JP2891618B2 - 鉄骨柱の位置決め治具 - Google Patents

鉄骨柱の位置決め治具

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JP2891618B2
JP2891618B2 JP25830693A JP25830693A JP2891618B2 JP 2891618 B2 JP2891618 B2 JP 2891618B2 JP 25830693 A JP25830693 A JP 25830693A JP 25830693 A JP25830693 A JP 25830693A JP 2891618 B2 JP2891618 B2 JP 2891618B2
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孝則 川原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、既設鉄骨柱の上部に
新たな鉄骨柱を吊り込む際に直線性を持って接合するた
めの位置決め治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既設の鉄骨柱の上部に新たな鉄骨柱を継
ぐ際には、クレーンで吊り、既設鉄骨柱の上部に設置す
るようにしているが、吊込みの際には鉄骨柱がふらつ
き、作業員の操作誘導だけで精度良く既設鉄骨柱上に設
置するのは難しい。
【0003】例えば従来では特公昭53−47616号
公報に示すように、鉄骨柱の上下の各辺に複数のボルト
穴を開口した位置決め用フランジを一体に突設してお
き、吊り込み作業によりほぼフランジ同士が一致した状
態に設置した後、フランジの両側に継手となる治具板を
配置し、これにボルトを通し、裏からのナットの締め付
け力によって位置を修正し、直線度を得るようにしてい
るが、鉄骨柱は相当の重量があるため、一旦着座(セッ
ティング)すると、らずかの目違い(位置ずれ)があっ
ても、これを横にこじらせることが難しく、通常は再び
クレーンで吊り上げ、再度着座させるが、前回より良好
になる保証はない。したがって、手間がかかる欠点があ
った。
【0004】このような欠点を解決するものとして、特
開昭62−156478号公報に示す鉄骨柱建入れ装置
が開発されている。
【0005】この装置は、下部を既設鉄骨柱に一体化さ
れた梁上に固定された架台と、架台の上部を設置側鉄骨
柱の上部に揺動かつ伸縮可能に連結されたアームと、架
台の中間に設置側鉄骨柱に連結する油圧シリンダ機構か
らなる第二アーム有し、該アーム伸縮に応じて設置され
た鉄骨柱の位置を適性位置に修正するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この装置は、
構造が大掛かりで複雑であり、この装置自体の設置や移
動などが面倒で、修正のための時間も長くかかるなどの
問題があった。
【0007】この発明は以上の問題を解決するものであ
って、その目的は、既設鉄骨柱に対する新たな鉄骨柱の
吊り込み作業時点で両者の直線度を精度良く一致させる
ことが出来るようにした鉄骨柱の位置決め治具を提供す
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、断面矩形状をなす中空の既設鉄骨柱の
上縁の隅角部に嵌合固定される4つのL字形の位置決め
プレートと、該各位置決めプレートの上面に互いに90
°間隔で回転可能に設置され、かつその回転面を吊り込
み側鉄骨柱の外側部に面して垂直に配置した一対のガイ
ドローラを備えたことを特徴とするものである。
【0009】またこの発明では、隣合う前記各位置決め
プレートを前記吊り込み側鉄骨柱の外側面に当接する断
面L字形の連結プレート上に一体に設置するとともに、
該連結プレート同士の向かい合う両側を前記既存鉄骨柱
を挟んでボルトナットにより着脱可能に連結する構成と
することが好ましい。
【0010】
【作用】以上の構成にあっては、位置決め治具を予め既
設鉄骨柱の上縁に配置しておき、吊込まれた鉄骨柱を操
作誘導して概略の位置決めを行い、その底面隅角部がい
ずれかのガイドローラの半径より内側に当接した時点で
鉄骨柱を吊下ろすと、ガイドローラは回転しながらその
周方向に鉄骨柱の外側部を下降ガイドする。そして、最
終的には全てのガイドローラの周面に四隅の角部が当接
することにより位置決めされ、この状態で既設鉄骨柱の
上部に設置されることになる。
【0011】連結プレート上に位置決めプレートを一体
化した場合には、同治具の既設鉄骨柱に対する取付け取
り外しは2組のボルトナットの着脱操作によって行うこ
とが出来る。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳
細に説明する。
【0013】図1は、この発明に係る位置決め治具の分
解斜視図、図2は同組立状態の平面図である。
【0014】図において、鉄骨柱1は、断面矩形状をな
し、内部中空のものであって、この鉄骨柱の下縁は隅肉
溶接のために内側に向けてナイフエッジ状に形成されて
いるとともに、上部及び下部の外側の対向する2辺には
一対の仮止め用のフランジ1aが突設されており、この
各辺と90°交差して対向する2辺の上縁にこの発明に
よる位置決め治具2が着脱可能に固定される。
【0015】位置決め治具2は、鉄骨柱1の上部外側面
に一対の当接ブロック3aを介して当接する断面L字形
の連結プレート3と、連結プレート3の上部両側に溶接
などにより一体に固定され、内側が既設の鉄骨柱の上縁
隅角部の周辺に載置される平面L字形の位置決めプレー
ト4と、各位置決めプレート4の上面に互いに90°間
隔で固定されたブラケット5と、各ブラケット5に回転
可能に軸受され、かつその回転面を吊込み側鉄骨柱1の
外側部に面して垂直に配置した一対のガイドローラ6
と、前記連結プレート3の下部両側に開口されたボルト
穴3bに挿通されるステーボルト7と、該ボルト7の両
端に螺合するナット8を備えている。
【0016】前記ガイドローラ6はその半径から内側に
吊り込み側の鉄骨柱1の下縁隅角部が位置した状態で下
降及び位置決めが可能となり、したがってガイドローラ
6の径は作業員誘導時における据付誤差の許容範囲に応
じて設定される。
【0017】以上の構成の治具2を用いた鉄骨柱1の吊
込み手順としては、まず治具2を既設鉄骨柱1の上部に
固定し、その後吊込み作業を行う。
【0018】固定方法は、各連結プレート3を既設鉄骨
柱1の上縁の対向する辺に配置し、次いでボルト7をボ
ルト穴3bに通し、ナット8でボルトの両端を締め付け
れば、図2に示すように各位置決めプレート4は既設鉄
骨柱1上の隅角部に位置決めされ、各ガイドローラ6も
隅角部の上部に90°間隔で配置される。
【0019】以上の準備作業終了後新たな鉄骨柱1の吊
り込みを行う、この作業はクレーンなどを用いて行わ
れ、該当する位置に待機している作業員の誘導作業によ
って吊り込み側の鉄骨柱1が既設鉄骨柱1の真上の大体
の位置に位置した後更に吊下ろし作業が行われる。
【0020】この時、図3(a)に示すように互いに直
交配置された任意のガイドローラ6の半径から内側に吊
下ろし側鉄骨柱1の下縁角部が位置した状態となれば、
このガイドローラ6の回転面に接触させたまま吊下ろす
ことができる。
【0021】つまり、ガイドローラ6の半径から内側に
鉄骨柱1の下縁が位置した状態では鉄骨柱1の下降に伴
ってローラ6は内側に回転し、その径に応じて図3
(b)に示すように、内側へと位置決めガイドし、下降
に伴って最終的には図3(c)に示すように全部のガイ
ドローラ6の内側に接した状態で精度良く既設鉄骨柱1
の上縁に吊り込み側鉄骨柱1の下縁が一致した状態に据
え付けられる。
【0022】吊り込み完了後は、両鉄骨柱1の他の2辺
に付き合わされるフランジ1aの両側に図示しない固定
板を配置し、これらを貫通する図示しないボルトナット
によって両フランジ1a間を連結すれば、両鉄骨柱1同
士は仮止めされる。
【0023】この仮止め作業終了後クレーンワイヤなど
の玉掛けを外し、ナット8を緩めて前記連結プレート3
間を締め付けているボルト7を外せば位置決め治具2を
取り外すことができ、これはそのまま他の吊り込み場所
に転用される。その後両鉄骨柱1間を溶接すれば、接続
作業を完了することができる。
【0024】なお、本実施例では、位置決めプレートの
ずり落ちを防ぐため、その内端が既設鉄骨柱の上端面の
外周隅角部(溶接のための切欠き空間)に載置されるよ
うに構成したが、これに限らず、例えば、フランジ1a
の上端部あるいは既設鉄骨柱の側面に特別に取付けたリ
ブ金物に掛けるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、この発明にかかる鉄骨柱の位置決め治具にあって
は、位置決め治具を予め既設鉄骨柱の上縁に配置してお
き、吊込まれた鉄骨柱を操作誘導して概略の位置決めを
行い、その底面隅角部がいずれかのガイドローラの半径
より内側に当接した時点で鉄骨柱を吊下ろすと、ガイド
ローラは回転しながらその周方向に鉄骨柱の外側部を下
降ガイドし、最終的には全てのガイドローラの周面に四
隅の角部が当接することにより位置決めされ、この状態
で既設鉄骨柱の上部に設置されるため、従来のように位
置修正のための労力や、機械的手段を用いることがなく
鉄骨柱の吊り込みから据付までの作業時間を大巾に短縮
できる利点がある。
【0026】また同治具の既設鉄骨柱に対する取付け取
り外しは2組のボルトナットの着脱操作などによって行
うことが出来、従来の機械手段を用いた位置修正に比べ
構造操作共に簡単で、転用も容易に行うことができる利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鉄骨柱の位置決め治具の分解斜
視図である。
【図2】同位置決め治具を既設鉄骨柱の上縁に固定した
状態を示す平面図である。
【図3】(a)〜(c)は位置決め治具を用いた鉄骨柱
の据付手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1 既設及び吊り込み側鉄骨柱 2 位置決め治具 3 連結プレート 3b ボルト穴 4 位置決めプレート 6 ガイドローラ 7 ステーボルト 8 ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−102781(JP,A) 特開 平7−62885(JP,A) 実開 昭59−62145(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 21/18,21/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面矩形状をなす中空の既設鉄骨柱の上
    縁の隅角部に嵌合固定される4つのL字形の位置決めプ
    レートと、該各位置決めプレートの上面に互いに90°
    間隔で回転可能に設置され、かつその回転面を吊り込み
    側鉄骨柱の外側部に面して垂直に配置した一対のガイド
    ロ―ラを備えたことを特徴とする鉄骨柱の位置決め治
    具。
  2. 【請求項2】 隣合う前記各位置決めプレートを前記吊
    り込み側鉄骨柱の外側面に当接する断面L字形の連結プ
    レート上に一体に設置するとともに、該連結プレート同
    士の向かい合う両側を前記既設鉄骨柱を挟んでボルトナ
    ットにより着脱可能に連結したことを特徴とする請求項
    1記載の鉄骨柱の位置決め治具。
JP25830693A 1993-10-15 1993-10-15 鉄骨柱の位置決め治具 Expired - Fee Related JP2891618B2 (ja)

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