JP2896084B2 - ブラシ - Google Patents

ブラシ

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JP2896084B2
JP2896084B2 JP15733194A JP15733194A JP2896084B2 JP 2896084 B2 JP2896084 B2 JP 2896084B2 JP 15733194 A JP15733194 A JP 15733194A JP 15733194 A JP15733194 A JP 15733194A JP 2896084 B2 JP2896084 B2 JP 2896084B2
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著 野々村
健一 岡部
英毅 三浦
博文 森若
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植毛基台部に毛が植毛
されたブラシに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
ように、歯ブラシ、ヘアブラシ等のような植毛基台部に
毛が植毛されたブラシは、下記の成形工程及び植毛工
程の主工程を経て製造されている。 複数の植毛穴を有する植毛基台部と、柄部とを有する
ブラシ本体を、多数個取り金型内に樹脂を射出して一体
成形する。 そして、前記植毛穴に毛(以下「ブリッスル」とい
う)を束にしたブリッスル束を、金属製の止め具(以下
「平線」という)とともに打ち込み嵌合して植毛する。
【0003】ところで、上記従来のブラシの製造方法に
おいては、上記主工程において以下の問題が生じること
が知られている。 (1) 成形工程における冷却による熱収縮に起因する
植毛基台部3’の変形(図4(a)参照)。 (2) 植毛工程での植毛(平線の嵌合)による変形応
力に起因する植毛基台部3’の変形(図4(b)参照)
及び割れ。
【0004】上記(1)の問題点は、冷却時間を短縮し
た高速成形により生産効率を向上させる場合に特に重要
であり、また、上記(2)の問題点は、高い植毛強度を
得る場合に重要となる。
【0005】そして、上記(2)の問題点を解決するも
のについては、歯ブラシとして、実開平5−68328
号公報のものが提案されている。
【0006】しかしながら、上記歯ブラシは、植毛穴の
深さ方向中間部に縮径部を設けることによりブリッスル
を圧密状に保持するものであるため、該歯ブラシを成形
する際に用いる金型のうち、植毛穴を形成するピンの構
成が複雑とならざるを得ず、必ずしも得策ではなかっ
た。また、上記歯ブラシは、上記(1)の問題点、即ち
成形品の熱収縮に起因する植毛基台部の変形の発生を抑
えるものではない。
【0007】本発明の目的は、成形工程及び植毛工程に
おける植毛基台部の変形及び割れの発生が抑えられると
ともに、高速成形が可能で、且つ植毛強度の高いブラシ
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者(ら)
は、上記問題点(1)及び(2)について、ブリッスル
径、一植毛穴当たりのブリッスル本数、植毛穴径、植毛
穴底面から植毛基台下面までの厚さ(以下、「植毛穴底
厚さ」という)、植毛基台部の上面から下面までの厚さ
(以下、「植毛基台部の厚さ」という)、植毛穴の間
隔、平線の形状(幅、厚さ、高さ)等の観点から種々検
討した結果、特に、植毛基台部の厚さ及び植毛穴底面か
ら植毛基台部下面までの厚さが上記問題を解決するもの
として重要であるとの知見を得た。
【0009】即ち、上記(1)の問題点は、主として成
形品の植毛基台部の上面側(植毛穴が形成されている)
と下面側の取り出し温度の違い(下面側に比べて上面側
が早く冷却される)よる熱収縮差に起因するものであ
る。したがって、この問題を解決するには、植毛基台部
の厚さ及び植毛穴底厚さを所定の範囲内にすることによ
り上記植毛基台部の上面側と下面側の熱収縮差を小さく
抑えることが効果的である。
【0010】また、上記(2)の問題点は、図5に示す
ように、主として平線6’の植毛穴5’への嵌合に伴う
変形応力(平線6’自身(図5(a))及びブリッスル
4’を介して(図5(b))働く)Fが植毛穴5’の内
面に作用することに起因するものである。したがって、
この問題を解決するには、植毛基台部3’の厚さA’及
び植毛穴5’の植毛穴底厚さD’を所定の範囲内にする
ことにより変形応力の支点と作用点の距離を短くして上
記変形応力FによるモーメントMを小さく抑えることが
効果的である。
【0011】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、金型内に樹脂が射出されて上面に植毛穴を有す
