JP2895214B2 - 陰画処理感光性印刷版の製作方法 - Google Patents

陰画処理感光性印刷版の製作方法

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JP2895214B2 JP2320519A JP32051990A JP2895214B2 JP 2895214 B2 JP2895214 B2 JP 2895214B2 JP 2320519 A JP2320519 A JP 2320519A JP 32051990 A JP32051990 A JP 32051990A JP 2895214 B2 JP2895214 B2 JP 2895214B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、陰画処理感光性化合物、および水には不溶
だが水性アルカリには可溶な重合性結合剤を含み、溶剤
混合物に溶解させた陰画処理感光性混合物を基材に塗布
し、続いて得られた層を乾燥させる、陰画処理感光性平
版印刷版の製作方法に関する。
平版印刷版の製作においては、細片の形で搬送される
感光性混合物を基材に連続的に塗布する。この被覆した
基材を乾燥させ、均一な厚さを有する薄いフィルムを形
成する。したがって、溶剤または溶剤の混合物は、塗布
した後、均一に乾燥し、良好な表面仕上げ(表面化粧)
を示す、すなわち、「フィッシュアイ」、析出物、およ
び「曇り」を抑える必要がある。さらに、溶剤または溶
剤混合物は、大量の残留物を残さずに蒸発できなければ
ならない。
好適な溶剤または溶剤混合物の必要条件は、混合物の
乾燥時間が短いことだけではなく、基材に塗布する前の
溶液の特性によっても限定される。このために、すべて
の層成分が、必要な濃度で理想的に溶解できることが最
も重要である。さらに、溶剤または溶剤混合物は、一定
期間−好ましくは数日間−分解、沈殿、および縮合反応
を起こさない、溶液の安定性を確保しなければならな
い。さらに、安価に入手でき、毒性もできるだけ低くな
ければならない。
DE−A 2,034,655(=US−A3,790,385)は陰画処理感
光性複写材料用の溶剤混合物を提案しているが、これ
は、そこに記載されている実施例によれば、エチレング
リコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランおよ
び酢酸ブチルからなる、すなわち、これらの溶剤のすべ
てが140℃以下の沸点を有する。しかし、その様な溶剤
混合物を含む陰画処理感光性混合物は耐性が低い、すな
わち僅か数時間後に沈殿および分解が起こることが分か
っている。その上塗布および乾燥特性があまり良くない
ことも分かっている。
DE−A 3,627,585は、感光性ジアゾニウム樹脂および
水性アルカリに可溶な高分子量結合剤が、沸点の異なる
複数の異なった溶剤に溶解し得る、陰画処理感光性混合
物を原料とする予め増感した平版印刷版の製作方法を記
載している。これらの溶剤の混合物も記載されている。
特に、溶剤の混合物は、EP−A0,184,804および0,152,
819(=US−A 4,631,245)(2−メトキシエタノールと
テトラヒドロフラン)およびEP−A 0,031,481(酢酸ブ
チル、2−メトキシエタノールおよびテトラヒドロフラ
ン)に記載されている。
DE−A 3,807,406(=GB−A 2,204,707)は、1−メト
キシ−2−プロパノール、乳酸メチルおよびメチルエチ
ルケトンからなる、陰画処理感光性平版印刷版用の溶剤
混合物を記載している。これらの低沸点溶剤には、高沸
点溶剤を2%まで加えることができる。しかし、上記の
溶剤混合物では、均質な溶液を得ることができず、固体
の一部が不溶のまま後に残る。
結局、先行技術では、非常に希釈した層成分の溶液し
か得られず、そのため、すべての層成分を溶解するに
は、極めて大量の溶剤が必要になる。また、溶剤混合物
により形成した層は、乾燥工程で層の沈殿、層の欠陥お
よび曇った外観を生じる。
本発明の目的は、上記の欠点が無い、陰画処理感光性
平版印刷版の製作方法を提供することである。
この目的は、前文に記載した種類の方法であって、溶
剤として、2重量%を超える、少なくとも一つのジエチ
レングリコールのモノエーテルと、沸点が200℃未満の
一つ以上の有機溶剤との混合物を使用することを特徴と
する方法により達成される。
本発明の溶剤混合物には、先行技術の欠点がない。反
対に、本発明の溶剤混合物は、望ましい高濃度の、安定
した感光性溶液を与え、層成分が早期に沈殿すること無
く、均一に乾燥し、これまで達成できなかった様な均質
な表面を形成し、感光性、現像能力および印刷工程にお
ける無着色性に関して均一な特性を有する平版印刷版を
製作することができる。
ジエチレングリコールのモノアルキルエーテル、特に
モノ(C1−C4)アルキルエーテルが好ましい。これらの
中で、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレング
リコールモノプロピルエーテル、およびジエチレングリ
コールモノブチルエーテルを挙げることができる。上記
のモノアルキルエーテルは、沸点が200℃を超えてい
る。
本発明により使用する混合物の、その他の溶剤とし
て、沸点が200℃未満の低沸点有機溶剤を使用する。特
に、これらの低沸点溶剤は、50〜150℃、好ましくは50
〜100℃の沸点を有する。これらの溶剤は、アセトン、
2−ブタノン、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メトキ
シエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−
メトキシ−1−プロパノール、アミルアルコール、テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、トルエン、ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエ
ーテル、2−メチルフラン、シクロヘキサノン、メチル
イソブチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソ
プロピルケトン、メチルブチルケトン、ギ酸エチル、ギ
酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド、γ−ブチロラクトンおよびジアセトンアルコ
ールからなる溶剤グループから選択した一つ以上の溶剤
である。
高沸点モノアルキルエーテルの中で、ジエチレングリ
コールのモノ(C1−C4)アルキルエーテルが特に好まし
い。
低沸点溶剤の中では、特に沸点が200℃未満の、テト
ラヒドロフラン、2−ブタノンおよびエタノールを挙げ
るべきである。
特に好ましいのは、ジエチレングリコールのモノエー
テルの種類の溶剤と、200℃未満の低沸点を有する一つ
以上の溶剤との混合物である。ジエチレングリコールの
高沸点モノエーテルは、溶剤混合物の総重量に対して、
2重量%を超える、特に10重量%を超える、ただし好ま
しくは50重量%未満の濃度で存在する。特に、ジエチレ
ングリコールの高沸点モノエーテルの、低沸点溶剤に対
する混合比は、1:1〜0.2:1、好ましくは1:1〜0.4:1(重
量比)である。
好適な感光性混合物の層組成は、かなり以前なら公知
である。ここでは、DE−A2,034,654(=GB−A1,358,92
3)およびEP−A0,152,819だけを代表として挙げてお
く。
本発明に係わる方法では、ジアゾニウム塩重縮合生成
物、すなわち、縮合性芳香族ジアゾニウム塩、例えばジ
フェニルアミン−4−ジアゾニウム塩とアルデヒド、好
ましくはホルムアルデヒドとの縮合生成物を感光性化合
物として使用する。ジアゾニウム塩単位に加えて、縮合
性化合物に由来する他の非感光性単位、特に芳香族アミ
ン、フェノール、フェノールエーテル、芳香族チオエー
テル、芳香族炭化水素、芳香族複素環化合物および有機
酸アミドを含む共縮合生成物を使用するのが特に有利で
ある。これらの縮合生成物は、DE−A 2,024,244に記載
されている。DE−A 2,739,774に記載されているジアゾ
ニウム塩重縮合生成物もすべて好適である。
ジアゾニウム塩単位A−N2Xは、好ましくは式(R8−R
9−)pR10−N2Xの化合物から誘導されるが、ここでXは
ジアゾニウム化合物の陰イオンであり、pは1〜3の整
数であり、R8は、活性カルボニル化合物と縮合できる少
なくとも一つの位置を含む芳香族基であり、R10はフェ
ニレン基であり、 R9は単結合または基 −(CH2)q−NR11−、 −O−(CH2)r−NR11−、 −S−(CH2)r−NR11−、 −S−CH2CO−NR11−、 −O−R12−O−、 −O−、 −S−、または −CO−NR11− の一つであり、ここで qは0〜5の数であり、 rは2〜5の数であり、 R11は水素、1〜5個の炭素原子を含むアルキル基、7
〜12個の炭素原子を含むアラルキル基、あるいは6〜12
個の炭素原子を含むアリール基であり、 R12は6〜12個の炭素原子を含むアリーレン基である。
現像剤で現像できる混合物は、一般に、5〜90、好ま
しくは10〜70重量%のジアゾニウム化合物を含む。
本発明に関わる感光性混合物を安定化するには、それ
に酸の性質を有する化合物を加えるのが有利である。鉱
酸および強有機酸が適しているが、これらの中でリン
酸、硫酸、過塩素酸、ホウ酸あるいはp−トルエンスル
ホン酸が好ましい。特に適した酸はリン酸である。
この混合物には、さらに可塑剤、密着促進剤、染料、
顔料、および発色剤を加えることもできる。
これらの添加剤の性質および量は、感光性混合物の用
途により異なる。これに関して、添加する物質が架橋に
必要な活性線を過度に吸収し、それによって実際の感光
性が低下することが絶対にないようにする必要がある。
本発明で使用する感光性混合物は、さらに、コントラ
スト剤として、並びに層強化剤として作用できる染料お
よび/または顔料を含むことができる。好適な染料は、
例えば、US−A 3,218,167および3,884,693に記載されて
いる。特に好適なのは、例えば、ビクトリアピュアブル
ーFGA、レノールブルーB2G−H(C.I.74160)、クリス
タルバイオレットまたはローダミン6GDN(C.I.45160)
である。露出後の画像コントラストを増加させるには、
メタニルイエロー(C.I.13065)、メチルオレンジ(C.
I.13025)またはフェニルアゾジフェニルアミンを使用
できる。
分子内に少なくとも一つの光酸化性基およびできれば
少なくとも一つのウレタン基を含む重合性化合物を使用
することもできる。その様なモノマーは、DE−A 3,710,
279、3,710,281および3,710,282に記載されている。
以前の独国特許出願P 3825836.6およびP 3832032.0に
記載され、光酸化性基を含む化合物も使用できる。
光反応開始剤として数多くの物質を使用することがで
きる。その例としては、ベンゾフェノン、アセトフェノ
ン、ベンゾイン、ベンジル、ベンジルモノケタール、フ
ルオレノン、チオキサントン、多核キノン、アクリジン
およびキナゾリンの親物質から誘導される物質、および
トリクロロメチル−s−トリアジン、2−ハロメチル−
5−ビニル1,3,4−オキサジアゾール誘導体、トリクロ
ロメチル基で置換したハロオキサゾール、またはDE−A
3,333,450に記載されているような、トリハロメチル基
を含むカルボニルメチレン複素環式化合物がある。
好ましい光反応開始剤は、DE−A 3,710,281および3,7
10,282に記載されているような、光還元性染料を、特に
照明に当てることによって開裂し得るトリハロメチル化
合物と組合わせた、できれば光反応開始剤として活性の
あるアクリジン、フェナジンまたはキノキサリン化合物
と組合わせたものである。
重合開始剤の総量は、一般的に0.05〜20、好ましくは
0.1〜10重量%である。
意図する用途および望ましい特性に応じて、光重合性
層は、添加剤として各種の物質を含むことができる。そ
の例としては、モノマーの熱重合を防ぐ防止剤、水素供
与体、染料、着色または無色顔料、発色剤、指示薬、可
塑剤および連鎖移動剤がある。これらの成分は、反応開
始過程にとって重要な、活性線照射における吸収ができ
るだけ低くなる様に選択するのが好ましい。
本発明に係わる現像剤は、ジアゾニウム塩重縮合およ
び光重合性化合物の両方を含む陰画処理、感光性層の現
像にも適している。
使用できる結合剤の例としては、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、アルキル基が例えばメチ
ル、エチル、n−ブチル、i−ブチル、n−ヘキシルま
たは2−エチルヘキシルであるポリ(メタ)アクリル酸
アルキル、該(メタ)アクリル酸アルキルと少なくとも
一つのモノマー、例えばアクリロニトリル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、スチレン、またはブタジエンとの
共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/アクリロニト
リル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/
アクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリ
ル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン
/スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリメチルスチレ
ン、ポリアミド(例えばナイロン−6)、ポリウレタ
ン、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセ
ルロース、ポリビニルホルマールおよびポリビニルブチ
ラールがある。
特に好適な結合剤は、水に不溶で、有機溶剤に可溶
で、アルカリ水溶液に可溶もしくは少なくとも膨潤し得
る結合剤である。
特に、カルボキシル基を含む結合剤としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸および/またはクロトン酸の様
なそれらの不飽和同族体の共重合体、無水マレイン酸ま
たはその半エステルの共重合体、水酸基を含む重合体と
無水ジカルボン酸との反応生成物およびそれらの混合物
を上げることができる。
さらに、H−酸基を有し、活性イソシアネートと完全
に、または部分的に反応した重合体の反応生成物、例え
ば水酸基を含む重合体と脂肪族または芳香族スルホニル
イソシアネートまたはホスフィン酸イソシアネートとの
反応生成物が好適である。
さらに、十分な数の遊離OH基を含む、またはアルカリ
水溶液に溶解できるように変性してある水酸基を含む重
合体、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの
共重合体、アリルアルコールの共重合体、ビニルアルコ
ールの共重合体、ポリウレタンまたはエポキシ樹脂の様
なポリエステル、あるいは芳香族基と結合した水酸基を
有する重合体、例えば縮合性カルボニル化合物、特にホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはアセトンとフ
ェノールとの縮合生成物、またはヒドロキシスチレンの
共重合体が好適である。最後に、(メタ)アクリルアミ
ドと(メタ)アクリル酸アルキルとの共重合体も使用で
きる。
上記の重合体は、分子量が500〜200,000以上、好まし
くは1,000〜100,000であり、酸価が10〜250、好ましく
は20〜200、あるいはヒドロキシル価が50〜750、好まし
くは100〜500である場合に特に好適である。
アルカリに可溶な好ましい結合剤としては、(メタ)
アクリル酸と、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)
アクリロニトリル、等との共重合体、クロトン酸と、
(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリロニトリ
ル、等との共重合体、酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸
アルキルとの共重合体、無水マレイン酸と、所望により
置換したスチレン、不飽和炭化水素、不飽和エーテルま
たはエステルとの共重合体、ムスイマレイン酸の共重合
体のエステル化生成物、水酸基を含む重合体とジ−また
はポリカルボン酸無水物とのエステル化生成物、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル
酸アルキル、(メタ)アクリロニトリル、等との共重合
体、アリルアルコールと所望により置換したスチレンと
の共重合体、ビニルアルコールと(メタ)アクリル酸ア
ルキルまたは他の重合可能な不飽和化合物との共重合
体、十分な数の遊離OH基を含むポリウレタン、エポキシ
樹脂、ポリエステル、部分的にけん化した酢酸ビニル共
重合体、遊離OH基を含むポリビニルアセタール、ヒドロ
キシスチレンと(メタ)アクリル酸アルキル、等との共
重合体、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、例えばノ
ボラックを挙げることができる。
感光性層中の結合剤の量は、一般に20〜90重量%、好
ましくは40〜80重量%である。
本発明により使用する感光性混合物を塗布する好適な
基材は、寸法安定性の高い基材が好適である。これら
は、通常、印刷版基材を含む。紙、プラスチックフィル
ム、例えばポリエチレンテレフタレートまたは酢酸セル
ロース上にラミネート処理したものを含めて、アルミニ
ウムまたはその合金、金属板、例えば鋼、亜鉛、および
銅板、およびプラスチックフィルムも好適である。特に
好ましいのは、アルミニウム基材である。
アルミニウム基材では、その表面を粗くしたものが好
ましい。当業者には公知の各種の粗粒化方法、特に機械
的、化学的、および電気分解および組み合わせ方法があ
る。続いて、硫酸、リン酸または硝酸等を使用して直流
または交流により表面を陽極酸化することができる。特
に、この様にして前処理したアルミニウム表面を、ポリ
ビニルホスホン酸で後処理する(DE−C 1,134,093、GB
−A 1,230,447)。しかし、例えば、ケイ酸塩、フルオ
ロジルコニウム酸カリウム、リンモリブデン酸塩、ポリ
アクリル酸、ホスホン酸またはフィチン酸による他の後
処理方法も可能である。特に好ましいのは、ポリビニル
スルホン酸の0.1%濃度の水溶液による後処理である。
本発明により使用する陰画処理感光性混合物は、感光
性混合物の全成分に対して、0.3〜5.0g/m2、特に0.5〜
3.5g/m2の量で基材に塗布する。この感光性混合物は、
ハニカム、バー、スプレー、カーテン、ナイフ、または
スピンコーティングなどの公知の方法により塗布する。
低温で予備乾燥することもできる。
本発明で使用する感光性複写材料は、乾燥後、活性線
に露出する。この説明の範囲内では、活性線照射とは、
そのエネルギーが少なくとも可視光線のエネルギーに匹
敵する照射を意味する。特に、可視光線および長波長UV
照射、単波長UV照射、レーザー、電子線およびX線照射
も好ましい。感光性は薬200nm〜800nmの範囲であり、非
常に広い範囲に渡っている。
本発明で使用する複写材料のスペクトル感度が広いの
で、当業者には良く知られている光源、例えば管状ラン
プ、キセノンパルスランプ、ハロゲン化金属でドーピン
グした水銀高圧ランプおよびカーボンアークランプを使
用することができる。さらに、標準的な投影および拡大
装置中で、金属フィラメントランプの光による露出およ
び通常の白熱電球による接触露出も可能である。また、
レーザーからの干渉光で露出することもできる。本発明
の目的には正しい出力を有するレーザー、特に150〜650
nmの光を発する、例えばアルゴンイオン、クリプトンイ
オン、染料、ヘリウム/カドミウムおよびヘリウム/ネ
オンレーザーが好適である。レーザー光線は、特別にプ
ログラム化したラインおよびラスタ運動により制御する
ことができる。
本発明に係わる材料の可能な用途としては、凸版印
刷、平版印刷、グラビア印刷、およびスクリーン印刷用
の平版板、エンボスコピー、例えばブレイル(brail)
文字の製作、個別複写、なめし画像、カーボン画像、等
を写真機械的に製作するための複写層を挙げることがで
きる。この混合物は、さらに、エッチングレジスト、例
えばネームプレート、およびプリント回路の写真機械的
製作、および化学的加工にも使用できる。本発明に係わ
る混合物は、平版印刷版製作およびフォトレジスト技術
用の複写層として特に重要である。
層をさらに効果的に使用するために、露出の後に後加
熱を行うことができる。現像目的には、好適な現像剤溶
液、例えば有機溶剤、好ましくは弱アルカリ性水溶液で
処理を行う。現像剤のpHは、8〜12である。現像剤溶液
は、少量の、好ましくは2重量%未満の、水と混合可能
な有機溶剤を含むことができる。
以下に、本発明の実施例を示す。これらの実施例の中
で、重量部(pbw)および体積部(pbv)は、gおよびcm
3の関係にある。百分率および量的な比率は、他に指示
が無い限り、重量の単位とする。
実施例1 50pbwの、分子量が薬70,000〜80,000で、ビニルブチ
ラール71%、酢酸ビニル2%およびビニルアルコール単
位27%を含むポリビニルブチラール、および4pbwの無水
マレイン酸を725pbwのメチルエチルケトンに加熱しなが
ら溶解する。この透明な溶液に1pbwのトリエチルアミン
を加え、この溶液を還流下で、5時間加熱する。冷却
後、この溶液を濾過し、10,000pbwの蒸留水に滴下して
加える。生じた白色の繊維状の生成物を吸引濾別し、真
空中、40℃で、重量が一定になるまで乾燥させる。
重合体の収量は52pbw(分析:C 61.9%、H 9.3%)
で、酸価が30である。
62pbwの上記の重合体、 21pbwの、85%濃度のリン酸中で、1モルの硫酸3−メ
トキシジフェニルアミン−4−ジアゾニウムおよび1モ
ルの4,4′−ビス(メトキシ)ジフェニルエーテルから
調製し、スルホン酸メシチレンとして分離したジアゾニ
ウム塩重縮合生成物、 2.5pbwの、リン酸(85%濃度)、 3pbwの、ビクトリアピュアブルーFGA(C.I.ベーシック
ブルー81)および 0.7pbwの、フェニルアゾジフェニルアミンを 1,600pbwの、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
および 1,750pbwの、テトラヒドロフラン に溶解した溶液を、水性研磨材分散物とブラシにより粗
粒化し、0.1%濃度のポリビニルホスホン酸水溶液で前
処理したアルミニウムホイルに塗布し、乾燥させる。
この様にして得られた、層の重量が0.95g/m2である複
写層を、陰原画の下で、出力5kWのハロゲン化金属ラン
プを使用して30s露出する。
この露出した層を、 5pbwのオクチル硫酸ナトリウム、 1.5pbwのメタケイ酸ナトリウム五水和物、 1pbwのリン酸三ナトリウム十二水和物、 0.5pbwのリン酸水素二ナトリウム十二水和物、および 92pbwの水 の組成の現像剤溶液で、パッドを使用して処理する。こ
の工程で、露出していない層区域はきれいに除去され、
次いで水洗し、乾燥させる。
複写では、密度範囲が0.15〜1.50で、密度勾配が0.15
の銀フィルム半階調段階くさびの第四段まで完全に被覆
されている。
この様にして得たオフセット印刷版から、自動オフセ
ット印刷機で、数千枚のきれいな印刷物が得られる。
実施例2 24pbwの、54%のアリルアルコール単位を含み、OH価
が192であるスチレンとアリルアルコールの共重合体を3
50pbwのメチルエチルケトンに溶解する。この透明な溶
液に1pbwの無水マレイン酸を加える。無水マレイン酸が
溶解した後、0.5pbwのトリエチルアミンを加え、その混
合物を還流温度で加熱する。5時間冷却した後、大体透
明な溶液を濾過し、5,000pbwの蒸留水の中に滴下して加
える。得られた白色粉末状の生成物を吸引濾別し、実施
例1と同様に乾燥させる。
重合体の収量は25pbwで、酸価は16である。
86.5pbwの上記の結合剤、 29pbwの、実施例1に記載するジアゾニウム塩重縮合生
成物 3.5pbwの、リン酸(85%濃度)、 4.3pbwの、ビクトリアピュアブルーFGAおよび 2,000pbwの、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、 2,000pbwの2−エタノールおよび 600pbwの2−ブタノン からなる塗布溶液を、硝酸中で電気化学的に粗粒化し、
次いで陽極酸化し、ポリビニルホスホン酸で後処理した
アルミニウムホイルに塗布する。乾燥重量は1.02g/m2
ある。
実施例1と同様に露出、処理する。インクの吸着が良
く、非画像区域には油性のインクが付かない印刷版が得
られる。
この印刷版を自動オフセット印刷機にかけ、数千部の
良好な印刷物が得られる。
実施例3 表面をワイヤブラシで機械的に粗くしたアルミニウム
ホイルに、20gの2,4−ビス(2′−クロロフェニル)−
5−(4″−ジエチルアミノフェニル)オキサゾールお
よび30gのスチレンと無水マレイン酸との共重合体を、2
00mlのジエチレングリコールモノメチルエーテルおよび
250mlの2−ブタノンに溶解し、この溶液に、1gのアス
トラゾンイエロー7GLL(C.I.ベーシックイエロー21)お
よび0.1gのローダミンFB(C.I.45170)を含むメタノー
ル性増感剤溶液20mlを加えた溶液を塗布する。溶剤が蒸
発した後、約5μm厚の光導電体層が得られるが、この
層を暗所でコロナを使用し、約450V負に帯電させる。こ
の帯電した光導電体層をレプロカメラ中で、各500Wのオ
ートフォトランプ8個を使用する場合は露出時間15sで
露出する。使用した原画は、青の整列線および組み込み
の黄色抜粋を備えた、標準新聞印刷張り合わせ原画であ
る。得られた帯電潜像を市販のトナーで処理した後、き
れいな、背景の無い、縁部がはっきりした原画の画像が
得られるので、これを加熱して定着させる。印刷版へ転
写するために、トナーの付いた光導電体層を備えたこの
アルミニウムホイルを、35gのメタケイ酸ナトリウム9
水和物を、140mlの20%含水グリセロール、550mlのエチ
レングリコールおよび140mlのエタノールに溶解した溶
液を含むセル中に置く。1分後、トナーの付いていない
区域で溶解した光導電体層は、水の噴流を当て、穏やか
に擦ることによって、洗い流される。この版は即使用で
きる。使用した基材のために、印刷回数は約80,000であ
る。印刷を後で行う場合には、この板は、市販の保存剤
またはゴム溶液で保護しなければならない。
実施例4 4.0pbwの、酸価が110の、メタクリル酸メチル/メタク
リル酸(82:18)の共重合体、 4.0pbwの、トリアクリル酸トリメチロールエタン、 0.07pbwの、4−ジメチルアミノ−4′−メチルジベン
ザルアセトン、 0.1pbwの、9−フェニルアクリジン、 0.1pbwの、2,4−ビストリクロロメチル−6−(4−ス
チリルフェニル)−s−トリアジン、 0.04pbwの、1,4−ジニトロ−6−クロロベンゼンジアゾ
ニウム塩および2−メトキシ−5−アセチルアミノシア
ノエチル−N−ヒドクロキシエチルアニリンからなるア
ゾ染料、24pbwの、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、 24pbwの2−エタノール、および 7.3pbwの2−ブタノン からなる溶液を、電気化学的に粗粒化し、陽極酸化硬化
した0.3mm厚のアルミニウムにスピンコーティングによ
り塗布、乾燥して、層重量2.5g/m2を得る。
乾燥後、この光重合性層に、5pbwの、K価が8で、12
%の光けん化アセチル基を有するポリビニルアルコール
を95pbwの脱イオン水に溶解した溶液で上塗りし、2.5g/
m2最上層を得る。次いで、実施例1と同様に露出する。
インクの吸着が良く、非画像区域には油性のインクが付
かない印刷版が得られる。
この印刷版を自動オフセット印刷機にかけ、数千部の
良好な印刷物が得られる。
実施例5 下記の成分から感光性層を調製する。
0.45pbwの、82%メタクリル酸メチルと18%メタクリル
酸の共重合体(酸価117)、 1.05pbwの、分子量が約70,000〜80,000で、71%のビニ
ルブチラール、2%の酢酸ビニルおよび27%のビニルア
ルコール単位を含むポリビニルブチラール、無水マレイ
ン酸、メチルエチルケトンおよびトリメチルアミンを使
