JP2892690B2 - イオンビーム加工方法及びその装置 - Google Patents

イオンビーム加工方法及びその装置

Info

Publication number
JP2892690B2
JP2892690B2 JP17790889A JP17790889A JP2892690B2 JP 2892690 B2 JP2892690 B2 JP 2892690B2 JP 17790889 A JP17790889 A JP 17790889A JP 17790889 A JP17790889 A JP 17790889A JP 2892690 B2 JP2892690 B2 JP 2892690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion beam
data
processing
scan
semiconductor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17790889A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0344031A (ja
Inventor
文和 伊藤
朗 嶋瀬
聡 原市
貴彦 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP17790889A priority Critical patent/JP2892690B2/ja
Publication of JPH0344031A publication Critical patent/JPH0344031A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2892690B2 publication Critical patent/JP2892690B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はイオンビーム加工方法及びその装置に係り、
被加工物として特にVLSI等の半導体装置を加工するに好
敵なイオンビーム加工方法及びその装置に関する。
〔従来の技術〕
従来のイオンビーム加工装置としては、V.S.P.No.4,5
03,329,U.S.P.No.4,609,809,U.S.P.No.4,683,378、等が
知られている。このようにイオンビーム加工装置として
は、マスクリペア装置、ウエハリペア装置として用いら
れてきたが、従来の一般的な加工方法は、単純な矩形走
査による直方体状の加工を行なうものであった。
また2段階加工を行なった例としては、「フォーカス
ト イオンビーム マイクロサーグリイ フォ エレク
トロニクス」シー アール ムツシル:アイトリプルイ
ー エレクトロン、デバイス レターズ、イデーエル
ク.5 1986年5月(“Foused Ion Beam Microsurgery fo
r Electronics" C.R.MUSIL:IEEE ELECTRON DEUICE LET
TERS EDL7.5.MAY,1986)のFiglがあるが、これは上下配
線の接続をねらったものであり、上下配線短絡防止とは
正反対の効果を生じさせたものである。
発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術においては、下層配線をとりだすために
イオンビームによって穴加工を施す際、上層配線と下層
配線とが短絡してしまい、LSIの配線加工の歩留りか低
下するという課題を有していた。
またFIBでLSIを加工した例は、ジャーナル バキュー
ム サイエンス アンド テクノロジーB4(1)1986年
1月/2月(J.Vac.Sci.Techuol.)P.176〜P.180に記載さ
れている。
上記従来のFIBによるLSI等の段差部分を含む被加工物
の段差部の加工において、段差が加工形状に影響を与
え、加工穴底に傾斜または凹凸を生じさせる。この底面
の傾きおよび凹凸は加工深さの設定のマージンを縮小
し、加工歩留りを低下させる課題を有していた。
本発明の目的は、上記従来技術に鑑みて、イオンビー
ムによって穴加工する際、穴の底部になだらかな段差を
作って上下層の配線の短絡を防止するようにしたイオン
ビーム加工方法及びその装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、イオン
源から引き出して集束させたイオンビームを多層配線を
有する半導体素子の表面に照射して走査することにより
半導体素子を加工する加工方法において、半導体素子の
加工対象領域の加工すべき断面形状の形状データを作成
し、この作成した形状データに対応する加工形状を得る
べくイオンビームの照射・走査を制御するための制御デ
ータを作成し、この作成した制御データに基いてイオン
ビームを半導体素子の表面に照射して走査することによ
り半導体素子の加工対象領域を加工することを特徴とす
るイオンビーム加工方法とした。
そして、この形状データが、半導体素子の上層配線の
うねりに対応した断面形状のデータであることを特徴と
する。
また、集束させたイオンビームを半導体素子の表面に
照射して走査することが、集束させたイオンビームをド
ット照射してデジタルスキャンすることであり、制御デ
ータが、ドット照射するイオンビームの照射時間または
ドット密度を制御するデータであることを特徴とする。
また、本発明は、上記目的を達成するために、イオン
ビーム加工装置を、イオン源と、このイオン源から引き
出したイオンビームを集束させて試料に照射して走査さ
せるイオンビーム光学系と、試料の加工対象領域の加工
すべき断面形状の形状データを作成する形状データ作成
手段と、この形状データ作成手段で作成した形状データ
に対応する加工形状を得るべくイオンビームの照射・走
査を制御するための制御データを作成する制御データ作
成手段と、この制御データ作成手段で作成した制御デー
タに基いてイオンビーム光学系を制御してイオンビーム
により試料の加工対象領域の加工を行う制御手段とを備
えて構成した。
そして、イオンビーム光学系は、集束させたイオンビ
ームを試料にドット照射してデジタルスキャンし、制御
データ作成手段で作成する制御データが、ドット照射す
るイオンビームの照射時間またはドット密度を制御する
データであることを特徴とする。
〔作用〕
多層配線を有する半導体素子において、うねりを有す
る上層配線に対して該うねりに相応した底形状を有する
第1の穴加工をその下の下層配線との間にある中間絶縁
層のところでとめることができ、その結果下層配線に対
して第2の穴加工をした際上層配線と下層配線とが短絡
するのが防止され、多層配線LSIの配線加工の歩留りを
向上させることができる。
〔実施例〕
まず、本発明の原理について図面を用いて説明する。
即ち第2図に示すように、集束イオンビーム6によるVL
SI等の加工において、多層配線の上層2を通して下層4
を加工する際に、再付着物5により、上層と下層の配線
が短絡することが重要な問題となっている。
そこで第3図(a),(b)に示すように2段加工で
上下層の短絡を防止する方法が考えられる。この方法で
は、配線2,配線4が第3図のように平坦な場合は、層間
絶縁膜により、短絡が防止される。しかし、第4図
(a)に示すように下層配線4のパターンのため上層配
線2にうねりが生じている場合は、第4図(b),
(c)に示すように1段目の加工穴8の底面に上層配線
2が残ってしまう。このため2段目の加工9を行う時に
側壁に再付着する配線材5により、下層配線4と上層配
線2が短絡してしまい、切断歩留りが良くない。
このためには第5図に示すように上層配線に応じた段
差を作らねばならない。第5図では一段目加工8を行っ
た後、上層配線2が残っている両サイドに追加工8aを行
っている。上層配線2のうねりが小さい場合はこの方法
でよく、一段目加工8と一部追加工8aを行った状態で加
工穴の底面全てに層間絶縁膜がかぶる。しかし第5図の
ように上層配線2のうねりが大きい場合は、どうしても
上層配線残り8bが生じてしまう。
前述のような配線切断の目的以外にも、集束イオンビ
ームで幅広い上層配線をはがし、下層配線の状態を光学
顕微鏡で見るニーズがある。この場合にも下層配線パタ
ーンのために上層配線がうねっており、これをきれいに
加工除去するためにはうねりに対応した加工が要求され
る。
そこで、本発明においては、第6図に示すように、部
分スキャンをわずかに行った時の深さd1の段差が、次の
全面スキャンにより右方へ進行する。これは第2図に示
すように平面(入射角0°)よりも斜面の方がイオンビ
ームによるスパッタが早くすすむからである。
この段差の右方向への進む量は、全面スキャンの深さ
d2に比例する。従って部分スキャンと全面スキャンを交
互に繰返すことにより、段差の深さはd1の繰返し回数倍
で、段差の傾きはd1とd2の比により定まる。このように
下層配線等のうねりに合せた底面を有する穴をイオンビ
ーム(エネルギビーム)によってスパッタ加工すること
ができ上下配線等の短絡を防止することができ、LSI配
線の歩留りの向上をはかることができる。
次に本発明の実施例を第1図及び第8図〜第13図に基
いて説明する。
即ち第1図は本発明を実施するイオンビーム加工装置
の概略構成を示す図である。ところでイオンビーム加工
装置において、スキヤンの方法と、得られる加工形状の
関係は、IC等の試料への加工特性,集束イオンビームの
径やプロファイルなどにより決められる。従ってこの加
工を行うためには、実験結果やシミュレーション結果か
ら得られたスキャンコントロールデータを、FIB(Focus
sed Ion Beam)加工装置に入力する必要がある。
第1図において、スキャンコントロールデータを作成
するプロセッサ34により、スキャンコントロールデータ
