JP2885098B2 - スポンジチタン粉の処理方法 - Google Patents
スポンジチタン粉の処理方法Info
- Publication number
- JP2885098B2 JP2885098B2 JP6270628A JP27062894A JP2885098B2 JP 2885098 B2 JP2885098 B2 JP 2885098B2 JP 6270628 A JP6270628 A JP 6270628A JP 27062894 A JP27062894 A JP 27062894A JP 2885098 B2 JP2885098 B2 JP 2885098B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- titanium
- powder
- mill
- sponge
- planetary ball
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B02—CRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING; PREPARATORY TREATMENT OF GRAIN FOR MILLING
- B02C—CRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING IN GENERAL; MILLING GRAIN
- B02C17/00—Disintegrating by tumbling mills, i.e. mills having a container charged with the material to be disintegrated with or without special disintegrating members such as pebbles or balls
- B02C17/04—Disintegrating by tumbling mills, i.e. mills having a container charged with the material to be disintegrated with or without special disintegrating members such as pebbles or balls with unperforated container
- B02C17/08—Disintegrating by tumbling mills, i.e. mills having a container charged with the material to be disintegrated with or without special disintegrating members such as pebbles or balls with unperforated container with containers performing a planetary movement
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F9/00—Making metallic powder or suspensions thereof
- B22F9/02—Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes
- B22F9/04—Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes starting from solid material, e.g. by crushing, grinding or milling
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F9/00—Making metallic powder or suspensions thereof
- B22F9/02—Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes
- B22F9/04—Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes starting from solid material, e.g. by crushing, grinding or milling
- B22F2009/041—Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes starting from solid material, e.g. by crushing, grinding or milling by mechanical alloying, e.g. blending, milling
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチタンまたはチタン合金
の成形体のうち、粉末冶金法による成形体の出発原料と
なるスポンジチタン粉の処理方法に係る。
の成形体のうち、粉末冶金法による成形体の出発原料と
なるスポンジチタン粉の処理方法に係る。
【0002】
【従来の技術】チタン、またはチタン合金は材質的に鉄
鋼材料よりも比重が小さいにも拘らず強靭性が高いか
ら、比強度が実用金属の中でも抜群に優れ、構造用の材
料として理想の金属材料である。しかも耐食性もまた抜
群であり、特に海水には殆ど腐食されないという特性を
誇り、軍事兵器、航空機、宇宙ロケットや民生用として
も眼鏡フレーム、ゴルフ道具、釣竿などで身近に広く使
用されるようになっている。軽量、強靭性、耐食性など
の優れた特性は近代産業の担い手としてさらに広い分野
で活用される期待が集まる材料である。
鋼材料よりも比重が小さいにも拘らず強靭性が高いか
ら、比強度が実用金属の中でも抜群に優れ、構造用の材
料として理想の金属材料である。しかも耐食性もまた抜
群であり、特に海水には殆ど腐食されないという特性を
誇り、軍事兵器、航空機、宇宙ロケットや民生用として
も眼鏡フレーム、ゴルフ道具、釣竿などで身近に広く使
用されるようになっている。軽量、強靭性、耐食性など
の優れた特性は近代産業の担い手としてさらに広い分野
で活用される期待が集まる材料である。
【0003】成形されたチタン製品を完成するまでに
は、現在でも相当大規模で精密な設備と煩瑣で熟達した
工程を経由しなければならない。チタン、チタン合金の
製品化にはスポンジチタンまでの精練工程と、以後の加
工工程の前後二工程に大別できる。スポンジチタンまで
の工程は、チタン鉱石(ルチール)を塩素ガスと反応さ
せて四塩化チタンを作り精製した後、これを金属マグネ
シウム、または金属ナトリウムで還元してスポンジチタ
ンとする。この金属チタンは一般にスポンジ状のポーラ
スな塊状をしているので、スポンジチタンと呼ばれてい
る。金属マグネシウムによる還元法をクロール法と呼
び、現在では主流を占めている。塊状のスポンジチタン
は次の加工工程に供給するために適当な破砕機にかけて
スポンジチタン粒として提供されるが、その時点で副産
物として微粉が選別されスポンジファインと呼ばれて別
個に提供される。このスポンジチタンまでの工程ではア
ルミニウムの精練以上の大量の電力が必要であり、スポ
ンジチタンの製造原価の主要なコスト要因となるが、そ
れでも通常のステンレス鋼、耐熱鋼の素材費とさほど変
らない範疇に留まるから、チタン製品の製造原価がきわ
めて高騰する主たる原因は、後工程である加工工程の方
が遙かにウェイトが大きい。
は、現在でも相当大規模で精密な設備と煩瑣で熟達した
工程を経由しなければならない。チタン、チタン合金の
製品化にはスポンジチタンまでの精練工程と、以後の加
工工程の前後二工程に大別できる。スポンジチタンまで
の工程は、チタン鉱石(ルチール)を塩素ガスと反応さ
せて四塩化チタンを作り精製した後、これを金属マグネ
シウム、または金属ナトリウムで還元してスポンジチタ
ンとする。この金属チタンは一般にスポンジ状のポーラ
スな塊状をしているので、スポンジチタンと呼ばれてい
る。金属マグネシウムによる還元法をクロール法と呼
び、現在では主流を占めている。塊状のスポンジチタン
は次の加工工程に供給するために適当な破砕機にかけて
スポンジチタン粒として提供されるが、その時点で副産
物として微粉が選別されスポンジファインと呼ばれて別
個に提供される。このスポンジチタンまでの工程ではア
ルミニウムの精練以上の大量の電力が必要であり、スポ
ンジチタンの製造原価の主要なコスト要因となるが、そ
れでも通常のステンレス鋼、耐熱鋼の素材費とさほど変
らない範疇に留まるから、チタン製品の製造原価がきわ
めて高騰する主たる原因は、後工程である加工工程の方
が遙かにウェイトが大きい。
【0004】チタン製品がスポンジチタンの段階から製
品として完成すれば価格がほぼ10倍以上に高騰する理
由は、チタンが材質自体の特性として物理的、化学的に
きわめて活性の強い物質であり、以後の溶解、鋳造、鍛
造、圧延、熱処理など最終製品の形状に成形する全ての
段階において、接触する他の成分との反応が激しいの
で、これによる汚染を防止するための設備と複雑な手順
を必要とするために、コストが異状に高騰することによ
る。この課題に対する手段として溶解工程などを必要と
しない粉末冶金法による成形が着目され、最終製品の形
状にきわめて近似した形状に成形する、いわゆるニアネ
ットシェイプ成形が可能であるから、材料歩留りが向上
し、切削、研削コストが大幅に縮減できるという大きな
利点があり、チタン製品の原価を実用化に耐えられる程
度にまで大幅に低減する切札として種々の開発が試みら
れている。
品として完成すれば価格がほぼ10倍以上に高騰する理
由は、チタンが材質自体の特性として物理的、化学的に
きわめて活性の強い物質であり、以後の溶解、鋳造、鍛
造、圧延、熱処理など最終製品の形状に成形する全ての
段階において、接触する他の成分との反応が激しいの
で、これによる汚染を防止するための設備と複雑な手順
を必要とするために、コストが異状に高騰することによ
る。この課題に対する手段として溶解工程などを必要と
しない粉末冶金法による成形が着目され、最終製品の形
状にきわめて近似した形状に成形する、いわゆるニアネ
ットシェイプ成形が可能であるから、材料歩留りが向上
し、切削、研削コストが大幅に縮減できるという大きな
利点があり、チタン製品の原価を実用化に耐えられる程
度にまで大幅に低減する切札として種々の開発が試みら
れている。
【0005】粉末冶金法による成形については、素粉末
混合法と合金粉末法とがあるが、いずれにしてもチタン
またはチタン合金の微粉末が出発原料となるから、スポ
ンジチタンから微粉末に加工する手順が必須の工程とな
る。前記のスポンジチタンの破砕時に副産物として得ら
れるスポンジファインは微粉ではあるが、これをそのま
ま粉末冶金法の出発原料として流用すれば、製品の材料
特性、とくに疲労特性が著しく劣化するという問題があ
る。そして疲労強度低下の原因は、残留空孔によること
が確認され、その生成は原料粉末中に含まれている塩素
化合物によることも判明している。
混合法と合金粉末法とがあるが、いずれにしてもチタン
またはチタン合金の微粉末が出発原料となるから、スポ
ンジチタンから微粉末に加工する手順が必須の工程とな
る。前記のスポンジチタンの破砕時に副産物として得ら
れるスポンジファインは微粉ではあるが、これをそのま
ま粉末冶金法の出発原料として流用すれば、製品の材料
特性、とくに疲労特性が著しく劣化するという問題があ
る。そして疲労強度低下の原因は、残留空孔によること
が確認され、その生成は原料粉末中に含まれている塩素
化合物によることも判明している。
【0006】一方、金属チタンは水素を吸蔵すると脆化
する特性があり、この性質を利用して水素化して脆化し
た水素化チタンを粉砕して粉化した後、脱水素する水素
化脱水素法(HDH法)も広く知られており、任意の粒
度のチタン、またはチタン合金の粉末を能率よく得られ
る方法として工業的に広く実施されている。すなわち、
今日のチタン製品の粉末冶金法による成形は、スポンジ
チタンから水素化脱水素法によって粉末に変え、この粉
末を焼結後に空孔を潰す目的でHIP(HotIsos
tatic Pressing)処理を導入し、素粉末
混合法による成形品でも溶製鍛造材と同等の疲労特性を
具えるレベルに到達したのである。
する特性があり、この性質を利用して水素化して脆化し
た水素化チタンを粉砕して粉化した後、脱水素する水素
化脱水素法(HDH法)も広く知られており、任意の粒
度のチタン、またはチタン合金の粉末を能率よく得られ
る方法として工業的に広く実施されている。すなわち、
今日のチタン製品の粉末冶金法による成形は、スポンジ
チタンから水素化脱水素法によって粉末に変え、この粉
末を焼結後に空孔を潰す目的でHIP(HotIsos
tatic Pressing)処理を導入し、素粉末
混合法による成形品でも溶製鍛造材と同等の疲労特性を
具えるレベルに到達したのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】水素化脱水素法の手順
はスポンジチタンの水素化、粉砕、加熱真空引きによる
脱水素、加熱焼結、解砕という段階を経由する。この処
理には大きな設備と時間、労務が必要であることはいう
までもない。また、その後工程としてこの粉末を出発原
料としてニアネットシェイプに進むときにも、前記の粉
末中に存在する残留空孔を圧潰するために強大な押圧力
を掛けるHIP処理を経なければならないが、この中間
工程が大規模な設備と時間、労務を強いることも無視し
難い負担となる。結局、この方法では目的とするチタン
製品のコストを飛躍的に低減することは困難であり、チ
タンの利用範囲を抑制する最大の要因は未解決のまま残
されていると見るべきである。
はスポンジチタンの水素化、粉砕、加熱真空引きによる
脱水素、加熱焼結、解砕という段階を経由する。この処
理には大きな設備と時間、労務が必要であることはいう
までもない。また、その後工程としてこの粉末を出発原
料としてニアネットシェイプに進むときにも、前記の粉
末中に存在する残留空孔を圧潰するために強大な押圧力
を掛けるHIP処理を経なければならないが、この中間
工程が大規模な設備と時間、労務を強いることも無視し
難い負担となる。結局、この方法では目的とするチタン
製品のコストを飛躍的に低減することは困難であり、チ
タンの利用範囲を抑制する最大の要因は未解決のまま残
されていると見るべきである。
【0008】ここでチタンの粉末冶金法に供給する粉末
として機械的な処理を加えるという着想が浮上する。特
開平5−163508号公報の従来技術では、水素化脱
水素法によるチタン系粉末の製造プロセスにおいて、脱
水素後の焼結チタン塊を解砕するときにいままではカッ
ターミルによっていたものを、ハンマークラッシャ、ハ
ンマーブレーカ、ハンマーミルなどの粉砕作用を具えた
装置に置換して粉体のコーナ部の角を取り、粉末冶金法
の出発原料として好適な流動性と高い見掛け密度の粉末
を得たと謳っている。しかし、この手順が水素化脱水素
法を前提としている限り、さほどの大きなコスト低減の
要素となり得るかは疑念の残るところであり、なお、チ
タン製品のコストの点で抱える課題の解決には不十分で
あると断ぜざるを得ない。
として機械的な処理を加えるという着想が浮上する。特
開平5−163508号公報の従来技術では、水素化脱
水素法によるチタン系粉末の製造プロセスにおいて、脱
水素後の焼結チタン塊を解砕するときにいままではカッ
ターミルによっていたものを、ハンマークラッシャ、ハ
ンマーブレーカ、ハンマーミルなどの粉砕作用を具えた
装置に置換して粉体のコーナ部の角を取り、粉末冶金法
の出発原料として好適な流動性と高い見掛け密度の粉末
を得たと謳っている。しかし、この手順が水素化脱水素
法を前提としている限り、さほどの大きなコスト低減の
要素となり得るかは疑念の残るところであり、なお、チ
タン製品のコストの点で抱える課題の解決には不十分で
あると断ぜざるを得ない。
【0009】本発明は以上に述べた課題を解決するため
に、スポンジファインの他、如何なる手順を経過したか
を問わずスポンジチタンから得られた全ての粉末を、最
も強力な機械的処理を加えて次の加工工程に好適な出発
原料としての粉体に転化する処理方法の提供を目的とす
る。
に、スポンジファインの他、如何なる手順を経過したか
を問わずスポンジチタンから得られた全ての粉末を、最
も強力な機械的処理を加えて次の加工工程に好適な出発
原料としての粉体に転化する処理方法の提供を目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスポンジチ
タン粉の処理方法は、スポンジチタンから得られるスポ
ンジチタン粉を回分式の遊星ボールミルのミルポット内
へ粉砕媒体とともに装入し、該ポット内を不活性雰囲気
として遊星ボールミルの運転条件を
タン粉の処理方法は、スポンジチタンから得られるスポ
ンジチタン粉を回分式の遊星ボールミルのミルポット内
へ粉砕媒体とともに装入し、該ポット内を不活性雰囲気
として遊星ボールミルの運転条件を
【数2】 で表わされるミルポット内部へ加わる合成粉砕加速度比
Gが、少なくとも30以上であり、かつ自公転角速度比
率Rが1.5〜0.3の範囲に特定して作動し、スポン
ジチタン内に含まれる多数の空孔を圧潰して緻密な鱗片
状に改質すると共に、空孔内に介在した粗大な塩素化合
物を分断して細かく分散する転化も行ない、さらに媒体
攪拌ミル内へ移して不活性雰囲気内で細断整粒して粒度
と粒径を調整することにより、粉末冶金法によるチタン
またはチタン合金の成形品の出発原料に好適な中間チタ
ン粉体に改質することによって前記の課題を解決した。
Gが、少なくとも30以上であり、かつ自公転角速度比
率Rが1.5〜0.3の範囲に特定して作動し、スポン
ジチタン内に含まれる多数の空孔を圧潰して緻密な鱗片
状に改質すると共に、空孔内に介在した粗大な塩素化合
物を分断して細かく分散する転化も行ない、さらに媒体
攪拌ミル内へ移して不活性雰囲気内で細断整粒して粒度
と粒径を調整することにより、粉末冶金法によるチタン
またはチタン合金の成形品の出発原料に好適な中間チタ
ン粉体に改質することによって前記の課題を解決した。
【0011】
【作用】スポンジファインをはじめスポンジチタンから
機械的に破砕したスポンジチタン粉は、粒子の形状が複
雑で粒子中に残留空孔を形成し、そのままでは著しく充
填性に欠けること、粗大な介在物(塩素化合物)が混入
していることが成形後の疲労特性などの点で劣る原因で
あった。本発明による処理によって粉末は遊星ボールミ
ル独自の激しい機械的作用を受ける。遊星ボールミルの
一般構造は主軸の回転を受けて公転する複数のミルポッ
トを主軸の周囲に均等(2ヶならば対称的に、3ヶ以上
ならば主軸から等距離放射状に)に配設し、該ミルポッ
ト自体も自己の中心軸を中心に自転するものである。ミ
ルポットの中に粉砕媒体とスポンジチタン粉を収容し、
モータを回転させるとミルポットが公転しつつ自転し遠
心加速度により粉砕媒体が特有の運動をしてスポンジチ
タン粉を圧潰し鱗片状に展延し、粉末中に存在していた
残留空孔は押し潰され、同時に粗大な介在物(塩素化合
物)もまた分断され細かく分散する。すなわち他の粉砕
機、たとえば転動式ボールミルでは粉砕媒体のボールと
装入原料とが1本の転動する円筒内でカスケード運動を
起し、その重力落下による圧潰と摩滅によって粉砕させ
るものであるのに対し、遊星ボールミルは高速の公転,
自転運動による遠心力と、コリオリス力とが相乗的に働
いて個々のスポンジチタン粉を急速に圧潰緻密化する。
通常のボールミルであれば装入原料に負荷する遠心加速
度は1gに過ぎず、その粉砕は自由落下に伴う自重の衝
撃力によるのに対し、遊星ボールミルの場合は合成遠心
加速度が100gさえも超える強大な物理的衝撃作用が
スポンジチタン粉に及び、その圧潰力は到底他の型式の
装置の比ではない。
機械的に破砕したスポンジチタン粉は、粒子の形状が複
雑で粒子中に残留空孔を形成し、そのままでは著しく充
填性に欠けること、粗大な介在物(塩素化合物)が混入
していることが成形後の疲労特性などの点で劣る原因で
あった。本発明による処理によって粉末は遊星ボールミ
ル独自の激しい機械的作用を受ける。遊星ボールミルの
一般構造は主軸の回転を受けて公転する複数のミルポッ
トを主軸の周囲に均等(2ヶならば対称的に、3ヶ以上
ならば主軸から等距離放射状に)に配設し、該ミルポッ
ト自体も自己の中心軸を中心に自転するものである。ミ
ルポットの中に粉砕媒体とスポンジチタン粉を収容し、
モータを回転させるとミルポットが公転しつつ自転し遠
心加速度により粉砕媒体が特有の運動をしてスポンジチ
タン粉を圧潰し鱗片状に展延し、粉末中に存在していた
残留空孔は押し潰され、同時に粗大な介在物(塩素化合
物)もまた分断され細かく分散する。すなわち他の粉砕
機、たとえば転動式ボールミルでは粉砕媒体のボールと
装入原料とが1本の転動する円筒内でカスケード運動を
起し、その重力落下による圧潰と摩滅によって粉砕させ
るものであるのに対し、遊星ボールミルは高速の公転,
自転運動による遠心力と、コリオリス力とが相乗的に働
いて個々のスポンジチタン粉を急速に圧潰緻密化する。
通常のボールミルであれば装入原料に負荷する遠心加速
度は1gに過ぎず、その粉砕は自由落下に伴う自重の衝
撃力によるのに対し、遊星ボールミルの場合は合成遠心
加速度が100gさえも超える強大な物理的衝撃作用が
スポンジチタン粉に及び、その圧潰力は到底他の型式の
装置の比ではない。
【0012】この遊星ボールミルにより複雑なスポンジ
チタン個有の形状が偏平な鱗片状に展延され、粉末中に
存在していた空孔も押し潰される。また、攪拌ミルでは
粒形を修正されて球状に近づき、粒度自体も細断し分散
されて一層微細化する。このように、遊星ボールミルと
攪拌ミルの組み合わせという異なる二型式の機械作用が
連続すれば、粒度と粒形の調整には好結果を保証する要
件となるのである。
チタン個有の形状が偏平な鱗片状に展延され、粉末中に
存在していた空孔も押し潰される。また、攪拌ミルでは
粒形を修正されて球状に近づき、粒度自体も細断し分散
されて一層微細化する。このように、遊星ボールミルと
攪拌ミルの組み合わせという異なる二型式の機械作用が
連続すれば、粒度と粒形の調整には好結果を保証する要
件となるのである。
【0013】
【実施例】図4はスポンジチタン粉の処理方法に使用す
る遊星ボールミル1の一例である。図において、モータ
11によって駆動される主軸12の回転を受けて、公転
する複数のミルポット13を主軸12の周囲に均等に
(2ヶならば対称的に、3ヶ以上ならば主軸12から等
距離放射状に)配設し、該ミルポット13自体も自己の
中心軸を中心に自転するものである。具体的には主軸1
2と共に回転するミルポット13の外周に遊星歯車14
を周設し、この遊星歯車14と噛合する太陽歯車15を
別に回転または停止させて(図では停止)、ミルポット
13を公転しつつ自転させる。太陽歯車15は主軸12
に外嵌されている。図の例で示唆するように、本発明の
方法の実施に使用する遊星ボールミルは、前記の数式で
計算する合成遠心加速度比Gが30を超える高速運転に
耐えられる強度を具えた構造であることが適用の条件と
なる。ミルポット13の内部には粉砕媒体である粉砕ボ
ールBとスポンジチタン粉Mが収納され、処理中のスポ
ンジチタン粉Mの酸化を防止するため、内部雰囲気はA
rガスなどの不活性ガスに置換されている。
る遊星ボールミル1の一例である。図において、モータ
11によって駆動される主軸12の回転を受けて、公転
する複数のミルポット13を主軸12の周囲に均等に
(2ヶならば対称的に、3ヶ以上ならば主軸12から等
距離放射状に)配設し、該ミルポット13自体も自己の
中心軸を中心に自転するものである。具体的には主軸1
2と共に回転するミルポット13の外周に遊星歯車14
を周設し、この遊星歯車14と噛合する太陽歯車15を
別に回転または停止させて(図では停止)、ミルポット
13を公転しつつ自転させる。太陽歯車15は主軸12
に外嵌されている。図の例で示唆するように、本発明の
方法の実施に使用する遊星ボールミルは、前記の数式で
計算する合成遠心加速度比Gが30を超える高速運転に
耐えられる強度を具えた構造であることが適用の条件と
なる。ミルポット13の内部には粉砕媒体である粉砕ボ
ールBとスポンジチタン粉Mが収納され、処理中のスポ
ンジチタン粉Mの酸化を防止するため、内部雰囲気はA
rガスなどの不活性ガスに置換されている。
【0014】雰囲気調整手段2の実施例としてミルポッ
ト内をArガスに置換するには、図1に示すようにミル
ポット13の蓋に管21を、その先端に一対のワンタッ
チカプラ22を取付け、さらに管23,26とバルブ2
4Aを介して真空ポンプ25に、バルブ24Cと管28
を介して圧力計27に、管26とバルブ24Bを介して
Arガス充填ボンベ3に接続する。バルブ24Bを全閉
にし、バルブ24A,24C,24dを全開にした状態
で真空ポンプ25で真空引きを行ない、ミルポット13
内の空気を排除する。圧力計27で所定の真空度に到達
したことを確認後、バルブ24Aを全閉にしバルブ24
B,24dを開け、Arガス充填ボンベ3からArガス
をミルポット13に充填する。圧力計27により充填A
rガス圧力が大気圧と同じまたはそれ以上の所定圧力に
達したことを確認後、バルブ24B,24dも全閉し、
ワンタッチカプラ22部で管21と管23を切り離す。
ミルポット13内のArガスはワンタッチカプラ22の
片方で保持される。このArガス充填作業は1回以上行
なう。
ト内をArガスに置換するには、図1に示すようにミル
ポット13の蓋に管21を、その先端に一対のワンタッ
チカプラ22を取付け、さらに管23,26とバルブ2
4Aを介して真空ポンプ25に、バルブ24Cと管28
を介して圧力計27に、管26とバルブ24Bを介して
Arガス充填ボンベ3に接続する。バルブ24Bを全閉
にし、バルブ24A,24C,24dを全開にした状態
で真空ポンプ25で真空引きを行ない、ミルポット13
内の空気を排除する。圧力計27で所定の真空度に到達
したことを確認後、バルブ24Aを全閉にしバルブ24
B,24dを開け、Arガス充填ボンベ3からArガス
をミルポット13に充填する。圧力計27により充填A
rガス圧力が大気圧と同じまたはそれ以上の所定圧力に
達したことを確認後、バルブ24B,24dも全閉し、
ワンタッチカプラ22部で管21と管23を切り離す。
ミルポット13内のArガスはワンタッチカプラ22の
片方で保持される。このArガス充填作業は1回以上行
なう。
【0015】以上のようにミルポット13に粉砕ボール
Bとスポンジチタン粉Mを入れArガスを充填した後、
遊星ボールミルを運転することにより、公転,自転運動
による遠心力とコリオリス力とが相乗的に粉砕ボールB
とスポンジチタン粉Mに作用し、圧潰と緻密化が急速に
進んで空孔は押し潰され、粉末の形状は鱗片状に展延
し、また、介在していた粗大な塩素化合物も細断されて
全体の中へ分散されて中間チタン粉体に転化する。
Bとスポンジチタン粉Mを入れArガスを充填した後、
遊星ボールミルを運転することにより、公転,自転運動
による遠心力とコリオリス力とが相乗的に粉砕ボールB
とスポンジチタン粉Mに作用し、圧潰と緻密化が急速に
進んで空孔は押し潰され、粉末の形状は鱗片状に展延
し、また、介在していた粗大な塩素化合物も細断されて
全体の中へ分散されて中間チタン粉体に転化する。
【0016】図5は遊星ボールミルのミルポットの運動
模式図であり、公転角速度をω1,公転直径Kを0.2
5m,ミルポット内径Nを0.05m,R=ω2/
ω1,公転に対する自転の相対角速度をω2とし、合成
遠心加速度比Gを前に挙げた数式で計算して30及至1
50となるようにそれぞれの数値を設定した。(表1参
照)ここでamaxは合成遠心加速度(m/s2)でG
=amax/gの関係にある。
模式図であり、公転角速度をω1,公転直径Kを0.2
5m,ミルポット内径Nを0.05m,R=ω2/
ω1,公転に対する自転の相対角速度をω2とし、合成
遠心加速度比Gを前に挙げた数式で計算して30及至1
50となるようにそれぞれの数値を設定した。(表1参
照)ここでamaxは合成遠心加速度(m/s2)でG
=amax/gの関係にある。
【0017】
【表1】
【0018】ここで自転と公転の相対的関係も重要な要
素である。図6(A)(B)(C)はミルポット内にお
ける媒体(ボール)Bの運動状態とミルの公転,自転の
角速度の相対的比率の関係を示したものである。公転角
速度をω1、公転に対する自転の相対角速度をω2、両
者の比率R=ω2/ω1として図6(A)はRが0.5
のミルポット内の状態を示している。ここではボールB
は一体的,集団的にミルポットの内周面に沿ってサージ
ングし内周面とボール、ボール同士の間で装入された金
属粉へ有効な圧縮力,剪断力を与えてすべてスポンジチ
タン粉の圧潰緻密化に有効な作用を及ぼしている。図6
(B)はR=1.0、図6(C)はR=1.22の場合
のボールBの挙動を示したもので自公転角速度比率Rが
相対的に大きな割合になるほどボールの一部が内周面か
ら離れてミルポット内の空間を飛翔しはじめ、ボール同
士の衝突でエネルギーの一部が無駄に消費され圧潰、緻
密化の目的からは後退した現象を見せはじめる。この傾
向は自公転角速度比率Rが大きくなるほど顕著であり自
公転角速度比率Rが1.9を超えると、いかに合成遠心
加速度比Gが30以上であってもスポンジチタン粉の処
理目的としては不適当となる。すなわち、具体的には後
述の処理後の中間粉末の流動性の向上や嵩比重増大には
直接結び付かなくなる。今回はこの点を考慮に入れてす
べて自公転角速度比率Rを0.5に統一して実施した
が、Rは1.5〜0.3の範囲が良いと考えられる。
素である。図6(A)(B)(C)はミルポット内にお
ける媒体(ボール)Bの運動状態とミルの公転,自転の
角速度の相対的比率の関係を示したものである。公転角
速度をω1、公転に対する自転の相対角速度をω2、両
者の比率R=ω2/ω1として図6(A)はRが0.5
のミルポット内の状態を示している。ここではボールB
は一体的,集団的にミルポットの内周面に沿ってサージ
ングし内周面とボール、ボール同士の間で装入された金
属粉へ有効な圧縮力,剪断力を与えてすべてスポンジチ
タン粉の圧潰緻密化に有効な作用を及ぼしている。図6
(B)はR=1.0、図6(C)はR=1.22の場合
のボールBの挙動を示したもので自公転角速度比率Rが
相対的に大きな割合になるほどボールの一部が内周面か
ら離れてミルポット内の空間を飛翔しはじめ、ボール同
士の衝突でエネルギーの一部が無駄に消費され圧潰、緻
密化の目的からは後退した現象を見せはじめる。この傾
向は自公転角速度比率Rが大きくなるほど顕著であり自
公転角速度比率Rが1.9を超えると、いかに合成遠心
加速度比Gが30以上であってもスポンジチタン粉の処
理目的としては不適当となる。すなわち、具体的には後
述の処理後の中間粉末の流動性の向上や嵩比重増大には
直接結び付かなくなる。今回はこの点を考慮に入れてす
べて自公転角速度比率Rを0.5に統一して実施した
が、Rは1.5〜0.3の範囲が良いと考えられる。
【0019】実施例の方法によって得られた中間チタン
粉体の性状を例示すると、図1は粒度が−250μmの
スポンジファインを、図4の遊星ボールミルのミルポッ
ト内へセラミックスビーズとともに装入し、Arガス雰
囲気内で合成遠心加速度比G=150となる条件で高速
運転した後、攪拌ミルで5分間の後処理を続けた試料に
ついて、遊星ボールミルにおける運転時間の経過と嵩比
重の増加率をプロットした図である。また、図2は同じ
試料の安息角の減少率と遊星ボールミルにおける運転時
間の関係とを捉えた図である。両図ともに参考のために
通常の攪拌ミルだけの同一時間の処理による試料の試験
成績をプロットして、本発明の成績との比較に供した。
この両図は明らかに本発明による中間粉体処理が粉体と
しての流動性の改善と緻密化に大幅な向上が現れたこと
を証明し、粉末冶金法を駆使したニアネットシェイプの
成形手段の出発原料に提供する中間粉体として卓抜して
いることを示唆している。
粉体の性状を例示すると、図1は粒度が−250μmの
スポンジファインを、図4の遊星ボールミルのミルポッ
ト内へセラミックスビーズとともに装入し、Arガス雰
囲気内で合成遠心加速度比G=150となる条件で高速
運転した後、攪拌ミルで5分間の後処理を続けた試料に
ついて、遊星ボールミルにおける運転時間の経過と嵩比
重の増加率をプロットした図である。また、図2は同じ
試料の安息角の減少率と遊星ボールミルにおける運転時
間の関係とを捉えた図である。両図ともに参考のために
通常の攪拌ミルだけの同一時間の処理による試料の試験
成績をプロットして、本発明の成績との比較に供した。
この両図は明らかに本発明による中間粉体処理が粉体と
しての流動性の改善と緻密化に大幅な向上が現れたこと
を証明し、粉末冶金法を駆使したニアネットシェイプの
成形手段の出発原料に提供する中間粉体として卓抜して
いることを示唆している。
【0020】図3は同じ試料の10分間までの遊星ボー
ルミルにおける運転時間と比表面積との関係をプロット
した図であり、測定はクリプトンガスを使用したBET
法によった。この傾向は前記の両図とは違って独特の経
緯を辿ると解釈される。すなわち、当初遊星ボールミル
のミルポット内へ装入された時点のスポンジファイン
は、海綿状に類似した不規則で多孔質の粒形からなる
が、最初の圧潰段階で空孔部はほとんど押し潰されずに
全体の形状が偏平に押し広げられ、比表面積自体は逆に
増加する。しかし、つぎに圧潰が進むと各粉末中に存在
していた空孔部が潰されて緻密な鱗片状に改質する。見
掛け上の比表面積は10分間の遊星ボールミルの処理に
よって元の装入当初より小さくなり、その粒形は全く異
質の姿となることが、各時点において採取した試料の拡
大観察から確認される。
ルミルにおける運転時間と比表面積との関係をプロット
した図であり、測定はクリプトンガスを使用したBET
法によった。この傾向は前記の両図とは違って独特の経
緯を辿ると解釈される。すなわち、当初遊星ボールミル
のミルポット内へ装入された時点のスポンジファイン
は、海綿状に類似した不規則で多孔質の粒形からなる
が、最初の圧潰段階で空孔部はほとんど押し潰されずに
全体の形状が偏平に押し広げられ、比表面積自体は逆に
増加する。しかし、つぎに圧潰が進むと各粉末中に存在
していた空孔部が潰されて緻密な鱗片状に改質する。見
掛け上の比表面積は10分間の遊星ボールミルの処理に
よって元の装入当初より小さくなり、その粒形は全く異
質の姿となることが、各時点において採取した試料の拡
大観察から確認される。
【0021】
【発明の効果】本発明の最大の特徴はスポンジチタン粉
の処理に遊星ボールミルを適用した点である。遊星ボー
ルミル自体は既に各産業分野で活用されているが、その
抜群の機械的作用は従来の粉砕機の範疇を飛び越えて種
々の可能性を期待されるに至っている。たとえば水素吸
蔵合金を形成する複数の成分金属をミルポット内へ装入
し、溶解なしで新しい合金を製造する、いわゆるメカニ
カルアロイングも可能とした。メカニカルアロイングと
は文字通り機械的なエネルギーによって分子レベルの結
合関係を改変した合金化であり、異種金属が外郭電子を
共有して結合した結晶格子を形成し、この場合には一般
に原子半径の差によって格子間に歪みを生じて滑り難く
なるから、強度、金属疲労、展延性を改善する固溶物に
転化するとするのが通則である。詳しく言えば、装入粒
子は偏平、片状化、冷間鍛接(混練)、ラメラ組織化、
分散、ランダム化の経過を踏むとされているが、本発明
のスポンジチタン粉の処理による優れた中間チタン粉体
への転化も同様に、遊星ボールミルだけが具えた特性を
活用すれば、従来の水素化脱水素処理法(HDH法)と
静圧プレスによるHIP作用の複合効果に十分代替でき
る期待を窺わせる成果が得られた。
の処理に遊星ボールミルを適用した点である。遊星ボー
ルミル自体は既に各産業分野で活用されているが、その
抜群の機械的作用は従来の粉砕機の範疇を飛び越えて種
々の可能性を期待されるに至っている。たとえば水素吸
蔵合金を形成する複数の成分金属をミルポット内へ装入
し、溶解なしで新しい合金を製造する、いわゆるメカニ
カルアロイングも可能とした。メカニカルアロイングと
は文字通り機械的なエネルギーによって分子レベルの結
合関係を改変した合金化であり、異種金属が外郭電子を
共有して結合した結晶格子を形成し、この場合には一般
に原子半径の差によって格子間に歪みを生じて滑り難く
なるから、強度、金属疲労、展延性を改善する固溶物に
転化するとするのが通則である。詳しく言えば、装入粒
子は偏平、片状化、冷間鍛接(混練)、ラメラ組織化、
分散、ランダム化の経過を踏むとされているが、本発明
のスポンジチタン粉の処理による優れた中間チタン粉体
への転化も同様に、遊星ボールミルだけが具えた特性を
活用すれば、従来の水素化脱水素処理法(HDH法)と
静圧プレスによるHIP作用の複合効果に十分代替でき
る期待を窺わせる成果が得られた。
【0022】すなわち、安価な低純度粉末を原料とし
て、粉末成形と焼結だけで他の工程であるHIP処理、
熱処理、表面処理などを一切経過しないで、高比強度、
高耐疲労性のチタン本来の特性を完全に具備した成形材
を、驚くべき廉価で製造する道筋が基本的には開けたと
解釈される。周辺技術の開発はなお、不断の努力が不可
欠であるが、チタン、チタン合金のずば抜けた比強度を
産業界の各分野で広く活用する基本を打ち立てた技術と
して高い評価に値する効果がある。
て、粉末成形と焼結だけで他の工程であるHIP処理、
熱処理、表面処理などを一切経過しないで、高比強度、
高耐疲労性のチタン本来の特性を完全に具備した成形材
を、驚くべき廉価で製造する道筋が基本的には開けたと
解釈される。周辺技術の開発はなお、不断の努力が不可
欠であるが、チタン、チタン合金のずば抜けた比強度を
産業界の各分野で広く活用する基本を打ち立てた技術と
して高い評価に値する効果がある。
【図1】遊星ボールミルの運転時間と嵩比重の増加率の
変遷を示す図である。
変遷を示す図である。
【図2】遊星ボールミルの運転時間と安息角減少率の変
遷を示す図である。
遷を示す図である。
【図3】遊星ボールミルの運転時間と比表面積の変遷を
示す図である。
示す図である。
【図4】本発明の実施に使用した遊星ボールミルの縦断
正面図である。
正面図である。
【図5】ミルポットの作用を示す部分的な縦断正面図で
ある。
ある。
【図6】(A)(B)(C)によって運転条件の変動と
ミルポット内の挙動の変化を示す断面図である。
ミルポット内の挙動の変化を示す断面図である。
1 遊星ボールミル 2 雰囲気調整手段 3 Arガス充填ボンベ 11 モータ 12 主軸 13 ミルポット 14 遊星歯車 15 太陽歯車 21 管 22 ワンタッチカプラ 23 管 24 バルブ 25 真空ポンプ 26 管 27 圧力計 28 管 B 媒体(ボール) M スポンジチタン粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 9/04
Claims (1)
- 【請求項1】 スポンジチタンから得られるスポンジチ
タン粉を回分式の遊星ボールミルのミルポット内へ粉砕
媒体とともに装入し、該ポット内を不活性雰囲気として
遊星ボールミルの運転条件を 【数1】 で表わされるミルポット内部へ加わる合成粉砕加速度比
Gが、少なくとも30以上であり、かつ自公転角速度比
率Rが1.5〜0.3の範囲に特定して作動し、スポン
ジチタン内に含まれる多数の空孔を圧潰して緻密な鱗片
状に改質すると共に、空孔内に介在した粗大な塩素化合
物を分断して細かく分散する転化も行ない、さらに媒体
攪拌ミル内へ移して不活性雰囲気内で細断整粒して粒度
と粒径を調整することにより、粉末冶金法によるチタン
またはチタン合金の成形品の出発原料に好適な中間チタ
ン粉体に改質することを特徴とするスポンジチタン粉の
処理方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6270628A JP2885098B2 (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | スポンジチタン粉の処理方法 |
US08/392,090 US5582629A (en) | 1994-10-07 | 1995-02-22 | Treatment process of sponge titanium powder |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6270628A JP2885098B2 (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | スポンジチタン粉の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08109406A JPH08109406A (ja) | 1996-04-30 |
JP2885098B2 true JP2885098B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=17488742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6270628A Expired - Fee Related JP2885098B2 (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | スポンジチタン粉の処理方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5582629A (ja) |
JP (1) | JP2885098B2 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10249163A1 (de) * | 2002-10-22 | 2004-05-06 | Plath, Peter Jörg, Prof.Dr. | Verfahren und Vorrichtung zur Nutzung von Faraday-Instabilitäten zur Durchführung von tribochemischen Reaktionen |
JP4766931B2 (ja) * | 2005-06-16 | 2011-09-07 | Ntn株式会社 | 誘電体セラミックスおよびその製造方法 |
US7767151B2 (en) * | 2005-08-03 | 2010-08-03 | Wildcat Discovery Technologies, Inc. | High throughput mechanical alloying and screening |
EP3561091A1 (en) | 2011-12-22 | 2019-10-30 | Universal Achemetal Titanium, LLC | A method for extraction and refining of titanium |
CN102896321B (zh) * | 2012-10-26 | 2016-03-02 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种钛及钛合金碎料的处理方法 |
CN111250717B (zh) | 2014-06-16 | 2022-11-18 | 联邦科学与工业研究组织 | 产生粉末产品的方法 |
CN105108160A (zh) * | 2015-09-08 | 2015-12-02 | 孙炜炜 | 一种铁钴基合金微波吸收材料及其制备方法 |
CN105108159A (zh) * | 2015-09-09 | 2015-12-02 | 孙炜炜 | 一种铁钴基吸波材料 |
CN105057685A (zh) * | 2015-09-09 | 2015-11-18 | 孙炜炜 | 一种添加Ce、Al的铁钴基合金吸波微粉的制备方法 |
CN105108161A (zh) * | 2015-09-09 | 2015-12-02 | 孙炜炜 | 一种Fe-Co-Al-Tb型合金吸波微粉及其制备工艺 |
CN105057686A (zh) * | 2015-09-09 | 2015-11-18 | 孙炜炜 | 一种Fe-Co-Al-Ho型合金吸波微粉及其制备工艺 |
CN105033267A (zh) * | 2015-09-11 | 2015-11-11 | 孙炜炜 | 一种新型Fe-Co基吸波微粉及其制备方法 |
CN105583403B (zh) * | 2016-01-21 | 2017-10-20 | 中核(天津)科技发展有限公司 | 一种铜镍合金粉料的制粒方法 |
RU2634110C2 (ru) * | 2016-03-16 | 2017-10-23 | Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" (Госкорпорация "Росатом") | Способ получения металлического порошка |
CN110237904A (zh) * | 2019-06-18 | 2019-09-17 | 湖南天欣科技股份有限公司 | 一种湿式球磨机的节能方法 |
CN116037935B (zh) * | 2023-02-16 | 2024-04-19 | 华中科技大学 | 一种金属汽车漆用近片状钛合金粉末、其制备方法和应用 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3930841A (en) * | 1972-12-18 | 1976-01-06 | The International Nickel Company, Inc. | Thermoplastic prealloyed powder |
DE3518706A1 (de) * | 1985-05-24 | 1986-11-27 | Kernforschungszentrum Karlsruhe Gmbh, 7500 Karlsruhe | Verfahren zur herstellung von formkoerpern mit verbesserten, isotropen eigenschaften |
US4934610A (en) * | 1989-10-16 | 1990-06-19 | Westinghouse Electric Corp. | Method of comminuting reactive metals |
-
1994
- 1994-10-07 JP JP6270628A patent/JP2885098B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1995
- 1995-02-22 US US08/392,090 patent/US5582629A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5582629A (en) | 1996-12-10 |
JPH08109406A (ja) | 1996-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2885098B2 (ja) | スポンジチタン粉の処理方法 | |
US4627959A (en) | Production of mechanically alloyed powder | |
US3591362A (en) | Composite metal powder | |
CN108421985B (zh) | 一种制备氧化物弥散强化中熵合金的方法 | |
US4909840A (en) | Process of manufacturing nanocrystalline powders and molded bodies | |
US3865586A (en) | Method of producing refractory compound containing metal articles by high energy milling the individual powders together and consolidating them | |
US3728088A (en) | Superalloys by powder metallurgy | |
US4579587A (en) | Method for producing high strength metal-ceramic composition | |
JPH0583624B2 (ja) | ||
US3776704A (en) | Dispersion-strengthened superalloys | |
CN106001566A (zh) | 一种高强度高熵合金NbMoTaWV及其制备方法 | |
NO760312L (ja) | ||
JPH01116002A (ja) | 基体鉄粉と合金化成分から複合金属粉を製造する方法及び複合金属粉 | |
JP2560565B2 (ja) | 水素吸蔵合金の製造方法 | |
US4706894A (en) | Process of producing a mechanically alloyed composite powder | |
JP3071118B2 (ja) | 微細な添加元素が添加されたNiAl金属間化合物を製造する方法 | |
JPH0475295B2 (ja) | ||
Dias et al. | Comparative analysis of niobium and vanadium carbide efficiency in the high energy mechanical milling of aluminum bronze alloy | |
JPH1046269A (ja) | チタン−モリブデン母合金の製造方法及びチタン−モリブデン母合金 | |
JP2987603B2 (ja) | チタン系粉末の製造方法 | |
Gaffet et al. | Mechanical milling | |
JP2560567B2 (ja) | 水素吸蔵合金の製造方法 | |
JP2560566B2 (ja) | 水素吸蔵合金の製造方法 | |
WO2019140048A1 (en) | Methods for making titanium aluminide materials | |
JPH06305833A (ja) | 高硬度ダイヤモンド焼結体およびその製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |