JP2890761B2 - 光学記録媒体 - Google Patents

光学記録媒体

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JP2890761B2 JP2238397A JP23839790A JP2890761B2 JP 2890761 B2 JP2890761 B2 JP 2890761B2 JP 2238397 A JP2238397 A JP 2238397A JP 23839790 A JP23839790 A JP 23839790A JP 2890761 B2 JP2890761 B2 JP 2890761B2
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、データ、画像等の情報記録用の高密度記録
媒体としての光ディスクなどに利用される光学記録媒体
に関する。
従来の技術 従来より有機化合物を用いた可逆的な色の変化を生じ
る材料として、フォトクロミック物質が知られている。
フォトクロミック物質のうちで最もよく検討されてい
るものに、光開環反応を示す有機化合物のスピロピラン
が挙げられる。
現在までに数多くのスピロピランが発表されている。
例えば下記に示す無色のスピロピランに紫外線を照射す
ると、メロシアニンに変化し赤色を呈する。このメロシ
アニンは、可視光を照射すると元のスピロピランに戻
る。
応用としては、書換え可能な光学記録媒体がある。
光学記録媒体は、例えばディスク上にスピロピランを
塗布し、紫外線によって全面を着色状態にして初期化す
る。この媒体に、着色体から無色体に変化するのに適当
な波長のレーザ光を集光して照射することにより、記録
を行なうことができる。
また、紫外線を照射することによってそのスポットを
再び初期化することができる。
発明が解決しようとする課題 フォトクロミック材料は、一般に無色体あるいは着色
体が熱的に不安定である。例えば上記のスピロピラン化
合物は着色体の安定性が低い。
これを克服するために、スピロピラン骨格に非環式炭
化水素鎖を導入した化合物をLB法で成膜し、膜中で会合
体を形成させることによって、着色体の安定性を向上さ
せることが例えば特開昭59-224413号公報等に提案され
ている。
しかし、スピロピラン骨格に非環式炭化水素鎖を導入
した全ての化合物が会合体を形成できるわけではなく、
多くのスピロピランでは会合体形成が困難であり、着色
体が不安定であったりする。
また、たとえ会合体を形成しても、基板上において着
色体が不安定であったりして光学記録媒体としての使用
ができなかった。
本発明の光学記録媒体は、係る従来の課題を克服する
ためになされたものであり、光の刺激に対して安定な記
録層を有する書換え可能な光学記録媒体を提供すること
を目的とする。
課題を解決するための手段 気水界面において単体で着色体が会合体を形成するが
基板上でその着色体が不安定な、下記一般式で示される
化学構造のフォトクロミック物質とイオン性界面活性物
質および非イオン性界面活性物質とを混合して光学記録
媒体を構成する。
ただし、R1は炭素数8〜30の非環式炭化水素基を示
す。
作用 本発明によると、界面活性物質の有する長鎖非環式炭
化水素鎖とスピロピラン物質の有する長鎖非環式炭化水
素鎖との相互作用、および界面活性物質の持っている自
己組織的な集合状態形成能によって、スピロピランの会
合体が安定化しやすい分子配列が構成される。
また、イオン性界面活性物質は、スピロピランの着色
したメロシアニンのイオン化状態を安定化しており、非
イオン性界面活性物質は集合状態の秩序性を安定化して
いる。これらの作用はイオンコンプレックス法のような
界面活性付与の効果とは異なっている。
これに紫外線照射、または加熱雰囲気下での紫外線照
射によって得られるスピロピランの着色したメロシアニ
ンは、基板上において会合体を形成し、光安定性が向上
する。
実施例 本発明に供されるフォトクロミック物質は、下記一般
式で示される化合物であり、R1の炭素数は8〜30の非環
式炭化水素基である。R1の炭素数が8未満であると本発
明の界面活性物質との相互作用が小さくなると共に、フ
ォトクロミック物質自体の両親媒性が損なわれ例えばLB
法で成膜し難くなる。また30より多いと原料が入手し難
くなるため実験は行っていないが、分子設計上の観点か
らは適応できるものと想定させる。
本発明の光学記録媒体に用いるイオン性界面活性物質
は、長鎖非環式炭化水素基を疎水性基として有するアミ
ン、アンモニウム塩、カルボン酸、スルホン酸、カルボ
ン酸基、スルホン酸塩あるいはアミノ酸等の通常の界面
活性材が供される。
これらの界面活性材の内、長鎖非環式炭化水素基を有
するアミン又はアンモニウム塩のカチオン性界面活性物
質、並びに長鎖非環式炭化水素基を有するカルボン酸、
スルホン酸、もしくはこれらの塩のアニオン性界面活性
物質は、自己組織的な集合状態形成能が強く、本発明の
フォトクロミック物質と良好な相互作用を有するため好
ましい。
また上記長鎖非環式炭化水素基の炭素数が8以上であ
ると、より良好な界面活性が発揮されるため望ましい。
なお長鎖非環式炭化水素基の炭素数の上限については、
一般的に入手されるのが30までであるためそれ以上につ
いては実験を行っていないが、分子設計上の観点からは
本願発明の作用が炭素数30以下で留まるとは想定されな
い。
さらに非環式炭化水素基は、直鎖もしくは分岐アルキ
ル鎖、又は直鎖もしくは分岐アルケン鎖が供される。
本発明に供される非イオン性界面活性物質としては、
エーテル型、エーテルエステル型、エステル型又は含窒
素型等何れでも良いが、特に直鎖飽和脂肪酸エステル
は、集合状態の秩序性を安定化させる効果が高いため好
ましい。
なお、フォトクロミック物質の会合体形成による着色
状態の安定化は、フォトクロミック物質とイオン性界面
活性物質と非イオン性界面活性物質の3成分の混合比に
よらずに実現できる。ただし、光学記録媒体の記録層と
して充分な光学密度を得るためには、フォトクロミック
物質とイオン性界面活性物質と非イオン性界面活性物質
との混合比は、1対1対(0.5〜10)が望ましい。
以下に本発明の実施例を示す。
使用したフォトクロミック物質は下記化学構造式で示
すスピロピランAである。
このようにスピロピランA分子は、長鎖アルキル基を
有しており、単体で着色状態のメロシアニンを、基水界
面において会合体を形成した。
しかし、基板上において会合状態が不安定で直ちに無
色体に戻ってしまうため、光学記録媒体としての使用は
従来不可能であった。
またイオン性界面活性物質として、下記に示す第4級
のジオクタデシルジメチルアンモニウム(以下界面活性
物質Bと略す)を用いた。
アニオン性界面活性物質としては、下記に示すスルホ
ン酸塩系界面活性物質(以下界面活性物質Cと略す)を
使用した。
さらに非イオン性界面活性物質として、下記に示す直
鎖飽和脂肪酸エステルのステアリン酸メチル(以下界面
活性物質Dと略す)を使用した。
CH3(CH2)16COOCH3 実施例1 スピロピランAと界面活性物質Bと界面活性物質Dを
1対1対0.5の割合で、ベンセン/クロロホルム=1/1の
混合溶媒に溶解し、展開用試料を調製した。
水相は、イオン交換水を1回蒸留した純水を用い、水
温20℃とした。
気水界面での単分子膜の形成は、圧縮速度10mm/minで
行なった。
その後LB法によって表面圧25mN/m、累積速度10mm/min
の条件で、石英板基板上の10層累積を行なった。
第1図に破線で示すように、作製したLB膜は累積直後
無色であり、40℃雰囲気で366nmの紫外線照射によって
第1図の実線で示したように、青色に着色した。
その吸収スペクトルから、極大波長615nmのシャープ
なJ会合体を形成していることが確認された。この着色
体の安定性は暗所放置において60分以上J会合体の強度
が保たれていた。
それに対して従来の単体でのLB膜では、基板上で40℃
雰囲気で366nmの紫外線照射によって作製したJ会合体
は、数秒で無色体に戻ってしまった。
この薄膜を記録層として光学記録媒体を構成した。
この光学記録媒体は、波長615nmの色素レーザーの照
射によって、約1μm径の記録ビット形成を行なうこと
ができた。
さらに、この記録状態は40℃で紫外線を照射すること
で消去を行え、記録消去の繰り返しも確認できた。
実施例2 スピロピランAと界面活性物質Bと界面活性物質Dを
1対1対2の割合でベンゼン/クロロホルム=1/1の混
合溶媒に溶解し、キャスト用試料を調製した。
この溶液からスピンコーティングによるキャスト法を
用いて光学記録媒体の記録層を製膜した。
スピン回転数は1000rpmで、20秒間行なった。
第2図に破線で示すように、作製した薄膜は、最初無
色であるが、40℃雰囲気で紫外線照射によって第2図の
実線で示したように、吸収極大波長615nmの青色に着色
したJ会合体を形成し、60分以上良好な着色体の安定性
を示した。
光学記録媒体として、波長615nmの色素レーザーの照
射と40℃雰囲気で紫外線照射することで記録消去を行な
うことができた。
実施例3 スピロピランA、界面活性物質Cと界面活性物質Dを
1対2対2の割合で、メチルアルコール/ベンゼンに溶
解し、キャスト用溶液を調製した。
この溶液からスピンコーティングによるキャスト法を
用いて製膜した。
スピン回転数は2000rpmで、20秒間行なった。
作製した薄膜は最初無色であるが、40℃雰囲気で366n
mの紫外線照射によって、吸収極大波長615nmの青緑色に
着色したJ会合体を形成し、良好な着色体の安定性を示
した。
この薄膜を記録層として光学記録媒体を構成した。
この光学記録媒体は、波長615nmの色素レーザーの照
射によって、約1μm径の記録ビット形成を行なうこと
ができた。
さらに、この記録状態は40℃で紫外線を照射すること
で消去を行え、記録消去の繰り返しも確認できた。
発明の効果 本発明はフォトクロミック物質と、イオン性界面活性
物質および非イオン性界面活性物質とを混合した記録層
を有する光学記録媒体であるため、着色体が不安定のた
め光学記録媒体として使用できなかったフォトクロミッ
ク物質が、光に対しての安定性が向上し、書換え可能な
光学記録媒体への適用が可能になった効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は各々本発明の光学記録媒体の一実施
例の吸収スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比野 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−147456(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で示される化学構造のフォトク
    ロミック物質と、イオン性界面活性物質および非イオン
    性界面活性物質とが混合して成ることを特徴とする光学
    記録媒体。 式中、R1は炭素数8〜30の非環式炭化水素基を示す。
  2. 【請求項2】イオン性界面活性物質が、非環式炭化水素
    鎖を有するアミンもしくは非環式炭化水素鎖を有するア
    ルモニウムのカチオン性界面活性物質であり、前記非環
    式炭化水素鎖の少なくとも1つが炭素数8〜30であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の光学記録媒体。
  3. 【請求項3】イオン性界面活性物質が、カルボン酸、ス
    ルホン酸またはカルボン酸塩もしくはスルホン酸塩のア
    ニオン性界面活性物質であり、炭素数8〜30の非環式炭
    化水素鎖を少なくとも1つ有していることを特徴とす
    る、請求項1記載の光学記録媒体。
  4. 【請求項4】非イオン性界面活性物質が、直鎖飽和脂肪
    酸エステルであることを特徴とする、請求項1記載の光
    学記録媒体。
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