32が作成される。このデータ32は、例えばとして0か
ら12μm迄を10回スキャンし、次いでとして0から3
μm迄と9から12μm迄を6回スキャンし、とを12
回繰返す、というものである。FIB加工装置は、集束イ
オンビーム鏡筒11を有し、この内に液体金属イオン源等
で形成された高輝度イオン源12と、該高輝度イオン源12
から高輝度イオンビームを引出す引出し電極13と、該引
出し電極13から引出された高輝度イオンビームの中央を
取り出すアパーチャ14と、高輝度イオンビームを集束さ
せる静電レンズ(荷電粒子光学系)15と、集束イオンビ
ーム径を変えるために様々な大きさの開口を有するアパ
ーチャ40と、集束イオンビームを照射したり、停止した
りするためのアパーチャ17及びブランキング電極16と、
集束イオンビームを偏向させて半導体素子23上で走査す
るビーム偏向電極18とを有するものである。更に半導体
素子23の表面から発生する2次粒子を検出する2次粒子
検出器19が設けられている。半導体素子23を載置したス
テージ21はX−Y方向に移動できるように構成されてい
る。排気系22はステージ21が設けられた試料室41内を真
空雰囲気に排気するためのものである。一方メインコン
トローラ24は、高輝度イオン源及び引出し電極用の電源
25と、荷電粒子光学系15及びブランキング電極16を制御
する集束・ブランクコントローラ26と、ビーム偏向電極
18を制御するスキャンコントローラ27と、2次粒子検出
器19から得られる信号をディスプレイ上に表示して半導
体素子の表面の凹凸を観察するための2次粒子検出コン
トローラ28と、ステージ21を移動制御するステージコン
トローラ29と、排気系22を制御する排気系コントローラ
30等を有している。本発明に最も関係するスキャンコン
トロールデータ32は、入力装置31よりスキャンコントロ
ーラ27に入力される。入力装置31は、例えば、キーボー
ド,フロッピドライバ,カセットテープリーダ,データ
通信用インタフェース等で構成することができる。
スキャンコントロールデータ作成プロセッサ34は、加
工形状計算用データ(スパンタ率データ35、再付着計算
用データ36、ビーム特性データ37)から加工形状の進行
状態を計算し、例えば第4図に示すように半導体素子の
上層配線2のうねりに相応した目標形状データ38に一致
するようにスキャンコントロールデータ32を作成する
か、又は加工形状計算用データ(部分スキャンと全体ス
キャンとの堀込み比率a:bにすると段差の角度がいくつ
になるかといった実験データ39、即ち部分スキヤンと全
体スキヤンとの堀込み比率と段差の角度との関係デー
タ)をもとに、例えば第4図に示すように半導体素子の
上層配線2のうねりに相応した目標形状データ38に一致
するようにスキャンコントロールデータ15を作成する。
このようにプロセッサ34によって作成されたスキャン
コントロールデータ32によってイオンビーム加工される
断面形状の一例について第8図をもとづいて説明する。
即ちスキャン1〜6において、奇数スキャンは全面スキ
ヤンでそれぞれ0.5μm堀り込み、偶数スキャンは部分
スキャンでそれぞれ0.5μm堀り込んだ例である。部分
スキャン2で堀込んだ左側と右側の段差には、全面スキ
ャン3によりそれぞれ右側、左側へ進行する。その後、
再び部分スキャン4を行うとスキャン2で堀込んだ位置
と同じ位置に堀込みが行われる。
これを繰返すと、部分スキャンにより作られた段差が
全面スキヤンにより次々と左又は右方向へ進行していく
ので、結果として滑らかな斜面を持つ段差をもつ穴が出
来る。
次に第9図〜第11図について説明する。これらの段差
は1つだけ作るイオンビーム加工例を示したもので、全
面スキャンと部分スキャンの堀込み量の比を変えること
により段差の斜面の角度を変えることができる。
第9図は部分スキャンの堀込み量a=0.5μm,全面ス
キャンの堀込み量b=0.5μm,すなわち、a:b=1:1の場
合である。部分スキャンと全面スキャンを繰返すことに
より段差の斜面の傾き角度45°が得られる。
第10図はa:b=2:1の例である。斜面の傾き角は約60°
となる。すなわち部分スキャンの堀込み量を大きくする
ことにより、急な傾き角を得ることが出来る。
第11図はa:b=1:2の例である。斜面の傾き角は約30°
となる。すなわち部分スキャンの堀込み量を小さくする
ことにより、緩かな傾き角を得ることができる。
第9図〜第11図では説明の簡単化のため傾き角をそれ
ぞれ45°,60°,30°とした。しかしこの傾き角は本来、
被加工物のスパッタ率の入射角度依存データ,被加工物
のスパッタされた粒子の飛散方向の角度分布データ,イ
オンビームのエネルギ,イオンビームの電流密度分布,
スキャン方法により変化するものである。我々は実験に
より、この値を決定している。
次に前記プロセッサ34を用いると第14図のような加工
方法が容易に得られる。すなわち第10図に示すように深
さ3μmの穴で深い部分がこれより1.5μm深い4.5μm
深さである穴がほしいが、段差の傾き角は30°ではなく
第9図に示すような45°でありたい場合である。この場
合は第9図の知見(a:b=1:1の時、傾き角が45°とな
る)を基に、第14図に示すようにあらかじめ全面を2μ
m堀り込んでおいた上で、a=0.5μm,b=0.5μmの加
工を2.5回繰返すという解が得られる。
あらかじめ一様な深さに加工しておくことを行った
後、本発明のなだらかな段差を作る加工を実施すること
で、任意の深さ,段差,傾き角をもつ加工が可能とな
る。
また本発明のまた他の実施例として、第15図に示すよ
うに加工面をx方向とy方向にそれぞれ3つずつ計9つ
に分割し、ドーズ量を変えて繰返す方法を示す。第16図
(a)に示すように加工面の左右両端の実線で囲んだ部
分を深さaだけ堀込み、次に(b)に示すように中央部
を横に長く実線で囲んだ部分を深さbだけ堀込み、更に
(c)に示すように加工面全面を深さcだけ堀込む。こ
のa→b→cを順次繰返すことにより、第9図に示した
ように、段差が進行することで滑かな斜面を持つ底面が
形成されていく。この結果、第17図に示すような鞍形の
底面を得ることができる。堀込み量a,b,cを調整するこ
とによりx方向,y方向の斜面の角度や深さの差を変える
ことができる。
第12図は本発明の他のコントロールデータ32の形態を
示した図である。第9図に示した実施例では部分スキャ
ンを深さaに達する迄複数回行い、全面スキャンを深さ
bに達する迄複数回行い、これを繰返し行っている。こ
の複数回のスキャンを極限迄小さくすることを考える
と、全面スキャンの中で、部分的にドーズ密度を高くす
るという方法に致る。第12図(a)はこの具体的方法と
して、部分的にスキャンピッチを密にしたものである。
スキャンピッチが密なところでは、ドーズ密度が高くな
るのでより深い加工が施される。このようなスキャンピ
ッチを部分的に変えた全面スキャンを繰返していくと、
第9図と同様に段差が左又は右へ進行し、なだらかな段
差が作られる。第9図での堀込み量の比a:bは、本実施
例ではスキャンピッチの密度比でおきかえられる。第12
図(b)はスキャンの速度を部分的に変えることによ
り、ドーズ密度を部分的に変えて全面スキャンを繰返す
例である。
第13図は、全面スキャンの中で部分的にドーズ密度を
高くする具体的方法として、ドット照射における照射時
間(dwell time)やドット密度を変えて全面スキャンを
繰返したものである。デジタル・スキャン方式の装置に
おいては、この方法が容易に行える。黒い大きな点が長
い照射時間を、小さな点が短い照射時間を表わしてい
る。ドーズ密度は第13図に示す如く加工穴の左,右端で
高くなるので、第19図や第13図の実施例と同様な段差進
行が得られる。第9図の堀込み量の比a:bは、本実施例
では、ドット照射時間の比あるいは、ドットの密度の比
でおきかえられる。
以上説明したようにプロセッサ34によって作成された
様々な形態のスキャンコントロールデータ32は入力装置
31に入力される。
そこでまずVLSI等の多層の半導体素子の表面に凹凸を
有する場合、スキャンコントローラ27でドーズ量を小さ
くして加工されない状態にして2次粒子検出器19で半導
体素子の表面から発生する2次粒子を検出し、2次粒子
検出コントローラ28においてそれをディスプレイ上に表
示し、第4図に示すように上層配線2を除去すべき領域
について位置決めをすると共にイオンビーム走査座標を
設定する。もし半導体素子の表面に凹凸がない場合に
は、半導体素子の表面に付された基準マーク(例えば凹
凸を有する十字マーク)を上記と同様に2次粒子検出器
19で検出し、この基準マークと第4図に示すように上層
配線2の除去すべき領域までの距離データ(例えば設計
データ又は光学顕微鏡によって測定されたデータ)にも
とづいて半導体素子を搭載したステージ21を移動させて
集束イオンビームの光軸に上層配線2の除去すべき領域
を位置決めする。
その後ドーズ量を切換えて加工できる状態にし、入力
装置31に入力されたコントロールデータ32に基いてスキ
ャンコントローラ27及び集束・ブランクコントローラ26
はビーム偏向電極18及びブランキング電極16を制御して
12μmの幅でもって10回全面スキャンし、次に両側3μ
mの幅でもって6回部分スキャンし、これらを12回繰返
すことにより、第9図に示すように部分スキャンで出来
た段差部を全面スキャンによっておい込んで、第4図に
示すようにうねりのある上層配線2に配線残り10をなく
して層間絶縁膜3まで集束イオンビームによる第1段目
の穴9の加工をすることができる。このようにして最終
目的である下層配線4が集束イオンビームによって加工
できるように、上層配線3が配線残り10なく第1段目の
穴9の加工ができる。
その後、前記したように半導体素子の下層配線4に対
し、設計データ又は光顕像から位置決めを行う。次にス
キャンコントローラ27によりドーズ量を増大し、更にス
キャン幅を下層配線4に相応した狭い幅に切換えて、集
束イオンビームを加工したい下層配線部に照射すること
により第3図(b)に示す第2段目の穴9の加工を施す
ことができ下層配線を切断することができる。その際、
第2段目の穴9の側壁に導電体5が再付着するが、上層
配線2と下層配線4とが短絡することが防止される。
次にスキャンコントロールデータ32の決定方法につい
て具体的に説明する。
即ち加工断面形状のシュミレーションについて第18図
に基いて説明する。
(1)ビームプロファイルデータ46の入力 ナイフエッジ法で測定したビームプロファイルデータ
をシミュレーションプログラムの中へ読み込む。
ところでビームプロファイルの測定は、ナイフエッジ
法と呼ばれる方法が一般的である。第19図(a)のよう
に、鋭いエッジを持つS1の劈解片43等を横切るように集
束イオンビームを走査させ、エッジ上面から放出する2
次粒子46を2次粒子コントローラ28で検出すると、第19
図(b)に示すような波形が得られる。これはイオンビ
ーム電流を積分したカーブで、これを微分すると第19図
(c)に示すイオンビームプロファイルデータ46が得ら
れる。
(2)加工条件設定47 例えば、第5図に示すように上層配線のうねりに合せ
た目標断面形状に合せて全面スキャン幅Waと、1度にす
る全面スキャン回数Na,全面スキャン位置に対する部分
スキャン幅Wpと、1度にする部分スキャン回数Np,全面
スキャンと部分スキャンとの繰返し回数R,並びにイオン
ビーム走査速度等のイオンビーム走査条件を仮りに設定
する。
(3)初期設定47 加工対象側の形状初期設定を行なう。内部に例えばア
ルミ配線がある時はその領域を指定し、その領域中では
スパッタ率等の材質データをアルミの値とする様、材質
データテーブルを用意する。また、内部構造および成膜
プロセスに従って表面の段差形状を設定する。
(4)イオンビーム特性データ37のシミュレーション
(イオンビーム電流密度分割)イオンビーム特性データ
37としてイオンビームプロファイルが影響する。そこで
イオンビームプロファイルを例えば(1)ビームプロフ
ァイルデータ入力で説明したように3次元的に把握して
おくことが望ましい。まずイオンビーム特性データ37の
シュミレーションについて第20図及び第21図にもとづい
て説明する。即ち、イオンビーム電流密度分割について
説明する。
分割の前にここで、座標系を説明しておく。第20図が
シミュレーションに用いている座標系である。ビームの
走査方向をy方向とし、走査線の進行方向をx方向とし
ている。イオンビームの電流密度分布(プロファイル)
ZB=f(xB,yB)をガウス形を仮定し、半値巾をイオン
ビーム径とする。シュミレーションの基本は、ストリン
グモデルで、加工の進行を加工面上に割り振った節点の
移動で追跡する。即ち加工の進行方向Z方向でシュミレ
ーションはZX平面を−y方向から観察している形で公式
化している。表面の形状はzx平面内のラインで表わし、
その上に節点Pn(n=1,2,3,…)を設定していく。例え
ば、節点PiとPi+1間の巾dx内に入っているビームプロフ
ァイル内の電流がPi−Pi+1間に入射する。即ち節点Pi
Pi+1の間にはイオンビーム電流密度分布ZBをdxの厚さに
スライスした部位に含まれるイオン量が単位時間当りに
照射される。ここで初期形状設定では、第21図の様に節
点間距離をdl0と一定にしている。このため、節点が斜
面上にある場合には斜面の傾き角をφとするとdx=dl0c
osφの巾で、その時のビームの存在する位置でプロファ
イルの一部を切り出し、その中に含まれるイオン数を計
算する。シミュレーションが進むに従い節点間距離と傾
き角は変化していくが同じ原理でビーム電流密度を分割
する。
(5)スパッタ率データ35のシミュレーション(スパッ
タ加工過程計算)第22図にもとづいて説明する。即ち節
点PiとPi+1の間に入射するイオン数(量)51をmiとす
る。第22図(b)の様にスパッタ率には入射角依存性が
あるため、入射角θに対応してPi‐Pi+1間から射出され
るスパッタ原子の数ni=η(θ)×miと計算でき、この
数に従って削り取られるスパッタ体積VSが求まる。これ
をPi‐Pi+1間距離dlで割って、節点のスパッタ加工によ
る移動量dhsが求められる。この操作を1本の走査線に
関する全節点に対して行なった後、新しい節点位置を定
め、スパッタ加工過程を終える。
(6)再付着計算用データ36のシュミレーション(デポ
ジション過程計算)第23図にもとづいて説明する。即
ち、 イオンビーム加工では、スパッタ加工と同時にスパッ
タされた原子が加工穴壁面に付着する再付着現象も進行
する。節点Pi−Pi+1間からスパッタされた原子は第23図
