JP2892232B2 - 車両用自動変速機 - Google Patents

車両用自動変速機

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JP2892232B2
JP2892232B2 JP4274793A JP27479392A JP2892232B2 JP 2892232 B2 JP2892232 B2 JP 2892232B2 JP 4274793 A JP4274793 A JP 4274793A JP 27479392 A JP27479392 A JP 27479392A JP 2892232 B2 JP2892232 B2 JP 2892232B2
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雅士 服部
仁人 竹下
康夫 北條
淳 田端
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Toyota Motor Corp
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Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機に関
し、特に、変速レンジの切換と手動変速とを可能とした
自動変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機において、積極的に運
転者の意志を反映させ、より人間の感性に適合した車両
走行を実現し、運転の醍醐味を増すべく、特定のギヤ段
を手動選択できる手動変速モードを備えた自動変速機が
開発されている(特開平2−8545号:ポルシェ)。
ところで、従来の自動変速機では、全てのギヤ段を達成
可能なドライブ(D)レンジでは滑らかな車両走行を実
現すべく、第1速及び第2速でエンジンブレーキが作動
しない構成とされている。そこで、一般の手動変速機の
ように全てのギヤ段でエンジンブレーキ作動を得るに
は、自動変速機においても第1速及び第2速でエンジン
ブレーキが作動するロー(L)レンジやセカンド(S)
レンジへの切換、具体的には油圧制御装置中のマニュア
ルバルブの切換を行なう必要がある。しかしながら、マ
ニュアルバルブの直線的な動きと手動変速時のシフトレ
バーの特定の変速パターン上の動きとは一致するもので
はないから、上記の構成を採ろうとすると、両者の間に
複雑な運動変換機構を介装しなければならなくなり、そ
のための機構の大型化と操作荷重の増大によるシフトフ
ィーリングの悪化を避けることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記のような
問題点解決の一策として、エンジンブレーキ作動に関与
するサーボへの油圧の供給を手動変速モード時のみ有効
とする手段を油圧制御装置中に配設することで、マニュ
アルバルブによる油圧の切換を行なわずに手動変速モー
ド時のエンジンブレーキ作動を実現させることが想起さ
れる。
【0004】ところで、こうした手法で手動変速操作時
の第1速及び第2速でのエンジンブレーキ作動を得る場
合、ギヤトレインの構成によっては、それぞれのギヤ段
でエンジンブレーキ用の一方の摩擦係合要素の係合と他
方のそれの解放を同時に行なういわゆるつかみ替え操作
を必要とする。この場合、一方の解放に対して、他方の
係合が早過ぎると、タイアップによる変速ショックが生
じ、逆に、他方の係合が遅れるとスリップにより変速レ
スポンスが悪くなる。特に、手動変速モードでは、自動
変速モードより変速レスポンスを高める制御を行なうこ
とが肝要であるため、このような問題点の解決は重要な
意味をもっている。
【0005】このような事情に鑑み、本発明は、手動変
速モード時の異なる摩擦係合要素の係合及び解放を適正
化し、変速レスポンスを向上させると共に変速ショック
を低減することができる車両用自動変速機を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の車両用自動変速機は、自動変速機を変速操
作するシフトレバーと、該シフトレバーの位置を検出す
るシフトレバー位置検出手段と、自動変速機のギヤトレ
イン内において互いに背反する係合及び解放作動で変速
前後のそれぞれのギヤ段でエンジンブレーキ作動を生じ
させる第1摩擦係合要素及び第2摩擦係合要素と、前記
第1摩擦係合要素の解放時のパワーオン状態でギヤトレ
インの前ギヤ段を維持する一方向クラッチと、前記第1
摩擦係合要素を係合させる第1油圧サーボと、前記第2
摩擦係合要素を係合させる第2油圧サーボと、前記シフ
トレバー位置検出手段による前記シフトレバーの第1位
置からの離脱の検出で前記第1油圧サーボを排圧して前
記第1摩擦係合要素を解放し、前記シフトレバーの第2
位置への到達の検出で前記第2油圧サーボに係合圧を供
給して前記第2摩擦係合要素を係合させる制御装置とか
ら成ることを構成とする。
【0007】
【発明の作用及び効果】このような構成を採った本発明
に係る車両用自動変速機では、シフトレバーが第1位置
を離れたことをシフトレバー位置検出手段が検出する
と、その信号による制御装置の制御動作で第1油圧サー
ボが排圧され、第1摩擦係合要素が解放される。その
後、シフトレバーが第2位置に達したことがシフトレバ
ー位置検出手段で検出されると、その信号による制御装
置の動作で第2油圧サーボへの係合圧の供給が開始さ
れ、第2摩擦係合要素が係合する。
【0008】本発明によれば、シフトレバーが第1位置
から離れた段階で予め第1摩擦係合要素を解放してお
き、第2位置になった段階で第2摩擦係合要素を係合さ
せる制御が行われるので、従来の第2位置になった段階
で解放及び係合両制御を開始するものに比べて変速レス
ポンスを向上させることができる。そして、このような
第1位置から離れた段階で第1摩擦係合要素を解放する
制御を行なうことによりパワーオン(スロットルオン)
の状態で懸念されるエンジンの吹き上がりは、一方向ク
ラッチの係合による前ギヤ段の維持で防止することがで
きる。
【0009】
【実施例】以下、図面に沿い、本発明を実施例に基づき
詳述する。図1〜図13は第1実施例を示し、この自動
変速機は、図1、図2に示すように、それを変速操作す
るシフトレバー1と、その位置を検出するシフトレバー
位置検出手段2と、図5に示すように自動変速機のギヤ
トレイン内において互いに背反する係合及び解放作動を
して変速前後のそれぞれのギヤ段でエンジンブレーキ作
動を生じさせる第1摩擦係合要素B3及び第2摩擦係合
要素B1と、第1摩擦係合要素B3の解放時のパワーオ
ン状態でギヤトレインの前ギヤ段を維持する一方向クラ
ッチF2と、第1摩擦係合要素B3及び第2摩擦係合要
素B1をそれぞれ係合させる図7に示す第1油圧サーボ
(B−3)及び第2油圧サーボ(B−1)と、シフトレ
バー位置検出手段2によるシフトレバー1の第1位置か
らの離脱の検出で第1油圧サーボ(B−3)を排圧して
第1摩擦係合要素B3を解放し、シフトレバー1の第2
位置への到達の検出で第2油圧サーボ(B−1)に係合
圧を供給して第2摩擦係合要素B1を係合させる油圧制
御装置4(図7参照)と電子制御装置(ECU)(図8
参照)から成る制御装置とから構成されている。
【0010】次に各部の詳細な構成について順次説明す
る。先ず、自動変速機のギヤトレインは、図5にスケル
トンで示すように、ロックアップクラッチ付トルクコン
バータ31と、オーバドライブユニット32と主変速ユ
ニット33とから成る。そして、オーバドライブユニッ
ト32は、入力軸301に連結され、プラネタリピニオ
ンP1を支持するキャリヤCR1と、サンギヤS1と、
主変速ユニット33の入力軸302に連結されたリング
ギヤR1とを備えており、キャリヤCR1とサンギヤS
1との間には、オーバドライブダイレクトクラッチC0
とワンウェイクラッチF0が介装され、サンギヤS1と
変速機ケース34との間には、オーバドライブブレーキ
B0が配設されている。
【0011】また、主変速ユニット33は、出力軸30
3に連結しプラネタリピニオンP2を支持するキャリヤ
CR2と、サンギヤS3と一体に構成されたサンギヤS
2と、入力軸302にフォワードクラッチC1を介して
連結するリングギヤR2とを備え、入力軸302とサン
ギヤS2との間にはダイレクトクラッチC2が介装さ
れ、サンギヤS2とケース34との間にはバンドブレー
キからなるセカンドコーストブレーキ(前記第2摩擦係
合要素B1に該当する)が介装されており、サンギヤS
2とケース34との間にはワンウェイクラッチF1を介
して多板のセカンドブレーキB2が配設されているほ
か、プラネタリピニオンP3を支持するキャリヤCR3
と、キャリヤCR2及び出力軸303に連結するリング
ギヤR3とを備え、キャリヤCR3とケース34との間
にファースト及びリバースブレーキ(前記第1摩擦係合
要素B3に該当する)と、ワンウェイクラッチ(前記一
方向クラッチF2に該当する)が並列して配設された構
成とされている。
【0012】次に、油圧制御装置4は、その変速に関わ
る部分をだけを取り出して図7に示すように、電子制御
装置(ECU)からの出力信号で開閉作動する3つの変
速用ソレノイドバルブ(以下これらをソレノイドNo.
1〜3という)と、それらにより切換制御される3つの
シフトバルブすなわち1−2シフトバルブ41、2−3
シフトバルブ42及び3−4シフトバルブ43を備えて
いる。ソレノイドNo.1は、2−3シフトバルブ42
を制御すべく、マニュアルバルブ44のポート(D)と
2−3シフトバルブ42のソレノイド圧受圧室421と
をつなぐ油路に設けられており、ソレノイドバルブN
o.2は、1−2シフトバルブ41及び3−4シフトバ
ルブ43を制御すべく、ライン圧を供給する油圧発生手
段(PL)に連なるライン圧油路45と1−2シフトバ
ルブ41のソレノイド圧受圧室411及び3−4シフト
バルブ43のソレノイド圧受圧室431とをつなぐ油路
に設けられている。
【0013】1−2シフトバルブ41は、3つのブレー
キB1〜3を係合させる3つのサーボ(B−1〜3)に
対する油圧の給排をスプール410の変位により切換制
御するもので、スプール410の4つのランドに対応し
て3組の入力ポート、入出力ポート及び3個のドレーン
ポートEXを備えている。そしてスプール410の一端
側のバルブボディには前記ソレノイド圧受圧室411が
設けられ、他端側のバルブボディにはスプール410を
ソレノイド圧受圧室411側に偏倚させるバネを収容し
たバネ室412が設けられている。なお、バネ室412
には2−3シフトバルブ42からサーボ(C−2)に至
る油路から信号圧を導入するポートが設けられている。
この1−2シフトバルブ41の入力ポート41dはマニ
ュアルバルブ44のポート(D)に連なるDレンジ圧油
路46に接続され、入出力ポート41aはセカンドコー
ストモデュレータバルブを介してサーボ(B−1)に、
また他の2つの入出力ポート41b,41cはそれぞれ
サーボ(B−2)及びサーボ(B−3)に直接接続され
ている。
【0014】2−3シフトバルブ42は、クラッチC2
を係合させるサーボ(C−2)に対する油圧の給排と、
1−2シフトバルブ41への油圧の供給をスプール42
2の変位により切換制御するもので、スプール422の
6つのランドに対応して3組の入力ポート、入出力ポー
ト及び2つのドレーンポートEXを備えている。そして
スプール422の一端側のバルブボディには前記ソレノ
イド圧受圧室421が設けられ、他端側のバルブボディ
にはスプール422をソレノイド圧受圧室421側に偏
倚させるバネを収容したバネ室が設けられている。また
2−3シフトバルブにはさらに信号出力ポート42sが
設けられており、このポートは3−4シフトバルブ43
の後記するバネ室に接続されている。
【0015】この2−3シフトバルブ42の入力ポート
42lは、ライン圧油路45に接続され、入出力ポート
42aはサーボ(C−2)に、出力ポート42bはロー
コーストモデュレータバルブを介して1−2シフトバル
ブ41の入力ポート41eに、出力ポート42dは入力
ポート41fに接続されているが、入力ポート42c及
び入力ポート42dは、後述するコーストブレーキカッ
トオフバルブ47を介してDレンジ圧油路46に接続さ
れている。
【0016】3−4シフトバルブ43は、クラッチC0
及びブレーキB0を係合させる両サーボ(C−0),
(B−0)に対する油圧の給排をスプール432の変位
により切換制御するもので、スプール432の4つのラ
ンドに対応して1つの入力ポート43iと2組の入出力
ポート43a,43b及びドレーンポートEXを備えて
いる。そしてスプール432の一端側のバルブボディに
はソレノイド圧受圧室431が設けられ、他端側のバル
ブボディにはスプール432をソレノイド圧受圧室43
1側に偏倚させるバネを収容したバネ室が設けられてい
る。なお、バネ室には前記のとおり、2−3シフトバル
ブ42の信号出力ポート42sからの信号油路が接続さ
れている。この3−4シフトバルブ43の入力ポート4
3iはライン圧油路45に接続され、入出力ポート43
aはサーボ(C−0)に、入出力ポート43bはサーボ
(B−0)に接続されている。
【0017】また、この回路には、コーストブレーキカ
ットオフバルブ47が配設されている。コーストブレー
キカットオフバルブ47は、2−3シフトバルブ42の
2つの入力ポート42c,42dに至るDレンジ圧油路
46の途中に介装されている。このバルブ47のスプー
ル472は、2つのランド472a,472bを有し、
ランド472aがDレンジ圧油路46に連なる入力ポー
トを開閉し、ランド472bがドレーンポートEXを開
閉する構成とされている。ソレノイドNo.3はDレン
ジ圧油路46とコーストブレーキカットオフバルブ47
のソレノイド圧受圧室471とをつなぐ油路に配設され
ている。これは、手動変速モードのとき作動して2−3
シフトバルブ42の2つの入力ポート42c,42dに
Dレンジ圧を供給するために設けられたものであり、手
動変速モードの1速ギヤ段時にファースト及びリバース
ブレーキB3を作動させてエンジンブレーキを効かせ、
2速ギヤ段時にセカンドコーストブレーキB1を作動さ
せてエンジンブレーキを効かせるものである。したがっ
て、これらのブレーキを作動させる2つのサーボ(B−
3,1)は、エンジンブレーキ用サーボを構成する。な
お、Dレンジ圧油路46はクラッチC1のサーボ(C−
1)に直接接続されている。
【0018】図6は、油圧制御装置4のマニュアルバル
ブ44の各ポジションにおける各ソレノイドNo.1〜
No.3のオン(表に○で示されている)・オフ(表に
×で示されている)並びにギヤトレインの各クラッチ及
びブレーキの係合(表に○で示されている)・解放(表
に×で示されている)動作の関係を示す。
【0019】ここで、図5〜7を参照しながら油圧制御
装置の作動とギヤトレインの動作の関連を簡単に説明す
る。マニュアルバルブ44が図7に示すDポジションに
あるとき、ソレノイドNo.1がオンの状態でライン圧
は3−4シフトバルブ43経由でサーボ(C−0)に供
給され、サーボ(C−1)にはDレンジ圧がかかる。こ
のとき、図5に示すギヤトレインでは、フォワードクラ
ッチC1が係合してリングギヤR2に回転が入力され、
この回転がキャリヤCR2を経て出力軸303に伝達さ
れる一方、2つのサンギヤS2,S3、プラネタリピニ
オンP3を介してキャリヤCR3に伝達され、キャリヤ
CR3を逆転させようとするが、ワンウェイクラッチF
2の作用で逆転は阻止され、プラネタリピニオンP3の
自転に対応したリングギヤR3の回転が出力軸303に
伝達される。これが図6のオート(AUTO.)モード
における1速ギヤ段(1ST)の状態である。
【0020】ソレノイドNo.2がオンされると、2速
ギヤ段(2ND)への切換が行われる。すなわち、1−
2シフトバルブ41と3−4シフトバルブ43に印加さ
れていたライン圧はドレーンされ、これにより1−2シ
フトバルブ41のスプール410は上昇位置に変位する
が、3−4シフトバルブ43のスプール432は変位し
ない。この1−2シフトバルブ41のスプール410の
変位により、サーボ(B−2)にDレンジ圧が供給され
る。このとき、新たにセカンドブレーキB2が係合し、
両サンギヤS2,S3の反力回転がワンウェイクラッチ
F1により阻止されるようになり、プラネタリピニオン
P2の公転による回転がキャリヤCR2を経て出力軸3
03に出力される。
【0021】3速ギヤ段(3RD)へのシフトは、ソレ
ノイドNo.1のオフにより行われる。この場合、2−
3シフトバルブ42のスプール422へのDレンジ圧の
印加で、該スプールが下降変位し、バネ室はコーストブ
レーキカットオフバルブを介してドレーンされ、ライン
圧がサーボ(C−2)に供給されるようになる。ギヤト
レインでは、リングギヤR2と両サンギヤS2,S3が
直結され、プラネタリピニオンP2も直結となり、両入
力軸301,302、出力軸303は等速回転する。
【0022】4速ギヤ段(4TH)へのシフトは、ソレ
ノイドNo.2のオフにより行われる。この場合、3−
4シフトバルブ43のバネ室へのライン圧の印加は前の
シフトの際に解除されているので、ソレノイド圧受圧室
421へのライン圧の印加によりバネ圧に抗してスプー
ル432は下降変位し、サーボ(C−0)へ供給されて
いた油圧はドレーンされ、サーボ(B−0)へのライン
圧の供給が始まる。こうしてクラッチC0は解放され、
ブレーキB0は係合される。このとき、サンギヤS1が
固定されるため、キャリヤCR1の入力はピニオンギヤ
P1の自転分増速されてリングギヤR1に伝達されるた
め、入力軸302には増速回転が出力される。
【0023】一方、シフトダウン時には、油圧制御装置
の動作は上記と逆の経路を辿るが、その際、4速ギヤ段
から3速ギヤ段への切換時には、オーバードライブダイ
レクトクラッチC0が係合し、オーバードライブブレー
キB0が解放され、3速ギヤ段から2速ギヤ段への切換
時では、オーバードライブダイレクトクラッチC2が解
放され、2速ギヤ段から1速ギヤ段への切換では、セカ
ンドブレーキB2が解放される。
【0024】一方、手動変速モードの場合、図6に示す
ように、DポジションにおいてソレノイドNo.3が常
にオンとされる。このソレノイドバルブの開放動作でコ
ーストブレーキカットオフバルブ47のスプール472
に印加されている油圧がドレーンされ、スプールは図の
左半部に示すコースト位置をとる。したがって、手動変
速モードでは、常に2−3シフトバルブ42の二つの入
力ポート42c,42dにコーストブレーキカットオフ
バルブ47を介してDレンジ圧が供給される。そして2
−3シフトバルブ42が1速ギヤ段又は2速ギヤ段位置
をとるとき、2−3シフトバルブ42を経たDレンジ圧
は、1−2シフトバルブ41の一つの入出力ポート41
dに直接、さらに他の入出力ポート41cにローコース
トモデュレータバルブを介して供給される。
【0025】このようにして1−2シフトバルブ41に
供給されたDレンジ圧は、2速ギヤ段において、セカン
ドコーストモデュレータバルブを経てサーボ(B−1)
に供給され、フォワードクラッチC1、オーバードライ
ブダイレクトクラッチC0及びセカンドブレーキB2に
加えてセカンドコーストブレーキB1が係合されるた
め、両サンギヤS2,S3のロックによりエンジンブレ
ーキ作動が可能となる。また、1速ギヤ段においては、
Dレンジ圧は1−2シフトバルブ41を経てサーボ(B
−2)に供給される。その結果、フォワードクラッチC
1、オーバードライブダイレクトクラッチC0に加えて
ファースト及びリバースブレーキB3が係合するため、
キャリヤCR3がロックされ、エンジンブレーキが効く
ようになる。
【0026】この油圧制御装置を用いて手動変速を実現
する場合のシフト装置については種々の構成を採り得る
が、既提案の一例を簡単に説明する。図1及び図2に示
すように、シフトレバー1は、図示しない車体に固定さ
れる静止部材10と、それに支持され、車体を横断する
方向に延びる横軸X回りに前後揺動自在に支持され、前
記マニュアルバルブ44に機構的に連結された揺動リテ
ーナ11と、その揺動方向と同方向及びそれに交叉する
方向に揺動及び傾動可能とすべく、横軸Xに交叉する縦
軸Y回りに傾動可能に支持されている。シフトレバー1
は自動変速のDレンジ位置において揺動リテーナ11か
ら切離し可能(後に詳記する)とされている。すなわ
ち、揺動リテーナ11の上面に図2に示すゲートプレー
ト12が取付けられ、それに、シフトレバー1を挿通さ
れる平面視H字形のゲート孔120と、ゲートプレート
12の下面を横方向に延びるロックプレート摺動溝12
1と、一方の側面から切込まれた奥部が円筒形の切欠溝
122が形成されている。
【0027】前記連結切離しのため、ゲートプレート1
2のロックプレート摺動溝121にロックプレート13
が嵌装されている。ロックプレート13は、両側に耳部
131,132を突設された平面視十字状の板で構成さ
れており、その中央にはシフトレバー1を嵌挿されるI
字形の係合孔130が形成され、さらに、一側上面にマ
ニュアルスイッチ作動用ボス21が突設されている。こ
のロックプレート13は、シフトレバー1が縦軸Y回り
に左右傾動するときには、係合孔130部でシフトレバ
ー1と係合し、ロックプレート摺動溝121に案内され
ながら連動して横方向に摺動するが、シフトレバー1が
横軸X回りに前後揺動するときにはその動きとは連動し
ない。上記ロックプレート13の耳部131,132
は、D位置におけるシフトレバー1の左右傾動作で静止
部材10に形成された矩形の孔100と係合可能とされ
ている。
【0028】このシフト装置における4個のマニュアル
スイッチ2のうち1対のスイッチLH,RHは、シフト
レバー1の傾動をロックプレート13の左右動で検出す
べく、図2に示すように、ゲートプレート12上面に、
切欠溝122を挟んで配設され、ロックプレート13上
面に突設したスイッチ操作用ボス21でオン・オフ操作
可能とされている。図1に示すように、他の一対のスイ
ッチFR,RRは、シフトレバー1と一体のブラケット
に相対峙して配設されている。そして、これらスイッチ
FR,RRの間に揺動リテーナ11に基端を固定された
スイッチ操作ピン22の先端が位置付けられている。し
たがって、両スイッチFR,RRは揺動リテーナ11に
対するシフトレバー1の変位で作動し、後側のスイッチ
FRがシフトレバー1の前方への揺動を、前側のスイッ
チRRが後方への揺動を検出する。このように、シフト
レバー1の前後揺動及び左右傾動で、前記4個のスイッ
チの中の何れか2個のオン動作が生じる。こうしたシフ
トレバー1の動きとスイッチ作動の関係を図3に概念図
で示し、図4に作動表で示す。
【0029】次に、電子制御装置について説明する。図
8にブロックで示すように、この電子制御装置(EC
U)は、車両の各部に配設された各種入力検出装置から
のセンサ信号を入力処理回路を経て入力インターフェイ
ス回路に導入し、記憶演算処理した後、出力インターフ
ェイス回路を経て制御信号として出力し、各種駆動ある
いは処理回路を経て変速用ソレノイド等を駆動制御す
る。
【0030】入力検出装置としては、変速機に配置さ
れ、トランスミッション入力回転を検出するトランスミ
ッション(T/M)インプット回転数センサNC0、ト
ランスミッション出力回転を検出する車速センサSP
1,SP2、自動変速のIパターン上のどの位置を選択
しているかを検出するオートマチックトランスミッショ
ン(A/T)シフトポジションセンサ、シフト装置に配
置され手動変速のどの位置が選択されているかを検出す
るマニュアルトランスミッション(M/T)シフトポジ
ションセンサ(前記4個のマニュアルスイッチに対応す
る)、エンジンに配置されスロットル開放度合いをポテ
ンショメータにより検出するスロットル開度センサ、ブ
レーキペダル部に配置されブレーキ操作を検出するブレ
ーキスイッチ(SW)、スロットル開度センサ内に配置
されアクセルが全閉状態であることを検出するアイドル
(IDL)スイッチ(SW)、スロットルペダル部又は
スロットル開度センサ部に配置されアクセル全開にされ
キックダウンが要求されていることを検出するキックダ
ウン(K/D)スイッチ(SW)、変速機に設置されト
ランスミッション油温を検出するT/M油温センサを備
える。
【0031】一方、出力側には各ギヤ段に応じ各シフト
弁(図5参照)を動作させるべく油圧を切換えるソレノ
イドNo.1〜3やロックアップ、背圧、ライン圧を制
御するリニアソレノイド(SLU,SLN,SLT)を
駆動すべく、所定の電圧又は電流を発生させるソレノイ
ド駆動回路及び各ソレノイドの作動をチェックし、フェ
ールを判定して自己診断を行なうモニタ回路、エンジン
制御用の電子制御ユニット(EFI)へ変速時のショッ
ク緩和のため、エンジンの発生トルクを一時的に減少さ
せる信号を発生するトルクリダクション入出力処理回路
及びエンジン回転数を入力する処理回路、電子制御装置
(ECU)のフェール時に自己診断結果を出力するDG
チェッカーのためのDG入出力処理回路、変速機の状態
を表示する表示装置のための表示駆動回路がある。
【0032】図9は電子制御装置における信号処理のジ
ェネラルフローを示すもので、先ず、ステップ1で、プ
ログラム開始にあたり、全ての条件を初期設定し、次
に、ステップ2で、T/Mインプット回転センサ、車速
センサSP1,SP2の信号により、現在のT/M入力
軸、出力軸回転数を算出し、ステップ3では、A/Tシ
フトポジションセンサ(ニュートラルスタートスイッ
チ)の信号により、Iパターン上で現在選択されている
位置を検出し、同時にニュートラルスタートスイッチの
フェール判断を行なう。ステップ4では、スロットル開
度センサの信号により、現在のスロットル開度を算出
し、ステップ5では、T/M油温センサの信号により、
現在のT/M油温(ATF温度)を算出する。
【0033】ステップ6’では、M/Tシフトポジショ
ンセンサの信号により、シフト位置を判定する。このM
Tスイッチ入力処理のサブルーチンでは、M/Tシフト
ポジションセンサ即ち各スイッチLH又はRH及びFR
又はRRのオンの組合せで、MTシフトポジションフラ
グSW1〜4の何れか1つをオンにし、全てのスイッチ
がオフの場合、MTシフトポジションフラグSW1〜4
の全てをオフにする。
【0034】次に、ステップ6では、MTシフトポジシ
ョンフラグSW1〜4の何れかがオンされているかどう
かを判定する。ステップ7では、MTモードフラグがオ
ンされている(MTモード選択状態)かどうかを判定す
る。ステップ8では、変速線図データ(MSL)にAT
変速用データ(D)を読み込む。ステップ9では、ロッ
クアップ(L−up)線図データ(MSLP)にATロ
ックアップ用データ(D)を読み込む。ステップ10で
は、ステップ8,9で読み込んだデータ及び先に算出し
た各種条件に基づき、変速及びロックアップの判断を下
す。ステップ11では、ステップ10で判断した変速及
びロックアップのタイミングを判断する。
【0035】一方、ステップ12では、MTモードフラ
グをオンにし、MTモード選択状態とする。ステップ1
3では、ATモード復帰用タイマの値をリセットする。
ステップ14では、MTモード用各種データを読み込む
サブルーチンに入る。このサブルーチンでは、MTシフ
トポジションフラグSW1〜4に応じてマニュアルシフ
ト用変速点データMSL及びマニュアルシフト用ロック
アップ点データMSLPに各速ギヤ段用のデータを読み
込む。ステップ15では、ATモード復帰用タイマの値
と設定値t1 を比較する。ステップ16では、ステップ
15の条件が成立した場合、MTモードフラグをオフ
し、ATモードに戻る。ステップ17では、MTマップ
選択サブルーチンにて読み込んだデータ及び先に算出し
た各種条件に基づき変速及びロックアップ(L−up)
の判断を下す。ステップ18では、ステップ17で判断
した変速及びロックアップのタイミングを判断する。ス
テップ19’では、マニュアルシフトポジション、出力
要求ギヤ段等によりエンジンブレーキソレノイドNo.
3の制御、判断をする。ステップ19では、ステップ1
0,11若しくはステップ17,18,19’での判断
に従い、信号を各ソレノイドNo.1〜No.3へ出力
し、変速を開始する。
【0036】ステップ20は、MTモード時、タイムラ
グを短縮するため、一時的にライン圧昇圧を判断するサ
ブルーチンである。ステップ21では、スロットル開度
に応じたライン圧を制御し、かつステップ20の判断に
よりライン圧を昇圧する。ステップ22は、変速過渡状
態におけるショック対策として、アキュムレータ背圧に
ATモードとMTモードに応じた異なる制御を加えるた
めのサブルーチンである。ステップ23では、ステップ
10,11若しくは17,18,21,22の判断、制
御により各リニアソレノイド(SLU,SLT,SL
N)に出力し制御する。
【0037】図10に示すように、エンジンブレーキソ
レノイド制御のサブルーチンのフローは、ステップ1
9’−1で、ステップ11,17の変速判断により、出
力要求されたギヤ段が1速か2速かを判断する。ステッ
プ19’−2では、シフトポジションの1ST又は2N
Dが選択されているかどうかを判定する。ステップ1
9’−5では、上記2条件が成立した場合、ソレノイド
No.3 オンと判断する。ステップ19’−6では、ス
テップ19’−5が成立しなければソレノイドNo.3
オフと判断する。
【0038】次に、このように構成された変速機の全体
の動作を以下に順を追って説明する。図2に示すよう
に、シフトレバー1は、左右非傾斜状態で従来の自動変
速操作と同様にP,R,N,D位置間をIパターンで前
後に揺動可能とされている。すなわち、この状態でシフ
トレバー1とゲートプレート12とはH字形のゲート孔
120の中央接続部で前後方向に係合しているため、揺
動リテーナ11はシフトレバー1と一体化されて揺動
し、P,R,N,Dのいずれかの位置にシフト可能であ
る。この間、シフトレバー1の左右傾動は、ロックプレ
ート13の耳部131,132と静止部材10との当接
摺動により規制される。この動作で、マニュアルバルブ
44は切換操作され、図7に示す油圧制御装置のレンジ
圧の切換が行なわれる。一方、このシフトレバー1の揺
動は、図8に示すATシフトポジションセンサ(ニュー
トラルスタートスイッチ)で検出され、電子制御装置
(ECU)に入力されて演算処理され、ソレノイド制御
信号が出力されて、図8に示す各ソレノイドNo.1〜
3がオン・オフ制御される。この結果のギヤトレインの
作動は先に略説したとおりである。
【0039】シフトレバー1がD位置に達すると、ロッ
クプレート13の耳部131,132は静止部材10の
孔100に合致した位置となるため、ロックプレート1
3の左右摺動規制が解かれ、シフトレバー1の左右傾動
が可能となる。そこで1STを選択するには、図3に示
すようにシフトレバー1を左に倒し、次いで前方に押す
操作を行う。この左に倒す動作で、ロックプレート13
の耳部131が孔100に係合し、揺動リテーナ11の
前後揺動は規制され、シフトレバー1だけが規制されな
い状態となる。この動作の際に、ロックプレート13の
ボス21はスイッチLHをオン作動させる。そして、次
の前方へ押す動作では、シフトレバー1は、ロックプレ
ート13の係合孔130に沿って前方へ移動し、図1に
示すスイッチFRをオン作動させる。これら両方の動き
で、スイッチLH,FRは順次オン作動し、これらの入
力で図8に示す電子制御装置(ECU)内でのステップ
6’での信号処理により1速ギヤ段信号が出力され、自
動変速機が1速ギヤ段を達成するように図7に示すソレ
ノイドNo.1がオン作動させられる。
【0040】以下同様に、2速ギヤ段を選択するには、
D位置でシフトレバー1を左に倒し、次いで後方に引く
操作を行う。この動作の際のスイッチLHの作動は前記
1速ギヤ段と同じであり、今度はスイッチRRがオン作
動する。これら両方の動きで、2速ギヤ段が識別され
る。3速ギヤ段の選択は前記2速ギヤ段の場合とD位置
を中心として点対称の動きとなり、D位置からシフトレ
バー1を右に倒し、次いで前方へ押す操作となる。この
ときの各部材の動作及び機能は、前記動作説明から推し
て明らかであるので、説明を省略するが、スイッチR
H,スイッチFRのオン作動で3速ギヤ段が識別され
る。そして、4速ギヤ段の選択は前記1速ギヤ段の場合
とD位置を挟んで点対称の動きとなる。この場合、スイ
ッチRH,RRがオン作動する。このようにして得られ
た選速信号は、前述のように、電子制御装置(ECU)
で処理され、変速用ソレノイドバルブNo.1〜3の制
御に用いられる。
【0041】ところで、この自動変速機では、スイッチ
LH又はRH及びスイッチFR又はRRのオンにより各
MTシフトポジションフラグSW1〜4をオンと判定す
る信号処理が行なわれるため、スイッチFR又はRRの
オフでステップ19’−2によるソレノイドNo.3オ
フ判断がなされる。したがって、図11にこのようなシ
フト動作の代表例として2−1シフトダウンのタイムチ
ャートを示すように、シフトレバー1が2ND位置にあ
る状態では、シフトポジションフラグSW2がオンにな
っているが、シフトレバー1が2ND位置を離れた段階
でスイッチLHがオンでもスイッチRRのオフによりシ
フトポジションフラグSW2がオフとなるため、ソレノ
イドNo.3のオフ動作は変速操作開始と同時に成され
る。その後、変速操作所要時間tsを要してスイッチF
RのオンでシフトポジションフラグSW1オンの判断に
よりMTマップ選択のサブルーチンでマニュアルシフト
用変速点データMSL=1がセットされる。そこで車速
が設定値以下の場合に出力要求ギヤ段が1速ギヤ段と判
断され、ソレノソレノイドNo.3がオンされる。
【0042】こうして、シフトレバー1が2ND位置を
離れた段階でブレーキB1が解放され、1ST位置にな
った段階でブレーキB3が係合するので、従来の1ST
位置になった段階で変速制御を開始するものに比して変
速レスポンスを向上されることができる。また、パワー
オン(スロットルオン)の状態で2ND位置から離れた
段階でブレーキB1を解放しても、一方向クラッチの作
用により2速ギヤ段は維持されるため、エンジンの吹き
上がりは防止される。なお、上記と同様の制御は、1−
2、1−3、1−4、2−3、2−4の各アップシフト
についても同様に行なわれる。
【0043】また、マニュアルシフトダウン(2−1、
3−2)時には上記制御だけでは十分といえない。例え
ば、2−1ダウン時、サーボ(B−1)の油圧は前述の
制御で早めに解放されるため問題はないが、サーボ(B
−3)とサーボ(B−2)のつかみ替えを行なわなくて
はならず、このタイミングを取るのが困難である。特
に、係合圧の高くなるスロットル高開度時には、両ブレ
ーキのタイアップが生じ易い。そこで、パワーオンシフ
ト時には、サーボ(B−2)の油圧が解放され始めるま
でサーボ(B−3)の係合を遅らせる必要がある。図1
2はこのような対応を可能とした処理ステップ19’−
3,4をエンジンブレーキソレノイド制御サブルーチン
19に盛り込んだ制御フローを示す。
【0044】この制御では、ステップ19’−1でステ
ップ11,17の変速判断により、出力要求されたギヤ
段が1速か2速かを判断する。ステップ19’−2では
シフトポジションの1又は2が選択されているかどうか
判断する。ステップ19’−3では現在入力されている
スロットル開度が3%以下のとき、スロットルオフと判
定する。ステップ19’−4ではトランスミッション入
力回転数と出力回転数を比較し、変速過渡時におけるイ
ナーシャ相の開始を判定する。ステップ19’−5では
ステップ19’−1〜3が全てあるいはステップ19’
−1,2,4が全て成立した場合、ソレノイドNo.3
オンと判断する。ステップ19’−6では先の条件が成
立しない場合、ソレノイドNo.3オフと判断する。こ
のようにトランスミッション入力回転数と出力回転数を
検出することにより、ブレーキB2のイナーシャ相開始
(サーボB−2の油圧解放始め)を検出し、それまでブ
レーキB3の係合を遅らせている。このとき、ワンウェ
イクラッチF2により1速ギヤ段は維持されるので、タ
イムラグは発生しない。この場合のタイムチャートは図
13に示すようになる。
【0045】次に、図14〜図17は第1実施例におけ
るシフト装置と制御装置とを変形した第2実施例を示
す。この例では、制御装置を特開平2−8545号公報
に開示されるようなアップダウン式シフト装置に対応可
能なものとしている。このシフト装置は、図14の左端
にそのシフトパターンを示すように、自動変速用の各レ
ンジと平行し、Dレンジ位置から移行可能なアップ(そ
の方向の検出スイッチを+で示す)ダウン(その方向の
検出スイッチを−で示す)ゲートを備えるもので、この
ような方式の場合、運転者が3−1ダウンシフトや4−
2ダウンシフトといった飛び変速を要求する場合、続け
て2回シフトレバーを同方向へ操作する必要があるた
め、第1回目の操作からt1 秒間ディレータイマを設
け、多重変速を防止する必要がある。そこで、シフトダ
ウンの検出スイッチSW−作動を起点のタイミングとし
て、ソレノイドNo.3をオフとし、t1 タイマ成立
後、変速指令を出力することで、多重変速防止のために
要するt1 秒間先行的にブレーキB1を解放し、タイア
ップを防止している。
【0046】このような制御系のジェネラルフローを図
15に、またそのアップダウン入力処理ステップ6’A
のサブルーチンを図16に、エンジンブレーキ制御ステ
ップ19’Aのサブルーチンを図17に示す。以下、第
1実施例と異なる制御部分についてのみ説明する。
【0047】先ず、アップダウンSW入力処理ステップ
6’Aは、ステップ6’−1Aで検出スイッチSW+が
オフからオンへ状態遷移したかどうかを判断する。ステ
ップ6’−2Aではステップ6’−1Aが成立した場
合、所定のルールに従って多重変速防止タイマを起動さ
せる。ステップ6’−3Aでは変速希望ギヤ段を現状ギ
ヤ段(通常、出力要求ギヤ段と一致している)に対して
1段プラスする。ステップ6’−4Aでは多重変速防止
タイマが成立しているか否かを判断する。ステップ6’
−5Aでは多重変速防止タイマ成立時、出力要求ギヤ段
を変速希望ギヤ段に置き換え出力する。ステップ6’−
6Aで検出スイッチSW−がオフからオンへ状態遷移し
たかどうかを判断する。ステップ6’−7Aではステッ
プ6’−6Aが成立した場合、所定のルールに従って多
重変速防止タイマを起動させる。ステップ6’−8Aで
は変速希望ギヤ段を現状ギヤ段(通常、出力要求ギヤ段
と一致している)に対して1段マイナスする。
【0048】ステップ14Aのサブルーチンは変速希望
ギヤ段SWnが何速ギヤ段であるかで判断する点のみが
ステップ14と異なるのみである。そして、エンジンブ
レーキ制御ステップ19’Aは、ステップ19’−00
Aで変速判断を起点とするタイマt1 が成立しているか
どうかを判断する。ステップ19’−1Aではステップ
11,17の変速判断により、出力要求されたギヤ段が
1速か2速かを判断する。ステップ19’−2Aではマ
ニュアルモードかどうか判断する。ステップ19’−3
Aでは現在入力されているスロットル開度が3%以下の
とき、スロットルオフと判定する。ステップ19’−4
Aではトランスミッション入力回転数と出力回転数を比
較し、変速過渡時におけるイナーシャ相の開始を判定す
る。ステップ19’−5Aではステップ19’−1A〜
3Aが成立した場合、シフトソレノイドNo.1,2へ
の出力と同時にソレノイドNo.3をオンにし、ステッ
プ19’−4Aが成立した場合はソレノイドNo.3を
単独でオンにする。ステップ19’−6Aでは先の条件
が成立しない場合、ソレノイドNo.3オフと判断す
る。
【0049】以上、本発明を二つの実施例に基づき詳説
したが、本発明は上記実施例の開示内容のみに限定され
ることなく、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種
々に細部の具体的構成を変更して実施可能なものである
ことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のシフト装置を示す側面図
である。
【図2】シフト装置の平面図である。
【図3】変速操作に対するスイッチ配置を概念的に示す
配置図である。
【図4】各シフトポジションに対するマニュアルスイッ
チの作動表である。
【図5】ギヤトレインのスケルトン図である。
【図6】自動変速機の作動表である。
【図7】油圧制御装置の部分回路図である。
【図8】電子制御装置のシステム構成図である。
【図9】電子制御装置の処理を示すジェネラルフローチ
ャートである。
【図10】ジェネラルフロー中のエンジンブレーキソレ
ノイド制御処理のサブルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図11】2速ギヤ段から1速ギヤ段へのシフトダウン
のタイムチャートである。
【図12】変形例のエンジンブレーキソレノイド制御処
理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】変形例の2速ギヤ段から1速ギヤ段へのシフ
トダウンのタイムチャートである。
【図14】シフト装置をアップダウン式のものに変更し
た第2実施例の2速ギヤ段から1速ギヤ段へのシフトダ
ウンのタイムチャートである。
【図15】第2実施例の電子制御装置の処理を示すジェ
ネラルフローチャートである。
【図16】アップダウン入力処理ステップのサブルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図17】第2実施例のエンジンブレーキ制御ステップ
のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 シフトレバー 2 シフトレバー位置検出手段 B3 ファースト及びリバースブレーキ(第1摩擦係合
要素) B1 セカンドコーストブレーキ(第2摩擦係合要素) F2 ワンウェイクラッチ(一方向クラッチ) B−3 第1油圧サーボ B−1 第2油圧サーボ 4 油圧制御装置(制御装置) ECU 電子制御装置(制御装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹下 仁人 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 北條 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田端 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 甲斐川 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−199764(JP,A) 特開 平4−83964(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機を変速操作するシフトレバー
    と、該シフトレバーの位置を検出するシフトレバー位置
    検出手段と、自動変速機のギヤトレイン内において互い
    に背反する係合及び解放作動で変速前後のそれぞれのギ
    ヤ段でエンジンブレーキ作動を生じさせる第1摩擦係合
    要素及び第2摩擦係合要素と、前記第1摩擦係合要素の
    解放時のパワーオン状態でギヤトレインの前ギヤ段を維
    持する一方向クラッチと、前記第1摩擦係合要素を係合
    させる第1油圧サーボと、前記第2摩擦係合要素を係合
    させる第2油圧サーボと、前記シフトレバー位置検出手
    段による前記シフトレバーの第1位置からの離脱の検出
    で前記第1油圧サーボを排圧して前記第1摩擦係合要素
    を解放し、前記シフトレバーの第2位置への到達の検出
    で前記第2油圧サーボに係合圧を供給して前記第2摩擦
    係合要素を係合させる制御装置とから成ることを特徴と
    する車両用自動変速機。
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