JP2886110B2 - ヒートパイプ式融雪装置 - Google Patents
ヒートパイプ式融雪装置Info
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Description
ートパイプを採用し、かつ地中の熱を熱源として利用す
る融雪装置に関するものである。
を確保する上で特に重要であるが、これらの路面は自然
環境下に直接晒されているうえに、対象とする面積が広
いために、人力による除雪を行うとすれば多大の労力と
時間とを要する。またその除雪のために人工的な熱エネ
ルギを使用するとすれば、ランニングコストが嵩むなど
の問題が生じる。そこで従来、雪を溶かして除雪するに
あたり自然エネルギを可及的に有効利用することが種々
試みられており、その一例が特開昭63−40002号
公報に示されている。
説明すると、融雪を行う地表面の直下に、直管形状を成
すヒートパイプの上端部が配設されている。そして、そ
のヒートパイプの下端部側は、地中の深い箇所に延ばさ
れている。また、このヒートパイプを構成しているコン
テナの内部には、作動流体の蒸気流を制御するダンパ
(漏洩型バタフライ弁)が備えられるとともに、毛細管
作用によって液相作動流体を底部側から上端部側に汲み
上げるウィックがコンテナ内壁部に備えられている。そ
して、このヒートパイプの近傍に設置した降雪センサと
地表面温度センサと地中温度センサとによって、地表温
度に対して地中温度が高く、しかも降雪がないことが検
知された場合に前記ダンパが閉じられてヒートパイプが
動作しないように構成されている。
って、また地表温度よりも地中温度が高いことが各セン
サによって検知された場合に、ヒートパイプ内において
ダンパが開いた状態になるから、コンテナの下端側(地
中側)において地熱によって加熱されて蒸発した作動流
体が、コンテナの途中で遮断されることなく上端側(地
表面側)に到達できる。すなわち、ヒートパイプの作動
流体によって地中に存在する熱が地表面側に輸送され
る。そして、この熱輸送がある程度継続されることによ
り、地表面上の積雪が溶かされる。
ものの、地中温度に対して地表面温度が高いことが検知
された場合にも、ヒートパイプ内部のダンパは開いた状
態に維持される。そして、この場合には、ウィックによ
ってコンテナの下端部に滞留する作動流体が上端部側に
汲み上げられるとともに、地表面近傍の地熱によって加
熱される。そして、蒸気となった作動流体は、コンテナ
下端側に流動し、低温の地中に向けて熱を放出する。こ
れにより、冬季の融雪に必要な熱源エネルギを地中に蓄
えることができる。
上記の融雪装置では、ダンパ(漏洩型バタフライ弁)に
よって作動流体の蒸気流を遮断し、また液相作動流体を
ウィックによってコンテナの上端部側に還流させる構成
であって、ウィックはコンテナの内面全体に連続した状
態で取り付けられているから、ダンパを閉じた状態にお
いてもウィックによる僅かな隙間がコンテナの内壁面と
ダンパの縁部との間に形成されてしまう。したがって、
例えば地表温度が地中温度に対して低い場合に、液相の
作動流体が少量づつ汲み上げられたり、あるいは地中温
度の方が高い場合に、上端部側に蒸気が流動したりする
など、ヒートパイプの動作を完全には制御することがで
きず、そのために意図しない熱輸送が行われるおそれが
多分にあった。
プがほぼ垂直に埋設されているので、地表面上の広がり
方向に対するヒートパイプの放熱面積が小さく、すなわ
ち一本のヒートパイプによって融雪することのできる地
表面の面積が極めて狭い。そのため、上記の融雪装置に
よって、ある一定範囲の地表面を均一かつ効率よく融雪
するには、多数本のヒートパイプが必要となり、設備コ
ストが高くなる問題があった。
たものであり、確実かつ効率のよい融雪を行うことがで
き、しかも設備費が安価な融雪装置を提供することを目
的とするものである。
を達成するために、密閉金属管からなるコンテナの内部
に真空脱気した状態で作動流体を封入したヒートパイプ
の蒸発部が、地中の高温域に延ばされて配設されるとと
もに、そのヒートパイプの凝縮部が地表面の直下で、か
つ該地表面とほぼ平行方向に布設され、さらに、前記ヒ
ートパイプの前記蒸発部と前記凝縮部との中間部分に、
前記コンテナ内部における前記作動流体の流動を選択的
に遮断する電磁弁が備えられ、さらに降雪センサが降雪
を検出しかつ路面温度センサが地中温度センサによって
検出された温度よりも路面温度が低いことを検出した場
合に前記電磁弁を開き、かつ、路面温度の方が地中温度
よりも高いことが検出された場合に前記電磁弁を閉じる
制御装置が設けられているとともに、前記電磁弁が、前
記コンテナの内周部に設けられた弁座と、この弁座に対
して当接または離隔する弁体とを備えていることを特徴
とするものである。
の下端部を地中の高温域に延ばした状態が配置されてい
るから、降雪時には地表面側の凝縮部と地中深部の蒸発
部との間に温度差が生じる。一方、降雪が降雪センサに
よって検出され、その場合の路面温度センサによって検
出された温度が地中温度センサによって検出された温度
より低ければ、制御装置からの出力信号によって電磁弁
が開かれ、その結果、作動流体が蒸発部に供給され、そ
の作動流体が地中の熱によって加熱されて蒸発する。す
なわち自動運転が行われる。
い凝縮部に向けて上昇するとともに、その地表面近傍の
土壌に熱を奪われて凝縮する。すなわち、地表面および
その近傍の土壌に熱が放出される。そして、この熱によ
って地表面上の積雪が溶かされる。なお、その場合、凝
縮部側のコンテナが地表面とほぼ平行に布設されている
ため、汲み上げた地熱が地表面の広範囲に亘って放散さ
れる。したがってヒートパイプの1本あたりの融雪面積
が広くなるので、ヒートパイプの必要本数が少なくなっ
て設備コストの低廉化を図ることができる。
コンテナの壁面を蒸発部側に向けて流下し、そこで再度
加熱される。このような作動流体のサイクルは、前記弁
が開いている状態で蒸発部と凝縮部との間に温度差があ
る限り継続される。
例について図面を参照して説明する。図1に示すように
地中に埋設されるヒートパイプ1は、コンテナ2が全体
として略L字状に屈曲しており、下端部側は高温域の深
さにまでほぼ鉛直状態に配設されている。また、コンテ
ナ2の下端部が位置する高温域は、地下水帯などの年間
をとおして所定の温度に維持される箇所であって、熱源
となる高温の地熱流体3が存在している箇所である。し
たがって、コンテナ2のうち下端部から所定の長さの範
囲がヒートパイプの蒸発部4となっている。
端部側は、アスファルト等により形成される路面6の直
下に、それとほぼ平行に埋設されている。より具体的に
は、コンテナ2の先端部が屈曲部分よりもわずか高い位
置にあって路面6に接近して配設されている。すなわち
屈曲部分より先端側の部分で路面6側との間で熱授受す
ることになり、その面積が広くなり、また凝縮した作動
流体7を速やかに蒸発部4側(下端部側)に還流させる
ことができる。
と同様に銅やアルミ等からなる熱伝導性に優れた密閉金
属管の内部に、真空脱気した状態で目的温度範囲内で蒸
発・凝縮する水やアンモニアあるいはフレオン等を作動
流体として封入して構成されている。
との間には、作動流体7の流動を制御する電磁弁8が設
けられている。この電磁弁8としては、種々の構成のも
のを採用することができ、例えばコンテナ2の内周部に
設けた弁座8aに向けて弁体8bをスプリングなどの弾
性体8cで付勢し、またこの弁体8bを弁座8aから離
隔する方向に付勢する電磁力を生じるコイル8dをコン
テナ2の外周側に配置したものであり、コイル8dに通
電して励磁することにより開弁し、消磁することにより
閉弁するように構成されている。なお、スプリングの配
置の仕方によっては励磁して閉弁し、消磁して開弁する
ように構成することもできる。この電磁弁8の開閉制御
を行うための制御装置9が設けられている。
例として光電管によって降雪の有無を検知する降雪セン
サ10が備えられている。また、路面6の直下でかつヒ
ートパイプ1の上端部の近傍の地中には、路面温度を検
知する路面温度センサ11が設けられている。さらに、
ヒートパイプ1の下端部の近傍すなわち路面温度センサ
11よりも地中のさらに深い箇所には、地中温度センサ
12が埋設されている。これらの降雪センサ10および
路面温度センサ11ならびに地中温度度センサ12は、
それぞれ各信号線13,14,15によって制御装置9
に接続されている。さらにこの制御装置9には、前記電
磁弁8が接続されている。そして各センサ10,11,
12によって得られた温度情報に基づいて電磁弁8の開
閉の判断を行い、例えば降雪が検知され、かつ地中温度
に対して路面温度が低い場合のみ電磁弁8を開弁制御す
るようになっている。
作用について説明する。降雪センサ10が雪を検知する
とともに、地中温度に対して路面温度が低いことが地中
温度センサ12と路面温度センサ11によって検知され
た場合に、制御装置9からの出力信号によって電磁弁8
が開かれる。
温度が高いから、ヒートパイプ1の両端部で温度差が生
じており、電磁弁8が開くことによって、蒸発部4と凝
縮部5との間での作動流体7の流動が可能となる。した
がってコンテナ2の下端側においては、液相の作動流体
7が地熱流体3の熱によって加熱されて蒸発し、その蒸
気は、地表側の雪や冷気によって低温状態になっている
凝縮部5側に流動する。
蒸気は、その周囲の温度が低いためにここで放熱して凝
縮する。このように、地熱流体3の保有する熱がヒート
パイプ1の作動流体7によって路面6に輸送されるた
め、路面6上の雪は、その熱によって溶かされ、除雪さ
れる。その場合、コンテナ2の上端側の所定長さの部分
である凝縮部5が路面6とほぼ平行に布設されているか
ら、その長い凝縮部5の全長に亘る表面の全体が放熱面
を形成し、したがって1本のヒートパイプ1によって路
面6の広範囲を加熱することができる。
液化した作動流体7は、重力によってコンテナ2の壁面
を下端部に向けて流下する。そして蒸発部4において再
度、地熱流体3から熱を受けて蒸発し、その蒸気が凝縮
部5に向けて上昇する。このような作動流体7による熱
輸送サイクルは、電磁弁8が閉じられるまで、具体的に
は降雪が検知されなくなったり、地熱温度と路面温度と
の高低関係が逆転するまで継続される。
ができるので、上述した降雪時でかつ地中温度が路面温
度より高い場合以外では、つぎのように電磁弁8を制御
すればよい。例えば降雪が検知されたにも拘らず地中温
度に対して路面6の温度の方が高いことが検知された場
合や、降雪が検知されずしかも路面温度の方が地中温度
に対して高いことが検知された場合等には、電磁弁8は
閉じた状態に維持される。
る凝縮部5と路面6との熱授受面積が大きいので、全体
として設けるヒートパイプ1の本数を従来と比べて少な
くでき、これによって、設備コストの低廉化を図ること
ができる。また、電磁弁8で蒸発部4と凝縮部5との間
を遮断するように構成するとともに、金網等からなるウ
ィックがコンテナ2の内壁面に取り付けられていないか
ら、作動流体7の流動を確実に遮断することができる。
すなわち、意図しないヒートパイプの動作を未然に防止
することができる。
施例を説明する。なお、上記第一実施例と同様の部材に
は同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略す
る。図2に示すように、この実施例におけるヒートパイ
プ1は、いわゆるループ型ヒートパイプである。すなわ
ち、蒸発管17の両端部を液戻し管18によって接続し
て全体として循環路を形成するように構成されており、
その蒸発管17は、上記の実施例におけるコンテナ2と
同様に、中間の屈曲部分より先端側が、路面6の直下に
路面6とほぼ平行に埋設され、またその屈曲部より下側
の部分が地熱流体3の存在する高温域に延ばされてい
る。そしてこの蒸発管17の下端部側の部分が蒸発部4
とされ、また路面6の直下の部分が凝縮部5とされてい
る。
蒸発管17とほぼ同様に屈曲されたパイプからなり、蒸
発管17の両端部にそれぞれ接続されている。そしてこ
の液戻し管18の中間部に上述した実施例で示した電磁
弁8と同様な電磁弁8が介装されている。このように蒸
発管17と液戻し管18とで構成された密閉循環路の内
部に、真空脱気した状態で水やアルコールあるいはフレ
オンなどの凝縮性の流体が作動流体7として封入されて
ヒートパイプが構成されている。
ば、以下のようにして融雪が行われる。すなわち降雪セ
ンサ10が雪を検知し、かつ地中温度に対して路面温度
が低いことが地中温度センサ12と路面温度センサ11
とによって検知されると、制御装置9によって電磁弁8
が開かれる。すると、液戻し管18および蒸発管17の
下端側に液相の作動流体7が流下するとともに、地熱流
体3の熱によって加熱される。
縮部5に向けて蒸発管17内を流動し、路面6やその直
下の低温の土壌に熱を奪われて凝縮する。すなわち、地
熱流体3の熱が路面6の近傍に輸送されて放出される。
そして、この熱により路面6上の積雪が溶かされる。
て液戻し管18の内部を蒸発部4に向けて流下し、そこ
で再び加熱されて蒸気になり、凝縮部5に向けて上昇す
る。この作動流体7の熱輸送サイクルは、降雪が検知さ
れなくなったり、もしくは地熱温度が路面温度よりも低
くなるなどして電磁弁8が閉じられるまで継続される。
た作動流体7が電磁弁8より上流側に次第に溜まる。こ
れに対して蒸発部4では、常時、地熱流体3によって加
熱されて作動流体7が蒸発しているから、蒸発部4に残
存している作動流体7は逐次、凝縮部5に移動し、かつ
この蒸発部4には作動流体が新たに供給されないから、
ついには蒸発部4には作動流体が存在しなくなり、いわ
ゆるドライアウト状態となる。その結果、ヒートパイプ
の機能が停止する。その場合、電磁弁8を閉じたとして
もヒートパイプ1の内部の全体は連通状態になっている
ので、内部圧力の極端な相違が生じることがなく、換言
すれば、電磁弁8を挟んだ両側の圧力がほぼ等しくなる
から、電磁弁8に過剰な圧力がかかって漏洩が生じた
り、蒸発管17や液戻し管18に局部的な過剰な圧力が
作用したりすることがない。
を採用するとともに、制御装置9でその開閉を制御する
構成としたが、この発明は上記実施例に限定されるもの
ではない。
ヒートパイプの蒸発部が地中の高温域に延ばされて配設
され、凝縮部が地表面の直下で地表面とほぼ平行に延ば
されて配設されており、さらに、ヒートパイプの蒸発部
と凝縮部との中間部分に、降雪時であってかつ路面温度
が地中温度より低い場合に制御装置によって開弁される
電磁弁が備えられているので、地表面上の融雪を確実か
つ効率よく、しかも自動的に実施できる。またヒートパ
イプの1本あたりの放熱面積が広くなるので、要求され
る融雪面積に対する必要なヒートパイプの本数が少なく
てよく、その結果、設備コストの低廉化を図ることがで
きる。
示す図である。
4…蒸発部、 5…凝縮部、 6…路面、 7…作動
流体、 8…電磁弁。
Claims (1)
- 【請求項1】 密閉金属管からなるコンテナの内部に真
空脱気した状態で作動流体を封入したヒートパイプの蒸
発部が、地中の高温域に延ばされて配設されるととも
に、そのヒートパイプの凝縮部が地表面の直下で、かつ
該地表面とほぼ平行方向に布設され、さらに、前記ヒー
トパイプの前記蒸発部と前記凝縮部との中間部分に、前
記コンテナ内部における前記作動流体の流動を選択的に
遮断する電磁弁が備えられ、さらに降雪センサが降雪を
検出しかつ路面温度センサが地中温度センサによって検
出された温度よりも路面温度が低いことを検出した場合
に前記電磁弁を開き、かつ、路面温度の方が地中温度よ
りも高いことが検出された場合に前記電磁弁を閉じる制
御装置が設けられているとともに、前記電磁弁が、前記
コンテナの内周部に設けられた弁座と、この弁座に対し
て当接または離隔する弁体とを備えていることを特徴と
するヒートパイプ式融雪装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7117871A JP2886110B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | ヒートパイプ式融雪装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7117871A JP2886110B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | ヒートパイプ式融雪装置 |
Publications (2)
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---|---|
JPH08284106A JPH08284106A (ja) | 1996-10-29 |
JP2886110B2 true JP2886110B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=14722348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7117871A Expired - Lifetime JP2886110B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | ヒートパイプ式融雪装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2886110B2 (ja) |
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1995
- 1995-04-19 JP JP7117871A patent/JP2886110B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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