JP3653318B2 - 自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動変速機用歯車変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前進5速のギヤ段を得る自動変速機用歯車変速装置として、特開平1−242854号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来装置は、シングルピニオン型遊星歯車を2個用い前進4速のギヤ段を得る4速型主遊星歯車変速機構に、シングルピニオン型遊星歯車を1個追加し、この3個の遊星歯車に総計11個のクラッチ,ブレーキ,一方向クラッチ等の係合・解放要素を組み合わせた構成になっている。
【0004】
このうち、変速制御を簡単にするための一方向クラッチ及び一方向クラッチを取り付けたがためコースティング時に利かなくなるエンジンブレーキを利かせる目的で付加したクラッチ・ブレーキ類を取り除いたクラッチ及びブレーキの係合・解放要素数は7個である。この数が実用上、前進5段・後退1段の変速を達成するのに必要な最小要素数である。
【0005】
内訳は、クラッチ,ブレーキの係合・解放要素を最小でも5個必要とする4段部(アンダードライブ2段,直結1段,オーバドライブ1段)と、1つの遊星歯車とクラッチ・ブレーキが最小でも2つ必要なアド・オン部からなり、5段(アンダードライブ3段,直結1段,オーバドライブ1段)変速を可能にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動変速機用歯車変速装置でオーバドライブを1段から2段にし前進6段とする場合、アド・オン部の入力経路を切り替えてアド・オン部に導くことが考えられるが、このためにはクラッチ・ブレーキを2つ追加することが必要になる(7+2=9個)。従って、コスト、さらには、車両搭載性を損ねる点等を考慮すると実用的ではない。
【0007】
ところで、競争力のある変速装置の開発を企画・検討する場合、
(a)価格が安い(要は製造原価が安い)
(b)重量が軽い
(c)車両搭載性が良い(要は小型であること)
などの要件が特に重要である。
【0008】
これを実現するための最も有効かつ重要なことは、クラッチ・ブレーキの変速要素総数を減らすことである。
【0009】
すなわち、クラッチ・ブレーキの総数を減らすことができれば、当然、部品点数が減る。部品点数が減ればコストは下がり、重量は軽くなり、小型になるという訳である。
【0010】
さりとて、クラッチ,ブレーキの総数を減らすために、複数の遊星歯車を組み合わせて変速装置の構成を検討するについては、遊星歯車の組み合わせ方や遊星歯車のサンギヤとリングギヤとの歯数の比(即ち、ギヤ比)、シングルピニオン型遊星歯車かダブルピニオン型遊星歯車を用いるのか等によって得られる変速比が多様に変わり、且つ、それらが全て実用に供し得るものではなく、車両への搭載性,変速特性,要求される動力性能,コスト等の諸条件から実用性のある歯車列は限定される。
【0011】
要するに、遊星歯車の組み合わせやギヤ比の設定の仕方によって、膨大な数の構成が考案できるものの、車両用自動変速機として要求される実用に適するものを創作することには多大な困難を伴うという問題がある。
【0012】
この問題を克服し、実用に適するものを創作したが、これに際して以下の点を考慮した。
【0013】
(1)2つのクラッチ及びブレーキを係合状態から解放状態もしくは解放状態から係合状態に切り替えると変速ショックが悪化し、あるいは変速ショックを低減するために複雑な制御が必要となることを考慮し、隣り合ったギヤ段間で1つのクラッチまたはブレーキが係合状態から解放状態もしくは解放状態から係合状態に切り替わることとした。
【0014】
(2)クラッチ及びブレーキの総数は、前進6段(アンダードライブ3段,直結1段,オーバドライブ2段)ならば6個で、前進5段ならば5個で変速を実現できる構成であることとした。これは、小型・軽量な構成にすることでコスト競争力において優位に立つことを強く意識したためである。
【0015】
(3)構成を簡素化し、コストアップを抑えるために、ダブルピニオン型遊星歯車を使わず、製造原価が安く信頼性の高いシングルピニオン型遊星歯車のみを3つ組み合わせる構成とした。
【0016】
(4)アド・オン型は本体部にアド・オン部を結合する構造になるため、小型・軽量かつコストを考慮すると、アド・オン部を結合する手段並びに本体部とアド・オン部を隔てる壁が必要になる等、不利である。そのためインテグラルタイプとすることとした。
【0017】
(5)各変速ギヤ段間の変速比を等比級数的に並ばせることによって、変速の前後でのエンジン回転のバラツキを少なくして運転し易くする配慮を行なった。
【0018】
(6)極力部品の共用化を図りコスト低減に結びつけたいという観点から、FF車両用とFR車両用とで同じクラッチ・遊星ギヤ構成でできる、出力軸と入力軸とが同軸線上にある構成のものを創作することとした。
【0019】
(7)遊星歯車はリングギヤ、キャリヤ、サンギヤのうち1要素を固定した状態で、1要素に入力し、残りの1要素から出力させるかもしくは2要素に入力し残りの1要素から出力させる(この場合はギヤ比1)ことで使用する。
【0020】
このために、遊星歯車同士を合計4本の連結要素で連結すると共に、その1箇所に断接要素を配する構成とした。
【0021】
以上の考慮点のうち、(2),(3)に関して、ダブルピニオン型遊星歯車2個を用いて5段を達成できないかということを検討した。実際にこれを実現した例として、特開平2−256944号公報に記載のものが知られている。
【0022】
しかしながら、遊星歯車が2個で済むといえ、ダブルピニオン型であるため、構造が複雑であり、ロングピニオンを使用するため、ニードル,シャフト,ワッシャ等の耐久信頼性に不安があるし、クラッチ・ブレーキ総数が、目標(5速5要素)を達成できず、コストや車両搭載性の面で不利である。
【0023】
また、(7)に関して、4本の連結要素間に断接要素を入れない場合を検討した。実際にこれを実現した例として、特開昭50−64660号公報に記載のものが知られている。
【0024】
しかしながら、シングルピニオン型の遊星歯車を3個を用いて形式上は6段を達成することができるものの、ギヤ段間の変速比の設定が不適で、目標とする等比級数的なギヤ比を達成することができない。
【0025】
さらに、(7)に関して、4本の連結要素間に断接要素を入れた例としては、特開平2−74658号,特開平2−74662号,特開平2−129448号,特開平2−146339号,特開平2−150533号,特開平2−154838号,特開平2−154840号等の公報に記載されている。さらに、連結要素間に係合装置を配置すること自体は、米国特許3523468号,特開昭52−90769号,特開昭52−90770号,特開昭52−92063号等の公報に記載されている。
【0026】
しかしながら、4本の連結要素間に2個以上の断接要素を入れた場合には、クラッチ・ブレーキ総数を(2)の目標総数に納めることができないし、4本の連結要素間に1個の断接要素を入れる場合、その断接箇所を限定しないことには目標とする条件(小型軽量等)を満足しない。
【0027】
例えば、特開平2−154840号の場合、第1リングギヤと第3キャリヤとの間、及び第1サンギヤと第2リングギヤとの間に断接要素を配置しても何の意味もなく、クラッチ・ブレーキ総数の低減には用をなさない。
【0028】
さらに、特開平2−150533号等で実施例として記載されている1個の遊星ギヤ間の連結、例えば、第2リングギヤと第2サンギヤとを断接要素を介して連結させることは構造を複雑にし、且つ、実際の図面にレイアウトする時、断接要素の配置の自由度が低くて大変である。
【0029】
本発明の目的とするところは、コスト競争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列では、図1(イ)のクレーム対応図に示すように、第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車aと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車bと、第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車cと、前記第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)と第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第1の2要素連結メンバdと、前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第3キャリヤを連結する第2の2要素連結メンバeと、前記第1キャリヤと第2キャリヤを常時連結する第3の2要素連結メンバfと、前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバgと、前記第1の2要素連結メンバdもしくは第2の2要素連結メンバeに介装される断接クラッチhと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、前記第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、前記第1サンギヤと第3キャリヤを断接クラッチhを介して連結し、断接クラッチhの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、前記第1キャリヤと第2キャリヤを直結し、これを出力軸に連結し、前記第1リングギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3ブレーキを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチh(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0031】
請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置では、図1(ロ)のクレーム対応図に示すように、第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車aと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車bと、第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車cと、前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第1の2要素連結メンバdと、前記第1キャリヤと第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第2の2要素連結メンバeと、前記第2の2要素連結メンバeと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバfと、前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバgと、前記第1の2要素連結メンバdもしくは第3の2要素連結メンバfに介装される断接クラッチhと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、前記第1リングギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、前記第1キャリヤと第2サンギヤを常時連結すると共に、これらと第3キャリヤを断接クラッチhを介して連結し、断接クラッチhの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、前記第2キャリヤを、出力軸に連結し、前記第1サンギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3ブレーキを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチh(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0032】
請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置では、図1(ハ)のクレーム対応図に示すように、第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車aと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車bと、第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車cと、前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバdと、前記第1の2要素連結メンバdと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバeと、前記第1キャリヤと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバfと、前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバgと、前記第2の2要素連結メンバeもしくは第3の2要素連結メンバfに介装される断接クラッチhと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、前記第1リングギヤと第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、前記第1キャリヤと第3キャリヤを断接クラッチhを介して連結し、断接クラッチhの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記第2キャリヤを、出力軸に連結し、前記第1サンギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチh(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0033】
請求項4記載の自動変速機用歯車変速装置では、図1(ニ)のクレーム対応図に示すように、第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車aと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車bと、第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車cと、前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバdと、前記第1の2要素連結メンバdと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバeと、前記第1キャリヤと第2キャリヤを常時連結する第3の2要素連結メンバfと、前記第3の2要素連結メンバfと第3キャリヤを連結する第4の2要素連結メンバgと、前記第2の2要素連結メンバeもしくは第4の2要素連結メンバgに介装される断接クラッチhと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、前記第1サンギヤと第2リングギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、前記第1キャリヤと第2キャリヤを直結し、これと第3キャリヤとを断接クラッチhを介して連結し、断接クラッチhの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記第1リングギヤを、出力軸に連結し、前記第2サンギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチh(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0034】
請求項5記載の自動変速機用歯車変速装置では、図1(ホ)のクレーム対応図に示すように、第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車aと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車bと、第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車cと、前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバdと、前記第1の2要素連結メンバdと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバeと、前記第1キャリヤと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバfと、前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2キャリヤを常時連結する第4の2要素連結メンバgと、前記第2の2要素連結メンバeもしくは第3の2要素連結メンバfに介装される断接クラッチhと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、前記第1サンギヤと第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、前記第1キャリヤと第3キャリヤを断接クラッチhを介して連結し、断接クラッチhの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記第1リングギヤと第2キャリヤを直結し、これを出力軸に連結し、前記第2リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチh(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0040】
【作用】
請求項1〜請求項5記載の自動変速機用遊星歯車列では、シングルピニオン型の第1遊星歯車aと第2遊星歯車bと第3遊星歯車cのそれぞれのサンギヤ、リングギヤ、キャリヤによる9個ある回転要素のうち、第1の2要素連結メンバdと第2の2要素連結メンバeと第3の2要素連結メンバfと第4の2要素連結メンバgにより回転要素の数が少なくなる。
【0041】
この遊星歯車列の回転要素の数は、断接クラッチhの断接いずれを選択しているかにより決まり、断接クラッチhを接とする選択時には、回転要素が4個少ない、9個−4個=5個の回転要素を持つ遊星歯車列となり、断接クラッチhを断とする選択時には、回転要素が3個少ない、9個−3個=6個の回転要素を持つ遊星歯車列となる。
【0042】
よって、これらの回転要素に入力部材,出力部材,ケースを加えて8個あるいは9個のメンバとし、各メンバ間を一体に連結するか、全く連結しないか、クラッチやブレーキ等の係合要素を介して連結するかのいずれかを行ない、設けられた複数の係合要素の係合・解放を制御することにより入力部材と出力部材間に異なる変速比による回転状況を得ることができる。
【0043】
この場合、各遊星歯車a,b,c同士の動力伝達経路を断接クラッチhの断または接により選択できることで、各ギヤ段での変速比の設定自由度が高まり、各変速ギヤ段間の変速比を等比級数的に並ばせることが可能となる。
【0044】
また、断接クラッチhにより伝達経路を断つ用い方をすることで変速に関与しないメンバ回転が異常に高くなることも防止できる。
【0045】
請求項1〜請求項5記載の自動変速機用歯車変速装置では、それぞれ記載の自動変速機用遊星歯車列に、入力軸、出力軸、ケースのメンバを加え、各メンバ間を一体に連結するか、全く連結しないか、断接クラッチh(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキによる係合要素を介して連結するかのいずれかにより構成される。
【0046】
そして、変速制御手段において、1つのギヤ段をこれらの係合要素のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御が行なわれる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0048】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
【0049】
図2は請求項1記載の発明に対応する第1実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0050】
図2において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について説明する。尚、図2の(イ),(ロ),(ハ)は全く同じ自動変速機用歯車変速機構であり、(イ)は図の左側から第1,第2,第3遊星歯車という配列とし、(ロ)は図の左側から第2,第3,第1遊星歯車という配列とし、(ハ)は図の左側から第3,第1,第2遊星歯車という配列としたという違いのみであり、他の実施例についても同様である。
【0051】
前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤP1を有するシングルピニオン型の遊星歯車である。
【0052】
前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤP2を有するシングルピニオン型の遊星歯車である。
【0053】
前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、両ギヤS3,R3に噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤP3を有するシングルピニオン型の遊星歯車である。
【0054】
前記第1の2要素連結メンバM1は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とを一体に連結するメンバである。
【0055】
前記第2の2要素連結メンバM2は、第1サンギヤS1と第3キャリヤP3とを第1クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0056】
前記第3の2要素連結メンバM3は、第1キャリヤP1と第2キャリヤP2とを一体に連結するメンバである。
【0057】
前記第4の2要素連結メンバM4は、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2を一体に連結するメンバである。
【0058】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0059】
回転メンバAは、第1の2要素回転メンバM1に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0060】
回転メンバBは、第2の2要素連結メンバM2に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されていると共に第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0061】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0062】
回転メンバDは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0063】
回転メンバEは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されている。
【0064】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0065】
次に、作用を説明する。
【0066】
[第1速ギヤ段]
第1速ギヤ段は、図4の係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第3ブレーキB3を係合することで得られる。
【0067】
よって、回転メンバAからの入力回転(回転メンバB,Cからの入力回転に伴う)と、回転メンバEの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダードライブによる第1速変速比が得られる。
【0068】
すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図3の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放により2つの線図にて表される。
【0069】
尚、図3において、A,B,C,D,Eは各回転メンバであり、矢印は入力、二重丸は出力、黒塗り三角はブレーキ係合を示す。
【0070】
[第2速ギヤ段]
第2速ギヤ段は、第1速ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第1クラッチC1を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すように、1クラッチC1と第2クラッチC2と第3ブレーキB3を係合することで得られる。
【0071】
よって、回転メンバBからの入力回転と、回転メンバEの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第2速変速比が得られる。
【0072】
すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図3の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0073】
[第3速ギヤ段]
第3速ギヤ段は、第2速ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第3クラッチC3を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第3ブレーキB3を係合することで得られる。
【0074】
よって、回転メンバCからの入力回転と、回転メンバEの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第3速変速比が得られる。
【0075】
すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図3の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0076】
[第4速ギヤ段]
第4速ギヤ段は、第3速ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第2クラッチC2を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッチC3を係合することで得られる。
【0077】
よって、回転メンバB,Cからの同時入力により回転メンバDの回転が入力回転に規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、変速比1による第4速変速比が得られる。
【0078】
すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図3の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0079】
[第5速ギヤ段]
第5速ギヤ段は、第4速ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第1ブレーキB1を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0080】
よって、回転メンバCからの入力回転と、回転メンバAの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第5速変速比が得られる。
【0081】
すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図3の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0082】
[第6速ギヤ段]
第6速ギヤ段は、第5速ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第2クラッチC2を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0083】
よって、回転メンバBからの入力回転と、回転メンバAの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第6速変速比が得られる。
【0084】
すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図3の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0085】
[後退ギヤ段]
後退ギヤ段は、図4の係合論理表に示すように、第3クラッチC3と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3を係合することで得られる。
【0086】
よって、回転メンバAの規定回転(回転メンバCからの入力回転と回転メンバBの固定に伴う)と、回転メンバEの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が得られる。
【0087】
すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により2つの線図にて表される。
【0088】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図4の表に示すようになる。
【0089】
具体例として、ρ1 =0.65,ρ2 =0.35,ρ3 =0.60とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0090】
n1=3.86(3.5) n2/n1=0.658(0.629)
n2=2.54(2.2) n3/n2=0.689(0.682)
n3=1.75(1.5) n4/n3=0.571(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.740(0.700)
n5=0.74(0.7) n6/n5=0.622(0.714)
n6=0.46(0.5)
nR=2.31
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0091】
次に、効果を説明する。
【0092】
第1実施例の自動変速機用歯車変速装置にあっては、下記の長所が併せて達成される。
【0093】
(1) 隣接するギヤ段への変速を1つの係合要素の解放と1つの係合要素の係合により行なう装置としたため、変速ショックを容易に低減できる。
【0094】
(2) 前進6段後退1段の変速制御を行なう装置でありながら、変速に必要とする係合要素の数が4個のクラッチと2個のブレーキの6個だけの装置としたため、変速制御が容易となる。
【0095】
(3) 各ギヤ段の変速比を目標変速比に近づけ、且つ、変速比の隣接するギヤ段間の比をほぼ等比級数的に並べた装置としたため、変速に際してエンジン回転の変化がほぼ同じ変化をし、変速比に影響されずにエンジン特性の良好なトルクバンドでの変速が達成されることで、動力性能に優れる。
【0096】
ここで、なぜ各ギヤ段の変速比を目標変速比に近づけることができ、且つ、変速比の隣接するギヤ段間の比をほぼ等比級数的に並べることができるかについて理由を述べると、3つの遊星歯車同志の動力伝達経路が常に定まっているギヤ列とはなっていなく、第1クラッチC1の係合・解放により動力伝達経路を選択できることで、第1クラッチC1を解放状態とした場合の共線図(2本の線図)と第1クラッチC1を係合状態とした場合の共線図(1本の線図)とが別に描かれ、各ギヤ段での変速比の設定自由度が大幅に高まることによる。
【0097】
(4) シングルピニオン型の遊星歯車のみを3個を用い、アド・オン型ではなくインテグラルタイプとし、且つ、変速に必要とする係合要素の数が3個のクラッチと3個のブレーキの6個だけの装置としたため、構成が簡単であり、小型・軽量・低コストを達成することができる。
【0098】
(第2実施例)
まず、構成を説明する。
【0099】
図5は請求項1記載の発明に対応する第2実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0100】
図5において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第1実施例と同様である。
【0101】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0102】
回転メンバAは、第1の2要素回転メンバM1に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0103】
回転メンバBは、第2の2要素連結メンバM2に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0104】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されていると共に第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0105】
回転メンバDは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0106】
回転メンバEは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されている。
【0107】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0108】
次に、作用を説明する。
【0109】
図3と図6の共線図の対比及び図4と図7の係合論理表の対比で明らかなように、第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段での係合論理及び変速作用は、第1実施例の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0110】
[後退ギヤ段]
後退ギヤ段は、図7の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0111】
よって、回転メンバBからの入力回転と、回転メンバCの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が得られる。
【0112】
すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図6のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0113】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図7の表に示すようになる。
【0114】
具体例として、ρ1 =0.66,ρ2 =0.35,ρ3 =0.66とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0115】
n1=3.86(3.5) n2/n1=0.653(0.629)
n2=2.52(2.2) n3/n2=0.647(0.682)
n3=1.63(1.5) n4/n3=0.613(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.780(0.700)
n5=0.78(0.7) n6/n5=0.603(0.714)
n6=0.47(0.5)
nR=1.41
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0116】
次に、効果を説明する。
【0117】
この第2実施例にあっても、第1実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0118】
(第3実施例)
まず、構成を説明する。
【0119】
図8は請求項1記載の発明に対応する第3実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0120】
図8において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について説明する。
【0121】
前記第1の2要素連結メンバM1は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とを一体に連結するメンバである。
【0122】
前記第2の2要素連結メンバM2は、第1リングギヤR1と第3キャリヤP3とを第1クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0123】
前記第3の2要素連結メンバM3は、第1キャリヤP1と第2キャリヤP2とを一体に連結するメンバである。
【0124】
前記第4の2要素連結メンバM4は、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2を一体に連結するメンバである。
【0125】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0126】
回転メンバAは、第1の2要素回転メンバM1に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0127】
回転メンバBは、第2の2要素連結メンバM2に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されている。
【0128】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されていると共に第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0129】
回転メンバDは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0130】
回転メンバEは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0131】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0132】
次に、作用を説明する。
【0133】
[第1速ギヤ段]
第1速ギヤ段は、図10の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第3ブレーキB3を係合することで得られる。
【0134】
よって、回転メンバEからの入力回転と、回転メンバCの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダードライブによる第1速変速比が得られる。
【0135】
すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図9の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0136】
[第2速ギヤ段]
第2速ギヤ段は、第1速ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第2ブレーキB2を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0137】
よって、回転メンバEからの入力回転と、回転メンバBの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、第1速変速比よりも減速比として小さい値による第2速変速比が得られる。
【0138】
すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図9の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0139】
[第3速ギヤ段]
第3速ギヤ段は、第2速ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1ブレーキB1を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0140】
よって、回転メンバEからの入力回転と、回転メンバAの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第3速変速比が得られる。
【0141】
すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図9の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0142】
[第4速ギヤ段]
第4速ギヤ段は、第3速ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2クラッチC2を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッチC3を係合することで得られる。
【0143】
よって、回転メンバC,Eからの同時入力により回転メンバDの回転が入力回転に規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、変速比1による第4速変速比が得られる。
【0144】
すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図9の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0145】
[第5速ギヤ段]
第5速ギヤ段は、第4速ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第1ブレーキB1を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0146】
よって、回転メンバCからの入力回転と、回転メンバAの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第5速変速比が得られる。
【0147】
すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図9の5thに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0148】
[第6速ギヤ段]
第6速ギヤ段は、第5速ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB2を締結する。つまり、図10の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0149】
よって、回転メンバCからの入力回転と、回転メンバBの固定により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第6速変速比が得られる。
【0150】
すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図9の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合により1つの線図にて表される。
【0151】
[後退ギヤ段]
後退ギヤ段は、図10の係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0152】
よって、回転メンバEからの入力回転と、回転メンバAの規定回転(回転メンバCからの入力回転と回転メンバBの固定に伴う)により、回転メンバDの回転が規定され、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が得られる。
【0153】
すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図9のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により2つの線図にて表される。
【0154】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図10の表に示すようになる。
【0155】
具体例として、ρ1 =0.66,ρ2 =0.66,ρ3 =0.40とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0156】
n1=4.15(3.5) n2/n1=0.607(0.629)
n2=2.52(2.2) n3/n2=0.659(0.682)
n3=1.66(1.5) n4/n3=0.602(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.790(0.700)
n5=0.79(0.7) n6/n5=0.658(0.714)
n6=0.52(0.5)
nR=2.55
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0157】
次に、効果を説明する。
【0158】
この第3実施例にあっても、第1実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0159】
(第4実施例)
まず、構成を説明する。
【0160】
図11は請求項2記載の発明に対応する第4実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0161】
図11において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について説明する。
【0162】
前記第1の2要素連結メンバM1は、第1リングギヤR1と第3サンギヤS3とを一体に連結するメンバである。
【0163】
前記第2の2要素連結メンバM2は、第1キャリヤP1と第2サンギヤS2とを一体に連結するメンバである。
【0164】
前記第3の2要素連結メンバM3は、第2の2要素連結メンバM2と第3キャリヤP2とを第1クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0165】
前記第4の2要素連結メンバM4は、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2を一体に連結するメンバである。
【0166】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0167】
回転メンバAは、第1の2要素回転メンバM1に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0168】
回転メンバBは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されていると共に第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0169】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0170】
回転メンバDは、第2キャリヤP2に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0171】
回転メンバEは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されている。
【0172】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0173】
次に、作用を説明する。
【0174】
図3と図12の共線図の対比及び図4と図13の係合論理表の対比で明らかなように、第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段及び後退ギヤ段での係合論理及び変速作用は、第1実施例の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0175】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図13の表に示すようになる。
【0176】
具体例として、ρ1 =0.55,ρ2 =0.65,ρ3 =0.60とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0177】
n1=3.93(3.5) n2/n1=0.646(0.629)
n2=2.54(2.2) n3/n2=0.669(0.682)
n3=1.70(1.5) n4/n3=0.588(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.760(0.700)
n5=0.76(0.7) n6/n5=0.632(0.714)
n6=0.48(0.5)
nR=2.36
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0178】
次に、効果を説明する。
【0179】
この第4実施例の自動変速機用歯車変速装置にあっては、第1実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0180】
(第5実施例)
まず、構成を説明する。
【0181】
図14は請求項2記載の発明に対応する第5実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0182】
図14において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列は、第4実施例と同様である。
【0183】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0184】
回転メンバAは、第1の2要素回転メンバM1に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0185】
回転メンバBは、第2の2要素連結メンバM2に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0186】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されていると共に第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0187】
回転メンバDは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0188】
回転メンバEは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されている。
【0189】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0190】
次に、作用を説明する。
【0191】
図6と図15の共線図の対比及び図7と図16の係合論理表の対比で明らかなように、第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段及び後退ギヤ段での係合論理及び変速作用は、第2実施例の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0192】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図16の表に示すようになる。
【0193】
具体例として、ρ1 =0.65,ρ2 =0.65,ρ3 =0.65とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0194】
n1=4.19(3.5) n2/n1=0.606(0.629)
n2=2.54(2.2) n3/n2=0.579(0.682)
n3=1.47(1.5) n4/n3=0.680(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.850(0.700)
n5=0.85(0.7) n6/n5=0.612(0.714)
n6=0.52(0.5)
nR=2.30
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0195】
次に、効果を説明する。
【0196】
この第5実施例にあっても、第4実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0197】
加えて、具体例に示すように、3つの遊星歯車PG1,PG2,PG3のギヤ比ρ1,ρ2,ρ3 を全て同じ0.65に設定した場合、同歯数で同形の3つの遊星歯車PG1,PG2,PG3を採用することができ、製造上及びコスト上で有利となる。
【0198】
(第6実施例)
まず、構成を説明する。
【0199】
図17は請求項2記載の発明に対応する第6実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0200】
図17において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について説明する。
【0201】
前記第1の2要素連結メンバM1は、第1リングギヤR1と第3サンギヤS3とを一体に連結するメンバである。
【0202】
前記第2の2要素連結メンバM2は、第1キャリヤP1と第2リングギヤR2とを一体に連結するメンバである。
【0203】
前記第3の2要素連結メンバM3は、第2の2要素連結メンバM2と第3キャリヤP2とを第1クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0204】
前記第4の2要素連結メンバM4は、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2を一体に連結するメンバである。
【0205】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0206】
回転メンバAは、第1の2要素回転メンバM1に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0207】
回転メンバBは、第2の2要素連結メンバM2に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されている。
【0208】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されていると共に第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0209】
回転メンバDは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0210】
回転メンバEは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0211】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0212】
次に、作用を説明する。
【0213】
図9と図18の共線図の対比及び図10と図19の係合論理表の対比で明らかなように、第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段及び後退ギヤ段での係合論理及び変速作用は、第3実施例の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0214】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図19の表に示すようになる。
【0215】
具体例として、ρ1 =0.67,ρ2 =0.67,ρ3 =0.33とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0216】
n1=4.32(3.5) n2/n1=0.576(0.629)
n2=2.49(2.2) n3/n2=0.627(0.682)
n3=1.56(1.5) n4/n3=0.641(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.830(0.700)
n5=0.83(0.7) n6/n5=0.663(0.714)
n6=0.55(0.5)
nR=2.25
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0217】
次に、効果を説明する。
【0218】
この第6施例にあっても、第1実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0219】
(第7実施例)
まず、構成を説明する。
【0220】
図20は請求項3記載の発明に対応する第7実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0221】
図20において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について説明する。
【0222】
前記第1の2要素連結メンバM1は、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とを一体に連結するメンバである。
【0223】
前記第2の2要素連結メンバM2は、第1の2要素連結メンバM1と第3サンギヤS3とを連結するメンバである。
【0224】
前記第3の2要素連結メンバM3は、第1キャリヤP1と第2キャリヤP2とを第1クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0225】
前記第4の2要素連結メンバM4は、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2を一体に連結するメンバである。
【0226】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0227】
回転メンバAは、第2の2要素回転メンバM2に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0228】
回転メンバBは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されている。
【0229】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されていると共に第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0230】
回転メンバDは、第2キャリヤP2に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0231】
回転メンバEは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0232】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0233】
次に、作用を説明する。
【0234】
図9と図18と図21の共線図の対比及び図10と図19と図22の係合論理表の対比で明らかなように、第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段及び後退ギヤ段での係合論理及び変速作用は、第3実施例及び第6実施例の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0235】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図22の表に示すようになる。
【0236】
具体例として、ρ1 =0.67,ρ2 =0.50,ρ3 =0.33とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0237】
n1=3.51(3.5) n2/n1=0.644(0.629)
n2=2.26(2.2) n3/n2=0.664(0.682)
n3=1.50(1.5) n4/n3=0.667(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.800(0.700)
n5=0.80(0.7) n6/n5=0.625(0.714)
n6=0.50(0.5)
nR=2.91
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0238】
次に、効果を説明する。
【0239】
この第7実施例にあっても、第7実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0240】
(第8実施例)
まず、構成を説明する。
【0241】
図23は請求項4記載の発明に対応する第8実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0242】
図23において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について説明する。
【0243】
前記第1の2要素連結メンバM1は、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2とを一体に連結するメンバである。
【0244】
前記第2の2要素連結メンバM2は、第1の2要素連結メンバM1と第3サンギヤS3とを一体に連結するメンバである。
【0245】
前記第3の2要素連結メンバM3は、第1キャリヤP1と第2キャリヤP2とを一体に連結するメンバである。
【0246】
前記第4の2要素連結メンバM4は、第3の2要素連結メンバM3と第3キャリヤP3とを第1クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0247】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0248】
回転メンバAは、第1,第2の2要素回転メンバM1,M2に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0249】
回転メンバBは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されている。
【0250】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されていると共に第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0251】
回転メンバDは、第1リングギヤR1に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0252】
回転メンバEは、第2サンギヤS2に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0253】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0254】
次に、作用を説明する。
【0255】
図9と図18と図21と図24の共線図の対比及び図10と図19と図22と図25の係合論理表の対比で明らかなように、第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段及び後退ギヤ段での係合論理及び変速作用は、第3実施例,第6実施例及び第7実施例の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0256】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図25の表に示すようになる。
【0257】
具体例として、ρ1 =0.66,ρ2 =0.66,ρ3 =0.33とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0258】
n1=3.59(3.5) n2/n1=0.641(0.629)
n2=2.30(2.2) n3/n2=0.661(0.682)
n3=1.52(1.5) n4/n3=0.658(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.800(0.700)
n5=0.80(0.7) n6/n5=0.625(0.714)
n6=0.50(0.5)
nR=2.70
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0259】
次に、効果を説明する。
【0260】
この第8実施例にあっても、第1実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0261】
(第9実施例)
まず、構成を説明する。
【0262】
図26は請求項1〜請求項5記載の発明と類似する第9実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0263】
図26において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチで、これらにより構成される遊星歯車列について説明する。
【0264】
前記第1の2要素連結メンバM1は、第1サンギヤS1と第3サンギヤS3とを一体に連結するメンバである。
【0265】
前記第2の2要素連結メンバM2は、第1キャリヤP1と第2リングギヤR2とを一体に連結するメンバである。
【0266】
前記第3の2要素連結メンバM3は、第2の2要素連結メンバM2と第3キャリヤP3とを第1クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0267】
前記第4の2要素連結メンバM4は、第1リングギヤR1と第2キャリヤP2を一体に連結するメンバである。
【0268】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0269】
回転メンバAは、第1の2要素回転メンバM1に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0270】
回転メンバBは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されている。
【0271】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されていると共に第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0272】
回転メンバDは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0273】
回転メンバEは、第2サンギヤS2に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0274】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0275】
次に、作用を説明する。
【0276】
図9と図18と図21と図24と図27の共線図の対比及び図10と図19と図22と図25と図28の係合論理表の対比で明らかなように、第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段及び後退ギヤ段での係合論理及び変速作用は、第3実施例,第6実施例,第7実施例及び第8実施例の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0277】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図28の表に示すようになる。
【0278】
具体例として、ρ1 =0.66,ρ2 =0.66,ρ3 =0.33とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0279】
n1=4.03(3.5) n2/n1=0.625(0.629)
n2=2.52(2.2) n3/n2=0.635(0.682)
n3=1.60(1.5) n4/n3=0.625(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.800(0.700)
n5=0.80(0.7) n6/n5=0.625(0.714)
n6=0.50(0.5)
nR=1.94
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0280】
次に、効果を説明する。
【0281】
この第9施例にあっても、第1実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0282】
(第10実施例)
まず、構成を説明する。
【0283】
図29は請求項5記載の発明に対応する第10実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0284】
図29において、PG1は第1遊星歯車、PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は第1の2要素連結メンバ、M2は第2の2要素連結メンバ、M3は第3の2要素連結メンバ、M4は第4の2要素連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッチhに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列について説明する。
【0285】
前記第1の2要素連結メンバM1は、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とを一体に連結するメンバである。
【0286】
前記第2の2要素連結メンバM2は、第1の2要素連結メンバM1と第3サンギヤS3とを一体に連結するメンバである。
【0287】
前記第3の2要素連結メンバM3は、第1キャリヤP1と第3キャリヤP3とを第1クラッチC1を介して連結するメンバである。
【0288】
前記第4の2要素連結メンバM4は、第1リングギヤR1と第2キャリヤP2を一体に連結するメンバである。
【0289】
上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機構にするにあたって、遊星歯車列に付加される各回転メンバ並びに係合要素について説明する。
【0290】
回転メンバAは、第1,第2の2要素回転メンバM1,M2に接続され、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されている。
【0291】
回転メンバBは、第3の2要素連結メンバM3に接続され、第1クラッチC1の第3キャリヤP3側は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されている。
【0292】
回転メンバCは、第3リングギヤR3に接続され、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されていると共に第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されている。
【0293】
回転メンバDは、第4の2要素連結メンバM4に接続され、そのまま出力軸ISに連結されている。
【0294】
回転メンバEは、第2リングギヤR2に接続され、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されている。
【0295】
そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッチC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0296】
次に、作用を説明する。
【0297】
図9と図18と図21と図24と図27と図30の共線図の対比及び図10と図19と図22と図25と図28と図31の係合論理表の対比で明らかなように、第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段及び後退ギヤ段での係合論理及び変速作用は、第3実施例,第6実施例,第7実施例,第8実施例及び第9実施例の場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0298】
[各ギヤ段変速比]
第1遊星歯車PG1のギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n1,n2,n4,n5,n6,nRは、図31の表に示すようになる。
【0299】
具体例として、ρ1 =0.66,ρ2 =0.50,ρ3 =0.33とした時、各ギヤ段変速比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カッコ内は目標値を示す。
【0300】
n1=3.52(3.5) n2/n1=0.642(0.629)
n2=2.26(2.2) n3/n2=0.664(0.682)
n3=1.50(1.5) n4/n3=0.667(0.667)
n4=1.00(1.0) n5/n4=0.800(0.700)
n5=0.80(0.7) n6/n5=0.625(0.714)
n6=0.50(0.5)
nR=2.91
1速〜6速のギヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっている。
【0301】
次に、効果を説明する。
【0302】
この第10実施例の自動変速機用歯車変速装置にあっては、第1実施例で記載した(1) 〜(4) と同様の効果を得ることができる。
【0303】
請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列にあっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シングルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン型の第3遊星歯車と、第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)と第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第1の2要素連結メンバと、第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第3キャリヤを連結する第2の2要素連結メンバと、第1キャリヤと第2キャリヤを常時連結する第3の2要素連結メンバと、第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバと、第1の2要素連結メンバもしくは第2の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、第1サンギヤと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、第3リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、第1キャリヤと第2キャリヤを直結し、これを出力軸に連結し、第1リングギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3ブレーキを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、コスト競争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供することができるという効果が得られる。
【0304】
請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置にあっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シングルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン型の第3遊星歯車と、第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第1の2要素連結メンバと、第1キャリヤと第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第2の2要素連結メンバと、第2の2要素連結メンバと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバと、第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバと、第1の2要素連結メンバもしくは第3の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、第1リングギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、第1キャリヤと第2サンギヤを常時連結すると共に、これらと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、第3リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、第2キャリヤを、出力軸に連結し、第1サンギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3ブレーキを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、コスト競争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供することができるという効果が得られる。
【0305】
請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置にあっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シングルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン型の第3遊星歯車と、第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバと、第1の2要素連結メンバと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバと、第1キャリヤと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバと、第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバと、第2の2要素連結メンバもしくは第3の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、第1リングギヤと第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、第1キャリヤと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、第2キャリヤを、出力軸に連結し、第1サンギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、コスト競争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供することができるという効果が得られる。
【0306】
請求項4記載の自動変速機用遊星歯車列にあっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シングルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン型の第3遊星歯車と、第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバと、第1の2要素連結メンバと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバと、第1キャリヤと第2キャリヤを常時連結する第3の2要素連結メンバと、第3の2要素連結メンバと第3キャリヤを連結する第4の2要素連結メンバと、第2の2要素連結メンバもしくは第4の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、第1サンギヤと第2リングギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、第1キャリヤと第2キャリヤを直結し、これと第3キャリヤとを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、第1リングギヤを、出力軸に連結し、第2サンギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、コスト競争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供することができるという効果が得られる。
【0307】
請求項5記載の自動変速機用遊星歯車列にあっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シングルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン型の第3遊星歯車と、第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバと、第1の2要素連結メンバと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバと、第1キャリヤと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバと、第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2キャリヤを常時連結する第4の2要素連結メンバと、第2の2要素連結メンバもしくは第3の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、を備えた自動変速機用遊星歯車列において、第1サンギヤと第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、第1キャリヤと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、第1リングギヤと第2キャリヤを直結し、これを出力軸に連結し、第2リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたため、コスト競争力が高く、変速ショックを容易に低減でき、しかも変速制御が容易で、動力性能及び車両搭載性に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯車変速装置を提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜請求項5記載の自動変速機用遊星歯車列を示すクレーム対応図である。
【図2】第1実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ) は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図3】第1実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図4】第1実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図5】第2実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図6】第2実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図7】第2実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図8】第3実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図9】第3実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図10】第3実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図11】第4実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図12】第4実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図13】第4実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図14】第5実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図15】第5実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図16】第5実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図17】第6実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図18】第6実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図19】第6実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図20】第7実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図21】第7実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図22】第7実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図23】第8実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図24】第8実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図25】第8実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図26】第9実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図27】第9実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図28】第9実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図29】第10実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルトン図であり、(イ)、(ロ)、(ハ)は3つの遊星歯車の配列を異ならせた例である。
【図30】第10実施例装置での変速制御における各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図31】第10実施例装置での変速制御における各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
Claims (5)
- 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車と、
第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車と、
第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車と、
前記第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)と第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第1の2要素連結メンバと、
前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第3キャリヤを連結する第2の2要素連結メンバと、
前記第1キャリヤと第2キャリヤを常時連結する第3の2要素連結メンバと、
前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバと、
前記第1の2要素連結メンバもしくは第2の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、
を備えた自動変速機用遊星歯車列において、
前記第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、
前記第1サンギヤと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第3リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第1キャリヤと第2キャリヤを直結し、これを出力軸に連結し、
前記第1リングギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3ブレーキを介してケースに連結し、
1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。 - 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車と、
第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車と、
第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車と、
前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第1の2要素連結メンバと、
前記第1キャリヤと第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第2の2要素連結メンバと、
前記第2の2要素連結メンバと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバと、
前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバと、
前記第1の2要素連結メンバもしくは第3の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、
を備えた自動変速機用遊星歯車列において、
前記第1リングギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、
前記第1キャリヤと第2サンギヤを常時連結すると共に、これらと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケー スに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第3リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第2キャリヤを、出力軸に連結し、
前記第1サンギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3ブレーキを介してケースに連結し、
1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。 - 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車と、
第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車と、
第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車と、
前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバと、
前記第1の2要素連結メンバと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバと、
前記第1キャリヤと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバと、
前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2サンギヤ(もしくは第2リングギヤ)を常時連結する第4の2要素連結メンバと、
前記第2の2要素連結メンバもしくは第3の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、
を備えた自動変速機用遊星歯車列において、
前記第1リングギヤと第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、
前記第1キャリヤと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、
前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第2キャリヤを、出力軸に連結し、前記第1サンギヤと第2リングギヤを直結し、これを第3クラッチを介して入力軸に連結し、
1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。 - 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車と、
第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車と、
第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車と、
前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバと、
前記第1の2要素連結メンバと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバと、
前記第1キャリヤと第2キャリヤを常時連結する第3の2要素連結メンバと、
前記第3の2要素連結メンバと第3キャリヤを連結する第4の2要素連結メンバと、
前記第2の2要素連結メンバもしくは第4の2要素連結メンバに介装される断接クラッ チと、
を備えた自動変速機用遊星歯車列において、
前記第1サンギヤと第2リングギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、
前記第1キャリヤと第2キャリヤを直結し、これと第3キャリヤとを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、
前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第1リングギヤを、出力軸に連結し、
前記第2サンギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、
1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。 - 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車と、
第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星歯車と、
第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車と、
前記第1リングギヤ(もしくは第1サンギヤ)と第2リングギヤ(もしくは第2サンギヤ)を常時連結する第1の2要素連結メンバと、
前記第1の2要素連結メンバと第3リングギヤ(もしくは第3サンギヤ)を連結する第2の2要素連結メンバと、
前記第1キャリヤと第3キャリヤを連結する第3の2要素連結メンバと、
前記第1サンギヤ(もしくは第1リングギヤ)と第2キャリヤを常時連結する第4の2要素連結メンバと、
前記第2の2要素連結メンバもしくは第3の2要素連結メンバに介装される断接クラッチと、
を備えた自動変速機用遊星歯車列において、
前記第1サンギヤと第2サンギヤと第3サンギヤを直結し、これを第1ブレーキを介してケースに連結し、
前記第1キャリヤと第3キャリヤを断接クラッチを介して連結し、断接クラッチの第3キャリヤ側を、第2ブレーキを介してケースに連結し、
前記第3リングギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、
前記第1リングギヤと第2キャリヤを直結し、これを出力軸に連結し、
前記第2リングギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連結し、
1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
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