の様に一定の射出中心角φのまわりに、回転楕円体分布
すると仮定する。射出中心角φはこのシミュレーション
プログラムとは別にイオンビームの入射後の散乱過程を
モンテカルロ法でシミュレーションするプログラムで予
め求めておく。ここで、Zsが射出中心方向,XsがZsに垂
直な軸である。今、Pi−Pi+1間からPj−Pj+1間に飛来す
る原子の数は、PiとPi+1の中心OsからPjへの見込み角α
とPj+1への見込み角βの間にはさまれた回転楕円体の体
積を求め、それの全体積に対する割合にスパッタ原子数
niをかけて求められる。この飛来原子数に対応した体積
VdをPj−Pj+1間の距離ljで割り、テポジション過程によ
る節点の移動量dhrを計算する。
(7)加工後断面形状設定 各節点について移動量dhi=dhs−dhrを求め、次の節
点を設定する。今は第24図に示す様に各節点の移動ベク
トルの和の2分の1の位置を次の節点位置53としてい
る。
(8)目標断面形状への到達 イオンビーム加工では、全面スキャン・部分スキャン
を繰り返して加工を進めるが、シミュレーションでは、
1面走査後ごとに加工深さ、及び断面形状を求める。当
節設定した目標断面形状を得るべく、目標断面形状の加
工深さに到達しているかどうかを、全面スキャン・部分
スキャンを繰返していきながら判断して、到達していな
ければ最後の全面スキャンの所定回数のシミュレーショ
ンに入いる。しかし、目標断面形状が最後のシミュレー
ション結果で適合しない場合には、例えば全面スキャン
回数と部分スキャン回数比率を変えるべく、加工条件設
定47を変更し、その後のシミュレーションを繰返して行
い目標の断面形状が得られた場合、次の処理に移行す
る。
(9)ドーズ量決定 目標断面形状が得られた点のドーズ量(スキャンコン
トロールデータ32)をシミュレーションしたパターンの
最適なドーズ量(スキャンコントロールデータ32)とし
て定める。この値を入力装置31へ送り出し、このシミュ
レーション処理を終了し、次のパターンのシミュレーシ
ョンを開始する。
正式なシミュレーションは上記の様に進めるが、この
方式では一本の走査ごとにシミュレーションを進めるた
め計算時間が長くかかる。速い走査速度で加工する場合
には、1本の走査線ごとの加工深さが浅く、イオンの入
射角がほとんど0でスパッタ率の入射角依存性は無視で
き、射出方向もほぼ垂直方向のため、1走査線ごとの加
工形状は問題とならず、走査線を全面スキレンと部分ス
キャンとに分けてイオンを入射させて計算を進める事も
可能となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、加工穴の底面に
段差を作る場合に、上層配線のなだらかな曲面に合わせ
てなだらかな段差が得られるので、上下層配線の短絡が
防止され、多層配線LSIの配線加工の歩留りが向上する
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るイオンビーム加工装置の一実施例
を示した概略構成図、第2図は集束イオンビーム照射に
よる多層の半導体素子への同じ穴径で除去加工をし、再
付着による短絡状態を示した図、第3図(a)は大電流
集束イオンビーム照射によって多層の半導体素子の上層
配線のみ広い穴の除去加工した場合を示した図、第3図
(b)は第2図(a)に示す加工を行った後小電流集束
イオンビーム照射によって下層配線に対して狭い穴の除
去加工をした場合を示した図、第4図(a),(b),
(c)は上層配線にうねりを有する多層の半導体素子
へ、第3図に示す方法と同じ方法で集束イオンビームを
照射して除去加工し、上層配線の加工残りと再付着現象
とにより下層配線と上層配線とが短絡するのを説明する
ための図、第5図は集束イオンビームによって大口径穴
加工と一部追加工によって生じる上層配線の加工残りを
示した図、第6図は本発明の原理である集束イオンビー
ムによる部分スキャン後全面スキャンした場合、段差が
進行することを示した図、第7図は本発明に係るイオン
入射角とスパッタ率との関係を示した図、第8図は本発
明の原理である集束イオンビームによる全面スキャン・
部分スキャンを繰返して形成される断面形状の推移を示
した図、第9図乃至第11図は本発明の原理である集束イ
オンビームによる全面スキャンと部分スキャンとの堀込
み量を変えた場合の断面形状を示した図、第12図はスキ
ャン密度、スキャン速度を部分的に変えることを繰返し
て目標の断面形状の穴を加工する実施例を示した図、第
13図はドーズ密度を部分的に変えることを繰返して目標
断面形状の穴を加工する実施例を示した図、第14図はあ
る深さまで全面スキャンを行った後、全面スキャン、部
分スキャンを繰返して形成された穴の断面形状を示した
図、第15図は加工面を分割してドーズ量を変えて繰返す
実施例を示した図、第16図は全面堀込み、部分堀込みを
形状を示した図、第17図は第16図に示す堀込み形状を繰
返し、所望の断面形状を有する穴を集束イオンビームに
よって形成する実施例を示した図、第18図はプロセッサ
によってスキャンコントロールデータを作成する一例の
フローを示した図、第19図はビームプロファイルデータ
作成方法を示す図、第20図はイオンビーム特性データ
(ビーム電流密度分割)を説明するための図、第21図は
段差を有するものに対するビーム電流密度を示す図、第
22図はスパッタ加工過程計算を説明するための図、第23
図はデポジション過程計算を説明するための図、第24図
は加工が進行した後の節点の決め方を説明するための
図、第25図はビームプロファイルに対する走査幅を変え
た場合の断面形状を示した図、第26図は集束電圧とビー
ムプロファイルとの関係を示した図、第27図はジヤスト
フォーカス電圧からのずれと加工深さとの関係を示した
図である。 2…上層配線、3…層間絶縁膜、8…一段目加工穴、11
…集束イオンビーム鏡筒、12…高輝度イオン源、15…静
電レンズ、16…ブランキング電極、18…ビーム偏向電
極、23…試料(半導体素子)、24…メインコントロー
ラ、26…集束・ブランクコントローラ、27…スキャンコ
ントローラ、31…入力装置、32…スキャンコントロール
データ、34…加工形状算出・スキャンコントロールデー
タ決定、35…スパッタ率データ、36…再付着計算用デー
タ、37…ビーム特性データ、38…目標形状データ、39…
実験データ。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 貴彦 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日 立製作所デバイス開発センタ内 (56)参考文献 特許2569139(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/302 H01L 21/3205 H01L 21/3213 H01L 21/768

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン源から引き出して集束させたイオン
    ビームを多層配線を有する半導体素子の表面に照射して
    走査することにより前記半導体素子を加工する加工方法
    であって、前記半導体素子の加工対象領域の加工すべき
    断面形状の形状データを作成し、該作成した形状データ
    に対応する加工形状を得るべく前記イオンビームの照射
    ・走査を制御するための制御データを作成し、該作成し
    た制御データに基いて前記イオンビームを前記半導体素
    子の表面に照射して走査することにより前記半導体素子
    の加工対象領域を加工することを特徴とするイオンビー
    ム加工方法。
  2. 【請求項2】前記形状データが、前記半導体素子の上層
    配線のうねりに対応した断面形状のデータであることを
    特徴とする請求項1記載のイオンビーム加工方法。
  3. 【請求項3】前記集束させたイオンビームを前記半導体
    素子の表面に照射して走査することが、集束させたイオ
    ンビームをドット照射してデジタルスキャンすることで
    あり、前記制御データが、前記ドット照射するイオンビ
    ームの照射時間またはドット密度を制御するデータであ
    ることを特徴とする請求項1記載のイオンビーム加工方
    法。
  4. 【請求項4】イオン源と、該イオン源から引き出したイ
    オンビームを集束させて試料に照射して走査させるイオ
    ンビーム光学系と、前記試料の加工対象領域の加工すべ
    き断面形状の形状データを作成する形状データ作成手段
    と、該形状データ作成手段で作成した形状データに対応
    する加工形状を得るべく前記イオンビームの照射・走査
    を制御するための制御データを作成する制御データ作成
    手段と、該制御データ作成手段で作成した制御データに
    基いて前記イオンビーム光学系を制御して前記イオンビ
    ームにより前記試料の加工対象領域の加工を行う制御手
    段とを備えたことを特徴とするイオンビーム加工装置。
  5. 【請求項5】前記イオンビーム光学系は、集束させたイ
    オンビームを試料にドット照射してデジタルスキャン
    し、前記制御データ作成手段で作成する制御データが、
    前記ドット照射するイオンビームの照射時間またはドッ
    ト密度を制御するデータであることを特徴とする請求項
    4記載のイオンビーム加工装置。
