JPH08261299A - 自動変速機用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents

自動変速機用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置

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JPH08261299A
JPH08261299A JP7067866A JP6786695A JPH08261299A JP H08261299 A JPH08261299 A JP H08261299A JP 7067866 A JP7067866 A JP 7067866A JP 6786695 A JP6786695 A JP 6786695A JP H08261299 A JPH08261299 A JP H08261299A
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JP
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gear
clutch
brake
carrier
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JP7067866A
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Hiroyuki Imamura
広幸 今村
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JATCO Corp
Original Assignee
JATCO Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H2200/00Transmissions for multiple ratios
    • F16H2200/20Transmissions using gears with orbital motion
    • F16H2200/2097Transmissions using gears with orbital motion comprising an orbital gear set member permanently connected to the housing, e.g. a sun wheel permanently connected to the housing

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速ショックを容易に低減でき、変速制御が
容易で、動力性能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機
用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置を提供する
こと。 【構成】 シングルピニオン型の第1遊星歯車aと、シ
ングルピニオン型の第2遊星歯車bと、シングルピニオ
ン型の第3遊星歯車cと、第2サンギヤに、第1サンギ
ヤと第1リングギヤのいずれか一方のギヤを一体に連結
する第1の2要素連結メンバdと、第2キャリヤに、第
1サンギヤと第1リングギヤのいずれか他方のギヤを一
体に連結すると共に、第3リングギヤと第3サンギヤの
いずれか一方のギヤを断接クラッチeを介して連結する
クラッチ介装連結メンバfと、第2リングギヤと第3キ
ャリヤとを一体に連結する第2の2要素連結メンバgと
を備えた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機用歯車変速
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前進5速のギヤ段を得る自動変速
機用歯車変速装置として、特開平1−242854号公
報に記載のものが知られている。
【0003】この従来装置は、シングルピニオン型遊星
歯車を2個用い前進4速のギヤ段を得る4速型主遊星歯
車変速機構に、シングルピニオン型遊星歯車を1個追加
し、この3個の遊星歯車に総計11個のクラッチ,ブレ
ーキ,一方向クラッチ等の係合・解放要素を組み合わせ
た構成になっている。
【0004】このうち、変速制御を簡単にするための一
方向クラッチ及び一方向クラッチを取り付けたがためコ
ースティング時に利かなくなるエンジンブレーキを利か
せる目的で付加したクラッチ・ブレーキ類を取り除いた
クラッチ及びブレーキの係合・解放要素数は7個であ
る。この数が実用上、前進5段・後退1段の変速を達成
するのに必要な最小要素数である。
【0005】内訳は、クラッチ,ブレーキの係合・解放
要素を最小でも5個必要とする4段部(アンダードライ
ブ2段,直結1段,オーバドライブ1段)と、1つの遊
星歯車とクラッチ・ブレーキが最小でも2つ必要なアド
・オン部からなり、5段(アンダードライブ3段,直結
1段,オーバドライブ1段)変速を可能にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機用歯車変速装置でオーバドライブを1段
から2段にしようとした場合、アド・オン部の入力経路
を切り替えてアド・オン部に導くことが考えられるが、
このためにはクラッチ・ブレーキを2つ追加することが
必要になる。従って、コスト、さらには、車両搭載性を
損ねる点等を考慮すると実用的ではない。
【0007】また、当該アド・オン型5段変速装置に最
低必要なクラッチ,ブレーキの総変速要素数は7個であ
るが、装置全体に占める重量及び寸法の割合が大きく、
これをできる限り減らして、コスト・車両搭載性・燃費
等を向上させたいという要求も強い。
【0008】さりとて、クラッチ,ブレーキの総数を減
らすために、複数の遊星歯車を組み合わせて変速装置の
構成を検討するについては、遊星歯車の組み合わせ方や
遊星歯車のサンギヤとリングギヤとの歯数の比(即ち、
ギヤ比)、シングルピニオン型遊星歯車かダブルピニオ
ン型遊星歯車を用いるのか等によって得られる変速比が
多様に変わり、且つ、それらが全て実用に供し得るもの
ではなく、車両への搭載性,変速特性,要求される動力
性能,コスト等の諸条件から実用性のある歯車列は限定
される。
【0009】即ち、遊星歯車の組み合わせやギヤ比の設
定の仕方によって、膨大な数の構成が考案できるもの
の、車両用自動変速機として要求される実用に適するも
のを創作することには多大な困難を伴うという問題があ
る。
【0010】例えば、特開昭50−64660号公報に
は、図54に示すように、シングルピニオン型の遊星歯
車を3個と、クラッチ3個,ブレーキ3個を用い、図5
6に示すように、各要素を係合・解放することにより前
進6段・後退2段の変速を達成する装置が示されてい
る。
【0011】しかしながら、この従来装置にあっては、
下記に述べる問題がある。
【0012】(1) ギヤ段間の変速比の設定が不適であ
る。
【0013】横軸に遊星歯車の設定ギヤ比に応じて割り
ふられる回転メンバの位置をとり、縦軸に回転速度比を
とり、回転速度比0と回転速度比1に対応して横方向に
引かれる直線との交点にそれぞれクラッチとブレーキの
要素を表示し、係合される要素を結ぶ線により描かれる
共線図を図55に示す。
【0014】本来、ギヤ段間の変速比は等比級数的に設
定するのが望ましい。なぜなら、図57に示すように、
エンジンのトルクバンド(スロットル開度一定でのエン
ジントルクと回転の関係から出力されるエンジントルク
の幅)がギヤ段に影響されずにほぼ一定となり、出力軸
トルクはギヤ段に応じてほぼ一定の比で変化すると共
に、エンジン回転がほぼ同じ変化をすることになり、運
転者にとって快適に感じる。
【0015】ところが、図55によれば、ギヤ段間の変
速比が等比級数的ではなく、特に、5速,6速間及び3
速,4速間が広く、この間が他の変速とは異なるトルク
バンドを使うことになり、エンジン特性の良好な部分を
使えなくなる。特に、5速,6速は変速頻度が多いとこ
ろであり、顕著に感じるはずである。
【0016】そこで、3速,4速間を狭くしようとして
第5回転メンバの縦軸が図面右方向にずれるように遊
星歯車のギヤ比を設定すると、3速,4速間は狭くなる
が同時に4速,5速間も狭くなるし、5速,6速間は現
状よりさらに広くなる。
【0017】このように、ギヤ同志の動力伝達経路が常
に連結されたギヤ列では、変速比の選択幅が少なく、図
55に示すように妥協的に変速比を設定せざるを得な
い。
【0018】(2) 変速に関与しないメンバ回転が異常に
高くなる。
【0019】図55に示す共線図の左右端の回転メンバ
,は、5速,6速,後退2速の時に異常な高回転と
なるので、その部材の支持用軸受け等の強度や高回転に
よる変速不良(遠心油圧によるクラッチ作動不良等)の
おそれがある。
【0020】本発明は、以上の問題点を克服し、実用に
適するものを創作したが、これに際して以下の点を考慮
した。
【0021】1)2つのクラッチ及びブレーキを係合状
態から解放状態もしくは解放状態から係合状態に切り替
えると変速ショックが悪化し、あるいは変速ショックを
低減するために複雑な制御が必要となることを考慮し、
隣り合ったギヤ段間で1つのクラッチまたはブレーキが
係合状態から解放状態もしくは解放状態から係合状態に
切り替わることとした。
【0022】2)構成を簡素化し、コストアップを抑え
るために、ダブルピニオン型遊星歯車を使わずにシング
ルピニオン型遊星歯車だけを3つ組み合わせる構成とし
た。
【0023】3)クラッチ及びブレーキの総数は、最小
の場合6個で、前進6段(アンダードライブ3段,直結
1段,オーバドライブ2段)、後退1段以上を実現でき
る構成であることとした。これは、小型・軽量な構成に
することとコストダウンを強く考慮したためである。
【0024】4)アド・オン型は本体部にアド・オン部
を結合する構造になるため、小型・軽量かつコストを考
慮すると、アド・オン部を結合する手段並びに本体部と
アド・オン部を隔てる壁が必要になる等、不利である。
そのためインテグラルタイプとすることとした。
【0025】5)各変速ギヤ段間の変速比を等比級数的
に並ばせることによって、変速の前後でのエンジン回転
のバラツキを少なくして運転し易くする配慮を行なっ
た。
【0026】本発明の目的とするところは、変速ショッ
クを容易に低減でき、変速制御が容易で、動力性能に優
れ、かつ構成が簡単な自動変速機用遊星歯車列及び自動
変速機用歯車変速装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列では、図1のク
レーム対応図に示すように、第1サンギヤと、第1リン
グギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キ
ャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車a
と、第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み
合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングル
ピニオン型の第2遊星歯車bと、第3サンギヤと、第3
リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第
3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車
cと、前記第2サンギヤに、第1サンギヤと第1リング
ギヤのいずれか一方のギヤを一体に連結する第1の2要
素連結メンバdと、前記第2キャリヤに、第1サンギヤ
と第1リングギヤのいずれか他方のギヤを一体に連結す
ると共に、第3リングギヤと第3サンギヤのいずれか一
方のギヤを断接クラッチeを介して連結するクラッチ介
装連結メンバfと、前記第2リングギヤと第3キャリヤ
とを一体に連結する第2の2要素連結メンバgと、を備
えていることを特徴とする。
【0028】請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記クラッチ介装連結メンバfを、第2キャリヤに
第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤ
に第3リングギヤを断接クラッチeを介して連結するメ
ンバとし、前記第1の2要素連結メンバdを、第2クラ
ッチを介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤを、出
力軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバfの第2キ
ャリヤ側を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、第
3リングギヤ側を、ケースに固定し、前記第2の2要素
連結メンバgを、クラッチやブレーキ等に対して非連結
とし、前記第3サンギヤを、第2ブレーキを介してケー
スに連結すると共に、第4クラッチを介して入力軸に連
結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチe(第1クラッ
チ)を含む4クラッチ1ブレーキのうち2個の係合組み
合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け
替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変
速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0029】請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記クラッチ介装連結メンバfを、第2キャリヤに
第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤ
に第3サンギヤを断接クラッチeを介して連結するメン
バとし、前記第1の2要素連結メンバdを、第2クラッ
チを介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤを、出力
軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバfの第2キャ
リヤ側を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、第3
サンギヤ側を、ケースに固定し、前記第2の2要素連結
メンバgを、クラッチやブレーキ等に対して非連結と
し、前記第3リングギヤを、第2ブレーキを介してケー
スに連結すると共に、第4クラッチを介して入力軸に連
結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチe(第1クラッ
チ)を含む4クラッチ1ブレーキのうち3個の係合組み
合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け
替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変
速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0030】請求項4記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記クラッチ介装連結メンバfを、第2キャリヤに
第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤ
に第3サンギヤを断接クラッチeを介して連結するメン
バとし、前記第1の2要素連結メンバdを、第2クラッ
チを介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤを、出力
軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバfの第2キャ
リヤ側を、第1ブレーキを介してケースに連結し、第3
サンギヤ側を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第2の2要素連結メンバgを、第2ブレーキを介し
てケースに連結し、前記第3リングギヤを、第3ブレー
キを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接ク
ラッチe(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレー
キ、あるいは、第2ブレーキを廃止した3クラッチ2ブ
レーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、
隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則
により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを
特徴とする。
【0031】請求項5記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記クラッチ介装連結メンバfを、第2キャリヤに
第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤ
に第3リングギヤを断接クラッチeを介して連結するメ
ンバとし、前記第1の2要素連結メンバdを、第2クラ
ッチを介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤを、出
力軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバfの第2キ
ャリヤ側を、第1ブレーキを介してケースに連結し、第
3リングギヤ側を、第3クラッチを介して入力軸に連結
し、前記第2の2要素連結メンバgを、第2ブレーキを
介してケースに連結し、前記第3サンギヤを、第3ブレ
ーキを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接
クラッチe(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレー
キのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り
合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則によ
り複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴
とする。
【0032】請求項6記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記クラッチ介装連結メンバfを、第2キャリヤに
第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤ
に第3サンギヤを断接クラッチeを介して連結するメン
バとし、前記第1の2要素連結メンバdを、第1ブレー
キを介してケースに連結し、前記第1キャリヤを、出力
軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバfの第2キャ
リヤ側を、第2クラッチを介して入力軸に連結し、第3
サンギヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、
前記第2の2要素連結メンバgを、クラッチやブレーキ
等に対して非連結とし、前記第3リングギヤを、第3ブ
レーキを介してケースに連結すると共に第3クラッチを
介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッ
チe(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ、あ
るいは、第3ブレーキを廃止した3クラッチ2ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により
複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴と
する。
【0033】請求項7記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記クラッチ介装連結メンバfを、第2キャリヤに
第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤ
に第3リングギヤを断接クラッチeを介して連結するメ
ンバとし、前記第1の2要素連結メンバdを、第1ブレ
ーキを介してケースに連結し、前記第1キャリヤを、出
力軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバfの第2キ
ャリヤ側を、第2クラッチを介して入力軸に連結し、前
記第2の2要素連結メンバgを、第2ブレーキを介して
ケースに連結し、前記第3サンギヤを、第3ブレーキを
介してケースに連結すると共に第3クラッチを介して入
力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチe(第
1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ、あるいは、
第3ブレーキを廃止した3クラッチ2ブレーキのうち3
個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ
段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギ
ヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0034】請求項8記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記クラッチ介装連結メンバfを、第2キャリヤに
第1サンギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤに
第3リングギヤを断接クラッチeを介して連結するメン
バとし、前記第1の2要素連結メンバdを、第1ブレー
キを介してケースに連結し、前記第1キャリヤを、第2
ブレーキを介してケースに連結し、前記クラッチ介装連
結メンバfの第2キャリヤ側を、第2クラッチを介して
入力軸に連結し、第3リングギヤ側を、出力軸に連結
し、前記第2の2要素連結メンバgを、第3クラッチを
介して入力軸に連結し、前記第3サンギヤを、第4クラ
ッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接
クラッチe(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレー
キのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り
合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則によ
り複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴
とする。
【0035】
【作用】第1の発明の作用を説明する。
【0036】シングルピニオン型の第1遊星歯車aと第
2遊星歯車bと第3遊星歯車cのうち、第2サンギヤに
は、第1サンギヤと第1リングギヤのいずれか一方のギ
ヤが第1の2要素連結メンバdにより一体に連結され
る。また、第2リングギヤと第3キャリヤとは第2の2
要素連結メンバgにより一体に連結される。そして、ク
ラッチ介装連結メンバfにより、第2キャリヤには、第
1サンギヤと第1リングギヤのいずれか他方のギヤが一
体に連結されると共に、第3リングギヤと第3サンギヤ
のいずれか一方のギヤが断接クラッチeを介して連結さ
れ、断接クラッチeを接とする選択時には3要素が連結
され、断接クラッチeを断とする選択時に2要素と1要
素が分断される。
【0037】つまり、各遊星歯車a,b,cの9個ある
回転要素のうち2つの2要素連結メンバd,gにより2
個少なくなり、断接クラッチeを断とする選択時には、
9個−2個−1個=6個の回転要素を持つ遊星歯車列と
なり、断接クラッチeを接とする選択時には、クラッチ
介装連結メンバfが3要素連結メンバとなることによ
り、9個−2個−2個=5個の回転要素を持つ遊星歯車
列となる。
【0038】よって、これらの回転要素に入力部材,出
力部材,ケースを加えて9個あるいは8個のメンバと
し、各メンバ間を一体に連結するか、全く連結しない
か、クラッチやブレーキ等の係合要素を介して連結する
かのいずれかを行ない、設けられた複数の係合要素の係
合・解放を制御することにより入力部材と出力部材間に
異なる変速比による回転状況を得ることができる。
【0039】この場合、各遊星歯車a,b,c同志の動
力伝達経路を断接クラッチeの断または接により選択で
きることで、各ギヤ段での変速比の設定自由度が高ま
り、各変速ギヤ段間の変速比を等比級数的に並ばせるこ
とが可能となる。
【0040】また、断接クラッチeにより伝達経路を断
つ用い方をすることで変速に関与しないメンバ回転が異
常に高くなることも防止できる。
【0041】第2の発明の作用を説明する。
【0042】請求項2記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチe(第1クラッチ)を含む4クラッチ1ブレーキ
のうち2個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段(例えば、前進6段後退1段)が得ら
れる。
【0043】第3の発明の作用を説明する。
【0044】請求項3記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段を前記断
接クラッチe(第1クラッチ)を含む4クラッチ1ブレ
ーキのうち2個の係合組み合わせにより得ると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段(例えば、前進6段後退1段)が得ら
れる。
【0045】第4の発明の作用を説明する。
【0046】請求項4記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチe(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段(例えば、前進6段後退1段)が得ら
れる。そして、第2ブレーキを廃止した3クラッチ2ブ
レーキのうち3個の係合組み合わせとした場合、同じ係
合解放制御則により前進5段後退1段が得られる。
【0047】第5の発明の作用を説明する。
【0048】請求項5記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチe(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段(例えば、前進6段後退1段)が得ら
れる。
【0049】第6の発明の作用を説明する。
【0050】請求項6記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチe(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段(例えば、前進6段後退1段)が得ら
れる。そして、第3ブレーキを廃止した3クラッチ2ブ
レーキのうち3個の係合組み合わせとした場合、同じ係
合解放制御則により前進5段後退1段が得られる。
【0051】第7の発明の作用を説明する。
【0052】請求項7記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチe(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段(例えば、前進6段後退1段)が得ら
れる。そして、第3ブレーキを廃止した3クラッチ2ブ
レーキのうち3個の係合組み合わせとした場合、同じ係
合解放制御則により前進5段後退1段が得られる。
【0053】第8の発明の作用を説明する。
【0054】請求項8記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチe(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段(例えば、前進6段後退1段)が得ら
れる。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0056】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0057】図2は請求項1,2記載の発明に対応する
第1実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルト
ン図である。
【0058】図2において、PG1は第1遊星歯車、P
G2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第
1の2要素連結メンバ、M2はクラッチ介装連結メン
バ、M3は第2の2要素連結メンバ、C1は第1クラッ
チ(断接クラッチeに相当)で、これらにより構成され
る遊星歯車列について説明する。
【0059】前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギヤ
S1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛
み合うピニオンを保持する第1キャリヤP1を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0060】前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギヤ
S2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛
み合うピニオンを保持する第2キャリヤP2を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0061】前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギヤ
S3と、第3リングギヤR3と、両ギヤS3,R3に噛
み合うピニオンを保持する第3キャリヤP3を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0062】前記第1の2要素連結メンバM1は、第1
サンギヤS1と第2サンギヤS2とを一体に連結するメ
ンバである。
【0063】前記クラッチ介装連結メンバM2は、第2
キャリヤP2に対し、第1リングギヤR1を一体に連結
すると共に第3リングギヤR3を第1クラッチC1を介
して連結するメンバである。
【0064】前記第2の2要素連結メンバM3は、第2
リングギヤR2と第3キャリヤP3とを一体に連結する
メンバである。
【0065】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0066】前記第1の2要素連結メンバM1(回転メ
ンバA)は、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連
結されている。
【0067】前記第1キャリヤP1(回転メンバB)
は、出力軸OSに連結されている。
【0068】前記クラッチ介装連結メンバM2(回転メ
ンバC)の第2キャリヤP2側は、第3クラッチC3を
介して入力軸ISに連結され、第3リングギヤR3側
は、ケースKに固定されている(常時固定要素B1)。
【0069】前記第2の2要素連結メンバM3(回転メ
ンバD)は、クラッチやブレーキ等に対して非連結とさ
れている。
【0070】前記第3サンギヤS3(回転メンバE)
は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されてい
ると共に、第4クラッチC4を介して入力軸ISに連結
されている。
【0071】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と1個のブレーキB2(常時
固定要素B1を除く)のうち2個の係合組み合わせによ
り得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない
係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る
図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+
油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続さ
れている。
【0072】次に、作用を説明する。
【0073】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図4の
係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラ
ッチC2を係合することで得られる。
【0074】この第1速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合により回転メンバAからの入力となる。そして、
第1クラッチC1の係合と常時係合要素B1により回転
メンバCはケースKに固定される。
【0075】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダードライ
ブによる第1速変速比が得られる。
【0076】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
3の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0077】尚、図3において、A,B,C,D,Eは
各回転メンバであり、矢印は入力、二重丸は出力、黒塗
り三角はブレーキ係合を示す。
【0078】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第2ブレーキB2を係合するこ
とで得られる。
【0079】この第2速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合により回転メンバAからの入力となる。そして、
第2ブレーキB2の係合により回転メンバEはケースK
に固定され、常時固定要素B1により回転メンバCの第
3リングギヤR3側はケースKに固定される。
【0080】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバC,Eの固定に伴う回転メンバDの固定により、
回転メンバBの回転が規定され、回転メンバBに連結さ
れている出力軸OSからは、第1速変速比よりも減速比
として小さい値による第2速変速比が得られる。
【0081】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
3の2ndに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0082】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第4クラッチC
4を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第4クラッチC4を係合するこ
とで得られる。
【0083】この第3速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合による回転メンバAからの入力と、第4クラッチ
C4の係合による回転メンバEからの入力となる。そし
て、常時固定要素B1により回転メンバCの第3リング
ギヤR3側はケースKに固定される。
【0084】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバCの固定と回転メンバEの入力に伴う回転メ
ンバDの回転により、回転メンバBの回転が規定され、
回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、第2
速変速比よりも減速比として小さい値による第3速変速
比が得られる。
【0085】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
3の3rdに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0086】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3を係合するこ
とで得られる。
【0087】この第4速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合による回転メンバAからの入力と、第3クラッチ
C3の係合と第1クラッチC1の解放による回転メンバ
Cの第2キャリヤP2側からの入力との同時入力とな
る。
【0088】よって、回転メンバA,Cからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0089】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
3の4thに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0090】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第4クラッチC
4を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第3クラッチC3と第4クラッチC4を係合するこ
とで得られる。
【0091】この第5速ギヤ段では、第3クラッチC3
の係合と第1クラッチC1の解放による回転メンバCの
第2キャリヤP2側からの入力と、第4クラッチC4の
係合による回転メンバEからの入力となる。
【0092】よって、回転メンバC(第2キャリヤP2
側)からの入力と、回転メンバEの入力と回転メンバC
(第3リングギヤR3側)の固定に伴う回転メンバDの
回転により、回転メンバBの回転が規定され、回転メン
バBに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISよ
り高回転のオーバドライブ変速比による第5速変速比が
得られる。
【0093】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
3の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0094】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第3クラッチC3と第2ブレーキB2を係合するこ
とで得られる。
【0095】この第6速ギヤ段では、第3クラッチC3
の係合と第1クラッチC1の解放により回転メンバCの
第2キャリヤP2からの入力となる。そしし、第2ブレ
ーキB2の係合により回転メンバEはケースKに固定さ
れる。
【0096】よって、回転メンバC(第2キャリヤP2
側)からの入力と、回転メンバC(第3リングギヤR3
側)と回転メンバEの固定に伴う回転メンバDの固定に
より、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバBに
連結されている出力軸OSからは、入力軸ISより高回
転のオーバドライブ変速比による第6速変速比が得られ
る。
【0097】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
3の6thに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0098】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図4の係合
論理表に示すように、第1クラッチC1と第4クラッチ
C4を係合することで得られる。
【0099】この後退ギヤ段では、第4クラッチC4の
係合により回転メンバEからの入力となる。そして、第
1クラッチC1の係合により回転メンバCはケースKに
固定される。
【0100】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が得ら
れる。
【0101】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により1
つの線図にて表される。
【0102】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図4の表に示す
ようになる。
【0103】具体例として、ρ1 =0.400,ρ2
0.350,ρ3 =0.630とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0104】 n1=3.500(3.5) n2/n1=0.606(0.629) n2=2.120(2.2) n3/n2=0.698(0.682) n3=1.480(1.5) n4/n3=0.676(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.670(0.700) n5=0.670(0.7) n6/n5=0.821(0.714) n6=0.550(0.5) nR=3.170 1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。
また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容さ
れる偏差の範囲に収まっている。
【0105】[第1変形例]図5は第1実施例第1変形
例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、この
第1変形例は、図2に示す例に対し、入力側から出力側
に向かって、順次、第1遊星歯車PG1,第3遊星歯車
PG3,第2遊星歯車PG2を配列した例である。
【0106】[第2変形例]図6は第1実施例第2変形
例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、この
第2変形例は、図2に示す例に対し、入力側から出力側
に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第1遊星歯車
PG1,第3遊星歯車PG3を配列した例である。
【0107】次に、効果を説明する。
【0108】第1実施例の自動変速機用歯車変速装置に
あっては、下記の長所が併せて達成される。
【0109】(1) 隣接するギヤ段への変速を1つの係合
要素の解放と1つの係合要素の係合により行なう装置と
したため、変速ショックを容易に低減できる。
【0110】(2) 前進6段後退1段の変速制御を行なう
装置でありながら、変速に必要とする係合要素の数が4
個のクラッチと1個のブレーキの5個だけの装置とした
ため、変速制御が容易となる。
【0111】(3) 各ギヤ段の変速比を目標変速比に近づ
け、且つ、変速比の隣接するギヤ段間の比をほぼ等比級
数的に並べた装置としたため、変速に際してエンジン回
転の変化がほぼ同じ変化をし、変速比に影響されずにエ
ンジン特性の良好なトルクバンドでの変速が達成される
ことで、動力性能に優れる。
【0112】ここで、なぜ各ギヤ段の変速比を目標変速
比に近づけることができ、且つ、変速比の隣接するギヤ
段間の比をほぼ等比級数的に並べることができるかにつ
いて理由を述べると、3つの遊星歯車同志の動力伝達経
路が常に定まっているギヤ列とはなっていなく、第1ク
ラッチC1の係合・解放により動力伝達経路を選択でき
ることで、第1クラッチC1を解放状態とした場合の共
線図(2本の線図)と第1クラッチC1を係合状態とし
た場合の共線図(1本の線図)とが別に描かれ、各ギヤ
段での変速比の設定自由度が大幅に高まることによる。
【0113】(4) シングルピニオン型の遊星歯車のみを
3個を用い、アド・オン型ではなくインテグラルタイプ
とし、且つ、変速に必要とする係合要素の数が4個のク
ラッチと1個のブレーキの5個だけの装置としたため、
構成が簡単であり、小型・軽量・低コストを達成するこ
とができる。
【0114】(第2実施例)まず、構成を説明する。
【0115】図7は請求項1,3記載の発明に対応する
第2実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルト
ン図である。
【0116】図7において、PG1は第1遊星歯車、P
G2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第
1の2要素連結メンバ、M2はクラッチ介装連結メン
バ、M3は第2の2要素連結メンバ、C1は第1クラッ
チ(断接クラッチeに相当)で、これらにより構成され
る遊星歯車列についてはクラッチ介装連結メンバM2を
除き第1実施例と同様である。
【0117】前記クラッチ介装連結メンバM2は、第2
キャリヤP2に対し、第1リングギヤR1を一体に連結
すると共に第3サンギヤS3を第1クラッチC1を介し
て連結するメンバである。
【0118】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0119】第2実施例の遊星歯車列は、第1実施例で
のクラッチ介装連結メンバM2の第3リングギヤR3と
第3サンギヤS3を入れ替えただけであり、第1の2要
素連結メンバM1(回転メンバA)と第1キャリヤP1
(回転メンバB)とクラッチ介装連結メンバM2(回転
メンバC)と第3リングギヤR3(回転メンバE)に付
加されるメンバ並びに係合要素は、第1実施例と同様で
ある。
【0120】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と1個のブレーキB2のうち
2個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギ
ヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段
で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧
制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速
機用歯車変速機構に接続されている。
【0121】次に、作用を説明する。
【0122】[第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段と後退ギヤ
段]第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段と後退ギヤ段での各係
合要素C1,C2,C3,C4,B1,B2に対する係
合解放制御則は、図3及び図4と第8図及び図9との比
較からも明らかなように、第1実施例と全く同様であ
る。
【0123】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図9の表に示す
ようになる。
【0124】具体例として、ρ1 =0.400,ρ2
0.350,ρ3 =0.670とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0125】 n1=3.500(3.5) n2/n1=0.606(0.629) n2=2.120(2.2) n3/n2=0.599(0.682) n3=1.270(1.5) n4/n3=0.787(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.750(0.700) n5=0.750(0.7) n6/n5=0.733(0.714) n6=0.550(0.5) nR=2.050 3速の変速比が少し小さいが、1速〜6速のギヤ段変速
比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比
は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっ
ている。
【0126】[第1変形例]図10は第2実施例第1変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第1変形例は、図7に示す例に対し、入力側から出力
側に向かって、順次、第3遊星歯車PG3,第2遊星歯
車PG2,第1遊星歯車PG1を配列した例である。
【0127】[第2変形例]図11は第2実施例第2変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第2変形例は、図7に示す例に対し、入力側から出力
側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第3遊星歯
車PG3,第1遊星歯車PG1を配列した例である。
【0128】次に、効果を説明する。
【0129】この第2実施例にあっても、第1実施例で
記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0130】(第3実施例)まず、構成を説明する。
【0131】図12は請求項1,4記載の発明に対応す
る第3実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0132】図12において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2はクラッチ介装連結メン
バ、M3は第2の2要素連結メンバ、C1は第1クラッ
チ(断接クラッチeに相当)で、これらにより構成され
る遊星歯車列については第2実施例と同様である。
【0133】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0134】第1の2要素連結メンバM1(回転メンバ
A)と第1キャリヤP1(回転メンバB)については、
第2実施例と同様である。
【0135】クラッチ介装連結メンバM2(回転メンバ
C)の第3サンギヤS3側は、第3クラッチC3を介し
て入力軸ISに連結されていて、第2キャリヤP2側
は、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されてい
る。
【0136】第2の2要素連結メンバM3(回転メンバ
D)は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結され
ている。
【0137】第3サンギヤS3(回転メンバE)は、第
3ブレーキB3を介してケースKに連結されている。
【0138】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0139】次に、作用を説明する。
【0140】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図14
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2ク
ラッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0141】この第1速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合により回転メンバAからの入力となる。そして、
第1ブレーキB1と第1クラッチC1の係合により回転
メンバCはケースKに固定される。
【0142】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダードライ
ブによる第1速変速比が得られる。
【0143】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
13の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0144】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図14の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0145】この第2速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバCは3要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メ
ンバAからの入力となる。そして、第2ブレーキB2の
係合により回転メンバDはケースKに固定される。
【0146】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
第1速変速比よりも減速比として小さい値による第2速
変速比が得られる。
【0147】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
13の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0148】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図14の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0149】この第3速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバCは3要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メ
ンバAからの入力となる。そして、第3ブレーキB3の
係合により回転メンバEはケースKに固定される。
【0150】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0151】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
13の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0152】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図14の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0153】この第4速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第3クラッチC3の係合による回転メンバCからの入
力と、第2クラッチC2の係合による回転メンバAから
の入力との同時入力となる。
【0154】よって、回転メンバA,Cからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0155】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
13の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0156】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図14の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0157】この第5速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第3クラッチC3の係合により回転メンバCからの入
力となる。そして、第3ブレーキB3の係合により回転
メンバEはケースKに固定される。
【0158】よって、回転メンバCからの入力と、回転
メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第
5速変速比が得られる。
【0159】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
13の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0160】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図14の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0161】この第6速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第3クラッチC3の係合により回転メンバCからの入
力となる。そして、第2ブレーキB2の係合により回転
メンバDはケースKに固定される。
【0162】よって、回転メンバCからの入力と、回転
メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第
6速変速比が得られる。
【0163】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
13の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0164】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図14の係
合論理表に示すように、第3クラッチC3と第1ブレー
キB1と第3ブレーキB3を係合することで得られる。
【0165】この後退ギヤ段では、第1クラッチC1の
解放と第3クラッチC3の係合により回転メンバCの第
3サンギヤS3側からの入力となる。そして、第1ブレ
ーキB1の係合により回転メンバCの第2キャリヤP2
側はケースKに固定され、第3ブレーキB3の係合によ
り回転メンバEはケースKに固定される。
【0166】よって、回転メンバC(第3サンギヤS3
側)の入力と回転メンバEの固定に伴う回転メンバDの
回転と、回転メンバC(第2キャリヤP2側)の固定に
より、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバBに
連結されている出力軸OSからは、入力軸ISに対し逆
回転による後退ギヤ段変速比が得られる。
【0167】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図1
3のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0168】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図14の表に示
すようになる。
【0169】具体例として、ρ1 =0.400,ρ2
0.350,ρ3 =0.670とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0170】 n1=3.500(3.5) n2/n1=0.606(0.629) n2=2.120(2.2) n3/n2=0.858(0.682) n3=1.820(1.5) n4/n3=0.549(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.670(0.700) n5=0.670(0.7) n6/n5=0.821(0.714) n6=0.550(0.5) nR=3.050 3速の変速比が少し大きいが、他のギヤ段変速比はほぼ
目標の変速比に近い値となる。また、1速〜6速間の比
は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっ
ている。
【0171】[第1変形例]図15は第3実施例第1変
形例での共線図、図16は第3実施例第1変形例での係
合論理表を示す図である。
【0172】この第1変形例は、図13及び図14に示
す第3実施例の第2速ギヤ段と第3速ギヤ段での係合則
を異ならせた例である。
【0173】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図16の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第1ブレーキB1と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0174】この第2速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合により回転メンバAからの入力となる。そして、
第1クラッチC1の解放と第1ブレーキB1の係合によ
り回転メンバCの第2キャリヤP2側はケースKに固定
され、第3ブレーキB3の係合により回転メンバEはケ
ースKに固定される。
【0175】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバC,Eの固定に伴う回転メンバDの固定により、
回転メンバBの回転が規定され、回転メンバBに連結さ
れている出力軸OSからは、第1速変速比よりも減速比
として小さい値による第2速変速比が得られる。
【0176】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
15の2ndに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0177】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図16の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0178】この第3速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合による回転メンバAからの入力と、第3クラッチ
C3の係合と第1クラッチC1の解放による回転メンバ
Cの第3サンギヤS3側からの入力となる。そして、第
3ブレーキB3の係合により回転メンバEはケースKに
固定される。
【0179】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバCの入力と回転メンバEの固定に伴う回転メンバ
Dの回転より、回転メンバBの回転が規定され、回転メ
ンバBに連結されている出力軸OSからは、第2速変速
比よりも減速比として小さい値による第3速変速比が得
られる。
【0180】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
15の3rdに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0181】この結果、第3速ギヤ段変速比n3の値
が、n3=1.46となり、図12〜図14の第3実施
例に比べてより目標の変速比に近づく。
【0182】[第2変形例]図17は第3実施例第2変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第2変形例は、図12に示す例に対し、入力側から出
力側に向かって、順次、第1遊星歯車PG1,第3遊星
歯車PG3,第2遊星歯車PG2を配列した例である。
【0183】[第3変形例]図18は第3実施例第3変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第3変形例は、図12に示す例に対し、入力側から出
力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第1遊星
歯車PG1,第3遊星歯車PG3を配列した例である。
【0184】[第4変形例]図19は第4変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図、図20は第4変形例
の共線図、図21は係合論理表を示す図である。
【0185】この第3変形例は、図12及び図15,図
16に示す例に対し、第2ブレーキB2を廃止し、設計
変更を最小に抑えて前進5速化を図った例である。
【0186】すなわち、図15,図16に示す例では、
前進6段後退1段を得るにあたって、第2ブレーキB2
を第6速ギヤ段でのみ係合する係合解放制御則としてい
る。
【0187】そこで、基本的に係合解放制御則は変える
ことなく、第2ブレーキB2を廃止することで、隣り合
ったギヤ段での二重掛け替えもなく、前進5段化を達成
するようにしたものである。
【0188】尚、第4変形例では、前進5段化に伴いオ
ーバドライブギヤ段として第5速ギヤ段のみの1つのギ
ヤ段を設定している。
【0189】[第5変形例]図22は第5変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0190】この第5変形例は、図17に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第2ブレーキB2を廃止した例であ
る。
【0191】[第6変形例]図23は第6変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0192】この第6変形例は、図18に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第2ブレーキB2を廃止した例であ
る。
【0193】次に、効果を説明する。
【0194】この第3実施例にあっても、第1実施例で
記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
加えて、下記の効果(5) を得ることができる。
【0195】(5) 前進6段後退1段の係合解放制御則
で、2つのオーバドライブギヤ段の一方でのみ第2ブレ
ーキB2を係合する制御則としているため、第2ブレー
キB2の廃止により、基本的に係合解放制御則を何ら変
更することなく、容易に前進6段後退1段から前進5段
後退1段化を達成することができる。
【0196】(第4実施例)まず、構成を説明する。
【0197】図24は請求項1,5記載の発明に対応す
る第4実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0198】図24において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2はクラッチ介装連結メン
バ、M3は第2の2要素連結メンバ、C1は第1クラッ
チ(断接クラッチeに相当)で、これらにより構成され
る遊星歯車列については第1実施例と同様である。
【0199】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0200】第4実施例の遊星歯車列は、第3実施例で
の第3リングギヤR3と第3サンギヤS3を入れ替えた
だけであり、第1の2要素連結メンバM1(回転メンバ
A)と第1キャリヤP1(回転メンバB)とクラッチ介
装連結メンバM2(回転メンバC)と第3サンギヤS3
(回転メンバE)に付加されるメンバ並びに係合要素
は、第3実施例と同様である。
【0201】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0202】次に、作用を説明する。
【0203】[第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段と後退ギヤ
段]第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段と後退ギヤ段での各係
合要素C1,C2,C3,B1,B2,B3に対する係
合解放制御則は、図13及び図14と第25図及び図2
6との比較からも明らかなように、第3実施例と全く同
様である。
【0204】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図26の表に示
すようになる。
【0205】具体例として、ρ1 =0.400,ρ2
0.440,ρ3 =0.630とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0206】 n1=3.500(3.5) n2/n1=0.566(0.629) n2=1.980(2.2) n3/n2=0.758(0.682) n3=1.500(1.5) n4/n3=0.667(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.800(0.700) n5=0.800(0.7) n6/n5=0.762(0.714) n6=0.610(0.5) nR=2.510 2速の変速比が少し小さいが、1速〜6速のギヤ段変速
比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比
は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっ
ている。
【0207】[第1変形例]図27は第4実施例第1変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第1変形例は、図24に示す例に対し、入力側から出
力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第3遊星
歯車PG3,第1遊星歯車PG1を配列した例である。
【0208】[第2変形例]図28は第4実施例第2変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第2変形例は、図24に示す例に対し、入力側から出
力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第1遊星
歯車PG1,第3遊星歯車PG3を配列した例である。
【0209】次に、効果を説明する。
【0210】この第4実施例にあっても、第1実施例で
記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0211】(第5実施例)まず、構成を説明する。
【0212】図29は請求項1,6記載の発明に対応す
る第5実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0213】図29において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2はクラッチ介装連結メン
バ、M3は第2の2要素連結メンバ、C1は第1クラッ
チ(断接クラッチeに相当)で、これらにより構成され
る遊星歯車列については第2,第3実施例と同様であ
る。
【0214】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0215】第1の2要素連結メンバM1(回転メンバ
A)は、第1ブレーキB1を介してケースKに連結され
ている。
【0216】第1キャリヤP1(回転メンバB)は、出
力軸OSに連結されている。
【0217】クラッチ介装連結メンバM2(回転メンバ
C)の第2キャリヤP2側は、第2クラッチC2を介し
て入力軸ISに連結され、第3サンギヤS3側は、第2
ブレーキB2を介してケースKに連結されている。
【0218】第2の2要素連結メンバM3(回転メンバ
D)は、クラッチやブレーキ等に対して非連結とされて
いる。
【0219】第3リングギヤR3(回転メンバE)は、
第3ブレーキを介してケースに連結されていると共に、
第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されてい
る。
【0220】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0221】次に、作用を説明する。
【0222】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図31
の係合論理表に示すように、第3クラッチC3と第1ブ
レーキB1と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0223】この第1速ギヤ段では、第3クラッチC3
の係合により回転メンバEからの入力となる。そして、
第1ブレーキB1の係合により回転メンバAはケースK
に固定され、第2ブレーキB2の係合と第1クラッチC
1の解放により回転メンバCの第3サンギヤS3側はケ
ースKに固定される。
【0224】よって、回転メンバDの回転と(回転メン
バEの入力と回転メンバCの第3サンギヤS3側の固定
による)、回転メンバAの固定により、回転メンバBの
回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力軸
OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなア
ンダードライブによる第1速変速比が得られる。
【0225】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
30の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0226】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0227】この第2速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合によりクラッチ介装メンバM2は3要素連結メン
バとなる。また、第3クラッチC3の係合により回転メ
ンバEからの入力となる。そして、第1ブレーキB1の
係合により回転メンバAはケースKに固定される。
【0228】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
第1速変速比よりも減速比として小さい値による第2速
変速比が得られる。
【0229】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
30の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0230】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第2クラッチC
2を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0231】この第3速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第2クラッチC2の係合により回転メンバCからの入
力となる。そして、第1ブレーキB1の係合により回転
メンバAはケースKに固定される。
【0232】よって、回転メンバCからの入力と、回転
メンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
第2速変速比よりも減速比として小さい値による第3速
変速比が得られる。
【0233】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
30の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0234】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0235】この第4速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第2クラッチC2の係合による回転メンバCからの入
力と、第3クラッチC3の係合による回転メンバEから
の入力との同時入力となる。
【0236】よって、回転メンバC,Eからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0237】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
30の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0238】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0239】この第5速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合と第1クラッチC1の解放による回転メンバCの
第2キャリヤP2側からの入力と、第3クラッチC3の
係合による回転メンバEからの入力となる。そして、第
2ブレーキB2の係合により回転メンバCの第3サンギ
ヤS3側はケースKに固定される。
【0240】よって、回転メンバCの第2キャリヤP2
側からの入力と、回転メンバDの規定回転(回転メンバ
Eの入力と回転メンバCの第3サンギヤS3側固定によ
る)により、回転メンバBの回転が規定され、回転メン
バBに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISよ
り高回転のオーバドライブ変速比による第5速変速比が
得られる。
【0241】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
30の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0242】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2ブレーキB2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0243】この第6速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合と第1クラッチC1の解放による回転メンバCの
第2キャリヤP2側からの入力となる。そして、第2ブ
レーキB2の係合により回転メンバCの第3サンギヤS
3側はケースKに固定され、第3ブレーキB3の係合に
より回転メンバEはケースKに固定される。
【0244】よって、回転メンバCの第2キャリヤP2
側からの入力と、回転メンバDの固定(回転メンバCの
第3サンギヤS3側と回転メンバEの固定による)によ
り、回転メンバBの回転が規定され、回転メンバBに連
結されている出力軸OSからは、入力軸ISより高回転
のオーバドライブ変速比による第6速変速比が得られ
る。
【0245】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
30の6thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0246】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図31の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッ
チC3と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0247】この後退ギヤ段では、第3クラッチC3の
係合により回転メンバEからの入力となる。そして、第
2ブレーキB2と第1クラッチC1の係合により回転メ
ンバCはケースKに固定される。
【0248】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が得ら
れる。
【0249】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
0のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0250】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図31の表に示
すようになる。
【0251】具体例として、ρ1 =0.450,ρ2
0.400,ρ3 =0.650とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0252】 n1=3.350(3.5) n2/n1=0.719(0.629) n2=2.410(2.2) n3/n2=0.601(0.682) n3=1.450(1.5) n4/n3=0.690(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.770(0.700) n5=0.770(0.7) n6/n5=0.727(0.714) n6=0.560(0.5) nR=2.130 2速の変速比が少し大きいだけで、他のギヤ段の変速比
はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比
は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっ
ている。
【0253】[第1変形例]図32は第5実施例の第1
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、
この第1変形例は、図29に示す例に対し、入力側から
出力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第3遊
星歯車PG3,第1遊星歯車PG1を配列した例であ
る。
【0254】[第2変形例]図33は第5実施例の第2
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、
この第2変形例は、図29に示す例に対し、入力側から
出力側に向かって、順次、第3遊星歯車PG3,第1遊
星歯車PG1,第2遊星歯車PG2を配列した例であ
る。
【0255】[第3変形例]図34は第5実施例の第3
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図、図35
は第3変形例での共線図、図36は第3変形例での係合
論理表を示す図である。
【0256】この第3変形例は、図31に示す第5実施
例の係合則において、第3ブレーキB3が第6速ギヤ段
でのみ係合されていることに着目し、この第3ブレーキ
B3を廃止するだけで前進5速化を図った例である。
【0257】すなわち、第5実施例の遊星歯車変速機構
から第3ブレーキB3を除くだけで、係合解放制御則も
全く変えることなく、3クラッチ・2ブレーキにより前
進5段後退1段の変速段を得ることができる。
【0258】[第4変形例]図37は第4変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0259】この第4変形例は、図32に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第3ブレーキB3を廃止した例であ
る。
【0260】[第5変形例]図38は第5変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0261】この第5変形例は、図33に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第3ブレーキB3を廃止した例であ
る。
【0262】次に、効果を説明する。
【0263】第5実施例の自動変速機用歯車変速装置に
あっては、第1実施例に記載の(1)〜(4) 並びに第3実
施例に記載の(5) と同様の効果を得ることができる。
【0264】(第6実施例)まず、構成を説明する。
【0265】図39は請求項1,7記載の発明に対応す
る第6実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0266】図39において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2はクラッチ介装連結メン
バ、M3は第2の2要素連結メンバ、C1は第1クラッ
チ(断接クラッチeに相当)で、これらにより構成され
る遊星歯車列については第1,第4実施例と同様であ
る。
【0267】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0268】第1の2要素連結メンバM1(回転メンバ
A)は、第1ブレーキB1を介してケースKに連結され
ている。
【0269】第1キャリヤP1(回転メンバB)は、出
力軸OSに連結されている。
【0270】クラッチ介装連結メンバM2(回転メンバ
C)の第2キャリヤP2側は、第2クラッチC2を介し
て入力軸ISに連結されている。
【0271】第2の2要素連結メンバM3(回転メンバ
D)は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結され
ている。
【0272】第3サンギヤS3(回転メンバE)は、第
3ブレーキを介してケースに連結されていると共に、第
3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0273】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0274】次に、作用を説明する。
【0275】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図41
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3ク
ラッチC3と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0276】この第1速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合によりクラッチ介装連結メンバM2は3要素連結
メンバとなる。また、第3クラッチC3の係合により回
転メンバEからの入力となる。そして、第1ブレーキB
1の係合により回転メンバAはケースKに固定される。
【0277】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダードライ
ブによる第1速変速比が得られる。
【0278】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
40の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0279】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2クラッチC
2を締結する。つまり、図41の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0280】この第2速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合と第1クラッチC1の解放による回転メンバCの
第2キャリヤP2側からの入力と、第3クラッチC3の
係合による回転メンバEからの入力となる。そして、第
1ブレーキB1の係合により回転メンバAはケースKに
固定される。
【0281】よって、回転メンバDからの入力(回転メ
ンバCの第2キャリヤP2側入力と回転メンバEの入力
による)と、回転メンバAの固定により、回転メンバB
の回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力
軸OSからは、第1速変速比よりも減速比として小さい
値による第2速変速比が得られる。
【0282】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
40の2ndに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0283】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図41の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0284】この第3速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第2クラッチC2の係合により回転メンバCからの入
力となる。そして、第1ブレーキB1の係合により回転
メンバAはケースKに固定される。
【0285】よって、回転メンバCからの入力と、回転
メンバAの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
第2速変速比よりも減速比として小さい値による第3速
変速比が得られる。
【0286】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
40の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0287】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図41の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0288】この第4速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第2クラッチC2の係合による回転メンバCからの入
力と、第3クラッチC3の係合による回転メンバEから
の入力との同時入力となる。
【0289】よって、回転メンバC,Eからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0290】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
40の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0291】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図41の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0292】この第5速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第2クラッチC2の係合により回転メンバCからの入
力となる。そして、第3ブレーキB3の係合により回転
メンバEはケースKに固定される。
【0293】よって、回転メンバCからの入力と、回転
メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第
5速変速比が得られる。
【0294】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
40の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0295】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図41の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0296】この第6速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第2クラッチC2の係合により回転メンバCからの入
力となる。そして、第2ブレーキB2の係合により回転
メンバDはケースKに固定される。
【0297】よって、回転メンバCからの入力と、回転
メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第
6速変速比が得られる。
【0298】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
40の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0299】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図41の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッ
チC3と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0300】この後退ギヤ段では、第3クラッチC3の
係合により回転メンバEからの入力となる。そして、第
2ブレーキB2と第1クラッチC1の係合により回転メ
ンバCはケースKに固定される。
【0301】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が得ら
れる。
【0302】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図4
0のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0303】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図41の表に示
すようになる。
【0304】具体例として、ρ1 =0.450,ρ2
0.400,ρ3 =0.650とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0305】 n1=4.220(3.5) n2/n1=0.497(0.629) n2=2.100(2.2) n3/n2=0.667(0.682) n3=1.400(1.5) n4/n3=0.714(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.880(0.700) n5=0.880(0.7) n6/n5=0.727(0.714) n6=0.640(0.5) nR=1.930 1速の変速比が少し大きいだけで、他のギヤ段の変速比
はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比
は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっ
ている。
【0306】[第1変形例]図42は第6実施例の第1
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、
この第1変形例は、図39に示す例に対し、入力側から
出力側に向かって、順次、第1遊星歯車PG1,第2遊
星歯車PG2,第3遊星歯車PG3を配列した例であ
る。
【0307】[第2変形例]図43は第6実施例の第2
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、
この第2変形例は、図39に示す例に対し、入力側から
出力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第3遊
星歯車PG3,第1遊星歯車PG1を配列した例であ
る。
【0308】[第3変形例]図44は第6実施例の第3
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図、図45
は第3変形例での共線図、図46は第3変形例での係合
論理表を示す図である。
【0309】この第3変形例は、図41に示す第6実施
例の係合則において、第3ブレーキB3が第5速ギヤ段
でのみ係合されていることに着目し、この第3ブレーキ
B3を廃止するだけで前進5速化を図った例である。
【0310】すなわち、第6実施例の遊星歯車変速機構
から第3ブレーキB3を除くだけで、係合解放制御則も
全く変えることなく、3クラッチ・2ブレーキにより前
進5段後退1段の変速段を得ることができる。
【0311】ただし、第6実施例のの第6速ギヤ段を第
5速ギヤ段とする。
【0312】[第4変形例]図47は第4変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0313】この第4変形例は、図42に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第3ブレーキB3を廃止した例であ
る。
【0314】[第5変形例]図48は第5変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0315】この第5変形例は、図43に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第3ブレーキB3を廃止した例であ
る。
【0316】次に、効果を説明する。
【0317】第6実施例の自動変速機用歯車変速装置に
あっては、第1実施例に記載の(1)〜(4) 並びに第3実
施例に記載の(5) と同様の効果を得ることができる。
【0318】(第7実施例)まず、構成を説明する。
【0319】図49は請求項1,8記載の発明に対応す
る第7実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0320】図49において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
第1の2要素連結メンバ、M2はクラッチ介装連結メン
バ、M3は第2の2要素連結メンバ、C1は第1クラッ
チ(断接クラッチeに相当)で、これらにより構成され
る遊星歯車列について説明する。
【0321】第1の2要素連結メンバM1は、第1リン
グギヤR1と第2サンギヤS2とを一体に連結するメン
バである。
【0322】クラッチ介装連結メンバM2は、第2キャ
リヤP2に対し、第1サンギヤS1が一体に連結される
と共に、第3リングギヤR3が第1クラッチC1を介し
て連結されるメンバである。
【0323】第2の2要素連結メンバM3は、第2リン
グギヤR2と第3キャリヤP3とを一体に連結するメン
バである。
【0324】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0325】第1の2要素連結メンバM1(回転メンバ
A)は、第1ブレーキB1を介してケースKに連結され
ている。
【0326】第1キャリヤP1(回転メンバB)は、第
2ブレーキB2を介してケースKに連結されている。
【0327】クラッチ介装連結メンバM2(回転メンバ
C)の第2キャリヤP2側は、第2クラッチC2を介し
て入力軸ISに連結され、第3リングギヤR3側は、出
力軸OSに連結されている。
【0328】第2の2要素連結メンバM3(回転メンバ
D)は、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結さ
れている。
【0329】第3サンギヤS3(回転メンバE)は、第
4クラッチC4を介して入力軸ISに連結されている。
【0330】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0331】次に、作用を説明する。
【0332】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図51
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第4ク
ラッチC4と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0333】この第1速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合によりクラッチ介装連結メンバM2は3要素連結
メンバとなる。また、第4クラッチC4の係合により回
転メンバEからの入力となる。そして、第2ブレーキB
2の係合により回転メンバBはケースKに固定される。
【0334】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバBの固定により、回転メンバCの回転が規定さ
れ、回転メンバCに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダードライ
ブによる第1速変速比が得られる。
【0335】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
50の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0336】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図51の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0337】この第2速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合によりクラッチ介装連結メンバM2は3要素連結
メンバとなる。また、第4クラッチC4の係合により回
転メンバEからの入力となる。そして、第1ブレーキB
1の係合により回転メンバAはケースKに固定される。
【0338】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバAの固定により、回転メンバCの回転が規定さ
れ、回転メンバCに連結されている出力軸OSからは、
第1速変速比よりも減速比として小さい値による第2速
変速比が得られる。
【0339】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
50の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0340】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第4クラッチC4を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図51の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0341】この第3速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合によりクラッチ介装連結メンバM2は3要素連結
メンバとなる。また、第3クラッチC3の係合により回
転メンバDからの入力となる。そして、第1ブレーキB
1の係合により回転メンバAはケースKに固定される。
【0342】よって、回転メンバDからの入力と、回転
メンバAの固定により、回転メンバCの回転が規定さ
れ、回転メンバCに連結されている出力軸OSからは、
第2速変速比よりも減速比として小さい値による第3速
変速比が得られる。
【0343】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
50の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0344】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第4クラッチC
4を締結する。つまり、図51の係合論理表に示すよう
に、第3クラッチC3と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0345】この第4速ギヤ段では、第3クラッチC3
の係合による回転メンバDからの入力と、第4クラッチ
C4の係合による回転メンバEからの入力との同時入力
となる。そして、第1ブレーキB1の係合により回転メ
ンバAはケースKに固定される。
【0346】よって、回転メンバD,Eからの同時入力
により回転メンバCの第3リングギヤR3側の回転が入
力回転に規定され、回転メンバCの第3リングギヤR3
側に連結されている出力軸OSからは、変速比1による
第4速変速比が得られる。
【0347】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
50の4thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0348】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第2クラッチC
2を締結する。つまり、図51の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第4クラッチC4と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0349】この第5速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合と第1クラッチC1の解放による回転メンバCの
第2キャリヤP2側からの入力と、第4クラッチC4の
係合にる回転メンバEからの入力になる。そして、第1
ブレーキB1の係合により回転メンバAはケースKに固
定される。
【0350】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバDの規定回転(回転メンバCの第2キャリヤP2
側からの入力と回転メンバAの固定による)により、回
転メンバCの第3リングギヤR3側の回転が規定され、
回転メンバCの第3リングギヤR3側に連結されている
出力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドラ
イブ変速比による第5速変速比が得られる。
【0351】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
50の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0352】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図51の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第4クラッチC4と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0353】この第6速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合と第1クラッチC1の解放による回転メンバCの
第2キャリヤP2側からの入力と、第4クラッチC4の
係合にる回転メンバEからの入力になる。そして、第2
ブレーキB2の係合により回転メンバBはケースKに固
定される。
【0354】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバDの規定回転(回転メンバCの第2キャリヤP2
側からの入力と回転メンバBの固定による)により、回
転メンバCの第3リングギヤR3側の回転が規定され、
回転メンバCの第3リングギヤR3側に連結されている
出力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドラ
イブ変速比による第6速変速比が得られる。
【0355】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
50の6thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0356】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図51の係
合論理表に示すように、第4クラッチC4と第1ブレー
キB1と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0357】この後退ギヤ段では、第4クラッチC4の
係合により回転メンバEからの入力となる。そして、第
1ブレーキB1の係合により回転メンバAはケースKに
固定され、第2ブレーキB2の係合により回転メンバB
はケースKに固定される。
【0358】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバD(回転メンバA,Bの固定による)の固定によ
り、回転メンバCの第3リングギヤR3側の回転が規定
され、回転メンバCの第3リングギヤR3側に連結され
ている出力軸OSからは、入力軸ISに対し逆回転によ
る後退ギヤ段変速比が得られる。
【0359】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図5
0のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0360】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図51の表に示
すようになる。
【0361】具体例として、ρ1 =0.500,ρ2
0.450,ρ3 =0.350とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0362】 n1=3.600(3.5) n2/n1=0.761(0.629) n2=2.740(2.2) n3/n2=0.529(0.682) n3=1.450(1.5) n4/n3=0.690(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.620(0.700) n5=0.620(0.7) n6/n5=0.839(0.714) n6=0.520(0.5) nR=2.860 2速の変速比が少し大きいだけで、他のギヤ段の変速比
はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比
は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっ
ている。
【0363】[第1変形例]図52は第7実施例の第1
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、
この第1変形例は、図49に示す例に対し、入力側から
出力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第3遊
星歯車PG3,第1遊星歯車PG1を配列した例であ
る。
【0364】[第2変形例]図53は第7実施例の第2
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、
この第2変形例は、図49に示す例に対し、入力側から
出力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第1遊
星歯車PG1,第3遊星歯車PG3を配列した例であ
る。
【0365】次に、効果を説明する。
【0366】第7実施例の自動変速機用歯車変速装置に
あっては、第1実施例に記載の(1)〜(4) と同様の効果
を得ることができる。
【0367】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0368】例えば、請求項1記載の自動変速機用遊星
歯車列を持つ歯車変速機構であれば本発明に含まれる。
【0369】また、実施例では、変速に必要な係合要素
のみを用いた自動変速機用歯車変速機構の例を示した
が、制御を簡単にするために一方向クラッチを入れた
り、一方向クラッチを入れてもコースティング側でエン
ジンブレーキが効くようにブレーキ手段を追加したり、
さらに、入力軸及び出力軸を連結する要素やケースに固
定すべき要素は必要に応じて適宜決めれば良いことは当
然のところである。
【0370】
【発明の効果】請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
にあっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シ
ングルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン
型の第3遊星歯車と、前記第2サンギヤに、第1サンギ
ヤと第1リングギヤのいずれか一方のギヤを一体に連結
する第1の2要素連結メンバと、前記第2キャリヤに、
第1サンギヤと第1リングギヤのいずれか他方のギヤを
一体に連結すると共に、第3リングギヤと第3サンギヤ
のいずれか一方のギヤを断接クラッチを介して連結する
クラッチ介装連結メンバと、前記第2リングギヤと第3
キャリヤとを一体に連結する第2の2要素連結メンバ
と、を備えた構成としたため、変速ショックを容易に低
減でき、変速制御が容易で、動力性能に優れ、かつ構成
が簡単な自動変速機用遊星歯車列を提供することができ
るという効果が得られる。
【0371】請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤ
に第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリ
ヤに第3リングギヤを断接クラッチを介して連結するメ
ンバとし、前記第1の2要素連結メンバを、第2クラッ
チを介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤを、出力
軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリ
ヤ側を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、第3リ
ングギヤ側を、ケースに固定し、前記第2の2要素連結
メンバを、クラッチやブレーキ等に対して非連結とし、
前記第3サンギヤを、第2ブレーキを介してケースに連
結すると共に、第4クラッチを介して入力軸に連結し、
1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
む4クラッチ1ブレーキのうち2個の係合組み合わせに
より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
段を設けた装置としたため、変速ショックを容易に低減
でき、変速制御が容易で、動力性能に優れ、かつ構成が
簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供することができ
るという効果が得られる。
【0372】請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤ
に第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリ
ヤに第3サンギヤを断接クラッチを介して連結するメン
バとし、前記第1の2要素連結メンバを、第2クラッチ
を介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤを、出力軸
に連結し、前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ
側を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、第3サン
ギヤ側を、ケースに固定し、前記第2の2要素連結メン
バを、クラッチやブレーキ等に対して非連結とし、前記
第3リングギヤを、第2ブレーキを介してケースに連結
すると共に、第4クラッチを介して入力軸に連結し、1
つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む
4クラッチ1ブレーキのうち3個の係合組み合わせによ
り得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない
係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段
を設けた装置としたため、変速ショックを容易に低減で
き、変速制御が容易で、動力性能に優れ、かつ構成が簡
単な自動変速機用歯車変速装置を提供することができる
という効果が得られる。
【0373】請求項4記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤ
に第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリ
ヤに第3サンギヤを断接クラッチを介して連結するメン
バとし、前記第1の2要素連結メンバを、第2クラッチ
を介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤを、出力軸
に連結し、前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ
側を、第1ブレーキを介してケースに連結し、第3サン
ギヤ側を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、前記
第2の2要素連結メンバを、第2ブレーキを介してケー
スに連結し、前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介
してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ
(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ、あるい
は、第2ブレーキを廃止した3クラッチ2ブレーキのう
ち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合った
ギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数
のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、
変速ショックを容易に低減でき、変速制御が容易で、動
力性能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速
装置を提供することができるという効果が得られる。
【0374】請求項5記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤ
に第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリ
ヤに第3リングギヤを断接クラッチを介して連結するメ
ンバとし、前記第1の2要素連結メンバを、第2クラッ
チを介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤを、出力
軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリ
ヤ側を、第1ブレーキを介してケースに連結し、第3リ
ングギヤ側を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第2の2要素連結メンバを、第2ブレーキを介して
ケースに連結し、前記第3サンギヤを、第3ブレーキを
介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッ
チ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち
3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギ
ヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数の
ギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、変
速ショックを容易に低減でき、変速制御が容易で、動力
性能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装
置を提供することができるという効果が得られる。
【0375】請求項6記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤ
に第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリ
ヤに第3サンギヤを断接クラッチを介して連結するメン
バとし、前記第1の2要素連結メンバを、第1ブレーキ
を介してケースに連結し、前記第1キャリヤを、出力軸
に連結し、前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ
側を、第2クラッチを介して入力軸に連結し、第3サン
ギヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、前記
第2の2要素連結メンバを、クラッチやブレーキ等に対
して非連結とし、前記第3リングギヤを、第3ブレーキ
を介してケースに連結すると共に第3クラッチを介して
入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第
1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ、あるいは、
第3ブレーキを廃止した3クラッチ2ブレーキのうち3
個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ
段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギ
ヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、変速
ショックを容易に低減でき、変速制御が容易で、動力性
能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置
を提供することができるという効果が得られる。
【0376】請求項7記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤ
に第1リングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリ
ヤに第3リングギヤを断接クラッチを介して連結するメ
ンバとし、前記第1の2要素連結メンバを、第1ブレー
キを介してケースに連結し、前記第1キャリヤを、出力
軸に連結し、前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリ
ヤ側を、第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記第
2の2要素連結メンバを、第2ブレーキを介してケース
に連結し、前記第3サンギヤを、第3ブレーキを介して
ケースに連結すると共に第3クラッチを介して入力軸に
連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッ
チ)を含む3クラッチ3ブレーキ、あるいは、第3ブレ
ーキを廃止した3クラッチ2ブレーキのうち3個の係合
組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重
掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得
る変速制御手段を設けた装置としたため、変速ショック
を容易に低減でき、変速制御が容易で、動力性能に優
れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供
することができるという効果が得られる。
【0377】請求項8記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤ
に第1サンギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤ
に第3リングギヤを断接クラッチを介して連結するメン
バとし、前記第1の2要素連結メンバを、第1ブレーキ
を介してケースに連結し、前記第1キャリヤを、第2ブ
レーキを介してケースに連結し、前記クラッチ介装連結
メンバの第2キャリヤ側を、第2クラッチを介して入力
軸に連結し、第3リングギヤ側を、出力軸に連結し、前
記第2の2要素連結メンバを、第3クラッチを介して入
力軸に連結し、前記第3サンギヤを、第4クラッチを介
して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ
(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキのうち3
個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ
段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギ
ヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、変速
ショックを容易に低減でき、変速制御が容易で、動力性
能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置
を提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機用遊星歯車列を示すクレー
ム対応図である。
【図2】第1実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を
示すスケルトン図である。
【図3】第1実施例装置での変速制御における各ギヤ段
でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図4】第1実施例装置での変速制御における各ギヤ段
での係合論理表を示す図である。
【図5】第1実施例装置の第1変形例の自動変速機用歯
車変速機構を示すスケルトン図である。
【図6】第1実施例装置の第2変形例の自動変速機用歯
車変速機構を示すスケルトン図である。
【図7】第2実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を
示すスケルトン図である。
【図8】第2実施例装置の変速制御における各ギヤ段で
のメンバ回転状態を示す共線図である。
【図9】第2実施例装置での変速制御における各ギヤ段
での係合論理表を示す図である。
【図10】第2実施例装置の第1変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図11】第2実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図12】第3実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図である。
【図13】第3実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図14】第3実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図15】第3実施例装置の第1変形例での変速制御に
おける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図であ
る。
【図16】第3実施例装置の第1変形例での変速制御に
おける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図17】第3実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図18】第3実施例装置の第3変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図19】第3実施例装置の第4変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図20】第3実施例装置の第4変形例での変速制御に
おける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図であ
る。
【図21】第3実施例装置の第4変形例での変速制御に
おける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図22】第3実施例装置の第5変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図23】第3実施例装置の第6変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図24】第4実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図である。
【図25】第4実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図26】第4実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図27】第4実施例装置の第1変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図28】第4実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図29】第5実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図である。
【図30】第5実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図31】第5実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図32】第5実施例装置の第1変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図33】第5実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図34】第5実施例装置の第3変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図35】第5実施例装置の第3変形例での変速制御に
おける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図であ
る。
【図36】第5実施例装置の第3変形例での変速制御に
おける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図37】第5実施例装置の第4変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図38】第5実施例装置の第5変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図39】第6実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図である。
【図40】第6実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図41】第6実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図42】第6実施例装置の第1変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図43】第6実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図44】第6実施例装置の第3変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図45】第6実施例装置の第3変形例での変速制御に
おける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図であ
る。
【図46】第6実施例装置の第3変形例での変速制御に
おける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図47】第6実施例装置の第4変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図48】第6実施例装置の第5変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図49】第7実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図である。
【図50】第7実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図51】第7実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図52】第7実施例装置の第1変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図53】第7実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図54】従来装置の自動変速機用歯車変速機構を示す
スケルトン図である。
【図55】従来装置での変速制御における各ギヤ段での
メンバ回転状態を示す共線図である。
【図56】従来装置での変速制御における各ギヤ段での
係合論理表を示す図である。
【図57】スロットル開度をパラメータとしたエンジン
回転数に対するエンジントルク特性図である。
【符号の説明】
a 第1遊星歯車 b 第2遊星歯車 c 第3遊星歯車 d 第1の2要素連結メンバ e 断接クラッチ f クラッチ介装連結メンバ g 第2の2要素連結メンバ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両
    ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有す
    るシングルピニオン型の第1遊星歯車と、 第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合う
    ピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニ
    オン型の第2遊星歯車と、 第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合う
    ピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニ
    オン型の第3遊星歯車と、 前記第2サンギヤに、第1サンギヤと第1リングギヤの
    いずれか一方のギヤを一体に連結する第1の2要素連結
    メンバと、 前記第2キャリヤに、第1サンギヤと第1リングギヤの
    いずれか他方のギヤを一体に連結すると共に、第3リン
    グギヤと第3サンギヤのいずれか一方のギヤを断接クラ
    ッチを介して連結するクラッチ介装連結メンバと、 前記第2リングギヤと第3キャリヤとを一体に連結する
    第2の2要素連結メンバと、 を備えていることを特徴とする自動変速機用遊星歯車
    列。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤに第1リ
    ングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤに第3
    リングギヤを断接クラッチを介して連結するメンバと
    し、 前記第1の2要素連結メンバを、第2クラッチを介して
    入力軸に連結し、 前記第1キャリヤを、出力軸に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ側を、第3
    クラッチを介して入力軸に連結し、第3リングギヤ側
    を、ケースに固定し、 前記第2の2要素連結メンバを、クラッチやブレーキ等
    に対して非連結とし、 前記第3サンギヤを、第2ブレーキを介してケースに連
    結すると共に、第4クラッチを介して入力軸に連結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ1ブレーキのうち2個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤに第1リ
    ングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤに第3
    サンギヤを断接クラッチを介して連結するメンバとし、 前記第1の2要素連結メンバを、第2クラッチを介して
    入力軸に連結し、 前記第1キャリヤを、出力軸に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ側を、第3
    クラッチを介して入力軸に連結し、第3サンギヤ側を、
    ケースに固定し、 前記第2の2要素連結メンバを、クラッチやブレーキ等
    に対して非連結とし、 前記第3リングギヤを、第2ブレーキを介してケースに
    連結すると共に、第4クラッチを介して入力軸に連結
    し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ1ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤに第1リ
    ングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤに第3
    サンギヤを断接クラッチを介して連結するメンバとし、 前記第1の2要素連結メンバを、第2クラッチを介して
    入力軸に連結し、 前記第1キャリヤを、出力軸に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ側を、第1
    ブレーキを介してケースに連結し、第3サンギヤ側を、
    第3クラッチを介して入力軸に連結し、 前記第2の2要素連結メンバを、第2ブレーキを介して
    ケースに連結し、 前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに
    連結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む3クラッチ3ブレーキ、あるいは、第2ブレーキを廃
    止した3クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わ
    せにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替え
    のない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制
    御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤに第1リ
    ングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤに第3
    リングギヤを断接クラッチを介して連結するメンバと
    し、 前記第1の2要素連結メンバを、第2クラッチを介して
    入力軸に連結し、 前記第1キャリヤを、出力軸に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ側を、第1
    ブレーキを介してケースに連結し、第3リングギヤ側
    を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、 前記第2の2要素連結メンバを、第2ブレーキを介して
    ケースに連結し、 前記第3サンギヤを、第3ブレーキを介してケースに連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤに第1リ
    ングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤに第3
    サンギヤを断接クラッチを介して連結するメンバとし、 前記第1の2要素連結メンバを、第1ブレーキを介して
    ケースに連結し、 前記第1キャリヤを、出力軸に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ側を、第2
    クラッチを介して入力軸に連結し、第3サンギヤ側を、
    第2ブレーキを介してケースに連結し、 前記第2の2要素連結メンバを、クラッチやブレーキ等
    に対して非連結とし、 前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに
    連結すると共に第3クラッチを介して入力軸に連結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む3クラッチ3ブレーキ、あるいは、第3ブレーキを廃
    止した3クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わ
    せにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替え
    のない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制
    御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤに第1リ
    ングギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤに第3
    リングギヤを断接クラッチを介して連結するメンバと
    し、 前記第1の2要素連結メンバを、第1ブレーキを介して
    ケースに連結し、 前記第1キャリヤを、出力軸に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ側を、第2
    クラッチを介して入力軸に連結し、 前記第2の2要素連結メンバを、第2ブレーキを介して
    ケースに連結し、 前記第3サンギヤを、第3ブレーキを介してケースに連
    結すると共に第3クラッチを介して入力軸に連結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む3クラッチ3ブレーキ、あるいは、第3ブレーキを廃
    止した3クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わ
    せにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替え
    のない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制
    御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2キャリヤに第1サ
    ンギヤを一体に連結すると共に、第2キャリヤに第3リ
    ングギヤを断接クラッチを介して連結するメンバとし、 前記第1の2要素連結メンバを、第1ブレーキを介して
    ケースに連結し、 前記第1キャリヤを、第2ブレーキを介してケースに連
    結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第2キャリヤ側を、第2
    クラッチを介して入力軸に連結し、第3リングギヤ側
    を、出力軸に連結し、 前記第2の2要素連結メンバを、第3クラッチを介して
    入力軸に連結し、 前記第3サンギヤを、第4クラッチを介して入力軸に連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1512886A1 (en) * 2003-09-04 2005-03-09 General Motors Corporation Family of multi-speed transmission mechanisms having three planetary gearsets and three input torque-transmitting mechanisms
DE10230377B4 (de) * 2001-07-06 2012-02-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Mehrstufiges Planetenradgetriebe für ein Fahrzeug
CN111981092A (zh) * 2020-08-14 2020-11-24 刘玉玺 一种拖拉机用26挡pst全负载换挡变速装置

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