JP2884311B2 - ディスク式スチ―ムトラップ - Google Patents

ディスク式スチ―ムトラップ

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JP2884311B2
JP2884311B2 JP22220093A JP22220093A JP2884311B2 JP 2884311 B2 JP2884311 B2 JP 2884311B2 JP 22220093 A JP22220093 A JP 22220093A JP 22220093 A JP22220093 A JP 22220093A JP 2884311 B2 JP2884311 B2 JP 2884311B2
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TLV Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧室すなわち熱力学
的蒸気室の圧力変化に応じて弁ディスクが開閉すること
により、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出する
ディスク式スチ―ムトラップに関し、特に、バイメタル
を用いてエアバインディングを解消できるようにしたも
のに関する。
【0002】ディスク式スチ―ムトラップは内外輪弁座
からなる弁座面に対して離着座する弁ディスクを、弁デ
ィスクの背後に形成した変圧室の圧力変化によって自力
的に制御して開閉弁させ復水を自動的に排出するもので
ある。このものにおいては、始動時に空気が流入してき
ても、蒸気の場合と同様に瞬時に閉弁してしまい、一旦
閉弁すると空気は蒸気と異なり凝縮作用を起こさないの
で、その後は開弁できない、いわゆるエアバインディン
グが起こる。そこで、従来からバイメタルを用いてこの
エアバインディングを解消することが行なわれている。
これは、バイメタルの温度変化による湾曲作用を利用し
て、低温時に弁ディスクを強制的に持上げて開弁させ、
高温時に弁ディスクに干渉しない様にしたものである。
【0003】
【従来の技術】この一例が特公昭50−8809号公報
に示されている。これは、外輪弁座の外周に形成した円
錐状の斜面部に有端のバイメタル環を配置すると共に、
弁ディスクとバイメタル環の間に環状板を配置し、斜面
部と温度変化によるバイメタル環の拡開縮閉作用との協
働によってエアバインディングを解消するものである。
すなわち、バイメタル環は低温時に斜面部に沿って上動
し、環状板を介して弁ディスクを持上げて内外輪弁座か
ら離座開弁させるもので、高温時には斜面部に沿って下
動し、弁ディスクに干渉しなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のものでは、斜面
部に摺接するバイメタル環の下部が摩耗したり、環状板
やバイメタル環が破損したりする問題がある。これは、
弁ディスクの離着座時の衝撃及び排出流体による流動抵
抗によって、高温時に環状板が上下に激しく動揺するた
めに、弁ディスクに叩かれ、また環状板を介してバイメ
タル環が叩かれるためである。従って本発明の技術的課
題は、高温時に環状板が弁ディスクに叩かれないように
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために講じた本発明の技術的手段は、内外輪弁座と
蓋部材とにより形成する変圧室内に弁ディスクを配置
し、外輪弁座の外周に形成した円錐状の斜面部に有端の
バイメタル環を配置すると共に、弁ディスクとバイメタ
ル環の間に環状板を配置し、斜面部と温度変化によるバ
イメタル環の拡開縮閉作用との協働によって低温時に環
状板を介して弁ディスクを内外輪弁座から離座せしめて
エアバインディングを解消するディスク式スチ―ムトラ
ップにおいて、環状板の外周に環状溝を形成して拡開縮
閉作用を行なう有端の保持用バイメタル環を配置し、保
持用バイメタル環が高温時に拡開して変圧室内周壁に張
付いて環状板を保持するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0006】
【作用】上記の技術的手段の作用は下記の通りである。
エアバインディングの解消は、バイメタル環が低温時に
斜面部に沿って上動し、環状板を介して弁ディスクを持
上げて内外輪弁座から離座開弁させることによって行な
われる。バイメタル環は高温時に斜面部を下動し、これ
に伴って環状板も下動し、弁ディスクに干渉しなくな
る。この高温時に於て、下動した環状板は環状溝に配置
した保持用バイメタル環が変圧室内周壁に張付くことに
よって保持される。従って、高温時に環状板は上下動す
ることがなく、弁ディスクに叩かれることがないので、
バイメタル環の摩耗や環状板及びバイメタル環の破損が
生じることがない。
【0007】
【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説
明する(図1と図2参照)。本体1に同一軸上に入口2
と出口3を形成し、この入口2及び出口3と連通する変
圧室4を蓋部材5と本体1とで形成する。入口2と出口
3の変圧室4側開口端に内輪弁座6と外輪弁座7を同心
円状で同一平面に形成してその間に環状の出口溝8を形
成する。内外輪弁座6,7に離着座する円板状の弁ディ
スク9を変圧室4内に配置する。入口2と変圧室4は内
輪弁座6に形成した入口通路10を介して連通し、変圧
室4と出口3は環状の出口溝8の一部から形成した出口
通路11を介して連通する。蓋部材4の外側にキャップ
12を被せて空気保温室13を形成する。
【0008】外輪弁座7の外周に円錐状の斜面部14を
形成し、有端のバイメタル環15を配置すると共に、バ
イメタル環15と弁ディスク9の間に環状板16を配置
する。環状板16の外周に環状溝17を形成し、有端の
保持用バイメタル環18を配置する。
【0009】上記実施例の作動を説明する。トラップ本
体が低温の場合、バイメタル環15は図2に示すように
縮閉して斜面部14を上動しており、環状板16を介し
て弁ディスク9を持上げて離座開弁状態にし、低温の復
水や空気を排出する。このとき保持用バイメタル環18
は縮閉している。高温復水が流入してくると、図1に示
すようにバイメタル環15は拡開して斜面部14を下動
し、これに伴って環状板16も下動する。そして、保持
用バイメタル環18が拡開して変圧室4の内周壁に張付
き、環状板16を上下動しないように保持する。以後周
知のディスク式スチ―ムトラップの作動原理に基づいて
蒸気は逃さず復水のみを自動的に排出する。
【0010】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、バイメタ
ル環の摩耗や環状板及びバイメタル環の破損が生じるこ
とがないので、長期間に渡って良好なエアバインディン
グ解消機能を果すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク式スチ―ムトラップの実施例
の高温時の作動状態を示す断面図である。
【図2】本発明のディスク式スチ―ムトラップの実施例
の低温時の作動状態を示す要部のみの断面図である。
【符号の説明】
1 本体 2 入口 3 出口 4 変圧室 5 蓋部材 6 内輪弁座 7 外輪弁座 9 弁ディスク 14 斜面部 15 バイメタル環 16 環状板 17 環状溝 18 保持用バイメタル環

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外輪弁座と蓋部材とにより形成する変
    圧室内に弁ディスクを配置し、外輪弁座の外周に形成し
    た円錐状の斜面部に有端のバイメタル環を配置すると共
    に、弁ディスクとバイメタル環の間に環状板を配置し、
    斜面部と温度変化によるバイメタル環の拡開縮閉作用と
    の協働によって低温時に環状板を介して弁ディスクを内
    外輪弁座から離座せしめてエアバインディングを解消す
    るディスク式スチ―ムトラップにおいて、環状板の外周
    に環状溝を形成して拡開縮閉作用を行なう有端の保持用
    バイメタル環を配置し、保持用バイメタル環が高温時に
    拡開して変圧室内周壁に張付いて環状板を保持するよう
    にしたことを特徴とするディスク式スチ―ムトラップ。
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