JP2890473B2 - 電気音響変換器 - Google Patents

電気音響変換器

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JP2890473B2
JP2890473B2 JP1136686A JP13668689A JP2890473B2 JP 2890473 B2 JP2890473 B2 JP 2890473B2 JP 1136686 A JP1136686 A JP 1136686A JP 13668689 A JP13668689 A JP 13668689A JP 2890473 B2 JP2890473 B2 JP 2890473B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、スピーカやマイクロホン等の電磁誘導型の
電気音響変換器に関する。
B.発明の概要 本発明は、電磁誘導型の電気音響変換器に関し、中央
部を振動方向に膨出するように湾曲形成され、導電部を
磁気回路部の直流磁界中に位置するようにして、外周縁
側を磁気回路部に支持されたドーム型振動板の湾曲され
た部分に対向して誘導コイルを配したものである。
この電気音響変換器の振動板は、全体を湾曲形成して
なるので、面積を大きくすることができ、剛性を高める
ことができるので、大きな振幅を実現し、音響信号に追
随性よく駆動でき、音圧周波数特性が向上される。
C.従来の技術 従来、電磁誘導型の電気音響変換器として、駆動コイ
ルに信号電流を供給し、この駆動コイルと導電性の材料
よりなる振動体との間の電磁誘導により駆動体において
誘導電流である二次電流を誘起させて、この振動体を励
振するように構成したスピーカが提案されている。
この種の電磁誘導型のスピーカとして、実開昭50−10
5438号公報に記載されるものがある。この公報に記載さ
れたスピーカは、導電性の材料により略半球状に膨出形
成されてドーム状となされたドーム型振動体を備え、こ
のドーム型振動体を進退自在に支持するとともに、この
ドーム型振動体の開放側の端部を磁気回路部により形成
される直流磁界中に配置している。そして、上記開放側
の端部の内側あるいは外側には、この開放側の端部の内
側面あるいは外側面に対向するように、リング状をなす
端部と同心円状に駆動コイルが配設されている。
このスピーカは、駆動コイルに音響信号に応じた駆動
電流が供給されると、振動体の開放側のリング状をなす
端部に沿うように二次電流が誘起される。この二次電流
と直流磁界との相互作用によって、振動体が駆動されて
振動する。
このスピーカにおいては、振動体は良好な導電性を有
する材料で形成する必要があり、振動体を構成する材料
が限定されてしまう。そのため、機械的損失、比重等に
ついて音響再生に好適な材料を用いることが困難であ
る。このスピーカを、例えば金属のように機械的損失が
小さい材料により形成された振動体を用いて構成した場
合には、特定の周波数における共振が発生し易くなる。
また、このスピーカにおいては、振動体の一部分のみが
駆動され、振動体の全体が振動させられるため、金属の
ように比較的比重が大きい材料により形成した場合に
は、入力される信号に対する応答性が悪くなり、良好な
音響再生特性が得られない。
また、特公昭53−25650号公報には、導電性を有する
材料より形成されたリング状をなす平面振動板を用いた
スピーカが示されている。
このスピーカは、リング状をなす磁気ギャップ内に放
射状の直流磁界を形成する磁気回路部を備える。この磁
気回路部は、センターポールが中央部に一体的に突設さ
れたヨークと、センターポールを囲むようにヨーク上に
配置されるリング状のマグネットと、このマグネット上
に配設されるリング状のトッププレートとにより構成さ
れ、センターポールとトッププレートとの間のリング状
の空隙部が磁気ギャップとなされている。この磁気ギャ
ップ内には、磁気ギャップに対応するリング状に形成さ
れた平面振動板が直流磁界の方向に直交する方向に進退
自在に支持されている。すなわち、平面振動板は、内周
縁部をセンターポールの先端側の外周面に、外周縁部を
トッププレートの内周面にそれぞれダンパ部材を介して
支持されて取付けられている。そして、平面振動板に対
向するように、誘導コイルが配設されている。
このスピーカは、駆動コイルに音響信号に応じた駆動
電流が供給されると、電磁誘導により平面振動板に二次
