JP2892268B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
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Description
り、例えばセラミックフィルタ,セラミックレゾネー
タ,超音波応用振動子,圧電ブザー,圧電点火ユニッ
ト,超音波モータ,圧電ファン,圧電アクチュエータお
よび加速度センサ,ノッキングセンサ,AEセンサ等の
圧電センサ等に適する圧電磁器組成物に関する。
としては、例えばセラミックフィルタ,セラミックレゾ
ネータ,超音波応用振動子,圧電ブザー,圧電点火ユニ
ット,超音波モータ,圧電ファン,圧電センサ,圧電ア
クチュエータ等がある。
レゾネータ等の素子としては、PbZrO3 −PbTi
O3 を主成分とした磁器組成物が利用されており、これ
によりNb2 O5 やMnO2 等の金属酸化物、Pb(N
b2/3 Mg1/3 )O3 やPb(Nb2/3 Mn1/3 )O3
等の複合ペロブスカイト酸化物を添加したり置換するこ
とにより圧電特性の向上が図られている。このような圧
電磁器組成物としては、電気機械結合係数が大きく圧電
性に優れた材料として、例えば、Pb(Nb2/ 3 Co
1/3 )O3 −PbZrO3 −PbTiO3 系の磁器組成
物が開示されている。
ラミックレゾネータのような圧電部品においても基板等
の表面に実装可能なように種々の条件に対応できること
が要求されており、このような圧電部品においては、部
品を基板にリフロー半田付けする際、基板に実装された
部品が300℃程度の高温に曝されるために部品が組み
込まれる圧電素子にも耐熱性が要求されている。
の例えば上記したPb(Nb2/3 Co1/3 )O3 −Pb
ZrO3 −PbTiO3 系の磁器組成物は、耐熱性が低
くリフロー半田付け前後の圧電特性や共振周波数の変化
が大きく、実用上の問題となっていた。また、熱衝撃試
験後の圧電特性や共振周波数の変化も大きく、さらに共
振周波数の温度係数も50ppm/℃以上と大きいた
め、環境変化の激しい車両搭載用通信装置などのフィル
ター等に用いた場合、素子の特性変化によって安定した
送受信ができなくなるという問題があった。
結合係数を示すとともに、耐熱性および耐熱衝撃性に優
れた圧電磁器組成物を提供することを目的とする。
Zr、Ti、Nb、Yb、Coを含む複合ペロブスカイ
ト型化合物であって、一定の組成を有するものは、高い
電気機械結合係数を有し、耐熱性および耐熱衝撃性に優
れた圧電磁器組成物を得ることができることを知見し、
本発明に至った。
分として少なくともPb、Zr、Ti、Nb、Yb、C
oを含む複合ペロブスカイト型化合物であって、これら
の金属元素のモル比による組成式をPba 〔(Nbb Y
bc Cod )e Tif Zr1- e-f 〕O3 と表わした時、
a,b,c,d,e,fが0.95≦a≦1.05、
0.40≦b≦0.70、0.05≦c≦0.50、
0.05≦d≦0.50、0.05≦e≦0.30、
0.40≦f≦0.50、b+c+d=1を満足するも
のであり、Pbの一部がCa,Sr,Baの少なくとも
一種で置換され、その置換量がモル比で12%以下であ
ることが特に望ましい。そして、MnおよびCrのうち
少なくとも一種を酸化物換算で2.0重量%以下含有し
ていることが望ましい。
範囲に設定した理由について説明する。Pb量のaを
0.95≦a≦1.05としたのは、aが0.95未満
の場合や1.05よりも大きい場合には電気機械結合係
数が低下するからである。Pb量は0.99≦a≦1.
01であることが特に望ましい。また、Nb量のbを
0.40≦b≦0.70としたのは、bが0.40未満
では耐熱性が低下し、bが0.70よりも大きい場合に
は電気機械結合係数が低下するからである。Nb量は
0.55≦b≦0.65であることが特に望ましい。
50としたのは、cが0.05未満の場合には耐熱性が
低下し、0.50よりも大きい場合には耐熱衝撃性が低
下するからである。Yb量は0.10≦c≦0.40で
あることが特に望ましい。
たのは、dが0.05未満では耐熱衝撃性が低下し、
0.50よりも大きいと耐熱性が低下するからである。
Co量は0.05≦d≦0.25であることが特に望ま
しい。
eを0.05≦e≦0.30としたのは、eが0.05
未満では耐熱性や耐熱衝撃性向上の効果が認められず、
また0.30よりも大きいと電気機械結合係数が急激に
低下するからである。(Nbb Ybc Cod )のZrへ
の置換量eは0.10≦e≦0.20であることが特に
望ましい。
0.50としたのは、fが0.40未満の場合や0.5
よりも大きい場合には電気機械結合係数が低下するから
である。TiのZrへの置換量fは0.45≦f≦0.
49であることが特に望ましい。
なくとも一種でモル比で12%以下置換したのは、耐熱
性や耐熱衝撃性に優れ,高い電気機械結合係数を有した
上で、共振周波数の温度特性を向上するためである。こ
こで、Ca,Sr等でモル比で12%以下置換したの
は、モル比で12%よりも多く置換すると耐熱性が低下
し易いからである。PbのCa,Sr,Baによる置換
量はモル比で4%以上8%以下であることが特に望まし
い。
をCa,Sr,Baの少なくとも一種でモル比で12%
以下置換するとともに、MnおよびCrのうち少なくと
も一種を酸化物換算で2.0重量%以下で含有せしめる
ことが好ましいが、MnやCrを含有せしめたのは、機
械的品質係数Qmを向上し、例えば、高い選択性が要求
されるAMラジオ等のフィルターに用いた場合でも受信
感度を向上できるからである。MnおよびCrのうち少
なくとも一種を酸化物換算で2.0重量%以下で含有せ
しめたのは、2.0重量%以下の場合には耐熱性や耐熱
衝撃性に優れ、高い電気機械結合係数を有した上で、2
00〜1720の範囲にある所望の機械的品質係数を得
ることができるからである。一方、2.0重量%を越え
た場合には、耐熱性が低下するようになるからである。
MnおよびCrのうち少なくとも一種は酸化物換算で
0.1〜2.0重量%含有することが望ましい。
料としてPbO、ZrO2 、TiO2 、Nb2 O5 、Y
b2 O3 、CoO、CaCO3 、SrCO3 、BaCO
3 、MnOおよびCr2 O3 の各原料粉末を所定量秤量
し、ボールミル等で10〜24時間湿式混合し、次い
で、この混合物を脱水、乾燥した後、500〜1000
℃で1〜3時間仮焼し、当該仮焼物を再びボールミル等
で粉砕する。
合し、造粒後、所定圧力で成形して成形体を作製し、こ
れらを大気中において1200〜1350℃で0.5〜
4時間焼成することにより得られる。
PbTiO3 系の磁器組成物のZrおよびTiの一部を
Nb,Yb,Coで置換することにより、高い電気機械
結合係数を示すとともに、耐熱性および耐熱衝撃性を向
上することが可能となる。また、Pbの一部をCa,S
r,Baのうちの少なくとも一種で置換することによ
り、共振周波数の温度特性を小さくすることが可能とな
る。さらに、Pbの一部をCa,Sr,Baのうちの少
なくとも一種で置換するとともに、Mn,Crを含有せ
しめることにより、機械的品質係数Qmを向上し、例え
ば、高い選択性が要求されるAMラジオ等のフィルター
に用いた場合でも受信感度を向上できる。
PbO、ZrO2 、TiO2 、Nb2 O5 、Yb
2 O3 、CoO、CaCO3 、SrCO3 およびBaC
O3 の各原料粉末を表1および表2に示すように所定量
秤量し、ボールミルで12時間湿式混合し、次いで、こ
の混合物を脱水、乾燥した後、950℃で3時間仮焼
し、当該仮焼物を再びボールミルで粉砕する。
VA)を混合し、造粒した。得られた粉末を1.5t/
cm2 の圧力で直径23mm、厚さ2mmの寸法からな
る円板にプレス成形した。更に、これらの成形体をMg
O等からなる容器内に密閉し、大気中1300℃で2時
間の条件で焼成した。
の円板を形成した。この円板の両主面にAgペーストを
焼付けることにより電極を形成し、80℃のシリコンオ
イル中で3kv/mmの直流電圧を30分間印加して分
極処理した後、電気機械結合係数,耐熱性,耐熱衝撃性
および温度特性を評価した。
ータで測定した共振周波数と反共振周波数の値から計算
により求めた。耐熱性は、250℃をピークとするリフ
ロー炉に3回連続して通過させる試験を行った際の、試
験前の共振周波数fr1 と試験後の共振周波数fr2 の
値から、Δfra =(fr2 −fr1 )/fr1 ×10
0の式を用いて算出した変化率Δfra で評価した。ま
た、耐熱衝撃性は−55℃の槽に30分間放置した後+
85℃の槽に30分間放置するという操作を50回繰り
返したときの、試験前の共振周波数fr1 と試験後の共
振周波数fr2の値から、Δfrb =(fr2 −f
r1 )/fr1 ×100の式を用いて算出した変化率Δ
frb で評価した。また、共振周波数の温度係数T.
C.fr(ppm/℃)は、−20℃から+80℃の範囲
で測定した共振周波数の値からT.C.fr=(fr80−
fr-20 )/100×106 /fr20(ここで、f
r80、fr-2 0 、fr20はそれぞれ+80℃、−20
℃、+20℃での共振周波数を示す)の式を用いて算出
した。結果を表3,4に示す。
物は電気機械結合係数が55%以上と大きく、また、耐
熱試験および熱衝撃試験による共振周波数の変化が±
0.1%以下と小さい。また、共振周波数の温度係数も
Pbの一部をCa,Sr,Baのうちの少なくとも一種
で置換することにより20ppm/℃以下と小さくでき
ることが判る。
5 、Yb2 O3 、CoO、CaCO3 、SrCO3 およ
びBaCO3 の原料粉末を用いて表1における試料No.
20の組成となるように秤量とするとともに、この混合
粉末中に、MnO、Cr2 O3 の各原料粉末を表5に示
すように所定量秤量し、実施例1と同様に成形し焼成し
た。この後、実施例1と同様に諸特性を測定するととも
に、機械的品質係数Qmを測定した。この結果を表5に
示す。尚、機械的品質係数Qmは、インピーダンスメー
タで測定した共振周波数、反共振周波数、容量、R0 か
ら計算により求めた。
することにより、機械的品質係数Qmが向上しているこ
とが判る。
bZrO3 −PbTiO3 系の磁器組成物のZrおよび
Tiの一部をNb,Yb,Coで置換することにより、
高い電気機械結合係数を示し、耐熱性および耐熱衝撃性
を向上することができ、表面実装用圧電部品などの素子
として有効に用いられる圧電磁器組成物を得ることがで
きる。さらに、Pbの一部をCa,Sr,Baのうちの
少なくとも一種で置換することにより、共振周波数の温
度特性を小さくすることができ、温度変化に対し安定な
特性を示す圧電部品、例えば、フィルター,レゾネータ
等の素子として有効に用いられる圧電磁器組成物を得る
ことができる。
り、機械的品質係数Qmを向上し、例えば、高い選択性
が要求されるAMラジオ等のフィルターに用いた場合で
も受信感度を向上できる。
Claims (3)
- 【請求項1】金属成分として少なくともPb、Zr、T
i、Nb、Yb、Coを含む複合ペロブスカイト型化合
物であって、これらの金属元素のモル比による組成式を
Pba 〔(Nbb Ybc Cod )e Tif Zr1-e-f 〕
O3 と表わした時、a,b,c,d,e,fが 0.95≦a≦1.05 0.40≦b≦0.70 0.05≦c≦0.50 0.05≦d≦0.50 0.05≦e≦0.30 0.40≦f≦0.50 b+c+d=1.00 を満足することを特徴とする圧電磁器組成物。 - 【請求項2】Pbの一部がCa,Sr,Baのうち少な
くとも一種で置換されており、その置換量がモル比で1
2%以下であることを特徴とする請求項1記載の圧電磁
器組成物。 - 【請求項3】MnおよびCrのうち少なくとも一種を酸
化物換算で2.0重量%以下含有していることを特徴と
する請求項2記載の圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5329252A JP2892268B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-12-27 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21653193 | 1993-08-31 | ||
JP5-216531 | 1993-08-31 | ||
JP5329252A JP2892268B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-12-27 | 圧電磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07172915A JPH07172915A (ja) | 1995-07-11 |
JP2892268B2 true JP2892268B2 (ja) | 1999-05-17 |
Family
ID=26521487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5329252A Expired - Lifetime JP2892268B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-12-27 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2892268B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP5329252A patent/JP2892268B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07172915A (ja) | 1995-07-11 |
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