JP3682354B2 - 自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤと少ない必要締結要素を持ち前進5速が可能な自動変速機用歯車変速装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤと少ない必要締結要素を持ち、2重掛け替えのない変速制御則により前進5速が可能な自動変速機用歯車変速装置としては、例えば、特開平7−4478号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、図26のスケルトン図に示すように、リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤG1,G2,G3と、2個の断接クラッチ(第1クラッチC1,第2クラッチC2)と1個のロッククラッチ(第3クラッチC3)と3個のブレーキB1,B2,B3との計6個の必要締結要素を持ち、図27の締結作動表に示すように、2重掛け替えのない変速制御則により前進5速・後退1速を得る技術が示されている。
【0004】
また、この従来装置では、変速時にブレーキやクラッチの油圧制御では難しい締結・解放タイミングを完全なタイミング(インターロックやエンジン吹き上がりのないタイミング)とするため、1−2変速と2−3変速とにワンウェイクラッチ変速(以下、OWC変速)が採用されていて、第2クラッチC2と並列に第1ワンウェイクラッチF1が設けられ、第2ブレーキB2と並列に第2ワンウェイクラッチF2が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動変速機用歯車変速装置にあっては、1−2変速と2−3変速とにOWC変速を採用することにより第2遊星ギヤG2と第3遊星ギヤG3との間に互いに並列な第2クラッチC2と第1ワンウェイクラッチF1とが配置されることになるし、且つ、両クラッチC2,F1とは平行で隣接した位置には出力軸が配置されるため、構造が複雑になると共に自動変速機の径方向寸法が大きくなってしまう。
【0006】
すなわち、両クラッチC2,F1が2つの遊星ギヤG2,G3に跨がって配置されるため、構造が複雑になる。また、出力軸は高トルク伝達のために軸径を大きく設定しなければならず、この出力軸と両クラッチC2,F1とが径方向に配列されるため、自動変速機の径方向寸法が必然的に大きくなってしまう。
【0007】
さらに、1−2変速のみにOWC変速を採用する変更を行なう場合、図26に示す変速機構から第1ワンウェイクラッチF1を無くすことで行なわれるが、この場合、油圧により締結・解放されるクラッチの個数が全く減少することなく、必要締結要素の数は合計6個のままとなる。
【0008】
ちなみに、最近の自動変速機では、1−2変速以外はOWC変速を採用することなく、変速時に変化するギヤ比を監視しながら締結圧や解放圧を電子制御するタイミング制御で行なわれる場合が多く、これにより、変速機構で用いられるワンウェイクラッチを含む締結要素の数を減らし、自動変速機のより小型軽量化を目指そうとする傾向にある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤと少ない必要締結要素数による低コスト・軽量・小型化と、1−2変速や1−2,2−3変速にOWC変速を採用する場合の有利性とが併せて達成される自動変速機用歯車変速装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)
上記課題の解決手段1(請求項1)の自動変速機用歯車変速装置は、第1サンギヤと,第1リングギヤと,両ギヤに噛み合うピニオンギヤを保持する第1キャリヤとを有するシングルピニオン型の第1遊星ギヤと、
第2サンギヤと,第2リングギヤと,両ギヤに噛み合うピニオンギヤを保持する第2キャリヤとを有するシングルピニオン型の第2遊星ギヤと、
第3サンギヤと,第3リングギヤと,両ギヤに噛み合うピニオンギヤを保持する第3キャリヤとを有するシングルピニオン型の第3遊星ギヤと、
第3リングギヤに連結される入力部材と、
第2キャリヤに連結される出力部材と、
第1リングギヤと第3キャリヤとを一体的に連結する第1連結メンバと、
第1サンギヤと第2サンギヤとを一体的に連結する第2連結メンバと、
第1キャリヤと入力部材とを選択的に断接する第1クラッチと、
第1キャリヤと第2リングギヤとを選択的に断接する第2クラッチと、
第1キャリヤと第1サンギヤとを選択的に拘束する第3クラッチと、第3サンギヤの回転を選択的に停止させる第2ブレーキと、
第2リングギヤの回転を選択的に停止させる第3ブレーキと、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
(解決手段2)
上記課題の解決手段2(請求項2)は、請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置において、
第3クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により1速、第1クラッチと第3クラッチと第3ブレーキの締結により2速、第1クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により3速、第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチの締結により4速、第1クラッチと第2クラッチと第2ブレーキの締結により5速、第2クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により後退速とし、前進5速で後退1速を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
(解決手段3)
上記課題の解決手段3(請求項3)は、請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置において、
前記第3クラッチと並列に第4クラッチ及び第1ワンウェイクラッチを設け、前記第2ブレーキと並列に第2ワンウェイクラッチを設け、
請求項2記載の変速制御則に、1速,2速,3速,4速,5速での第4クラッチの締結を加え、前進5速で後退1速を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
(参考例1)
参考例1の自動変速機用歯車変速装置を以下に示す。
【0018】
まず、構成を説明する。
【0019】
図1は参考例1の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図であり、図1において、G1,G2,G3は遊星ギヤ、M1,M2,M3は連結メンバ、C1,C2,C3はクラッチ、B1,B2,B3はブレーキ、F2,F3はワンウェイクラッチ、INは入力軸(入力部材)、OUTは出力軸(出力部材)である。
【0020】
前記第1遊星ギヤG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛み合うピニオンを支持する第1キャリヤPC1を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
【0021】
前記第2遊星ギヤG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛み合うピニオンを支持する第2キャリヤPC2を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
【0022】
前記第3遊星ギヤG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、両ギヤS3,R3に噛み合うピニオンを支持する第3キャリヤPC3を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
【0023】
前記入力軸INは、第1リングギヤR1に連結され、エンジン回転駆動力を図外のトルクコンバータを介して入力する。
【0024】
前記出力軸OUTは、第2キャリヤPC2に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪に伝達する。
【0025】
前記第1連結メンバM1は、第1キャリヤPC1と第3リングギヤR3とを一体的に連結するメンバである。
【0026】
前記第2連結メンバM2は、第2リングギヤR2と第3キャリヤPC3とを一体的に連結するメンバである。
【0027】
前記第3連結メンバM3は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とを一体的に連結するメンバである。
【0028】
前記第1クラッチC1は、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを選択的に断接するクラッチである。
【0029】
前記第3クラッチC3は、第1キャリヤPC1と第1サンギヤS1とを選択的に拘束するクラッチである。この第3クラッチC3とは並列に第2クラッチC2及び第3ワンウェイクラッチF3が設けられている。
【0030】
前記第1ブレーキB1は、第3連結メンバM3の回転を選択的に停止させるブレーキである。
【0031】
前記第2ブレーキB2は、第1サンギヤS1の回転を選択的に停止させるブレーキである。この第2ブレーキB2とは並列に第2ワンウェイクラッチF2が設けられている。
【0032】
前記第3ブレーキB3は、第2連結メンバM2の回転を選択的に停止させるブレーキである。
【0033】
前記各クラッチC1,C2,C3及びブレーキB1,B2,B3には、各変速段にて締結圧や解放圧を作り出す図外の変速油圧制御装置(油圧制御タイプ,電子制御タイプ,油圧+電子制御タイプ)が接続されている。
【0034】
次に、作用を説明する。
【0035】
[変速作用]
図2は参考例1の自動変速機用歯車変速装置での締結作動表を示す図、図3は参考例1の自動変速機用歯車変速装置において各変速段でのメンバ回転停止状態を示す共線図、図4〜図10は参考例1の自動変速機用歯車変速装置において各変速段でのトルク伝達経路(太線)を示す図である。
【0036】
図4において、白丸は加速状態(牽引稼働状態)での作動、黒丸はコースティング状態(推進稼働状態)での作動を示す。
【0037】
(1速時)
第1速は、図2に示すように、第1ブレーキB1と第2ブレーキB2の締結により得られる。
【0038】
この第1速は、図3及び図4の1stに示すように、第2ワンウェイクラッチF2の作動(または第2ブレーキB2の締結)により第1サンギヤS1がケースに固定され、第1クラッチC1の解放により第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが切り離される。また、第1ブレーキB1の締結により両サンギヤS2,S3はケースに固定される。
【0039】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の回転(入力回転より低回転)と第2サンギヤS2の固定により規定され、入力回転が大幅に減速された第1速が得られる。
【0040】
(2速時)
第2速は、図2に示すように、第1速での第2ブレーキB2を解放し、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を締結することにより得られる。
【0041】
この第2速は、図3及び図5の2ndに示すように、第2クラッチC2と第3ワンウェイクラッチF3の作動(または第3クラッチC3の締結)により第1サンギヤS1と第1キャリヤPC1が拘束され、第1クラッチC1の解放により第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが切り離される。また、第1ブレーキB1の締結により両サンギヤS2,S3はケースに固定される。
【0042】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の回転(入力回転より少し低回転)と第2サンギヤS2の固定により規定され、入力回転が減速された第2速が得られる。
【0043】
(3速時)
第3速は、図2に示すように、第2速での第3クラッチC3を解放し、第1クラッチC1を締結することにより得られる。
【0044】
この第3速は、図3及び図6の3rdに示すように、第1クラッチC1の締結により入力軸INと第2リングギヤR2が連結され、第1ブレーキB1の締結により両サンギヤS2,S3はケースに固定される。
【0045】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の回転(入力回転)と第2サンギヤS2の固定により規定され、入力回転が減速された第3速が得られる。
【0046】
(4速時)
第4速は、図2に示すように、第3速での第1ブレーキB1を解放し、第3クラッチC3を締結することにより得られる。
【0047】
この第4速は、図3及び図7の4thに示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッチC3の締結により第1遊星ギヤG1と第2遊星ギヤG2と第3遊星ギヤG3とはブロックとなって一体に回転する。
【0048】
よって、入力軸INと出力軸OUTとは直結状態となり、入力回転と出力回転が同一回転によるギヤ比1の第4速が得られる。
【0049】
(5速時)
第5速は、図2に示すように、第4速での第2クラッチC2と第3クラッチC3を解放し、第2ブレーキB2を締結することにより得られる。
【0050】
この第5速は、図3及び図8の5thに示すように、第2ブレーキB2の締結により第1サンギヤS1がケースに固定され、第1クラッチC1の締結により第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが連結される。
【0051】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の回転(入力回転)と第2サンギヤS2の回転(入力回転より高回転)により規定され、入力回転より増速となる第5速が得られる。
【0052】
(後退速1の時)
後退速1は、図2に示すように、第2ブレーキB2と第3ブレーキB3を締結することにより得られる。
【0053】
この後退速1は、図3及び図9のRev1に示すように、第2ワンウェイクラッチF2の作動(または第2ブレーキB2の締結)により第1サンギヤS1がケースに固定され、第1クラッチC1の解放により第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが切り離される。また、第3ブレーキB3の締結により第2連結メンバM2が固定される。
【0054】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の固定と第2サンギヤS2の逆回転により規定され、入力回転とは逆回転による後退速1が得られる。
【0055】
(後退速2の時)
後退速2は、図2に示すように、第3クラッチC3と第3ブレーキB3を締結することにより得られる。
【0056】
この後退速2は、図3及び図10のRev2に示すように、第3クラッチC3の締結により第1サンギヤS1と第1キャリヤPC1が拘束され、第1クラッチC1の解放により第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが切り離される。また、第3ブレーキB3の締結により第2連結メンバM2が固定される。
【0057】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の固定と第2サンギヤS2の逆回転により規定され、入力回転とは逆回転による後退速1が得られる。
【0058】
[低コスト・軽量・小型化]
市場において競争力のある自動変速機用歯車変速装置の開発を企画・検討する場合、
(a) 低コストである(価格競争力を持つ)。
(b) 重量が軽い(燃費改善に有効)。
(c) 小型である(搭載性が良い)。
が特に重要である。
【0059】
これを実現するためには、
(1) 変速要素の数を減らすこと。
理由は、要素数が減れば部品点数が減り、小型・軽量・低コストになる。
(2) ダブルピニオン遊星ギヤをシングルピニオン遊星ギヤ化すること。
理由は、ダブルピニオン遊星ギヤはシングルピニオン遊星ギヤに比べ、部品点数が多く、複雑で製造原価が高い。
(3) リングギヤ入力の構成とすること。
理由は、リングギヤ入力の場合、軸心から力が作用するギヤ噛み合い位置までのスパンをキャリヤ入力やサンギヤ入力に比べて大きくとれることからギヤの駆動負荷が小さくて済む。その結果、サンギヤ外径を小さくでき、遊星ギヤ全体の外径寸法が小さくなる。
等が要求される。
【0060】
そこで、この観点から参考例1をみると、(1) については、最小限必要な締結要素の数が5個で、変速制御を簡単にするため、1−2変速と2−3変速でのOWC変速用に付加された要素の数が3個であり、計8個で前進5速を達成している。トータルの要素数は従来技術と同数の8個である。
【0061】
(2) については、3組の遊星ギヤG1,G2,G3は、いずれもシングルピニオン遊星ギヤとしている。ちなみに、3組の遊星ギヤG1,G2,G3のギヤ比を、それぞれG1=0.6,G2=0.4,G3=0.6とすると、図2の右側部分に記載のように、1速ギヤ比が3.584、2速ギヤ比が2.240、3速ギヤ比が1.400、4速ギヤ比が1.000、5速ギヤ比が0.848、後退速1ギヤ比が3.360、後退速2ギヤ比が2.100となり、従来技術と同様の変速段ギヤ比が得られる。
【0062】
(3) については、第1クラッチC1の締結・解放にかかわらず、リングギヤ入力構成としている。
【0063】
よって、参考例1の自動変速機用歯車変速装置では、低コスト・軽量・小型化を図ることができる。
【0064】
[OWC変速の採用有利性]
(1) 1−2,2−3変速にOWC変速を採用する場合
参考例1では、1−2変速と2−3変速でOWC変速を行なう例を示しているが、これは従来出典(特開平7−4478号公報)に記載されている歯車変速装置が1−2変速と2−3変速でOWC変速を行なっているものであるため、同じ性能を持つ同一レベルでの比較を行なう意味もある。
【0065】
そこで、1−2変速と2−3変速とにOWC変速を採用した参考例1の装置と従来装置を比較すると、参考例1の装置ではワンウェイクラッチF2,F3が遊星ギヤの外部に配置されるが、従来装置では第2遊星ギヤG2と第3遊星ギヤG3との間に互いに並列な第2クラッチC2と第1ワンウェイクラッチF1とが配置される。
