で反応することによ
り一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物の混合
物を得ることができる。
【0028】上記方法で用いることのできる一般式
(4)の化合物の例としては、t−アミルヒドラジン、
イソプロピルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、ネオ
ペンチルヒドラジン、αメチルネオペンチルヒドラジ
ン、イソブチルヒドラジン、イソペンチルヒドラジンお
よびイソオクチルヒドラジンなどであり、好ましい化合
物としてはt−ブチルヒドラジンを挙げることができ
る。
【0029】上記方法で用いることのできる一般式
(5)の化合物の例としては、塩化ベンゾイル、4−ク
ロロベンゾイルクロライド、4−メチルベンゾイルクロ
ライド、4−エチルベンゾイルクロライド、3,4−ジ
クロロベンゾイルクロライド、2−ブロモベンゾイルク
ロライド、2,3−ジメチルベンゾイルクロライド、
3,5−ジメチルベンゾイルクロライド、5−メチルク
ロマン−6−カルボン酸クロライドおよび5−メチル−
1,4−ベンゾジオキサン−6−カルボン酸クロライド
などのフェニル基が水素、ハロゲン、(C1 〜C6 )ア
ルキルなどで置換されたベンゾイルクロライドが挙げら
れる。好ましい化合物としては4−エチルベンゾイルク
ロライド、3,5−ジメチルベンゾイルクロライド、5
−メチルクロマン−6−カルボン酸クロライド、5−メ
チル−1,4−ベンゾジオキサン−6−カルボン酸クロ
ライドを挙げることができる。
【0030】上記方法で使用に適する溶媒の例として
は、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等
のアルコール;トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタ
ン等のような炭化水素;エチレングリコールジメチルエ
ーテル;テトラヒドロフラン;アセトニトリル;ピリジ
ン;塩化メチレンのようなハロアルカンまたはこれら溶
剤の混合物であり、好ましい溶剤としては水、トルエ
ン、塩化メチレン、またはこれら溶剤の混合物が挙げら
れる。
【0031】用いられる溶媒の量は一般式(5)の化合
物の量に対して、3L/モル以下であり好ましくは0.
5〜2L/モルである。
【0032】上記方法で使用に適する塩基の例として
は、トリエチルアミンのような第三級アミン、ピリジ
ン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等であり、好ましい塩基としては水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミンが
挙げられる。用いられる塩基の量は用いる一般式(5)
の化合物にたいして当量もしくはそれ以上に用いること
ができ、好ましくは1〜3当量である。
【0033】一般式(4)の化合物の量は一般式(5)
の化合物にたいして当量もしくはそれ以上に用いること
ができる。
【0034】反応温度は約−20℃〜約100℃であ
り、好ましくは−10〜50℃である。
【0035】酸処理の工程は以下の(a)又は(b)の
いずれかの方法によって実施することができる。
【0036】方法(a):一般式(1)と一般式(2)
のヒドラジンの混合物を酸触媒の存在下で加熱撹拌し、
一般式(2)の1−アシル−1−置換ヒドラジンが加水
分解されて生成する一般式(3)のカルボン酸類を分離
回収することにより、一般式(1)の1−アシル−2−
置換ヒドラジンを精製することができる。
【0037】本方法は任意の割合で一般式(1)と一般
式(2)のヒドラジンを含む混合物で実施が可能であ
り、反応溶媒としては主に水を用いるのが好ましいが、
メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアル
コール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエー
テル類と水との混合溶媒を用いるのも好ましい。さら
に、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ク
ロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類と水との混合溶媒も用いることができる。
水の量は理論量または大過剰に用いることができる。反
応溶媒の量は精製すべきヒドラジン混合物の量に対し
て、10L/モル以下であり、好ましくは0.5〜5L
/モルである。
【0038】反応は10℃〜反応溶媒の沸点、好ましく
は約50℃〜約100℃で行なわれる。
【0039】酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸などの
無機酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸を使用す
ることができる。好ましい酸は無機酸であり、より好ま
しくは塩酸又は硫酸である。酸は反応溶媒に対して通常
は50%(重量%:以下同じ)以下の濃度、好ましくは
30%以下の濃度、最も好ましくは1〜5%の濃度で用
いられる。
【0040】一般式(3)のカルボン酸類は濾過あるい
は抽出により、分離回収することができる。一般式
(1)の1−アシル−2−置換ヒドラジンは一般式
(3)のカルボン酸類を分離した後、反応溶媒を留去す
ることにより用いた酸との塩の形であるいは、塩基によ
り中和し濾過あるいは抽出することにより遊離の形で得
ることができる。抽出に用いる溶媒としてはジクロロメ
