JP2887447B2 - 塗装焼き付け炉の直燃脱臭式熱風発生炉 - Google Patents

塗装焼き付け炉の直燃脱臭式熱風発生炉

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JP2887447B2 JP7030298A JP3029895A JP2887447B2 JP 2887447 B2 JP2887447 B2 JP 2887447B2 JP 7030298 A JP7030298 A JP 7030298A JP 3029895 A JP3029895 A JP 3029895A JP 2887447 B2 JP2887447 B2 JP 2887447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンベア移送又はバッチ
による各種塗装品の塗装焼き付け時に塗装品から発生す
るシンナーやヤニ成分の除去を行う脱臭の方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば金属表面処理としてコンベア移送
により、脱脂、水洗、化成処理、水洗、水切り乾燥など
の各工程を経た処理物は溶剤塗装、電着塗装、粉体塗装
などのいずれか又は組み合わせて塗装を行なうのが一般
的である。
【0003】この様な塗装系では塗装品をトンネル型の
コンベア移送塗装焼き付け炉内へ連続的に移送して、塗
料を焼き付ける装置が多く用いられる。
【0004】この焼き付け炉は、加熱方式としてシュバ
ンクと呼ばれるガス直燃式加熱方法や、熱風循環方式又
は、放熱管による間接加熱方式などが用いられ、いずれ
の加熱方法で被塗物を焼き付け乾燥したとしても、塗料
中に含まれるシンナーや塗料が架橋する際に発生する樹
脂モノマー、分解ガスなどの生成により、悪臭が発生す
る。
【0005】これら発生するガスは濃度が高くなると炉
壁にヤニとなって付着したり、排気管理が悪い場合には
火災の危険性もある。
【0006】従って塗装品を焼き付けたときに生成す
る、これら各種の悪臭ガス成分は塗装焼き付け炉から排
気する必要があるが、極端な例では悪臭成分をそのまま
大気中へ放出しているところもまだまだ多く、この様な
所では公害となっている。
【0007】この対策として排気ガスを脱臭燃焼炉へ導
入し、排気ガス中の悪臭を除去した後、大気中へ排気す
る方法が取り入れられつつあり、公害防止手段として有
効である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところでこの脱臭燃焼
炉を付設するには多大の公害対策費がかかる為、もっと
安価で確実な悪臭除去ができる方法の開発が望まれてい
た。
【0009】本発明は従来の脱臭燃焼炉の悪臭除去効果
が得られ、しかも特別に脱臭炉を別途付設させずに塗装
焼き付けを行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明では塗装焼き付け炉の加温を行う熱風発生炉
を使用して、塗装焼き付け炉で生成する悪臭成分を燃焼
させることにより脱臭を行なう。
【0011】これにより塗装焼き付け炉に脱臭燃焼炉を
付設することが不要となる。
【0012】熱風発生炉の炉体は2重囲い構造とし、バ
ーナー燃焼を炉体の内囲い内で行い、熱風の発生と脱臭
を行なう。
【0013】循環ファンにより塗装焼き付け炉内の放熱
管内より戻される熱風は、炉体の外囲い内に導入する。
【0014】炉体の内囲い内と混合室の間に多孔仕切板
を設け、内囲い内で発生した熱風を多孔板を通過させ、
混合室で外囲い内の熱風と混合した後、塗装焼き付け炉
内の放熱管内へ導入する。
【0015】これにより熱風発生炉体の内囲い内の温度
は循環ファンにより塗装焼き付け炉内の放熱管内より戻
される熱風で温度低下する事がなくなり、脱臭効果が均
一化される。
【0016】熱風発生炉のバーナーは塗装焼き付け炉内
の温度が設定温度より低いときに燃焼させ、設定温度よ
り高くなったときには燃焼を低〜中燃焼させる事により
コントロールする。
【0017】一方で熱風発生炉内の温度も監視し、熱風
発生炉の温度が設定温度よりも高い場合は、塗装焼き付
け炉内から燃焼炉のバーナーに供給するエアー配管を分
岐して、バイパス管により別途エアーを燃焼炉のバーナ
ーの火炎に向けて供給する。
【0018】これにより脱臭効率を向上させることがで
きる。
【0019】燃焼炉内温度が設定温度よりも低い場合
は、バイパス管のエアーをダンパーにより止める。
【0020】塗装焼き付け炉内に発生する悪臭成分を燃
焼脱臭させるには最低700℃の火炎中に0.2秒以上
脱臭しようとするエアーを暴露しなければならないと言
われており、実際、この条件の燃焼炉を通過したエアー
は悪臭が除去される。
【0021】それ故、熱風発生炉の設定温度は700℃
以上に設定する。
【0022】
【作用】上記の如く構成した本発明の直燃脱臭式熱風発
生炉においては、塗装焼き付け炉内より導入される各種
塗装品の焼き付け時に発生する悪臭成分は、熱風発生炉
のバーナーが燃焼するためのエアー源として燃焼される
ので、悪臭が除去される。
【0023】また、塗装焼き付け炉内の放熱管内から循
環ファンによって戻ってくる熱風は直接燃焼部に入らず
外囲い内に導入されるので、バーナー燃焼温度が低下し
て脱臭が不均一になることがない。
【0024】熱風発生炉に導入する脱臭対象のエアー
は、熱風発生炉内で脱臭燃焼する条件の時だけ供給され
るので、確実に脱臭されて排気される。
【0025】更に排気した分のエアー量に相当する脱臭
対象のエアーだけが熱風発生炉に供給されるので、外部
に悪臭が散乱することがない。
【0026】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づき説明す
る。
【0027】第1図は本発明の直燃脱臭式熱風発生炉を
用いた移送式の塗装焼き付け炉のフローシートの一例
で、1は直燃脱臭式熱風発生炉本体で、炉体の内囲い内
2、外囲い内3及び混合室4で構成される。
【0028】5は脱臭エアー供給口、6は燃焼バーナ
ー、19は多孔仕切板である。
【0029】塗装した被塗物Wは、トンネル型の塗装焼
き付け炉20内へ導入されて焼き付けを行なう。
【0030】被塗物Wが塗装焼き付け炉内で焼き付けら
れると、炉内にはシンナーや樹脂モノマー、分解ガスな
どの悪臭成分が発生する。
【0031】この悪臭成分を含む空気は、脱臭燃焼ファ
ン8により空気吸入部22から吸入され、ダクト23を
通って、脱臭エアー供給口5、及び燃焼バーナーに送ら
れ、炉体の内囲い内で脱臭燃焼される。
【0032】ここで炉体の内囲い内の温度が700℃を
下回るとセンサー13Bが感知し、温度調節計13Aの
指示によりモーター14が作動しモーターダンパー30
Aが閉じる。
【0033】一方、脱臭燃焼された熱風は混合室を通
り、ダクト10により塗装焼き付け炉内にの放熱管15
に送られ、炉内に放熱した後、循環ファン7によりダク
ト16、17、11を経て熱風発生炉の外囲い内に戻
り、混合室で炉体の内囲い内の熱風と混合して塗装焼き
付け炉内の放熱管へ循環される。
【0034】熱風の一部は塗装焼き付け炉から吸入され
る空気量に応じてダクト18を通って排熱される。
【0035】塗装焼き付け炉内の温度制御はセンサー2
4Bが感知し、温度調節計24Aの指示によりモーター
25が作動し、塗装焼き付け炉内温度が低いときは、モ
ーターダンパー30B及び31が開き、それぞれ助燃エ
アーとL.P.Gが供給され燃焼する。
【0036】熱風発生炉内に設けた多孔仕切板は、炉体
の内囲い内の熱で多孔仕切板を赤熱化し、多孔仕切板を
通過する炉体の内囲い内の熱風を多孔仕切板の熱で再脱
臭する。
【0037】また、多孔仕切板は炉体の外囲い内の循環
熱風が混合室から炉体の内囲い内に直接入らない様にし
て、炉体の内囲い内の温度低下による脱臭効果の不均一
化を防止する。
【0038】〔実施例1〕 塗装焼き付け炉内の温度は175℃で、被塗物は塗装焼
き付け炉内を18分で通過した。
【0039】被塗物は1個あたり55Kgで、1時間に
120個通過した。
【0040】燃焼のための燃料は、L.P.Gを毎時2
8.5Nm、バーナーは、毎時760000キロカロ
リーの能力のものを使用した。
【0041】バーナーの運転率は70〜80%で、排熱
には悪臭はなく、ほぼ完全に脱臭された。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明による直燃脱臭式熱風発生炉は、熱風発生炉と脱臭炉
が共用されているので、わざわざ塗装焼き付け炉用の燃
焼炉と別に脱臭のための燃焼炉は必要ない。
【0043】その結果、安価な設備費で均一な塗装焼き
付けと悪臭公害の防止がはかれるという優れた結果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる直燃脱臭式熱風発生炉を用いた
移送式の塗装焼き付け炉の実施態様を示すフローシート
の図である。
【符号の説明】
1 直燃脱臭
式熱風発生炉本体 2 炉体の内
囲い内 3 炉体の外
囲い内 4 混合室 5 脱臭エア
ー供給口 6 燃焼バー
ナー 7 循環ファ
ン 8 脱臭燃焼
ファン 9 液化石油
ガス 10、11、16、17、18、23 ダクト 13A、24A 温度調節
計 13B、24B センサー 14、25 モーター 15 放熱管 19 多孔仕切
板 20 塗装焼き
付け炉本体 22 空気吸入
部 30A、30B、31 モーター
ダンパー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル型のコンベア移送式又はバッチ
    式塗装焼き付け炉を加温するため、塗装焼き付け炉内の
    放熱管内へ導入する熱風を発生させる熱風発生炉におい
    て、熱風発生炉の炉体を2重囲い構造とし、循環ファン
    により塗装焼き付け炉内の放熱管より戻された熱風を炉
    体の外囲い内に導入する一方、熱風発生炉のバーナー燃
    焼を炉体の内囲い内で行い、炉体の内囲い内で発生した
    熱風を格子状又は蜂の巣状等の多孔仕切板を通過させ、
    混合室で炉体の外囲い内の熱風と混合後、塗装焼き付け
    炉内の放熱管内へ導入する事を特徴とする直燃脱臭式熱
    風発生炉。
  2. 【請求項2】 請求項1の直燃脱臭式熱風発生炉におい
    て熱風発生炉内の温度が熱風発生炉内設定温度よりも高
    い時に、塗装焼き付け炉内から熱風発生炉内のバーナー
    に供給するエアーを分岐して、バイパス管により別途エ
    アーをバーナーの火炎に向けて供給する直燃脱臭式熱風
    発生炉。
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