JP2884702B2 - 螢光体及びその製造方法 - Google Patents

螢光体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2884702B2
JP2884702B2 JP11647390A JP11647390A JP2884702B2 JP 2884702 B2 JP2884702 B2 JP 2884702B2 JP 11647390 A JP11647390 A JP 11647390A JP 11647390 A JP11647390 A JP 11647390A JP 2884702 B2 JP2884702 B2 JP 2884702B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
silicon
pigment
particles
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11647390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03231987A (ja
Inventor
哲治 岩間
修作 柿田
徹 田川
英次 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KASEI OPUTONIKUSU KK
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
KASEI OPUTONIKUSU KK
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KASEI OPUTONIKUSU KK, Mitsubishi Chemical Corp filed Critical KASEI OPUTONIKUSU KK
Priority to JP11647390A priority Critical patent/JP2884702B2/ja
Publication of JPH03231987A publication Critical patent/JPH03231987A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2884702B2 publication Critical patent/JP2884702B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はカラー受像管の螢光膜用等に使用される螢光
体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、成膜性に優
れ、かつ、顔料や無機物の表面処理剤等の付着力を向上
させた螢光体及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
周知のようにカラー受像管の螢光膜を形成する場合、
例えばポリビニルアルコール(PVA)と重クロム酸アン
モニウム(ADC)と界面活性剤(SAA)を含む水溶液に特
定の螢光体を分散させた螢光体スラリーを調製し、これ
を受像管のフェースプレート(ガラスパネル)面に全面
塗布した後、シャドウマスクを介して所定のパターン
(ドット又はストライプ)に紫外線を照射して、照射さ
れた部位を硬化させて水不溶化する(露光工程)。次に
非露光部の水溶性の螢光膜を水洗し、除去して所望のパ
ターンの螢光膜を得る(現像工程)。この工程を3回繰
返して緑色発光螢光膜、青色発光螢光膜及び赤色光螢光
膜を順次形成する。
そして、上述のような工程でカラー受像管の螢光膜を
形成する場合、 螢光膜のフェースプレート(ガラスパネル)面との接
着力が強いこと、 現像後の螢光膜ストライプ又はドットが所定の寸法精
度に仕上がり、ピンホールやツブ(擬集粒子)が少ない
こと、 螢光膜形成工程において1つの発光成分の螢光体が他
の発光成分の螢光膜上又はガラスパネル面上に混入、付
着(クロスコンタミネーション)しないこと等が要求さ
れるところから、これらの要求を満たし得る螢光体、即
ち、スラリー中での分散性が優れ、成膜性の良好な螢光
体の開発が望まれている。
また、螢光膜形成時、現像工程で水洗、除去された、
非露光部の螢光体は回収して再使用されるが、表面に顔
料粒子を付着させた顔料付螢光体や無機物質で表面コー
トされた螢光体を回収再生する場合、表面に付着した顔
料や表面処理剤が上記回収工程において剥離するため、
再使用にあたって再度顔料付けや表面処理を行う必要が
あり、コスト的にも不満足であるという問題点があっ
た。
そこで上記各問題点解決のため、種々改良が試みられ
ており、例えばガラスパネルへの接着力アップとクロス
コンタミネーションを防止する目的で螢光体粒子表面に
SiO2とアルミニウム化合物と亜鉛の化合物からなる表面
物質をコートする方法(特公昭61−46512号)、螢光体
の分散性、撥水性を高めるため、螢光体粒子の表面にシ
ラン膜を形成する方法(特公昭53−17555号)、螢光体
と顔料の付着力を向上させるため、螢光体粒子の表面を
シリカの連続皮膜で被覆する方法(特公昭59−10709
号)等をはじめ、珪素系の化合物による表面処理方法が
多数提案されている。
しかしながら、用いられる螢光体の親水度、表面動電
位等のいわゆる表面性状が螢光体の焼成条件や、その後
に実施されるボールミル分散条件等の違いによって変化
し、所定の範囲に管理することが困難なため、従来の表
面処理法によって得られた螢光体は必ずしも成膜性が十
分ではなかった。また螢光体と顔料粒子や種々の表面処
理剤との接着が未だ不充分なためにこの螢光体の回収再
生時に顔料粒子や表面処理剤が部分的に剥離し、再使用
に際して再び顔料付けや表面処理を施す必要があったり
する場合が多く、従って、その改良が望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであ
り、螢光体粒子の表面性状を安定化させることによっ
て、この螢光体を用いて螢光膜を形成する際に、螢光体
スラリー組成の変化に影響されることなく良好な螢光膜
が得られると共に、従来の螢光体に比べて螢光体と顔料
や表面処理剤との接着力が大である螢光体及びその製造
方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者等は上記目的達成のため螢光体の表面
処理方法について鋭意研究の結果、螢光体の表面に顔料
や無機物の表面処理剤を付着させる前もしくはこれらを
付着させた後にこの螢光体粒子を懸濁させた溶媒中で珪
素のアルコキサイドもしくはその誘導体を加水分解させ
ることによって得られた、少なくとも一部が珪素原子に
結合した水酸基を含有する珪素化合物の皮膜を螢光体粒
子表面に所定量付着させる処理を施して、該螢光体のメ
タノールウエッタビリティー(MW値)が所定の値を示す
ように調整することにより上記目的が達成され得ること
を見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の螢光体は珪素の量に換算して0.1〜25m
g/m2の、少なくとも一部が珪素原子に結合した水酸基を
含有する珪素系化合物の皮膜と、顔料粒子および/又は
前記珪素系化合物以外の無機物の表面処理剤とが表面に
付着しており、メタノールウエッタビリティー(MW値)
が0〜20%であることを特徴とする。
更に、本発明の螢光体の製造方法は表面に顔料粒子お
よび/又は無機物の表面処理剤を付着させる前の螢光体
もしくはこれらを付着させた螢光体と、珪素のアルコキ
サイドまたはその誘導体とを含む溶媒中に触媒を添加し
て上記珪素のアルコキサイド又はその誘導体を加水分解
した後、重縮合させ、次いで溶媒を除去することを特徴
とする。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で使用されるシリコンアルコキサイドは一般式
Si(OR)(R:アルキル基)で表わされ、通常アルキル
基の炭素数は1〜5程度であるが、反応性や工業規模で
の入手の容易さなどから炭素数1〜3すなわち、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポ
キシシランなどが好適に用いられる。また、シリコンア
ルコキサイドの誘導体、例えば上記シリコンアルコキサ
イドを部分的に加水分解して得られる低縮合物誘導体を
用いても良い。
更にこれらSiアルコキサイド又はその誘導体と共に一
般式M2O・xSiO2(但し、MはLi,Na,KおよびNH4の中の少
なくとも1種であり、xはその化合物中のSiO2/M2Oのモ
ル比)で表わされる珪酸塩化合物を併用しても良い。
次に、本発明で使用される触媒としては、アンモニ
ア、アンモニウム塩、NaOH,KOH,LiOHなどの塩基性触媒
や、H2SO4,HClなどの酸性触媒が使用可能であるが、反
応処理後の触媒除去の容易さなどから塩基性触媒が好ま
しく、特にアンモニアが好適に用いられる。
さらに、本発明で使用される反応溶媒としては、シリ
コンアルコキサイド、上記の触媒および加水分解の原料
として加えられる水を溶解し、かつ、螢光体粒子を良く
分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの種々
のアルコールが好適に用いられる。また、本発明におい
ては、粒子の凝集を防止する目的でアルコールに炭化水
素を混合してもよい。この炭化水素はアルコールと相溶
性があるものであれば特に限定されないが、溶媒回収の
容易さなどから炭素数5〜12の脂肪族、脂環族、芳香族
炭化水素、より好ましくは、炭素数6〜9の炭化水素が
良い。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘ
キサン、メチル−シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、アセトンなどである。
まず、本発明では、反応溶媒に水および触媒をそれぞ
れ溶解し、これに螢光体粒子を分散させ、次いでシリコ
ンアルコキサイド又はその誘導体を添加して加水分解・
重縮合反応を行なわせる。反応溶液中に加える螢光体粒
子添加量は、攪拌状態で粒子の分散状態が維持されるか
ぎり特に限定されないが、通常は反応溶液1に対し、
500〜1000gの範囲から選ばれる。
シリコンアルコキサイド又はその誘導体の加水分解・
重縮合反応を行わせ、その生成物からなる皮膜を螢光体
粒子表面に付着させるための条件は螢光体粒子の大きさ
などにより異なるため、一概には決定できないが、例え
ば反応溶媒系中の水の濃度は0.5〜50mol/、触媒の濃
度は0.1〜10mol/、Siアルコキサイド又はその誘導体
の濃度は通常0.01〜0.1mol/の範囲から選ばれる。
また、反応溶媒、水、触媒および螢光体粒子からなる
系に対しシリコンアルコキサイドを添加する方法は、一
度に全量を添加してもよいし、滴下などにより分割添加
してもよい。反応は、攪拌下で、通常は0〜50℃の温度
範囲で行なわれるが、反応時間を短縮するなどの目的
で、還流条件下でさらに高温で反応させてもよい。
次に、反応終了後の粒子は、沈降分離または濾過など
の方法により反応溶液から分離した後、乾燥される。
このようにして得られた螢光体粒子表面の一部分もし
くは全面には反応溶媒中に添加されたシリコンアルコキ
サイド又はその誘導体の加水分解・重縮合によって生成
した珪素系化合物の皮膜が形成される。この珪素系化合
物は、通常、−Si−O−の繰返し結合鎖を有し、珪素原
子には水酸基と一部にアルコキシ基が結合しているが、
それらの基のほか、シリコンアルコキサイドの不純物も
しくは何らかの目的で添加された、他の珪素化合物に由
来するアルカリ金属、水素原子、ハロゲン、アルキル基
等を含有していても良い。
かかる珪素系化合物は本発明の目的を充足する限りそ
の他の珪素化合物、例えば一般式M2O・xSiO2(但し、M
およびxは前記と同様である)で表わされる珪酸塩化合
物を含んでいても良い。(以下、これらの珪素系化合物
を総称して、「Siの無機水酸化物」ということにす
る)。本発明では簡便にはシリコンアルコキサイドの加
水分解によりかかるSiの無機水酸化物から成る連続皮膜
を、凝集させずして均一に付着させることが可能とな
る。その結果、螢光体表面性状が安定化するため、この
螢光体を用いて螢光膜とした時の螢光膜特性の再現性が
良好となる。
ところで、水濡れ性の良好な螢光体ほどスラリー中で
の分散性が良く、しかも顔料等との接着力は強いが、得
られる螢光体の水濡れ性は簡易的には例えば特開昭63−
23987号公報に記載されているMW値(メタノールウエッ
タビリティー法、即ち、粒子が完全に濡れるメタノール
の容量%の値)で評価が可能である。
そして、本発明の螢光体においては得られる螢光体の
水濡れ性の点でこの螢光体のMW値が0〜20%の範囲のも
のが好ましく、特に0〜10%の範囲にあるものがより好
ましい。そのために、用いられる螢光体の表面性状に応
じて表面処理に使用される原料としてのSiアルコキサイ
ド又はその誘導体の量がコントロールされるが、最終的
に螢光体表面に付着したSiの無機水酸化物からなる皮膜
の重量が、Siの重量に換算しておよそ0.1mg/m2より少な
い場合はSiの無機水酸化物からなる皮膜を設けない。も
との螢光体の表面性状に左右されるため、その成膜性に
再現性がなく、また顔料や無機物の表面処理剤との接着
力が十分ではない。また、逆にSiの無機水酸化物からな
る皮膜の量を25mg/m2よりも多くすると得られる螢光体
の発光輝度の経時的な低下が著しく、しかもこれを加
熱、乾燥処理した時、螢光体粒子同士が接着、凝集し、
成膜性が極めて悪くなる。従って本発明によって得られ
た螢光体の粒子表面に付着させる、Siの無機水酸化物か
らなる皮膜の付着量はSiの重量に換算しておよそ0.1〜2
5mg/m2とするのが好ましく、特におよそ1〜8mg/m2とす
るのがより好ましい。
次いで、上述のようにして得た螢光体の表面に従来公
知の方法により、出来るだけその螢光体の発光光は透過
してそれ以外の光も吸収し得る顔料粒子および/又はAl
2O3,TiO2等の、Siの無機水酸化物以外の無機物の表面処
理剤を付着させて、本発明の螢光体を得る。なお、本発
明の螢光体の製造に際してはSiの無機水酸化物を付着さ
せる順序は上記の順序とは逆に、予じめ顔料および/又
は無機物の表面処理剤を表面に付着させた螢光体を用
い、これに上記と同様にしてSiの無機水酸化物を付着さ
せても良い。
また、本発明によってSiの無機水酸化物から成る皮膜
を付着させる螢光体は、種々の用途のものを選択できる
が、好適例としてはカラーブラウン管用螢光体を挙げる
ことができ、より具体的にはZnS:Ag,Cl、ZnS:Cu,Al、Zn
S:Cu,Au,Al等の、硫化物を母体とする螢光体を用いた場
合、特に良好な結果が得られる。
上述のようにして特定量のSiの無機水酸化物から成る
皮膜を表面に付着させ、MW値が所定の値を示すように調
整された本発明の螢光体は成膜性が良好であり、しかも
この螢光体に付着させた顔料やAl2O3,TiO2等の無機物の
表面処理剤の接着力が著しく向上するため、螢光膜作成
後に螢光体スラリーを回収し、再使用する場合も顔料や
表面処理剤の剥離が少ない。
このように本発明によって得られた螢光体が成膜性に
優れ、顔料や無機物の表面処理剤との接着力が向上する
理由は、螢光体粒子表面に付着したSiの無機水酸化物が
有する水酸基のため、水との親和力が増し、従って螢光
体表面の水濡れ性が良好となって、螢光体スラリー中で
の螢光体の分散性がより向上することと、顔料や無機物
の表面処理剤の表面に存在する水酸基と、螢光体粒子表
面の水酸基との水素結合により、相互の結合力が増すた
めであろうと推測される。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが本発明はこれ
に限定されるものではなく、本実施例以外の上述した原
料を用いた場合も同様の結果が得られる。
(実施例1〜5) エタノール200gに蒸留水17.4gと28%アンモニア水22.
4gを溶解混合した溶液(いずれも螢光体150g当り)に、
表1に記載の通り、平均粒径7μm、比表面積0.30m2/g
の各螢光体粒子(未処理品)を種々の割合で添加、攪拌
分散させた後、300rpmで回転する攪拌機で攪拌しながら
20℃の恒温槽中に保持した。なお、用いられる螢光体量
の増減割合に応じてエタノール、蒸留水及び28%アンモ
ニア水の量も増減した。
次に、20℃に調整したテトラエトキシシラン(〔SiO
(C2H5〕)を表1に記載の通り、種々の割合で前記
反応溶液に添加した後、20℃で2時間保持した。次い
で、所定時間経過した反応溶液を濾過して螢光体粒子と
溶液を分離し、さらに、得られた螢光体粒子を100℃で2
4時間乾燥し、螢光体粒子の表面にSiの無機水酸化物か
ら成る皮膜を付着させた。
次にこの螢光体を純水に分散させてスラリー化し、ア
クリルエマルジョンをバインダーとして公知の方法で更
に該螢光体に対しておよそ1.4重量%の割合のアルミン
酸コバルト(青色顔料)を付着させた。
(実施例6) 実施例2と同様にして螢光体粒子の表面にSiの無機水
酸化物から成る皮膜を付着させた後、その表面にアルミ
ン酸コバルト(青色顔料)に代えて該螢光体に対してお
よそ0.1重量%のアルミナゾルとチタニア(無機物の表
面処理剤)を公知の方法で付着させた。
(実施例7) 未処理のZnS:Ag,Alに代えて平均粒径7μm、比表面
積0.30m2/gのZnS:Ag,Cl螢光体粒子に公知の方法で該螢
光体に対し、それぞれおよそ1.4重量%のアルミン酸コ
バルト(青色顔料)およびおよそ0.1重量%のアルミナ
ゾルを付着させた螢光体を用いる以外は実施例2と同様
にしてアルミン酸コバルト(青色顔料)及びアルミナゾ
ル(無機物の表面処理剤)を付着させた螢光体粒子の表
面にSi無機水酸化物から成る皮膜を付着させた。
(実施例8) 8.0gのテトラエトキシシランに代えて3.0gのテトラエ
トキシシランとSiO2/K2Oのモル比がおよそ3である、3.
0gのカリ水ガラスを用いる以外は実施例1と同様にして
ZnS:Ag,Cl螢光体粒子の表面にSiの無機水酸化物から成
る皮膜を付着させ、更にその上にこの螢光体に対してお
よび1.4重量%の割合のアルミン酸コバルト(青色顔
料)を付着させた。
(比較例1) ZnS:Ag,Al螢光体粒子表面にSiの無機水酸化物から成
る皮膜を付着させない以外は実施例1と同様にして該螢
光体に対しておよそ1.4重量%の割合のアルミン酸コバ
ルト(青色顔料)を付着させた。
(比較例2) 2.0gのテトラエトキシシランに代えて、2.0gのシラン
カップリング剤〔CH3Si(OCH3〕を用いる以外は実
施例3と同様にしてZnS:Ag,Al螢光体粒子表面にSi系化
合物から成る皮膜と該螢光体に対して約1.4重量%のア
ルミン酸コバルト(青色顔料)を付着させた。
(比較例3) 8.0gのテトラエトキシシランに代えて8.0gのSiO2/K2O
モル比が約3であるカリ水ガラスを用いる以外は実施例
1と同様にしてZnS:Ag,Al螢光体粒子表面にSi系化合物
から成る皮膜と該螢光体に対して約1.4重量%のアルミ
ン酸コバルト(青色顔料)を付着させた。
(比較例4) 6.0gのテトラエトキシシランに代えて15gのテトラエ
トキシシランを用いる以外は実施例1と同様にしてZnS:
Ag,Al螢光体粒子表面にSiの無機水酸化物を含むSi系化
合物から成る皮膜と、該螢光体に対しておよそ0.1重量
%のアルミナゾルとチタニア(無機物の表面処理剤)を
付着させた。
次に上記各実施例及び比較例によって得られた夫々の
螢光体について、螢光体に付着したSi系化合物からなる
皮膜の付着量(Siの重量に換算した値)、MW値、この螢
光体を用いて螢光膜を作成した時の螢光膜特性並びに耐
回収再生性を調べたところ、第1表に示した通りの結果
が得られた。
なお、第1表に示した各評価項目はそれぞれ下記の評
価方法により判定した。
1)皮膜の付着量 皮膜が形成された各螢光体の表面を酸で溶解して皮膜
が剥離し、原子吸光法によりSiの量を定量し、その螢光
体粒子表面に付着した単位面積当りのSiの重量をもって
付着したSi系化合物からなる皮膜の重量とした。
皮膜中におけるSiの無機水酸化物の有無は別途調整さ
れたこれらの化合物からなる標準試料と各螢光体につい
てFT−IR(フーリエ交換赤外吸収分光法)によって求め
た吸収ピークを比較対称することによって定性的に確認
した。
2)MW値 メタノールの濃度を5容量%の間隔で変化させた水と
の混合溶液を調製し、これを容積10mlの試験管に5ml入
れる。次いで螢光体粒子を0.1〜0.2g入れ、激しく振り
混ぜてから静置した後観察し、粒子全体が湿潤する最低
のメタノール濃度を知り、これをMW値として表わす。例
えば、“MW値20"とはメタノール20容量%の混合溶液に
は粒子全体が湿潤するが、メタノール25容量%では粒子
の一部が湿潤しないで溶液面上に残り浮遊する。また、
“MW値0"とは粒子が水のみに対し完全に湿潤、分散する
ことを示す。したがって、MW値が低いほど親水性が高く
水にたいし分散しやすいことを示す。
3)螢光膜の特性 各螢光体を用いてブラウン管のフェースプレート上に
螢光膜を作成してこれを目視観察し、全面がほぼ均一で
あると認められたものを「良」と評価し、部分的にピン
ホールやツブ(凝集粒子)が認められ、均一な膜面が得
られなかったものを「不良」と評価した。
4)耐回収再生性 各螢光体を75℃の1%NaOH水溶液中で、1時間攪拌
後、デカンテーションにより水洗を繰返して、その時の
廃液中に含まれる顔料又は無機物の表面処理剤の量を定
量することによって剥離した顔料又は無機物の表面処理
剤の量を求め、顔料の場合は剥離した顔料の量が最初の
付着量の10%より少なく、無機物の表面処理剤の場合は
剥離した無機物の表面処理剤の量が最初の付着量の30%
より少ない場合はそれぞれ、この螢光体を含むスラリー
から螢光体を回収する工程においても顔料や表面処理剤
の剥離は少ないと考えた耐回収再生性「良」と評価し、
上記方法で求めた顔料又は無機物の表面処理剤の剥離量
が上記値より大の場合は耐回収再生性「不良」と評価し
た。
〔発明の効果〕 本発明の螢光体はこれを螢光膜とした場合、成膜性に
優れ、しかも顔料および/又は無機物の表面処理剤との
接着力が強いため、この螢光体に顔料および/又は無機
物の表面処理剤を付着させ、スラリー化したものを回収
再生した場合にも顔料および/又は無機物の表面処理剤
の剥離が少ない。
フロントページの続き (72)発明者 田川 徹 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 服部 英次 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 11/00 - 11/89

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪素の量に換算して0.1〜25mg/m2の、少な
    くとも一部が珪素原子に結合した水酸基を含有する珪素
    系化合物の皮膜と、顔料粒子および/又は前記珪素系化
    合物以外の無機物の表面処理剤とが表面に付着してお
    り、メタノールウエッタビリティー(MW値)が0〜20%
    であることを特徴とする螢光体。
  2. 【請求項2】前記珪素系化合物の少なくとも一部が、珪
    素原子に結合したアルコキシ基を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の螢光体。
  3. 【請求項3】螢光体と珪素のアルコキサイドもしくはそ
    の誘導体とを含む溶媒中に触媒を添加して上記珪素のア
    ルコキサイド又はその誘導体を加水分解した後、重縮合
    させ、次いで上記溶媒を除去することによって得られた
    螢光体粒子の表面に顔料および/又は無機物の表面処理
    剤を付着させることを特徴とする螢光体の製造方法。
  4. 【請求項4】表面に顔料および/又は無機物の表面処理
    剤を付着させた螢光体と珪素のアルコキサイドもしくは
    その誘導体とを含む溶媒中に触媒を添加して上記珪素の
    アルコキサイド又はその誘導体を加水分解した後、重縮
    合させ、次いで上記溶媒を除去することを特徴とする螢
    光体の製造方法。
JP11647390A 1989-12-26 1990-05-02 螢光体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2884702B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11647390A JP2884702B2 (ja) 1989-12-26 1990-05-02 螢光体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33723089 1989-12-26
JP1-337230 1989-12-26
JP11647390A JP2884702B2 (ja) 1989-12-26 1990-05-02 螢光体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03231987A JPH03231987A (ja) 1991-10-15
JP2884702B2 true JP2884702B2 (ja) 1999-04-19

Family

ID=26454799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11647390A Expired - Fee Related JP2884702B2 (ja) 1989-12-26 1990-05-02 螢光体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2884702B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111080A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Mitsubishi Chemicals Corp 蛍光体表面処理方法、蛍光体、蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置、および照明装置

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5838118A (en) * 1996-03-28 1998-11-17 Lucent Technologies Inc. Display apparatus with coated phosphor, and method of making same
WO2007091687A1 (ja) 2006-02-10 2007-08-16 Mitsubishi Chemical Corporation 蛍光体及びその製造方法、蛍光体含有組成物、発光装置、並びに画像表示装置及び照明装置
US8348456B2 (en) 2006-08-11 2013-01-08 Mitsubishi Chemical Corporation Illuminating device
EP2065931A4 (en) 2006-08-22 2013-02-27 Mitsubishi Chem Corp SEMICONDUCTOR ELEMENT ELEMENT, LIQUID TO FORM A SEMICONDUCTOR COMPONENT member, PROCESS FOR PRODUCING A SEMICONDUCTOR COMPONENT link and FLUID TO FORM A SEMICONDUCTOR COMPONENT member USING THE METHOD, FLUORESCENT COMPOSITION, SEMICONDUCTOR LIGHT ELEMENT, ILLUMINATION DEVICE AND IMAGE DISPLAY DEVICE
EP2060616A4 (en) 2006-09-15 2010-08-04 Mitsubishi Chem Corp FLUORESCENT, MANUFACTURING METHOD, FLUORESCENT COMPOSITION, LIGHTING DEVICE, PICTURE INDICATOR AND LIGHTING DEVICE
EP2135920B1 (en) 2007-04-18 2016-12-21 Mitsubishi Chemical Corporation Process for producing inorganic compound, fluorescent material, fluorescent-material-containing composition, luminescent device, illuminator, and image display
JP4466757B2 (ja) 2007-04-18 2010-05-26 三菱化学株式会社 蛍光体、蛍光体含有組成物、発光装置、照明装置、画像表示装置、及び窒素含有化合物
EP2175007A4 (en) 2007-06-29 2011-10-19 Mitsubishi Chem Corp LUMINOPHORE, METHOD FOR PRODUCING LUMINOPHORE, COMPOSITION CONTAINING LUMINOPHORE, AND LIGHT EMITTING DEVICE
EP2180031A4 (en) 2007-08-01 2011-05-25 Mitsubishi Chem Corp PHOSPHORUS AND METHOD OF PREPARATION THEREOF, CRYSTALLINE SILICONIUM NITRIDE AND METHOD OF PRODUCTION THEREOF, PHOSPHORUS COMPOSITION, LIGHT-EMITTING COMPONENT WITH THE PHOSPHORIC, IMAGE DISPLAY DEVICE AND LIGHTING APPARATUS
EP2211083A4 (en) 2007-11-12 2014-06-25 Mitsubishi Chem Corp LIGHTING SYSTEM
WO2009119841A1 (ja) 2008-03-28 2009-10-01 三菱化学株式会社 硬化性ポリシロキサン組成物、並びに、それを用いたポリシロキサン硬化物、光学部材、航空宇宙産業用部材、半導体発光装置、照明装置、及び画像表示装置
KR101803582B1 (ko) 2009-03-31 2017-11-30 미쯔비시 케미컬 주식회사 형광체, 형광체의 제조 방법, 형광체 함유 조성물, 발광 장치, 조명 장치 및 화상 표시 장치
JP5565539B1 (ja) * 2012-12-28 2014-08-06 信越化学工業株式会社 蛍光体の表面処理方法
US10113111B2 (en) 2015-02-06 2018-10-30 Dow Silicones Corporation Treated fillers and uses thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111080A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Mitsubishi Chemicals Corp 蛍光体表面処理方法、蛍光体、蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置、および照明装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03231987A (ja) 1991-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2884702B2 (ja) 螢光体及びその製造方法
JP2525656B2 (ja) 蛍光体および蛍光体の表面処理方法
JP4023184B2 (ja) 発光体粒子及びその製造方法並びにその用途
GB2044790A (en) Filter-coated phosphor
JPH10279886A (ja) コーティング組成物、親水性膜、及び親水性膜を有する被覆物品
JP2753042B2 (ja) 蛍光体およびその処理方法
JPH075883B2 (ja) 蛍光体の再生方法
GB1563526A (en) Method for preparing filter-coated phosphor particles
JPH1067985A (ja) 表示スクリーン、SiO2 粒子の被膜を有する発光体組成物及びこの組成物の製造方法
CN101903302A (zh) 利用经包封催化剂的溶胶-凝胶方法
US5185207A (en) Phosphor for cathode ray tube and surface treatment method for the phosphor
JPH05179235A (ja) 陰極線管用蛍光体及びその表面処理方法
KR20190095131A (ko) 형광체 입자
JP2946763B2 (ja) 蛍光体の表面被覆方法
CN1212987A (zh) 荧光体
JPH09241630A (ja) 表面処理された蛍光体及びその製造方法
JP2906715B2 (ja) 陰極線管用蛍光体および表面処理方法
JP2000053959A (ja) アミド基含有又はウレタン基含有有機バインダ―を含む蛍光体組成物
JPH10298546A (ja) 蛍光体およびその製造方法
JP3394053B2 (ja) 蛍光体及びその製造方法
JP2738212B2 (ja) 顔料付蛍光体
JPH0641526A (ja) 顔料付青色発光蛍光体の製造方法
JP3382635B2 (ja) 顔料付赤色発光蛍光体の製造方法
JPH1077468A (ja) 蛍光体
JPH09291273A (ja) 蛍光体

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080212

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080212

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100212

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees