JP2889632B2 - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP2889632B2 JP2040476A JP4047690A JP2889632B2 JP 2889632 B2 JP2889632 B2 JP 2889632B2 JP 2040476 A JP2040476 A JP 2040476A JP 4047690 A JP4047690 A JP 4047690A JP 2889632 B2 JP2889632 B2 JP 2889632B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、少ない遊星歯車組で多段化できる自動変速
機に関する。
(従来の技術) 従来、5速自動変速機としては、例えば、「自動車工
学Vol.38 No.9」(平成1年8月,(株)鉄道日本社発
行)の14,15ページに記載されているものが知られてい
る。
この従来の5速自動変速機は、周知の4速電子制御自
動変速機(4E−AT)をベースとし、その後端部に副変速
機を追加し、1,2,3速が減速、4速が直結、5速が増速
である5速自動変速機とし、減速から直結までのギア比
設定間隔を小さくし、トルクの高いエンジン回転域を使
えるようにすることで、加速性能の向上や変速時の駆動
力の変化を小さくし、なめらかな走りを実現させてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の5速自動変速機にあ
っては、副変速機として遊星歯車組を追加する構成であ
る為、全体として遊星歯車組が3組必要となり、コスト
的に不利であると共にギアトレインユニットの全長が長
くなってしまうという問題がある。
本発明は、上述のような問題に着目してされたもの
で、コスト的に有利であると共にギアトレインユニット
の全長を短くしながら前進5速を得ることを課題とす
る。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するため本発明の自動変速機では、少
なくとも5速を得るのに2組の遊星歯車組を有する周知
の4速自動変速機に2つのクラッチを追加するだけで良
いようにした。
即ち、入力軸と出力軸との間に隣接して配置されるシ
ングルピニオンタイプの第1遊星歯車組及び第2遊星歯
車組と、第1キャリアと第2リングギアとを隣接可能と
する第1クラッチと、前記第1クラッチを介してケース
に第2リングギアを固定可能とする第1ブレーキと、前
記入力軸と第1キャリアとを接続可能とする第2クラッ
チと、ケースに第1サンギアを固定可能とする第2ブレ
ーキと、前記入力軸と第2サンギアとを直結する第1回
転メンバと、第1リングギアと第2キャリアとを直結す
る第2回転メンバーと、前記第2キャリアと出力軸とを
接続可能とする第3クラッチと、前記第2リングギアと
出力軸とを接続可能とする第4クラッチとを備えている
事を特徴とする。
(作 用) 1速時には、第1クラッチと第1ブレーキと第3クラ
ッチとが締結され、この締結により第2リングギアがケ
ースに固定される。
従って、第2遊星歯車組での第2リングギア固定によ
る減速作用で、入力軸→第2サンギア→第2キャリア→
第3クラッチ→出力軸を経過するトルク伝達経路により
減速状態の1速が得られることになる。
2速時には、第1クラッチと第2ブレーキと第3クラ
ッチとが締結され、この締結により第1サンギアがケー
スに固定されると共に第1キャリアと第2リングギアが
接続される。
従って、1速と同様の入力軸→第2サンギア→第2キ
ャリア→第3クラッチ→出力軸を経過するトルク伝達経
路に第2リングギアを回転させるトルク伝達経路が加わ
り、これにより第2リングギアが回転し、第2キャリア
及び出力軸を増速方向に回転させるために1速より減速
比の低い2速が得られることになる。
3速時には、第1クラッチと第2クラッチと第3クラ
ッチとが締結され、入力軸からの回転が第1回転メンバ
を介して第2サンギアに入力されると共に第2クラッチ
→第1キャリア→第1クラッチを経過して第2リングギ
アに入力され、第2遊星歯車組の第2ピニオンは自転が
止められ、第2キャリアは入力軸と同方向に同回転す
る。
従って、入力軸と出力軸とは第3クラッチを介して直
結されることにより変速比1による3速が得られること
になる。
4速時には、第2クラッチと第2ブレーキと第3クラ
ッチとが締結され、第1サンギアはケースに固定され
る。
従って、入力軸→第2クラッチ→第1キャリア→第1
リングギア→第2回転メンバ→第2キャリア→第3クラ
ッチ→出力軸を経過するトルク伝達経路となり、第1遊
星歯車組での第1サンギア固定による第1リングギア増
速作用で増速による4速が得られることになる。
5速時には、第2クラッチと第2ブレーキと第4クラ
ッチとが締結され、第1サンギアはケースに固定され
る。
従って、入力軸→第2クラッチ→第1キャリア→第1
リングギア→第2回転メンバ→第2キャリアを経過する
第2リングギアへのトルク伝達経路と、入力軸→第1回
転メンバ→第2サンギア→第2ピニオンを経過する第2
リングギアへのトルク伝達経路が形成され、第2リング
ギアは第2キャリアの公転に加えて第2ピニオンの自転
により増速されることになり、この第2リングギアから
第4クラッチ及び出力軸を経過することで、4速より増
速された5速が得られることになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
まず、構成を説明する。
第2図に自動車に適用される前進5速後退1速の自動
変速機の動力伝達機構をスケルトン図(下半分を省略し
ている)として示す。
この自動変速機は、2組の遊星歯車組を用いた前進4
速後退1速の自動変速機をベースとし、これにクラッチ
を2つ追加することだけで前進5速,後退1速の変速段
を得るようにしている。
即ち、エンジン駆動力が入力される入力軸I/Sと出力O
/Sとの間にシングルピニオンタイプの第1遊星歯車組PG
1と第2遊星歯車組PG2とを備えている。
前記第1遊星歯車組PG1は、第1サンギアS1,第1ピニ
オンP1,第1リングギアR1,第1キャリアPC1より構成さ
れ、第2遊星歯車組PG2は、第2サンギアS2,第2ピニオ
ンP2,第2リングギアR2,第2キャリアPC2より構成され
ている。
そして、各遊星歯車組PG1,PG2には、回転メンバとし
て、第1サンギアS1に連結される第1回転メンバM1と、
第1キャリアPC1と第2リングギアR2に連結される第2
回転メンバM2と、第1リングギアR1と第2キャリアPC2
とを直結する第3回転メンバM3と、第2サンギアS2と入
力軸I/Sとを直結する第4回転メンバM4とを備えてい
る。
上記各回転メンバを直結状態としたり、ケース固定状
態とすることで異なるギア比による変速段を得る変速要
素として、バンドブレーキB/B(第2ブレーキ)、リバ
ースクラッチREV/C、ハイクラッチH/C(第2クラッ
チ)、フォワードクラッチFWD/C(第1クラッチ)、フ
ォワードワンウェイクラッチFWD O.W.C、オーバーラン
クラッチOVR/C、ローワンウェイクラッチLOW O.W.C、ロ
ー&リバースブレーキL&R/B(第1ブレーキ)、オー
バドライブワンウェイクラッチOD O.W.C、4速クラッチ
4TH/C(第3クラッチ)、5速クラッチ5TH/C(第4クラ
ッチ)を備えている。
前記リバースクラッチREV/Cは、入力軸I/Sに連結され
る第1回転メンバM1の途中に設けられ、入力軸I/Sと第
1サンギアS1とを接続可能とする。
前記ハイクラッチH/Cは、入力軸I/Sに連結される第2
回転メンバM2の途中に設けられ、入力軸I/Sと第1キャ
リアPC1とを接続可能とする。
前記フォワードクラッチFWD/Cとフォワードワンウェ
イクラッチFWD O.W.Cとは、第1キャリアPC1と第2リン
グギアR2とを連結する第2回転メンバM2の途中に直列関
係で設けられ、第1キャリアPC1と第2リングギアR2と
を接続可能とする。
前記オーバーランクラッチOVR/Cは、前記フォワード
クラッチFWD/C及びフォワードワンウェイクラッチFWD
O.W.Cに対し並列関係で設けられ、第1キャリアPC1と第
2リングギアR2とを直結可能とする。
前記ロー&リバースブレーキL&R/Bは、第1キャリ
アPC1とケースKとを連結する第2回転メンバM2に設け
られ、第1キャリアPC1をケースKに固定可能とする。
前記ローワンウェイクラッチLOW O.W.Cは、前記ロー
&リバースブレーキL&R/Bと並列関係で設けられ、第
1キャリアPC1と一方向の回転をケースKに固定可能と
する。
前記バンドブレーキB/Bは、第1回転メンバM1に設け
られ、第1サンギアS1をケースKに固定可能とする。
前記4速クラッチ4TH/Cは、出力軸O/Sに連結される第
3回転メンバM3の途中に設けられ、第2キャリアPC2と
出力O/Sとを接続可能とする。
前記オーバドライブワンウェイクラッチOD O.W.Cは、
前記4速クラッチFTH/Cと並列関係で設けられ、正転時
に第2キャリアPC2と出力軸O/Sとを接続可能とする。
前記5速クラッチ5TH/Cは、前記第2リングギアR2と
出力軸O/Sとを連結する第2回転メンバM2の途中に設け
られ、第2リングギアR2と出力軸O/Sとを接続可能とす
る。
そして、前記各変速要素の作動時期は、第2図の変速
要素作動表に示すように行われる。
次に、作用を説明する。
[1速時] 1速時には、第2図に示すように、フォワードクラッ
チFWD/Cとロー&リバースブレーキL&R/Bと4速クラッ
チ4TH/CとオーバーランクラッチOVR/Cとが油圧作動によ
り締結され、各ワンウェイクラッチLOW O.W.C,FWD O.W.
C,OD O.W.Cが機械的に締結作動する。
この締結作動により、第3図に示すように、第2リン
グギアR2がケースKに固定され、トルク伝達経路は、入
力軸I/S→第4回転メンバM4→第2サンギアS2→第2ピ
ニオンP2→第2キャリアPC2→オーバドライブワンウェ
イクラッチOD O.W.C→出力軸O/Sとなる。
従って、第2遊星歯車組PG2での第2リングギア固定
による減速作用を示し、第4図の共線図に示すように、
減速状態の1速が得られることになる。
[2速時] 2速時には、第2図に示すように、フォワードクラッ
チFWD/CとバンドブレーキB/Bと4速クラッチ4TH/Cとオ
ーバーランクラッチOVR/Cとが油圧作動により締結さ
れ、各ワンウェイクラッチFWD O.W.C,OD O.W.Cが機械的
に締結作動する。この締結作動により、第5図に示すよ
うに、第1サンギアS1がケースKに固定されると共に第
1キャリアPC1と第2リングギアR2が接続され、1速同
様のトルク伝達経路である入力軸I/S→第4回転メンバM
4→第2サンギアS2→第2ピニオンP2→第2キャリアPC2
→オーバドライブワンウェイクラッチOD O.W.C→出力軸
O/Sに、第2リングギアR2を回転させるトルク伝達経路
が加わる。
従って、第2リングギアR2の回転が第2キャリアPC2
及び出力軸O/Sを増速方向に回転させるため、第6図の
共線図に示すように、1速より減速比の低い2速が得ら
れることになる。
[3速時] 3速時には、第2図に示すように、フォワードクラッ
チFWD/CとハイクラッチH/Cと4速クラッチ4TH/Cとオー
バーランクラッチOVR/Cとが油圧作動により締結され、
各ワンウェイクラッチFWD O.W.C,OD O.W.Cが機械的に締
結作動する。
この締結作動により、第7図に示すように、入力軸I/
Sからの回転が第4回転メンバM4を介して第2サンギアS
2に入力されると共に、ハイクラッチH/C→第1キャリア
PC1→フォワードクラッチFWD/C→フォワードワンウェイ
クラッチFWD O.W.Cを経過して第2リングギアR2に入力
され、第2遊星歯車組PG2の第2ピニオンP2は自転が止
められ、第2キャリアPC2は入力軸I/Sと同方向に同回転
する。
従って、入力軸I/Sと出力軸O/Sとは直結されることに
なり、第8図の共線図に示すように、変速比1による3
速が得られることになる。
[4速時] 4速時には、第2図に示すように、ハイクラッチH/C
とバンドブレーキB/Bと4速クラッチ4TH/Cとフォワード
クラッチFWD/Cとが油圧作動により締結され、オーバド
ライブワンウェイクラッチOD O.W.Cが機械的に締結作動
する。
この締結作動により、第9図に示すように、第1サン
ギアS1はケースKに固定され、トルク伝達経路は、入力
軸I/S→ハイクラッチH/C→第1キャリアPC1→第1ピニ
オンP1→第1リングギアR1→第3回転メンバM3→第2キ
ャリアPC2→オーバドライブワンウェイクラッチOD O.W.
C→出力軸O/Sを経過する経路となる。
従って、第1遊星歯車組PG1での第1サンギア固定に
よる第1リングギア増速作用で、第10図の共線図に示す
ように、増速による4速が得られることになる。
[5速時] 5速時には、第2図に示すように、ハイクラッチH/C
とバンドブレーキB/Bと5速クラッチ5TH/Cとフォワード
クラッチFWD/Cとが油圧作動により締結される。
この締結作動により、第11図に示すように、第1サン
ギアS1はケースKに固定され、トルク伝達経路は入力軸
I/S→ハイクラッチH/C→第1キャリアPC1→第1ピニオ
ンP1→第1リングギアR1→第3回転メンバM3→第2キャ
リアPC2→第2ピニオンP2を経過する第2リングギアR2
への経路と、入力軸I/S→第4回転メンバM4→第2サン
ギアS2→第2ピニオンP2を経過する第2リングギアR2へ
の路が形成される。
従って、第2リングギアR2は第2キャリアPC2の公転
に加えて第2ピニオンP2の自転により増速されることに
なり、第12図の共線図に示すように、4速よりさらに増
速された5速が得られることになる。
[後退速時] 後退速時には、第2図に示すように、リバースクラッ
チREV/Cとロー&リバースブレーキL&R/Bと4速クラッ
チ4TH/Cとが油圧作動により締結される。
この締結作動により、第13図に示すように、第1キャ
リアPC1がケースKに固定され、トルク伝達経路は入力
軸I/S→リバースクラッチREV/C→第1回転メンバM1→第
1サンギアS1→第1ピニオンP1→第1リングギアR1→第
3回転メンバM3→第2キャリアPC2→4速クラッチ4TH/C
→出力軸O/Cとなる。
従って、第1遊星歯車組PG1でのキャリア固定による
逆転作用で、第14図の共線図に示すように、後退速を得
ることができる。
以上説明してきたように、実施例の5速自動変速機に
あっては、2組の遊星歯車組PG1,PG2を有する周知の4
速自動変速機(4E−AT)に2つのクラッチ4TH/C,5TH/C
を追加し、変速品質を高めるオーバドライブワンウェイ
クラッチOD O.W.Cを加えるだけの構成とした為、コスト
的に有利であると共にギアトレインユニットの全長を短
くしながら前進5速を得ることが出来る。
以上、実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても
本発明に含まれる。
例えば、上記実施例に副変速機などを追加して5速以
上の変速機を得るようにすることもできることは言うま
でもない。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本拝命の自動変速機にあっ
ては、2組の遊星歯車組を有する周知の4速自動変速機
に2つのクラッチを追加するだけの手段とした為、コス
ト的に有利であると共にギアトレインユニットの全長を
短くしながら少なくとも前進5速を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の5速自動変速機のパワートレイ
ンを示すスケルトン図、第2図は同自動変速機の変速要
素の作動時期を示す変速要素作動表、第3図は1速時に
おけるトルク伝達経路を示す作用説明図、第4図は1速
時における共線図、第5図は2速時におけるトルク伝達
経路を示す作用説明図、第6図は2速時における共線
図、第7図は3速時におけるトルク伝達経路を示す作用
説明図、第8図は3速時における共線図、第9図は4速
時におけるトルク伝達経路を示す作用説明図、第10図は
4速時における共線図、第11図は5速時におけるトルク
伝達経路を示す作用説明図、第12図は5速時における共
線図、第13図は後退速時におけるトルク伝達経路を示す
作用説明図、第14図は後退速時における共線図である。 I/S……入力軸 O/S……出力軸 PG1……第1遊星歯車組 PG2……第2遊星歯車組 FWD/C……フォワードクラッチ(第1クラッチ) H/C……ハイクラッチ(第2クラッチ) L&R/B……ロー&リバースブレーキ(第1ブレーキ) B/B……バンドブレーキ(第2ブレーキ) K……ケース 4TH/C……4速クラッチ(第3クラッチ) 5TH/C……5速クラッチ(第4クラッチ) M3……第3回転メンバ(第1回転メンバ) M4……第4回転メンバ(第2回転メンバ)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸と出力軸との間に隣接して配置され
    るシングルピニオンタイプの第1遊星歯車組及び第2遊
    星歯車組と、 第1キャリアと第2リングギアとを接続可能とする第1
    クラッチと、 前記第1クラッチを介してケースに第2リングギアを固
    定可能とする第1ブレーキと、 前記入力軸と第1キャリアとを接続可能とする第2クラ
    ッチと、 ケースに第1サンギアを固定可能とする第2ブレーキ
    と、 前記入力軸と第2サンギアとを直結する第1回転メンバ
    と、 第1リングギアと第2キャリアとを直結する第2回転メ
    ンバと、 前記第2キャリアと出力軸とを連続可能とする第3クラ
    ッチと、 前記第2リングギアと出力軸とを接続可能とする第4ク
    ラッチと、 を備えている事を特徴とする自動変速機。
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