JP2894036B2 - 高温用サーミスタとその製造方法 - Google Patents
高温用サーミスタとその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,抵抗値と抵抗温度係数
の選択幅が広い高温用サーミスタ材料に関する。
の選択幅が広い高温用サーミスタ材料に関する。
【0002】
【従来技術】高温用サーミスタ素子は,ガス給湯器等の
ガス火炎温度,加熱炉の温度,自動車の排気ガス温度
等,600〜1300℃という高温度の測定に用いられ
ている。そして,従来,高温用サーミスタとしては,酸
化クロムと酸化アルミニウム等の粉末を焼成した焼結体
がある(特公昭56−23281号)。また,他の高温
用サーミスタとしては,酸化物系材料が主に用いられ,
その特性は抵抗値と抵抗温度係数で示される。従来ま
で,高温用サーミスタの抵抗値と抵抗温度係数の調整
は,金属と酸素の不定比性を利用するもの,異なる原子
価のイオンをドープして原子価制御するもの,また異種
原子を固溶させるもの等,半導体のエネルギーギャップ
を変化させる方法が主流であった。
ガス火炎温度,加熱炉の温度,自動車の排気ガス温度
等,600〜1300℃という高温度の測定に用いられ
ている。そして,従来,高温用サーミスタとしては,酸
化クロムと酸化アルミニウム等の粉末を焼成した焼結体
がある(特公昭56−23281号)。また,他の高温
用サーミスタとしては,酸化物系材料が主に用いられ,
その特性は抵抗値と抵抗温度係数で示される。従来ま
で,高温用サーミスタの抵抗値と抵抗温度係数の調整
は,金属と酸素の不定比性を利用するもの,異なる原子
価のイオンをドープして原子価制御するもの,また異種
原子を固溶させるもの等,半導体のエネルギーギャップ
を変化させる方法が主流であった。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記方法では
エネルギーギャップを調整するため,抵抗値と抵抗温度
係数が比例関係となることが多く,抵抗値が大きければ
抵抗温度係数も大,抵抗値が小さければ抵抗温度係数も
小となる。そのため,抵抗値と抵抗温度係数の選択の自
由度が少なく,温度センサ設計において問題を生じるこ
とが多い。本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,抵抗
値と抵抗温度係数の選択の幅が広い高温用サーミスタ材
料を提供しようとするものである。
エネルギーギャップを調整するため,抵抗値と抵抗温度
係数が比例関係となることが多く,抵抗値が大きければ
抵抗温度係数も大,抵抗値が小さければ抵抗温度係数も
小となる。そのため,抵抗値と抵抗温度係数の選択の自
由度が少なく,温度センサ設計において問題を生じるこ
とが多い。本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,抵抗
値と抵抗温度係数の選択の幅が広い高温用サーミスタ材
料を提供しようとするものである。
【0004】
【課題の解決手段】本発明は、(Mn・Cr)O 4 又は
YCrO 3 の少なくともどちらか一方の焼結体よりなる
高温用サーミスタにある。 また、その製造方法として
は、Cr 2 O 3 とMnO 2 とを仮焼して得られた(Mn・
Cr)O 4 と、Cr 2 O 3 とY 2 O 3 とを仮焼して得られた
YCrO 3 とを焼成することによって高温用サーミスタ
となす方法 (Mn・Cr)O 4 とCr 2 O 3 とY 2 O 3 とを
焼成することによって高温用サーミスタとなす方法 YC
rO 3 とCr 2 O 3 とMnO 2 とを焼成することによって
高温用サーミスタとなす方法 Cr 2 O 3 とMnO 2 とY 2 O
3 とを焼成することによって高温用サーミスタとなす方
法がある。
YCrO 3 の少なくともどちらか一方の焼結体よりなる
高温用サーミスタにある。 また、その製造方法として
は、Cr 2 O 3 とMnO 2 とを仮焼して得られた(Mn・
Cr)O 4 と、Cr 2 O 3 とY 2 O 3 とを仮焼して得られた
YCrO 3 とを焼成することによって高温用サーミスタ
となす方法 (Mn・Cr)O 4 とCr 2 O 3 とY 2 O 3 とを
焼成することによって高温用サーミスタとなす方法 YC
rO 3 とCr 2 O 3 とMnO 2 とを焼成することによって
高温用サーミスタとなす方法 Cr 2 O 3 とMnO 2 とY 2 O
3 とを焼成することによって高温用サーミスタとなす方
法がある。
【0005】本発明において,(Mn・Cr)O4 は,
Mn1.5 Cr1.5 O4 ,Mn1.5+xCr1.5-xO4 (但
し,0<x<1.5)などのスピネル型の結晶構造を有
する化合物である。この中,Mn1.5 Cr1.5O4 は,
750℃の比抵抗が約240(Ω・cm),抵抗温度係
数が約12500(k)という高抵抗値,高抵抗温度係
数のサーミスタ特性を有する。そして,例えば1300
℃,100時間の炉内放置試験でも抵抗変化率は少な
く,高温耐久性に優れている。また,上記Mn1.5 Cr
1.5 O4 は,Cr2 O3 とMnO2をCrとMnの比が
1:1になるように配合し,例えば1100〜1300
℃で仮焼し,その後粉砕を行うことにより得られる。
Mn1.5 Cr1.5 O4 ,Mn1.5+xCr1.5-xO4 (但
し,0<x<1.5)などのスピネル型の結晶構造を有
する化合物である。この中,Mn1.5 Cr1.5O4 は,
750℃の比抵抗が約240(Ω・cm),抵抗温度係
数が約12500(k)という高抵抗値,高抵抗温度係
数のサーミスタ特性を有する。そして,例えば1300
℃,100時間の炉内放置試験でも抵抗変化率は少な
く,高温耐久性に優れている。また,上記Mn1.5 Cr
1.5 O4 は,Cr2 O3 とMnO2をCrとMnの比が
1:1になるように配合し,例えば1100〜1300
℃で仮焼し,その後粉砕を行うことにより得られる。
【0006】また,YCrO3 は,ペロブスカイト型の
結晶構造を有する化合物で750℃の比抵抗が約0.9
(Ω・cm),抵抗温度係数が約1560(k)という
低抵抗値,低抵抗温度係数のサーミスタ特性を有する。
また,(Mn・Cr)O4 と同様に高温耐久性に優れて
いる。YCrO3 は,Cr2 O3 とY2 O3 をCrとY
の比が1:1になるように配合し,好ましくは1100
〜1300℃で仮焼した後に,粉砕を行うことにより得
られる。
結晶構造を有する化合物で750℃の比抵抗が約0.9
(Ω・cm),抵抗温度係数が約1560(k)という
低抵抗値,低抵抗温度係数のサーミスタ特性を有する。
また,(Mn・Cr)O4 と同様に高温耐久性に優れて
いる。YCrO3 は,Cr2 O3 とY2 O3 をCrとY
の比が1:1になるように配合し,好ましくは1100
〜1300℃で仮焼した後に,粉砕を行うことにより得
られる。
【0007】上記サーミスタ材料を製造する方法として
は,例えば,上記(Mn・Cr)O4 とYCrO3 を所
望の抵抗値と抵抗温度係数になるように所定量配合し,
湿式混合後,有機バインダを添加し,造粒を行い,サー
ミスタ原料とする。その後,金型プレス等にて成形し,
1500〜1650℃で1〜4時間焼成し,サーミスタ
素子とする。
は,例えば,上記(Mn・Cr)O4 とYCrO3 を所
望の抵抗値と抵抗温度係数になるように所定量配合し,
湿式混合後,有機バインダを添加し,造粒を行い,サー
ミスタ原料とする。その後,金型プレス等にて成形し,
1500〜1650℃で1〜4時間焼成し,サーミスタ
素子とする。
【0008】なお,該焼成時に1500〜1650℃の
範囲で液相となる,SiO2 ・CaOおよびその化合物
であるCaSiO3 等の焼結助剤を用いることもでき
る。これにより,1500〜1600℃における焼結温
度の調整が容易となる。また,焼結体内に占める絶縁体
の体積が増加するため,若干の抵抗調整が可能となる。
そして,サーミスタ素子は,焼成後,必要に応じて,例
えば1000〜1200℃で,30〜50時間程度エー
ジングを行うことが好ましい。なお,サーミスタ素子に
おいては,上記原料が互いに反応することなく,2種類
の粒子が混在した焼結体となっている。また,本発明に
おいて(Mn・Cr)O4 は,YCrO3 との全混合物
中に33〜100未満モル%含有されていることが好ま