タン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエー
テルなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、
ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類が挙げられ
るが、非水溶性溶媒なら特定限定されない。
【0041】方法(b):一般式(1)と一般式(2)
のヒドラジンの混合物をアルコールと酸触媒の存在下で
加熱撹拌し、一般式(2)の1−アシル−1−置換ヒド
ラジンがアルコリシスされて生成する一般式(3)のカ
ルボン酸エステルを分離回収することにより、一般式
(1)の1−アシル−2−置換ヒドラジンを精製するこ
とができる。
【0042】本方法は任意の割合で一般式(1)と一般
式(2)のヒドラジンを含む混合物で実施が可能であ
る。
【0043】アルコールとしてはメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール又はn−ヘキサノールなどが挙げ
られ、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどの脂肪族アルコールを使用でき、その量は理
論量もしくは大過剰に用いることができる。反応溶媒と
しては、アルコール以外の有機溶媒を任意に付加的な溶
媒として用いることもできる。付加的な溶媒としてはヘ
キサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、クロロベンゼンなどのハロゲン
化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなど
のケトン類又は水などが挙げられる。アルコールと任意
な付加的溶媒の合計量すなわち反応溶媒の量は精製する
ヒドラジンの量に対して、10L/モル以下であり好ま
しくは0.5〜5L/モルである。
【0044】酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸などの
無機酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸を使用す
ることができる。好ましい酸は無機酸であり、より好ま
しくは塩酸又は硫酸である。酸触媒は溶媒に対して通常
は50%以下の濃度、好ましくは30%以下の濃度、最
も好ましくは1〜5%の濃度で用いられる。
【0045】反応は10℃〜反応溶媒の沸点、好ましく
は約50℃〜約100℃で行なわれる。
【0046】一般式(1)の1−アシル−2−置換ヒド
ラジンは濾過により用いた酸との塩の形で得ることがで
きる。一般式(3)のカルボン酸エステルは一般式
(1)の化合物を分離したのち、反応溶媒を留去するこ
とにより回収することができる。
【0047】一般式(1)の化合物のArの置換基の具
体例を挙げると、ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素
およびヨウ素、アルキル基としては、メチル、エチル、
n−プロピル、n−ブチル等の直鎖アルキル基、および
i−プロピル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチ
ル等の分岐アルキル基が挙げられ、アルコキシ基として
はメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキ
シ、n−ブトキシ、t−ブトキシ等が挙げられる。ハロ
アルキル基としてはフルオロメチル、クロロメチル、ブ
ロモメチル、トリフルオロメチル、4−クロロブチル等
が挙げられる。ハロアルコキシ基としてはフルオロメト
キシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、2−フ
ルオロ−1,1−ジメチルエトキシ等が挙げられる。A
rがフェニル基である場合、好ましい置換基は水素、ハ
ロゲン又は(C1 〜C6 )アルキルである。好ましいA
r基としてはフェニル環上の置換基が−OCH2 CH2
O−、−OCH2 CH2 CH2 −で表される環を形成し
ているものおよび4−位にエチルをもつフェニル基であ
り、さらに好ましいArは5−メチル−6−クロマニ
ル、5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン−6−イル
が挙げられる。好ましいR1 基としては第三級アルキル
基であり、より好ましくはt−ブチルが挙げられ、好ま
しいR2 基としては、水素、メチル、エチルおよびイソ
プロピルが挙げられる。
【0048】
【実施例】次の実施例は本発明をさらに説明するもので
あるが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。実施例中%は重量%を意味する。
【0049】実施例1:1−(5−メチルクロマン−6
−カルボニル)−2−t−ブチルヒドラジンの精製(方
法(a)酸:塩酸) 80%の1−(5−メチルクロマン−6−カルボニル)
−2−t−ブチルヒドラジンと20%の1−(5−メチ
ルクロマン−6−カルボニル)−1−t−ブチルヒドラ
ジンを含む固体57.8gと水900mlの混合物に室温
で100mlの濃塩酸を加えた後30分間加熱還流した。
氷により冷却後析出した結晶を濾過して7.11g(収
率16.8%)の5−メチル−6−クロマン酸(HPL
C面積比99.5%、m.p.207〜208℃)を得た。
濾液に50%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを8に
し、ジクロロメタンで抽出して、45.8g(収率7
9.1%)の1−(5−メチルクロマン−6−カルボニ
ル)−2−t−ブチルヒドラジン(HPLC面積比9
9.8%)を得た。m.p.146〜148℃。
【0050】このとき1−(5−メチルクロマン−6−
カルボニル)−1−t−ブチルヒドラジンの含量はHP
LC面積比0.1%以下であった。
【0051】実施例2:1−(5−メチルクロマン−6
−カルボニル)−2−t−ブチルヒドラジンの精製(方
法(a)酸:硫酸) 88.1%の1−(5−メチルクロマン−6−カルボニ
ル)−2−t−ブチルヒドラジンと5.8%の1−(5
−メチルクロマン−6−カルボニル)−1−t−ブチル
ヒドラジン混合物2.0gと水9.1mlの混合物に室温
で1.2gの濃硫酸を加えた後1時間加熱還流した。氷
による冷却後析出した結晶を濾過し、濾液に50%水酸
化ナトリウム水溶液を加え水層をアルカリ性にしジクロ
ロメタンで抽出して、1.67g(収率83.5%)の
1−(5−メチルクロマン−6−カルボニル)−2−t
−ブチルヒドラジン(HPLC面積比96.7%)を得
た。このとき1−(5−メチルクロマン−6−カルボニ
ル)−1−t−ブチルヒドラジンの含量はHPLC面積
比0.1%以下であった。
【0052】実施例3:1−(5−メチルクロマン−6
−カルボニル)−2−t−ブチルヒドラジンの製造 工程1:モノベンゾイル化 水酸化ナトリウム51.2g、水205ml、t−ブチル
ヒドラジン塩酸塩92.0g、塩化メチレン393mlの
混合物に、−10〜−2℃で5−メチルクロマン−6−
カルボン酸クロライドを30分にわたって滴下した。反
応混合物を室温に戻し、2時間撹拌したのち、塩化メチ
レン層を分液し、5%食塩水で洗浄した。塩化メチレン
を減圧濃縮して、淡黄色の固体136.77gを得た。
このとき1−(5−メチルクロマン−6−カルボニル)
−2−t−ブチルヒドラジンの純度は88.4重量%で
あり、HPLC面積比4.0%の1−(5−メチルクロ
マン−6−カルボニル)−1−t−ブチルヒドラジンを
含んでいた。
【0053】工程2:酸処理(方法(a)酸:塩酸) 得られた固体と水738mlの混合物に濃塩酸103gを
室温で加え3時間還流した。反応混合物を10℃まで冷
却し、析出した結晶を濾過した。結晶を水で2回洗浄
し、5−メチルクロマン−6−カルボン酸6.52g
(純度92.1重量%)を得た。濾液に塩化メチレンを
加え撹拌冷却しながら、50%水酸化ナトリウム水溶液
を加え水層をアルカリ性にした。塩化メチレン層を分液
し、5%食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過後濃縮して117.8g(純度91.5重量
%)の1−(5−メチルクロマン−6−カルボニル)−
2−t−ブチルヒドラジンを得た。
【0054】実施例4:1−(4−エチルベンゾイル)
−2−t−ブチルヒドラジンの製造 工程1:モノベンゾイル化 水酸化ナトリウム2.73g、水10.9g、t−ブチ
ルヒドラジン塩酸塩4.44g、塩化メチレン24mlの
混合物に、−10〜0℃で4−エチルベンゾイルクロラ
イドを20分にわたって滴下した。反応混合物を室温に
戻し、1時間撹拌したのち、塩化メチレン層を分液し、
水で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し濾過後濃
縮して、淡黄色の固体を得た。このものは90.8重量
%の1−(4−エチルベンゾイル)−2−t−ブチルヒ
ドラジンと7.68重量%の1−(4−エチルベンゾイ
ル)−1−t−ブチルヒドラジンを含んでいた。
【0055】工程2:酸処理(方法(a)酸:塩酸) 得られた固体と水36mlの混合物に濃塩酸9.3gを室
温で加え30分間還流した。反応混合物を10℃まで冷
却し、析出した結晶を濾過した。結晶を水15mlで3回
洗浄し、4−エチル安息香酸1.02g(HPLC面積
比88.7%)を得た。
【0056】濾液に塩化メチレンを加え撹拌冷却しなが
ら、50%水酸化ナトリウム水溶液を加え水層をアルカ
リ性にした。塩化メチレン層を分液し、水で2回洗浄し
た後硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後濃縮して5.1
0g(収率77.8%)の1−(4−エチルベンゾイ
ル)−2−t−ブチルヒドラジン(純度99.4重量
%)を白色結晶として得た。このものには実質上1−
(4−エチルベンゾイル)−1−t−ブチルヒドラジン
は含まれていなかった(0.02重量%以下)。
【0057】実施例5:1−(5−メチルクロマン−6
−カルボニル)−2−t−ブチルヒドラジンの精製(方
法(b)酸:塩酸) 70%の1−(5−メチルクロマン−6−カルボニル)
−2−t−ブチルヒドラジンと30%の1−(5−メチ
ルクロマン−6−カルボニル)−1−t−ブチルヒドラ
ジンを含有する固体1.00gに10%塩酸を含む乾燥
エタノール10mlを加えた後30分間加熱還流した。氷
による冷却後析出した結晶を濾過して0.88g(収率
68%)の1−(5−メチルクロマン−6−カルボニ
ル)−2−t−ブチルヒドラジン塩酸塩(m.p.217〜
220℃)を得た。濾液を濃縮し0.25g(収率29
%)のメチルクロマン酸エチルエステル(m.p.79〜8
0℃)を得た。
【0058】実施例6〜8 実施例1、2、3および4と同様にして表1に表示した
ヒドラジン化合物を製造した。
【0059】実施例1〜8で得られた生成物の分析結果
を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明により、殺虫活性を有することが
知られている1−アルキル−1,2−ジアシルヒドラジ
ン類を製造する工程における有用な中間体である1−ア
シル−2−アルキルヒドラジン類が高純度で得られる。
【0062】同時に本方法においては、不純物である1
−アシル−1−アルキルヒドラジンを目的とする1−ア
シル−2−アルキルヒドラジンの製造原料として再使用
することが可能なカルボン酸あるいはそのエステルとし
て分離回収することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07B 63/02 C07B 63/02 Z (56)参考文献 特表 平5−500821(JP,A) 特公 昭39−4466(JP,B1) Synth.commun.,Vo l.4(6),p.347−349(1974) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 243/38 C07C 241/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、Arは水素、ハロゲン、(C1 〜C6 )アルキ
    ル、(C1 〜C6 )アルコキシ、ハロ(C1 〜C6 )ア
    ルキルおよびハロ(C1 〜C6 )アルコキシから独立に
    選ばれる1から5個の置換基で置換されたフェニルまた
    はナフチルであり、また、フェニル環上の2つの置換基
    が隣接する位置に存在するときは、−OCH2 CH2
    −、または−OCH2 CH2 CH2 −で表す環を形成す
    ることができ、R1 は(C1 〜C8 )アルキル基を示
    す。]で表わされる1−アシル−2−置換ヒドラジン化
    合物の製造方法において、一般式(2) 【化2】 [式中Ar、R1 は前記と同じ意味を表わす]で表わさ
    れる1−アシル−1−置換ヒドラジンと一般式(1)の
    化合物との混合物中から、一般式(2)の1−アシル−
    1−置換ヒドラジンを酸触媒の存在下選択的に加水分解
    または、酸触媒の存在下選択的にアルコリシスし一般式
    (3) 【化3】 [式中、Arは前記と同じ意味を表わし、R2 は水素ま
    たは(C1 〜C6 )アルキル基を示す。]で表わされる
    化合物に誘導し分離精製することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 Arのフェニル基上の置換基が水素、ハ
    ロゲン、又は(C1 〜C6 )アルキルである請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 Arが4−エチルフェニルである請求項
    1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 Arのフェニル環上の置換基が−OCH
    2 CH2 O−、−OCH2 CH2 CH2 −で表す環を形
    成する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 Arが5−メチル−6−クロマニルであ
    る請求項1又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 Arが5−メチル−1,4−ベンゾジオ
    キサン−6−イルである請求項1又は4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 R1 が第三級アルキル基である請求項1
    〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 R1 がt−ブチルである請求項1〜7の
    いずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 R2 が水素、メチル、エチルあるいはイ
    ソプロピルである請求項1〜8のいずれかに記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 酸触媒が無機酸である請求項1〜9の
    いずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 酸触媒が塩酸あるいは硫酸である請求
    項1〜9のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 反応溶媒として水又は水と有機溶媒の
    混合物を用いて加水分解する請求項1〜11のいずれか
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】 反応溶媒として水又は水とメタノー
    ル、エタノールもしくはイソプロパノールの混合物を用
    いて加水分解する請求項1〜11のいずれかに記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 酸触媒と水の存在下加水分解する請求
    項1〜11のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 反応溶媒としてメタノール、エタノー
    ル又はイソプロパノールを用いてアルコリシスする請求
    項1〜11のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 加水分解またはアルコリシスの温度が
    50〜100℃である請求項1〜15のいずれかに記載
    の方法。
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