JP17790889A 1989-07-12 1989-07-12 イオンビーム加工方法及びその装置 Expired - Fee Related JP2892690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17790889A JP2892690B2 (ja) 1989-07-12 1989-07-12 イオンビーム加工方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17790889A JP2892690B2 (ja) 1989-07-12 1989-07-12 イオンビーム加工方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0344031A JPH0344031A (ja) 1991-02-25
JP2892690B2 true JP2892690B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=16039166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17790889A Expired - Fee Related JP2892690B2 (ja) 1989-07-12 1989-07-12 イオンビーム加工方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2892690B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014153304A (ja) * 2013-02-13 2014-08-25 Toshiba Corp 試料加工方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4491278B2 (ja) * 2004-05-25 2010-06-30 富士通株式会社 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法および形状シミュレーションプログラム
JP5247013B2 (ja) * 2006-08-01 2013-07-24 キヤノン株式会社 イオンビーム加工方法および装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014153304A (ja) * 2013-02-13 2014-08-25 Toshiba Corp 試料加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0344031A (ja) 1991-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2569139B2 (ja) イオンビーム加工方法
US11315756B2 (en) Fiducial design for tilted or glancing mill operations with a charged particle beam
JP4181561B2 (ja) 半導体加工方法および加工装置
JP2020061553A (ja) プリント回路配線の修復
US5943588A (en) Method of manufacturing and using alignment marks
KR20180132546A (ko) 평면 뷰 라멜라 제조를 위한 면상 기체-보조된 에칭
JP3117960B2 (ja) 集束イオンビーム加工方法及び装置
JP2892690B2 (ja) イオンビーム加工方法及びその装置
JP3036506B2 (ja) 電子ビーム露光装置用一括アパチャの製造方法
JP3132938B2 (ja) 断面加工観察用荷電ビーム装置および加工方法
JP5949257B2 (ja) 配線加工方法
JPH0463433A (ja) 半導体素子の配線装置およびそれを用いた配線方法
JP2708451B2 (ja) エネルギビームを用いた加工方法
JP3018041B2 (ja) イオンビーム加工装置
JP3074375B2 (ja) 集束イオンビーム加工装置および集束イオンビーム加工方法
JPH07105321B2 (ja) イオンビ−ム加工方法およびその装置
JP2531690B2 (ja) 配線薄膜パタ―ンの形成方法及びその装置
JP2735192B2 (ja) エネルギービーム加工方法及びその装置
JP2887407B2 (ja) 集束イオンビームによる試料観察方法
JPH0691054B2 (ja) イオンビーム加工方法及びその装置
JPH01140742A (ja) イオンビーム加工方法
JP2708560B2 (ja) 半導体装置への接続配線形成方法
JPH0261954A (ja) イオンビーム加工方法及びイオンビーム打込み方法
JPH08298243A (ja) 成膜方法および成膜装置、ならびに半導体集積回路装置の製造方法および半導体製造装置
JPS62210625A (ja) イオンビ−ム加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees