JP2895708B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

弁開閉時期制御装置

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JP2895708B2
JP2895708B2 JP10088193A JP10088193A JP2895708B2 JP 2895708 B2 JP2895708 B2 JP 2895708B2 JP 10088193 A JP10088193 A JP 10088193A JP 10088193 A JP10088193 A JP 10088193A JP 2895708 B2 JP2895708 B2 JP 2895708B2
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oil
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嶋 滋 中
浦 康 三
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Aisin Corp
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弁開閉時期制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の弁開閉時期制御装置は、
例えば、特開昭62−3111号公報に示されるものが
知られている。この従来の弁開閉時期制御装置を図2に
基づいて説明する。
【0003】図2に示す弁開閉時期制御装置80におい
て、カムシャフト81には、エンジンの吸気弁(図示せ
ず)又は排気弁(図示せず)が係合しており、カムシャ
フト81の回転に伴って吸気弁又は排気弁が開閉駆動さ
れる。カムシャフト11の周りには、ボルト82を介し
てスリーブ83がカムシャフト81と一体回転可能に固
定され、スリーブ83の外周面には、ヘリカルスプライ
ンが形成されている。
【0004】スリーブ83の周りには、タイミングプー
リ84がスリーブ83に対して相対回転可能に配設さ
れ、タイミングプーリ84の内周面には、ヘリカルスプ
ラインが形成されている。タイミングプーリ84の外歯
には、タイミングベルト85が係合しており、エンジン
のクランクシャフト(図示せず)によりタイミングベル
ト85を介してタイミングプーリ84が回転駆動するよ
うになっている。尚、タイミングプーリ84の図示左端
部には、ケース86が固定されている。
【0005】スリーブ83外周面とタイミングプーリ8
4内周面との間には、ピストン収容室87が形成され、
このピストン収容室87内には、円筒状のピストン手段
88がカムシャフト81の軸方向に移動自在に配設され
ている。ピストン手段88の内周面には、スリーブ83
のヘリカルスプラインと噛み合うようにヘリカルスプラ
インが形成され、ピストン手段88の外周面には、タイ
ミングプーリ84のヘリカルスプラインと噛み合うよう
にヘリカルスプラインが形成されている。ここで、ピス
トン手段88が図示右方向に移動すると、カムシャフト
81とタイミングプーリ84とは周方向の一方向へ相対
変位する。一方、ピストン手段88が図示左方向に移動
すると、カムシャフト81とタイミングプーリ84とは
周方向の他方向へ相対変位する。これにより、カムシャ
フト81とタイミングプーリ84との間の回転位相が変
化する。
【0006】ピストン手段88は、カムシャフト81の
軸方向に2分割され、その間にスプリング89が配設さ
れている。これにより、タイミングプーリ84からピス
トン手段88を介してスリーブ83へと回転トルクが伝
達する際に、各スプライン間で発生するバックラッシュ
を零とさせている。
【0007】ピストン手段88の図示左側には、受圧プ
レート90が配設され、第1油室91を形成している。
この第1油室91には、油圧通路92が連通しており、
油圧通路92を介して油圧供給手段(図示せず)から第
1油室91に油圧が供給されるようになっている。一
方、ピストン手段88の図示右側には、第2油室93が
形成され、この第2油室93内にはスプリング94がピ
ストン手段88を図示左方向に付勢するように配設され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した弁
開閉時期制御装置80では、エンジンの負荷状態に応じ
て油圧制御弁(図示せず)がON/OFFに切り換えら
れることにより、ピストン手段88が第1位置(受圧プ
レート90がケース86内面と当接している位置)及び
第2位置(ピストン手段88がタイミングプーリ84内
面と当接している位置)に停止するのみであるので、弁
開閉時期は2つの時期しかとらない。従って、エンジン
の高速回転且つ高負荷時においては、ピストン手段88
を前記第1位置に停止させたとしても前記第2位置に停
止させたとしても、吸排気弁を最適な時期に開閉させる
ことができない。
【0009】尚、上記の装置80において、エンジンの
高速回転且つ高負荷時に吸排気弁を最適な時期に開閉さ
せるように前記第1位置又は前記第2位置の位置決めを
したとしても、エンジンの低中速回転且つ高負荷時にお
いて、吸排気弁を最適な時期に開閉させることができな
くなる。
【0010】故に、本発明は、エンジンの運転状態に応
じて吸排気弁を最適な時期に開閉させること、特に、エ
ンジンの高速回転且つ高負荷時において吸排気弁を最適
な時期に開閉させることを、その技術的課題とするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために請求項1の発明において講じた技術的手段(第
1の技術的手段)は、エンジンの吸排気弁を開閉駆動す
るカムシャフトと、カムシャフトを回転駆動するタイミ
ングプーリと、カムシャフトとタイミングプーリとの間
に形成されたピストン収納室と、ピストン収納室内を第
1油室,第2油室に区画すると共にタイミングプーリか
らカムシャフトへのトルク伝達を行い、ピストン収納室
内をカムシャフトの軸方向に移動することによりカムシ
ャフトとタイミングプーリとの間の回転位相を変化させ
るピストンと、第2油室に配設されピストンを第1油室
の容積を減少させる方向に付勢するスプリングと、第1
油室に常時連通するようにカムシャフト内に形成された
油圧供給通路と、油圧供給通路を介して第1油室に油圧
を供給する油圧供給手段と、油圧供給通路と油圧供給手
段とを接続する通路の途中に配設され、エンジンの低中
速回転且つ高負荷時及び高速回転且つ高負荷時に第1油
室を油圧供給手段に連通させ、エンジンが上記状態以外
の場合に第1油室と油圧供給手段との連通を遮断する油
圧制御弁と、カムシャフト内に形成され第1油室内の油
をドレンへ排出するリリーフ通路と、第1油室に常時連
通し且つピストンの軸方向への移動の途中でリリーフ通
路と連通するようにピストンに形成された溝と、シリン
ダヘッド内に露呈するように油圧供給通路の途中に配設
され、カムシャフトの高回転時に遠心力により開放して
リリーフ通路をシリンダヘッド内部と連通させると共に
油圧供給通路を絞るガバナバルブとを有したことであ
る。
【0012】上記技術的課題を解決するために請求項2
の発明において講じた技術的手段(第2の技術的手段)
は、第1の技術的手段におけるガバナバルブを、ハウジ
ングと、リリーフ通路に常時連通するようにハウジング
に形成されシリンダヘッド内部を介してドレンへ連通可
能な通路と、弁座に着脱するようにハウジング内にカム
シャフトの径方向に移動自在に配設され通路とドレンと
を連通,遮断せしめる弁体と、弁体を弁座に向かって付
勢するスプリングと、油圧供給通路に常時連通するよう
に弁体に形成され弁体がスプリングの付勢力に抗する方
向に移動した時に油圧供給通路を絞る溝とから構成した
ことである。
【0013】
【作用】上記第1の技術的手段によれば、エンジンの高
速回転時には、カムシャフトも高速で回転するので、ガ
バナバルブが遠心力により開放し、その結果、リリーフ
通路がシリンダヘッド内部を介してドレンへと連通す
る。これと同時に、油圧制御弁により第1油室が油圧供
給通路を介して油圧供給手段と連通し、油圧が第1油室
に供給されてその油圧によりピストンがスプリングの付
勢力に抗してカムシャフトの軸方向に移動する。ピスト
ンの軸方向への移動の途中でピストンに形成された溝が
リリーフ通路に連通すると、第1油室内の油が溝及びリ
リーフ通路を介してシリンダヘッド内部に排出される。
その結果、第1油室内の油圧が次第に小さくなり、スプ
リングの付勢力よりも小さくなってピストンが第1油室
の容積を減少させる方向に移動する。この移動の途中で
溝とリリーフ通路との連通が遮断されて再び第1油室内
の油圧が大きくなり、ピストンがスプリングに抗して微
小量だけ移動する。このようなピストンの微小の移動を
繰り返すことにより最終的に第1油室内の油圧によるピ
ストンへの押圧力がスプリングの付勢力とが釣合ってピ
ストンが中間進角位置で停止する。以上より、エンジン
の高速回転且つ高負荷時にピストンを中間進角位置にて
停止させたことにより、エンジンの高速回転且つ高負荷
時に吸排気弁を最適な時期に開閉させることができる。
【0014】上記の作動において、第1油室内に油圧が
供給されている状態でカムシャフトが高速で回転する
と、第1油室内の油圧が高圧になる。この時、前述の如
くガバナバルブが開放することにより油圧供給通路が絞
られる。その結果、第1油室内に供給される油量が減少
し、第1油室からリリーフ通路を介してシリンダヘッド
内部に流入する油量も減少する。その結果、油がシリン
ダヘッド内部に詰まることはなくなり、第1油室内の油
が確実にドレンへと戻される。
【0015】上記第2の技術的手段によれば、カムシャ
フトが高速で回転すると、弁体を弁座から離脱させる方
向に加わる遠心力がスプリングの付勢力よりも大きくな
り、弁体がスプリングの付勢力に抗してカムシャフトの
径方向に移動する。その結果、リリーフ通路がガバナバ
ルブの通路を介してシリンダヘッド内部に連通する。
【0016】一方、弁体がスプリングの付勢力に抗して
移動するに伴い、弁体に形成された溝と油圧供給通路と
の連通面積が次第に減少して油圧供給通路が絞られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0018】図1は、本実施例に係る弁開閉時期制御装
置の全体構成図である。
【0019】図1に示す弁開閉時期制御装置10におい
て、カムシャフト11は、エンジンのシリンダヘッド5
0に回転自在に支持され、カムシャフト11には、エン
ジンの吸気弁(図示せず)又は排気弁(図示せず)が係
合しており、カムシャフト11の回転に伴って吸気弁又
は排気弁が開閉駆動される。カムシャフト11の図示左
端には、ボルト12を介してカップ状ケース13が固定
され、カムシャフト11と一体回転するようになってい
る。カップ状ケース13の内周面には、ヘリカルスプラ
イン13aが形成されている。
【0020】カムシャフト11の周りには、スリーブ1
4がカムシャフト11に対して相対回転可能に配設さ
れ、スリーブ14の図示左側外周部には、ヘリカルスプ
ライン14aが形成されている。スリーブ14の図示右
側外周部には、ノックピン15を介してタイミングプー
リ16が固定され、スリーブ14と一体回転するように
なっている。タイミングプーリ16の外歯には、タイミ
ングベルト(図示せず)の歯が係合しており、エンジン
のクランクシャフト(図示せず)によりタイミングベル
トを介してタイミングプーリ16が回転駆動するように
なっている。
【0021】スリーブ14外周面とカップ状ケース13
内面との間には、ピストン収容室18が形成され、この
ピストン収容室18内には、略円筒状のピストン19が
カムシャフト11の軸方向に移動自在に配設されてい
る。ピストン19の外周面には、カップ状ケース13の
ヘリカルスプライン13aと噛み合うようにヘリカルス
プライン19aが形成され、ピストン19の内周面に
は、スリーブ14のヘリカルスプライン14aと噛み合
うようにヘリカルスプライン19bが形成されている。
又、ピストン収容室18内はピストン19によりフロン
ト側の第1油室20及びリア側の第2油室21に区画さ
れている。ここで、ピストン19が図示右方向に移動す
ると、カムシャフト11とタイミングプーリ16とは周
方向の一方向へ相対変位する。一方、ピストン19が図
示左方向に移動すると、カムシャフト11とタイミング
プーリ16とは周方向の他方向へ相対変位する。これに
より、カムシャフト11とタイミングプーリ16との間
の回転位相が変化する。
【0022】第2油室21内には、スプリング22が配
設され、ピストン19を図示左方向に付勢している。こ
の第2油室21は、スリーブ14とタイミングプーリ1
6と間に形成された排出路23及び排出通路24を介し
て常時オイルパン25に連通している。従って、第2油
室21内は、常時大気圧と等しい。
【0023】カムシャフト11の内部には、第1油室2
0に常時連通するように油圧供給通路26が形成され、
この油圧供給通路26の途中には、後述するガバナバル
ブ42が配設されている。油圧供給通路26は、通路2
7,供給孔28及び通路29を介してオイルパン25に
連通可能になっている。通路29の途中には、オイルパ
ン29側から油圧ポンプ(油圧供給手段)30及び油圧
制御弁31が配設されている。油圧ポンプ30は、オイ
ルパン25から油を第1油室20に圧送する(即ち油圧
を第1油室20に供給する)ものである。油圧制御弁2
5は、エンジンの回転数やエンジン負荷等のエンジン情
報が入力されるエレクトロニックコントロールユニット
(以下、ECUと称する。)32によりON,OFFに
切り換えられる。つまり、油圧制御弁31は、エンジン
の低中速回転且つ高負荷時及び高速回転且つ高負荷時に
第1油室20を油圧ポンプ30に連通させ、アイドリン
グ時,低中速回転且つ低負荷時及び高速回転且つ高負荷
時に第1油室20と油圧ポンプ28との連通を遮断する
ようにECU32により制御される。
【0024】カップ状ケース13の外周上には、所定の
隙間33をおいてカップ状カバー34が相対回転可能に
係合しており、このカップ状カバー34はタイミングプ
ーリ16にスクリュー(図示せず)等を介して一体回転
可能に固定されている。隙間33内には粘性流体が適量
封入され、ダンパーが構成される。尚、この粘性流体が
外部に漏れるのを防ぐために、シール部材35及び36
が配設されている。
【0025】ところで、カムシャフト11の作動中に
は、エンジンの吸排気弁と係合するバルブスプリング
(図示せず)から変動トルクを受ける。従って、ヘリカ
ルスプライン13a,19a間及びヘリカルスプライン
14a,19b間にバックラッシュが発生したり、カム
シャフト11とタイミングプーリ16との間の回転位相
が変化する恐れがあるが、上記の変動トルクは前記ダン
パーにおいて粘性流体に剪断力を発生させようとするこ
とで吸収されるため何ら問題は発生しない。
【0026】ピストン19の内周面には、環状溝(溝)
37が形成され、常時第1油室20に連通している。
又、この環状溝37は、ピストン19の軸方向への移動
の途中で通路38,リング溝39及び通路40を介して
カムシャフト11内部に形成されたリリーフ通路41に
連通するようになっている。このリリーフ通路41はガ
バナバルブ42を介してオイルパン25に連通可能にな
っており、その結果、第1油室20内の油をオイルパン
25に排出可能になっている。
【0027】ガバナバルブ42は、その重心がカムシャ
フト11の軸心よりも図示下方に位置するように油圧供
給通路26の途中に配設され、エンジンのシリンダヘッ
ド50内に露呈している。このガバナバルブ42は、カ
ムシャフト11の高速回転時に遠心力により開放するも
のであり、ガバナバルブ42が開放することによりリリ
ーフ通路41をシリンダヘッド50内部に連通させると
共に油圧供給通路26を絞るようになっている。
【0028】ガバナバルブ42のハウジング43内に
は、内部に空洞44aを有する弁体44が図示上下方向
に摺動自在に配設され、スプリング45により図示上方
向に付勢されている。つまり、図示下方向に加わる遠心
力がスプリング45の付勢力よりも大きい場合に弁体4
4は図示下方向に移動し、遠心力がスプリング45の付
勢力よりも小さい場合に弁体44は図示上方向に移動す
るようになっている。尚、空洞44aは常時シリンダヘ
ッド50内を介してオイルパン29に連通している。ハ
ウジング44の図示上部には、スナップリング(弁座)
46が固定され、弁体44がこのスナップリング46に
着座可能になっている。
【0029】ハウジング43には、第1通路(通路)4
7,第2通路48及び第3通路49が形成されている。
第1通路47は、リリーフ通路41に常時連通してお
り、弁体44の移動により、第1通路47と空洞44a
とが連通,遮断するようになっている。第2通路48
は、油圧供給通路26のガバナバルブ42上流側部分2
6aに常時連通しており、弁体44に形成された溝51
を介して常時第3通路49に連通している。第3通路4
9は、油圧供給通路26のガバナバルブ42下流側部分
26bに常時連通している。溝51は、弁体44が図示
下方向に移動するに伴い第2通路48を絞るようになっ
ており、その結果、油圧供給通路26が絞られるように
なっている。
【0030】上記の如く構成された弁開閉時期制御装置
10の作動について説明する。
【0031】まず、エンジン運転時にタイミングベルト
を介してタイミングプーリ16に伝達された回転トルク
は、スリーブ14からヘリカルスプライン14a,19
b、ピストン19、ヘリカルスプライン19a,13a
を経てカップ状ケース13に伝達され、ボルト12を介
してカムシャフト11に伝達される。その結果、吸排気
弁が開閉駆動駆動される。
【0032】エンジンのアイドリング時並びに低中速回
転且つ低負荷時には、ECU32により油圧制御弁31
がOFF状態にされ、第1油室20と油圧ポンプ30と
の連通が遮断されるので、第1油室20内には油圧が供
給されない。従って、ピストン19はスプリング22に
よりカップ状ケース13の内面に当接した状態で停止す
る。従って、カムシャフト11とタイミングプーリ16
との間の回転位相が遅角状態に維持される。尚、上記の
作動中は常時ガバナバルブ42が閉じているので、リリ
ーフ通路41とオイルパン25との連通が遮断されてい
る。
【0033】次に、エンジンの低中速回転且つ高負荷時
には、ECU32により油圧制御弁31がON状態に切
り換えられ、油圧ポンプ30から通路29,供給孔2
8,通路27,油圧供給通路26a,ガバナバルブ42
の第2通路48,溝51,第3通路49及び油圧供給通