【0066】
すなわち、従来装置では2つの遊星ギヤG2,G3に跨がって第2クラッチC2と第1ワンウェイクラッチF1とが配置されるため、構造が複雑になるし、且つ、高トルクを伝達する出力軸と両クラッチC2,F1とが径方向に配列されるため、自動変速機の径方向寸法が大きくなってしまう。
【0067】
よって、1−2,2−3変速にOWC変速を採用する場合、参考例1の装置は、従来の装置と比較して、構造を簡単にすることができるし、自動変速機の径方向寸法を小さく抑えることができる。
【0068】
(2) 1−2変速にOWC変速を採用する場合
1−2変速のみにOWC変速を採用する変更を行なう場合、参考例1では、図1に示す変速機構から第2クラッチC2と第3ワンウェイクラッチF3を無くすことで行なわれる。これに対し、従来の装置は、図26に示す変速機構から第1ワンウェイクラッチF1を無くすことで行なわれる。
【0069】
すなわち、従来装置の場合、油圧により締結・解放されるクラッチの個数が全く減少することなく、必要締結要素の数は合計6個のままであるが、参考例1の装置では、第2クラッチC2を無くすことができることで、必要締結要素の数は合計5個(=6個−1個)となる。
【0070】
よって、1−2変速のみにOWC変速を採用する場合、参考例1の装置は、従来の装置と比較して、変速機構で用いられる締結要素の数が減少する分、自動変速機のより小型軽量化を達成できる。
【0071】
特に、締結要素の数が減少は、1−2変速以外は電子制御で変速制御を行なう最近の自動変速機の場合に有用である。
【0072】
次に、効果を説明する。
【0073】
(1)リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤG1,G2,G3を採用し、最小限必要な締結要素数を5個とする構成としたため、前進5速後退1速または後退2速を得る歯車変速装置の低コスト・軽量・小型化を達成できる。
【0074】
(2)2つの遊星ギヤの間にワンウェイクラッチを介装させることなくOWC変速が採用できる変速機構としたため、1−2変速や1−2,2−3変速にOWC変速を採用する場合に、小型化や締結要素数の削減等の有利性が達成される。
【0075】
(参考例2)
参考例2の自動変速機用歯車変速装置を以下に示す。
【0076】
まず、構成を説明する。
【0077】
図11は参考例2の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図であり、図11において、G1,G2,G3は遊星ギヤ、M1,M2,M3は連結メンバ、C1,C3はクラッチ、B1,B2,B3はブレーキ、INは入力軸、OUTは出力軸である。
【0078】
この参考例2では、図1に示す参考例1と対比した場合、第2ワンウェイクラッチF2と第2クラッチC2及び第3ワンウェイクラッチF3を廃止し、必要締結要素の5個のみを用いた基本構成による参考例である。
【0079】
各構成については、参考例1と同様であるので説明を省略する。
【0080】
次に、作用を説明する。
【0081】
[変速作用]
図12は参考例2の自動変速機用歯車変速装置での締結作動表を示す図である。
【0082】
図12に示すように、第1速は第1ブレーキB1と第2ブレーキB2の締結により得られ、第2速は第3クラッチC3と第1ブレーキB1の締結により得られ、第3速は第1クラッチC1と第1ブレーキB1の締結により得られれ、第4速は第1クラッチC1と第3クラッチC3の締結により得られ、第5速は第1クラッチと第2ブレーキB2の締結により得られ、後退速1は第2ブレーキと第3ブレーキの締結により得られ、後退速2は第3クラッチC3と第3ブレーキB3の締結により得られる。そして、各変速段でのメンバ回転停止状態を示す共線図は図3と全く同様となる。
【0083】
次に、効果を説明する。
【0084】
参考例1の効果に、下記の効果が加えられる。
【0085】
(3)リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤG1,G2,G3を採用し、必要締結要素数を5個とする構成としたため、前進5速で後退1速または後退2速の歯車変速装置を、従来の装置や参考例1の装置に比べ、少ない締結要素数により変速機構の小型軽量化を達成することができる。
【0086】
ただし、この参考例2の場合、1−2変速等の変速制御をOWC変速を利用することなく行なう必要があるが、条件変化等にかかわらず変速ショックを抑えた高レベルの電子制御による変速制御技術が確立した場合に有用な変速機構となる。
【0087】
(参考例3)
参考例3の自動変速機用歯車変速装置を以下に示す。
【0088】
まず、構成を説明する。
【0089】
図13は参考例3の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図であり、図13において、G1,G2,G3は遊星ギヤ、M1,M2,M3は連結メンバ、C1,C2,C3はクラッチ、B1,B2,B3,B4はブレーキ、F1,F2,F3はワンウェイクラッチ、INは入力軸、OUTは出力軸である。
【0090】
この参考例3では、図1に示す参考例1と対比した場合、第1ブレーキB1と並列に第4ブレーキB4及び第1ワンウェイクラッチF1を加え、ワンウェイクラッチを含む締結要素数を10個とする実施の形態である。
【0091】
第4ブレーキB4及び第1ワンウェイクラッチF1以外の各構成については、参考例1と同様であるので説明を省略する。
【0092】
次に、作用を説明する。
【0093】
[変速作用]
図14は参考例3の自動変速機用歯車変速装置での締結作動表を示す図である。
【0094】
図14に示すように、参考例1と比べた場合、第4ブレーキB4が第1速〜第4速で締結され、第1ワンウェイクラッチF1が第1速〜第3速で作動し、第1速〜第3速で締結される第1ブレーキB1がコースティング状態で作動する点でのみ異なる。そして、各変速段でのメンバ回転停止状態を示す共線図は図3と全く同様となる。
【0095】
次に、効果を説明する。
【0096】
参考例1の効果に、下記の効果が加えられる。
【0097】
(4)参考例1の構成に、第1ブレーキB1と並列に第4ブレーキB4及び第1ワンウェイクラッチF1を加える構成としたため、1−2,2−3変速以外に3−4変速をOWC変速とすることができる。
【0098】
(実施の形態1)
実施の形態1は、請求項1〜請求項3記載の発明に対応する自動変速機用歯車変速装置である。
【0099】
まず、構成を説明する。
【0100】
図15は実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図であり、図15において、G1,G2,G3は遊星ギヤ、M1,M2は連結メンバ、C1,C2,C3はクラッチ、B2,B3はブレーキ、F1,F2はワンウェイクラッチ、INは入力軸(入力部材)、OUTは出力軸(出力部材)である。
【0101】
前記第1遊星ギヤG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、両ギヤS1,R1に噛み合うピニオンを支持する第1キャリヤPC1を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
【0102】
前記第2遊星ギヤG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛み合うピニオンを支持する第2キャリヤPC2を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
【0103】
前記第3遊星ギヤG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、両ギヤS3,R3に噛み合うピニオンを支持する第3キャリヤPC3を有するシングルピニオン型の遊星ギヤである。
【0104】
前記入力軸INは、第3リングギヤR3に連結され、エンジン回転駆動力を図外のトルクコンバータを介して入力する。
【0105】
前記出力軸OUTは、第2キャリヤPC2に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪に伝達する。
【0106】
前記第1連結メンバM1は、第1リングギヤR1と第3キャリヤPC3とを一体的に連結するメンバである。
【0107】
前記第2連結メンバM2は、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とを一体的に連結するメンバである。
【0108】
前記第1クラッチC1は、第1キャリヤPC1と第3リングギヤR3とを選択的に断接するクラッチである。
【0109】
前記第2クラッチC2は、第1キャリヤPC1と第2リングギヤR2とを選択的に断接するクラッチである。
【0110】
前記第3クラッチC3は、第1キャリヤPC1と第1サンギヤS1とを選択的に拘束するクラッチである。この第3クラッチC3とは並列に第4クラッチC4及び第1ワンウェイクラッチF1が設けられている。
【0111】
前記第2ブレーキB2は、第3サンギヤS3の回転を選択的に停止させるブレーキである。この第2ブレーキB2とは並列に第2ワンウェイクラッチF2が設けられている。
【0112】
前記第3ブレーキB3は、第2リングギヤR2の回転を選択的に停止させるブレーキである。
【0113】
前記各クラッチC1,C2,C3,C4及びブレーキB2,B3には、各変速段にて締結圧や解放圧を作り出す図外の変速油圧制御装置(油圧制御タイプ,電子制御タイプ,油圧+電子制御タイプ)が接続されている。
【0114】
次に、作用を説明する。
【0115】
[変速作用]
図16は実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置での締結作動表を示す図、図17は実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において各変速段でのメンバ回転停止状態を示す共線図、図18〜図23は実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において各変速段でのトルク伝達経路(太線)を示す図である。
【0116】
図16において、白丸は加速状態(牽引稼働状態)での作動、黒丸はコースティング状態(推進稼働状態)での作動を示す。
【0117】
(1速時)
第1速は、図16に示すように、第3クラッチC3と第4クラッチC4と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3の締結により得られる。
【0118】
この第1速は、図17及び図18の1stに示すように、第2ワンウェイクラッチF2の作動(または第2ブレーキB2の締結)により第3サンギヤS3がケースに固定され、第3ブレーキB3の締結により第2リングギヤR2がケースに固定され、第4クラッチC4の締結及び第1ワンウェイクラッチF1の作動(または第3クラッチC3の締結)により第1キャリヤPC1と第1サンギヤS1とが拘束される。
【0119】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の固定と第2サンギヤS2の回転により規定され、入力回転が大幅に減速された第1速が得られる。
【0120】
(2速時)
第2速は、図16に示すように、第1速での第2ブレーキB2を解放し、第1クラッチC1を締結することにより得られる。
【0121】
この第2速は、図17及び図19の2ndに示すように、第3ブレーキB3の締結により第2リングギヤR2がケースに固定され、第4クラッチC4の締結及び第1ワンウェイクラッチF1の作動(または第3クラッチC3の締結)により第1キャリヤPC1と第1サンギヤS1とが拘束され、第1クラッチC1の締結により入力軸INと拘束部材PC1,S1が連結される。
【0122】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の固定と第2サンギヤS2の入力回転により規定され、入力回転が減速された第2速が得られる。
【0123】
(3速時)
第3速は、図16に示すように、第2速での第3クラッチC3を解放し、第2ブレーキB2を締結することにより得られる。
【0124】
この第3速は、図17及び図20の3rdに示すように、第2ブレーキB2の締結により第3サンギヤS3が固定され、第3ブレーキB3の締結により第2リングギヤR2がケースに固定され、第1クラッチC1の締結により入力軸INと第2キャリヤPC2が連結される。
【0125】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の固定と第2サンギヤS2の回転により規定され、入力回転が減速された第3速が得られる。
【0126】
(4速時)
第4速は、図16に示すように、第3速での第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を解放し、第2クラッチC2と第3クラッチC3を締結することにより得られる。
【0127】
この第4速は、図17及び図21の4thに示すように、第2クラッチC2の締結により第1キャリヤPC1と第2リングギヤR2が連結され、第4クラッチC4の締結及び第1ワンウェイクラッチF1の作動(または第3クラッチC3の締結)により第1キャリヤPC1と第1サンギヤS1とが拘束され、第1クラッチC1の締結により入力軸INと拘束部材PC1,S1が連結される。
【0128】
よって、入力軸INと出力軸OUTとは直結状態となり、入力回転と出力回転が同一回転によるギヤ比1の第4速が得られる。
【0129】
(5速時)
第5速は、図16に示すように、第4速での第3クラッチC3を解放し、第2ブレーキB2を締結することにより得られる。
【0130】
この第5速は、図17及び図22の5thに示すように、第2ブレーキB2の締結により第3サンギヤS3がケースに固定され、第1クラッチC1の締結により入力軸INと第1キャリヤPC1が連結され、第2クラッチC2の締結により第1キャリヤPC1と第2リングギヤR2とが連結される。
【0131】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の回転(入力回転)と第2サンギヤS2の回転(入力回転より高回転)により規定され、入力回転より増速となる第5速が得られる。
【0132】
(後退速の時)
後退速は、図16に示すように、第2クラッチC2と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3を締結することにより得られる。
【0133】
この後退速は、図17及び図23のRevに示すように、第2クラッチC2と第3ブレーキB3の締結により第1キャリヤPC1と第2リングギヤR2がケースに固定され、第2ワンウェイクラッチF2の作動(または第2ブレーキB2の締結)により第3サンギヤS3がケースに固定される。
【0134】
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギヤG2において、第2リングギヤR2の固定と第2サンギヤS2の逆回転により規定され、入力回転とは逆回転による後退速が得られる。
【0135】
[OWC変速の採用有利性]
(1) 1−2,2−3変速にOWC変速を採用する場合
実施の形態1では、1−2変速と2−3変速(と4−5変速)でOWC変速を行なう例を示しているが、これは従来出典(特開平7−4478号公報)に記載されている歯車変速装置が1−2変速と2−3変速でOWC変速を行なっているものであるため、同じ性能を持つ同一レベルでの比較を行なう意味もある。
【0136】
そこで、1−2変速と2−3変速とにOWC変速を採用した実施の形態1の装置と従来装置を比較すると、実施の形態1の装置ではワンウェイクラッチF1,F2が遊星ギヤの外部に配置されるが、従来装置では第2遊星ギヤG2と第3遊星ギヤG3との間に互いに並列な第2クラッチC2と第1ワンウェイクラッチF1とが配置される。
【0137】
すなわち、従来装置では2つの遊星ギヤG2,G3に跨がって第2クラッチC2と第1ワンウェイクラッチF1とが配置されるため、構造が複雑になるし、且つ、高トルクを伝達する出力軸と両クラッチC2,F1とが径方向に配列されるため、自動変速機の径方向寸法が大きくなってしまう。
【0138】
よって、1−2,2−3変速にOWC変速を採用する場合、実施の形態1の装置は、従来の装置と比較して、構造を簡単にすることができるし、自動変速機の径方向寸法を小さく抑えることができる。
【0139】
(2) 1−2変速にOWC変速を採用する場合
1−2変速のみにOWC変速を採用する変更を行なう場合、実施の形態1では、図15に示す変速機構から第4クラッチC4と第1ワンウェイクラッチF1を無くすことで行なわれる。これに対し、従来の装置は、図26に示す変速機構から第1ワンウェイクラッチF1を無くすことで行なわれる。
【0140】
すなわち、従来装置の場合、油圧により締結・解放されるクラッチの個数が全く減少することなく、必要締結要素の数は合計6個のままであるが、実施の形態1の装置では、第4クラッチC4を無くすことができることで、必要締結要素の数は合計5個(=6個−1個)となる。
【0141】
よって、1−2変速のみにOWC変速を採用する場合、実施の形態1の装置は、従来の装置と比較して、変速機構で用いられる締結要素の数が減少する分、自動変速機のより小型軽量化を達成できる。
【0142】
特に、締結要素の数が減少は、1−2変速以外は電子制御で変速制御を行なう最近の自動変速機の場合に有用である。
【0143】
次に、効果を説明する。
【0144】
(1)リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤG1,G2,G3を採用し、最小限必要な締結要素数を5個とする構成としたため、前進5速後退1速を得る歯車変速装置の低コスト・軽量・小型化を達成できる。
【0145】
(2)第2ブレーキと並列に第2ワンウェイクラッチF2を設け、第3クラッチC3とは並列に第4クラッチC4及び第1ワンウェイクラッチF1を設けた変速機構としたため、OWC変速の採用に際し小型化や締結要素数の削減等の有利性が達成されるばかりでなく、1−2,2−3変速にOWC変速を採用すると同時に4−5変速もOWC変速にすることができる。
【0146】
(実施の形態2)
実施の形態2は、請求項1及び請求項2に記載の発明に対応する自動変速機用歯車変速装置である。
【0147】
まず、構成を説明する。
【0148】
図24は実施の形態2の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図であり、図24において、G1,G2,G3は遊星ギヤ、M1,M2は連結メンバ、C1,C2,C3はクラッチ、B2,B3はブレーキ、INは入力軸、OUTは出力軸である。
【0149】
この実施の形態2では、図15に示す実施の形態1と対比した場合、第2ワンウェイクラッチF2と第4クラッチC4及び第1ワンウェイクラッチF1を廃止し、必要締結要素の5個のみを用いた基本構成による実施の形態である。
【0150】
各構成については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0151】
次に、作用を説明する。
【0152】
[変速作用]
図25は実施の形態2の自動変速機用歯車変速装置での締結作動表を示す図である。
【0153】
図25に示すように、第1速は第3クラッチC3と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3の締結により得られ、第2速は第1クラッチC1と第3クラッチC3と第3ブレーキB3の締結により得られ、第3速は第1クラッチC1と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3の締結により得られれ、第4速は第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッチC3の締結により得られ、第5速は第1クラッチと第2クラッチC2と第2ブレーキB2の締結により得られ、後退速は第2クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により得られる。そして、各変速段でのメンバ回転停止状態を示す共線図は図17と全く同様となる。
【0154】
次に、効果を説明する。
【0155】
実施の形態1の効果に、下記の効果が加えられる。
【0156】
(3)リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤG1,G2,G3を採用し、必要締結要素数を5個とする構成としたため、従来の装置や実施の形態1の装置に比べ、前進5速で後退1速の歯車変速装置の変速機構をより小型軽量化することができる。
【0157】
ただし、この実施の形態2の場合、1−2変速等の変速制御をOWC変速を利用することなく行なう必要があるが、条件変化等にかかわらず変速ショックを抑えた高レベルの電子制御による変速制御技術が確立した場合に有用な変速機構となる。
【0158】
(その他の実施の形態)
実施の形態1,2及び参考例1〜4では、入力部材として入力軸IN、出力部材として出力軸OUTとする例を示したが、例えば、入力部材や出力部材として、入力ギヤや出力ギヤを用いたものであっても良い。
【0163】
請求項1記載の発明にあっては、シングルピニオン型の3組の遊星ギヤと、第3リングギヤに連結される入力部材と、第2キャリヤに連結される出力部材と、第1リングギヤと第3キャリヤとを一体的に連結する第1連結メンバと、第1サンギヤと第2サンギヤとを一体的に連結する第2連結メンバと、第1キャリヤと入力部材とを選択的に断接する第1クラッチと、第1キャリヤと第2リングギヤとを選択的に断接する第2クラッチと、第1キャリヤと第1サンギヤとを選択的に拘束する第3クラッチと、第3サンギヤの回転を選択的に停止させる第2ブレーキと、第2リングギヤの回転を選択的に停止させる第3ブレーキと、を備えている構成としたため、リングギヤ入力による3組のシングルピニオン型の遊星ギヤと少ない必要締結要素数による低コスト・軽量・小型化と、1−2変速や1−2,2−3変速にOWC変速を採用する場合の有利性とが併せて達成される自動変速機用歯車変速装置を提供することができる。
【0164】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置において、第3クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により1速、第1クラッチと第3クラッチと第3ブレーキの締結により2速、第1クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により3速、第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチの締結により4速、第1クラッチと第2クラッチと第2ブレーキの締結により5速、第2クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により後退速とし、前進5速で後退1速を得る変速制御手段を設けたため、請求項1の発明の効果に加え、締結要素の少ない小型の変速機構を有する前進5速後退1速の歯車変速装置とすることができる。
【0165】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置において、第3クラッチと並列に第4クラッチ及び第1ワンウェイクラッチを設け、前記第2ブレーキと並列に第2ワンウェイクラッチを設け、請求項2記載の変速制御則に、1速,2速,3速,4速,5速での第4クラッチの締結を加え、前進5速で後退1速を得る変速制御手段を設けたため、参考例4記載の発明の効果に加え、1−2変速と2−3変速と4−5変速でワンウェイクラッチ変速を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図である。
【図2】参考例1の自動変速機用歯車変速装置での各変速要素の締結作動表を示す図である。
【図3】参考例1の自動変速機用歯車変速装置において各変速段でのメンバ回転停止状態を示す共線図である。
【図4】参考例1の自動変速機用歯車変速装置において第1速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図5】参考例1の自動変速機用歯車変速装置において第2速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図6】参考例1の自動変速機用歯車変速装置において第3速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図7】参考例1の自動変速機用歯車変速装置において第4速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図8】参考例1の自動変速機用歯車変速装置において第5速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図9】参考例1の自動変速機用歯車変速装置において後退速1での駆動力伝達経路を示す図である。
【図10】参考例1の自動変速機用歯車変速装置において後退速2での駆動力伝達経路を示す図である。
【図11】参考例2の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図である。
【図12】参考例2の自動変速機用歯車変速装置での各変速要素の締結作動表を示す図である。
【図13】参考例3の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図である。
【図14】参考例3の自動変速機用歯車変速装置での各変速要素の締結作動表を示す図である。
【図15】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図である。
【図16】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置での各変速要素の締結作動表を示す図である。
【図17】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において各変速段でのメンバ回転停止状態を示す共線図である。
【図18】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において第1速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図19】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において第2速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図20】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において第3速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図21】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において第4速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図22】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において第5速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図23】実施の形態1の自動変速機用歯車変速装置において後退速での駆動力伝達経路を示す図である。
【図24】実施の形態2の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図である。
【図25】実施の形態2の自動変速機用歯車変速装置での各変速要素の締結作動表を示す図である。
【図26】従来の自動変速機用歯車変速装置を示すスケルトン図である。
【図27】従来の自動変速機用歯車変速装置での各変速要素の締結作動表を示す図である。
Claims (3)
- 第1サンギヤと,第1リングギヤと,両ギヤに噛み合うピニオンを支持する第1キャリヤを有するシングルピニオン型の第1遊星ギヤと、
第2サンギヤと,第2リングギヤと,両ギヤに噛み合うピニオンを支持する第2キャリヤを有するシングルピニオン型の第2遊星ギヤと、
第3サンギヤと,第3リングギヤと,両ギヤに噛み合うピニオンを支持する第3キャリヤを有するシングルピニオン型の第3遊星ギヤと、
第3リングギヤに連結される入力部材と、
第2キャリヤに連結される出力部材と、
第1リングギヤと第3キャリヤとを一体的に連結する第1連結メンバと、
第1サンギヤと第2サンギヤとを一体的に連結する第2連結メンバと、
第1キャリヤと入力部材とを選択的に断接する第1クラッチと、
第1キャリヤと第2リングギヤとを選択的に断接する第2クラッチと、
第1キャリヤと第1サンギヤとを選択的に拘束する第3クラッチと、第3サンギヤの回転を選択的に停止させる第2ブレーキと、
第2リングギヤの回転を選択的に停止させる第3ブレーキと、
を備えていることを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。 - 請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置において、
第3クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により1速、第1クラッチと第3クラッチと第3ブレーキの締結により2速、第1クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により3速、第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチの締結により4速、第1クラッチと第2クラッチと第2ブレーキの締結により5速、第2クラッチと第2ブレーキと第3ブレーキの締結により後退速とし、前進5速で後退1速を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。 - 請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置において、
前記第3クラッチと並列に第4クラッチ及び第1ワンウェイクラッチを設け、前記第2ブレーキと並列に第2ワンウェイクラッチを設け、
請求項2記載の変速制御則に、1速,2速,3速,4速,5速での第4クラッチの締結を加え、前進5速で後退1速を得る変速制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
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