しい。33モル%未満では,サーミスタ定数が低下し,
温度検出精度が低下するおそれがあり,100モル%を
越えると所期の目的を達成できないおそれがある。該サ
ーミスタ素子は,図4に示すごとく,一般的な高温セン
サアッシィに組み込み,温度センサとする。
範囲で液相となる,SiO2 ・CaOおよびその化合物
であるCaSiO3 等の焼結助剤を用いることもでき
る。これにより,1500〜1600℃における焼結温
度の調整が容易となる。また,焼結体内に占める絶縁体
の体積が増加するため,若干の抵抗調整が可能となる。
そして,サーミスタ素子は,焼成後,必要に応じて,例
えば1000〜1200℃で,30〜50時間程度エー
ジングを行うことが好ましい。なお,サーミスタ素子に
おいては,上記原料が互いに反応することなく,2種類
の粒子が混在した焼結体となっている。また,本発明に
おいて(Mn・Cr)O4 は,YCrO3 との全混合物
中に33〜100未満モル%含有されていることが好ま
しい。33モル%未満では,サーミスタ定数が低下し,
温度検出精度が低下するおそれがあり,100モル%を
越えると所期の目的を達成できないおそれがある。該サ
ーミスタ素子は,図4に示すごとく,一般的な高温セン
サアッシィに組み込み,温度センサとする。
【0009】
【作用及び効果】本発明の高温用サーミスタ材料は,上
記のごとく高抵抗値,高抵抗温度係数を示す(Mn・C
r)O4 と,低抵抗値,低抵抗温度係数を示すYCrO
3 の混合物質の焼結体よりなる。そのため,両者を適宜
混合,焼成することにより,抵抗値及び抵抗温度係数を
広い範囲で種々に変化させた,種々の高温用サーミスタ
材料を得ることができる。それ故,本発明によれば,抵
抗値と抵抗温度係数の選択の幅が広い,高温用サーミス
タ材料を提供することができる。
記のごとく高抵抗値,高抵抗温度係数を示す(Mn・C
r)O4 と,低抵抗値,低抵抗温度係数を示すYCrO
3 の混合物質の焼結体よりなる。そのため,両者を適宜
混合,焼成することにより,抵抗値及び抵抗温度係数を
広い範囲で種々に変化させた,種々の高温用サーミスタ
材料を得ることができる。それ故,本発明によれば,抵
抗値と抵抗温度係数の選択の幅が広い,高温用サーミス
タ材料を提供することができる。
【0010】
【実施例】実施例1 本発明にかかる種々の高温用サーミスタ材料を製造し
た。次いで,該材料を用いてサーミスタ素子を作製し,
その特性を測定した。上記サーミスタ材料を製造するに
当たっては,まずCr2 O3 とMnO2 とをCrとMn
のモル比が1:1になるように配合し,1100〜13
00℃で仮焼後,粉砕を行いMn1.5 Cr1.5 O4 スピ
ネルの粉末を得た。また,同様にして,Cr2 O3 とY
2 O3 とをCrとYのモル比が1:1になるように配合
し,1100〜1300℃で仮焼後,粉砕を行いYCr
O3 粉末を得た。
た。次いで,該材料を用いてサーミスタ素子を作製し,
その特性を測定した。上記サーミスタ材料を製造するに
当たっては,まずCr2 O3 とMnO2 とをCrとMn
のモル比が1:1になるように配合し,1100〜13
00℃で仮焼後,粉砕を行いMn1.5 Cr1.5 O4 スピ
ネルの粉末を得た。また,同様にして,Cr2 O3 とY
2 O3 とをCrとYのモル比が1:1になるように配合
し,1100〜1300℃で仮焼後,粉砕を行いYCr
O3 粉末を得た。
【0011】このMn1.5 Cr1.5 O4 とYCrO3 と
を,表1に示す種々の割合で混合し(モル%),湿式混
合後,有機バインダーを0.5重量%添加し,造粒を行
い,サーミスタ原料とした。この原料を,図3に示した
形状に乾式の金型プレスにて成形し,1500〜165
0℃で1〜4時間焼成し,サーミスタ素子1とした。図
3は,上記原料の粉末成形体101に電極11,12を
組み付けた状態の焼成前の側面図である。また,焼成
後,1100℃で40時間エージングを行った。次に,
このサーミスタ素子1を,図4及び図5に示すごとく,
一般的な高温センサアッシィに組み込み温度センサとし
た。
を,表1に示す種々の割合で混合し(モル%),湿式混
合後,有機バインダーを0.5重量%添加し,造粒を行
い,サーミスタ原料とした。この原料を,図3に示した
形状に乾式の金型プレスにて成形し,1500〜165
0℃で1〜4時間焼成し,サーミスタ素子1とした。図
3は,上記原料の粉末成形体101に電極11,12を
組み付けた状態の焼成前の側面図である。また,焼成
後,1100℃で40時間エージングを行った。次に,
このサーミスタ素子1を,図4及び図5に示すごとく,
一般的な高温センサアッシィに組み込み温度センサとし
た。
【0012】図4及び図5は,該温度センサの具体的構
造を示すものである。本サーミスタ素子1は,上記粉末
成形体101を焼成して得られたサーミスタ材料成形体
10と電極11,12とからなる。そして,該サーミス
タ素子1は,図4に示すごとく,筒状の金属ケース2内
に配置する。また,電極11は金属製のパイプ3によっ
てマイナスターミナル31に接続されている。また,電
極12は,パイプ3の内部に通したプラスターミナル3
2に接続されている。パイプ3の内部には絶縁剤として
マグネシア35の粉末が緊密に充填されている。
造を示すものである。本サーミスタ素子1は,上記粉末
成形体101を焼成して得られたサーミスタ材料成形体
10と電極11,12とからなる。そして,該サーミス
タ素子1は,図4に示すごとく,筒状の金属ケース2内
に配置する。また,電極11は金属製のパイプ3によっ
てマイナスターミナル31に接続されている。また,電
極12は,パイプ3の内部に通したプラスターミナル3
2に接続されている。パイプ3の内部には絶縁剤として
マグネシア35の粉末が緊密に充填されている。
【0013】以下に,上記サーミスタ素子の特性測定結
果を,表1及び図1,図2において説明する。図1及び
表1は,この温度センサの代表的な特性評価として,7
50℃における比抵抗と,600〜750℃における抵
抗温度係数を示す。図1の横軸はMn1.5 Cr1.5 O4
とYCrO3 との合計量中のYCrO3 の配合量(モル
%)を示し,縦軸は比抵抗と抵抗温度係数を示してい
る。
果を,表1及び図1,図2において説明する。図1及び
表1は,この温度センサの代表的な特性評価として,7
50℃における比抵抗と,600〜750℃における抵
抗温度係数を示す。図1の横軸はMn1.5 Cr1.5 O4
とYCrO3 との合計量中のYCrO3 の配合量(モル
%)を示し,縦軸は比抵抗と抵抗温度係数を示してい
る。
【0014】同図より知られるごとく,YCrO3 1
3.3モル%,Mn1.5 Cr1.5 O4 86.7モル%の
ときに,比抵抗703(Ω・cm),抵抗温度係数14
100(k)という高値を示し,以後YCrO3 の含有
量を増加させると,比抵抗と抵抗温度係数は低下する。
このように,Mn1.5 Cr1.5 O4 とYCrO3 との含
有率を変えることにより,比抵抗0.9〜703(Ω・
cm),抵抗温度係数1560〜14100(k)と広
い範囲で,抵抗値と抵抗温度係数を変化させることがで
きる。
3.3モル%,Mn1.5 Cr1.5 O4 86.7モル%の
ときに,比抵抗703(Ω・cm),抵抗温度係数14
100(k)という高値を示し,以後YCrO3 の含有
量を増加させると,比抵抗と抵抗温度係数は低下する。
このように,Mn1.5 Cr1.5 O4 とYCrO3 との含
有率を変えることにより,比抵抗0.9〜703(Ω・
cm),抵抗温度係数1560〜14100(k)と広
い範囲で,抵抗値と抵抗温度係数を変化させることがで
きる。
【0015】図2は,上記サーミスタ素子の1300℃
炉内放置における,耐久試験結果を示す。横軸に耐久時
間(時間),縦軸に抵抗変化率(%)を示す。ここに,
試料は,100モル%Mn1.5 Cr1.5 O4 ,67モル
%Mn1.5 Cr1.5 O4 と33モル%YCrO3 の混合
体,そして100モル%YCrO3 の3種を選んだ。同
図より知られるごとく,1300℃の高温下に長時間放
置しても,抵抗変化率は±10%以下と少なく,良好な
耐久性を有することが確認された。従って,本発明によ
れば,1300℃程度の高温における高温耐久性に優
れ,また,抵抗値と抵抗温度係数の選択の幅の広い,良
好なサーミスタ素子を提供することができる。
炉内放置における,耐久試験結果を示す。横軸に耐久時
間(時間),縦軸に抵抗変化率(%)を示す。ここに,
試料は,100モル%Mn1.5 Cr1.5 O4 ,67モル
%Mn1.5 Cr1.5 O4 と33モル%YCrO3 の混合
体,そして100モル%YCrO3 の3種を選んだ。同
図より知られるごとく,1300℃の高温下に長時間放
置しても,抵抗変化率は±10%以下と少なく,良好な
耐久性を有することが確認された。従って,本発明によ
れば,1300℃程度の高温における高温耐久性に優
れ,また,抵抗値と抵抗温度係数の選択の幅の広い,良
好なサーミスタ素子を提供することができる。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 実施例1では,サーミスタ原料としてMnO2 とCr2
O3 を仮焼して精製されるMn1.5 Cr1.5 O4 と,C
r2 O3 とY2 O3を仮焼して生成されるYCrO3 を
用いたが,本例ではこの両者もしくは,どちらか一方に
ついて仮焼工程を行わなかった。その他は,実施例1と
同様に焼成を行いサーミスタ材料を得た。その結果,該
サーミスタ材料の特性は実施例1と同様であった。
O3 を仮焼して精製されるMn1.5 Cr1.5 O4 と,C
r2 O3 とY2 O3を仮焼して生成されるYCrO3 を
用いたが,本例ではこの両者もしくは,どちらか一方に
ついて仮焼工程を行わなかった。その他は,実施例1と
同様に焼成を行いサーミスタ材料を得た。その結果,該
サーミスタ材料の特性は実施例1と同様であった。
【0018】つまり,MnO2 ,Cr2 O3 ,Y2 O3
の配合量を,焼成後におけるMn1.5 Cr1.5 O4 とY
CrO3 との比が所望量となるよう配合した。そして,
1500〜1650℃の焼成を行った。これにより,内
部で各々の反応がおこり,仮焼工程を行わない場合で
も,最終的な生成物及び特性は,仮焼工程を行った場合
と差がないことを確認した。
の配合量を,焼成後におけるMn1.5 Cr1.5 O4 とY
CrO3 との比が所望量となるよう配合した。そして,
1500〜1650℃の焼成を行った。これにより,内
部で各々の反応がおこり,仮焼工程を行わない場合で
も,最終的な生成物及び特性は,仮焼工程を行った場合
と差がないことを確認した。
【0019】実施例3 Mn1.5 Cr1.5 O4 とYCrO3 との混合粉末に,1
500〜1650℃の範囲で液相となるSiO2 ・Ca
O及びその化合物であるCaSiO3 等の焼結助剤を添
加した。そして,焼成を行った。該焼結助剤を添加する
ことにより,焼結温度の調整が可能となり,1500〜
1650℃の範囲で焼結温度の任意選択が可能となっ
た。また,焼結助剤を添加することにより,焼結体内に
しめる絶縁体の体積が増加するため,若干の抵抗調整が
可能となった。
500〜1650℃の範囲で液相となるSiO2 ・Ca
O及びその化合物であるCaSiO3 等の焼結助剤を添
加した。そして,焼成を行った。該焼結助剤を添加する
ことにより,焼結温度の調整が可能となり,1500〜
1650℃の範囲で焼結温度の任意選択が可能となっ
た。また,焼結助剤を添加することにより,焼結体内に
しめる絶縁体の体積が増加するため,若干の抵抗調整が
可能となった。
【図1】Mn1.5 Cr1.5 O4 とYCrO3 の配合比が
比抵抗と抵抗温度係数に与える影響を示す線図。
比抵抗と抵抗温度係数に与える影響を示す線図。
【図2】1300℃炉内放置耐久試験の結果を示す線
図。
図。
【図3】焼成前のサーミスタ成形体の側面図。
【図4】温度センサの断面図。
【図5】図4のA−A線矢視断面図。
1...サーミスタ素子, 11,12...電極, 2...金属ケース,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−104305(JP,A) 特開 昭62−263606(JP,A) 特開 平3−42801(JP,A) 特開 昭51−23691(JP,A) 特開 昭62−25403(JP,A) 特開 昭61−113211(JP,A) 特開 昭62−108502(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01C 7/02 - 7/22
Claims (5)
- 【請求項1】 (Mn・Cr)O 4 又はYCrO 3 の少
なくともどちらか一方の焼結体よりなることを特徴とす
る高温用サーミスタ。 - 【請求項2】 Cr 2 O 3 とMnO 2 とを仮焼して得られ
た(Mn・Cr)O 4 と、Cr 2 O 3 とY 2 O 3 とを仮焼し
て得られたYCrO 3 とを焼成することによって高温用
サーミスタとなす高温用サーミスタの製造方法。 - 【請求項3】 (Mn・Cr)O 4 とCr 2 O 3 とY 2 O 3
とを焼成することによって高温用サーミスタとなす高温
用サーミスタの製造方法。 - 【請求項4】 YCrO 3 とCr 2 O 3 とMnO 2 とを焼
成することによって高温用サーミスタとなす高温用サー
ミスタの製造方法。 - 【請求項5】 Cr 2 O 3 とMnO 2 とY 2 O 3 とを焼成す
ることによって高温用サーミスタとなす高温用サーミス
タの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24448391A JP2894036B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 高温用サーミスタとその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24448391A JP2894036B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 高温用サーミスタとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0562805A JPH0562805A (ja) | 1993-03-12 |
JP2894036B2 true JP2894036B2 (ja) | 1999-05-24 |
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ID=17119342
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24448391A Expired - Fee Related JP2894036B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 高温用サーミスタとその製造方法 |
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JP (1) | JP2894036B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5879750A (en) * | 1996-03-29 | 1999-03-09 | Denso Corporation | Method for manufacturing thermistor materials and thermistors |
US6143207A (en) * | 1996-09-18 | 2000-11-07 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Wide-range thermistor material and method for producing it |
US6261480B1 (en) | 1997-03-19 | 2001-07-17 | Denso Corporation | Wide-range type thermistor element and method of producing the same |
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KR100436980B1 (ko) * | 2002-01-29 | 2004-06-23 | 대한민국(전남대학교총장) | 박막형 ntc 써미스터 제조방법 |
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