電流が誘起される。平面振動板は、磁気回路部の直流磁
界と平面振動板に誘起される二次電流との作用により、
直流磁界に直交する方向に駆動されて振動する。このよ
うに平面振動板が振動されることにより、音響再生が行
われる。このスピーカは、平面振動板が直接的に駆動さ
れるため、広い周波数帯域に亘って共振が発生すること
を抑えることができ、音響信号に対し応答性よく駆動さ
れる。
ところで、スピーカの音圧周波数特を向上するために
は、磁気ギャップの幅を狭くして、磁気ギャップ中の磁
束密度を高くする必要がある。
しかし、平面振動板をリング状に形成した上述したス
ピーカにあっては、平面振動板の幅が磁気ギャップの幅
と略同一となされているため、磁気ギャップの幅を狭く
すると平面振動板の面積を大きくすることができない。
平面振動板の面積が小さいと、十分な音圧を得ることが
できなくなる。
また、上述したスピーカは、平面振動板の内周側及び
外周側を磁気回路部のセンターポール及びマグネットに
支持させているので、振動板の取り付けが困難となって
しまっている。
そこで、本願出願人は、中央部に開口部を有すること
のない円板状若しくは矩形状をなす平面振動体を用いた
電磁誘導型の電気音響変換器を提案している。
この電気音響変換器は、第6図に示すように、センタ
ーポール101が中央部に一体的に突設されたヨーク102
と、センターポール101を囲むようにヨーク102上に配置
されるリング状のマグネット103と、このマグネット103
上に配設されるリング状のトッププレート104とを備え
た磁気回路部を有する。この磁気回路部おいて、センタ
ーポール101とこのセンターポールに101に対向するトッ
ププレート104との間に構成されるリング状の空隙部が
磁気ギャップ105となされている。この磁気ギャップ105
内には、放射状の磁束からなる直流磁界が形成されてい
る。
そして、磁気回路部には、マグネット103の内周側に
円板状に形成された平面振動板106が、磁気ギャップ105
内の直流磁界に直交する方向に進退自在となるように支
持されている。すなわち、この平面振動板106は、外周
縁部をダンパ部材107を介してマグネット103の内周面に
支持されることによって取付けられている。そして、こ
の平面振動板106に対向するように、駆動コイル108が配
設されている。
このスピーカにおいては、駆動コイル108に信号電流
が供給されると、この駆動コイル108と平面振動板106と
の間の電磁誘導により、平面振動板106において二次電
流が誘起される。すると、平面振動板106は、二次電流
と直流磁界との作用により直流磁界に直交する方向に振
動されて音響を放射する。
このスピーカにおいては、平面振動板106が直接駆動
されるため、広い周波数帯域に亘って共振が発生し難
く、また、入力される信号電流に対して忠実かつ良好な
応答性をもって音響再生を実現することができる。さら
に、このスピーカは、磁気ギャップ105の幅に依存する
ことなく十分に大きな面積を有する平面振動板106を用
いることができる。そのため、このスピーカは、良好な
音圧周波数特性を得ることができる。
また、平面振動板106は、外周縁部のみがマグネット
に支持されて磁気回路部に取付けられているため、形状
が簡素化され製造が容易である。
D.発明が解決しようとする課題 ところで、上述した本件出願人が先に提案している電
気音響変換器は、平面振動板106の全体が平板状に形成
されているので、剛性を高めることが困難である。
そのため、この電気音響変換器は、高域の周波数帯域
を再生する場合に、振動板の剛性不足から分割振動が生
じる虞れがある。分割振動が生ずると、音響信号に忠実
な再生を行うことが困難となる。
また、この電気音響変換器は、平面振動板106の剛性
を高めることが困難であるので、高出力の音響再生を行
うことが困難である。そのため、電気音響変換器にホー
ンを取付け、ホーン型のスピーカとして構成したとき、
良好な音圧周波数特性を得ることができなくなってしま
う。
なお、この電気音響変換器は、充分な剛性を保証する
ため、平面振動板を厚くすることが考えられるが、平面
振動板の重量が大きくなり、良好な感度が得られず、正
確な音響再生を行うことが困難である。
そこで、本発明は、上述の実情に鑑み、本件出願人が
先に提案している電気音響変換器をさらに改良するもの
であって、特に高域の周波数帯域における音圧周波数特
性の改善を図ることを目的に提案されたものである。
E.課題を解決するための手段 上述したような目的を達成するため、本発明に係る電
気音響変換器は、中央部にセンターポールが一体的に突
設されたヨークと上記センターポールを囲んで配設され
るマグネットとこのマグネット上に配設されるトッププ
レートとで構成され、上記セターポールの高さが少なく
とも上記トッププレートの上面より低く形成され、上記
トップレートの底面側と上記センターポールの周面との
間で磁気ギャップを形成し、この磁気ギャップに直流磁
界を発生させる磁気回路部と、少なくとも一部が導電部
となされ、この導電部が上記直流磁界に交差し上記磁気
回路部の高さ方向に振動するように外周側が上記磁気回
路部に支持されるとともに中央部を振動方向に膨出する
ように湾曲形成されたドーム型振動板と、上記ドーム型
振動板の湾曲された部分に対向して配設された駆動コイ
ルとを備え、上記駆動コイルに駆動電流が供給され、電
磁誘導により上記導電部に誘起される誘導電流と上記磁
気回路部に発生する直流磁界との作用により上記ドーム
型振動板を駆動するようにしたものである。
F.作用 本発明に係る電気音響変換器は、中央部を振動方向に
膨出するように湾曲形成され、少なくとも一部を導電部
となし、この導電部を磁気回路部の直流磁界中に位置す
るようにして、外周縁側を磁気回路部に支持された導電
性材料により形成されたドーム型振動板の湾曲された部
分に対向して配設された駆動コイルに音響信号に応じた
信号電流が供給されると、振動板に電磁誘導による二次
電流が誘起され、この振動板に流れる二次電流と磁気回
路部の磁界との作用によりドーム型振動板が振動し音響
再生を行う。
G.実施例 以下、本発明をスピーカに適用した例を挙げて説明す
る。
このスピーカは、第1図及び第2図に示すように、外
磁型の磁気回路部1を有し、この磁気回路部1に、中央
部を振動方向に膨出するように湾曲形成されたドーム型
振動板7及び駆動コイル9が取付けられている。
磁気回路部1は、円盤状に形成され中央部に円柱状を
なすセンターポール2が一体的に突設されたヨーク3を
備えている。これらセンターポール2及びヨーク3は、
高透磁性金属等の磁性材料により形成されている。ヨー
ク3の上面側には、センターポール2を囲むようにリン
グ状のマグネット4が配設されている。このマグネット
4の上面には、ヨーク3と同様の材料によりリング状に
形成されたトッププレート5が配設されている。このト
ッププレート5の開口径は、マグネット4の開口径より
小径となされている。そのため、トッププレート5の内
周面5bは、マグネット4の内周面4bよりもやや内方に突
出している。この磁気回路部1のセンターポール2は、
第2図に示すように、その高さが少なくともトッププレ
ート5の上面より低く形成されている。
磁気回路部1を構成するマグネット4から放射される
磁束は、第2図中に矢印Bで示すように、ヨーク3の周
囲よりセンターポール2内を通り、センターポール2の
先端側周面よりトッププレート5の内周面5bを経てマグ
ネット4に至る磁路を形成している。すなわち、センタ
ーポール2の先端側周面とトッププレート5の底面側の
内周面5bとにより形成されるリング状の空隙部が磁気ギ
ャップ6となされており、この磁気ギャップ6には磁束
が放射状となる直流磁界が形成されている。
このように構成された磁気回路部1を介して、中央部
を振動方向に膨出するように湾曲形成されたドーム型振
動板7が支持されている。このドーム型振動板7は、薄
い導電性を有する金属板により形成され、外周径がマグ
ネット4の内周に対応する大きさに形成されている。こ
の平面振動板7を構成する材料は、スピーカの応答性を
良好となすために比重が小さく、また、電流が流れ易い
ように比抵抗率が小さい金属が用いられる。このような
金属としては、アルミニウム、チタン、ベリリウム、マ
グネシウム、銅又はこれらの合金等が挙げられる。
ドーム型振動板7は、中央部の最も膨出される部分を
センターポール2の上方に対向するように位置させ、後
述するように振動されたときにもセンターポール2の先
端部に接触しないように、センターポール2との間に所
定間隔を隔て、外周縁側をマグネット4の内周面4bにダ
ンパ部材8を介して支持される。そして、ドーム型振動
板7は、第1図中矢印F方向の磁気ギャップ6内の磁束
に略直交する方向に進退自在に支持される。
ドーム型振動板7を支持するダンパ部材8は、振動板
7を確実に支持するとともに、振動板7の進退を広い周
波数帯域に亘って阻害することなく、また、分割振動が
生じ難い材料より形成される。すなわち、ダンパ部材8
は、軽量で、縦弾性率Eと密度ρとの比により表される
比縦弾性率E/ρが大きく、かつ内部損失Tanδの値が適
度に大きな材料が適している。
なお、ドーム型振動板7の外周部に同心円状の複数の
折り曲げ形成し、この外周部を直接マグネット4に支持
するようにしてもよい。また、振動板7を充分に薄く形
成することにより、外周縁を直接マグネット4に支持す
るようにしてもよい。
そして、ドーム型振動板7の湾曲された部分の磁気ギ
ャップ6内に位置された部分に近接して対向するよう
に、駆動コイル9が所定の支持部材10に支持されて配設
されている。この駆動コイル9は、センターポール2の
先端側の周囲を囲むように設けられている。駆動コイル
9には、この駆動コイル9の一端部9a及び他端部9bを介
して音響信号に応じた信号電流が供給される。
このように構成された本発明に係るスピーカは、駆動
コイル9に音響信号に応じた信号電流が供給されると、
駆動コイル9が供給された信号電流に応じた周波数の交
流磁界を形成する。この交流磁界は、ドーム型振動板7
の駆動コイル9に対向した部分と密接に鎖交する。する
と、ドーム型振動板7には、この振動板7と駆動コイル
9との間の電磁誘導により誘導電流である二次電流が誘
起される。この二次電流は、ドーム型振動板7におい
て、駆動コイル9が対向する部分を含むリング状の部
分、すなわち、駆動コイル9により形成される交流磁界
が鎖交する磁気結合部分7aにおいて最も電流密度が高く
なるように周回り方向に流れる。二次電流の電流密度
は、ドーム型振動板7の中心部分及び周辺部分では低く
なっている。この二次電流は、信号電流に応じた周波数
を有するものである。そして、この二次電流が流れてい
る部分は、磁気ギャップ6内に位置されているため、磁
気ギャップ6内に形成されている直流磁界と二次電流と
の作用により駆動力が発生し、ドーム型振動板7が振動
され音響再生を行う。
なお、本発明に係るスピーカは、上述したようなリン
グ状のマグネット4及び全体が円形をなすドーム型振動
板7を備えてなるものに限られず、矩形枠状のマグネッ
ト及び矩形状をなすドーム型振動板を用いたものであっ
てもよい。さらに、その他の形状のドーム型振動板を用
いてもよい。また、本発明に係るスピーカを構成するた
めの磁気回路部は、上述のようないわゆる外磁型のもの
に限定されず、壷型のヨークと円柱状のマグネットとを
用いて構成される内磁型のものでもよい。
また、本発明に係るスピーカは、第3図に示すよう
に、ドーム型振動板7上にイコライザ13を配設し、さら
に、トッププレート5にホーン14を取付けるようにして
もよい。この場合には、ドーム型振動板7の発熱は、イ
コライザ13やホーン14等を介して放熱され、この振動板
7の放熱をより良好に行うことができる。
また、本発明に係るスピーカは、振動板7が中央部を
振動方向に膨出するように湾曲形成されてなるので、厚
さを厚くすることなく剛性を高めることができ、高出力
の音響再生を行うことができる。したがって、このスピ
ーカは、ホーン型のスピーカに適用して特に有用とな
る。
また、本発明に係るスピーカは、ドーム型振動板7を
導電性を有する導電性高分子フィルムにより形成するよ
うにしてもよい。この導電性高分子フィルムは、高分子
材料中にカーボンや金属パウダー等を混入してなる材料
により形成されたフィルムである。また、例えば、ポリ
アセチレンのベースにヨウ素をドーピング処理して導電
性を帯びるようになした材料からなるフィルムも用いる
ことができる。
このスピーカにおいて上記ドーム型振動板7を高分子
材料より形成すると、このドーム型振動板7内における
機械的損失を比較的大きくなし、また、軽く形成するこ
とができる。そのため、このように形成されたドーム型
振動板を用いて構成したスピーカにおいては、特定の周
波数における共振がなく、かつ、応答性の良い良好な音
圧周波数特性を実現することができる。
さらに、本発明に係るスピーカは、面積あたりの電気
抵抗が部分によって異なるように構成されたドーム型振
動板を用いて構成してもよい。
このドーム型振動板7を導電性を有する金属により形
成する場合には、第4図に示すように、駆動コイル9に
対向する部分を含む駆動コイル9から誘起される磁界が
密接に鎖交する磁気結合部分のみを肉厚に形成するるこ
とによって、面積あたりの電気抵抗が低下させられてい
る。
このように、磁気結合部分のみを肉厚としたドーム型
振動板7を形成するには、平坦な金属板からなるドーム
型に形成された振動板本体に、この振動板本体と同種あ
るいは異種の材料からなる駆動コイル9の形状に対応す
る形状の金属板を導電性を有する接着剤や半田等を用い
て接合する。
このように構成されたドーム型振動板7を用いたスピ
ーカは、振動板7の磁気結合部分のみが肉厚となされて
いることにより、この磁気結合部分の面積あたりの電気
抵抗が小さくなり二次電流がより流れ易くなる。電気抵
抗が小さくなり、二次電流がより多く流れると、ドーム
型振動板7はより大きな駆動力により駆動され、スピー
カの音圧周波数特性を向上することができる。
なお、磁気結合部分に取付けられる金属板を、例え
ば、金や銀等の比抵抗率の極めて低い材料により形成す
ることにより、ドーム型振動板7の全体の重量の増加を
抑えつつ磁気結合部分の電気抵抗を小さくすることがで
きる。
また、ドーム型振動板7の一定の部分のみを肉厚とな
すには、メッキ加工や蒸着法等により、平坦なドーム型
に形成された振動板本体に所定の金属材料を形成するよ
うにしてもよい。
さらに、ドーム型振動板7は、磁気結合部分以外の部
分を、切削加工やエッチング加工等により薄くして、面
積あたりの電気抵抗率を増大させることにより、相対的
に磁気結合部分が肉厚であって電気抵抗が小さくなるよ
うにして構成してもよい。
この場合には、ドーム型振動板7は、磁気結合部分に
ついては電気抵抗を減少させるための充分な厚さとしな
がら、振動板7全体を軽量化することができる。そのた
め、ドーム型振動板7をこのように構成することによ
り、信号電流に対する応答性を向上させることができ
る。
さらに、ドーム型振動板7において、磁気結合部分以
外の部分の電気抵抗率を大きくするためには、電気抵抗
を増大させたい部分に酸化膜を形成するようにしてもよ
い。この酸化膜は、振動板7の表面より深い部分に亘っ
て形成するほど電気抵抗を大きくすることができる。
この場合には、磁気結合部分以外の部分における表層
電流の誘起が防止され、磁気結合部分のみに二次電流が
集中される。そのため、このように構成されたドーム型
振動板7を用いたスピーカにおいては、駆動効率が一層
向上される。
そして、本発明に係るスピーカは、導電性材料からな
るドーム型振動板7の両面にそれぞれ第1及び第2の駆
動コイルを対向して配設し、これら2つの駆動コイルに
よりドーム型振動板を駆動するようにしてもよい。
このスピーカは、第5図に示すように、ドーム型振動
板7の磁気ギャップ6内に位置された部分の下面側に近
接して対向するように、第1の駆動コイル13が所定の支
持部材により支持されて配設されるとともに、ドーム型
振動板7の磁気ギャップ6内に位置された部分の上面側
に近接して対向するように、第2の駆動コイル14が所定
の支持部材により支持されて配設されている。これら第
1の駆動コイル13と第2の駆動コイル14とは、それぞれ
同一の信号電流を供給できるようにするため、互いに並
列あるいは直列に極性が同一方向となるように接続され
ている。第1の駆動コイル13及び第2の駆動コイル14は
同極性に接続されているため、それぞれの駆動コイルか
ら発生する交流磁界の極性は同一であり、これら2つの
駆動コイルにより形成される交流磁界は、互いに強め合
うように作用する。
ところで、二次電流の量は、ドーム型振動板7と駆動
コイルとの距離により増減する。上述のようにドーム型
振動板7の両面に駆動コイルを配設したスピーカは、ド
ーム型振動板7が振動し一方の駆動コイルより離間する
ときには、他方の駆動コイルに接近する。したがって、
このスピーカは、ドーム型振動板7に誘起される二次電
流の量が振動板7の振動により変動することがない。
また、このスピーカは、ドーム型振動板7の両面に駆
動コイルを配設しているので、振動板7と各駆動コイル
との間の空気層の弾性による振動に対する影響が振動板
7の上面及び下面で等しくなる。したがって、このスピ
ーカのドーム型振動板7の振動特性は、振動の中立点に
ついて対称となされ、良好な音響再生を実現することが
できる。
なお、本発明は、上述したスピーカのみならず、マイ
クロホンに適用することもできる。マイクロホンに適用
した場合には、空気振動により平面振動板が振動され、
この平面振動板の振動と直流磁界との相互作用により平
面振動板内に電流が誘起される。この平面振動板内の電
流が電磁誘導により駆動コイルに伝達されて、この駆動
コイルの両端より音響出力を得ることができる。
また、上述した各例において、ヨークに適宜透孔等を
設けることにより、スピーカとして構成した場合に、平
面振動板の裏面側における空気弾性の調整や、マイクロ
ホンとして構成した場合の指向性の調整等を行うことが
できる。
H.発明の効果 上述のように、本発明に係る電気音響変換器は、中央
部にセンターポールが一体的に突設されたヨークと上記
センターポールを囲んで配設されるマグネットとこのマ
グネット上に配設されるトッププレートとで構成され、
上記センターポールの高さが少なくとも上記トッププレ
ートの上面より低く形成され、上記トップレートの底面
側と上記センターポールの周面との間で磁気ギャップを
形成し、この磁気ギャップに直流磁界を発生させる磁気
回路部の直流磁界に導電部を交差させるようにして外周
側を磁気回路部に支持させてドーム型振動板を配設して
なるので、振動板の大型化を図り、振動板側の導電部と
直流磁界を確実に鎖交させることができる。
さらに、振動板は、中央部を振動方向に膨出するよう
に湾曲形成され、この振動板の湾曲された部分に対向し
て駆動コイルを配したものであるので、振動板の面積を
大きくしながら剛性を高め、効率よく振動板の導電部に
誘導電流を誘起でき、大型化された振動板を音響信号に
追随性よく駆動し良好な音圧周波数特性を得ることがで
きる。
そして、ドーム型振動板の面積を大きくすることによ
り、この振動板に誘起される二次電流により生ずる熱を
良好に放熱することができる。
さらにまた、磁気回路部は、センターポールの高さが
少なくともトッププレートの上面より低く形成され、ト
ップレートの底面側とセンターポールの周面との間で磁
気ギャップを形成するようにしているので、その高さを
低くできるので、変換器自体の薄型化も図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明をスピーカに適用した例を示す一部破断
斜視図であり、第2図は上記スピーカの縦断面図であ
り、第3図は本発明に係るスピーカをホーン型スピーカ
に適用した例を示す縦断面図である。 第4図は本発明に係るスピーカの他の例を示す一部破断
斜視図であり、第5図は本発明に係るスピーカのさらに
他の例を示す縦断面図である。 第6図は平面振動板を有する従来の電磁誘導型スピーカ
をす縦断面図である。 1……磁気回路部、6……磁気ギャップ、7……ドーム
型振動板、9……駆動コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−318399(JP,A) 特開 昭50−109714(JP,A) 特開 昭51−45516(JP,A) 実開 昭50−105438(JP,U) 実開 昭57−202297(JP,U) 実開 昭63−158090(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04R 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中央部にセンターポールが一体的に突設さ
    れたヨークと上記センターポールを囲んで配設されるマ
    グネットとこのマグネット上に配設されるトッププレー
    トとで構成され、上記センターポールの高さが少なくと
    も上記トッププレートの上面より低く形成され、上記ト
    ップレートの底面側と上記センターポールの周面との間
    で磁気ギャップを形成し、この磁気ギャップに直流磁界
    を発生させる磁気回路部と、 少なくとも一部が導電部となされ、この導電部が上記直
    流磁界に交差し上記磁気回路部の高さ方向に振動するよ
    うに外周側が上記磁気回路部に支持されるとともに中央
    部を振動方向に膨出するように湾曲形成されたドーム型
    振動板と、 上記ドーム型振動板の湾曲された部分に対向して配設さ
    れた駆動コイルとを備え、 上記駆動コイルに駆動電流が供給され、電磁誘導により
    上記導電部に誘起される誘導電流と上記磁気回路部に発
    生する直流磁界との作用により上記ドーム型振動板を駆
    動してなる電磁誘導型の電気音響変換器。
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