JP2896143B2 - ヒトトロンボモジユリンのdnaクローン - Google Patents

ヒトトロンボモジユリンのdnaクローン

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明はヒトトロンボモジユリン、さらに詳しくはヒ
トトロンボモジユリンの全長を提供するcDNAクローンに
関する。
トロンボモジユリンは内皮細胞表面トロンビン結合糖
タンパク質で、トロンビンをプロテインCアクテイベー
ターに変換する。活性化されたプロテインCはついで2
種の凝血系の調整タンパク質、すなわちVa因子およびVI
IIa因子を不活性化して抗凝血物質として機能する。こ
の両因子は2種の凝血プロテアーゼすなわちIXa因子お
よびXa因子の機能に必須である。トロンボモジユリン
は、このようにin vivoの凝血形成に活動的な役割を果
たし、直接または間接的抗凝血物質として機能する。
トロンボモジユリンはウサギ(Esmonほか:J.Biol.Che
m.、257:859〜864、1982)、ウシ(Suzukiほか:Biochi
m.Biophys.Acta,882:343〜352、1986;Jakubowskiほか:
J.Biol.Chem.、261:3876〜3882、1986)、ヒト肺(Maru
yamaほか:J.Clin.Invest.、75:987〜991、1985)および
ヒト胎盤(Salemほか:J.Biol.Chem.、259:12246〜1225
1、1984)から精製されている。ヒトのタンパク質は見
掛けの分子量Mr=75,000(非還元)を有し、これは2−
メルカプトエタノールによる還元でMr=100,000に特徴
的なシフトを示す。組織切片の免疫組織学的検査によ
り、トロンボモジユリンは、動脈、静脈、毛細管および
リンパ管の内皮に広範囲に分布することが明らかにされ
ている(Maruyamaほか:J.Cell Biol.、101:363〜371、1
985)。
最近の生化学および組換えDNA技術の進歩により、特
異的なタンパク質たとえば酵素を、それが通常単離され
る生物体とは無関係に制御された条件で合成することが
可能になつてきた。これらの生化学的合成法は、生存細
胞のタンパク質合成系の酵素および細胞下成分を使用
し、in vitroの細胞を用いない系またはin vivoの微生
物中で行われる。いずれの場合も、主要な要素は、所望
のアミノ酸配列を特定するのに必要な情報を含んだデオ
キシリボ核酸(DNA)の特異的配列の準備である。この
ような特異的DNA配列は遺伝子と呼ばれる。デオキシリ
ボ核酸配列がタンパク質のアミノ酸配列を特定するため
に使用される暗号関係はよく知られていて、基本的原理
の組合せに従つて操作される(たとえば、Watson:Molec
ular Biology of Gene、3版、Benjamin−Cummings,Men
lo Park,Calif.1976参照)。
in vitro系で合成されるタンパク質のアミノ酸配列を
特定するにはクローン化された遺伝子を使用することが
できる。RNA指導型のタンパク質合成系は本技術分野に
おいてよく確立されている。二本鎖DNAが誘導されてin
vitroでメツセンジヤーRNA(mRNA)が生成し、ついでRN
A配列が全く正確にタンパク質に翻訳される。
現在では、高度動物たとえばヒトや哺乳動物から特異
的な遺伝子またはそのタンパク質を分離し、その遺伝子
またはフラグメントを細菌または酵母のような微生物に
移すことが可能になつている。この形質転換された微生
物が複製されれば、移された遺伝子も複製され増殖す
る。したがつて、形成転換された微生物には、所望のタ
ンパク質またはそれをコードする遺伝子、たとえば酵素
を作る能力が賦与され、以後この能力を子孫に伝える
(たとえば、Cohen & Boyer:米国特許第4,237,224号お
よび第4,468,464号参照)。
発明の簡単な説明 本発明によれば、ヒトトロンボモジユリンの全長を提
供するcDNAクローンの完全な暗号配列が開発された。こ
のクローン、λHTm15は、146bpの明らかな5′非暗号領
域、1725bpの読み取り枠、停止コドン、1779bpの3′非
暗号領域、および40bpのポリ(A)尾部とともに、3693
bpのcDNA挿入体を含有する。
このcDNAの配列は575個のアミノ酸からなる60.3kDA
(Mr=60,328)のタンパク質をコードする。このタンパ
ク質配列には、アミノ酸約21個のシグナルペプチド、ア
ミノ酸約223個のアミノ末端リガンド結合ドメイン、ア
ミノ酸236個の上皮細胞生長因子(EGF)相同性領域、ア
ミノ酸34個の多セリン/スレオニンセグメント、アミノ
酸23個の膜スパンドメイン、およびアミノ酸38個の細胞
質テールを含有する。
EGF相同性領域は6個の双頭に反復したEGF様ドメイン
からなる。トロンボモジユリンの構成は、低密度リポタ
ンパク(LDL)受容体の場合に類似し、タンパク質は、
同じくEGF様ドメインを含有する他の多数のタンパク
質、たとえば血液凝固VII因子、血液凝固IX因子、血液
凝固X因子、血液凝固XII因子、プロテインC、組織プ
ラスミノーゲンアクテイベーターおよびウロキナーゼと
相同性を示す。LDL受容体遺伝子によつてコードされる
タンパク質セグメントおよび血液凝固系の数種のタンパ
ク質のアミノ酸配列間の相同性については、これまでS
dhofらによつて報告されている(Science,228:815〜8
22、1985)。
配列Asn−X−Ser/Thr(Xは通常の20個のアミノ酸の
何でもよい)を有するトロンボモジユリンタンパク質内
にはN−グルコシル化される可能性のある場所が5個あ
る。これらの部位は、アミノ酸位置Asn47、Asn115、Asn
116、Asn382およびAsn409である。グリコシル化は、34
個の残基中8個がヒドロキシアミノ酸である多セリン/
スレオニンセグメントにも起こる。これらのOH部位は、
LDLの受容体の相当するドメインの場合と同様に、O−
連結炭水化物鎖でグリコシル化されることが可能である
(Russellほか:Cell、37:577〜585、1984)。
トロンボモジユリンcDNAを開発するための原料となる
遺伝子材料は、ヒト臍帯静脈の内皮細胞である。このよ
うな細胞は、通常の外科処置による分娩後のヒト組織源
から広く入手することができる。この一次組織をたとえ
ばJaffeら:J.Clin.Invest.、52:2745〜2756(1973)お
よびJaffe:Transplantation Proc.12(3)、Suppl.1、
49〜53(1980)に記載されている確立された方法にほぼ
従つて培養できる。
要約すると、発現ベクター、λgt11中のヒト臍帯静脈
内皮細胞cDNAライブラリーをアフイニテイー精製ウサギ
ポリクローナル抗ヒトトロンボモジユリンIgGでスクリ
ーニングした。スクリーニングされた700万個の独立の
組換え体の中から、12個の陽性例がこのポリクローナル
抗体でも、またヒトトロンボモジユリンIgGに対するマ
ウスモノクローナル抗体によつても認識されるタンパク
質を発現した。ここで使用したλgt11(lac5 nin5 C185
7 S100)は、よく知られていて一般に利用されるラムダ
フアージ発現ベクターである。その構築および制限エン
ドヌクレアーゼ地図はYoung & Davis(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA、80:1194〜1198、1983)によつて報告されて
いる。ヒト胎盤および内皮細胞cDNAライブラリーのスク
リーニングにおけるその使用はYeら(J.Biol.Chem.、26
2:3718〜3725、1987)によつて記載されている。
トロンボモジユリンをヒト胎盤から均一に精製し、ト
リプシンペプチドを単離し、気相シクエンサーを用いて
配列を決定した。ひとつのペプチドから得られた配列 は、単離体λHTm15のcDNA配列から予測された配列と正
確に一致し、それがヒトトロンボモジユリンをコードす
ることが確認された。このcDNA挿入体をプローブとした
ノーザンブロツテイングでは、ヒト胎盤および内皮細胞
ポリ(A)+RNA中、単一の約3.7kb mRNA種が同定された。
発明の詳細な記述 本発明を形成する主題は、本明細書の特許請求の範囲
に特定され、明瞭に請求されているとおりであるが、本
発明の好ましい態様を図面を参照しながら詳細に説明す
ることは本発明のよりよい理解に役立つものと信じる。
図面について簡単に以下に説明する。
第1図は、還元、アルキル化トロンボモジユリンの完
全トリプシン消化で得られたクロマトグラフイー溶出像
をグラフに示した図である。(a)は逆相高速液体クロ
マトグラフイー(HPLC)による分割、(b)は陰イオン
交換クロマトグラフイーによる分割、(c)は(b)か
らのプールを逆相HPLCで分割した結果である。
第2図は、全トロンボモジユリンcDNAクローンλHTm1
5ならびに部分トロンボモジユリン配列を示す他の2個
の単離体、λHTm10およびλHTm12の制限酵素地図であ
る。
第3図は、ヒトトロンボモジユリンcDNAのヌクレオチ
ド配列およびトロンボモジユリンタンパク質のアミノ酸
配列を示す。第2図のクローンλHTm15の3693bp cDNAは
第3図の(a)および(b)に切断される。
第4図は、第3図のトロンボモジユリンにおける6個
の双頭反復EGF様ドメインのアミノ酸配列を示す。
第5図は、第2図のλHTm10のトロンボモジユリンcDN
A挿入体をプローブとして行つた培養細胞からのmRNAの
ノザンブロツテイングを示す。
第6図は、ニトロセルロース濾紙上におけるヒトトロ
ンボモジユリン遺伝子の染色体内存在を示す。
第7図は、ヒトトロンボモジユリンの構造ドメインを
模式的に示した図である。
本明細書においては、標準的な生化学記号を用いる。
ヌクレオチド塩基は、アデニン(A)、チミン(T)、
グアニン(G)およびシトシン(C)で示す。相当する
ヌクレオチドは、たとえばデオキシグアノシン−5′−
トリホスフエート(dGTP)である。アミノ酸は、以下の
3文字または1文字略号で示す。
便宜上、ある種の制限エンドヌクレアーゼも、第2図
には次のような1文字略号で示す。
BamHI=B HindIII=H KpnI=K PstI=P SmaI=S これらは一般に利用される制限エンドヌクレアーゼで
あつて、以下の制限配列と切断パターン(矢印で示す)
を有する。
本発明の特定の好ましい態様をさらに詳細に例示する
ため、以下に例示的、実験室的製造実験を実施した。
例 原料 デオキシ−7−デアザグアノシン5′−トリホスエー
トはベーリンガーマンハイムから入手した。32P標識デ
オキシリボヌクレオチドおよびデオキシアデノシン5′
−[α−35S]チオトリホスエートはアマーシヤムラジ
オケミカルズから入手した。TPCK−トリプシンはクーパ
ーバイオメデイカル(Malvern,PA)から入手した。ヤギ
抗−ウサギIgGおよびヤギ抗−マウスIgGのアルカリホス
フアターゼ抱合体はプロメガバイオテクから入手した。
RNAサイズ標準はベセスダリサーチラボラトリーズから
入手した。
ヒトトロンボモジユリンに対する抗体 ヒトトロンボモジユリンに対するモノクローナル抗体
は、Maruyama & Majerus(J.Biol.Chem.、260:15432〜
15438、1985)によつて報告された方法で単離した。ポ
リクローナル抗体は、Vaitukaitus(Methods Enzymo
l.、73:46〜52、1981)の方法により、2匹の雄ウサギ
それぞれにヒトトロンボモジユリン50μgを注射するこ
とにより調製した。血清および精製IgGは、Salemら(J.
Biol.Chem.、259:12246〜12251、1984)によつて報告さ
れたようにして製造し、トロンボモジユリン機能活性の
阻害により定量した。ポリクローナルIgGが、2.3mgの精
製IgGを、50mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N′−2−エタンスルホン酸(HEPES)、pH7.5、150mM
NaClで平衡化したトロンボモジユリン−アフイゲル−15
カラム(165μgトロンボモジユリン/4mlアフイゲル−1
5)上に適用してアフイニテイー精製した。同じ緩衝液
で洗浄したのち、結合したIgGを200mMグリシン、pH3.0
で溶出し、直ちに50mM HEPES、pH7.5、500mM NaClに対
して透析した。抗体の収量は35μgであつた。
トロンボモジユリンのトリプシンペプチドの調製 ヒトトロンボモジユリンを、ポリクローナル抗−トロ
ンボモジユリンIgG−アフイゲル−10上での免疫アフイ
ニテイ−クロマトグラフイーの代わりにイオン交換クロ
マトグラフイー(Ishii & Majerus:J.Clin.Invest.、7
6:2178〜2181、1985)を用いるほかはSalemら(前出)
の記載した方法によつて精製した。トロンボモジユリン
(1.0〜1.3mg)をMicro Pro Di Con(バイオ−モルキユ
ラー・ダイナミツクス、Beaverton,Oregon)中限外濾過
によつて1mg/mlに濃縮し、90%アセトン中−20℃で沈殿
させた。沈殿を窒素気流下に乾燥し、0.4M Tris−HCl、
0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム、pH8.8)に再溶
解した。2−メルカプトエタノールを0.15Mになるよう
に加え、サンプルを37℃で30分間インキユベートした。
ヨードアセトアミドを0.25Mになるように加え、サンプ
ルを暗所、25℃で30分間インキユベートし、ついで2−
メルカプトエタノールを0.3Mになるように加えた。サン
プルを再び90%アセトンで−20℃において沈殿させ、窒
素下に乾燥し、ついで0.5M炭酸水素アンモニウム、pH8.
5に再溶解した。また、最初の沈殿後別の製法では、ト
ロンボモジユリンを6Mグアニジン、0.5M Tris−HCl、pH
8.8およびシスチンに対して5倍モル過剰のジチオスレ
イトールを加え、ついで窒素下、50℃で30分間インキユ
ベートした。pHをHClで8.0に調整し、5倍モル過剰のヨ
ードアセトアミドを加え、サンプルを25℃で40分間イン
キユベートした。過剰のヨードアセトアミドを3倍モル
過剰の2−メルカプトエタノールと反応させ、サンプル
を0.5M炭酸水素アンモニウムpH8.5に対して透析した。
N−トシル−L−フエニルアラニンクロロメチルケトン
(TPCK)−トリプシンを加え(1/100、w/w)、サンプル
を37℃で24時間インキユベートし、ついで凍結乾燥し
た。トリプシンペプチドは、直接逆相HPLCカラムに適用
するか、または最初にMono−Q陰イオン交換カラム(5
×50mm、フアルマシア)ついで逆相HPLCカラムに適用し
た。Mono−QカラムはVarian5000 HPLCシステムを用
い、Tris−HCl pH9.0で平衡化し、直線0〜1M NaCl勾配
により、1ml/分の速度で60分間溶出した。溶出液は215n
mの吸収でモニタリングした。以下の第1図についての
詳細な説明に示したようにして分画をプールし、凍結乾
燥した。
サンプルを0.1%トリフルオロ酢酸で平衡化した逆相H
PLCカラム(ユニメトリツクス−ナウアー、Licosorb RP
−8、5μm)に適用し、0.1%トリフルオロ酢酸中0
〜15%(v/v)アセトニトリル勾配により、0.7ml/分の
速度で75分間溶出した。溶出液は215nmの吸収でモニタ
リングした。核ピークをプールし、窒素気流下にほぼ乾
燥するまで蒸発させ、アプライドバイオシステム470A型
気相タンパク質シクエンサーを用いて配列を決定した
(Hunkapillerほか:Methods Enzymol.、91:399〜413、1
983;Hunkapiller & Hood,Ibid.、486〜4939。
ヒトトロンボモジユリンのcDNAクローンの単離 λgt11中のヒト臍帯静脈内皮cDNAライブラリー、抗体
によるcDNAライブラリーのスクリーニング操作、合成オ
リゴヌクレオチドおよびcDNA制限フラグメントプローブ
の製造および使用、λ−フアージのプラーク精製、なら
びにλ−フアージDNAの製造は、ヤギ抗−ウサギまたは
ヤギ抗−マウス検出抗体をアルカリホスフアターゼと抱
合させた(Blakeほか:Anal.Biochem.、136:175〜179、1
984)以外は、Yeら(J.Biol.Chem.、262:3718〜3725、1
987)が既に報告したとおりである。アフイニテイー精
製ウサギ抗−ヒトトロンボモジユリンは0.1μg/mlの濃
度使用した。モノクローナルマウス抗−ヒトトロンボモ
ジユリン2μg/mlの濃度で使用した。
DNA配列解析 DNA制限フラグメントは、既にYeら(前出)によつて
報告されているようにして、よく知られている一般に利
用できるベクター、pUC18、pUC19、M13mp18またはM13mp
19中にサブクローニングした。ヌクレオチド配列は、デ
オキシアデノシン5′−[α−35S]チオトリホスフエ
ートおよび緩衝勾配ゲルを用い(Bigginほか:Ibid.、8
0:3963〜3965、1983)、両鎖についてSangerら(Proc.N
atl.Acad.Sci.USA、74:5463〜5467、1977)のジデオキ
シ法で決定した。欠失はエキソヌクレアーゼIII[Henik
off:Gene(Amst.)28:351〜359、1984]を用いて発生さ
せた。残つたギヤツプは、合成オリゴヌクレオチドプラ
イマーでの配列決定で満たした。配列決定反応における
デオキシグアノシン5′−トリホスフエート(dGTP)を
デオキシ−7−デアザグアノシン5′−トリホスフエー
トに代えてG−Cの豊富な領域における配列決定の精度
を上昇させた(Mizusawaほか:Nucl.Acids Res.、14:131
9〜1324、1986)。7M尿素および40%(v/v)ホルムアミ
ド含有6%(w/v)アクリルアミドゲル上電気泳動を実
施してもしつこい圧縮はほとんど分割されなかつた。
ノザンブロツト解析 ポリ(A)+RNAは、ヒト満期胎盤、ヒト臍帯静脈内皮細
胞、HepG2細胞、およびフオルボール12−ミリステート
の存在下または不存在下Yeら(前出)によつて既に報告
されたように培養したU937細胞から製造した。RNAはヒ
ト脳から製造した。ホルムアミドの存在下にアガロース
を通して電気泳動を行い、ニトロセルロースに移し、つ
いでハイブリダイゼーシヨンをYeら(前出)によつて既
に報告されたようにした行つた。ヒトトロンボモジユリ
ンに対してハイブリダイゼーシヨンシグナルを生じなか
つた各ソースについては、ヒトγ−アクチン(Gunning
ほか:Mil.Cell Biol.、3:787〜795、1983)またはヒト
組織因子cDNA(Scarpatiほか:Fed.Proc.、印刷中、198
7)のいずれかと対照ハイブリダイゼーシヨンを行い、R
NAが有効に遷移していることを確認した。
ヒトトロンボモジユリン遺伝子の染色体内位置 ヒト染色体懸濁液はSillar & Youngの操作(J.Hist.
Cytochem.、29:74、1981)によつて調製し、一般に入手
できる発色団Hoechst33258およびクロモマイシンA3で染
色し、二重レーザー流動細胞計を用いて選択し、cDNAプ
ローブにハイブリダイゼーシヨンさせ、シグナルをMurr
ayら(Biochem.Biophys.Res.Commun.、142(1):141〜
146、1987)によつて既に報告されている方法で検出し
た。
Bartholdiほか(Methods Enzymol.、印刷中、1987も
参照。λHTm10のcDNA挿入体をクレノウフラグメント(D
NAポリメラーゼI、大フラグメントで、比活性109cpm
/μgに標識した。(Feinberg & Vogelstein:Anal.Bio
chem.、132:6〜10、1983)。22個の常染色体および両染
色体の2つの完全なフイルターのセツト、ならびにEcoR
Iで消化したヒトゲノムDNAのサザンブロツトについて調
べた(Chomczynski & Qasba:Biochem.Biophys.Res.Com
mun.、122:340〜344、1984)。
配列のコンピユータ解析 ヒトトロンボモジユリンタンパク質配列をNBRFタンパ
ク質配列データベース(Georgetown Unibersity,Washin
gton,D.C.レリーズ11.0、1986年12月4日)の全登録
と、コンピユータープログラムSEARCH(Dayhoffほか:Me
thods Enzymol.、91:524〜545、1983)およびFASTP(Li
pman & Pearson:Science、227:1435〜1441、1985)に
よつて比較した。cDNA単離体λHTm15のヌクレオチド配
列は、遺伝子配列データバンク、Genebank(BBN Labora
tories Inc,.Cambridge,MA、レリーズ48.0、1987年2月
16日)の全登録と、プログラムFASTN(Lipman & Pears
on、前出)を用いて比較した。トロンボモジユリンおよ
び、ウシトロンボモジユリンの部分配列を含めた他のタ
ンパク質(Jackmanほか:Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83:8
834〜8838d、1986)中にEGF様ドメインのアラインメン
トは、プログラムRELATEおよびALIGN(Dayhoffほか:前
出)を用いて実施した。ヒトおよびウシトロンボモジユ
リンのヌクレオチド配列のアラインメントにはプログラ
ムNUCALN(Wilbur & Lipman:Proc.Natl.Acad.Sci.US
A、80:726〜730、1983)を用いた。ヒトトロンボモジユ
リン前駆体の加水性または親水性像はHopp & Woods(P
roc.Natl.Acad.Sci.USA、78:3824〜3828、1981)および
Kyte & Doolittle(J.Mol.Biol.、157:105〜132、198
2)の方法によつて計算した。
ヒトトロンボモジユリンの全長を示すcDNAクローンの
全暗号配列を導く上記実験室的製造実験の結果は、第1
図から第7図までの以下の図面の詳細な説明によりさら
に例示する。
第1図 第1図は、トロンボモジユリンのトリプシンペプチド
の分離を以下のa、bおよびcの3つのパネルに示す。
(a)は還元、アルキル化トロンボモジユリンの全トリ
プシン消化物を製造し、上述のようにLicosorb RP−8
カラムでクロマトグラフイーを行つたものである。700
μgのタンパク質を注射し、1分間(0.7ml)の分画を
集めた。実線(−)は215nmにおける吸収を、破線 はカラム緩衝液中のアセトニトリルの%を示す。矢印
(↓)で示したピークはペプチドT−R1に相当する。
(b)は、トロンボモジユリンの全トリプシン消化物を
製造し、上述のようにMono−Qカラム上クロマトグラフ
イーに付した。タンパク質700μgを注射し、1mlの分画
を集めた。実線(−)は215nmにおける吸収を、破線 はカラム緩衝液の電導率を示す。限外緩衝液の電導率は
41mmhoであつた。バーで示した分画をプールし(T−M
1)、パネルCに示したように逆相カラムでさらに精製
した。(c)パネルbからプールしたサンプルT−M1を
パネルaと同様にしてLicosorb RP−8カラム上クロマ
トグラフイーに付した。約55分に溶出したタブレツト
に、ペプチドT−M1−R1およびT−M1−R2を生じ、約10
2分の単一ピークにT−M1−R3を生じた。
すなわち、第1図はヒトトロンボモジユリンのトリプ
シンペプチドの製造および配列決定の結果を示してい
る。この場合、トロンボモジユリンはヒト胎盤から均一
に精製され、還元し、カルボキシアミドメチル化し、ウ
シトリプシンで消化した。得られたペプチドの複雑な混
合物を逆相HPLCで分割して、ペプチドT−R1を得た(パ
ネルa)。次のトリプシン消化物はまず陰イオン交換ク
ロマトグラフイーで分離し、各ピークをプールし、さら
に逆相クロマトグラフイーで分離した。たとえばMono−
QカラムからT−M1プール(パネルb)は、逆相クロマ
トグラフイーののち(パネルc)、均一なペプチドT−
M1−R1、T−M1−R2およびT−M1−R3を生じた。上述し
たと同様の方法を用いて、1個の他のペプチドが単離さ
れた。計62個のアミノ酸残基を含む5個のペプチドの部
分配列が決定された。
第2図 第2図はトロンボモジユリンcDNA単離体の制限地図で
ある。制限地図の5′および3′末端は標識されてい
る。配列決定のためのcDNA挿入体をサブクローニングす
るのに有用な選ばれた制限部位、すなわちBamHI、B;Hin
dIII、H;KpnI、K;PstI、P;SmaI、Sを示す。薄いセグメ
ントは非暗号配列を示し、厚いセグメントはトロンボモ
ジユリンをコードする読み取り枠であることを示す。各
cDNA挿入体、λHTm10、λHTm12およびλHTm15に含有さ
れる配列部分は、薄い白ぬきのバーで示す。スケールは
キロ塩基(kb)である。
第2図はしたがつて、内皮細胞λgt11 cDNAライブラ
リーのスクリーニングの結果と組換えタンパク質の特性
を示す。この場合、cDNAライブラリーはアフイニテイー
精製ウサギ抗−ヒトトロンボモジユリンIgGでスクリー
ニングされた。スクリーニングされた7×106の独立の
組換え体クローン中、12個が、ポリクローナル抗体およ
びヒトトロンボモジユリンに対するモノクローナル抗体
の両者によつて認識される融合タンパク質を発現した。
12個の単離体のcDNA挿入体をpUC19にサブクローニング
して、さらに性質を調べた。挿入体の長さは1.2kb〜1.7
kbの範囲であつた。12個のすべての単離体が同じポリク
ローナルおよびモノクローナル抗体によつてはじめ選択
されたが、交差ハイブリダイゼーシヨンによつて、それ
ぞれ1個、2個および9個の無関係な3群に分かれた。
各群の代表について配列を決定し、独立に決定したタン
パク質配列と比較した。2個の群の1個の単離体、λHT
m10の5′配列はペプチドT−R1の配列を正確にモード
した。同様に、このハイブリダイゼーシヨン群の第2の
メンバー、λHTm12の5′配列はペプチドT−M1−R1お
よびT−M0−R1をコードし、両単離体3′配列は重複
し、それらがヒトトロンボモジユリンをコードすること
が確認された。
クローンλHTm10のcDNA挿入体を用いて内皮細胞cDNA
ライブラリーからの1×106個の組換え体をプラークハ
イブリダイゼーシヨンによつてスクリーニングした。90
個の陽性クローンが検出され、これらの半分をプラーク
精製した。次に45個のクローンを、クローンλHTm12の
5′末端に相当するオリゴヌクレオチドプローブで再ス
クリーニングした。9個の陽性クローンが検出され、こ
のうち、4個のクローンが、オリゴ(dT)プローブに対
するハイブリダイゼーシヨンによつて決定されるポリ
(A)テールを含有した。制限解析により、これらの4
個のクローン、λHTm15のそれが、最大の3.7kbのcDNA挿
入体を含有することが明らかにされた。3個のcDNA単離
体、λHTm10、λHTm12およびλHTm15の全長トロンボモ
ジユリンcDNA制限地図に対する関係は第2図に示す。
第3図 第3図は、ヒトトロンボモジユリンcDNA単離体λHTm1
5のヌクレオチド配列および翻訳アミノ酸配列である。
ヌクレオチドおよびアミノ酸は右側に番号を付した。ヌ
クレオチド1はcDNA挿入体の最初の残基に帰属し、アミ
ノ酸1はトロンボモジユリンペプチド配列をコードする
読み取り枠の最初のメチオニンに帰属された。N連結グ
リコシレーシヨンの可能性がある部位に黒丸(●)を付
した。トロンボモジユリンのトリプシンペプチドについ
て決定した配列に一致する配列には上に太線を付した。
6個のEGF様反復配列には下線を施こし、番号を付し
た。ポリアデニル化の可能性のある部位またはプロセツ
シングシグナルAATAAAには太い下線を付した。λHTm10
中に示される配列にはヌクレオチド1208〜2403が、λHT
m12にはヌクレオチド671〜2142が包含される。
トロンボモジユリンcDNA単離体のヌクレオチド配列 λHTm12のcDNA挿入体(1.5kb)を両鎖について完全に
配列決定した。λHTm15のcDNA挿入体(3.7kb)は少なく
とも一方の鎖について配列決定し、λHTm12と重複しな
い5′および3′末端の領域は両鎖について配列決定し
た。すなわち、全配列について少なくとも1回両鎖につ
いて配列決定した。トロンボモジユリンの暗号配列は68
%にも及ぶ著しく高いG+C含量を有し、頻回の圧縮に
より配列決定は困難であつた。これらのすべては、ヌク
レオチド395〜405の短配列の場合を除いてdGTPの代わり
にデオキシ−7−デアザグアノシン5′−トリホスフエ
ートを用いることにより分割された。この短配列は、尿
素のほかに40%(v/v)ホルムアミドを含有する配列決
定ゲルの使用により両鎖で明瞭に分割された。暗号配列
の高G+C含量に比し、3′非暗号配列には約43%のG
+Cしか認められなかつた。
λHTm15のヌクレオチドおよび翻訳アミノ酸配列を第
3図に示す。最初のATGコドンはヌクレオチド147に生
じ、これは真核細胞リボゾームによる開始に至適と考え
られる配列ACCATGGとよく一致する(Kozak:Cell、44:28
3〜292、1986)。5′非暗号領域と考えられる前の146
のヌクレオチドにはATGコドンと同じ読み取り枠での停
止コドンは認められない。この推定イニシエーターコー
ドは1725のヌクレオチドの読み取り枠で始まり、続いて
TGA停止コドン、さらに3′−非暗号配列の1779のヌク
レオチド、40ヌクレオチドのポリ(A)テールと続く。
配列AATAAAのポリアデニレーシヨンまたはプロセツシン
グシグナルの可能性のある配列が認められ(Proudfoot
& Brownlee:Nature、252:359〜362、1981)、その最後
のものはポリ(A)テールの前21ヌクレオチドで始ま
る。
第4図 第4図には、ヒトトロンボモジユリンのEGF様リピー
トのアラインメントを示す。トロンボモジユリンのEGF
様リピートは第3図におけるように1〜6の番号を付し
た。ヒトEGFプレカーサーからの第3のEGF様ドメインの
配列、残基401〜436(Bellほか、1986)、比較のための
代表的配列には下線を付す。ダツシユ(−)はアライン
メントを最適にするために導入したギヤツプである。ア
ラインした配列の2個以上と同一の残基は四角で囲つ
た。
トロンボモジユリンのアミノ酸配列および他のタンパク
質との相同性 cDNA配列はアミノ酸575個、計算Mr=60,328のタンパ
ク質をコードする。配列Asn−X−Ser/ThrをもつN−グ
リコシレーシヨン部位の可能性がある部位は5個ある
(第3図)。アミノ末端約21個の残基が典型的なシグナ
ルペプチドの特性(von Heijne:Eur.J.Biochem.,133:17
〜21、1983:J.Mol.Biol.,184:99〜105、1985)をもつ疎
水性領域で、シグナルペプチダーゼによる切断が予測さ
れる部位はAla−21とGlu−22の間である。タンパク質配
列の残部は、ヒト胎盤トロンボモジユリンから単離され
た5個のトリプシンペプチドの配列を含有する(第3
図)。
シグナルペプチドの次には、比較的システインに乏し
い約223個のアミノ酸のドメインと、各約40個の残基の
双頭EGF様リピート6個から構成される236個の残基のシ
ステインに富む領域がある。ヒトEGFプレカーサーから
の代表的ドメインを有するこれらのEGFリピート(Bell
ほか:Nucl.Acids Res.,14:8427〜8446、1986)のアライ
ンメントは第4図に示す。アミノ末端およびEGF相同性
領域に続いて順次、34個のアミノ酸の多セリン/スレオ
ニンドメイン、血漿膜をスパニングすると思われる23個
のアミノ酸の疎水性セグメント、および38個のアミノ酸
の細胞質テールと考えられる領域がある。
トロンボモジユリンのアミノ酸配列をNBRFタンパク質
配列データベースに登録されている全配列と比較し、λ
HTm15のヌクレオチド配列は遺伝子配列データバンクGen
bankに登録されている全配列と上述のように比較した。
EGF様ドメインを含有するタンパク質を除いて、ヒトト
ロンボモジユリンと有意な類似性を示すタンパク質また
はDNA配列はなかつた。
第5図 第5図には、培養細胞からのRNAの、トロンボモジユ
リンcDNAをプローブとしたノザンブロツトを示す。λHT
m10のcDNA挿入体を上述のようにノザンブロツトのプロ
ーブとして用いた。レーンは、ポリ(A)+RNA10μg
(胎盤)または5μg(内皮細胞)を含有する。RNA標
準の位置は右側に示してある。上から下に9.49、7.46、
4.40、2.37および1.35キロ塩基である。トロンボモジユ
リンmRNAの内挿したサイズは3.7キロ塩基である。
組織および培養細胞中に生じるトロンボモジユリンmRNA
のサイズ ヒトトロンボモジユリンについてmRNAの分布をノザン
ブロツテイングで検討した(第5図)。ヒト胎盤および
内皮細胞ポリ(A)+RNAに、単一の3.7kbのmRNA種が検
出された。ヒト肝癌HepG2細胞または単球U937細胞系か
らのポリ(A)+RNAにはトロンボモジユリンmRNAは検
出されなかつた。さらに、ヒト脳ポリ(A)+RNA10μ
gとのハイブリダイゼーシヨンも認められなかつた(デ
ータは示していない)。
第6図 ヒトトロンボモジユリン遺伝子の染色体局在を示す。
ニトロセルロースフイルター上での形質1−22、Xおよ
びYは、点線の円で囲つた各スポツト内にヒト染色体の
存在することを示している。
トロンボモジユリン遺伝子の染色体内存在 λHTm10の挿入体を、蛍光活性化流動選択によつて精
製したヒト染色体とハイブリダイゼーシヨンさせた。22
個の常染色体ならびにXおよびY染色体の2個の完全な
セツトについて試験したが、いずれも染色体20のみがシ
グナルを与えた(第6図)。
第7図 この図はヒトトロンボモジユリンの構造ドメインを示
す。トロンボモジユリンの構成をタンパク質のアミノ末
端(NH2)およびカルボキシ末端(COOH)を付して模式
的に示してある。N−グリコシレーシヨンが起こる可能
性のある部位はYで示す。多セリン/スレオニンドメイ
ンおよび細胞質テールにおけるヒドロキシアミノ酸は
(−OH)で示す。トランスメンブランおよび細胞質ドメ
インにおけるシステイン残基は(C)で示す。
本明細書において定義されたcDNAクローンλHTm15
は、これまで他の各種の生物活性タンパク質の合成に使
用されてきたような慣用の組換えDNA技術を用い、ヒト
トロンボモジユリンDNAを真核宿主細胞または原核宿主
細胞にクローニングするために使用することができる
(たとえば、Miller & Baxter:Drug Devel.Res.1:435
〜454、1981参照)。原核宿主細胞たとえば大腸菌は、
通常グリコシレーシヨンを行わないので、このような宿
主細胞中で発現させた場合は、様々な新規ヒトトロンボ
モジユリン誘導体が製造できる。本発明はまた、ヒトト
ロンボモジユリン活性に不必要な配列、たとえばシグナ
ル配列またはN末端メチオニル基をヒトトロンボモジユ
リン配列から除去した配列も包含するものであることを
理解すべきである。
トロンボモジユリンは、常法により、好ましくは医薬
的に許容される希釈剤または担体と処方して、ヒトに投
与するために使用できる。好ましい投与経路は、非経口
経路とくに静脈内投与経路である。たとえば、ヒトトロ
ンボモジユリンを正常食塩水にヒトアルブミンおよび他
の希釈剤および担体とともに溶液として静脈内に投与す
る。活性ヒトトロンボモジユリンの治療用量を医薬的に
許容される希釈剤および担体中に処方した他の適当な例
は、製薬分野における一般的テキスト、たとえばReming
ton′s Pharmaceutical Sciences,Arthur Osol編、16
版、1980年刊、Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylva
niaを参考に製造できる。
以上本明細書の記載から本技術分野の熟練者によれ
ば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、各
種の他の例が明らかであろうが、このような他の例はす
べて、特許請求の範囲に包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
第1図はトロンボモジユリンのトリプシン消化物のクロ
マトグラフイーによる溶出結果を示すグラフである。 第2図は、全トロンボモジユリンcDNAクローンλHTm15
およびその部分λHTm10、λHTm12の制限酵素地図であ
る。 第3A図および第3B図は、ヒトトロンボモジユリンcDNAの
ヌクレオチド配列およびトロンボモジユリンタンパク質
のアミノ酸配列を示す模式図である。 第4図は、第3図のトロンボモジユリンにおける6個の
双頭リピートEGF様ドメインのアミノ酸配列を示す模式
図である。 第5図は粒子の構成を示す写真であって、第2図のλHT
m10のトロンボモジユリンcDNA挿入体をプローブとして
行つた培養細胞からのmRNAのノザンブロツテイングを示
すクロマトグラムである。 第6図は粒子の構成を示す写真であって、ニトロセルロ
ース濾紙上におけるヒトトロンボモジユリン遺伝子の染
色体内における存在を示す図である。 第7図は、ヒトトロンボモジユリンの構造ドメインを模
式的に示した図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−6219(JP,A) Mie Medical J.,37 (1),1987,145−172 J.Biol.Chem.,259 (19),1984,12246−12251 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 C12P 21/02 C07K 14/745 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG) DDBJ/EMBL/GenBank

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のごとき3693塩基対のヌクレオチド配
    列を有するヒトトロンボモジュリンcDNAクローンλHTm1
    5。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項のヌクレオチド配列
    1208−2403を有する部分ヒトトロンボモジュリンcDNAク
    ローンλHTm10。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項のヌクレオチド配列
    671−2142を有する部分ヒトトロンボモジュリンcDNAク
    ローンλHTm12。
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