用し、還流加熱により調製した重合体 0.45pbwの、実施例1のジアゾニウム塩重縮合生成物、 0.04pbwの、85%濃度リン酸、 0.09pbwの、ビクトリアピュアブルーFGA(C.I.ベーシッ
クブルー81) 1.5pbwのテトラアクリル酸/トリアクリル酸ペンタエリ
トリトール(工業用混合物)、 0.007pbwの、フェニルアゾジフェニルアミン 0.12pbwの、2−(4−スチリルフェニル)−4,6−ビス
トリクロロメチル−s−トリアジンを、 24pbwのジエチレングリコールモノエチルエーテル、 24pbwのテトラヒドロフラン、および 48pbwのブタノンに溶解する。
乾燥後の層重量は1.8g/m2である。
次いで、この板に、15%濃度のポリビニルアルコール
(12%残留アセチル基、K値4)水溶液を塗布する。乾
燥後、重量1g/m2最上層が得られる。
以下、実施例1と同様に処理する。現像した版から、
オフセット印刷機で数千部の完璧な印刷物が得られる。
比較例1 (DE−A 3,807,406の溶剤混合物) 実施例1と同様に、下記の組成の塗布溶液を調製す
る。
62pbwの、実施例1の重合体、 21pbwの、実施例1のジアゾニウム塩重縮合生成物 2.5pbwの、リン酸(85%濃度)、 3pbwの、ビクトリアピュアブルーFGAおよび 0.7pbwの、フェニルアゾジフェニルアミンを 905pbwの1−メトキシ−2−プロパノール、 1,100pbwの乳酸メチル、 1,300pbwのメチルエチルケトンおよび 45pbwのジエチレングリコール物メチルエーテルに溶
解。
実施例1と異なり、この混合物からは、長時間攪拌して
も、均質な溶液は得られなかった。固体の一部が不溶の
まま後に残る。
ここで使用した、およびDE−A 3,807,406に記載され
ている溶剤混合物は、溶剤混合物の成分に対して、高沸
点のジエチレングリコール物メチルエーテルの含有量が
2重量%未満(1.3重量%)であり、そのために、本発
明で使用する混合物と比較して明らかな欠点を示す。高
沸点溶剤の比率を高めることによってこれらの欠点を克
服できることは実に驚くべきことである。
比較例2 (DE−A 2,034,655の溶剤混合物) 実施例1と同様に、下記の組成の塗布溶液を調製す
る。
62pbwの、実施例1の重合体、 21pbwの、実施例1のジアゾニウム塩重縮合生成物 2.5pbwの、リン酸(85%濃度)、 3pbwの、ビクトリアピュアブルーFGAおよび 0.7pbwの、フェニルアゾジフェニルアミンを 2,010pbwの、エチレングリコールモノメチルエーテル 1,005pbwの、テトラヒドロフランおよび 335pbwの酢酸ブチルに溶解。
ここで使用した溶剤混合物は、DE−A 2,034,655から
公知である。実施例1の塗布溶液をここで使用する溶液
と比較すると、下記のことが分かる。
比較例2の溶液の保存寿命は、実施例1のそれよりも
著しく短い。比較例の溶液は、成分の沈殿および分解の
ために数時間しか使用できない。しかし、実施例1の溶
液は、同じ条件下で数日間使用できる。
その上、本発明で使用する溶剤混合物により、溶剤体
積に対して、より多くの固体を溶解することができる。
溶剤混合物の塗装および乾燥特性を比較すると、本発明
で使用する混合物により、本質的により均質な塗膜が得
られる。その結果、微細な半階調区域を印刷するとき
に、明らかにより良好な均質性およびより良好な印刷品
質を達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジークフリート、ニュルンベルガー ドイツ連邦共和国エルトビル‐マルチン シュタール、アム、シュタインベルク、 3 (72)発明者 ザビーネ、ピルガー ドイツ連邦共和国バハラッハ‐シュテー ク ヒンターウエーク、5 (56)参考文献 特開 平2−242253(JP,A) 特開 平3−1141(JP,A) 特開 平3−80250(JP,A) 特開 平3−141355(JP,A) 特開 平3−219248(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/004 G03F 7/021

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジアゾニウム塩と非感光性芳香族ア
    ミン、フェノール、フェノールエーテル、芳香族チオエ
    ーテル、芳香族炭化水素、芳香族複素環化合物または有
    機酸アミドとの縮合生成物を含む陰画処理感光性化合
    物、および水には不溶でありかつ水性アルカリ溶液には
    可溶な重合性結合剤を含み、溶剤混合物に溶解させた陰
    画処理感光性混合物を基材に塗布し、続いて得られた層
    を乾燥させる、陰画処理感光性平版印刷版の製作方法で
    あって、溶剤として、2重量%を超える、少なくとも一
    つのジエチレングリコールのモノエーテルと、沸点が20
    0℃未満の一つ以上の有機溶剤との混合物を使用するこ
    とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】ジエチレングリコールのモノ(C1−C4)ア
    ルキルエーテルを含むことを特徴とする、請求項1に記
    載する方法。
  3. 【請求項3】モノアルキルエーテルの沸点が200℃を超
    えることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1
    項に記載する方法。
  4. 【請求項4】低沸点有機溶剤の沸点が50〜150℃である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載
    する方法。
  5. 【請求項5】ジエチレングリコールの高沸点モノアルキ
    ルエーテルが、溶剤混合物の成分に対して、10重量%を
    超えるが、特に50重量%未満の濃度で存在することを特
    徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載する方
    法。
  6. 【請求項6】混合物中に含まれる、ジエチレングリコー
    ルのモノエーテルの、他の有機溶剤に対する重量比が、
    1:1〜0.2:1、特に1:1〜0.4:1であることを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載する方法。
  7. 【請求項7】低沸点溶剤を、アセトン、2−ブタノン、
    メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
    パノール、n−ブタノール、2−メトキシエタノール、
    1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−
    プロパノール、アミルアルコール、テトラヒドロフラ
    ン、1,4−ジオキサン、水、トルエン、ジエチルエーテ
    ル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、2−
    メチルフラン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケ
    トン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケト
    ン、メチルブチルケトン、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、
    ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、
    酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、エチレングリコール
    ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
    ル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、γ
    −ブチロラクトンおよびジアセトンアルコールからなる
    溶剤グループから選択することを特徴とする、請求項1
    〜6のいずれか1項に記載する方法。
  8. 【請求項8】陰画処理感光性混合物の乾燥層の量が0.7
    〜5g/m2、特に0.5〜3.5g/m2であることを特徴とする、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載する方法。
  9. 【請求項9】層を50〜120℃で乾燥することを特徴とす
    る、請求項1〜8のいずれか1項に記載する方法。
  10. 【請求項10】層を乾燥させた後、その層を活性線照射
    により画像に対して露出し、次いで水性アルカリ現像剤
    で現像することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか
    1項に記載する方法。
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