JP2886549B2 - 抗菌剤の製造方法 - Google Patents

抗菌剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗菌剤の製造方法に関し、更に詳しくは、皮
膚外用剤に好ましく用いられるような抗菌剤の製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
従来、化粧料などの皮膚外用剤に用いられる抗菌剤
は、トリブロムサラン、イルガサン、ヘキサクロロフェ
ン、ヒビテン、パラベンなどが知られれ、これらの抗菌
剤を得るための各種の製造方法もいろいろ知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記の従来の各種の製造方法から製造され
る抗菌剤、例えば、トリブロムサラン、イルガサンある
いは、ヘキサクロロフェンは、殊に光を受けると化学変
化し、肌に害毒をもたらすという問題点があった。
ヒビテンは、比較的肌に刺激がないことから、広く使
用されているが、水系の製品例えば化粧水、ヘヤートニ
ックなどのローション類の中では沈殿したり凝集したり
し、効果的な抗菌作用が得られないという問題点があっ
た。
また、パラベンは安全性が高く非常に広く用いられて
いるが、抗菌作用が弱いという問題点があった。
こうした問題点を背景に、強力で、しかも肌に害が無
く、安全性の高い抗菌剤を製造することのできる方法の
実現が強く望まれていた。
細菌類は、化粧品などの中で繁殖すると、変色や変臭
あるいは成分分離などの品質劣化を起こすなどの重大な
影響をもたらす。このため、このような細菌類に対して
抗菌力のある抗菌剤を製造することのできる方法の実現
がこれまでも強く望まれていた。
ところで、しそ科植物のセージあるいはローズマリー
から、ある種の抗酸化剤を抽出分離する方法には、第2
図に工程図で示すような方法として特公昭57−57109号
にも開示されている。この方法によって得られる物質に
は、確かにある種の抗酸化性は認められるが、実質的に
抗菌性はほとんど認められない。
本発明は、上記のような従来の問題点を考慮し、広い
範囲の細菌類に対し、十分な抗菌性があり、とりわけグ
ラム陽性菌には強力な抗菌性を発揮し、しかも、人体に
無害で、場合によれば食品にも十分使用可能で、特に化
粧料などの皮膚外用剤には安全に用いることができる抗
菌剤を製造することのできる方法を提供することを技術
的課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記のような課題を解決するため、本発明の抗菌剤の
第1の製造方法は、しそ科植物を、40〜60体積%低級ア
ルキルアルコール水溶液の中で加熱して、しそ科植物中
の含有成分をそのアルコール中に抽出し、次いで、アル
コール濃度が15〜35体積%に低下するまで水を加え、生
じる沈殿物を除去し、得られた液状成分に、低級アルキ
ルアルコールを加えてアルコール濃度を75〜95体積%に
調整し、再び析出する沈殿物を除去して再度液状成分を
回収して抗菌剤とする。
本発明の抗菌剤の第2の製造方法は、しそ科植物を、
40〜60体積%低級アルキルアルコール水溶液の中で加熱
して、しそ科植物中の含有成分をそのアルコール水溶液
中に抽出し、次いで、更に低級アルキルアルコールを加
えてアルコール濃度を75〜95体積%に調整し、析出する
沈殿物を除去し、得られた液状成分に、アルコール濃度
が15〜35体積%に低下するまで水を加え、再び析出する
沈殿物を除去して再度液状成分を回収して抗菌剤とす
る。
なお、再度得られた液状成分に活性炭を加えてかくは
んし、含まれていた不純物を更に除去すると好ましい。
〔作用〕
本発明の製造方法の正確な原理は不明である。本発明
から、しそ科植物に含まれる抗菌性物質には、極めて低
濃度のアルコール水溶液にも、極めて高濃度のアルコー
ル水溶液にも溶解するという性質のあることが推定され
る。
すなわち、しそ科植物を、40〜60体積%低級アルキル
アルコール水溶液で加熱することで、アルコール水溶液
中に抗菌性物質を含む多くの成分が抽出されると考えら
れる。次いで、アルコール濃度が15〜35体積%にまで低
下することで非水溶性の非極性不純物が沈殿し、これら
の非極性不純物が分離除去されると考えられる。一方、
アルコール濃度を75〜95体積%に調整することで、高濃
度のアルコールに溶けない極性不純物が沈殿し、これら
の極性不純物が分離除去されると考えられる。
また、このように製造されて得られる抗菌剤がどうし
て抗菌性を発揮するかも、必ずしも依然明確ではない
が、本発明者によって、特にグラム陽性菌などの細菌類
の発生と成長を抑えるという点で、極めて著しい効果の
あることが分かった。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
<第1の製造方法> 本発明の抗菌剤の第1の製造方法では、しそ科植物
を、低級アルキルアルコール水溶液で加熱し、植物体の
中に含有されていた成分をアルコール水溶液中に抽出す
る。
本発明の第1の製造方法で好ましく用いられ、低級ア
ルキルアルコール水溶液に成分が抽出されるしそ科植物
としては、例えば、セージ、ローズマリー、メリッサ、
セイボリー、ヒソップ、タイム、マジョラム、ペパーミ
ント、夏枯草、 (きん)、丹参、香需、延命草などが挙げられる。その
中でも特にセージが好ましい。また、効能に優れている
部分は植物の地上部分、あるいは、地下部分、それぞれ
種類によって相違するが、セージの場合には特に全草を
用いるとよい。
本発明でセージを用いる場合、セージの全草を採取
後、天日乾燥などの必要処理を行うと有効成分の抽出効
率が良くなって好ましい。
しそ科植物中の成分の抽出には低級アルキルアルコー
ル水溶液が用いられる。本発明で用いられる低級アルキ
ルアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノ
ールなどが挙げられる。抽出に用いられる低級アルキル
アルコールはこの中から単独で任意に選択されて用いら
れてもよく、組み合わされて任意に選択されて用いられ
てもよい。好ましくはメタノール又は、エタノールがよ
い。
抽出に用いられる低級アルキルアルコールの濃度は、
40〜60体積%が望ましい。アルコールの濃度が40%未満
であると、得られる抗菌剤の収率が下がって好ましくな
い。アルコールの濃度が60%を超えると、同様に収率が
下がって好ましくない。
なお、低級アルキルアルコールの溶媒となる水は、蒸
留水であると、製造して得られる抗菌剤中に毒性物質な
どが混入するおそれがなくなり好ましい。
しそ科植物の成分を抽出するアルコール水溶液の割合
は、加熱しようとするしそ科植物の全質量の5〜20倍量
が好ましい。
抽出温度は60〜90℃、好ましくは75〜85℃が望まし
い。抽出温度が60℃未満であると、抽出効率が悪くなり
好ましくない。抽出温度が90℃を超えると、得られる抽
出液に不溶物が混在するようになり、操作性が悪くなっ
て好ましくない。また、抽出圧力は常圧でよい。抽出時
間は2〜4時間が望ましい。
具体的な抽出方法としては、例えば、セージの全草を
投入したアルコール水溶液を連続的に加熱還流させなが
ら行うなどの方法が挙げられる。次いで、このようにし
て得られた抽出液を過するとよい。抽出液を過する
と、非水溶性の固形物質が除かれる。
次いで、アルコール濃度が15〜35体積%、好ましくは
20〜30体積%に低下するまで水を加える。アルコール濃
度変化は、例えば、比重計でも測定できる。
次いで、こうして得られるアルコール希薄溶液を15時
間以上、好ましくは24時間以上静置するとよい。15時間
以上の静置により、クロロフィルなどの不純物が比較的
粒径の大きい第1の不溶物となって低濃度アルコール水
溶液中に効率よく生じ、沈殿する。なお、静置の際の温
度は15〜25℃がよい。
次いで、このようにして生じた第1の不溶物を液状成
分と分離して液状成分を回収する。具体的には例えば
別するとよい。過温度は常温でよい。
次いで、このように第1の沈殿物を除去し、再度得ら
れる液にアルコールを加え、アルコール濃度を75〜95
体積%に調整するが、その前に、再度得られる液から
水分をいったん留去して濃縮するとよい。具体的には15
〜35mmHg、好ましくは15〜25mmHgの圧力下で、液を減
圧蒸留により水分を留去するとよい。留去温度は50℃以
下がよい。なお、内容物の体積が50〜15%、好ましくは
40〜20%にまで減少した段階で留去を停止させるとよ
い。
このようにして水分を留去した液に、次いで、更に
低級アルキルアルコールを加えてアルコール濃度を75〜
95体積%に調整する。
水分を留去した溶液に加えられる低級アルキルアルコ
ールは、しそ科植物中の成分の抽出に用いられる低級ア
ルキルアルコールとして既に上記した低級アルキルアル
コールの中から選択して使用するとよい。このアルコー
ルはしそ科植物の成分抽出に既に用いた低級アルキルア
ルコールと同一でもよく、異なっていてもよい。
次いで、再度過し、このようにアルコールを加えた
液を、好ましくは1時間以上、毎分50〜100回転をか
くはんするとよい。このようにすることによって多くの
色素などでなる不純物が第2の不溶物となって高濃度ア
ルコール水溶液中に効率よく生じる。次いで、このよう
にして再度の液中に生じる沈殿物を更に液状成分と分
離して液状成分を回収する。具体的には、例えば過す
るとよい。過により3度の液を得る。
通常、上記のような製造方法で、アルコール濃度75〜
95体積%のアルコール性濃縮抗菌剤を得ることができ
る。
なお、好ましくは、このようにして得られるアルコー
ル性濃縮抗菌剤を、更に活性炭を用いて精製するとよ
い。
精製に用いられるとよい活性炭の使用割合はアルコー
ル性濃縮抗菌剤100重量部に対し0.2〜5重量部、好まし
くは0.3〜1重量部が望ましい。
アルコール性濃縮抗菌剤の精製は、3度目の液と活
性炭とを毎分50〜100回転で、60〜120分間程度かくはん
し、かくはんを停止させた後かくはん液を静置し、活性
炭と別すればよい。
アルコール性濃縮抗菌剤の活性炭による精製で、たと
えば、水溶性の褐色成分などが除去される。
色素が除去され、アルコールの割合が75〜95体積%の
アルコール性濃縮抗菌剤は透明で、より多くの化粧料な
どの中に好ましく安全に利用できるようになる。
なお、活性炭を別して得られた透明なアルコール性
濃縮抗菌剤は、アルコール性のままで使用されてもよい
が、さらに脱アルコールされて使用されてもよい。脱ア
ルコールの具体的な方法としては、減圧蒸留などの方法
が挙げられる。減圧度は40mmHg以下、好ましくは25mmHg
以下が望ましい。蒸留温度は40℃以下でよい。
このようにして脱溶媒すると、淡褐色の抗菌剤が得ら
れる。
<第2の製造方法> 一方、本発明の抗菌剤の製造方法では、しそ科植物の
成分の抽出液にアルコールを加え、先に、高濃度のアル
コール水溶液でいったん沈殿物を析出させて除去し、得
られた液状成分に水を加え、アルコール希薄水溶液で再
度析出する沈殿物を、後に、除去してもよい。
すなわち、本発明の第2の製造方法は次のとおりであ
る。
第1の製造方法と同様の方法により、40〜60体積%低
級アルキルアルコール水溶液でしそ科植物を加熱し、低
級アルキルアルコール水溶液中にしそ科植物の成分を抽
出する。
低級アルキルアルコールで成分を抽出するしそ科植物
は、第1の製造方法で既に記載したしそ科植物の中から
任意に選択され、例えばセージであれば既に記載した必
要な処理がなされて用いられるとよい。
第2の製造方法でしそ科植物の成分抽出に用いられる
低級アルキルアルコールも、第1の製造方法で既に記載
した低級アルキルアルコールの中から任意に選択されて
よい。
第1の製造方法で既に記載した条件と同じ条件で加熱
し、抽出液を得て、好ましくは第1の製造方法の中で好
ましい例として記載してあるように過し液を得る。
次いで、得られる液にアルコールを加えてアルコー
ル濃度を高くするが、その前に、得られる液から水分
などをいったん留去して濃縮するとよい。
具体的には15〜35mmHg、好ましくは15〜25mmHgの圧力
下で液を減圧蒸留により水分を留去するとよい。留去
温度は50℃以下がよい。なお、内容物の体積が50〜15
%、好ましくは40〜20%にまで減少した段階で留去を停
止させるとよい。アルコール濃度は溶液の比重変化で観
察してもよい。
このようにして水分を留去して得られた溶液に、次い
で、更に低級アルキルアルコールを加えて溶液中のアル
コール濃度を75〜95体積%に調整する。
加えられる低級アルキルアルコールは、しそ科植物中
の成分の抽出に用いられる低級アルキルアルコールとし
て既に記載した低級アルキルアルコールの中から選択さ
れるとよい。このアルコールはしそ科植物の成分抽出に
既に用いた低級アルキルアルコールと同一でもよく、異
なっていてもよい。
次いで、このようにアルコールを加えた液を、好ま
しくは1時間以上、毎分50〜100回転でかくはんすると
よい。このようにすることによって多くの色素などで形
成される不純物が第1の不溶物となって高濃度アルコー
ル溶液中に効率よく生じる。次いで、このようにして
液中に生じる沈殿物を除去し、液状成分を回収する。具
体的には例えば液を得るとよい。
次いで、このようにして得られた液に、水を加えて
アルコール濃度を低くするが、その前に脱アルコール
し、アルコール濃度を40〜60体積%に調整するとよい。
具体的な脱アルコール方法としては、減圧蒸留などの方
法が挙げられる。脱アルコールする減圧蒸留の減圧度は
35mmHg以下、好ましくは25mmHg以下が望ましい。
次いで、アルコール濃度が15〜35体積%、好ましくは
20〜30体積%に低下するまで水を加える。
次いで、こうして得られるアルコール希薄溶液を15時
間以上、好ましくは24時間以上静置するとよい。15時間
以上の静置により、クロロフィルなどの不純物が比較的
粒径の大きい第2の不溶物となって低濃度アルコール水
溶液中に効率よく生じ、沈殿する。なお、静置の際の温
度は15〜25℃がよい。
次いで、このようにして再度の液中に生じる沈殿物
を更に液状成分と分離して液状成分を回収する。具体的
には、例えば過するとよい。過により3度目の液
を得る。
通常、上記のような製造方法で、水性濃縮抗菌剤を得
ることができる。
なお好ましくは、第1の製造方法でも既に述べたよう
に、更に活性炭を用いて精製するとよい。
水溶性濃縮抗菌剤の精製に用いる活性炭の使用割合は
液100重量部に対し0.2〜5重量部、好ましくは0.3〜
1重量部が望ましい。
3度目の液と活性炭とを毎分50〜100回転で、60〜1
20分間程度かくはんし、かくはんを停止させた後かくは
ん液を静置し、活性炭と別すればよい。
液の精製によって、第1の製造方法で既に述べた効
果と同様の効果を得ることができる。
なお、活性炭を別して得られた透明な水性濃縮抗菌
剤は、水性濃縮抗菌剤のままで使用されてもよいが、更
に脱水されて使用されてもよい。脱水の具体的な方法と
しては、減圧蒸留などの方法が挙げられる。減圧度は35
mmHg以下、好ましくは25mmHg以下が望ましい。蒸留温度
は50℃以下でよい。
上記のような第1の製造方法、あるいは第2の製造方
法によって得られた抗菌剤は、主として化粧品、その中
でもクリーム、乳液、ローションなどに特に好ましく用
いることができる。
もっとも使用範囲は上記のような化粧品に限る必要は
ない。例えば、医薬品、歯磨き、口腔剤、食品など化粧
品以外の化学工業製品にも同様に幅広く用いることがで
きる。
本発明の製造方法によって製造された抗菌剤を上記の
ような化粧品あるいはその他の化学工業製品に用いるに
は、具体的には、それぞれの化学工業製品の中に直接添
加すればよい。
使用しようとする工業製品が粉体あるいは、固形化学
製品若しくは練り状化学製品の場合には、脱溶媒させた
抗菌剤を用い、分散させるとよい。油性あるいはアルコ
ール性化学製品の場合には第1の製造方法で得られるア
ルコール性濃縮抗菌剤を直接用いるとよい。水性化学製
品の場合には第2の製造方法で得られる水性濃縮抗菌剤
を直接混合して用いるとよい。
更に、適当な基剤に懸濁あるいは溶解させ、乳化剤、
浸透剤、角質軟化剤、展着剤、その他の添加剤とともに
製剤化し、散剤、チンキ剤、ローション剤エマルジョ
ン、サスペンジョン、軟膏などの中の1成分として使用
してもよい。
抗菌剤の使用割合は化学工業製品100重量部に対し次
のようにするとよい。脱溶媒させた抗菌剤の場合は0.3
×10-2〜1×10-2重量部、アルコール性濃縮抗菌剤を用
いる場合は1×10-2〜3×10-2重量部、水性濃縮抗菌剤
を用いる場合は1×10-2〜3×10-2重量部の割合で使用
するとよい。
本発明の製造方法によって製造された抗菌剤を上記の
ような化粧品あるいはその他の化学工業製品に用いる
と、特にグラム陽性菌などの繁殖を極めて効果的に抑制
し、使用された化学製品の長期保存を可能にする。グラ
ム陽性菌には、たとえばスブチリス、あるいは、スタフ
ィロコッカス オーレウスなどが含まれる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を説明する。
<実施例1> 第1図に工程図で示すように、セージの全草を採取
し、それを天日乾燥した後約3cmの長さに裁断し、1Kgの
試料を得た。
得られた試料の全量を、冷却器を備えた還流フラスコ
中に入れ、続いて、50体積%エタノール水溶液20をそ
のフラスコの中に注入した。
このようにしてエタノール水溶液と試料とを入れた還
流フラスコをマントルヒーターで加熱し、フラスコ内の
温度を80℃にして成分の抽出を行った。抽出時間は2時
間とした。
抽出を停止させた後、過して液を得た。得られた
液に蒸留水10を加えて1時間かくはんした。
室温で1日放置後、液中に生じた沈殿物を過して
再度液を得た。再度得られた液をロータリーエバポ
レーターを用い、減圧度25mmHgで減圧蒸留によりフラス
コ内の液分を除去しつづけ、フラスコ内の内容物を10
まで濃縮した。
次いで、このようにして得られた10の内容物にエタ
ノール90を加え、1時間かくはん後に溶液中に生じた
沈殿物を過して3度目の液を得た。
次いで、得られた3度目の液に活性炭1Kgを入れ、
毎分100回転で1時間かくはんし、かくはんを停止させ
た後活性炭を別した。
次いで、更にロータリーエバポレーターを用い、減圧
度25mmHgで減圧蒸留し、高濃度の抗菌剤濃縮液30を得
た。
<実施例2> 実施例1に準じ、セージ1Kgに40体積%メタノール水
溶液10を加え3時間還流抽出し、得られた抽出液を
過して液を得た。
一方、過して得られた残査に10の40体積%メタノ
ール水溶液を加え3時間還流抽出し得られた抽出液を先
に得られた液に加えた。このようにしてメタノール水
溶液で抽出して得られた液に蒸留水20を加えて1時
間かくはんした。
室温で1夜放置後、液中に生じた沈殿物を過して
再度液を得た。このようにして再度得られた液をフ
ラスコ内に戻し、ロータリーエバポレーターを用い、減
圧度25mmHgで、減圧蒸留によりフラスコ内の液分を除去
しつづけ、フラスコ内の内容物を10まで濃縮した。
次いで、このようにして得られた10の内容物にメタ
ノール90を加え、1時間かくはん後に溶液中に生じた
沈殿物を過して3度目の液を得た。
次いで、得られた3度目の液に活性炭500gを入れ、
毎分50回転で2時間かくはんし、かくはんを停止させた
後活性炭を別した。
次いで、更にロータリーエバポレーターを用い、減圧
度25mmHgで減圧蒸留して溶媒を完全に留去し、淡褐色の
抗菌剤75gを得た。
<実施例3> 実施例1と同様の方法によりフラスコ内のエタノール
水溶液にセージの成分を抽出した抽出液を得た。
抽出を停止させた後、過して液を得た。得られた
液をフラスコ内に戻し、更にロータリーエバポレータ
ーを用い、減圧度20mmHgで減圧蒸留によりフラスコ内の
液分を除去しつづけ、フラスコ内の内容物を10まで濃
縮した。
次いで、このようにして得られた10の内容物にエタ
ノール90を加え、2時間かくはんし、つづいて、エタ
ノール中に生じた沈殿物を過して再度液を得た。次
いで、再度の液をフラスコ内に戻し、更にロータリー
エバポレーターを用い、減圧度20mmHgで減圧蒸留し、内
容物を15に濃縮した。
得られた濃縮液に蒸留水10を加えて2時間かくはん
した。
室温で1日放置後、液中に生じた沈殿物を過して
3度目の液を得た。得られた3度目の液をフラスコ
内に戻し、更にロータリーエバポレーターを用い、減圧
度20mmHgで、減圧蒸留によりフラスコ内の液分を除去し
つづけ、フラスコ内の内容物を15まで濃縮し、高濃度
の抗菌剤濃縮液15を得た。
<比較例1> 乾燥セージ100gに95%エタノール300mlを加え、1時
間環流させながら抽出処理した後、濾別した。抽出残渣
に95%エタノール300mlを加え、1時間環流させながら
抽出した後、濾別した。抽出液を合わせ、これに活性炭
5gを加え30分間環流させ、濾過した後、濾液の更に活性
炭5gを加え、同様の操作を繰り返した。得られた抽出液
を減圧下40℃で溶媒を留去し褐色の塊状物質を得た。次
に、この物質を約10倍量の水に懸濁し、撹拌しながら約
30分間水蒸気蒸留を行った。その後、濾過を行い、不溶
部を採用し、乾燥して淡褐色の粉末6.3gを得た。
<比較例2> 前記特開昭57−57109号公報に記載の方法により行っ
た。すなわち、乾燥セージ1kgに50%エタノール10Lを加
え、3時間環流させながら抽出処理した後、濾別した。
抽出残渣に50%エタノール6Lを加え、3時間環流させな
がら抽出する操作を更に2回繰り返した後、濾別した。
抽出液を合わせ、これに水5Lを加えると沈殿が析出し
た。この溶液に活性炭100gを加えて1時間撹拌し、一夜
冷所に放置した後、濾別して沈殿と活性炭の混合物を得
た。この混合物にエタノール4Lを加えて3時間熱環流
し、温時濾過した。残渣はエタノール2.4Lで同様に処理
抽出する操作を更に二回繰り返して濾過した。濾液を合
わせて、減圧濃縮して濃縮物Aを72g得た。
一方、沈殿と活性炭の混合物を濾過して得た濾液を減
圧濃縮して、濃縮物Bを134g得た。
《抗菌性試験液並びに菌液の調製》 第1表に示すような、実施例1及び実施例3で得られ
た濃縮抗菌剤、比較例1で得られた従来の保存剤、比較
例2で得られた濃縮物A及びB、ならびに従来の抗菌剤
とコントロールとしての20%エタノール水溶液を用いて
抗菌性試験液を調製した。
上記第1表に示す試料A,B,E,G,Hを20体積%エタノー
ル水溶液に別々に溶解し、試料濃度が各0.05重量%の5
種類の試験溶液を調製した。また試料C、Dを20体積%
エタノール40体積%DMSO水溶液に別々に溶解し、試料濃
度が各0.05重量%の2種類の試験液を調製した。また試
料Fを20体積%エタノール水溶液に溶解し、試料濃度が
各0.01重量%の試験液を調製した。また試料Iはそのま
ま用いた。
次いで、0.005重量%のジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム水溶液中に、第2表に示す試験菌1,2を107個/m
lの濃度で混入した2種類の菌液を用意した。また、0.8
5重量%の塩化ナトリウム水溶液中に、第2表に示す試
験菌3〜6を107個/mlの濃度で混入した4種類の菌液を
用いした。次いで、内径9cmで高さ1cmの6個のそれぞれ
のシャーレの中に上記の菌液を別々に注入し、注入した
その菌液の上に、それぞれ寒天培地20mlを更に流し込
み、それぞれにふたをして寒天培地と菌液とを十分に混
和し、6個の培地を得た。
《抗菌性試験1》 このようにして得られた6個の培地の中に、外径8m
m、内径6mm、高さ10mmの、ステンレスでできた上下開口
の小円筒状カップを立てた。
次いで、このように小円筒状カップを立てた培地のそ
のカップ内に試料Aについての試験液を注入し、菌1〜
3については培養温度を30℃として2日間細菌類の培養
を試み、菌4〜6については培養温度を37℃として1日
間それぞれ細菌類の培養を試み小円筒状カップ周囲に透
明な阻止円が発生するのを確認した。
発生した阻止円の直径を表3に示す。
《抗菌性試験2〜8》 試料B〜Iを用いた以外は抗菌性試験1と同様にし
た。
発生した阻止円の直径を表3に示す。
上記第3表の結果から次のようなことが分かった。す
なわち、本発明による試料A、試料Bは試料F(ヒビテ
ン)と同様に強い抗菌性があり、その中でも特に試験菌
4のバシリス スブチリス、あるいは試験菌5のスタフ
ィロコッカス オーレウスなどのグラム陽性菌には強い
活性を示している。一方、比較例による試料C,D及びE
は試料G(メチルパラベン)、試料H(ベルベリン)や
試料I(コントロール)と同様に抗菌性の弱いものであ
った。したがって、例えば皮膚外用剤に本発明の抗菌剤
を配合した場合に、非常に幅広い多種類の細菌類、その
中でも特にグラム陽性菌の繁殖を極めて効果的に抑制す
るということが分かった。
《最小発育阻止濃度試験1〜3》 第2表に示す菌類1〜6を用い、液体培地希釈法に従
って試料A、試料B、試料Gのそれぞれについての最小
発育阻止濃度を測定した。
結果を第4表に示す。
上記の結果から、本発明の抗菌剤は、従来の抗菌剤メ
チルパラベンと比較して、同様に最小発育阻止活性が極
めて高いことが分かった。
《急性毒性試験》 アラビヤゴム2重量%を含む生理食塩水0.2mlに実施
例1で得られた抗菌剤1〜5mgを溶解した複数の試験液
を調製し、体重25gのICR雄マウス1群10匹に腹腔投与し
た。マウスに対すし、LD50=200mg/kg以上であることが
分かった。
上記、最小発育阻止濃度試験並びに急性毒性試験の結
果から本発明は極めて毒性が低く生体に使用しても極め
て安全であることが分かった。
〔発明の効果〕
本発明は上記のような構成で形成されていることか
ら、広い範囲の細菌類に対し、十分な抗菌性があり、と
りわけグラム陽性菌に強力な抗菌性を発揮し、しかも、
人体に無害で、場合によれば食品にも十分使用可能で、
特に化粧料などの皮膚外用剤に安全に用いることができ
る抗菌剤を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の工程図、第2図は特公
昭57−57109号の抗酸化剤を抽出分離する方法の工程図
である

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】しそ科植物を、40〜60体積%低級アルキル
    アルコール水溶液の中で加熱して、しそ科植物中の含有
    成分をそのアルコール水溶液中に抽出し、次いで、アル
    コール濃度が15〜35体積%に低下するまで水を加え、生
    じる沈殿物を除去し、得られた液状成分に、低級アルキ
    ルアルコールを加えてアルコール濃度を75〜95体積%に
    調整し、再び析出する沈殿物を除去して再度液状成分を
    回収して抗菌剤とする抗菌剤の製造方法。
  2. 【請求項2】しそ科植物を、40〜60体積%低級アルキル
    アルコール水溶液の中で加熱して、しそ科植物中の含有
    成分をそのアルコール水溶液中に抽出し、次いで、更に
    低級アルキルアルコールを加えてアルコール濃度を75〜
    95体積%に調整し、析出する沈殿物を除去し、得られた
    液状成分に、アルコール濃度が15〜35体積%に低下する
    まで水を加え、再び析出する沈殿物を除去して再度液状
    成分を回収して抗菌剤とする抗菌剤の製造方法。
  3. 【請求項3】再度得られた液状成分に活性炭を加えてか
    くはんし、活性炭を分離して液状成分を回収する請求項
    第1項又は第2項に記載の抗菌剤の製造方法。
  4. 【請求項4】しそ科植物が、セージ、ローズマリー、メ
    リッサ、セイボリー、ヒソップ、タイム、マジョラム、
    ペパーミント、夏枯草、 丹参、香需、延命草で構成される群から選択される請求
    項第1〜3項のいずれかに記載の抗菌剤の製造方法。
  5. 【請求項5】低級アルキルアルコールが、メタノール又
    はエタノールである請求項第1〜4項のいずれかに記載
    の抗菌剤の製造方法。
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