JP2889218B1 - 展開型枠を用いたコンクリート製品の製造装置 - Google Patents

展開型枠を用いたコンクリート製品の製造装置

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JP2889218B1
JP2889218B1 JP6787398A JP6787398A JP2889218B1 JP 2889218 B1 JP2889218 B1 JP 2889218B1 JP 6787398 A JP6787398 A JP 6787398A JP 6787398 A JP6787398 A JP 6787398A JP 2889218 B1 JP2889218 B1 JP 2889218B1
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幾男 吉田
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ヨシコン株式会社
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Abstract

【要約】 【目的】 コンクリート製品製造上、脱型が容易であ
り、複数回使用可能な型枠装置の提供。 【構成】 コンクリート製品の化粧面となる底面部13
と、その周縁より立ち上がりコンクリート製品の厚さを
与える複数の側面部14とからなり、側面部14を底面
部13に対してほぼ直角又はそれ以下の角度に折り曲げ
及び曲げ戻し可能とされ、コンクリート製品の硬化後バ
ックアップ型枠12と成形型11とを分離し、上記側面
部14を曲げ戻して脱型を行なうことができる展開型枠
を用いたコンクリート製品の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート製品を
成形する型成形面を有するプラスチックシート類よりな
る成形型と、コンクリート重量を負担するため成形型に
重ね合わせられるバックアップ型枠とを組み合わせたコ
ンクリート製品の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートブロック類を製造するため
に、従来の鋼製の型枠に代えて、プラスチック製のフィ
ルム、シート類よりなる皮膜とその保持部材とを用いた
装置には、本件出願人によって開発され、先般、特許を
得たものがある(特許第2668824号)。同発明は
ポリスチレンやポリプロピレン等のシート材を真空成形
することによって、コンクリート製品製造のための雌型
をつくり、その雌型にセメントモルタルを打設し、硬化
したコンクリート製品から皮膜を剥がすものである。こ
のため自由な造型に適しており、岩石など相当複雑な凹
凸模様の製品をつくることも可能である。
【0003】しかし、真空成形により雌型をつくるには
母型や真空吸引装置が必要である。またコンクリート製
品の形状にもよるが製造工程における脱型の際、皮膜を
破損するケースが多いため、繰り返し使用することはま
ずなく、使い捨てられるのが普通である。プラスチック
廃材の焼却処分が容易でない状況や、資源の有効利用を
考慮すると、前記の雌型も繰り返し使用できることが望
ましい。けれども真空成形の一体物からなる皮膜を用い
る場合はそれが困難である。
【0004】また従来の成形型は一体物であるので成形
上抜き勾配を必要とする。勾配なしには製品の取り出し
ができないからであり、これは前記プラスチック皮膜を
有する雌型に限らない。勾配を必要とするということ
は、底面或いは敷設面に対して直角な側面を持つ製品を
製造することができないということである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に着
目してなされたものであり、その課題は、コンクリート
製品の取り出し(脱型)のために成形型を無理なく外す
ことができ、それによって複数回の使用を可能とする点
にある。
【0006】また本発明の他の課題は、底面或いは敷設
面に対してほぼ直角もしくはそれ以下の角度の側面を持
つ製品の製造を可能とする点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する本
発明に係るコンクリート製品の製造装置は、成形型とバ
ックアップ型枠とからなり、成形型はコンクリート製品
の化粧面となる、一定形状を持った底面部と、底面部の
周縁より立ち上がり、コンクリート製品に厚さを与える
ための複数の側面部とからなり、側面部は底面部に対し
てほぼ直角またはそれ以下の角度に折り曲げ可能かつ曲
げ戻し可能とされ、コンクリート製品の硬化後バックア
ップ型枠と成形型とを分離し、上記側面部を曲げ戻して
脱型することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るコンクリート製品の
製造装置10は、コンクリート製品Aに接する型成形面
を有するプラスチックシート類よりなる成形型11と、
コンクリート重量を負担するため成形型11に重ね合わ
されるバックアップ型枠12とを組み合わせたものであ
り、成形型11が展開可能な構造(これを展開型枠と呼
ぶことにする。)を有することを特徴とする。
【0009】上記成形型11は、コンクリート製品Aの
化粧面となる、一定形状を持った底面部13と、底面部
13の周縁より立ち上がり、立ち上がり寸法(高さ)が
ほぼコンクリート製品Aの厚さとなる側面部14とから
なる。底面部13はバックアップ型枠12の底枠15に
よって支えられ、側面部14はバックアップ型枠12の
側枠16の内側に接触可能である。側面部14にはバッ
クアップ型枠12の側枠上部18に支えられる縁部17
を設けることができる。縁部17は、コンクリート打設
時にバックアップ型枠12の汚れを防止する部分とな
る。
【0010】上記成形型11の側面部14は底面部13
に対してほぼ直角Rまたはそれ以下の角度S(S≦90
°)に折り曲げ可能かつ曲げ戻し可能とされる。後述す
るようにシート材を打ち抜いたブランク20からなる成
形型11を使用する場合、直角にするには平面から90
度折り曲げれば良い。従来の型枠では抜け勾配のため底
面部13に対して側面部14が作る角度を鈍角にする必
要があった。しかし、本発明では直角を超えて曲げ、鋭
角としても良い(180°−S)≧90°。図2参照。
【0011】プラスチックシート類によって作ることが
できる、成形型11のブランク20は図3以下に例示さ
れる。図3ないし図9において、実線は切り離されてい
る部分、破線は折り曲げられる部分を示す。
【0012】図3に示す成形型11のブランク20は長
方形の底面部13を有し、その4辺に折り曲げ線を境と
して夫々側面部14を所定幅で連設し、側面部14の外
周辺に折り曲げ線を境として夫々縁部17を連設した構
成を有する。側面部14の延長の対角位置にあるコーナ
ー部19は、2辺の内1辺のみ切り離され、折り曲げ
時、隣接側面部14の外面または内面に折り重ね、セメ
ントモルタルCの漏れ防止手段とする。
【0013】縁部17の延長である先端片21はなくて
も良い。成形型11の折り曲げ時の形態に固定する手段
22としては、接着や挿し込みその他公知の手段、方法
が用いられる。なおコーナー部19も固定手段22に用
いることができる。
【0014】図5は、底面部13に特定の模様等からな
る化粧部23を設けることができる例を示す。模様等の
形成方法としては特に制限しないが、プラスチックシー
ト類を用いるブランク20に形成することを考えると、
例えば石垣、格子、網目、木目等の模様を有する平面構
造のものが良い。
【0015】図6に示す成形型11のブランク20は全
体として図3とほぼ同形であり、相違点は短縮した先端
片21′を有する点である。この先端片21′は、成形
型11を折り曲げたときに重なって2重になるだけの大
きさを有している。
【0016】図7に示す成形型11のブランク20はコ
ーナー部10の処理の仕方が図3の例と相違している。
この例のコーナー部19′はほぼ対角線の方向へ向けて
切り離し線で分離されているので側面部14の端部に三
角形に突出しており、折り曲げ線で折り曲げると三角コ
ーナー部19′が重なって2重になる。
【0017】図8に示す成形型11のブランク20は図
7の例において分離された1対の三角コーナー部19′
の一方を切除し、他方の先端を側面部14に形成された
スリット24に挿し込み、固定手段22を形成してい
る。三角コーナー部19′、19′の一方を切除せず、
そのまま重ねるか或いは他方のコーナー部と同様に挿し
込み固定することも勿論可能である。
【0018】図9に示す成形型11のブランク20は図
6のものと同型であり、相違点は隣接の先端片21′、
21′同士を噛み合わせて固定可能としている点であ
る。先端片21′、21′には切り込み25を形成し、
成形型11を折り曲げて使用状態にしたときに切り込み
25、25で噛み合わせ、隣接先端片21′、21′同
士を固定する。このような成形型11は例えばプレス装
置によって容易に量産することが可能である。
【0019】バックアップ型枠12は上記成形型11の
型形状を保持するものであり、どのような材料を用い、
どのような構造とすべきか等は自由に決めることができ
る。例えば特許第2668824号における型保持枠の
ように樹脂発泡体からなるものであっても良いし、また
鋼板製のものであっても良い。
【0020】本発明に係る装置を用いて、コンクリート
製品Aを製造するには、はじめに成形型11及びバック
アップ型枠12が汚れていないことを確認し、汚れてい
た場合には汚れを落とす作業から始める。図10左上参
照。汚れのない成形型11をバックアップ型枠12にセ
ットし、それらが一体に重ね合わせられたコンクリート
製品の製造装置10とする。図10左中参照。成形型1
1の隅部や折り曲げて重なった箇所などにはテープを貼
るなどして、適宜モルタルの洩れ止めをすることができ
る。このあと離型剤を塗布する必要はない。離型剤は油
汚れや臭気等の問題により作業環境を悪化させるが、こ
れを必要としない点は本発明の特徴のひとつである。
【0021】この製造装置10を例えばバイブレータ3
0にセットし、振動を加えながらセメントモルタルCを
成形型11内に投入する。図10中右の打設工程であ
る。図示の例は、表層と下層でモルタルを変える状態を
示しており、この場合、カラーモルタルを流し込んで表
層を打設し、それが固化したところで下層の普通コンク
リートのためのモルタルを打設する。
【0022】ここで本装置内でコンクリート製品Aが型
成形される。固化したコンクリート製品Aは、例えば吸
引機等を用いてバックアップ型枠12から取り外す。こ
の最初の脱型によって、多くの場合は成形型11の側面
部14が自重で製品側面から離れ、折り曲げ部で転回し
て自然と展開状態になる。図10左下の状態である。他
の箇所も僅かな力で外れるのでコンクリート製品Aを容
易に取り出すことができる。
【0023】次工程のために成形型及びバックアップ型
枠の汚れ、特にとろ漏れした部分を清掃する。僅かでも
付着していると次の製品に影響が出るので完全に清掃す
る。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成されかつ作用す
るものであるから、コンクリート製品と製造装置、特に
接触している成形型を全く無理なく分離することがで
き、成形型には何も傷が付かないので何度でも繰り返し
て使用することができ、廃材を出さず、資源の有効利用
を図ることができるという効果を奏する。
【0025】また本発明によれば抜け勾配の必要がない
ので、底面に対して直角或いはそれ以下の角度の側面を
持つ製品の製造が可能となり、製品の形状の自由度が増
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る展開型枠を用いたコンクリート製
品の製造装置の1例を示す分解斜視図。
【図2】(a)直立した側面部を示す断面図。 (b)内傾した側面部を示す断面図。
【図3】図1の成形型の展開図。
【図4】成形型の折り曲げ方の1例を示す斜視図。
【図5】傾斜面を有する成形型の1例を示す斜視図。
【図6】成形型のブランクの1例を示す展開図。
【図7】同じく他の例を示す展開図。
【図8】同じく他の例を示す展開図。
【図9】同じく他の例を示す展開図。
【図10】本発明に係る製造装置によって、コンクリー
ト製品を製造する工程を示す説明図。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 7/34 B28B 7/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製品を成形する型成形面を
    有するプラスチックシート類よりなる成形型と、コンク
    リート重量を負担するため成形型に重ね合わせられるバ
    ックアップ型枠とを組み合わせたコンクリート製品の製
    造装置であって、成形型はコンクリート製品の化粧面と
    なる、一定形状を持った底面部と、底面部の周縁より立
    ち上がり、コンクリート製品に厚さを与えるための複数
    の側面部とからなり、側面部は底面部に対してほぼ直角
    またはそれ以下の角度に折り曲げ可能かつ曲げ戻し可能
    とされ、コンクリート製品の硬化後バックアップ型枠と
    成形型とを分離し、上記側面部を曲げ戻して脱型するこ
    とを特徴とした展開型枠を用いたコンクリート製品の製
    造装置。
  2. 【請求項2】 側面部にはバックアップ型枠の側枠上部
    に支えられる縁部を設けた構成を有する請求項1記載の
    展開型枠を用いたコンクリート製品の製造装置。
  3. 【請求項3】 成形型を折り曲げ時の形態に固定する手
    段を有している請求項1記載の展開型枠を用いたコンク
    リート製品の製造装置。
JP6787398A 1998-03-03 1998-03-03 展開型枠を用いたコンクリート製品の製造装置 Expired - Lifetime JP2889218B1 (ja)

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