る植毛基台部が成形されるとともに、前記植毛穴に毛が
植毛されたブラシにおいて、前記植毛基台部の上面から
下面までの厚さAに対する前記植毛穴の底面から前記植
毛基台部の下面までの厚さDの割合が0.04〜0.1
6であることを特徴とするブラシを提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
【0012】本発明に係るブラシにおいては、植毛基台
部の厚さAに対する植毛穴底厚さDの割合(D/A)
は、好ましくは0.04〜0.16、より好ましくは
0.04〜0.14である。上記D/Aが0.04より
小さくなると、樹脂の色が薄い場合には、植毛基台部の
下面側から植毛穴底面が透けて見えたり、植毛時の割れ
が発生したり、さらには、植毛基台部の剛性が低下し
て、曲がり易くなるからであり、また、0.16より大
きくなると、脱型後の植毛基台部の上面側と下面側の温
度差が大きくなるとともに、植毛穴へのブリッスルの植
毛に伴う変形応力によるモーメントが大きくなり、上記
植毛基台の変形が許容範囲を超えるからである。
【0013】また、本発明に係るブラシにおける前記植
毛穴底厚さDは、好ましくは0.2〜0.7ミリ、より
好ましくは0.2〜0.6ミリである。上記Dが0.2
ミリより小さくなると樹脂の色が薄い場合には、植毛基
台部の下面側から植毛穴底面が透けて見えたり、植毛時
の割れが発生したり、さらには、植毛基台部の剛性が低
下して、曲がり易くなるからであり、0.7ミリより大
きくなると脱型後の植毛基台部の上面側と下面側の温度
差が大きくなるとともに、植毛穴へのブリッスルの植毛
に伴う変形応力によるモーメントが大きくなり、上記植
毛基台の変形が許容範囲を超えるからである。
【0014】
【作用】本発明の請求項1に係るブラシにおいては、前
記植毛基台部の厚さAに対する前記植毛穴底厚さDの割
合が0.04〜0.16であるので、上記植毛基台部の
成形工程における冷却の際に、その上面側と下面側の温
度差が小さく抑えられて冷却されるとともに、植毛穴へ
の毛の植毛に伴う変形応力によるモーメントが小さく抑
えられる。
【0015】本発明の請求項2に係るブラシにおいて
は、前記植毛穴の底面から前記植毛基台部の下面までの
厚さDが0.2〜0.7ミリであり、また、前記植毛基
台部の厚さAに対する前記植毛穴底厚さDの割合が0.
04〜0.16であるので、上記作用同様に上記植毛基
台部の成形工程における冷却の際に、上面側と下面側の
温度差が小さく抑えられるとともに、植毛穴への毛の植
毛に伴う変形応力によるモーメントが小さく抑えられ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照しな
がら詳細に説明する。図1および図2は、本発明に係る
ブラシの一実施例である歯ブラシを示すものである。な
お、図1において、符号1は歯ブラシを示している。
【0017】図1に示す上記歯ブラシ1は、金型(図示
せず)内にポリプロピレンを射出して一体成形した所定
長さの棒状のブラシ本体2を主体として構成されるとと
もに、該ブラシ本体2の先端部の植毛基台部3に複数の
ブリッスル(毛)束4が所定の位置に植毛されたもので
ある。
【0018】上記植毛基台部3は、外観偏平形状に成形
されており、その上面3aには、平断面略円形状の植毛
穴5が植毛基台部3の長さ方向に沿って2および4列形
成されている。また、これらの植毛穴5は、その直径が
所定の深さから底方向に向けて先細るように形成されて
いる。(図2参照)。
【0019】また、図2に示すように、上記植毛穴5内
には、複数のブリッスル4aを束にした上記ブリッスル
束4(図2では一本のブリッスルのみ表示)が、板状の
平線6とともに打ち込まれて嵌合されている。
【0020】なお、本実施例の上記歯ブラシ1の寸法形
状(及び金型寸法)は、表1(No.1,No.2)に示す値に
設定されており(寸法位置は図3参照)、植毛基台部3
の厚さAはNo.1では4.62ミリ、No.2では4.61ミ
リ(金型寸法No.1,No.2とも4.65ミリ)に、また、
各植毛穴5の底面5bから前記植毛基台部3の下面3b
までの厚さ(以下「植毛穴底厚さ」という)DはNo.1で
は0.43ミリ(金型寸法0.41ミリ)、No.2では
0.64ミリ(金型寸法0.61ミリ)に設定されてい
る(前記植毛基台部3の厚さに対する植毛穴底厚さの割
合D/AはNo.1では0.09、No.2では0.14)。
【0021】
【表1】
【0022】上記の歯ブラシ1においては、植毛基台部
3の厚さAに対する植毛穴底厚さDの割合が0.04〜
0.16であり、また、植毛穴底厚さDが0.2〜0.
7ミリであるので、上記植毛基台部3の冷却の際にその
上面3a側と下面b側の温度差が小さく抑えられて冷却
されるとともに、植毛穴5へのブリッスル束4の植毛に
伴う変形応力によるモーメントが小さく抑えられる。
【0023】次に、本実施例の上記歯ブラシ1を製造す
る方法について具体的に説明する。
【0024】まず、上記ブラシ本体2を成形するための
所定形状の多数個取り金型(寸法位置は図3、寸法は表
1(No.1)参照)を冷却水(20℃)で冷却するととも
に、射出するポリプロピレンを加熱して(220℃)前
記金型内に射出する。
【0025】次に、上記射出工程の終了後、所定の圧力
を所定時間かけることにより、樹脂が冷却されて収縮し
た体積を補うとともに、さらに所定時間金型内で保持し
て冷却を行い、柄部の最肉厚部分が所定温度(100℃
〜150℃)まで冷却されたところで金型から取り出
す。この時の植毛基台部の取出温度は、30℃〜50℃
となる。特に高速条件で成形して取出温度が高くなる場
合(150℃前後)には、柄部の変形を防止するため
に、水冷や空冷等の後冷却を行ってもよい。そして、得
られたブラシ本体2の植毛基台部3の各植毛穴5に、ブ
リッスル束4を、平線6とともに打ち込んで嵌合する。
本実施例の成形工程及び植毛工程の条件は、以下に示す
通りである。
【0026】〔歯ブラシ本体の成形条件〕 樹脂:ポリプロピレン 樹脂温度:220℃ 金型冷却水温度:20℃ 冷却時間(保圧時間+金型内保持時間):15秒〜30
【0027】〔ブリッスルの植毛条件〕 ブリッスル径:0.23ミリ ブリッスル本数:17本 平線の形状:2ミリ×1.2ミリ×0.25ミリ 植毛穴底面と平線の間隔(平線の打ち込み深さ):0.
7ミリ
【0028】特に、上記(1)の問題点が顕著に表れる
のは、上記冷却時間が15秒〜30秒の高速成形条件の
場合である。
【0029】次に、上記成形工程によって成形されたブ
ラシ本体2の成形後における植毛基台部3の変形量(図
4(a)参照)を調べるとともに、ブラシ本体2にブリ
ッスル束4を植毛した歯ブラシ1における植毛基台部3
の変形量(図4(b)参照)及び割れを調べ、さらに歯
ブラシ1の植毛強度を調べた。なお、比較例として植毛
基台部の厚さを略一定とし、植毛穴底厚さ(金型の植毛
穴を形成するピンの長さ)を変化させて(表1No. 3 ,4
参照)成形体を作成するとともに、ブリッスル束4の植
毛を行い、本実施例の歯ブラシ本体2及び歯ブラシ1と
同様の評価を行った。評価方法は、以下に示すとおりで
ある。そして、これらの評価の結果を表2にまとめて示
した。
【0030】〔成形工程および植毛工程における変形
量〕レーザー測長器を走査して、歯ブラシの下面側の形
状を測定して、植毛基台部の曲がりのない部分から補助
線を引き、植毛基台部先端の変形量を算出した。(図4
参照)
【0031】〔植毛強度の評価方法〕植毛穴一穴からブ
リッスルを一本を引張り、ブリッスルがずれはじめる時
の引張荷重を測定し(測定回数140回=28穴×5
本)その平均値を求めてずれ強度とするとともに、その
うちのずれ強度の値が229gf以下となる割合を算出す
ることにより評価した。
【0032】
【表2】
【0033】植毛前の変形に関しては、表2に示すよう
に、本成形条件が高速成形条件の場合であるので、D/
A=0.24(No.3) の場合には、植毛基台部先端が下
面側に反る現象が見られた。一方、D/Aが0.18以
下の場合には、植毛基台部先端が、上面側に反る現象が
見られた。(表2の変形量において、植毛基台部先端が
上面側に反る場合をプラス、下面側に反る場合をマイナ
スと表示した。)
【0034】植毛後の変形に関しては、D/Aの値が小
さくなるほど、植毛基台部先端の反りは、小さくなるこ
とが判明した。特にNo.1(D/A=0.09)の場合に
は、植毛基台部先端の反りは、ほとんど見られなかっ
た。さらに、D/Aの値が小さくなるほど、植毛強度は
増加する傾向が見られ、特に、D/A=0.09(No.
1) およびD/A=0.14(No.2) の場合には、植毛
穴の中で、ずれ強度が229gf 以下となるものがなく
なることがわかった。即ち、D/Aが0.04〜0.1
6の範囲にあるものは、植毛後の植毛基台部先端の変形
量が小さく、かつ植毛強度が高く、そして、植毛穴の中
で、ずれ強度が229gf 以下となるものがなくなるこ
とが判明した。尚、No.1〜4 においては植毛における割
れはなかった。
【0035】このように、上記歯ブラシ1によれば、成
形工程及び植毛工程における植毛基台部の変形及び割れ
の発生が抑えられ、高速成形が可能であるので、生産効
率を高めることができるとともに、植毛強度の高いブラ
シを提供することができる。
【0036】なお、本発明のブラシは上記歯ブラシ1に
限られるものではなく、ヘアーブラシ、マスカラ等、植
毛基台部に毛を植毛する類のブラシの製造にも適用で
き、係る場合にも上記同様の作用・効果を得ることがで
きる。
【0037】また、植毛穴の断面形状、間隔、樹脂の種
類・組成等についても、上記の歯ブラシ1の態様に限ら
れるものではなく、目的とするブラシの態様に応じ、本
発明の作用効果が奏される範囲において、適宜変更でき
ることはいうまでもない。特に、樹脂については、曲げ
弾性率等の機械的物性の劣る樹脂を用いた場合にも成形
性が良くかつ植毛強度の高いブラシを製造することが可
能である。
【0038】
【発明の効果】本発明のブラシによれば、以下の効果を
奏することができる。請求項1に記載のブラシによれ
ば、成形工程及び植毛工程における植毛基台部の変形及
び割れの発生が抑えられ、高速成形が可能であるので、
生産効率を高めることができるとともに、植毛強度の高
いブラシを提供することができる。
【0039】請求項2に記載のブラシによれば、上記同
様の効果が得られ、特に小型のブラシとして好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシの一実施例である歯ブラシを示
す斜視図である。
【図2】同歯ブラシの植毛基台部内の概略構成を示す拡
大図である。
【図3】同歯ブラシの植毛基台部の寸法位置を示す概略
図である。
【図4】植毛基台部の変形を示す概略図であり、(a)
は成形工程後の変形を示す側面図、(b)は植毛工程後
の変形を示す側面図である。
【図5】植毛基台部の植毛時の作用応力状態を示す概略
図であり、(a)は正断面図、(b)は側断面図であ
る。
【符号の説明】 1 歯ブラシ(ブラシ) 3 植毛基台部 3a 上面 3b 下面 4 ブリッスル(毛) 5 植毛穴 5b 底面 A 植毛基台部の厚さ D 植毛穴の底面から植毛基台部の下面までの厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−261605(JP,A) 実開 平5−68328(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A46B 1/00 - 17/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内に樹脂が射出されて上面に植毛穴
    を有する植毛基台部が成形されるとともに、前記植毛穴
    に毛が植毛されたブラシにおいて、 前記植毛基台部の上面から下面までの厚さAに対する前
    記植毛穴の底面から前記植毛基台部の下面までの厚さD
    の割合が0.04〜0.16であることを特徴とするブ
    ラシ。
  2. 【請求項2】 前記厚さDが0.2〜0.7ミリである
    ことを特徴とする請求項1記載のブラシ。
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