JPH08261296A - 自動変速機用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents

自動変速機用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置

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JPH08261296A
JPH08261296A JP7064006A JP6400695A JPH08261296A JP H08261296 A JPH08261296 A JP H08261296A JP 7064006 A JP7064006 A JP 7064006A JP 6400695 A JP6400695 A JP 6400695A JP H08261296 A JPH08261296 A JP H08261296A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速ショックを容易に低減でき、変速制御が
容易で、動力性能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機
用遊星歯車列及び自動変速機用歯車変速装置を提供する
こと。 【構成】 シングルピニオン型の第1遊星歯車aと、シ
ングルピニオン型の第2遊星歯車bと、シングルピニオ
ン型の第3遊星歯車cと、第1キャリヤと、第2サンギ
ヤと第2リングギヤのうち一方のギヤとを一体に連結す
る2要素連結メンバdと、第1リングギヤと第2キャリ
ヤと第3リングギヤとを一体に連結する3要素連結メン
バeと、第2サンギヤと第2リングギヤのうち他方のギ
ヤと、第3キャリヤとを断接クラッチfを介して連結す
るクラッチ介装連結メンバgとを備えた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機用歯車変速
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前進5速のギヤ段を得る自動変速
機用歯車変速装置として、特開平1−242854号公
報に記載のものが知られている。
【0003】この従来装置は、シングルピニオン型遊星
歯車を2個用い前進4速のギヤ段を得る4速型主遊星歯
車変速機構に、シングルピニオン型遊星歯車を1個追加
し、この3個の遊星歯車に総計11個のクラッチ,ブレ
ーキ,一方向クラッチ等の係合・解放要素を組み合わせ
た構成になっている。
【0004】このうち、変速制御を簡単にするための一
方向クラッチ及び一方向クラッチを取り付けたがためコ
ースティング時に利かなくなるエンジンブレーキを利か
せる目的で付加したクラッチ・ブレーキ類を取り除いた
クラッチ及びブレーキの係合・解放要素数は7個であ
る。この数が実用上、前進5段・後退1段の変速を達成
するのに必要な最小要素数である。
【0005】内訳は、クラッチ,ブレーキの係合・解放
要素を最小でも5個必要とする4段部(アンダードライ
ブ2段,直結1段,オーバドライブ1段)と、1つの遊
星歯車とクラッチ・ブレーキが最小でも2つ必要なアド
・オン部からなり、5段(アンダードライブ3段,直結
1段,オーバドライブ1段)変速を可能にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機用歯車変速装置でオーバドライブを1段
から2段にしようとした場合、アド・オン部の入力経路
を切り替えてアド・オン部に導くことが考えられるが、
このためにはクラッチ・ブレーキを2つ追加することが
必要になる。従って、コスト、さらには、車両搭載性を
損ねる点等を考慮すると実用的ではない。
【0007】また、当該アド・オン型5段変速装置に最
低必要なクラッチ,ブレーキの総変速要素数は7個であ
るが、装置全体に占める重量及び寸法の割合が大きく、
これをできる限り減らして、コスト・車両搭載性・燃費
等を向上させたいという要求も強い。
【0008】さりとて、クラッチ,ブレーキの総数を減
らすために、複数の遊星歯車を組み合わせて変速装置の
構成を検討するについては、遊星歯車の組み合わせ方や
遊星歯車のサンギヤとリングギヤとの歯数の比(即ち、
ギヤ比)、シングルピニオン型遊星歯車かダブルピニオ
ン型遊星歯車を用いるのか等によって得られる変速比が
多様に変わり、且つ、それらが全て実用に供し得るもの
ではなく、車両への搭載性,変速特性,要求される動力
性能,コスト等の諸条件から実用性のある歯車列は限定
される。
【0009】即ち、遊星歯車の組み合わせやギヤ比の設
定の仕方によって、膨大な数の構成が考案できるもの
の、車両用自動変速機として要求される実用に適するも
のを創作することには多大な困難を伴うという問題があ
る。
【0010】例えば、特開昭50−64660号公報に
は、図41に示すように、シングルピニオン型の遊星歯
車を3個と、クラッチ3個,ブレーキ3個を用い、図4
3に示すように、各要素を係合・解放することにより前
進6段・後退2段の変速を達成する装置が示されてい
る。
【0011】しかしながら、この従来装置にあっては、
下記に述べる問題がある。
【0012】(1) ギヤ段間の変速比の設定が不適であ
る。
【0013】横軸に遊星歯車の設定ギヤ比に応じて割り
ふられる回転メンバの位置をとり、縦軸に回転速度比を
とり、回転速度比0と回転速度比1に対応して横方向に
引かれる直線との交点にそれぞれクラッチとブレーキの
要素を表示し、係合される要素を結ぶ線により描かれる
共線図を図42に示す。
【0014】本来、ギヤ段間の変速比は等比級数的に設
定するのが望ましい。なぜなら、図44に示すように、
エンジンのトルクバンド(スロットル開度一定でのエン
ジントルクと回転の関係から出力されるエンジントルク
の幅)がギヤ段に影響されずにほぼ一定となり、出力軸
トルクはギヤ段に応じてほぼ一定の比で変化すると共
に、エンジン回転がほぼ同じ変化をすることになり、運
転者にとって快適に感じる。
【0015】ところが、図42によれば、ギヤ段間の変
速比が等比級数的ではなく、特に、5速,6速間及び3
速,4速間が広く、この間が他の変速とは異なるトルク
バンドを使うことになり、エンジン特性の良好な部分を
使えなくなる。特に、5速,6速は変速頻度が多いとこ
ろであり、顕著に感じるはずである。
【0016】そこで、3速,4速間を狭くしようとして
第5回転メンバの縦軸が図面右方向にずれるように遊
星歯車のギヤ比を設定すると、3速,4速間は狭くなる
が同時に4速,5速間も狭くなるし、5速,6速間は現
状よりさらに広くなる。
【0017】このように、ギヤ同志の動力伝達経路が常
に連結されたギヤ列では、変速比の選択幅が少なく、図
42に示すように妥協的に変速比を設定せざるを得な
い。
【0018】(2) 変速に関与しないメンバ回転が異常に
高くなる。
【0019】図42に示す共線図の左右端の回転メンバ
,は、5速,6速,後退2速の時に異常な高回転と
なるので、その部材の支持用軸受け等の強度や高回転に
よる変速不良(遠心油圧によるクラッチ作動不良等)の
おそれがある。
【0020】本発明は、以上の問題点を克服し、実用に
適するものを創作したが、これに際して以下の点を考慮
した。
【0021】1)2つのクラッチ及びブレーキを係合状
態から解放状態もしくは解放状態から係合状態に切り替
えると変速ショックが悪化し、あるいは変速ショックを
低減するために複雑な制御が必要となることを考慮し、
隣り合ったギヤ段間で1つのクラッチまたはブレーキが
係合状態から解放状態もしくは解放状態から係合状態に
切り替わることとした。
【0022】2)構成を簡素化し、コストアップを抑え
るために、ダブルピニオン型遊星歯車を使わずにシング
ルピニオン型遊星歯車だけを3つ組み合わせる構成とし
た。
【0023】3)クラッチ及びブレーキの総数は、最小
の場合6個で、前進6段(アンダードライブ3段,直結
1段,オーバドライブ2段)、後退1段以上を実現でき
る構成であることとした。これは、小型・軽量な構成に
することとコストダウンを強く考慮したためである。
【0024】4)アド・オン型は本体部にアド・オン部
を結合する構造になるため、小型・軽量かつコストを考
慮すると、アド・オン部を結合する手段並びに本体部と
アド・オン部を隔てる壁が必要になる等、不利である。
そのためインテグラルタイプとすることとした。
【0025】5)各変速ギヤ段間の変速比を等比級数的
に並ばせることによって、変速の前後でのエンジン回転
のバラツキを少なくして運転し易くする配慮を行なっ
た。
【0026】本発明の目的とするところは、変速ショッ
クを容易に低減でき、変速制御が容易で、動力性能に優
れ、かつ構成が簡単な自動変速機用遊星歯車列及び自動
変速機用歯車変速装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列では、図1のク
レーム対応図に示すように、第1サンギヤと、第1リン
グギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キ
ャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星歯車a
と、第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み
合うピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングル
ピニオン型の第2遊星歯車bと、第3サンギヤと、第3
リングギヤと、両ギヤに噛み合うピニオンを保持する第
3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車
cと、前記第1キャリヤと、第2サンギヤと第2リング
ギヤのうち一方のギヤとを一体に連結する2要素連結メ
ンバdと、前記第1リングギヤと第2キャリヤと第3リ
ングギヤとを一体に連結する3要素連結メンバeと、前
記第2サンギヤと第2リングギヤのうち他方のギヤと、
第3キャリヤとを断接クラッチfを介して連結するクラ
ッチ介装連結メンバgと、を備えていることを特徴とす
る。
【0028】請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記2要素連結メンバdを、第1キャリヤと第2リ
ングギヤとを一体に連結するメンバとし、前記クラッチ
介装連結メンバgを、第2サンギヤと第3キャリヤとを
断接クラッチfを介して連結するメンバとし、前記第1
サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連結し、前
記2要素連結メンバdを、出力軸に連結し、前記3要素
連結メンバeを、第1ブレーキを介してケースに連結
し、前記クラッチ介装連結メンバgの第2サンギヤ側
を、第2ブレーキを介してケースに連結し、第3キャリ
ヤ側を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、前記第
3サンギヤを、第3ブレーキを介してケースに連結し、
1つのギヤ段を前記断接クラッチf(第1クラッチ)を
含む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせ
により得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えの
ない係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御
手段を設けたことを特徴とする。
【0029】請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記2要素連結メンバdを、第1キャリヤと第2リ
ングギヤとを一体に連結するメンバとし、前記クラッチ
介装連結メンバgを、第2サンギヤと第3キャリヤとを
断接クラッチfを介して連結するメンバとし、前記第1
サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連結し、前
記2要素連結メンバdを、出力軸に連結し、前記3要素
連結メンバeを、第1ブレーキを介してケースに連結
し、前記クラッチ介装連結メンバgの第3キャリヤ側
を、第2ブレーキを介してケースに連結すると共に第3
クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3サンギヤ
を、第3ブレーキを介してケースに連結し、1つのギヤ
段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッ
チ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると
共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放
制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた
ことを特徴とする。
【0030】請求項4記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記2要素連結メンバdを、第1キャリヤと第2リ
ングギヤとを一体に連結するメンバとし、前記クラッチ
介装連結メンバgを、第2サンギヤと第3キャリヤとを
断接クラッチfを介して連結するメンバとし、前記第1
サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連結し、前
記2要素連結メンバdを、出力軸に連結し、前記3要素
連結メンバeを、ブレーキやクラッチ等に対して非連結
とし、前記クラッチ介装連結メンバの第2サンギヤ側
を、第3クラッチを介して入力軸に連結し、第3キャリ
ヤ側を、第1ブレーキを介してケースに連結すると共に
第4クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3サンギ
ヤを、第2ブレーキを介してケースに連結し、1つのギ
ヤ段を前記断接クラッチf(第1クラッチ)を含む4ク
ラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得
ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合
解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設
けたことを特徴とする。
【0031】請求項5記載の自動変速機用歯車変速装置
では、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列におい
て、前記2要素連結メンバdを、第1キャリヤと第2サ
ンギヤとを一体に連結するメンバとし、前記クラッチ介
装連結メンバgを、第2リングギヤと第3キャリヤとを
断接クラッチfを介して連結するメンバとし、前記第1
サンギヤを、第1ブレーキを介してケースに連結し、前
記2要素連結メンバdを、第2ブレーキを介してケース
に連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結
し、前記3要素連結メンバeを、第3ブレーキを介して
ケースに連結し、前記クラッチ介装連結メンバgの第3
キャリヤ側を、出力軸に連結し、前記第3サンギヤを、
第3クラッチを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を
前記断接クラッチf(第1クラッチ)を含む3クラッチ
3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共
に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制
御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0032】
【作用】第1の発明の作用を説明する。
【0033】シングルピニオン型の第1遊星歯車aと第
2遊星歯車bと第3遊星歯車cのうち第1キャリヤと、
第2サンギヤと第2リングギヤのうち一方のギヤとは2
要素連結メンバdにより一体に連結され、第1リングギ
ヤと第2キャリヤと第3リングギヤとは3要素連結メン
バeにより一体に連結される。そして、第2サンギヤと
第2リングギヤのうち他方のギヤと、第3キャリヤとの
2要素は、断接クラッチfを接とする選択時に2要素が
一体に連結され、断接クラッチfを断とする選択時に2
要素が分断される。
【0034】つまり、各遊星歯車a,b,cの9個ある
回転要素のうち2要素連結メンバdにより1個少なくな
り、3要素連結メンバeにより2個少なくなる。そし
て、断接クラッチfを断とする選択時には、9個−1個
−2個=6個の回転要素を持つ遊星歯車列となり、断接
クラッチfを接とする選択時には、さらに2要素連結メ
ンバが追加されることにより、9個−1個−2個−1個
=5個の回転要素を持つ遊星歯車列となる。
【0035】よって、これらの回転要素に入力部材,出
力部材,ケースを加えて9個あるいは8個のメンバと
し、各メンバ間を一体に連結するか、全く連結しない
か、クラッチやブレーキ等の係合要素を介して連結する
かのいずれかを行ない、設けられた複数の係合要素の係
合・解放を制御することにより入力部材と出力部材間に
異なる変速比による回転状況を得ることができる。
【0036】この場合、各遊星歯車a,b,c同志の動
力伝達経路を断接クラッチfの断または接により選択で
きることで、各ギヤ段での変速比の設定自由度が高ま
り、各変速ギヤ段間の変速比を等比級数的に並ばせるこ
とが可能となる。
【0037】また、断接クラッチfにより伝達経路を断
つ用い方をすることで変速に関与しないメンバ回転が異
常に高くなることも防止できる。
【0038】第2の発明の作用を説明する。
【0039】請求項2記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチf(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段が得られる。
【0040】例えば、設定可能な複数のギヤ段から前進
6段後退1段を設定した場合、変速ショックを容易に低
減でき、変速制御が容易で、動力性能に優れ、かつ構成
が簡単な装置であるという要求性能を全て満足する。
【0041】尚、前進6段後退1段を得る係合解放制御
則で、オーバドライブギヤ段のうち1段のみで断接クラ
ッチfを断とする係合解放制御則とした場合、この断接
クラッチfを廃止して第2サンギヤと第3キャリヤを直
結にするか、もしくは、断接クラッチfを常時係合要素
とすることで、係合解放制御則を基本的に変えることな
く、前進5段後退1段を達成することができる。第2サ
ンギヤと第3キャリヤを直結とした場合、1つのギヤ段
は2クラッチ3ブレーキのうち2個の係合組み合わせに
より得られると共に、隣り合ったギヤ段での二重掛け替
えもない。
【0042】第3の発明の作用を説明する。
【0043】請求項3記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチf(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段が得られる。
【0044】例えば、設定可能な複数のギヤ段から前進
6段後退1段を設定した場合、変速ショックを容易に低
減でき、変速制御が容易で、動力性能に優れ、かつ構成
が簡単な装置であるという要求性能を全て満足する。
【0045】尚、前進6段後退1段を得る係合解放制御
則で、オーバドライブギヤ段のうち1段のみで断接クラ
ッチfを断とする係合解放制御則とした場合、この断接
クラッチfを廃止して第2サンギヤと第3キャリヤを直
結にするか、もしくは、断接クラッチfを常時係合要素
とすることで、係合解放制御則を基本的に変えることな
く、前進5段後退1段を達成することができる。第2サ
ンギヤと第3キャリヤを直結とした場合、1つのギヤ段
は2クラッチ3ブレーキのうち2個の係合組み合わせに
より得られると共に、隣り合ったギヤ段での二重掛け替
えもない。
【0046】第4の発明の作用を説明する。
【0047】請求項4記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチf(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段が得られる。
【0048】例えば、設定可能な複数のギヤ段から前進
6段後退1段を設定した場合、変速ショックを容易に低
減でき、変速制御が容易で、動力性能に優れ、かつ構成
が簡単な装置であるという要求性能を全て満足する。
【0049】第5の発明の作用を説明する。
【0050】請求項5記載の歯車変速機構に対し、変速
制御手段による変速制御により、1つのギヤ段が断接ク
ラッチf(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキ
のうち3個の係合組み合わせにより得られると共に、隣
り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則に
より複数のギヤ段が得られる。
【0051】例えば、設定可能な複数のギヤ段から前進
6段後退1段を設定した場合、変速ショックを容易に低
減でき、変速制御が容易で、動力性能に優れ、かつ構成
が簡単な装置であるという要求性能を全て満足する。
【0052】尚、前進6段後退1段を得る係合解放制御
則で、オーバドライブギヤ段のうち1段のみで断接クラ
ッチfを断とする係合解放制御則とした場合、この断接
クラッチfを廃止して第2サンギヤと第3キャリヤを直
結にするか、もしくは、断接クラッチfを常時係合要素
とすることで、係合解放制御則を基本的に変えることな
く、前進5段後退1段を達成することができる。第2サ
ンギヤと第3キャリヤを直結とした場合、1つのギヤ段
は2クラッチ3ブレーキのうち2個の係合組み合わせに
より得られると共に、隣り合ったギヤ段での二重掛け替
えもない。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0054】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0055】図2は請求項1,2記載の発明に対応する
第1実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケルト
ン図である。
【0056】図2において、PG1は第1遊星歯車、P
G2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は2
要素連結メンバ、M2は3要素連結メンバ、M3はクラ
ッチ介装連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラッ
チfに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列に
ついて説明する。
【0057】前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギヤ
S1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛
み合うピニオンを保持する第1キャリヤP1を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0058】前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギヤ
S2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛
み合うピニオンを保持する第2キャリヤP2を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0059】前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギヤ
S3と、第3リングギヤR3と、両ギヤS3,R3に噛
み合うピニオンを保持する第3キャリヤP3を有するシ
ングルピニオン型の遊星歯車である。
【0060】前記2要素連結メンバM1は、第1キャリ
ヤP1と第2リングギヤR2とを一体に連結するメンバ
である。
【0061】前記3要素連結メンバM2は、第1リング
ギヤR1と第2キャリヤP2と第3リングギヤR3を一
体に連結するメンバである。
【0062】前記クラッチ介装連結メンバM4は、第2
サンギヤS2と第3キャリヤP3とを第1クラッチC1
を介して連結するメンバである。
【0063】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0064】前記第1サンギヤS1(回転メンバA)
は、第2クラッチC2を介して入力軸ISに連結されて
いる。
【0065】前記2要素連結メンバM1(回転メンバ
B)は、出力軸OSに連結されている。
【0066】前記3要素連結メンバM2(回転メンバ
C)は、第1ブレーキB1を介してケースKに連結され
ている。
【0067】前記クラッチ介装連結メンバM3(回転メ
ンバD)の第2サンギヤS2側は、第2ブレーキB2を
介してケースKに連結されていると共に、第3キャリヤ
P3側は、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結
されている。
【0068】前記第3サンギヤS3(回転メンバE)
は、第3ブレーキB3を介してケースKに連結されてい
る。
【0069】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0070】次に、作用を説明する。
【0071】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図4の
係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラ
ッチC2と第1ブレーキB1を係合することで得られ
る。
【0072】この第1速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メ
ンバAからの入力となる。そして、第1ブレーキB1の
係合により回転メンバCはケースKに固定される。
【0073】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダードライ
ブによる第1速変速比が得られる。
【0074】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
3の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0075】尚、図3において、A,B,C,D,Eは
各回転メンバであり、矢印は入力、二重丸は出力、黒塗
り三角はブレーキ係合を示す。
【0076】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0077】この第2速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メ
ンバAからの入力となる。そして、第2ブレーキB2の
係合により回転メンバDはケースKに固定される。
【0078】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
第1速変速比よりも減速比として小さい値による第2速
変速比が得られる。
【0079】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
3の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0080】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0081】この第3速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メ
ンバAからの入力となる。そして、第3ブレーキB3の
係合により回転メンバEはケースKに固定される。
【0082】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0083】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
3の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0084】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第3クラッチC
3を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0085】この第4速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合による回転メンバAからの入力と、第1クラッチ
C1と第3クラッチC3の係合による回転メンバDから
の入力との同時入力となる。
【0086】よって、回転メンバA,Dからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0087】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
3の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0088】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第3ブレーキB
3を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0089】この第5速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合により回転メンバAからの入力となる。また、第
3クラッチC3の係合と第1クラッチC1の解放により
回転メンバDの第3キャリヤP3側からの入力となる。
そして、第3ブレーキB3の係合により回転メンバEは
ケースKに固定される。
【0090】よって、回転メンバD(第3キャリヤP3
側)の入力と回転メンバEの固定により規定される回転
メンバCの回転と、回転メンバAの固定により、回転メ
ンバBの回転が規定され、回転メンバBに連結されてい
る出力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバド
ライブ変速比による第5速変速比が得られる。
【0091】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
3の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0092】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図4の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第3ブレー
キB3を係合することで得られる。
【0093】この第6速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第3クラッチC3の係合により回転メンバDからの入
力となる。そして、第3ブレーキB3の係合により回転
メンバEはケースKに固定される。
【0094】よって、回転メンバDからの入力と、回転
メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第
6速変速比が得られる。
【0095】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
3の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0096】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図4の係合
論理表に示すように、第1クラッチC1と第3クラッチ
C3と第1ブレーキB1を係合することで得られる。
【0097】この後退ギヤ段では、第1クラッチC1と
第3クラッチC3の係合により回転メンバDからの入力
となる。そして、第1ブレーキB1の係合により回転メ
ンバCはケースKに固定される。
【0098】よって、回転メンバDからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が得ら
れる。
【0099】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により1
つの線図にて表される。
【0100】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図4の表に示す
ようになる。
【0101】具体例として、ρ1 =0.350,ρ2
0.660,ρ3 =0.600とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0102】 n1=3.860(3.5) n2/n1=0.554(0.629) n2=2.140(2.2) n3/n2=0.734(0.682) n3=1.570(1.5) n4/n3=0.637(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.690(0.700) n5=0.690(0.7) n6/n5=0.725(0.714) n6=0.500(0.5) nR=1.520 1速の変速比が少し大きいが、1速〜6速のギヤ段変速
比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速間の比
は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収まっ
ている。
【0103】[第1変形例]図5は第1実施例第1変形
例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、この
第1変形例は、図2に示す例に対し、入力側から出力側
に向かって、順次、第1遊星歯車PG1,第2遊星歯車
PG2,第3遊星歯車PG3を配列した例である。
【0104】[第2変形例]図6は第1実施例第2変形
例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、この
第2変形例は、図2に示す例に対し、入力側から出力側
に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第3遊星歯車
PG3,第1遊星歯車PG1を配列した例である。
【0105】[第3変形例]図7は第3変形例の遊星歯
車変速機構を示すスケルトン図、図8は第3変形例の共
線図、図9は係合論理表を示す図である。
【0106】この第3変形例は、図2〜図4に示す例に
対し、第2サンギヤS2と第3キャリヤP3を直結(第
1クラッチC1の廃止)とし、設計変更を最小に抑えて
前進5速化を図った例である。
【0107】すなわち、基本的に係合解放制御則は変え
ることなく、1つのギヤ段が2つの係合の組み合わせに
より得られると共に、隣り合ったギヤ段での二重掛け替
えもない。
【0108】尚、第3変形例では、図2〜図4に示す例
の6速ギヤ段を5速ギヤ段としてオーバドライブ側の1
つのギヤ段を設定している。
【0109】[第4変形例]図10は第4変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0110】この第4変形例は、図5に示す例での5速
ギヤ段化に伴い第1クラッチC1を廃止した例である。
【0111】[第5変形例]図11は第5変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0112】この第5変形例は、図6に示す例での5速
ギヤ段化に伴い第1クラッチC1を廃止した例である。
【0113】次に、効果を説明する。
【0114】第1実施例の自動変速機用歯車変速装置に
あっては、下記の長所が併せて達成される。
【0115】(1) 隣接するギヤ段への変速を1つの係合
要素の解放と1つの係合要素の係合により行なう装置と
したため、変速ショックを容易に低減できる。
【0116】(2) 前進6段後退1段の変速制御を行なう
装置でありながら、変速に必要とする係合要素の数が3
個のクラッチと3個のブレーキの6個だけの装置とした
ため、変速制御が容易となる。
【0117】(3) 各ギヤ段の変速比を目標変速比に近づ
け、且つ、変速比の隣接するギヤ段間の比をほぼ等比級
数的に並べた装置としたため、変速に際してエンジン回
転の変化がほぼ同じ変化をし、変速比に影響されずにエ
ンジン特性の良好なトルクバンドでの変速が達成される
ことで、動力性能に優れる。
【0118】ここで、なぜ各ギヤ段の変速比を目標変速
比に近づけることができ、且つ、変速比の隣接するギヤ
段間の比をほぼ等比級数的に並べることができるかにつ
いて理由を述べると、3つの遊星歯車同志の動力伝達経
路が常に定まっているギヤ列とはなっていなく、第1ク
ラッチC1の係合・解放により動力伝達経路を選択でき
ることで、第1クラッチC1を解放状態とした場合の共
線図(2本の線図)と第1クラッチC1を係合状態とし
た場合の共線図(1本の線図)とが別に描かれ、各ギヤ
段での変速比の設定自由度が大幅に高まることによる。
【0119】(4) シングルピニオン型の遊星歯車のみを
3個を用い、アド・オン型ではなくインテグラルタイプ
とし、且つ、変速に必要とする係合要素の数が3個のク
ラッチと3個のブレーキの6個だけの装置としたため、
構成が簡単であり、小型・軽量・低コストを達成するこ
とができる。
【0120】(5) 前進6段後退1段の係合解放制御則
で、2つのオーバドライブギヤ段の一方でのみ第1クラ
ッチC1を解放する制御則としているため、第1クラッ
チC1の廃止もしくは第1クラッチC1の常時係合によ
り、基本的に係合解放制御則を何ら変更することなく、
容易に前進6段後退1段から前進5段後退1段化を達成
することができる。
【0121】(第2実施例)まず、構成を説明する。
【0122】図12は請求項1,3記載の発明に対応す
る第2実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0123】図12において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
2要素連結メンバ、M2は3要素連結メンバ、M3はク
ラッチ介装連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラ
ッチfに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列
については第1実施例と同様である。
【0124】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0125】第1サンギヤS1(回転メンバA)と2要
素連結メンバM1(回転メンバB)と3要素連結メンバ
M2(回転メンバC)と第3サンギヤS3(回転メンバ
E)については、第1実施例と同様である。
【0126】第1実施例と異なるのは、クラッチ介装連
結メンバM3(回転メンバD)であり、クラッチ介装連
結メンバM3の第2サンギヤS2側は、クラッチ,ブレ
ーキ等に対して非連結であり、第3キャリヤP3側は、
第2ブレーキB2を介してケースKに連結されていると
共に第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されて
いる。
【0127】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0128】次に、作用を説明する。
【0129】[各ギヤ段]第1速ギヤ段〜後退ギヤ段で
の各係合要素C1,C2,C3,B1,B2,B3に対
する係合解放制御則は、図3及び図4と第13図及び図
14との比較からも明らかなように、第1実施例と全く
同様である。
【0130】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図14の表に示
すようになる。
【0131】具体例として、ρ1 =0.400,ρ2
0.600,ρ3 =0.600とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0132】 n1=3.500(3.5) n2/n1=0.554(0.629) n2=1.940(2.2) n3/n2=0.753(0.682) n3=1.460(1.5) n4/n3=0.685(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.700(0.700) n5=0.700(0.7) n6/n5=0.729(0.714) n6=0.510(0.5) nR=1.670 2速,3速の変速比が少し小さいが、1速〜6速のギヤ
段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6速
間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に
収まっている。
【0133】[第1変形例]図15は第1変形例での共
線図、図16は係合論理表を示す図である。
【0134】この第1変形例は、図12〜図14に示す
例に対し、第1速ギヤ段の係合則を異ならせた例であ
る。
【0135】すなわち、第1変形例での第1速ギヤ段
は、図16の係合論理表に示すように、第2クラッチC
2と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3を係合するこ
とで得られる。
【0136】この第1速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合により回転メンバAからの入力となる。そして、
第2ブレーキB2の係合により回転メンバDの第3キャ
リヤP3側はケースKに固定され、また、第3ブレーキ
B3の係合により回転メンバEはケースKに固定され
る。
【0137】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバD(第3キャリヤP3側)と回転メンバEの固定
に規定された回転メンバCの固定により、回転メンバB
の回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力
軸OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きな
アンダードライブによる第1速変速比が得られる。
【0138】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
15の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0139】尚、第1速ギヤ段変速比は、図12〜図1
4に示す例と同様になる。
【0140】[第2変形例]図17は第2実施例第2変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第2変形例は、図12に示す例に対し、入力側から出
力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第3遊星
歯車PG3,第1遊星歯車PG1を配列した例である。
【0141】[第3変形例]図18は第2実施例第3変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第3変形例は、図12に示す例に対し、入力側から出
力側に向かって、順次、第3遊星歯車PG3,第1遊星
歯車PG1,第2遊星歯車PG2を配列した例である。
【0142】[第4変形例]図19は第4変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図、図20は第4変形例
の共線図、図21は係合論理表を示す図である。
【0143】この第4変形例は、図12〜図14に示す
例に対し、第2サンギヤS2と第3キャリヤP3を直結
(第1クラッチC1の廃止)とし、設計変更を最小に抑
えて前進5速化を図った例である。
【0144】すなわち、基本的に係合解放制御則は変え
ることなく、1つのギヤ段が2つの係合の組み合わせに
より得られると共に、隣り合ったギヤ段での二重掛け替
えもない。
【0145】尚、第4変形例では、図12〜図14に示
す例の6速ギヤ段を5速ギヤ段としてオーバドライブ側
の1つのギヤ段を設定している。
【0146】[第5変形例]図22は第5変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0147】この第5変形例は、図17に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第1クラッチC1を廃止した例であ
る。
【0148】[第6変形例]図23は第6変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0149】この第6変形例は、図18に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第1クラッチC1を廃止した例であ
る。
【0150】次に、効果を説明する。
【0151】この第2実施例にあっても、第1実施例で
記載した(1) 〜(5) と同様の効果を得ることができる。
【0152】(第3実施例)まず、構成を説明する。
【0153】図24は請求項1,4記載の発明に対応す
る第3実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0154】図24において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
2要素連結メンバ、M2は3要素連結メンバ、M3はク
ラッチ介装連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラ
ッチfに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列
については第1実施例と同様である。
【0155】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0156】第1サンギヤS1(回転メンバA)と2要
素連結メンバM1(回転メンバB)については、第1実
施例と同様である。
【0157】第1実施例と異なる3要素連結メンバM2
(回転メンバC)とクラッチ介装連結メンバM3(回転
メンバD)と第3サンギヤS3(回転メンバE)につい
て説明する。
【0158】前記3要素連結メンバM2(回転メンバ
C)は、クラッチやブレーキ等に対して非連結(フリ
ー)とされている。
【0159】前記クラッチ介装連結メンバM3(回転メ
ンバD)の第2サンギヤS2側は、第3クラッチC3を
介して入力軸ISに連結され、第3キャリヤP3側は、
第1ブレーキB1を介してケースKに連結されていると
共に第4クラッチC4を介して入力軸ISに連結されて
いる。
【0160】前記第3サンギヤS3(回転メンバE)
は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結されてい
る。
【0161】そして、1つのギヤ段を前記4個のクラッ
チC1,C2,C3,C4と2個のブレーキB1,B2
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0162】次に、作用を説明する。
【0163】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図26
の係合論理表に示すように、第2クラッチC2と第1ブ
レーキB1と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0164】この第1速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合により回転メンバAからの入力となる。そして、
第1ブレーキB1の係合により回転メンバDの第3キャ
リヤP3側はケースKに固定され、また、第2ブレーキ
B2の係合により回転メンバEはケースKに固定され
る。
【0165】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバD(第3キャリヤP3側)と回転メンバEの固定
に規定された回転メンバCの固定により、回転メンバB
の回転が規定され、回転メンバBに連結されている出力
軸OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比の大きな
アンダードライブによる第1速変速比が得られる。
【0166】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
25の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0167】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図26の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0168】この第2速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メ
ンバAからの入力となる。そして、第1ブレーキB1の
係合により回転メンバDはケースKに固定される。
【0169】よって、回転メンバAからの入力と、回転
メンバDの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
第1速変速比よりも減速比として小さい値による第2速
変速比が得られる。
【0170】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
25の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0171】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2ブレーキB
2締結する。つまり、図26の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0172】この第3速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メ
ンバAからの入力となる。そして、第2ブレーキB2の
係合により回転メンバEはケースKに固定される。
【0173】よって、回転メンバAからの入力回転と、
回転メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定
され、回転メンバBに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0174】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
25の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0175】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第4クラッチC
4を締結する。つまり、図26の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第4クラッ
チC4を係合することで得られる。
【0176】この第4速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合による回転メンバAからの入力と、第1クラッチ
C1と第4クラッチC4の係合による回転メンバDから
の入力との同時入力となる。
【0177】よって、回転メンバA,Dからの同時入力
により回転メンバBの回転が入力回転に規定され、回転
メンバBに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0178】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
25の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0179】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図26の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第4クラッチC4と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0180】この第5速ギヤ段では、第2クラッチC2
の係合により回転メンバAからの入力となる。また、第
4クラッチC4の係合と第1クラッチC1の解放により
回転メンバDの第3キャリヤP3側からの入力となる。
そして、第2ブレーキB2の係合により回転メンバEは
ケースKに固定される。
【0181】よって、回転メンバD(第3キャリヤP3
側)の入力と回転メンバEの固定により規定される回転
メンバCの回転と、回転メンバAの固定により、回転メ
ンバBの回転が規定され、回転メンバBに連結されてい
る出力軸OSからは、入力軸ISより高回転のオーバド
ライブ変速比による第5速変速比が得られる。
【0182】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
25の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0183】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第2クラッチC2を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図26の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第4クラッチC4と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0184】この第6速ギヤ段では、第1クラッチC1
と第4クラッチC4の係合により回転メンバDからの入
力となる。そして、第2ブレーキB2の係合により回転
メンバEはケースKに固定される。
【0185】よって、回転メンバDからの入力と、回転
メンバEの固定により、回転メンバBの回転が規定さ
れ、回転メンバBに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第
6速変速比が得られる。
【0186】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
25の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0187】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図26の係
合論理表に示すように、第3クラッチC3と第1ブレー
キB1と第2ブレーキB2を係合することで得られる。
【0188】この後退ギヤ段では、第3クラッチC3の
係合と第1クラッチC1の解放により回転メンバDの第
2サンギヤS2からの入力となる。そして、第1ブレー
キB1の係合により回転メンバDの第3キャリヤP3側
はケースKに固定され、第2ブレーキB2の係合により
回転メンバEはケースKに固定される。
【0189】よって、回転メンバDの第2サンギヤS2
からの入力と、回転メンバD(第3キャリヤP3側)と
回転メンバEの固定に伴う回転メンバCの固定により、
回転メンバBの回転が規定され、回転メンバBに連結さ
れている出力軸OSからは、入力軸ISに対し逆回転に
よる後退ギヤ段変速比が得られる。
【0190】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図2
5のRevに示す通り、第1クラッチC1の解放により
2つの線図にて表される。
【0191】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図26の表に示
すようになる。
【0192】具体例として、ρ1 =0.400,ρ2
0.670,ρ3 =0.600とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0193】 n1=3.500(3.5) n2/n1=0.571(0.629) n2=2.000(2.2) n3/n2=0.750(0.682) n3=1.500(1.5) n4/n3=0.667(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.700(0.700) n5=0.700(0.7) n6/n5=0.714(0.714) n6=0.500(0.5) nR=1.490 2速の変速比が少し小さいだけで、1速〜6速のギヤ段
変速比は目標の変速比に一致する。また、1速〜6速間
の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲に収
まっている。
【0194】[第1変形例]図27は第3実施例第1変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第1変形例は、図24に示す例に対し、入力側から出
力側に向かって、順次、第3遊星歯車PG3,第2遊星
歯車PG2,第1遊星歯車PG1を配列した例である。
【0195】[第2変形例]図28は第3実施例第2変
形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、こ
の第2変形例は、図24に示す例に対し、入力側から出
力側に向かって、順次、第1遊星歯車PG1,第3遊星
歯車PG3,第2遊星歯車PG2を配列した例である。
【0196】次に、効果を説明する。
【0197】第3実施例の自動変速機用歯車変速装置に
あっては、第1実施例に記載の(1)〜(4) と同様の効果
を得ることができる。
【0198】(第4実施例)まず、構成を説明する。
【0199】図29は請求項1,5記載の発明に対応す
る第4実施例の自動変速機用歯車変速機構を示すスケル
トン図である。
【0200】図29において、PG1は第1遊星歯車、
PG2は第2遊星歯車、PG3は第3遊星歯車、M1は
2要素連結メンバ、M2は3要素連結メンバ、M3はク
ラッチ介装連結メンバ、C1は第1クラッチ(断接クラ
ッチfに相当)で、これらにより構成される遊星歯車列
は、2要素連結メンバM1とクラッチ介装連結メンバM
3以外については第1実施例と同様である。
【0201】前記2要素連結メンバM1は、第1キャリ
ヤP1と第2サンギヤS2とを一体に連結するメンバで
ある。
【0202】前記クラッチ介装連結メンバM3は、第2
リングギヤR2と第3キャリヤP3とを第1クラッチC
1を介して連結するメンバである。
【0203】上記遊星歯車列を自動変速機用歯車変速機
構にするにあたって、遊星歯車列に付加されるメンバ並
びに係合要素について説明する。
【0204】前記第1サンギヤS1(回転メンバA)
は、第1ブレーキB1を介してケースKに連結されてい
る。
【0205】前記2要素連結メンバM1(回転メンバ
B)は、第2ブレーキB2を介してケースKに連結され
ていると共に、第2クラッチC2を介して入力軸ISに
連結されている。
【0206】前記3要素連結メンバM2(回転メンバ
C)は、第3ブレーキB3を介してケースKに連結され
ている。
【0207】前記クラッチ介装連結メンバM3(回転メ
ンバD)の第3キャリヤP3側は、出力軸OSに連結さ
れている。
【0208】前記第3サンギヤS3(回転メンバE)
は、第3クラッチC3を介して入力軸ISに連結されて
いる。
【0209】そして、1つのギヤ段を前記3個のクラッ
チC1,C2,C3と3個のブレーキB1,B2,B3
のうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合
ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御により前
進6段で後退1段のギヤ段を得る図外の変速制御手段
(全油圧制御式あるいは電子制御+油圧制御式)が上記
自動変速機用歯車変速機構に接続されている。
【0210】次に、作用を説明する。
【0211】[第1速ギヤ段]第1速ギヤ段は、図31
の係合論理表に示すように、第1クラッチC1と第3ク
ラッチC3と第3ブレーキB3を係合することで得られ
る。
【0212】この第1速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第3クラッチC3の係合により回転メ
ンバEからの入力となる。そして、第3ブレーキB3の
係合により回転メンバCはケースKに固定される。
【0213】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバDの回転が規定さ
れ、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISの回転に対し減速比の大きなアンダードライ
ブによる第1速変速比が得られる。
【0214】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
30の1stに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0215】[第2速ギヤ段]第2速ギヤ段は、第1速
ギヤ段での第3ブレーキB3を解放して第2ブレーキB
2を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第2ブレー
キB2を係合することで得られる。
【0216】この第2速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第3クラッチC3の係合により回転メ
ンバEからの入力となる。そして、第2ブレーキB2の
係合により回転メンバBはケースKに固定される。
【0217】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバBの固定により、回転メンバDの回転が規定さ
れ、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、
第1速変速比よりも減速比として小さい値による第2速
変速比が得られる。
【0218】すなわち、第2速ギヤ段での共線図は、図
30の2ndに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0219】[第3速ギヤ段]第3速ギヤ段は、第2速
ギヤ段での第2ブレーキB2を解放して第1ブレーキB
1締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0220】この第3速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第3クラッチC3の係合により回転メ
ンバEからの入力となる。そして、第1ブレーキB1の
係合により回転メンバAはケースKに固定される。
【0221】よって、回転メンバEからの入力回転と、
回転メンバAの固定により、回転メンバDの回転が規定
され、回転メンバDに連結されている出力軸OSから
は、第2速変速比よりも減速比として小さい値による第
3速変速比が得られる。
【0222】すなわち、第3速ギヤ段での共線図は、図
30の3rdに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0223】[第4速ギヤ段]第4速ギヤ段は、第3速
ギヤ段での第1ブレーキB1を解放して第2クラッチC
2を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッ
チC3を係合することで得られる。
【0224】この第4速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合による回転メ
ンバBからの入力と、第3クラッチC3の係合による回
転メンバEからの入力との同時入力となる。
【0225】よって、回転メンバB,Eからの同時入力
により回転メンバDの回転が入力回転に規定され、回転
メンバDに連結されている出力軸OSからは、変速比1
による第4速変速比が得られる。
【0226】すなわち、第4速ギヤ段での共線図は、図
30の4thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0227】[第5速ギヤ段]第5速ギヤ段は、第4速
ギヤ段での第1クラッチC1を解放して第1ブレーキB
1を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0228】この第5速ギヤ段では、第1クラッチC1
の解放により回転メンバDは分断される。また、第2ク
ラッチC2の係合による回転メンバBからの入力と、第
3クラッチC3の係合による回転メンバEからの入力と
なる。そして、第1ブレーキB1の係合により回転メン
バAはケースKに固定される。
【0229】よって、回転メンバBの入力と回転メンバ
Aの固定により規定される回転メンバCの回転と、回転
メンバEの入力回転により、回転メンバDの第3キャリ
ヤP3側の回転が規定され、回転メンバDの第3キャリ
ヤP3側に連結されている出力軸OSからは、入力軸I
Sより高回転のオーバドライブ変速比による第5速変速
比が得られる。
【0230】すなわち、第5速ギヤ段での共線図は、図
30の5thに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0231】[第6速ギヤ段]第6速ギヤ段は、第5速
ギヤ段での第3クラッチC3を解放して第1クラッチC
1を締結する。つまり、図31の係合論理表に示すよう
に、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第1ブレー
キB1を係合することで得られる。
【0232】この第6速ギヤ段では、第1クラッチC1
の係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一
体となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メ
ンバBからの入力となる。そして、第1ブレーキB1の
係合により回転メンバAはケースKに固定される。
【0233】よって、回転メンバBからの入力と、回転
メンバAの固定により、回転メンバDの回転が規定さ
れ、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISより高回転のオーバドライブ変速比による第
6速変速比が得られる。
【0234】すなわち、第6速ギヤ段での共線図は、図
30の6thに示す通り、第1クラッチC1の係合によ
り1つの線図にて表される。
【0235】[後退ギヤ段]後退ギヤ段は、図31の係
合論理表に示すように、第1クラッチC1と第2クラッ
チC2と第3ブレーキB3を係合することで得られる。
【0236】この後退ギヤ段では、第1クラッチC1の
係合により回転メンバDは2要素連結メンバとして一体
となる。また、第2クラッチC2の係合により回転メン
バBからの入力となる。そして、第3ブレーキB3の係
合により回転メンバCはケースKに固定される。
【0237】よって、回転メンバBからの入力と、回転
メンバCの固定により、回転メンバDの回転が規定さ
れ、回転メンバDに連結されている出力軸OSからは、
入力軸ISに対し逆回転による後退ギヤ段変速比が得ら
れる。
【0238】すなわち、後退ギヤ段での共線図は、図3
0のRevに示す通り、第1クラッチC1の係合により
1つの線図にて表される。
【0239】[各ギヤ段変速比]第1遊星歯車PG1の
ギヤ比ρ1 (=zS1/zR1)、第2遊星歯車PG2のギ
ヤ比ρ2 (=zS2/zR2)、第3遊星歯車PG3のギヤ
比ρ3 (=zS3/zR3)とした時、各ギヤ段変速比n
1,n2,n4,n5,n6,nRは、図31の表に示
すようになる。
【0240】具体例として、ρ1 =0.600,ρ2
0.600,ρ3 =0.400とした時、各ギヤ段変速
比と隣接するギヤ段間の比は下記のようになる。尚、カ
ッコ内は目標値を示す。
【0241】 n1=3.500(3.5) n2/n1=0.554(0.629) n2=1.940(2.2) n3/n2=0.753(0.682) n3=1.460(1.5) n4/n3=0.685(0.667) n4=1.000(1.0) n5/n4=0.700(0.700) n5=0.700(0.7) n6/n5=0.729(0.714) n6=0.510(0.5) nR=1.670 2,3速の変速比が少し小さいだけで、1速〜6速のギ
ヤ段変速比はほぼ目標の変速比となる。また、1速〜6
速間の比は、目標とする比に対し許容される偏差の範囲
に収まっている。
【0242】[第1変形例]図32は第4実施例の第1
変形例の共線図、図33は第1変形例の係合論理表を示
す図である。
【0243】この第1変形例は、第1速ギヤ段での係合
則を、図29〜図31に示す例とは異ならせた例であ
る。
【0244】第1変形例での第1速ギヤ段は、図33の
係合論理表に示すように、第3クラッチC3と第1ブレ
ーキB1と第2ブレーキB2を係合することで得られ
る。
【0245】この第1速ギヤ段では、第3クラッチC3
の係合により回転メンバEからの入力となる。そして、
第1ブレーキB1の係合により回転メンバAはケースK
に固定され、また、第2ブレーキB2の係合により回転
メンバBはケースKに固定される。
【0246】よって、回転メンバEからの入力と、回転
メンバA,Bの固定に規定された回転メンバCの固定に
より、回転メンバDの第3キャリヤP3側の回転が規定
され、回転メンバDの第3キャリヤP3側に連結されて
いる出力軸OSからは、入力軸ISの回転に対し減速比
の大きなアンダードライブによる第1速変速比が得られ
る。
【0247】すなわち、第1速ギヤ段での共線図は、図
32の1stに示す通り、第1クラッチC1の解放によ
り2つの線図にて表される。
【0248】尚、第2速ギヤ段〜後退ギヤ段について
は、図29〜図31に示す例と同様である。
【0249】[第2変形例]図34は第4実施例の第1
変形例の遊星歯車変速機構を示すスケルトン図であり、
この第2変形例は、図29に示す例に対し、入力側から
出力側に向かって、順次、第2遊星歯車PG2,第3遊
星歯車PG3,第1遊星歯車PG1を配列した例であ
る。
【0250】[第3変形例]図35は第3変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図、図36は第3変形例
の共線図、図37は係合論理表を示す図である。
【0251】この第3変形例は、図29に示す例に対
し、入力側から出力側に向かって、順次、第2遊星歯車
PG2,第1遊星歯車PG1,第3遊星歯車PG3を配
列した例であると共に、第1クラッチC1を常時係合要
素として、前進5速後退1速を実現した例である。
【0252】すなわち、図36及び図37から明らかな
ように、基本的に係合解放制御則は変えることなく、第
1クラッチC1を常時係合要素とし、図29〜図31に
示す例の6速ギヤ段を5速ギヤ段としてオーバドライブ
側の1つのギヤ段を設定し、1つのギヤ段を3つの係合
の組み合わせにより得ると共に、隣り合ったギヤ段での
二重掛け替えもない係合解放としている。
【0253】[第4変形例]図38は第4変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0254】この第4変形例は、図29に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第1クラッチC1を廃止した例であ
る。
【0255】[第5変形例]図39は第5変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0256】この第5変形例は、図34に示す例での5
速ギヤ段化に伴い第1クラッチC1を廃止した例であ
る。
【0257】[第6変形例]図40は第6変形例の遊星
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【0258】この第6変形例は、図35に示す例での5
速ギヤ段化に伴い、第1クラッチC1を常時係合要素と
するのに代えて第1クラッチC1を廃止した例である。
【0259】次に、効果を説明する。
【0260】第4実施例の自動変速機用歯車変速装置に
あっては、第1実施例に記載の(1)〜(5) と同様の効果
を得ることができる。
【0261】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0262】例えば、請求項1記載の自動変速機用遊星
歯車列を持つ歯車変速機構であれば本発明に含まれる。
【0263】また、実施例では、変速に必要な係合要素
のみを用いた自動変速機用歯車変速機構の例を示した
が、制御を簡単にするために一方向クラッチを入れた
り、一方向クラッチを入れてもコースティング側でエン
ジンブレーキが効くようにブレーキ手段を追加したり、
さらに、入力軸及び出力軸を連結する要素やケースに固
定すべき要素は必要に応じて適宜決めれば良いことは当
然のところである。
【0264】
【発明の効果】請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
にあっては、シングルピニオン型の第1遊星歯車と、シ
ングルピニオン型の第2遊星歯車と、シングルピニオン
型の第3遊星歯車と、第1キャリヤと、第2サンギヤと
第2リングギヤのうち一方のギヤとを一体に連結する2
要素連結メンバと、第1リングギヤと第2キャリヤと第
3リングギヤとを一体に連結する3要素連結メンバと、
第2サンギヤと第2リングギヤのうち他方のギヤと、第
3キャリヤとを断接クラッチを介して連結するクラッチ
介装連結メンバとを備えた構成としたため、変速ショッ
クを容易に低減でき、変速制御が容易で、動力性能に優
れ、かつ構成が簡単な自動変速機用遊星歯車列を提供す
ることができるという効果が得られる。
【0265】請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記2要素連結メンバを、第1キャリヤと第2
リングギヤとを一体に連結するメンバとし、前記クラッ
チ介装連結メンバを、第2サンギヤと第3キャリヤとを
断接クラッチを介して連結するメンバとし、前記第1サ
ンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記
2要素連結メンバを、出力軸に連結し、前記3要素連結
メンバを、第1ブレーキを介してケースに連結し、前記
クラッチ介装連結メンバの第2サンギヤ側を、第2ブレ
ーキを介してケースに連結し、第3キャリヤ側を、第3
クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3サンギヤ
を、第3ブレーキを介してケースに連結し、1つのギヤ
段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッ
チ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると
共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放
制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた
装置としたため、変速ショックを容易に低減でき、変速
制御が容易で、動力性能に優れ、かつ構成が簡単な自動
変速機用歯車変速装置を提供することができるという効
果が得られる。
【0266】請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記2要素連結メンバを、第1キャリヤと第2
リングギヤとを一体に連結するメンバとし、前記クラッ
チ介装連結メンバを、第2サンギヤと第3キャリヤとを
断接クラッチを介して連結するメンバとし、前記第1サ
ンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記
2要素連結メンバを、出力軸に連結し、前記3要素連結
メンバを、第1ブレーキを介してケースに連結し、前記
クラッチ介装連結メンバの第3キャリヤ側を、第2ブレ
ーキを介してケースに連結すると共に第3クラッチを介
して入力軸に連結し、前記第3サンギヤを、第3ブレー
キを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前記断接ク
ラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキの
うち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合っ
たギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複
数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたた
め、変速ショックを容易に低減でき、変速制御が容易
で、動力性能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯
車変速装置を提供することができるという効果が得られ
る。
【0267】請求項4記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記2要素連結メンバを、第1キャリヤと第2
リングギヤとを一体に連結するメンバとし、前記クラッ
チ介装連結メンバを、第2サンギヤと第3キャリヤとを
断接クラッチを介して連結するメンバとし、前記第1サ
ンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連結し、前記
2要素連結メンバを、出力軸に連結し、前記3要素連結
メンバを、ブレーキやクラッチ等に対して非連結とし、
前記クラッチ介装連結メンバの第2サンギヤ側を、第3
クラッチを介して入力軸に連結し、第3キャリヤ側を、
第1ブレーキを介してケースに連結すると共に第4クラ
ッチを介して入力軸に連結し、前記第3サンギヤを、第
2ブレーキを介してケースに連結し、1つのギヤ段を前
記断接クラッチ(第1クラッチ)を含む4クラッチ2ブ
レーキのうち3個の係合組み合わせにより得ると共に、
隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則
により複数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置と
したため、変速ショックを容易に低減でき、変速制御が
容易で、動力性能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機
用歯車変速装置を提供することができるという効果が得
られる。
【0268】請求項5記載の自動変速機用歯車変速装置
にあっては、請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列に
おいて、前記2要素連結メンバを、第1キャリヤと第2
サンギヤとを一体に連結するメンバとし、前記クラッチ
介装連結メンバを、第2リングギヤと第3キャリヤとを
断接クラッチを介して連結するメンバとし、前記第1サ
ンギヤを、第1ブレーキを介してケースに連結し、前記
2要素連結メンバを、第2ブレーキを介してケースに連
結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結し、前
記3要素連結メンバを、第3ブレーキを介してケースに
連結し、前記クラッチ介装連結メンバの第3キャリヤ側
を、出力軸に連結し、前記第3サンギヤを、第3クラッ
チを介して入力軸に連結し、1つのギヤ段を前記断接ク
ラッチ(第1クラッチ)を含む3クラッチ3ブレーキの
うち3個の係合組み合わせにより得ると共に、隣り合っ
たギヤ段で二重掛け替えのない係合解放制御則により複
数のギヤ段を得る変速制御手段を設けた装置としたた
め、変速ショックを容易に低減でき、変速制御が容易
で、動力性能に優れ、かつ構成が簡単な自動変速機用歯
車変速装置を提供することができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機用遊星歯車列を示すクレー
ム対応図である。
【図2】第1実施例装置の自動変速機用歯車変速機構を
示すスケルトン図である。
【図3】第1実施例装置での変速制御における各ギヤ段
でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図4】第1実施例装置での変速制御における各ギヤ段
での係合論理表を示す図である。
【図5】第1実施例装置の第1変形例の自動変速機用歯
車変速機構を示すスケルトン図である。
【図6】第1実施例装置の第2変形例の自動変速機用歯
車変速機構を示すスケルトン図である。
【図7】第1実施例装置の第3変形例の自動変速機用歯
車変速機構を示すスケルトン図である。
【図8】第1実施例装置の第3変形例での変速制御にお
ける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図9】第1実施例装置の第3変形例での変速制御にお
ける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図10】第1実施例装置の第4変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図11】第1実施例装置の第5変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図12】第2実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図である。
【図13】第2実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図14】第2実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図15】第2実施例装置の第1変形例での変速制御に
おける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図であ
る。
【図16】第2実施例装置の第1変形例での変速制御に
おける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図17】第2実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図18】第2実施例装置の第3変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図19】第2実施例装置の第4変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図20】第2実施例装置の第4変形例での変速制御に
おける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図であ
る。
【図21】第2実施例装置の第4変形例での変速制御に
おける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図22】第2実施例装置の第5変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図23】第2実施例装置の第6変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図24】第3実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図である。
【図25】第3実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図26】第3実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図27】第3実施例装置の第1変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図28】第3実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図29】第4実施例装置の自動変速機用歯車変速機構
を示すスケルトン図である。
【図30】第4実施例装置での変速制御における各ギヤ
段でのメンバ回転状態を示す共線図である。
【図31】第4実施例装置での変速制御における各ギヤ
段での係合論理表を示す図である。
【図32】第4実施例装置の第1変形例での変速制御に
おける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図であ
る。
【図33】第4実施例装置の第1変形例での変速制御に
おける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図34】第4実施例装置の第2変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図35】第4実施例装置の第3変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図36】第4実施例装置の第3変形例での変速制御に
おける各ギヤ段でのメンバ回転状態を示す共線図であ
る。
【図37】第4実施例装置の第3変形例での変速制御に
おける各ギヤ段での係合論理表を示す図である。
【図38】第4実施例装置の第4変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図39】第4実施例装置の第5変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図40】第4実施例装置の第6変形例の自動変速機用
歯車変速機構を示すスケルトン図である。
【図41】従来装置の自動変速機用歯車変速機構を示す
スケルトン図である。
【図42】従来装置での変速制御における各ギヤ段での
メンバ回転状態を示す共線図である。
【図43】従来装置での変速制御における各ギヤ段での
係合論理表を示す図である。
【図44】スロットル開度をパラメータとしたエンジン
回転数に対するエンジントルク特性図である。
【符号の説明】
a 第1遊星歯車 b 第2遊星歯車 c 第3遊星歯車 d 2要素連結メンバ e 3要素連結メンバ f 断接クラッチ g クラッチ介装連結メンバ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1サンギヤと、第1リングギヤと、両
    ギヤに噛み合うピニオンを保持する第1キャリヤを有す
    るシングルピニオン型の第1遊星歯車と、 第2サンギヤと、第2リングギヤと、両ギヤに噛み合う
    ピニオンを保持する第2キャリヤを有するシングルピニ
    オン型の第2遊星歯車と、 第3サンギヤと、第3リングギヤと、両ギヤに噛み合う
    ピニオンを保持する第3キャリヤを有するシングルピニ
    オン型の第3遊星歯車と、 前記第1キャリヤと、第2サンギヤと第2リングギヤの
    うち一方のギヤとを一体に連結する2要素連結メンバ
    と、 前記第1リングギヤと第2キャリヤと第3リングギヤと
    を一体に連結する3要素連結メンバと、 前記第2サンギヤと第2リングギヤのうち他方のギヤ
    と、第3キャリヤとを断接クラッチを介して連結するク
    ラッチ介装連結メンバと、 を備えていることを特徴とする自動変速機用遊星歯車
    列。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記2要素連結メンバを、第1キャリヤと第2リングギ
    ヤとを一体に連結するメンバとし、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2サンギヤと第3キ
    ャリヤとを断接クラッチを介して連結するメンバとし、 前記第1サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連
    結し、 前記2要素連結メンバを、出力軸に連結し、 前記3要素連結メンバを、第1ブレーキを介してケース
    に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第2サンギヤ側を、第2
    ブレーキを介してケースに連結し、第3キャリヤ側を、
    第3クラッチを介して入力軸に連結し、 前記第3サンギヤを、第3ブレーキを介してケースに連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記2要素連結メンバを、第1キャリヤと第2リングギ
    ヤとを一体に連結するメンバとし、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2サンギヤと第3キ
    ャリヤとを断接クラッチを介して連結するメンバとし、 前記第1サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連
    結し、 前記2要素連結メンバを、出力軸に連結し、 前記3要素連結メンバを、第1ブレーキを介してケース
    に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第3キャリヤ側を、第2
    ブレーキを介してケースに連結すると共に第3クラッチ
    を介して入力軸に連結し、 前記第3サンギヤを、第3ブレーキを介してケースに連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記2要素連結メンバを、第1キャリヤと第2リングギ
    ヤとを一体に連結するメンバとし、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2サンギヤと第3キ
    ャリヤとを断接クラッチを介して連結するメンバとし、 前記第1サンギヤを、第2クラッチを介して入力軸に連
    結し、 前記2要素連結メンバを、出力軸に連結し、 前記3要素連結メンバを、ブレーキやクラッチ等に対し
    て非連結とし、 前記クラッチ介装連結メンバの第2サンギヤ側を、第3
    クラッチを介して入力軸に連結し、第3キャリヤ側を、
    第1ブレーキを介してケースに連結すると共に第4クラ
    ッチを介して入力軸に連結し、 前記第3サンギヤを、第2ブレーキを介してケースに連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む4クラッチ2ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の自動変速機用遊星歯車列
    において、 前記2要素連結メンバを、第1キャリヤと第2サンギヤ
    とを一体に連結するメンバとし、 前記クラッチ介装連結メンバを、第2リングギヤと第3
    キャリヤとを断接クラッチを介して連結するメンバと
    し、 前記第1サンギヤを、第1ブレーキを介してケースに連
    結し、 前記2要素連結メンバを、第2ブレーキを介してケース
    に連結すると共に第2クラッチを介して入力軸に連結
    し、 前記3要素連結メンバを、第3ブレーキを介してケース
    に連結し、 前記クラッチ介装連結メンバの第3キャリヤ側を、出力
    軸に連結し、 前記第3サンギヤを、第3クラッチを介して入力軸に連
    結し、 1つのギヤ段を前記断接クラッチ(第1クラッチ)を含
    む3クラッチ3ブレーキのうち3個の係合組み合わせに
    より得ると共に、隣り合ったギヤ段で二重掛け替えのな
    い係合解放制御則により複数のギヤ段を得る変速制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装
    置。
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