路26bを介して第1油室20に油圧(又は油)が供給
される。その結果、ピストン19はスプリング22の付
勢力に抗して図示右方向に移動する。この時、ヘリカル
スプライン14a,19bの作用によりスリーブ14が
ピストン19に対して相対回転すると共に、ヘリカルス
プライン13a,19aの作用によりカップ状ケース1
3がピストン19に対して相対回転する。
【0034】従って、タイミングプーリ16とカムシャ
フト11との間の回転位相が変化し、カムシャフト11
の回転位相がタイミングプーリ16の回転位相よりも進
角する。尚、第1油室20内の油圧は僅かに第2油室2
1に漏れるが、排出路23及び排出通路24を介してオ
イルパン25へと排出される。
【0035】ここで、上記作動中、ガバナバルブ42が
閉じているので、ピストン19の図示右方向への移動の
途中で第1油室20が環状溝37を介してリリーフ通路
41に連通したとしても、第1油室20内の油はリリー
フ通路41を介してオイルパン25に排出されない。従
って、ピストン19は、スプリング22の付勢力に抗し
て図示右方向に移動し続け、タイミングプーリ16に当
接した位置で停止し、カムシャフト11とタイミングプ
ーリ16との間の回転位相が最進角状態に維持される。
【0036】次に、エンジンの高速回転且つ高負荷時に
は、カムシャフト11が高速で回転するので、ガバナバ
ルブ42の弁体44に作用する遠心力がスプリング45
の付勢力よりも大きくなり、弁体44がスナップリング
46から離脱してリリーフ通路41がシリンダヘッド5
0内部を介してオイルパン25と連通する。これと同時
に、ECU32により油圧制御弁31がON状態に切り
換えられ、第1油室20が油圧ポンプ30と連通し、油
圧ポンプ28から油圧が前述の如く第1油室20に供給
されてその油圧によりピストン19がスプリング22の
付勢力に抗して図示右方向に移動する。ピストン19の
図示右方向への移動の途中で環状溝37がリリーフ通路
41に連通すると、第1油室20内の油が環状溝37,
通路38,リング溝39,通路40,リリーフ通路41
及びシリンダヘッド50内部を介してオイルパン29に
排出される。その結果、第1油室20内の油圧が次第に
小さくなり、この油圧によるピストン19への押圧力が
スプリング22の付勢力よりも小さくなると、ピストン
19が図示左方向に移動する。これに伴って環状溝37
とリリーフ通路41との連通が遮断されると、第1油室
20内の油圧が次第に大きくなり、その油圧による力が
スプリング22の付勢力よりも大きくなる。
【0037】その結果、ピストン19が微小量だけ図示
右方向に移動する。このようにピストン19の微小量の
移動が繰り返されることによって第1油室20内の油圧
によるピストン19への押圧力がスプリング22の付勢
力と等しくなり、ピストン19が遅角状態位置と最進角
状態位置との間の中間進角状態位置で停止する。即ち、
カムシャフト11とタイミングプーリ16との間の回転
位相が中間進角状態に維持される。尚、この時、環状溝
37とリリーフ通路41との連通が遮断されている。こ
のように、エンジンの高速回転時にピストン19を中間
進角位置にて停止させたことにより、エンジンの高速回
転時に吸排気弁を最適な時期に開閉させることができ
る。
【0038】ところで、上記の作動において、油圧
(油)が第1油室20に供給された状態でカムシャフト
11が高速で回転している時には、第1油室20の油圧
が高圧になる。この時、前述の如くガバナバルブ42の
弁体44がスナップリング46から離脱してスプリング
45の付勢力に抗して図示右方向に移動する。この弁体
44の移動に伴い、弁体44に形成された溝51と第2
通路48との連通面積が次第に減少して油圧供給通路2
6aが絞られる。これにより、第1油室20内に供給さ
れる油量が減少し、第1油室20からリリーフ通路41
を介してシリンダヘッド50内部に流入する油量も減少
する。従って、油がシリンダヘッド50内部に詰まるこ
とはなくなり、第1油室20内の油を確実にオイルパン
25へと排出できる。
【0039】尚、エンジンの高速回転且つ低負荷時に
は、ガバナバルブ42は開放するが、ECU32により
油圧制御弁31がOFF状態に切り換えられるので、油
圧は第1油室20内には供給されない。従って、前述の
エンジンのアイドリング時並びに低中速回転且つ低負荷
時の作動と同様に、カムシャフト11とタイミングプー
リ16との間の回転位相が遅角状態に維持される。
【0040】尚、カムシャフト13とタイミングプーリ
16との間の回転位相の変角量は、遅角→中間進角,遅
角→最進角,中間進角→最進角,最進角→中間進角,最
進角→遅角及び中間進角→遅角のいずれもとることがで
きる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以下の如く効果を有する。
【0042】エンジンの高速回転且つ高負荷時において
吸排気弁を最適な時期に開閉させることが可能になる。
【0043】又、エンジンの高速回転且つ高負荷時にお
いてリリーフ通路を介してシリンダヘッド内部に流入す
る油量を減少させることが可能になり、油がシリンダヘ
ッドに詰まることが防がれる。その結果、第1油室内の
油を確実にドレンへと排出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る弁開閉時期制御装置の全体構成
図である。
【図2】従来技術に係る弁開閉時期制御装置の全体構成
図である。
【符号の説明】
10 弁開閉時期制御装置 11 カムシャフト 16 タイミングプーリ 18 ピストン収容室 19 ピストン 20 第1油室 21 第2油室 22 スプリング 25 オイルパン(ドレン) 26 油圧供給通路 30 油圧ポンプ(油圧供給手段) 31 油圧制御弁 37 環状溝(溝) 41 リリーフ通路 42 ガバナバルブ 43 ハウジング 44 弁体 45 スプリング 46 スナップリング(弁座) 47 第1通路(通路) 50 シリンダヘッド 51 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−269309(JP,A) 特開 平5−33614(JP,A) 特開 平4−153509(JP,A) 実開 平5−19505(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 1/34 F02D 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸排気弁を開閉駆動するカム
    シャフトと、 前記カムシャフトを回転駆動するタイミングプーリと、 前記カムシャフトと前記タイミングプーリとの間に形成
    されたピストン収納室と、 前記ピストン収納室内を第1油室,第2油室に区画する
    と共に、前記タイミングプーリから前記カムシャフトへ
    のトルク伝達を行い、前記ピストン収納室内を前記カム
    シャフトの軸方向に移動することにより前記カムシャフ
    トと前記タイミングプーリとの間の回転位相を変化させ
    るピストンと、 前記第2油室に配設され、前記ピストンを前記第1油室
    の容積を減少させる方向に付勢するスプリングと、 前記第1油室に常時連通するように前記カムシャフト内
    に形成された油圧供給通路と、 前記油圧供給通路を介して前記第1油室に油圧を供給す
    る油圧供給手段と、 前記油圧供給通路と前記油圧供給手段とを接続する通路
    の途中に配設され、エンジンの低中速回転且つ高負荷時
    及び高速回転且つ高負荷時に前記第1油室を前記油圧供
    給手段に連通させ、エンジンが上記状態以外の場合に前
    記第1油室と前記油圧供給手段との連通を遮断する油圧
    制御弁と、 前記カムシャフト内に形成され、前記第1油室内の油を
    エンジンのシリンダヘッド内部を介してドレンへ排出す
    るリリーフ通路と、 前記第1油室に常時連通し且つ前記ピストンの軸方向へ
    の移動の途中で前記リリーフ通路と連通するように前記
    ピストンに形成された溝と、 前記シリンダヘッド内に露呈するように前記油圧供給通
    路の途中に配設され、前記カムシャフトの高回転時に遠
    心力により開放して前記リリーフ通路を前記シリンダヘ
    ッド内部と連通させると共に前記油圧供給通路を絞るガ
    バナバルブとを有することを特徴とする弁開閉時期制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ガバナバルブは、 ハウジングと、 前記リリーフ通路に常時連通するように前記ハウジング
    に形成され、前記シリンダヘッド内部を介してドレンへ
    連通可能な通路と、 弁座に着脱するように前記ハウジング内に前記カムシャ
    フトの径方向に移動自在に配設され、前記通路とドレン
    とを連通,遮断せしめる弁体と、 前記弁体を前記弁座に向かって付勢するスプリングと、 前記油圧供給通路に常時連通するように前記弁体に形成
    され、前記弁体が前記スプリングの付勢力に抗する方向
    に移動した時に前記油圧供給通路を絞る溝とから構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の弁開閉時期制
    御装置。
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