JP2729004B2 - フォトクロミック材料 - Google Patents

フォトクロミック材料

Info

Publication number
JP2729004B2
JP2729004B2 JP7449592A JP7449592A JP2729004B2 JP 2729004 B2 JP2729004 B2 JP 2729004B2 JP 7449592 A JP7449592 A JP 7449592A JP 7449592 A JP7449592 A JP 7449592A JP 2729004 B2 JP2729004 B2 JP 2729004B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aggregate
film
recording
wavelength
photochromic material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7449592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05271648A (ja
Inventor
昭雄 宮田
豊 鵜沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Original Assignee
Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC filed Critical Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Priority to JP7449592A priority Critical patent/JP2729004B2/ja
Publication of JPH05271648A publication Critical patent/JPH05271648A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2729004B2 publication Critical patent/JP2729004B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光メモリ素子に用いるた
めのフォトクロミック材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、書き換え型光メモリにおいて、光
吸収帯の波長の変化を利用して光照射により情報の記
録、再生及び消去を行う、有機フォトクロミック材料か
ら構成される光メモリ素子が活発に研究されている。こ
れは、有機化合物が、従来の無機材料と比較して、記録
情報の高密度化、大容量化の可能性を有するほか、経済
的にもコストを低減できるなどの利点を多く有するため
である。
【0003】現在、フォトクロミズムを示す有機化合物
において、最も有望で且つ検討がなされているものにス
ピロピラン化合物がある。
【0004】スピロピラン化合物は、無極性溶媒に溶解
した溶液中においては、紫外線の照射により分子構造が
フォトメロシアニン型となって発色し、さらに単量体状
態にあるフォトメロシアニンが凝集してJ会合体と呼ば
れる分子会合体を形成することが知られている。
【0005】また、会合体を形成する膜の作製方法とし
て、特公平3−67251号公報等に示されるように、
分子内に長鎖アルキル基を導入したスピロピラン化合物
をラングミュア・ブロジェット膜(以下「LB膜」と称
す。)としてガラス基板等の支持体上に成膜する方法が
ある。この場合、スピロピラン化合物の着色体は、溶液
中と同様にLB膜中でJ会合体を効率良く形成すること
ができる。このようにして形成されたJ会合体は、色素
分子が数多く集まった凝集体で、head−to−ta
il構造で配列したものであり、単量体に比較して著し
く着色状態が熱的に安定化することや、J会合体の最大
吸収波長が単量体であるフォトメロシアニン型の最大吸
収波長よりも長波長側にシフトし、吸収バンド幅が狭く
且つ吸光度が大きいことなど、光メモリ素子用の記録材
料として優れた特長を有している。
【0006】最近ではJ会合体のほかに、最大吸収波長
が単量体であるフォトメロシアニン型の最大吸収波長よ
りも短波長側にシフトするH会合体も見いだされてい
る。
【0007】このほかにも有機フォトクロミック材料
は、銀塩写真に代わる写真用材料、複写用材料、CRT
記録材料、あるいは、インテリヤ用の材料として広範囲
の用途が考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のフォト
クロミック材料を用いた場合、会合体を作製するために
は、最初に紫外線照射を行い、後に熱処理を行わなけれ
ばならない。この2種類の操作を行わなければならない
点は、素子化する上で反応工程が複雑になるばかりでな
く、装置の面からも複雑、ひいては高価になるという欠
点がある。例えば、現在主な用途として考えられている
光メモリ素子においては、薄膜化したフォトクロミック
材料に記録する場合、紫外線照射と過熱処理の2工程を
行わなければならず、記録装置の複雑化及び高価格化の
原因となることが予想される。これらの点から簡単に会
合体を形成する材料が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以上のことを鑑
みてなされたものであり、熱処理のみで会合体を形成す
るフォトクロミック材料を用いることで、さらには、下
記構造式(化2)
【0010】
【化2】
【0011】で表されるフォトクロミック材料用いるこ
とで上記課題を解決しようとするものである。
【0012】
【実施例】以下に、本発明に係るフォトクロミック材料
について説明する。
【0013】〈実施例1〉 1.目的物質(TP182)2の合成 フラスコ内で出発物質である5−ニトロサリチルアルデ
ヒドをクロロメチル−メチル−エ−テルに溶解し、氷水
浴で冷却する。次に無水塩化アルミニウムを穏やかに加
える。氷水浴からフラスコを取り出し、3−クロロメチ
ル−5−ニトロサリチルアルデヒドとドコサン酸銀塩を
混合した後、還流操作してエステル化反応させる。得ら
れた物質と、オクタデシルベンゾチアゾールインドリン
を還流操作により脱水反応させて、化3で表される目的
物質を得た。
【0014】
【化3】
【0015】2.膜の作製および評価 以下に示す表1の条件に基づいてLB膜の作製を行っ
た。
【0016】
【表1】
【0017】累積した直後のLB膜では図1の曲線Aの
吸収スペクトル(最大吸収波長:550nm)をもつフ
ォトメロシアニンが得られた。このLB膜を20分間7
0℃で熱処理すると、曲線Bの吸収スペクトルを持つJ
会合体(最大吸収波長:568nm)が形成した。この
会合体は熱的に安定であり、1年以上吸光度は変化せず
安定であった。このようにして形成した会合体に強度2
5W/cm2のレーザー光を照射すると元の無色状態に
戻った。これらの着色、消色過程を繰り返し行っても、
吸収スペクトルの再現性に変化はなかった。なお熱処理
時間および熱処理温度はこの実施例に限定されるもので
はなく、会合体を形成する条件であれば良い。
【0018】〈実施例2〉 1.目的物質(6Cl−TP1822)の合成 フラスコ内で出発物質である5−ニトロサリチルアルデ
ヒドをクロロメチル−メチル−エ−テルに溶解し、氷水
浴で冷却する。次に無水塩化アルミニウムを穏やかに加
える。氷水浴からフラスコを取り出し、3−クロロメチ
ル−5−ニトロサリチルアルデヒドとドコサン酸銀塩を
混合した後、還流操作してエステル化反応させる。得ら
れた物質と、6位に塩素を導入したオクタデシルベンゾ
チアゾールインドリンを還流操作により脱水反応させ
て、化4で表される目的物質を得た。
【0019】
【化4】
【0020】2.膜の作製および評価 LB膜は実施例1の条件(表1に示す)と同じ条件で作
製した。
【0021】累積した直後のLB膜では図2の曲線Aの
吸収スペクトル(最大吸収波長:555nm)をもつフ
ォトメロシアニンが得られた。このLB膜を20分間7
0℃で熱処理すると、曲線Bの吸収スペクトルを持つJ
会合体(最大吸収波長:570nm)が形成した。この
会合体は熱的に安定であり、1年以上吸光度は変化せず
安定であった。このようにして形成した会合体に出力2
5W/cm2のレーザー光を照射すると元の無色状態に
戻った。これらの着色、消色過程を繰り返し行っても、
吸収スペクトルの再現性に変化はなかった。なお熱処理
時間および熱処理温度はこの実施例に限定されるもので
はなく、会合体を形成する条件であれば良い。
【0022】〈実施例3〉 1.目的物質(6Me−TP1822)の合成 フラスコ内で出発物質である5−ニトロサリチルアルデ
ヒドをクロロメチル−メチル−エ−テルに溶解し、氷水
浴で冷却する。次に無水塩化アルミニウムを穏やかに加
える。氷水浴からフラスコを取り出し、3−クロロメチ
ル−5−ニトロサリチルアルデヒドとドコサン酸銀塩を
混合した後、還流操作してエステル化反応させる。得ら
れた物質と、6位にメチル基を導入したオクタデシルベ
ンゾチアゾールインドリンを還流操作により脱水反応さ
せて、化5で表される目的物質を得た。
【0023】
【化5】
【0024】2.膜の作製および評価 LB膜は実施例1の条件(表1に示す)と同じ条件で作
製した。
【0025】累積した直後のLB膜では図3の曲線Aの
吸収スペクトル(最大吸収波長:558nm)をもつフ
ォトメロシアニンが得られた。このLB膜を20分間7
0℃で熱処理すると、曲線Bの吸収スペクトルを持つH
会合体(最大吸収波長:528nm)と、J会合体(最
大吸収波長:620nm)の2種類の会合体が形成し
た。この会合体は熱的に安定であり、1年以上吸光度は
変化せず安定であった。このようにして形成した会合体
に出力15W/cm2のレーザー光を照射すると元の無
色状態に戻った。これらの着色、消色過程を繰り返し行
っても、吸収スペクトルの再現性に変化はなかった。な
お熱処理時間および熱処理温度はこの実施例に限定され
るものではなく、会合体を形成する条件であれば良い。
【0026】〈上述のフォトクロミック材料を用いた光
メモリ素子についての実施例〉以下に本材料および会合
体形成方法を用いた波長多重記録光メモリ素子について
説明する。
【0027】作製は、実施例2および3と同様にして、
ガラス基板上に6Cl−TP1822と6Me−TP1
822を別々に累積し多層膜の記録層とした。会合体形
成のための熱処理は、1種の膜ごとでも2種の膜を累積
した後の一括処理でも実施例2および3と同じJおよび
H会合体が形成した。
【0028】次にJ会合体を形成している記録層に波長
570nmで出力25W/cm2の強い強度のレーザ光
を照射し情報を記録した。さらにH会合体を形成してい
る記録層に528nmで出力15W/cm2の強い強度
のレーザ光を照射し情報を記録した。いずれの場合で
も、レーザ光を照射した部分のみ、それぞれの波長に相
当する会合体が崩壊し元の無色状態に戻った。再生は、
J会合体を形成した記録層の場合には波長570nmで
出力5mW/cm2の弱い強度のレーザ光により情報を
読み出すことができ、H会合体を形成した記録層の場合
には波長528nmで出力5mW/cm2の弱い強度の
レーザ光により情報を読み出すことができた。いずれの
場合でも、記録された情報を破壊する事なく何度でも情
報を読み出すことが可能であった。消去は、J会合体を
形成した記録層の場合は波長570nmで出力40W/
cm2の強い強度のレーザ光を記録層全面に照射し、H
会合体を形成した記録層の場合、波長528nmで出力
40W/cm2の強い強度のレーザ光を素子全面に照射
することで、それぞれの会合体が崩壊し記録された情報
を消去することができた。一度記録消去を行った後、再
度記録消去について検討した結果、同様に紫外線照射と
加熱処理によりいずれの会合体も形成することができ、
再び同様に記録消去が可能であった。消去は、いずれの
会合体を形成した場合でも、紫外線照射の後、残存して
いる会合体と同一の会合体を形成させる加熱処理によ
り、素子全面に同一の会合体を形成させても良い。ま
た、本実施例の光メモリ素子において、会合体を形成し
て情報を記録した後、長期間経た後でも会合体は非常に
安定しており、情報が保持されたままで、読み出すこと
が可能であったことから、光メモリ素子として十分な記
録寿命を有することが分かった。
【0029】ここでは一実施例として6Cl−TP18
22と6Me−TP1822との組み合わせについて説
明したが、TP1822と6Me−TP1822との組
み合わせや、その他、吸収波長の異なるフォトクロミッ
ク材料を用いてもよい。
【0030】以上、LB膜について詳しく説明したが、
色素を揮発性溶媒に溶解してコーティングした後溶媒を
乾燥させたり、樹脂に分散させて成膜しても同様の機能
を有する。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明のフォトクロミッ
ク材料を用いることにより、会合体形成が容易となり工
程が簡略化される。このため、銀塩写真に代わる写真用
材料、複写用材料、CRT記録材料、あるいは、インテ
リヤ用の材料として広範囲に応用可能である。また、本
発明を光メモリ素子の記録層に採用することによって、
書き換えや高密度記録が可能で、記録寿命が長く安定
で、しかも会合体形成の工程が簡略であるため素子構成
が簡単で安価な光メモリ素子の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TP1822のフォトメロシアニン(A)とJ
会合体(B)の吸収スペクトルである。
【図2】6Cl−TP1822のフォトメロシアニン
(A)とH会合体(B)の吸収スペクトルである。
【図3】6Me−TP1822のフォトメロシアニン
(A)とH会合体(B)の吸収スペクトルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造式で表されることを特徴とす
    るスピロピラン化合物からなるフォトクロミック材料。 【化1】 ただし、式中R1はCn2n+1、R2は(CH2mOCO
    n2n+1もしくは(CH2mOCn2n+1で、mは1か
    ら5、nは12以上かつ30以下の整数である。Xは水
    素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6
    のアルコキシル基、炭素数2から6のアルコキシカルボ
    ニル基、ハロゲン原子、あるいはニトロ基である。
JP7449592A 1992-03-30 1992-03-30 フォトクロミック材料 Expired - Fee Related JP2729004B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7449592A JP2729004B2 (ja) 1992-03-30 1992-03-30 フォトクロミック材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7449592A JP2729004B2 (ja) 1992-03-30 1992-03-30 フォトクロミック材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05271648A JPH05271648A (ja) 1993-10-19
JP2729004B2 true JP2729004B2 (ja) 1998-03-18

Family

ID=13548946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7449592A Expired - Fee Related JP2729004B2 (ja) 1992-03-30 1992-03-30 フォトクロミック材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2729004B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05271648A (ja) 1993-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0179436A2 (en) Optical recording medium
JPH0558941A (ja) 光互変性のナフタセンキノン類、それらの製法及び用途
US5426018A (en) Photochromic material
JPH0372118B2 (ja)
JPH06340821A (ja) サーモクロミック赤外線吸収染料
JPH0588454B2 (ja)
US6569600B2 (en) Optical recording material
JP2729004B2 (ja) フォトクロミック材料
EP0483542B1 (en) A photochromic material and an optical storage medium using the same
JPH05204102A (ja) 光メモリ素子及びその記録方法
JP2890760B2 (ja) 光学記録媒体
JPH0696347B2 (ja) 光学記録体
JPH0367251B2 (ja)
JPS62147454A (ja) 光学記録媒体
EP0235038B1 (en) Visible-ray recording hologram material
JPS62147455A (ja) 光学記録媒体
KR100257893B1 (ko) 유기광기록매체
JP2933741B2 (ja) 光記録媒体
JP3220840B2 (ja) ジベンゾインドカーボシアニン系色素及び光情報記録媒体
JPH06202270A (ja) 光記録素子及びその記録方法
JPH0720729B2 (ja) レ−ザ記録媒体
JP2721725B2 (ja) フォトクロミック材料とこれを用いた光学記録媒体
US4263395A (en) High intensity photon-image recording
Barachevskii et al. Organic recording media with photoinduced fluorescence
JP2834824B2 (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees