JP2895234B2 - 可溶化剤 - Google Patents

可溶化剤

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、香料、化粧、パーソナルケア(personal c
are)及び家庭用製品における、モノアルキルシトレー
トの可溶化剤としての使用に関する。本発明は、特に、
水中油型エマルジョンから成る化粧用、パーソナルケア
及び家庭用製品並びにそのようなモノアルキルシトレー
トを含む疎水性の化粧、パーソナルケア及び家庭用製品
の成分に関する。
化粧品の調製における種々の用途に関して様々なクエ
ン酸エステルが知られている。従って、欧州特許第0062
34号、欧州特許第006232号、及び米国特許第4,010,253
号には、種々の化粧製品における1〜6個の炭素原子の
アルコールのクエン酸エステルの防臭剤としての使用が
記載されている。この目的のためには、トリアルキルエ
ステルが非常に好ましいことは強調されている。クエン
酸エステルが酸化防止剤と併用されない限りは、化粧用
製品は低い水分含有率、好ましくは5%w/w未満、を有
していないければならないことも強調されている。
DE 2361716には、脂肪族ジオール及び12〜30個の炭素
原子の脂肪族モノアルコールの混合物とクエン酸との完
全なエステル化によって得られた混合エステルの油中水
型乳化剤としての使用が記載されている。生成物はスキ
ンクリームなどに適している。
末端長鎖エポキシドをクエン酸と反応させることによ
って得られる、クエン酸の特定の長鎖2−ヒドロキシア
ルキルエステルが油中水型乳化剤であることが判明した
(P.Lorenzら、第10回IFSCC会議、Cosmetic Horizons、
オーストラリア、シドニー、1978年10月25〜27日、Vol.
2)。
欧州特許第199131号には、クエン酸とポリオキシ(2
〜4個の炭素原子の)アルキル化モノ−(8〜20個の炭
素原子の)−アルコールのモノ、ジ、又はトリエステル
の、アルカリ又はアルカリ土類金属塩のような誘導体が
乳化剤として記載されており、これらは例えば化粧品用
の有用である。
英国特許第1,448,792号には、クエン酸と12〜22個の
炭素原子のアルキルラクチレートから調製されたモノ及
びジエステルと、それらの例えば化粧品中における乳化
剤としての使用が記載されている。
欧州特許第282289号には、クエン酸と10〜18個の炭素
原子のアルコール及び(ポリ)エトキシル化アルコール
とのモノエステルの塩を含む皮膚平滑化(skin−smooth
ening)組成物が開示されている。
クエン酸のモノエステルは食品技術の分野においても
使用されている。米国特許第2,158,678号(Goodingら)
には、例えば、マーガリンのようなグリセリド油組成物
において酸敗(rancidity)の発生を遅延させ水分保持
を改善すると言われている試薬が記載されている。第1
欄45行乃至第2欄25行において定義されているこれらの
試薬は、モノラウリルシトレートとモノステアリルシト
レートを含む。関連する米国特許第2,523,792号(Vahlt
eichら)には食用組成物が記載されており、これらはグ
リセリド油の酸敗を遅延させると言われており、またこ
れらは、例えばレシチンのような可溶化剤中に溶解され
た、選択されたクエン酸のモノエステル(モノラウリ
ル、モノミリスチル、モノパルミチル、モノオレイル、
及びモノステアリルシトレートを含む)を15〜37.55%
有する。クエン酸のモノエステルは、米国特許第2,667,
419号(Goodingら)においては、乳製品及び卵製品の劣
化を遅延させるとも記載されている。デカノール、ドデ
カノール、ヘキサデカノール、及びオクタデカノールの
クエン酸モノエステルが特に開示されており、より詳細
には、モノラウリルシトレート及びモノステアリルシト
レートが開示されている。また、米国特許第2,902,372
号(Harris)には、卵白のホイッピング特性を改善する
目的用の、クエン酸と3個未満の炭素原子の脂肪族アル
コールとのモノエステルが開示されている。最後に、米
国特許第3,004,853号(Julianら)には、セチルアルコ
ールとエステル化されたクエン酸が液体ショートニング
中の乳化剤系の一部として開示されている。
香料、化粧、パーソナルケア及び家庭用製品産業にお
いては、香料又はその他の疎水性成分の透明な水中油型
ミクロエマルジョン(microemulsion)を調製するのに
使用でき、皮膚に対して無害な可溶化剤に対する要望が
存在する。
アルキル基が7〜10個の炭素原子を有するモノアルキ
ルシトレートが優れた可溶化剤であり、これは化粧、パ
ーソナルケア及び家庭用製品の香料及びその他の疎水性
液体成分の安定な水中油型エマルジョンを提供するのに
使用できることが判明した。これらは特に透明なo/wミ
クロエマルジョンを提供するのに適している。透明なo/
wミクロエマルジョンを一般のo/wエマルジョンから区別
するために、以下では前者を「ミクロエマルジョン」と
呼ぶ。化粧、パーソナルケア及び家庭用製品の香料及び
その他の疎水性液体成分は以下ではただ単に「疎水性液
体(hydrophobic liquids)」と呼ぶ。
モノアルキルシトレートは敏感な皮膚に対してさえも
完全に無害である。従来技術から導かれたものと対照的
に、それらは酸化防止剤の不存在下においても水性媒体
中で安定である。最後に、それらはほとんどの香料成分
及びその他の疎水性液体と完全に混和性であり、従っ
て、特に、エマルジョン、特にミクロエマルジョン、中
での使用を意図する場合、香料及びその他の疎水性液体
用の希釈剤として使用できる。
従って、本発明は、水性相、少なくとも1種の疎水性
液体、及び7〜10個の炭素原子のモノアルキルシトレー
トを含むエマルジョンから成る、化粧、パーソナルケア
及び家庭用製品を提供する。さらに、本発明は、1種以
上の疎水性液体と7〜10個の炭素原子のモノアルキルシ
トレートの混合物を提供する。
疎水性液体中にすでに比較的少量のモノアルキルシト
レートが存在することによって、エマルジョンの安定性
のはっきりと顕著な改善とそのような成分がエマルジョ
ン型の化粧又はパーソナルケア又は家庭用製品に配合さ
れたときの乳化の容易さが得られる。ミクロエマルジョ
ンの場合、透明性の改善が得られる。従って、疎水性液
体とモノアルキルシトレートの混合物は0.5%w/w以上の
モノアルキルシトレートを含むのが有用であり、少なく
とも2%w/wが好ましく、少なくとも5%w/wがより好ま
しい。一方、そのような混合物は、95%w/wまで、好ま
しくは90%w/wまでのモノアルキルシトレートを含むこ
とができる。モノアルキルシトレートは香料を可溶化す
るのに特に有用であり、従って、上述の混合物中の疎水
性液体部分は大部分(例えば、50%w/w以上)が香料か
ら成ることができ、或いは完全に香料から成ることさえ
できる。モノアルキルシトレートによって可溶化でき、
従って、疎水性液体混合物中に比較的多量に存在できる
その他の疎水性液体には、イソプロピルミリステートの
ような皮膚軟化剤である。
本発明に従って、化粧、パーソナルケア又は家庭用製
品に配合されるモノアルキルシトレートの量は、乳化さ
れるべき疎水性液体の量、及びミクロエマルジョンに関
しては透明性の所望の程度に依存する。一般に、エマル
ジョン/ミクロエマルジョンは少なくとも0.01%w/wの
モノアルキルシトレート含み、少なくとも0.1%w/wが好
ましく、少なくとも1%w/wがより好ましい。一方、30
%w/wより多くの量は通常必要とされない。本発明の目
的に対して好ましいモノアルキルシトレートはモノオク
チルシトレートである。
本発明の目的に関連して、「化粧製品(cosmetic pro
ducts)」とは、人体の視覚的又は嗅覚的魅力を増加さ
せることを意図する製品である。同様に、「パーソナル
ケア製品(personal care products)」とは、人体の外
側を清浄にするか、滑らかにするか、又は健康と満足度
を改善することを意図する製品である。これらの化粧製
品とパーソナルケア製品の定義は少なくとも部分的に重
複するが、それは多くの製品が両方のカテゴリーに属す
る機能を提供するからである。ミクロエマルジョンの形
態のその様な製品の例は、香料及び「オーデトイレット
(eau de toilette)」及び「オーデパーヒューム(eau
de perfum)」として知られている類似製品、ハンド及
びボディーローション、スキントニック、髭剃り用製
品、バス及びシャワー用製品、防臭剤及び発汗抑制剤製
品、シャンプー及びヘアーコンディショナーのようなヘ
アケア製品、マウスケア及びデンタルケア製品である。
そのような製品は本技術分野において公知である。従っ
て、スキンケア製品の例は、“Harry's Cosmeticolog
y"、R.G.Harry、第6版、Leonard Hill Books(197
3)、5〜13、18及び35章に記載されており;防臭剤及
び発汗抑制剤製品の例は、C.Fox、Cosmetics and Toile
tries 100(1985年12月)、27〜41頁に記載されてお
り;ヘアケア製品の例は、上記の“Harry's Cosmeticol
ogy"、25〜27章に記載されており;デンタルケア製品の
例は、M.Pader、Oral Hygine:Products and Practice、
Marcel Dekker、ニューヨーク(1988)に記載されてい
る。化粧及びパーソナルケア製品は、一方においては製
品そのものに好ましい臭気を与えるために、他方におい
ては製品の使用後にそれらが塗布された人体の部分が好
ましい臭気を発するようにするために、通常芳香付けさ
れている。
本発明の目的に関連して、「家庭用製品(household
products)」は、洗浄、漂白、柔軟化、及びアイロンが
けのような洗濯及び織物のケア;硬い表面の清掃、消
毒、すり取り(scouring)、磨き(polishing)、又は
艶だし(shining)、室内の脱臭及び空気の清涼化のよ
うな空気の処理を意図する製品である。
エマルジョンは、一般に、化粧、パーソナルケア、又
は家庭用製品中に通常存在する様々な成分も含み、それ
らには、製品の種類にもよるが、種々の洗浄剤又はアニ
オン性、カチオン性、両性、又は非イオン性乳化剤;漂
白剤;精練粉末(scouring powder);エタノール又は
イソプロパノールのような種々の有機溶媒;保湿剤;粘
度改良剤;ゲル化剤;鉱物又は植物性油;ワックス;着
色剤;真珠箔剤;防腐剤;生理的冷却剤;その他が含ま
れる。
本発明のモノアルキルシトレートは、化粧、パーソナ
ルケア、又は家庭用製品中において微生物学的損傷を生
じる可能性のある種々の微生物に対して抗微生物性を有
することが判明した。従って、別個の防腐剤の配合が多
くの場合必要でないか、或いは防腐剤の量を本発明のモ
ノアルキルシトレートが存在しない場合よりも実質的に
少なくできる。
モノアルキルシトレートは本技術分野において公知の
種々の方法、例えば、欧州特許第282289号に記載れてい
るような方法、によって調製できる。
本明細書中において使用されるとき、「香料(perfum
e)」という用語は、所望により適切な溶媒又は希釈剤
と混合された、1種以上の香料成分から成る、実質的に
水不溶性の組成物を意味し、これは、化粧、パーソナル
ケア、又は家庭用製品及び/又はこの製品が塗布される
皮膚又は髪に所望の臭気を付与するために使用される。
香料成分とは、専ら又は主に嗅覚的貢献のために添加さ
れる香料の構成成分である。香料成分は、精油、アブソ
リュート(absolutes)、レジノイド(resinoids)、レ
ジン(resins)、コンクリート(concretes)、その他
のような天然産のものでよく、そして、飽和及び不飽和
化合物、脂肪族、炭環式、及びヘテロ環式化合物を含
む、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エー
テル、酸、エステル、アセタール、ケタール、ニトリ
ル、その他のような合成物でもよい。
本明細書中においてミクロエマルジョンに適用される
「透明(clear)」という用語は、10cm以下の厚さの層
を通して観察したとき透明であるか又は半透明である製
品を示す。本発明の化粧及びパーソナルケア製品は45FT
U未満の濁り度を有するのが好ましく、35FTU未満の濁り
度を有するのがより好ましい。濁り度は標準的濁り光度
計(standard turbidity photometer)を使用して測定
され、米国標準ファーメイズ濁り度単位(American Sta
ndard Farmaze Turbidity Units)(FTU)で表される。
この値が高いほど、溶液はより濁っている。
以下の実施例は本発明を説明するためのものである
が、本発明にこれらによって限定されるものではない。
実施例1 同じ香料の2つのサンプルを製造したが、一方は10%
w/wの標準的希釈ジエチルフタレートを含み、他方はそ
の代わりに10%w/wのモノオクチルシトレートを含んで
いた。各香料を標準的シャンプーベース(shampoo bas
e)に添加し、濁り光度計を使用して濁り度を測定し
た。結果を以下に示す。
実施例2 同じ低アルコールアフターシェーブローション(low
alcohol aftershave)の2つのサンプルを以下の組成に
従って製造したが、一方は3%w/wのモノオクチルシト
レートを含み、他方は3%w/wの追加の水を含んでい
た。濁り光度計を使用してアフターシェーブローション
の濁り度を測定した。結果を以下に示す。
実施例3 同じトーナー(toner)の2つのサンプルを以下の組
成に従って製造したが、一方は3%w/wのモノオクチル
シトレートを含み、他方は3%w/wの追加の水を含んで
いた。濁り光度計を使用してトーナーの濁り度を測定し
た。結果を以下に示す。
実施例4 同じ美顔用パック(face mask)の2つのサンプルを
以下の組成に従って製造したが、一方は3%w/wのモノ
オクチルシトレートを含み、他方は3%w/wの追加の水
を含んでいた。濁り光度計を使用して美顔用パックの濁
り度を測定した。結果を以下に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャノウセク、アンジェラ 英国、シーティー2・7エルエス、カン タベリー、オフ・ガイルズ・レーン、ウ ッドランズ・ウェイ 5エイ、ジュニパ ー・ハウス (72)発明者 クライン、エリック オーストリア、グラーツ、エガズドル フ・エイ‐8063、ピュアクスタール 167 (72)発明者 ワトキンス、スティーブン、デイビッド 英国、ティーエヌ25・4ディーエイ、ケ ント、エヌアール・アシュフォード、チ ャロック、キルン・クロゥス 7 (56)参考文献 米国特許5049699(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性相、疎水性液体、及び7〜10個の炭素
    原子のアルキル基を有するモノアルキルシトレートを含
    む透明なo/wミクロエマルジョンから成る、化粧、パー
    ソナルケア及び家庭用製品。
  2. 【請求項2】モノアルキルシトレートの量がエマルジョ
    ン全体の0.01〜30%w/wである、請求項1の化粧、パー
    ソナルケア及び家庭用製品。
  3. 【請求項3】疎水性液体部分が50%w/w以上の香料を含
    む、請求項1又は2の化粧、パーソナルケア及び家庭用
    製品。
  4. 【請求項4】ミクロエマルジョンが45FTU未満の濁り度
    を有する、請求項3の化粧、パーソナルケア及び家庭用
    製品。
  5. 【請求項5】モノアルキルシトレートがモノオクチルシ
    トレートである、請求項1乃至4のいずれか1請求項の
    化粧、パーソナルケア及び家庭用製品。
  6. 【請求項6】1種以上の疎水性液体及び7〜10個の炭素
    原子のアルキル基を有するモノアルキルシトレートから
    成る、化粧、パーソナルケア及び家庭用製品中での使用
    に適する混合物。
  7. 【請求項7】モノアルキルシトレートの量が0.5〜95%w
    /wである、請求項6の混合物。
  8. 【請求項8】疎水性液体部分が50%w/w以上の香料を含
    む、請求項6又は7の混合物。
  9. 【請求項9】モノアルキルシトレートがモノオクチルシ
    トレートである、請求項6乃至8のいずれか1請求項の
    混合物。
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EP92310222 1992-11-09
EP92310222.2 1992-11-09
PCT/EP1993/002883 WO1994010970A1 (en) 1992-11-09 1993-10-19 Solubilizing agents

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JPH08502982A JPH08502982A (ja) 1996-04-02
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EP (1) EP0666733B1 (ja)
JP (1) JP2895234B2 (ja)
AT (1) ATE156703T1 (ja)
AU (1) AU5178193A (ja)
DE (1) DE69313127T2 (ja)
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EP0666733A1 (en) 1995-08-16
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