JPH09278666A - 抗菌剤およびその製造法 - Google Patents

抗菌剤およびその製造法

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JPH09278666A
JPH09278666A JP8113246A JP11324696A JPH09278666A JP H09278666 A JPH09278666 A JP H09278666A JP 8113246 A JP8113246 A JP 8113246A JP 11324696 A JP11324696 A JP 11324696A JP H09278666 A JPH09278666 A JP H09278666A
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JP
Japan
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betel
piper betle
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antimicrobial agent
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JP8113246A
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Joji Yamahara
條二 山原
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Research Institute for Production Development
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性の高い、天然由来の優れた口
腔内有害微生物に対する抗菌剤を提供する。 【構成】 キンマの葉から抽出したキンマエキ
スを有効成分とする抗菌剤。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、口腔内有害微生物に対し、優れ
た抗菌作用を有する天然由来の新規な抗菌剤およびその
製造法に関するものである。
【従来の技術】
【0002】近年、浄口剤や液体歯磨きが広く使用され
るようになったが、これらは単に芳香、清涼感を付与す
るために芳香性を示す天然物が添加されているに過ぎ
ず、抗菌作用を有すものとはいえない。また、化学合成
された口腔内抗菌剤については、周知のごとく既に市般
に供されているが、天然由来の口腔内有害微生物に対す
る抗菌剤については知られていない。本発明は、上記問
題点に鑑み、安全性が高い天然由来の新規抗菌剤を提供
しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0003】本発明によれば、上記課題はキンマエキス
を有効成分として含んでなる抗菌剤により解決される。
【0004】本発明者は、従来の芳香、清涼感を付与す
るといった感覚に働きかけるだけに過ぎない天然物の活
用を越え、より積極的に口腔内有害菌を殺し、齲歯や歯
周病の原因を除去する効果を有し、かつ清涼感を付与で
きる芳香性を有する天然物を見出すため、系統的な実験
研究を重ねた結果、キンマの抽出エキスが安全性が高
く、しかも優れた抗菌効果を有するという新知見を得、
本発明を完成したのである。
【0005】本発明に使用するキンマ(Piper betel )
は、中国やインド、スリランカ等に広く分布しているコ
ショウ科に属する常緑の灌木で、湿潤な熱帯常緑樹林中
に原生しており、口中を清潔にして口臭を除き、呼吸に
爽快感を与えるという効果のあることは知られている
が、口腔内有害微生物に対する抗菌作用については全く
報告されておらず、また、抗菌剤としての作用について
も知られていない。
【0006】本発明者は、キンマ、チョウジ、ショウズ
ク、コウズク、サンナ、ショウキョウ、ボツカレン、ガ
イヨウ、ダイウイキョウ、ウイキョウ等の天然物エキス
について、それぞれ口腔内有害菌に対する抗菌作用の強
弱を評価、検討した結果、キンマエキス、特にキンマの
20〜40%エタノールもしくはメタノール抽出エキス
が最も優れた抗菌性を有することを確認した。
【0007】キンマの生薬あるいは乾燥葉を粗切りにし
て、これらの葉の重量の1〜3倍量の水またはエタノー
ルもしくはメタノール等の溶媒を使用し、抽出温度20
℃から100℃で時々振り混ぜて、2時間から5時間抽
出し、次いで抽出滓を含む抽出物から抽出滓を濾別し、
減圧下該溶媒を完全に留去することにより、目的とする
キンマエキスを得ることができる。
【0008】キンマからのエキスの抽出には、水、エタ
ノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ブタノ
ール、酢酸エチル、アセトン等を用いることができる
が、これらの溶媒は2種以上組合せて使用しても良く、
特に好ましい溶媒は、キンマの20〜40%エタノール
またはメタノールである。
【0009】抗菌作用の試験方法は、抗菌力を測定する
最も一般的な方法である最小発育阻止濃度測定法:Minim
um Inhibitory Concentration (以下、MIC と称す
る。)を用いた。これは、寒天培地あるいは液体培地中
に段階的に希釈した試料を加えて各濃度系列の培地を調
製し、一定量の供試菌を接種して培養後、その菌の生育
状態より抗菌性物質のMIC を求めるものである。本発明
においては、液体培地希釈法を用いた。
【0010】本発明において使用した主な試薬として
は、GAM ブイヨン培地(日水製薬)、ブレインハートイ
ンフュージョン(以下、BHIと称する。)培地(Difc
o)、細菌培地用寒天末(和光純薬)、塩酸テトラサイ
クリン(和光純薬)、アネロパックケンキ<嫌気ガス発
生剤>(三菱ガス化学)、生理食塩水(0.9%食塩
水)を挙げることができる。
【0011】菌株としては、歯周病菌Fusobacterium
nucleatum IID 891、Bacteroidesmelaninogenicus GI
FU 4637、Porphyromonas gingivalis GAI 7802 、齲
歯原因菌Streptococcus mutans IFO 13955を用いた。
【0012】菌株の前培養については次の通り行った。
GAM ブイヨン培地に1.5%となるよう寒天を添加し、
高圧蒸気滅菌器で滅菌した(121℃,15分)。微好
気性菌(S.mutans)の場合には、ブレインハートインフ
ュージョン培地に1.5%となるよう寒天を添加し、同
様に滅菌した。これらを滅菌シャーレに約20mlずつ分
注し、水平に放置して冷却固化させ、GAM寒天平板培地
あるいはBHI寒天平板培地を作成した。次に、凍結保存
菌株を約30℃の微温湯で融解し、火炎滅菌した白金耳
を菌液の中に浸して釣菌し、GAM 寒天平板培地あるいは
BHI寒天平板培地に画線塗沫した。これを37℃で嫌気
培養、S.mutansの場合にはそのままコロニーが出現する
まで静置培養した。
【0013】接種用菌液の調製は、10mlGAM ブイヨン
培地が入った試験管にアルミキャップをし、高圧蒸気滅
菌器により滅菌した(121℃,15分)。微好気性菌
(S.mutans)の試験の場合には10mlのBHI培地を同様
に滅菌した。前培養した1コロニーを白金耳で釣菌し、
GAMブイヨン培地あるいはBHI培地に接種した後、37℃
で嫌気培養した。S.mutansの場合にはそのまま静置培養
した。これらをさらに、GAM ブイヨン培地あるいはBHI
培地に100μl植え継いで、37℃で24時間、同様
に培養した。培養後、610nmにおける吸光度を0.3
に調製した後、生理食塩水で100分の1に希釈(菌数
は106cfu/ml)した液を接種菌液とした。
【0014】試料の調製は、ジメチルスルホオキサイド
に溶解し、所用濃度に調製した後、滅菌済みのメンブレ
ンフィルターを用いて濾過除菌した。滅菌したジメチル
スルホオキサイドを用いて濾過除菌した試料を希釈し
た。2mlのGAM ブイヨン培地あるいはBHI培地に試料2
0μlを加えて被験培地とした。このとき試料の希釈濃
度は、500,250(μg/ml)の2倍希釈系列とし
た(最終濃度)。
【0015】菌の接種および培養は、次のように行っ
た。接種菌液(菌数は106cfu/ml)20μlを前記被
験培地に接種し、最終菌液量を104cfu/ml とした。
陽性対照として試料不含培地での発育を確認し、対照薬
として塩酸テトラサイクリンを用いて試験の制度を確認
した。これらを37℃で嫌気培養した。S.mutansの場合
には対照に用いた薬剤不含培地での菌の発育を確認する
まで、そのまま静置培養した。
【0016】抗菌作用の判定は、以下の通りに行った。 発育養成の判定基準:肉眼的に混濁または沈殿が認めら
れた場合。 発育阻止の基準:肉眼的に混濁または沈殿が認められな
い場合。 試料希釈系列中に不連続な発育(スキップ現象)が認め
られた場合は判定を保留とし再検した。再検において不
連続な発育が再現された場合には、汚染菌の混入がない
ことを確かめた後、最終的に発育を阻止した最低濃度を
もってMIC とした。
【実施例】
【0017】実施例によって本発明の構成、作用を説明
すれば次の通りである。 実施例1 粗切りしたキンマの生薬1Kgに対し、溶媒として3l の
蒸留水を加え、2時間加熱沸騰させた後、濾過し、減圧
下50℃以下で溶媒を完全に留去し、目的とするキンマ
エキス300gを得た。
【表1】
【0018】表1に示したように、キンマやコウズク等
に抗菌作用が認められたが、特にメタノールまたはエタ
ノール処理したキンマエキスに優れた抗菌作用を有する
ことが明らかになった。 実施例2
【0019】粗切りしたキンマの生薬1Kgに対し、溶媒
として35%および95%のエタノールもしくはメタノ
ール3l を加え、室温で時々振り混ぜて3日間放置後、
濾過し、減圧下50℃以下で溶媒を完全に留去し、目的
とする35%キンマアルコールエキス約200gおよび
95%キンマアルコールエキス約50gを得た。エタノ
ールであってもメタノールであっても、エキス収率はほ
ぼ同等であった。
【0020】キンマの他、チョウジ、ショウズク、コウ
ズク、サンナ、ショウキョウ、ボツカレン、ガイヨウ、
ダイウイキョウ、ウイキョウ等の生薬を用い、実施例1
および実施例2と同様の処理を行って、そのそれぞれに
ついて抗菌作用を検討した。
【表2】
【0021】その結果を参考例として表2に示す。この
ように、抗菌作用については特に優れた効果を得ること
ができなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、実施例にも示した通
り、安全性の高い、天然由来の優れた口腔内有害微生物
に対する抗菌剤およびその製造法を提供できる。従っ
て、産業上の利用性は非常に高いといえる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キンマの生薬または乾燥葉を、水、また
    は有機溶媒を用いて抽出したことを特徴とする抗菌作用
    を有するキンマエキス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のキンマエキスを有効成分
    とする抗菌剤。
  3. 【請求項3】 キンマの生薬または乾燥葉を、キンマの
    20〜40%エタノールもしくはメタノールから選ばれ
    る有機溶媒で抽出し、続いて、該抽出液を濃縮すること
    を特徴とする抗菌作用を有するキンマエキスの製造法。
JP8113246A 1996-04-09 1996-04-09 抗菌剤およびその製造法 Withdrawn JPH09278666A (ja)

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