JPH09112639A - 自動変速機用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents

自動変速機用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置

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JPH09112639A
JPH09112639A JP7266536A JP26653695A JPH09112639A JP H09112639 A JPH09112639 A JP H09112639A JP 7266536 A JP7266536 A JP 7266536A JP 26653695 A JP26653695 A JP 26653695A JP H09112639 A JPH09112639 A JP H09112639A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H2200/00Transmissions for multiple ratios
    • F16H2200/20Transmissions using gears with orbital motion
    • F16H2200/2097Transmissions using gears with orbital motion comprising an orbital gear set member permanently connected to the housing, e.g. a sun wheel permanently connected to the housing

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コスト競争力が高く、変速ショックを容易に
低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性能及び車両
搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用遊星歯車
列及び自動変速機用歯車変速装置を提供すること。 【構成】 シングルピニオン型の第1遊星歯車aと、シ
ングルピニオン型の第2遊星歯車bと、シングルピニオ
ン型の第3遊星歯車cと、第1キャリヤと第2リングギ
ヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要
素連結メンバdと、第2キャリヤと第3リングギヤ(も
しくは第3サンギヤ)を常時連結する第2の2要素連結
メンバeと、第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)
と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結
する第3の2要素連結メンバfと、第3の2要素連結メ
ンバfと第3キャリヤを連結する第4の2要素連結メン
バgと、第4の2要素連結メンバgに介装される断接ク
ラッチhと、を備えた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機用歯車変速
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前進5速のギヤ段を得る自動変速
機用歯車変速装置として、特開平1−242854号公
報に記載のものが知られている。
【0003】この従来装置は、シングルピニオン型遊星
歯車を2個用い前進4速のギヤ段を得る4速型主遊星歯
車変速機構に、シングルピニオン型遊星歯車を1個追加
し、この3個の遊星歯車に総計11個のクラッチ,ブレ
ーキ,一方向クラッチ等の係合・解放要素を組み合わせ
た構成になっている。
【0004】このうち、変速制御を簡単にするための一
方向クラッチ及び一方向クラッチを取り付けたがためコ
ースティング時に利かなくなるエンジンブレーキを利か
せる目的で付加したクラッチ・ブレーキ類を取り除いた
クラッチ及びブレーキの係合・解放要素数は7個であ
る。この数が実用上、前進5段・後退1段の変速を達成
するのに必要な最小要素数である。
【0005】内訳は、クラッチ,ブレーキの係合・解放
要素を最小でも5個必要とする4段部(アンダードライ
ブ2段,直結1段,オーバドライブ1段)と、1つの遊
星歯車とクラッチ・ブレーキが最小でも2つ必要なアド
・オン部からなり、5段(アンダードライブ3段,直結
1段,オーバドライブ1段)変速を可能にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機用歯車変速装置でオーバドライブを1段
から2段にし前進6段とする場合、アド・オン部の入力
経路を切り替えてアド・オン部に導くことが考えられる
が、このためにはクラッチ・ブレーキを2つ追加するこ
とが必要になる(7+2=9個)。従って、コスト、さ
らには、車両搭載性を損ねる点等を考慮すると実用的で
はない。
【0007】ところで、競争力のある変速装置の開発を
企画・検討する場合、 (a)価格が安い(要は製造原価が安い) (b)重量が軽い (c)車両搭載性が良い(要は小型であること) などの要件が特に重要である。
【0008】これを実現するための最も有効かつ重要な
ことは、クラッチ・ブレーキの変速要素総数を減らすこ
とである。
【0009】すなわち、クラッチ・ブレーキの総数を減
らすことができれば、当然、部品点数が減る。部品点数
が減ればコストは下がり、重量は軽くなり、小型になる
という訳である。
【0010】さりとて、クラッチ,ブレーキの総数を減
らすために、複数の遊星歯車を組み合わせて変速装置の
構成を検討するについては、遊星歯車の組み合わせ方や
遊星歯車のサンギヤとリングギヤとの歯数の比(即ち、
ギヤ比)、シングルピニオン型遊星歯車かダブルピニオ
ン型遊星歯車を用いるのか等によって得られる変速比が
多様に変わり、且つ、それらが全て実用に供し得るもの
ではなく、車両への搭載性,変速特性,要求される動力
性能,コスト等の諸条件から実用性のある歯車列は限定
される。
【0011】要するに、遊星歯車の組み合わせやギヤ比
の設定の仕方によって、膨大な数の構成が考案できるも
のの、車両用自動変速機として要求される実用に適する
ものを創作することには多大な困難を伴うという問題が
ある。
【0012】この問題を克服し、実用に適するものを創
作したが、これに際して以下の点を考慮した。
【0013】(1)2つのクラッチ及びブレーキを係合
状態から解放状態もしくは解放状態から係合状態に切り
替えると変速ショックが悪化し、あるいは変速ショック
を低減するために複雑な制御が必要となることを考慮
し、隣り合ったギヤ段間で1つのクラッチまたはブレー
キが係合状態から解放状態もしくは解放状態から係合状
態に切り替わることとした。
【0014】(2)クラッチ及びブレーキの総数は、前
進6段(アンダードライブ3段,直結1段,オーバドラ
イブ2段)ならば6個で、前進5段ならば5個で変速を
実現できる構成であることとした。これは、小型・軽量
な構成にすることでコスト競争力において優位に立つこ
とを強く意識したためである。
【0015】(3)構成を簡素化し、コストアップを抑
えるために、ダブルピニオン型遊星歯車を使わず、製造
原価が安く信頼性の高いシングルピニオン型遊星歯車の
みを3つ組み合わせる構成とした。
【0016】(4)アド・オン型は本体部にアド・オン
部を結合する構造になるため、小型・軽量かつコストを
考慮すると、アド・オン部を結合する手段並びに本体部
とアド・オン部を隔てる壁が必要になる等、不利であ
る。そのためインテグラルタイプとすることとした。
【0017】(5)各変速ギヤ段間の変速比を等比級数
的に並ばせることによって、変速の前後でのエンジン回
転のバラツキを少なくして運転し易くする配慮を行なっ
た。
【0018】(6)極力部品の共用化を図りコスト低減
に結びつけたいという観点から、FF車両用とFR車両
用とで同じクラッチ・遊星ギヤ構成でできる、出力軸と
入力軸とが同軸線上にある構成のものを創作することと
した。
【0019】(7)遊星歯車はリングギヤ、キャリヤ、
サンギヤのうち1要素を固定した状態で、1要素に入力
し、残りの1要素から出力させるかもしくは2要素に入
力し残りの1要素から出力させる(この場合はギヤ比
1)ことで使用する。
【0020】このために、遊星歯車同士を合計4本の連
結要素で連結すると共に、その1箇所に断接要素を配す
る構成とした。
【0021】以上の考慮点のうち、(2),(3)に関
して、ダブルピニオン型遊星歯車2個を用いて5段を達
成できないかということを検討した。実際にこれを実現
した例として、特開平2−256944号公報に記載の
ものが知られている。
【0022】しかしながら、遊星歯車が2個で済むとい
え、ダブルピニオン型であるため、構造が複雑であり、
ロングピニオンを使用するため、ニードル,シャフト,
ワッシャ等の耐久信頼性に不安があるし、クラッチ・ブ
レーキ総数が、目標(5速5要素)を達成できず、コス
トや車両搭載性の面で不利である。
【0023】また、(7)に関して、4本の連結要素間
に断接要素を入れない場合を検討した。実際にこれを実
現した例として、特開昭50−64660号公報に記載
のものが知られている。
【0024】しかしながら、シングルピニオン型の遊星
歯車を3個を用いて形式上は6段を達成することができ
るものの、ギヤ段間の変速比の設定が不適で、目標とす
る等比級数的なギヤ比を達成することができない。
【0025】さらに、(7)に関して、4本の連結要素
間に断接要素を入れた例としては、特開平2−7465
8号,特開平2−74662号,特開平2−12944
8号,特開平2−146339号,特開平2−1505
33号,特開平2−154838号,特開平2−154
840号等の公報に記載されている。さらに、連結要素
間に係合装置を配置すること自体は、米国特許3523
468号,特開昭52−90769号,特開昭52−9
0770号,特開昭52−92063号等の公報に記載
されている。
【0026】しかしながら、4本の連結要素間に2個以
上の断接要素を入れた場合には、クラッチ・ブレーキ総
数を(2)の目標総数に納めることができないし、4本
の連結要素間に1個の断接要素を入れる場合、その断接
箇所を限定しないことには目標とする条件(小型軽量
等)を満足しない。
【0027】例えば、特開平2−154840号の場
合、第1リングギヤと第3キャリヤとの間、及び第1サ
ンギヤと第2リングギヤとの間に断接要素を配置しても
何の意味もなく、クラッチ・ブレーキ総数の低減には用
をなさない。
【0028】さらに、特開平2−150533号等で実
施例として記載されている1個の遊星ギヤ間の連結、例
えば、第2リングギヤと第2サンギヤとを断接要素を介
して連結させることは構造を複雑にし、且つ、実際の図
面にレイアウトする時、断接要素の配置の自由度が低く
て大変である。
【0029】本発明の目的とするところは、コスト競争
力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変速
制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構
成が簡単な自動変速機用遊星歯車列及び自動変速機用歯
車変速装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の自動変速
機用遊星歯車列では、図1(イ)のクレーム対応図に示
すように、第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤ
に噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシ
ングルピニオン型の第1遊星歯車aと、第2サンギヤ
と、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保
持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2
遊星歯車bと、第3サンギヤと、第3リングギヤと、両
ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有す
るシングルピニオン型の第3遊星歯車cと、前記第1キ
ャリヤと第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常
時連結する第1の2要素連結メンバdと、前記第2キャ
リヤと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を常時
連結する第2の2要素連結メンバeと、前記第1サンギ
ヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしく
は第2リングギヤ)を常時連結する第3の2要素連結メ
ンバfと、前記第3の2要素連結メンバfと第3キャリ
ヤを連結する第4の2要素連結メンバgと、前記第4の
2要素連結メンバgに介装される断接クラッチhと、を
備えていることを特徴とする。
【0031】請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記第1リングギヤを、第2クラッチを介して入力
軸に連結し、前記第1キャリヤと第2リングギヤを直結
し、これを出力軸に連結し、前記第2キャリヤと第3リ
ングギヤを直結し、これを第3クラッチを介して入力軸
に連結し、前記第1サンギヤと第2サンギヤとを直結す
ると共に、これらと第3キャリヤとを断接クラッチhを
介して連結し、断接クラッチhの第3キャリヤ側を第1
ブレーキを介してケースに連結し、前記第3サンギヤ
を、第2ブレーキを介してケースに連結すると共に、第
4クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前
記断接クラッチh(第1クラッチ)を含む4クラッチ2
ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共
に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制
御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0032】請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記第1サンギヤを、第1ブレーキを介してケース
に連結すると共に、第2クラッチを介して入力軸に連結
し、前記第1キャリヤと第2サンギヤを直結し、これを
第2ブレーキを介してケースに連結すると共に、第3ク
ラッチを介して入力軸に連結し、前記第2キャリヤと第
3リングギヤを直結する第2の2要素連結メンバを、拘
束を与えないフリーとし、前記第1リングギヤと第2リ
ングギヤとを直結すると共に、これらと第3キャリヤと
を断接クラッチhを介して連結し、断接クラッチhの第
3キャリヤ側を出力軸に連結し、前記第3サンギヤを、
第4クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を
前記断接クラッチh(第1クラッチ)を含む4クラッチ
2ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共
に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制
御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0033】請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列で
は、図1(ロ)のクレーム対応図に示すように、第1サ
ンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオ
ンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型
の第1遊星歯車aと、第2サンギヤと、第2リングギヤ
と、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤ
を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車bと、第3
サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニ
オンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン
型の第3遊星歯車cと、前記第1キャリヤと第2キャリ
ヤを常時連結する第1の2要素連結メンバdと、前記第
1の2要素連結メンバdと第3リングギヤ(もしくは第
3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバeと、
前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サ
ンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を連結する第3の2
要素連結メンバfと、前記第3の2要素連結メンバfと
第3キヤリヤを連結する第4の2要素連結メンバgと、
前記第2の2要素連結メンバeと第4の2要素連結メン
バgのいずれか一方に介装される断接クラッチhと、を
備えていることを特徴とする。
【0034】請求項5記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記第2サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸
に連結し、前記第1リングギヤを、出力軸に連結し、前
記第1キャリヤと第2キャリヤと第3リングギヤを3要
素直結メンバとし、このメンバを第3クラッチを介して
入力軸に連結し、前記第1サンギヤと第2リングギヤを
直結すると共に、これらと第3キャリヤを断接クラッチ
hを介して連結し、断接クラッチhの第3キャリヤ側を
第1ブレーキを介してケースに連結し、前記第3サンギ
ヤを、第2ブレーキを介してケースに連結すると共に、
第4クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を
前記断接クラッチh(第1クラッチ)を含む4クラッチ
2ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共
に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制
御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0035】請求項6記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記第2サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸
に連結し、前記第1リングギヤを、出力軸に連結し、前
記第1キャリヤと第2キャリヤを直結すると共に、これ
らと第3リングギヤを断接クラッチhを介して連結し、
断接クラッチhの第1,第2キャリヤ側を第3クラッチ
を介して入力軸に連結すると共に、断接クラッチhの第
3リングギヤ側を第1ブレーキを介してケースに連結
し、前記第1サンギヤと第2リングギヤと第3キャリヤ
を3要素直結メンバとし、このメンバを第4クラッチを
介して入力軸に連結し、前記第3サンギヤを、第2ブレ
ーキを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接
クラッチh(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレー
キのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り
合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則によ
り複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴
とする。
【0036】請求項7記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記第2サンギヤを、第1ブレーキを介してケース
に連結し、前記第1リングギヤを、出力軸に連結し、前
記第1キャリヤと第2キャリヤを直結すると共に、これ
らと第3サンギヤを断接クラッチhを介して連結し、断
接クラッチhの第1,第2キャリヤ側を第2クラッチを
介して入力軸に連結すると共に、断接クラッチhの第3
サンギヤ側を第2ブレーキを介してケースに連結し、前
記第1サンギヤと第2リングギヤと第3キャリヤを3要
素直結メンバとし、このメンバを拘束を与えないフリー
とし、前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケ
ースに連結すると共に、第3クラッチを介して入力軸に
連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチh(第1クラ
ッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組
み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛
け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る
変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0037】請求項8記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記第2サンギヤを、第1ブレーキを介してケース
に連結し、前記第1サンギヤを、第2ブレーキを介して
ケースに連結し、前記第1キャリヤと第2キャリヤを直
結すると共に、これらと第3リングギヤとを断接クラッ
チhを介して連結し、断接クラッチhの第1,第2キャ
リヤ側を第2クラッチを介して入力軸に連結し、断接ク
ラッチhの第3リングギヤ側を出力軸に連結し、前記第
1サンギヤと第2リングギヤと第3キャリヤを3要素直
結メンバとし、このメンバを第3クラッチを介して入力
軸に連結し、前記第3サンギヤを、第4クラッチを介し
て入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチh
(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキのうち3
個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ
段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギ
ヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0038】
【作用】請求項1〜請求項3記載の発明の作用を説明す
る。
【0039】請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列で
は、シングルピニオン型の第1遊星歯車aと第2遊星歯
車bと第3遊星歯車cのうち、第1の2要素連結メンバ
dにより、第1キャリヤと第2リングギヤ(もしくは第
2サンギヤ)が常時連結され、第2の2要素連結メンバ
eにより、第2キャリヤと第3リングギヤ(もしくは第
3サンギヤ)が常時連結され、第3の2要素連結メンバ
fにより、第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と
第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)が常時連結さ
れ、第4の2要素連結メンバgにより、第3の2要素連
結メンバfと第3キャリヤが連結される。そして、第4
の2要素連結メンバgに断接クラッチhが介装される。
【0040】すなわち、各遊星歯車a,b,cの9個あ
る回転要素のうち4つの2要素連結メンバd,e,f,
gにより4個少なくなり、断接クラッチhを断とする選
択時には、9個−4個+1個=6個の回転要素を持つ遊
星歯車列となり、断接クラッチhを接とする選択時に
は、9個−4個=5個の回転要素を持つ遊星歯車列とな
る。
【0041】よって、これらの回転要素に入力部材,出
力部材,ケースを加えて9個あるいは8個のメンバと
し、各メンバ間を一体に連結するか、全く連結しない
か、クラッチやブレーキ等の係合要素を介して連結する
かのいずれかを行ない、設けられた複数の係合要素の係
合・解放を制御することにより入力部材と出力部材間に
異なる変速比による回転状況を得ることができる。
【0042】この場合、各遊星歯車a,b,c同士の動
力伝達経路を断接クラッチeの断または接により選択で
きることで、各ギヤ段での変速比の設定自由度が高ま
り、各変速ギヤ段間の変速比を等比級数的に並ばせるこ
とが可能となる。
【0043】また、断接クラッチhにより伝達経路を断
つ用い方をすることで変速に関与しないメンバ回転が異
常に高くなることも防止できる。
【0044】請求項2及び請求項3記載の自動変速機用
歯車変速装置は、請求項1の自動変速機用遊星歯車列に
入力軸,出力軸,ケースのメンバを加え、各メンバ間を
一体に連結するか、全く連結しないか、断接クラッチh
(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキによる係
合要素を介して連結するかのいずれかにより構成され
る。
【0045】そして、変速制御手段において、1つのギ
ヤ段をこれらの係合要素のうち3個の係合組み合わせに
より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御が
行なわれる。
【0046】請求項4〜請求項8記載の発明の作用を説
明する。
【0047】請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列で
は、シングルピニオン型の第1遊星歯車aと第2遊星歯
車bと第3遊星歯車cのうち、第1の2要素連結メンバ
dにより、第1キャリヤと第2キャリヤが常時連結さ
れ、第2の2要素連結メンバeにより、第1の2要素連
結メンバdと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)
が連結され、第3の2要素連結メンバfにより、第1サ
ンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(も
しくは第2リングギヤ)が連結され、第4の2要素連結
メンバgにより、第3の2要素連結メンバfと第3キヤ
リヤが連結される。そして、第2の2要素連結メンバe
と第4の2要素連結メンバgのいずれか一方に断接クラ
ッチhが介装される。
【0048】すなわち、各遊星歯車a,b,cの9個あ
る回転要素のうち4つの2要素連結メンバd,e,f,
gにより4個少なくなり、断接クラッチhを断とする選
択時には、9個−4個+1個=6個の回転要素を持つ遊
星歯車列となり、断接クラッチhを接とする選択時に
は、9個−4個=5個の回転要素を持つ遊星歯車列とな
り、請求項1記載の発明と同様に、断接クラッチeの断
または接による選択で、各ギヤ段での変速比の設定自由
度が高まり、各変速ギヤ段間の変速比を等比級数的に並
ばせることが可能となるし、また、断接クラッチhによ
り伝達経路を断つ用い方をすることで変速に関与しない
メンバ回転が異常に高くなることも防止できる。
【0049】請求項5〜請求項8記載の自動変速機用歯
車変速装置は、請求項4の自動変速機用遊星歯車列に入
力軸,出力軸,ケースのメンバを加え、各メンバ間を一
体に連結するか、全く連結しないか、断接クラッチh
(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキもしくは
3クラッチ3ブレーキによる係合要素を介して連結する
かのいずれかにより構成される。
【0050】そして、変速制御手段において、1つのギ
ヤ段をこれらの係合要素のうち3個の係合組み合わせに
より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御が
行なわれる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0052】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0053】図2は請求項1,2記載の発明に対応する
第1実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルト
ン図である。
【0054】図2において、PG1は第1遊星歯車、P
G2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第
1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について
説明する。尚、図2の(イ),(ロ),(ハ)は全く同
じ自動変速機用歯車変速機構であり、(イ)は図の左側
から第1,第2,第3遊星歯車という配列とし、(ロ)
は図の左側から第2,第3,第1遊星歯車という配列と
し、(ハ)は図の左側から第3,第1,第2遊星歯車と
いう配列としたという違いのみである。
【0055】前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギヤ
S1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛
み合うピニオンを保持する第1キャリヤP1を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0056】前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギヤ
S2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛
み合うピニオンを保持する第2キャリヤP2を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0057】前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギヤ
S3と、第3リングギヤR3と、両ギヤS3,R3に噛
み合うピニオンを保持する第3キャリヤP3を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0058】前記第1の2要素連結メンバM1は、第1
キャリヤP1と第2リングギヤR2とを一体に連結する
メンバである。
【0059】前記第2の2要素連結メンバM2は、第2
キャリヤP2と第3リングギヤR3を一体に連結するメ
ンバである。
【0060】前記第3の2要素連結メンバM3は、第1
サンギヤS1と第2サンギヤS2とを一体に連結するメ
ンバである。
【0061】前記第4の2要素連結メンバM4は、第3
の2要素連結メンバM3と第3キャリヤP3とを第1ク
ラッチC1を介して連結するメンバである。
【0062】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0063】回転メンバAは、第1リングギヤR1に接
続され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結さ
れている。
【0064】回転メンバBは、第1の2要素連結メンバ
M1に接続され、そのまま出力軸OSに連結されてい
る。
【0065】回転メンバCは、第2の2要素連結メンバ
M2に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸IS
に連結されている。
【0066】回転メンバDは、第4の2要素連結メンバ
M4の第3キャリヤP3側に接続され、第1ブレーキB
1を介してケースKに連結されている。
【0067】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されて
いると共に、第4クラッチC4を介して入力軸ISに連
結されている。
【0068】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0069】次に、作用を説明する。
【0070】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図4の
係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第4クラ
ッチC4と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0071】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバEからの入力回転
と回転メンバDの固定に伴う)により、回転メンバBの
回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなア
ンダードライブによる第1速変速比が得られる。
【0072】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
3の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0073】尚、図3において、A,B,C,D,Eは
各回転メンバであり、矢印は入力、二重丸は出力、黒塗
り三角はブレーキ係合を示す。
【0074】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第1ブレーキB1と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0075】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定(回転メンバD,Eの固定に伴う)
により、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバB
に連結されている出力軸OSからは、第1速変速比より
も減速比として小さい値による第2速変速比が得られ
る。
【0076】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
3の2ndに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0077】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0078】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0079】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
3の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0080】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0081】よって、回転メンバA,Cからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0082】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
3の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0083】尚、第4’速ギヤ段として、第2クラッチ
C2と第3クラッチC3と第1ブレーキB1を係合する
ことによっても変速比1による第4速変速比を得ること
ができる。
【0084】すなわち、第4’速ギヤ段での共線図は、
図3の4’thに示す通り、第2クラッチC2と第3ク
ラッチC3との係合により回転メンバA,Cからの同時
入力となり、第1クラッチC1の解放と第1ブレーキB
1の係合により回転メンバDの第3キャリヤP3側が固
定される。
【0085】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0086】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第5速変速比が得られる。
【0087】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
3の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0088】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0089】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0090】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
3の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0091】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図4の係合
論理表に示すように、第1クラッチC1と第4クラッチ
C4と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0092】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0093】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により1
つの線図にて表される。
【0094】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図4の表に示す
ようになる。
【0095】具体例として、ρ1 =0.45,ρ2
0.66,ρ3 =0.33とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0096】 n1=3.40(3.5) n2/n1=0.626(0.629) n2=2.13(2.2) n3/n2=0.681(0.682) n3=1.45(1.5) n4/n3=0.690(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.860(0.700) n5=0.86(0.7) n6/n5=0.698(0.714) n6=0.60(0.5) nR=1.83 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0097】次に、効果を説明する。
【0098】第1実施例の自動変速機用歯車変速装置に
あっては、下記の長所が併せて達成される。
【0099】(1) 隣接するギヤ段への変速を1つの係合
要素の解放と1つの係合要素の係合により行なう装置と
したため、変速ショックを容易に低減できる。
【0100】(2) 前進6段後退1段の変速制御を行なう
装置でありながら、変速に必要とする係合要素の数が4
個のクラッチと2個のブレーキの6個だけの装置とした
ため、変速制御が容易となる。
【0101】(3) 各ギヤ段の変速比を目標変速比に近づ
け、且つ、変速比の隣接するギヤ段間の比をほぼ等比級
数的に並べた装置としたため、変速に際してエンジン回
転の変化がほぼ同じ変化をし、変速比に影響されずにエ
ンジン特性の良好なトルクバンドでの変速が達成される
ことで、動力性能に優れる。
【0102】ここで、なぜ各ギヤ段の変速比を目標変速
比に近づけることができ、且つ、変速比の隣接するギヤ
段間の比をほぼ等比級数的に並べることができるかにつ
いて理由を述べると、3つの遊星歯車同志の動力伝達経
路が常に定まっているギヤ列とはなっていなく、第1ク
ラッチC1の係合・解放により動力伝達経路を選択でき
ることで、第1クラッチC1を解放状態とした場合の共
線図(2本の線図)と第1クラッチC1を係合状態とし
た場合の共線図(1本の線図)とが別に描かれ、各ギヤ
段での変速比の設定自由度が大幅に高まることによる。
【0103】(4) シングルピニオン型の遊星歯車のみを
3個を用い、アド・オン型ではなくインテグラルタイプ
とし、且つ、変速に必要とする係合要素の数が4個のク
ラッチと2個のブレーキの6個だけの装置としたため、
構成が簡単であり、小型・軽量・低コストを達成するこ
とができる。
【0104】(5) 図4の下部の表に示すように、第1ブ
レーキB1を係合する第4’速ギヤ段と第6速ギヤ段を
用いることにより、第1ブレーキB1を常時固定要素化
すれば、歯車変速機構はそのままで、係合要素を5要素
用いながら前進5段後退1段を得ることができる。
【0105】(第2実施例)まず、構成を説明する。
【0106】図5は請求項1,3記載の発明に対応する
第2実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルト
ン図である。
【0107】図5において、PG1は第1遊星歯車、P
G2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第
1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について
説明する。
【0108】前記第1の2要素連結メンバM1は、第1
キャリヤP1と第2サンギヤS2とを一体に連結するメ
ンバである。
【0109】前記第2の2要素連結メンバM2は、第2
キャリヤP2と第3リングギヤR3を一体に連結するメ
ンバである。
【0110】前記第3の2要素連結メンバM3は、第1
リングギヤR1と第2リングギヤR2とを一体に連結す
るメンバである。
【0111】前記第4の2要素連結メンバM4は、第3
の2要素連結メンバM3と第3キャリヤP3とを第1ク
ラッチC1を介して連結するメンバである。
【0112】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0113】回転メンバAは、第1サンギヤS3に接続
され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されて
いると共に、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連
結されている。
【0114】回転メンバBは、第1の回転メンバM1に
接続され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結さ
れていると共に、第3クラッチC3を介して入力軸IS
に連結されている。
【0115】回転メンバCは、第2の回転メンバM2そ
のものであり、クラッチやブレーキ等により拘束されな
いフリーのメンバである。
【0116】回転メンバDは、第4の回転メンバM4の
第3キャリヤP3側に接続され、そのまま出力軸OSに
連結されている。
【0117】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第4クラッチC4を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0118】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0119】次に、作用を説明する。
【0120】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図7の
係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第4クラ
ッチC4と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0121】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバEからの入力回転
と回転メンバDの固定に伴う)により、回転メンバDの
回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなア
ンダードライブによる第1速変速比が得られる。
【0122】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
6の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0123】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図7の係合論理表に示すよう
に、第4クラッチC4と第1ブレーキB1と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0124】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバCの固定(回転メンバA,Bの固定に伴う)
により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバD
に連結されている出力軸OSからは、第1速変速比より
も減速比として小さい値による第2速変速比が得られ
る。
【0125】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
6の2ndに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0126】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図7の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第4クラッチC4と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0127】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバBの固定により、回転メンバDの回転が規定
され、回転メンバDに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0128】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
6の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0129】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図7の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第4クラッ
チC4を係合することで得られる。
【0130】よって、回転メンバB,Eからの同時入力
により回転メンバDの回転が入力回転に規定され、回転
メンバDに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0131】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
6の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0132】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図7の係合論理表に示すよう
に、第3クラッチC3と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0133】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバBからの入力回転
と回転メンバAの固定に伴う)により、回転メンバDの
回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変
速比による第5速変速比が得られる。
【0134】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
6の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0135】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図7の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0136】よって、回転メンバBからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバDの回転が規定
され、回転メンバDに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0137】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
6の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0138】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図7の係合
論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチ
C2と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0139】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバBの固定により、回転メンバDの回転が規定
され、回転メンバDに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0140】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図6
のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により1
つの線図にて表される。
【0141】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図7の表に示すよう
になる。
【0142】具体例として、ρ1 =0.40,ρ2
0.60,ρ3 =0.65とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0143】 n1=4.13(3.5) n2/n1=0.615(0.629) n2=2.54(2.2) n3/n2=0.622(0.682) n3=1.58(1.5) n4/n3=0.633(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.870(0.700) n5=0.87(0.7) n6/n5=0.816(0.714) n6=0.71(0.5) nR=2.50 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0144】次に、効果を説明する。
【0145】この第2実施例にあっても、第1実施例で
記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0146】(第3実施例)まず、構成を説明する。
【0147】図8は請求項1記載の発明に対応する第3
実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図
である。
【0148】図8において、PG1は第1遊星歯車、P
G2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第
1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第2
実施例と同様である。
【0149】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0150】回転メンバAは、第1サンギヤS3に接続
され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されて
いると共に、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連
結されている。
【0151】回転メンバBは、第1の回転メンバM1に
接続され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結さ
れている。
【0152】回転メンバCは、第2の回転メンバM2に
接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結
されている。
【0153】回転メンバDは、第4の回転メンバM4の
第3キャリヤP3側に接続され、そのまま出力軸OSに
連結されている。
【0154】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第4クラッチC4を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0155】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0156】次に、作用を説明する。
【0157】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図10
の係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第4ク
ラッチC4と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0158】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバEからの入力回転
と回転メンバDの固定に伴う)により、回転メンバDの
回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなア
ンダードライブによる第1速変速比が得られる。
【0159】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
9の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0160】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すよう
に、第4クラッチC4と第1ブレーキB1と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0161】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバCの固定(回転メンバA,Bの固定に伴う)
により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバD
に連結されている出力軸OSからは、第1速変速比より
も減速比として小さい値による第2速変速比が得られ
る。
【0162】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
9の2ndに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0163】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第4クラッチC4と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0164】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバBの固定により、回転メンバDの回転が規定
され、回転メンバDに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0165】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
9の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0166】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第4クラッ
チC4を係合することで得られる。
【0167】よって、回転メンバC,Eからの同時入力
により回転メンバDの回転が入力回転に規定され、回転
メンバDに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0168】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
9の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0169】尚、第4’速ギヤ段として、第2クラッチ
C2と第4クラッチC4と第2ブレーキB2を係合する
ことによっても変速比1による第4速変速比を得ること
ができる。
【0170】すなわち、第4’速ギヤ段での共線図は、
図9の4’thに示す通り、回転メンバC,Eからの同
時入力となり、第2ブレーキB2の係合により回転メン
バBが固定される。
【0171】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0172】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバDの回転が規定
され、回転メンバDに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第5速変速比が得られる。
【0173】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
9の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0174】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0175】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバBの固定により、回転メンバDの回転が規定
され、回転メンバDに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0176】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
9の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0177】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図10の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッ
チC2と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0178】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバBの固定により、回転メンバDの回転が規定
され、回転メンバDに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0179】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図9
のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により1
つの線図にて表される。
【0180】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図7の表に示すよう
になる。
【0181】具体例として、ρ1 =0.40,ρ2
0.60,ρ3 =0.65とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0182】 n1=4.13(3.5) n2/n1=0.615(0.629) n2=2.54(2.2) n3/n2=0.622(0.682) n3=1.58(1.5) n4/n3=0.633(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.890(0.700) n5=0.89(0.7) n6/n5=0.708(0.714) n6=0.63(0.5) nR=2.50 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0183】次に、効果を説明する。
【0184】この第2実施例にあっても、第1実施例で
記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0185】また、図10の上段の係合論理表から明ら
かな通り、第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギヤ
段,第4’速ギヤ段,6速ギヤ段,後退ギヤ段では、い
ずれも第2ブレーキB2が係合されることで、図10の
下段の係合論理表に示すように、第2ブレーキB2を常
時固定要素化することで、歯車変速機構はそのままで、
係合要素を5要素用いながら前進5段後退1段を得るこ
とができる。
【0186】(第4実施例)まず、構成を説明する。
【0187】図11は請求項4,5記載の発明に対応す
る第4実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0188】図11において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について
説明する。
【0189】前記第1の2要素連結メンバM1は、第1
キャリヤP1と第2キャリヤP2とを一体に連結するメ
ンバである。
【0190】前記第2の2要素連結メンバM2は、第1
の2要素連結メンバM1と第3リングギヤR3を一体に
連結するメンバである。
【0191】前記第3の2要素連結メンバM3は、第1
サンギヤS1と第2リングギヤR2とを一体に連結する
メンバである。
【0192】前記第4の2要素連結メンバM4は、第3
の2要素連結メンバM3と第3キャリヤP3とを第1ク
ラッチC1を介して連結するメンバである。
【0193】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0194】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0195】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0196】回転メンバCは、第1,第2の2要素連結
メンバM1,M2に接続され、第3クラッチC3を介し
て入力軸ISに連結されている。
【0197】回転メンバDは、第4の2要素連結メンバ
M4の第3キャリヤP3側に接続され、第1ブレーキB
1を介してケースKに連結されている。
【0198】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されて
いると共に、第4クラッチC4を介して入力軸ISに連
結されている。
【0199】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0200】次に、作用を説明する。
【0201】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図13
の係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第4ク
ラッチC4と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0202】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバEの入力回転と回
転メンバDの固定に伴う)により、回転メンバBの回転
が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸OS
からは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダ
ードライブによる第1速変速比が得られる。
【0203】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
12の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0204】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図13の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第1ブレーキB1と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0205】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定(回転メンバD,Eの固定に伴う)
により、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバB
に連結されている出力軸OSからは、第1速変速比より
も減速比として小さい値による第2速変速比が得られ
る。
【0206】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
12の2ndに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0207】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図13の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0208】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0209】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
12の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0210】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図13の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0211】よって、回転メンバA,Cからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0212】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
12の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0213】尚、第4’速ギヤ段として、第2クラッチ
C2と第3クラッチC3と第1ブレーキB1を係合する
ことによっても変速比1による第4速変速比を得ること
ができる。
【0214】すなわち、第4’速ギヤ段での共線図は、
図12の4’thに示す通り、第2クラッチC2と第3
クラッチC3との係合により回転メンバA,Cからの同
時入力となり、第1クラッチC1の解放と第1ブレーキ
B1の係合により回転メンバDの第3キャリヤP3側が
固定される。
【0215】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図13の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0216】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第5速変速比が得られる。
【0217】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
12の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0218】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図13の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0219】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0220】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
12の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0221】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図13の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第4クラッ
チC4と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0222】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0223】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図1
2のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0224】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図13の表に示すよ
うになる。
【0225】具体例として、ρ1 =0.66,ρ2
0.66,ρ3 =0.33とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0226】 n1=4.01(3.5) n2/n1=0.573(0.629) n2=2.30(2.2) n3/n2=0.661(0.682) n3=1.52(1.5) n4/n3=0.658(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.860(0.700) n5=0.86(0.7) n6/n5=0.698(0.714) n6=0.60(0.5) nR=1.83 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0227】したがって、この第4実施例にあっても、
第1実施例で記載した(1) 〜(5) の効果を得ることがで
きる。
【0228】(第5実施例)まず、構成を説明する。
【0229】図14は請求項4記載の発明に対応する第
5実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン
図である。
【0230】図14において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第4
実施例と同様である。
【0231】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0232】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0233】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0234】回転メンバCは、第1,第2の回転メンバ
M1,M2そのものであり、クラッチやブレーキ等によ
り拘束されないフリーのメンバである。
【0235】回転メンバDは、第4の回転メンバM4の
第3キャリヤP3側に接続され、第1ブレーキB1を介
してケースKに連結されていると共に、第3クラッチC
3を介して入力軸ISに連結されている。
【0236】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されて
いると共に、第4クラッチC4を介して入力軸ISに連
結されている。
【0237】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0238】次に、作用を説明する。
【0239】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図16
の係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第1ブ
レーキB1と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0240】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定(回転メンバD,Eの固定に伴う)
により、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバB
に連結されている出力軸OSからは、入力軸ISの回転
に対し減速比の大きなアンダードライブによる第1速変
速比が得られる。
【0241】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
15の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0242】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図16の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0243】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第
2速変速比が得られる。
【0244】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
15の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0245】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図16の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0246】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0247】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
15の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0248】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図16の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第4クラッ
チC4を係合することで得られる。
【0249】よって、回転メンバA,Dからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0250】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
15の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0251】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図16の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0252】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバDからの入力回転
と回転メンバEの固定に伴う)により、回転メンバBの
回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変
速比による第5速変速比が得られる。
【0253】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
15の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0254】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図16の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0255】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0256】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
15の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0257】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図16の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第4クラッ
チC4と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0258】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバEの入力回転と回
転メンバDの固定に伴う)により、回転メンバBの回転
が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸OS
からは、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速
比が得られる。
【0259】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図1
5のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0260】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図16の表に示すよ
うになる。
【0261】具体例として、ρ1 =0.50,ρ2
0.50,ρ3 =0.66とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0262】 n1=4.00(3.5) n2/n1=0.500(0.629) n2=2.00(2.2) n3/n2=0.750(0.682) n3=1.50(1.5) n4/n3=0.667(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.670(0.700) n5=0.67(0.7) n6/n5=0.746(0.714) n6=0.50(0.5) nR=4.08 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0263】したがって、この第5実施例にあっても、
第1実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得るこ
とができる。
【0264】(第6実施例)まず、構成を説明する。
【0265】図17は請求項4記載の発明に対応する第
6実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン
図である。
【0266】図17において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第4
実施例と同様である。
【0267】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0268】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0269】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0270】回転メンバCは、第1,第2の回転メンバ
M1,M2に接続され、第1ブレーキB1を介してケー
スKに連結されている。
【0271】回転メンバDは、第3,第4の回転メンバ
M3,M4に接続され、第1クラッチC1の第1サンギ
ヤS1及び第2リングギヤR2側は、第2ブレーキB2
を介してケースKに連結され、第1クラッチC1の第3
キャリヤP3側は、第3クラッチC3を介して入力軸I
Sに連結されている。
【0272】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されて
いる。
【0273】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0274】次に、作用を説明する。
【0275】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図19
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2ク
ラッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0276】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダード
ライブによる第1速変速比が得られる。
【0277】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
18の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0278】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図19の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0279】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第
2速変速比が得られる。
【0280】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
18の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0281】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図19の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0282】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0283】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
18の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0284】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図19の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0285】よって、回転メンバA,Dからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0286】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
18の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0287】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図19の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0288】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバDからの入力回転
と回転メンバEの固定に伴う)により、回転メンバBの
回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変
速比による第5速変速比が得られる。
【0289】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
18の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0290】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図19の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0291】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0292】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
18の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0293】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図19の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッ
チC3と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0294】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0295】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図1
8のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0296】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図19の表に示すよ
うになる。
【0297】具体例として、ρ1 =0.65,ρ2
0.40,ρ3 =0.60とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0298】 n1=3.85(3.5) n2/n1=0.551(0.629) n2=2.12(2.2) n3/n2=0.736(0.682) n3=1.56(1.5) n4/n3=0.641(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.690(0.700) n5=0.69(0.7) n6/n5=0.725(0.714) n6=0.50(0.5) nR=1.54 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0299】尚、図19の上部に示す係合論理表から明
らかなように、第1クラッチC1は第5速ギヤ段を除い
て全てのギヤ段で締結される。よって、図19の下部に
示すように、第1クラッチC1を常時入力要素化すれ
ば、変速機構はそのままで、5つの係合要素で前進5段
で後退1段を得ることができる。
【0300】したがって、この第6実施例にあっても、
第1実施例で記載した(1) 〜(5) と同様の効果を得るこ
とができる。
【0301】(第7実施例)まず、構成を説明する。
【0302】図20は請求項4記載の発明に対応する第
7実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン
図である。
【0303】図20において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第4
実施例と同様である。
【0304】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0305】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0306】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0307】回転メンバCは、第1,第2の回転メンバ
M1,M2に接続され、第1ブレーキB1を介してケー
スKに連結されている。
【0308】回転メンバDは、第3,第4の回転メンバ
M3,M4に接続され、第1クラッチC1の第3キャリ
ヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結
されていると共に、第3クラッチC3を介して入力軸I
Sに連結されている。
【0309】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されて
いる。
【0310】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0311】次に、作用を説明する。
【0312】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図22
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2ク
ラッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0313】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダード
ライブによる第1速変速比が得られる。
【0314】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
21の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0315】尚、第1’速ギヤ段は、図22の係合論理
表に示すように、第2クラッチC2と第2ブレーキB2
と第3ブレーキB3を係合することでも得られる。
【0316】この場合、回転メンバAからの入力回転
と、回転メンバCの固定(回転メンバD,Eの固定に伴
う)により、回転メンバBの回転が規定され、回転メン
バBに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISの
回転に対し減速比の大きなアンダードライブによる第1
速変速比が得られる。
【0317】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
21の1’stに示す通り、第1クラッチC1の解放に
より2つの線図にて表される。
【0318】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図22の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0319】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第
2速変速比が得られる。
【0320】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
21の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0321】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図22の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0322】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0323】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
21の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0324】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図22の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0325】よって、回転メンバA,Dからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0326】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
21の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0327】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図22の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0328】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバDからの入力回転
と回転メンバEの固定に伴う)により、回転メンバBの
回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変
速比による第5速変速比が得られる。
【0329】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
21の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0330】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図22の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0331】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0332】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
21の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0333】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図22の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッ
チC3と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0334】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0335】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図2
1のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0336】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図22の表に示すよ
うになる。
【0337】具体例として、ρ1 =0.65,ρ2
0.40,ρ3 =0.60とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0338】 n1=3.85(3.5) n2/n1=0.551(0.629) n2=2.12(2.2) n3/n2=0.736(0.682) n3=1.56(1.5) n4/n3=0.641(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.690(0.700) n5=0.69(0.7) n6/n5=0.725(0.714) n6=0.50(0.5) nR=1.54 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0339】尚、図22の上部に示す係合論理表から明
らかなように、第1クラッチC1は第5速ギヤ段を除い
て全てのギヤ段で締結される。よって、図22の下部に
示すように、第1クラッチC1を常時入力要素化すれ
ば、変速機構はそのままで、5つの係合要素で前進5段
で後退1段を得ることができる。
【0340】したがって、この第7実施例にあっても、
第1実施例で記載した(1) 〜(5) と同様の効果を得るこ
とができる。
【0341】(第8実施例)まず、構成を説明する。
【0342】図23は請求項4記載の発明に対応する第
8実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン
図である。
【0343】図23において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第4
実施例と同様である。
【0344】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0345】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0346】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0347】回転メンバCは、第1,第2の2要素連結
メンバM1,M2そのものであり、クラッチやブレーキ
による拘束は与えられずフリーである。
【0348】回転メンバDは、第3,第4の2要素連結
メンバM3,M4に接続され、第1クラッチC1の第1
サンギヤS1及び第2リングギヤR2側は、第3クラッ
チC3を介して入力軸に連結され、第1クラッチC1の
第3キャリヤP3側は、第1ブレーキB1を介してケー
スKに連結されていると共に第4クラッチC4を介して
入力軸ISに連結されている。
【0349】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されて
いる。
【0350】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0351】次に、作用を説明する。
【0352】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図25
の係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第1ブ
レーキB1と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0353】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定(回転メンバD,Eの固定に伴う)
により、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバB
に連結されている出力軸OSからは、入力軸ISの回転
に対し減速比の大きなアンダードライブによる第1速変
速比が得られる。
【0354】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
24の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0355】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図25の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0356】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第
2速変速比が得られる。
【0357】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
24の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0358】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図25の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0359】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0360】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
24の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0361】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図25の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0362】よって、回転メンバA,Dからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0363】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
24の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0364】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1と第3クラッチC3を解放
して第2ブレーキB2を締結する。つまり、図25の係
合論理表に示すように、第2クラッチC2と第4クラッ
チC4と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0365】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの規定回転(回転メンバDからの入力回転
と回転メンバEの固定に伴う)により、回転メンバBの
回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変
速比による第5速変速比が得られる。
【0366】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
24の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0367】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第2クラッチC2と第4クラッチC4を解放
して第1クラッチC1と第3クラッチC3を締結する。
つまり、図25の係合論理表に示すように、第1クラッ
チC1と第3クラッチC3と第2ブレーキB2を係合す
ることで得られる。
【0368】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0369】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
24の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0370】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図25の係
合論理表に示すように、第3クラッチC3と第1ブレー
キB1と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0371】よって、回転メンバDの第1サンギヤS1
及び第2リングギヤR2側からの入力回転と、回転メン
バCの固定(回転メンバDの第3キャリヤP3側と回転
メンバEの固定に伴う)により、回転メンバBの回転が
規定され、回転メンバBに連結されている出力軸OSか
らは、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比
が得られる。
【0372】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図2
4のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0373】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図25の表に示すよ
うになる。
【0374】具体例として、ρ1 =0.65,ρ2
0.40,ρ3 =0.60とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0375】 n1=3.85(3.5) n2/n1=0.551(0.629) n2=2.12(2.2) n3/n2=0.736(0.682) n3=1.56(1.5) n4/n3=0.641(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.690(0.700) n5=0.69(0.7) n6/n5=0.725(0.714) n6=0.50(0.5) nR=1.54 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0376】尚、図25の上部に示す係合論理表から明
らかなように、第4クラッチC4は第5速ギヤ段のみに
て締結される。よって、図25の下部に示すように、第
4クラッチC4を取り外せば、変速機構はそのままで、
5つの係合要素で前進5段で後退1段を得ることができ
る。
【0377】したがって、この第8実施例にあっても、
第1実施例で記載した(1) 〜(5) の効果を得ることがで
きる。
【0378】(第9実施例)まず、構成を説明する。
【0379】図26は請求項4記載の発明に対応する第
9実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン
図である。
【0380】図26において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第8
実施例と同様である。
【0381】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0382】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0383】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0384】回転メンバCは、第1,第2の回転メンバ
M1,M2そのものであり、クラッチやブレーキ等によ
り拘束されないフリーのメンバである。
【0385】回転メンバDは、第3,第4の2要素連結
メンバM3,M4に接続され、第1クラッチC1の第1
サンギヤS1及び第2リングギヤR2側は、第2ブレー
キB2を介してケースKに連結され、第1クラッチC1
の第3キャリヤP3側は、第2クラッチC2を介して入
力軸ISに連結されている。
【0386】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されて
いると共に、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連
結されている。
【0387】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0388】次に、作用を説明する。
【0389】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図28
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3ク
ラッチC3と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0390】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダード
ライブによる第1速変速比が得られる。
【0391】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
27の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0392】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第2クラッチC
2を締結する。つまり、図28の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0393】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第
2速変速比が得られる。
【0394】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
27の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0395】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図28の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0396】よって、回転メンバCからの入力回転(回
転メンバD,Eからの同時入力回転に伴う)と、回転メ
ンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定され、
回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、第2
速変速比よりも減速比として小さい値による第3速変速
比が得られる。
【0397】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
27の3rdに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0398】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図28の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0399】よって、回転メンバD,Eからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0400】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
27の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0401】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図28の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0402】よって、回転メンバCからの入力回転(回
転メンバDの第3キャリヤP3側と回転メンバEの同時
入力回転に伴う)と、回転メンバDの第1サンギヤS1
及び第2リングギヤR2側の固定により、回転メンバB
の回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力
軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ
変速比による第5速変速比が得られる。
【0403】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
27の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0404】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図28の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第2ブレーキB2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0405】よって、回転メンバCの規定回転(回転メ
ンバDの第3キャリヤP3側からの入力回転と回転メン
バEの固定に伴う)と、回転メンバDの第1サンギヤS
1及び第2リングギヤR2側の固定により、回転メンバ
Bの回転が規定され、回転メンバBに連結されている出
力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライ
ブ変速比による第6速変速比が得られる。
【0406】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
27の6thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0407】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図28の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッ
チC3と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0408】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0409】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図2
7のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
2つの線図にて表される。
【0410】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図28の表に示すよ
うになる。
【0411】具体例として、ρ1 =0.40,ρ2
0.50,ρ3 =0.40とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0412】 n1=3.44(3.5) n2/n1=0.547(0.629) n2=1.88(2.2) n3/n2=0.665(0.682) n3=1.25(1.5) n4/n3=0.800(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.710(0.700) n5=0.71(0.7) n6/n5=0.718(0.714) n6=0.51(0.5) nR=1.79 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0413】尚、図28の上部に示す係合論理表から明
らかなように、第3ブレーキB3は第6速ギヤ段のみに
て締結される。よって、図28の下部に示すように、第
3ブレーキB3を取り外せば、変速機構はそのままで、
5つの係合要素で前進5段で後退1段を得ることができ
る。
【0414】したがって、この第9実施例にあっても、
第1実施例で記載した(1) 〜(5) の効果を得ることがで
きる。
【0415】(第10実施例)まず、構成を説明する。
【0416】図29は請求項4,6記載の発明に対応す
る第10実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケ
ルトン図である。
【0417】図29において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について
説明する。
【0418】前記第1の2要素連結メンバM1は、第1
キャリヤP1と第2キャリヤP2とを一体に連結するメ
ンバである。
【0419】前記第2の2要素連結メンバM2は、第1
の2要素連結メンバM1と第3リングギヤR3とを第1
クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0420】前記第3の2要素連結メンバM3は、第1
サンギヤS1と第2リングギヤR2とを一体に連結する
メンバである。
【0421】前記第4の2要素連結メンバM4は、第3
の2要素連結メンバM3と第3キャリヤP3とを一体に
連結するメンバである。
【0422】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0423】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0424】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0425】回転メンバCは、第1,第2の回転メンバ
M1,M2に接続され、第1クラッチC1の第1,第2
キャリヤP1,P2側は第3クラッチC3を介して入力
軸ISに連結され、第1クラッチC1の第3リングギヤ
R3側は第1ブレーキB1を介してケースKに連結され
ている。
【0426】回転メンバDは、第3,第4の回転メンバ
M3,M4(3要素直結メンバ)に接続され、第4クラ
ッチC4を介して入力軸ISに連結されている。
【0427】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されて
いる。
【0428】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0429】次に、作用を説明する。
【0430】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図31
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2ク
ラッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0431】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダード
ライブによる第1速変速比が得られる。
【0432】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
30の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0433】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第1ブレーキB1と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0434】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定(回転メンバC,Eの固定に伴う)
により、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバB
に連結されている出力軸OSからは、第1速変速比より
も減速比として小さい値による第2速変速比が得られ
る。
【0435】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
30の2ndに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0436】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0437】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0438】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
30の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0439】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0440】よって、回転メンバA,Cからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0441】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
30の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0442】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0443】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第5速変速比が得られる。
【0444】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
30の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0445】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第4クラッチC
4を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第4クラッチC4と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0446】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0447】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
30の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0448】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図31の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第4クラッ
チC4と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0449】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0450】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
0のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0451】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図31の表に示すよ
うになる。
【0452】具体例として、ρ1 =0.66,ρ2
0.43,ρ3 =0.60とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0453】 n1=3.52(3.5) n2/n1=0.568(0.629) n2=2.00(2.2) n3/n2=0.750(0.682) n3=1.50(1.5) n4/n3=0.667(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.800(0.700) n5=0.80(0.7) n6/n5=0.625(0.714) n6=0.50(0.5) nR=1.52 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0454】尚、図31の上部に示す係合論理表から明
らかなように、第3クラッチC3は第4速ギヤ段と第5
速ギヤ段とで締結される。また、第4’速ギヤ段は第1
クラッチC1と第2クラッチC2と第4クラッチC4と
の係合によっても得ることができる。よって、図31の
下部に示すように、変速比1を第4’速ギヤ段により得
るようにし、第3クラッチC3を取り外せば、変速機構
はそのままで、5つの係合要素で前進5段で後退1段を
得ることができる。
【0455】したがって、この第10実施例にあって
も、第1実施例で記載した(1) 〜(5)と同様の効果を得
ることができる。
【0456】(第11実施例)まず、構成を説明する。
【0457】図32は請求項4記載の発明に対応する第
11実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルト
ン図である。
【0458】図32において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第1
0実施例と同様である。
【0459】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0460】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0461】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0462】回転メンバCは、第1,第2の回転メンバ
M1,M2に接続され、第1クラッチC1の第1,第2
キャリヤP1,P2側は第3クラッチC3を介して入力
軸ISに連結され、第1クラッチC1の第3リングギヤ
R3側は第1ブレーキB1(常時固定要素)を介してケ
ースKに連結されている。
【0463】回転メンバDは、第3,第4の回転メンバ
M3,M4(3要素直結メンバ)に接続され、クラッチ
やブレーキ等により拘束を受けないフリーな状態とされ
ている。
【0464】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されて
いると共に、第4クラッチC4を介して入力軸ISに連
結されている。
【0465】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。尚、第1
ブレーキB1は、常時固定要素であることで、実質的に
は5個の係合要素のうち2個の係合組み合わせにより前
進6段で後退1段のギヤ段を得る。
【0466】次に、作用を説明する。
【0467】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図34
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2ク
ラッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0468】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダード
ライブによる第1速変速比が得られる。
【0469】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
33の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0470】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図34の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第1ブレーキB1と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0471】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定(回転メンバC,Eの固定に伴う)
により、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバB
に連結されている出力軸OSからは、第1速変速比より
も減速比として小さい値による第2速変速比が得られ
る。
【0472】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
33の2ndに示す通り、第1クラッチC1のかいほう
により2つの線図にて表される。
【0473】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第4クラッチC
4を締結する。つまり、図34の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0474】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの規定回転(回転メンバEからの入力回転
と回転メンバCの固定に伴う)により、回転メンバBの
回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸
OSからは、第2速変速比よりも減速比として小さい値
による第3速変速比が得られる。
【0475】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
33の3rdに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0476】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図34の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0477】よって、回転メンバA,Cからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。尚、回転メンバCの第
3リングギヤR3側が固定されることで回転メンバEは
入力回転より少し高い回転となる。
【0478】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
33の4thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0479】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第4クラッチC
4を締結する。つまり、図34の係合論理表に示すよう
に、第3クラッチC3と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0480】よって、回転メンバCの第1,第2キャリ
ヤP1,P2側からの入力回転と、回転メンバDの規定
回転(回転メンバEからの入力回転と回転メンバCの第
3リングギヤR3側の固定に伴う)により、回転メンバ
Bの回転が規定され、回転メンバBに連結されている出
力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライ
ブ変速比による第5速変速比が得られる。
【0481】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
33の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0482】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図34の係合論理表に示すよう
に、第3クラッチC3と第1ブレーキB1と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0483】よって、回転メンバCの第1,第2キャリ
ヤP1,P2側からの入力回転と、回転メンバDの固定
(回転メンバCの回転メンバCの第3リングギヤR3側
と回転メンバEの固定に伴う)により、回転メンバBの
回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変
速比による第6速変速比が得られる。
【0484】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
33の6thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0485】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図34の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第4クラッ
チC4と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0486】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0487】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
3のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0488】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図34の表に示すよ
うになる。
【0489】具体例として、ρ1 =0.65,ρ2
0.40,ρ3 =0.65とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0490】 n1=3.85(3.5) n2/n1=0.551(0.629) n2=2.12(2.2) n3/n2=0.693(0.682) n3=1.47(1.5) n4/n3=0.680(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.720(0.700) n5=0.72(0.7) n6/n5=0.847(0.714) n6=0.61(0.5) nR=3.91 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0491】したがって、この第11実施例にあって
も、第1実施例で記載した(1) 〜(4)と同様の効果を得
ることができる。
【0492】加えて、第1ブレーキB1を固定要素化す
ることで、1つのギヤ段を4個のクラッチC1,C2,
C3,C4と1個のブレーキB2のうち2個の係合組み
合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け
替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギ
ヤ段を得ることができ、変速制御の簡素化を図ることが
できる。
【0493】(第12実施例)まず、構成を説明する。
【0494】図35は請求項4記載の発明に対応する第
12実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルト
ン図である。
【0495】図35において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第1
0実施例と同様である。
【0496】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0497】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0498】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0499】回転メンバCは、第1,第2の2要素連結
メンバM1,M2に接続され、第1クラッチC1の第
1,第2キャリヤP1,P2側は第1ブレーキB1を介
してケースKに連結され、第1クラッチC1の第3リン
グギヤR3側は第3クラッチC3を介して入力軸ISに
連結されている。
【0500】回転メンバDは、第3,第4の回転メンバ
M3,M4(3要素直結メンバ)に接続され、第2ブレ
ーキB2を介してケースKに連結されている。
【0501】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されて
いる。
【0502】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0503】次に、作用を説明する。
【0504】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図37
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2ク
ラッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0505】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダード
ライブによる第1速変速比が得られる。
【0506】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
36の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0507】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図37の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0508】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第
2速変速比が得られる。
【0509】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
36の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0510】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図37の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0511】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0512】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
36の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0513】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図37の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0514】よって、回転メンバA,Cからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0515】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
36の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0516】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図37の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0517】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第5速変速比が得られる。
【0518】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
36の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0519】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図37の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0520】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比によ
る第6速変速比が得られる。
【0521】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
36の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0522】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図37の係
合論理表に示すように、第3クラッチC3と第1ブレー
キB1と第3ブレーキB3を係合することで得られる。
【0523】よって、回転メンバDの規定回転(回転メ
ンバCの第3リングギヤR3側からの入力回転と回転メ
ンバEの固定に伴う)と、回転メンバCの第1,第2キ
ャリヤP1,P2側の固定により、回転メンバBの回転
が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸OS
からは、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速
比が得られる。
【0524】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
6のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0525】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図37の表に示すよ
うになる。
【0526】具体例として、ρ1 =0.65,ρ2
0.45,ρ3 =0.60とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0527】 n1=3.50(3.5) n2/n1=0.566(0.629) n2=1.98(2.2) n3/n2=0.758(0.682) n3=1.50(1.5) n4/n3=0.667(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.800(0.700) n5=0.80(0.7) n6/n5=0.762(0.714) n6=0.61(0.5) nR=2.51 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0528】したがって、この第12実施例にあって
も、第1実施例で記載した(1) 〜(4)の効果を得ること
ができる。
【0529】加えて、この第12実施例にあっては、図
37で明らかなように、前進側のギヤ段では第1速〜第
6速の全てのギヤ段にて第1クラッチC1を締結するよ
うにしていることで、前進走行時には、実質的に5個の
係合要素のうち2個の係合組み合わせにより各ギヤ段が
得られると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
い係合解放制御により前進6段を得ることができる。
【0530】(第13実施例)まず、構成を説明する。
【0531】図38は請求項4,7記載の発明に対応す
る第13実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケ
ルトン図である。
【0532】図38において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について
説明する。
【0533】前記第1の2要素連結メンバM1は、第1
キャリヤP1と第2キャリヤP2とを一体に連結するメ
ンバである。
【0534】前記第2の2要素連結メンバM2は、第1
の2要素連結メンバM1と第3サンギヤS3とを第1ク
ラッチC1を介して連結するメンバである。
【0535】前記第3の2要素連結メンバM3は、第1
サンギヤS1と第2リングギヤR2とを一体に連結する
メンバである。
【0536】前記第4の2要素連結メンバM4は、第3
の2要素連結メンバM3と第3キャリヤP3とを一体に
連結するメンバである。
【0537】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0538】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されて
いる。
【0539】回転メンバBは、第1リングギヤR1に接
続され、そのまま出力軸OSに連結されている。
【0540】回転メンバCは、第1,第2の回転メンバ
M1,M2に接続され、第1クラッチC1の第1,第2
キャリヤP1,P2側は第2クラッチC2を介して入力
軸ISに連結され、第1クラッチC1の第3サンギヤS
3側は第2ブレーキB2を介してケースKに連結されて
いる。
【0541】回転メンバDは、第3,第4の回転メンバ
M3,M4(3要素直結メンバ)のそのものであり、こ
のメンバはクラッチやブレーキ等により拘束されること
のないフリーなメンバである。
【0542】回転メンバEは、第3リングギヤR3に接
続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結され
ていると共に、第3クラッチC3を介して入力軸ISに
連結されている。
【0543】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0544】次に、作用を説明する。
【0545】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図40
の係合論理表に示すように、第3クラッチC3と第1ブ
レーキB1と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0546】よって、回転メンバDの規定回転(回転メ
ンバEからの入力回転と回転メンバCの第3サンギヤS
3側の固定に伴う)と、回転メンバAの固定により、回
転メンバBの回転が規定され、回転メンバBに連結され
ている出力軸OSからは、入力軸ISの回転に対し減速
比の大きなアンダードライブによる第1速変速比が得ら
れる。
【0547】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
39の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0548】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図40の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0549】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第
2速変速比が得られる。
【0550】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
39の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0551】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第2クラッチC
2を締結する。つまり、図40の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0552】よって、回転メンバCからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0553】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
39の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0554】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図40の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0555】よって、回転メンバC,Eからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0556】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
39の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0557】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図40の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0558】よって、回転メンバCの第1,第2キャリ
ヤP1,P2側からの入力回転と、回転メンバDの規定
回転(回転メンバEの入力回転と回転メンバCの第3サ
ンギヤS3側の固定に伴う)により、回転メンバBの回
転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸O
Sからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速
比による第5速変速比が得られる。
【0559】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
39の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0560】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図40の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第2ブレーキB2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0561】よって、回転メンバCの第1,第2キャリ
ヤP1,P2側からの入力回転と、回転メンバDの固定
(回転メンバEと回転メンバCの第3サンギヤS3側の
固定に伴う)により、回転メンバBの回転が規定され、
回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、入力
軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第6速
変速比が得られる。
【0562】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
39の6thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0563】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図40の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッ
チC3と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0564】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が
得られる。
【0565】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
9のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0566】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図40の表に示すよ
うになる。
【0567】具体例として、ρ1 =0.55,ρ2
0.55,ρ3 =0.55とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0568】 n1=3.44(3.5) n2/n1=0.773(0.629) n2=2.66(2.2) n3/n2=0.538(0.682) n3=1.43(1.5) n4/n3=0.699(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.840(0.700) n5=0.84(0.7) n6/n5=0.774(0.714) n6=0.65(0.5) nR=2.82 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0569】尚、図40の上部に示す係合論理表から明
らかなように、第3ブレーキB3は第6速ギヤ段のみに
て締結される。よって、図40の下部に示すように、第
3ブレーキB3を取り外せば、変速機構はそのままで、
5つの係合要素で前進5段で後退1段を得ることができ
る。
【0570】したがって、この第13実施例にあって
も、第1実施例で記載した(1) 〜(5)の効果を得ること
ができる。
【0571】加えて、ギヤ比設定での具体例に示すよう
に、ρ1 =0.55,ρ2 =0.55,ρ3 =0.5
5、つまり、全く同じ単純遊星歯車を3個用いる機構と
した場合、コスト的にきわめて有利な変速機構とするこ
とができる。
【0572】(第14実施例)まず、構成を説明する。
【0573】図41は請求項4,8記載の発明に対応す
る第14実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケ
ルトン図である。
【0574】図41において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メン
バ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要
素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに
相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について
説明する。
【0575】前記第1の2要素連結メンバM1は、第1
キャリヤP1と第2キャリヤP2とを一体に連結するメ
ンバである。
【0576】前記第2の2要素連結メンバM2は、第1
の2要素連結メンバM1と第3リングギヤR3とを第1
クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0577】前記第3の2要素連結メンバM3は、第1
リングギヤR1と第2リングギヤR2とを一体に連結す
るメンバである。
【0578】前記第4の2要素連結メンバM4は、第3
の2要素連結メンバM3と第3キャリヤP3とを一体に
連結するメンバである。
【0579】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メ
ンバ並びに係合要素について説明する。
【0580】回転メンバAは、第2サンギヤS2に接続
され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されて
いる。
【0581】回転メンバBは、第1サンギヤS1に接続
され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されて
いる。
【0582】回転メンバCは、第1,第2の回転メンバ
M1,M2に接続され、第1クラッチC1の第1,第2
キャリヤP1,P2側は第2クラッチC2を介して入力
軸ISに連結され、第1クラッチC1の第3リングギヤ
R3側は出力軸OSに連結されている。
【0583】回転メンバDは、第3,第4の回転メンバ
M3,M4(3要素直結メンバ)に接続され、第3クラ
ッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0584】回転メンバEは、第3サンギヤS3に接続
され、第4クラッチC4を介して入力軸ISに連結され
ている。
【0585】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0586】次に、作用を説明する。
【0587】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図43
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第4ク
ラッチC4と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0588】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバBの固定により、回転メンバCの回転が規定
され、回転メンバCに連結されている出力軸OSから
は、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダード
ライブによる第1速変速比が得られる。
【0589】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
42の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0590】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図43の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0591】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバCの回転が規定
され、回転メンバCに連結されている出力軸OSから
は、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第
2速変速比が得られる。
【0592】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
42の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0593】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図43の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0594】よって、回転メンバDからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバCの回転が規定
され、回転メンバCに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0595】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
42の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0596】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第4クラッチC
4を締結する。つまり、図43の係合論理表に示すよう
に、第3クラッチC3と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0597】よって、回転メンバD,Eからの同時入力
により回転メンバCの第3リングギヤR3側の回転が入
力回転に規定され、回転メンバCの第3リングギヤR3
側に連結されている出力軸OSからは、変速比1による
第4速変速比が得られる。尚、第1ブレーキB1の係合
により回転メンバAは固定される。
【0598】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
42の4thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0599】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第2クラッチC
2を締結する。つまり、図43の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0600】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバDの規定回転(回転メンバCの第1,第2キ
ャリヤP1,P2側からの入力回転と回転メンバAの固
定に伴う)により、回転メンバCの第3リングギヤR3
側の回転が規定され、回転メンバCの第3リングギヤR
3側に連結されている出力軸OSからは、入力軸ISよ
り高回転のオーバドライブ変速比による第5速変速比が
得られる。
【0601】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
42の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0602】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図43の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第4クラッチC4と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0603】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバDの規定回転(回転メンバCの第1,第2キ
ャリヤP1,P2側からの入力回転と回転メンバBの固
定に伴う)により、回転メンバCの第3リングギヤR3
側の回転が規定され、回転メンバCの第3リングギヤR
3側に連結されている出力軸OSからは、入力軸ISよ
り高回転のオーバドライブ変速比による第5速変速比が
得られる。
【0604】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
42の6thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0605】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図43の係
合論理表に示すように、第4クラッチC4と第1ブレー
キB1と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0606】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバDの固定(回転メンバA,Bの固定に伴う)
により、回転メンバCの第3リングギヤR3側の回転が
規定され、回転メンバCの第3リングギヤR3側に連結
されている出力軸OSからは、入力軸ISに対し逆回転
による後退ギヤ段変速比が得られる。
【0607】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図4
2のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0608】[各ギヤ段変速比]各ギヤ段変速比n1,
n2,n4,n5,n6,nRは、図43の表に示すよ
うになる。
【0609】具体例として、ρ1 =0.65,ρ2
0.35,ρ3 =0.35とした時、各ギヤ段変速比と
隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ
内は目標値を示す。
【0610】 n1=3.51(3.5) n2/n1=0.670(0.629) n2=2.35(2.2) n3/n2=0.574(0.682) n3=1.35(1.5) n4/n3=0.741(0.667) n4=1.00(1.0) n5/n4=0.680(0.700) n5=0.68(0.7) n6/n5=0.779(0.714) n6=0.53(0.5) nR=2.86 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0611】したがって、この第14実施例にあって
も、第1実施例で記載した(1) 〜(4)と同様の効果を得
ることができる。
【0612】
【発明の効果】請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
にあっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シ
ングルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン
型の第3遊星歯車と、第1キャリヤと第2リングギヤ
(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素
連結メンバと、第2キャリヤと第3リングギヤ(もしく
は第3サンギヤ)を常時連結する第2の2要素連結メン
バと、第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2
サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第
3の2要素連結メンバと、第3の2要素連結メンバと第
3キャリヤを連結する第4の2要素連結メンバと、第4
の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、を備
えた構成としたため、コスト競争力が高く、変速ショッ
クを容易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性
能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機
用遊星歯車列を提供することができるという効果が得ら
れる。
【0613】請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、第1リングギヤを、第2クラッチを介して入力
軸に連結し、第1キャリヤと第2リングギヤを直結し、
これを出力軸に連結し、第2キャリヤと第3リングギヤ
を直結し、これを第3クラッチを介して入力軸に連結
し、第1サンギヤと第2サンギヤとを直結すると共に、
これらと第3キャリヤとを断接クラッチを介して連結
し、断接クラッチの第3キャリヤ側を第1ブレーキを介
してケースに連結し、第3サンギヤを、第2ブレーキを
介してケースに連結すると共に、第4クラッチを介して
入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第
1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキのうち3個の
係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で
二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段
を得る変速制御手段を設けた装置としたため、コスト競
争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変
速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ
構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供すること
ができるという効果が得られる。
【0614】請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、第1サンギヤを、第1ブレーキを介してケース
に連結すると共に、第2クラッチを介して入力軸に連結
し、第1キャリヤと第2サンギヤを直結し、これを第2
ブレーキを介してケースに連結すると共に、第3クラッ
チを介して入力軸に連結し、第2キャリヤと第3リング
ギヤを直結する第2の2要素連結メンバを、拘束を与え
ないフリーとし、第1リングギヤと第2リングギヤとを
直結すると共に、これらと第3キャリヤとを断接クラッ
チを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を出
力軸に連結し、第3サンギヤを、第4クラッチを介して
入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第
1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキのうち3個の
係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で
二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段
を得る変速制御手段を設けた装置としたため、コスト競
争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変
速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ
構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供すること
ができるという効果が得られる。
【0615】請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列に
あっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シン
グルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン型
の第3遊星歯車と、第1キャリヤと第2キャリヤを常時
連結する第1の2要素連結メンバと、第1の2要素連結
メンバと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連
結する第2の2要素連結メンバと、第1サンギヤ(もし
くは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リ
ングギヤ)を連結する第3の2要素連結メンバと、第3
の2要素連結メンバと第3キヤリヤを連結する第4の2
要素連結メンバと、第2の2要素連結メンバと第4の2
要素連結メンバのいずれか一方に介装される断接クラッ
チと、を備えた構成としたため、コスト競争力が高く、
変速ショックを容易に低減でき、しかも変速制御が容易
で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な
自動変速機用遊星歯車列を提供することができるという
効果が得られる。
【0616】請求項5記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、第2サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸
に連結し、第1リングギヤを、出力軸に連結し、第1キ
ャリヤと第2キャリヤと第3リングギヤを3要素直結メ
ンバとし、このメンバを第3クラッチを介して入力軸に
連結し、第1サンギヤと第2リングギヤを直結すると共
に、これらと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結
し、断接クラッチの第3キャリヤ側を第1ブレーキを介
してケースに連結し、第3サンギヤを、第2ブレーキを
介してケースに連結すると共に、第4クラッチを介して
入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第
1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキのうち3個の
係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で
二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段
を得る変速制御手段を設けた装置としたため、コスト競
争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変
速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ
構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供すること
ができるという効果が得られる。
【0617】請求項6記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、第2サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸
に連結し、第1リングギヤを、出力軸に連結し、第1キ
ャリヤと第2キャリヤを直結すると共に、これらと第3
リングギヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッ
チの第1,第2キャリヤ側を第3クラッチを介して入力
軸に連結すると共に、断接クラッチの第3リングギヤ側
を第1ブレーキを介してケースに連結し、第1サンギヤ
と第2リングギヤと第3キャリヤを3要素直結メンバと
し、このメンバを第4クラッチを介して入力軸に連結
し、第3サンギヤを、第2ブレーキを介してケースに連
結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッ
チ)を含む4クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み
合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け
替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変
速制御手段を設けた装置としたため、コスト競争力が高
く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変速制御が
容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡
単な自動変速機用歯車変速装置を提供することができる
という効果が得られる。
【0618】請求項7記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、第2サンギヤを、第1ブレーキを介してケース
に連結し、第1リングギヤを、出力軸に連結し、第1キ
ャリヤと第2キャリヤを直結すると共に、これらと第3
サンギヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチ
の第1,第2キャリヤ側を第2クラッチを介して入力軸
に連結すると共に、断接クラッチの第3サンギヤ側を第
2ブレーキを介してケースに連結し、第1サンギヤと第
2リングギヤと第3キャリヤを3要素直結メンバとし、
このメンバを拘束を与えないフリーとし、第3リングギ
ヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に、
第3クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を
前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3
ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共
に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制
御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装
置としたため、コスト競争力が高く、変速ショックを容
易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性能及び
車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車
変速装置を提供することができるという効果が得られ
る。
【0619】請求項8記載の自動変速機用遊星歯車列に
あっては、請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列にお
いて、第2サンギヤを、第1ブレーキを介してケースに
連結し、第1サンギヤを、第2ブレーキを介してケース
に連結し、第1キャリヤと第2キャリヤを直結すると共
に、これらと第3リングギヤとを断接クラッチを介して
連結し、断接クラッチの第1,第2キャリヤ側を第2ク
ラッチを介して入力軸に連結し、断接クラッチの第3リ
ングギヤ側を出力軸に連結し、第1サンギヤと第2リン
グギヤと第3キャリヤを3要素直結メンバとし、このメ
ンバを第3クラッチを介して入力軸に連結し、第3サン
ギヤを、第4クラッチを介して入力軸に連結し、1つの
ギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む4ク
ラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得
ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合
解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設
けた装置としたため、コスト競争力が高く、変速ショッ
クを容易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性
能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機
用歯車変速装置を提供することができるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列(イ),請
求項4記載の自動変速機用遊星歯車列(ロ) を示すクレー
ム対応図である。
【図2】第1実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を
示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星歯
車の配列を異ならせた例である。
【図3】第1実施例装置での変速制御における各ギヤ段
でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図4】第1実施例装置での変速制御における各ギヤ段
での係合論理表を示す図である。
【図5】第2実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を
示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星歯
車の配列を異ならせた例である。
【図6】第2実施例装置での変速制御における各ギヤ段
でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図7】第2実施例装置での変速制御における各ギヤ段
での係合論理表を示す図である。
【図8】第3実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を
示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星歯
車の配列を異ならせた例である。
【図9】第3実施例装置での変速制御における各ギヤ段
でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図10】第3実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図11】第4実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星
歯車の配列を異ならせた例である。
【図12】第4実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図13】第4実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図14】第5実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星
歯車の配列を異ならせた例である。
【図15】第5実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図16】第5実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図17】第6実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星
歯車の配列を異ならせた例である。
【図18】第6実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図19】第6実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図20】第7実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星
歯車の配列を異ならせた例である。
【図21】第7実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図22】第7実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図23】第8実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星
歯車の配列を異ならせた例である。
【図24】第8実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図25】第8実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図26】第9実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊星
歯車の配列を異ならせた例である。
【図27】第9実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図28】第9実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図29】第10実施例装置の自動変速機用歯車変速機
構を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊
星歯車の配列を異ならせた例である。
【図30】第10実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図31】第10実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段での係合論理表を示す図である。
【図32】第11実施例装置の自動変速機用歯車変速機
構を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊
星歯車の配列を異ならせた例である。
【図33】第11実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図34】第11実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段での係合論理表を示す図である。
【図35】第12実施例装置の自動変速機用歯車変速機
構を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊
星歯車の配列を異ならせた例である。
【図36】第12実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図37】第12実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段での係合論理表を示す図である。
【図38】第13実施例装置の自動変速機用歯車変速機
構を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊
星歯車の配列を異ならせた例である。
【図39】第13実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図40】第13実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段での係合論理表を示す図である。
【図41】第14実施例装置の自動変速機用歯車変速機
構を示すスケルトン図であり、(イ),(ロ),(ハ) は3つの遊
星歯車の配列を異ならせた例である。
【図42】第14実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図43】第14実施例装置での変速制御における各ギ
ヤ段での係合論理表を示す図である。
【符号の説明】
a 第1遊星歯車 b 第2遊星歯車 c 第3遊星歯車 d 第1の2要素連結メンバ e 第2の2要素連結メンバ f 第3の2要素連結メンバ g 第4の2要素連結メンバ h 断接クラッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両
    ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有す
    るシングルピニオン型の第1遊星歯車と、 第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合う
    ピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニ
    オン型の第2遊星歯車と、 第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合う
    ピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニ
    オン型の第3遊星歯車と、 前記第1キャリヤと第2リングギヤ(もしくは第2サン
    ギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバと、 前記第2キャリヤと第3リングギヤ(もしくは第3サン
    ギヤ)を常時連結する第2の2要素連結メンバと、 前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サ
    ンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第3
    の2要素連結メンバと、 前記第3の2要素連結メンバと第3キャリヤを連結する
    第4の2要素連結メンバと、 前記第4の2要素連結メンバに介装される断接クラッチ
    と、 を備えていることを特徴とする自動変速機用遊星歯車
    列。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記第1リングギヤを、第2クラッチを介して入力軸に
    連結し、 前記第1キャリヤと第2リングギヤを直結し、これを出
    力軸に連結し、 前記第2キャリヤと第3リングギヤを直結し、これを第
    3クラッチを介して入力軸に連結し、 前記第1サンギヤと第2サンギヤとを直結すると共に、
    これらと第3キャリヤとを断接クラッチを介して連結
    し、断接クラッチの第3キャリヤ側を第1ブレーキを介
    してケースに連結し、 前記第3サンギヤを、第2ブレーキを介してケースに連
    結すると共に、第4クラッチを介して入力軸に連結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記第1サンギヤを、第1ブレーキを介してケースに連
    結すると共に、第2クラッチを介して入力軸に連結し、 前記第1キャリヤと第2サンギヤを直結し、これを第2
    ブレーキを介してケースに連結すると共に、第3クラッ
    チを介して入力軸に連結し、 前記第2キャリヤと第3リングギヤを直結する第2の2
    要素連結メンバを、拘束を与えないフリーとし、 前記第1リングギヤと第2リングギヤとを直結すると共
    に、これらと第3キャリヤとを断接クラッチを介して連
    結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を出力軸に連結
    し、 前記第3サンギヤを、第4クラッチを介して入力軸に連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  4. 【請求項4】 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両
    ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有す
    るシングルピニオン型の第1遊星歯車と、 第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合う
    ピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニ
    オン型の第2遊星歯車と、 第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合う
    ピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニ
    オン型の第3遊星歯車と、 前記第1キャリヤと第2キャリヤを常時連結する第1の
    2要素連結メンバと、 前記第1の2要素連結メンバと第3リングギヤ(もしく
    は第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバ
    と、 前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サ
    ンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を連結する第3の2
    要素連結メンバと、 前記第3の2要素連結メンバと第3キヤリヤを連結する
    第4の2要素連結メンバと、 前記第2の2要素連結メンバと第4の2要素連結メンバ
    のいずれか一方に介装される断接クラッチと、 を備えていることを特徴とする自動変速機用遊星歯車
    列。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記第2サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連
    結し、 前記第1リングギヤを、出力軸に連結し、 前記第1キャリヤと第2キャリヤと第3リングギヤを3
    要素直結メンバとし、このメンバを第3クラッチを介し
    て入力軸に連結し、 前記第1サンギヤと第2リングギヤを直結すると共に、
    これらと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、
    断接クラッチの第3キャリヤ側を第1ブレーキを介して
    ケースに連結し、 前記第3サンギヤを、第2ブレーキを介してケースに連
    結すると共に、第4クラッチを介して入力軸に連結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記第2サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連
    結し、 前記第1リングギヤを、出力軸に連結し、 前記第1キャリヤと第2キャリヤを直結すると共に、こ
    れらと第3リングギヤを断接クラッチを介して連結し、
    断接クラッチの第1,第2キャリヤ側を第3クラッチを
    介して入力軸に連結すると共に、断接クラッチの第3リ
    ングギヤ側を第1ブレーキを介してケースに連結し、 前記第1サンギヤと第2リングギヤと第3キャリヤを3
    要素直結メンバとし、このメンバを第4クラッチを介し
    て入力軸に連結し、 前記第3サンギヤを、第2ブレーキを介してケースに連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記第2サンギヤを、第1ブレーキを介してケースに連
    結し、 前記第1リングギヤを、出力軸に連結し、 前記第1キャリヤと第2キャリヤを直結すると共に、こ
    れらと第3サンギヤを断接クラッチを介して連結し、断
    接クラッチの第1,第2キャリヤ側を第2クラッチを介
    して入力軸に連結すると共に、断接クラッチの第3サン
    ギヤ側を第2ブレーキを介してケースに連結し、 前記第1サンギヤと第2リングギヤと第3キャリヤを3
    要素直結メンバとし、このメンバを拘束を与えないフリ
    ーとし、 前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに
    連結すると共に、第3クラッチを介して入力軸に連結
    し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記第2サンギヤを、第1ブレーキを介してケースに連
    結し、 前記第1サンギヤを、第2ブレーキを介してケースに連
    結し、 前記第1キャリヤと第2キャリヤを直結すると共に、こ
    れらと第3リングギヤとを断接クラッチを介して連結
    し、断接クラッチの第1,第2キャリヤ側を第2クラッ
    チを介して入力軸に連結し、断接クラッチの第3リング
    ギヤ側を出力軸に連結し、 前記第1サンギヤと第2リングギヤと第3キャリヤを3
    要素直結メンバとし、このメンバを第3クラッチを介し
    て入力軸に連結し、 前記第3サンギヤを、第4クラッチを介して入力軸に連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000057081A1 (de) * 1999-03-22 2000-09-28 Zf Friedrichshafen Ag Automatisch schaltbares kraftfahrzeuggetriebe
EP1512885A1 (en) * 2003-09-04 2005-03-09 General Motors Corporation Family of six-speed planetary transmissions having three planetary gearsets and three input torque-transmitting mechanisms
EP1388686A3 (en) * 2002-08-06 2005-06-08 General Motors Corporation Family of multi-speed power transmission mechanisms having three interconnected planetary gearsets
EP1398537A3 (en) * 2002-09-13 2005-06-08 General Motors Corporation Family of multi-speed transmission mechanisms having two input clutches

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